(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167524
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
D06F39/02 D
D06F39/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073368
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】黒田 恵
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 大輔
(72)【発明者】
【氏名】長井 智
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA12
3B166AA15
3B166AB42
3B166AE02
3B166BA08
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3B166BA50
3B166BA78
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3B166DC47
3B166FA01
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3B166FA12
3B166FB01
3B166FB05
3B166FB08
3B166GB02
3B166HA11
3B166HA31
3B166HA54
3B166JM01
3B166JM03
(57)【要約】
【課題】装置本体部内におけるスペースの制約を極力受けることなくタンクを備えることができ、また、タンクの大容量化を図ることができるようにした衣類処理装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る衣類処理装置は、外郭を構成する装置本体部と、前記装置本体部内に設けられ、衣類を収容する衣類処理槽と、前記装置本体部の一端部に設けられ、前記衣類処理槽内に衣類を出し入れするための衣類出入口と、衣類を処理する衣類処理剤を貯留するタンクと、を備え、前記タンクは、前記装置本体部の一端部のうち前記衣類出入口の側部となる部分に設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を構成する装置本体部と、
前記装置本体部内に設けられ、衣類を収容する衣類処理槽と、
前記装置本体部の一端部に設けられ、前記衣類処理槽内に衣類を出し入れするための衣類出入口と、
衣類を処理する衣類処理剤を貯留するタンクと、
を備え、
前記タンクは、前記装置本体部の一端部のうち前記衣類出入口の側部となる部分に設けられている衣類処理装置。
【請求項2】
前記タンクの一端部の表面は、前記装置本体部の一端部の表面の一部を形成する請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記タンクは、当該タンク内に衣類処理剤を補給するための補給口を備え、
前記タンクのうち前記装置本体部の一端部の表面の一部を形成する面は、前記衣類処理槽側である槽側部から前記衣類処理槽とは反対側である反槽側部に傾斜する傾斜面となっており、
前記補給口は、前記タンクの傾斜面のうち前記反槽側部側に設けられている請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記タンクは、少なくとも一部が透明である請求項1から3の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記タンクは、前記装置本体部の一端部のうち前記衣類出入口の一側部側となる部分および他側部側となる部分のうち少なくとも何れか一方に設けられている請求項1から4の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記衣類処理槽は、貯水可能な水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられている回転槽と、を備え、
前記タンクは、当該タンク内の衣類処理剤を外部に流出する流出口を備え、
前記流出口は、前記水槽に接続されており、
前記タンク内の衣類処理剤は、前記流出口から前記水槽と前記回転槽との間に供給される請求項1から5の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記装置本体部は、前記タンクよりも前記衣類処理槽側となる部分に配置部を備え、
前記配置部内には、少なくとも線状の部材を配置可能である請求項1から6の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されている通り、衣類に所定の処理を施す衣類処理装置の一例として、回転槽の回転中心軸が上下方向に延びる、いわゆる縦軸型の洗濯機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、この種の洗濯機においては、洗剤や柔軟剤などといった衣類処理剤をタンク内に貯留しておくようにした構成が考えられている。この構成によれば、1回の運転に必要な衣類処理剤をタンク内から自動投入装置によって自動的に水槽内に投入することができる。よって、使用者の手動による衣類処理剤の投入作業を不要とすることができ、利便性の向上を図ることができる。
【0005】
しかしながら、現状の洗濯機では、洗濯機本体の上部の後側部分を構成するバックカバーの内部にタンクが収容された構成となっている。そのため、バックカバーの内部にタンクを配置するためのスペースを確保しなければならず、洗濯機全体としての大型化を招いてしまう要因となっている。また、このようなスペースの制約の関係から、タンクの容量を大きくすることが困難となっている。
【0006】
そこで、本実施形態は、装置本体部内におけるスペースの制約を極力受けることなくタンクを備えることができ、また、タンクの大容量化を図ることができるようにした衣類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係る衣類処理装置は、外郭を構成する装置本体部と、前記装置本体部内に設けられ、衣類を収容する衣類処理槽と、前記装置本体部の一端部に設けられ、前記衣類処理槽内に衣類を出し入れするための衣類出入口と、衣類を処理する衣類処理剤を貯留するタンクと、を備え、前記タンクは、前記装置本体部の一端部のうち前記衣類出入口の側部となる部分に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る洗濯機の構成例を概略的に示す側面図
【
図2】本実施形態に係る洗濯機の上部の構成例を概略的に示すものであって、タンクの装着状態を示す斜視図
【
図3】本実施形態に係る洗濯機の上部の構成例を概略的に示すものであって、タンクの非装着状態を示す斜視図
【
図4】本実施形態に係る洗濯機の上部の構成例を概略的に示す縦断側面図
【
図5】本実施形態に係る洗濯機の内部の構成例を概略的に示す斜視図
【
図6】本実施形態に係る洗濯機の右側部の構成例を概略的に示す縦断正面図
【
図7】本実施形態に係る洗濯機の衣類出入口およびその周辺部分の構成例を概略的に示す平面図
【
図8】本実施形態に係る洗濯機の左側部の構成例を概略的に示す縦断正面図
【
図9】本実施形態の変形例に係るタンクの構成例を概略的に示す斜視図(その1)
【
図10】本実施形態の変形例に係るタンクの構成例を概略的に示す斜視図(その2)
【
図11】本実施形態の変形例に係るタンクの構成例を概略的に示す斜視図(その3)
【
図12】本実施形態の変形例に係るタンクの構成例を概略的に示す斜視図(その4)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、衣類処理装置に係る一実施形態について図面を参照ながら説明する。
図1に例示する洗濯機1は、回転槽の回転中心軸が上下方向に延びる、いわゆる縦軸型の全自動洗濯機である。洗濯機1は、衣類に所定の処理、この場合、衣類を洗う洗い処理、衣類をすすぐすすぎ処理、衣類を脱水する脱水処理などを施すことが可能な衣類処理装置の一例である。洗濯機1の外郭を構成する外箱2の内部には、衣類を収容可能な衣類処理槽3が備えられている。
【0010】
衣類処理槽3は、水槽3Aおよび回転槽3Bを備えている。水槽3Aは、上部が開放した有底円筒状なしており、その内部に貯水可能である。回転槽3Bは、上部が開放した有底円筒状なしており、水槽3Aの内部において縦軸回りに回転可能に設けられている。回転槽3Bの底部には、当該回転槽3B内の衣類や水を撹拌するための図示しないパルセータが縦軸回りに回転可能に設けられている。また、回転槽3Bの上部には、当該回転槽3Bの振動を抑制するための図示しないバランスリングが設けられている。なお、水槽3Aは、上面開口部に内蓋を備えた構成としてもよいし、内蓋を備えない構成としてもよい。
【0011】
外箱2は、上部が開放したほぼ矩形箱状の外箱本体部2Aの上部にトップカバー100が取り付けられた構成となっている。即ち、外箱2の一端部、この場合、上端部は、トップカバー100により構成されている。そして、このトップカバー100のほぼ中央部には、衣類処理槽3内に衣類を出し入れするための衣類出入口4が設けられている。この場合、衣類出入口4は、トップカバー100を上下方向に貫通するようにして設けられている。
【0012】
衣類出入口4の前部は、前側に滑らかに延出する円弧状をなしている。また、衣類出入口4の後部は、左右方向に延びる平面状をなしている。また、衣類出入口4の左右の両側部は、円弧状の前部と平面状の後部との間を滑らかに連結している。この衣類出入口4は、外箱2の上部において回動可能に設けられた外蓋5によって開閉されるようになっている。なお、外蓋5は、1枚の板状の蓋であってもよいし、いわゆる折り畳み式の蓋であってもよい。
【0013】
また、洗濯機1は、外箱2の後部の上部に位置して機械室6を備えている。この場合、機械室6は、トップカバー100内のスペースのうち衣類出入口4よりも後方に位置して設けられている。即ち、トップカバー100のうち衣類出入口4よりも後側の部分、換言すれば、外箱2の上部の後側部分は、バックカバー101により構成されている。そして、機械室6は、主として、このバックカバー101の内部に形成されている。この機械室6の内部には、例えば注水ケース6Aや給水弁ユニット6Bなどといった各種の駆動系の構成要素が収容されている。
【0014】
次に、洗濯機1のうち特にトップカバー100部分における構成例について詳細に説明する。
図2および
図3に例示するように、トップカバー100の上端面には、外蓋5の回動軸を支持する回動軸支持部102が設けられている。この場合、回動軸支持部102は、衣類出入口4とバックカバー101との間において、洗濯機1の左右方向に沿って直線状に延びるように設けられている。
【0015】
そして、トップカバー100の上端面のうち回動軸支持部102よりも前側に位置する部分は、この場合、洗濯機1の前側から後側に向かって上昇傾斜する平坦な傾斜面103を形成している。傾斜面103は、外箱2の一端部、この場合、上端部の表面を形成している。また、傾斜面103は、衣類出入口4の周囲を囲むようにして形成されている。なお、トップカバー100の上端面のうち回動軸支持部102よりも後側に位置する部分、この場合、バックカバー101により形成される部分は、水平な平坦面を形成している。
【0016】
そして、洗濯機1は、外箱2の上端部のうち衣類出入口4の側部となる部分にタンク104A,104Bを備えた構成となっている。洗濯機1は、複数、この場合、2つのタンク104A,104Bを備えた構成となっている。また、洗濯機1は、外箱2の上端部のうち衣類出入口4の左右の両側部にタンク104A,104Bを備えた構成となっている。
【0017】
この場合、タンク104Aは、洗濯機1の正面側から見て、衣類出入口4の左側部に備えられている。一方、タンク104Bは、洗濯機1の正面側から見て、衣類出入口4の右側部に備えられている。なお、傾斜面103のうち衣類出入口4よりも前側となる部分には、図示しない操作パネルが設けられている。操作パネルは、使用者が操作する操作ボタンや、運転内容を表示する表示部などを備えている。また、外箱2の上端部つまりトップカバー100の内部において衣類出入口4よりも前側となる部分には、図示しない蓋ロック機構部が設けられている。蓋ロック機構部は、衣類出入口4を閉塞した閉塞状態にある外蓋5を回動不能にロックする周知の構成である。
【0018】
タンク104A,104Bは、その外郭を構成する部材が透明な素材により構成されている。そして、タンク104A,104Bは、その内部に衣類処理剤を貯留可能となっている。この場合、タンク104A,104Bは、運転複数回分の衣類処理剤を貯留可能な大きさとなっている。衣類処理剤は、衣類に所定の処理を施すものであり、例えば、衣類に洗い処理を施す洗剤、衣類に柔軟処理を施す柔軟剤などである。
【0019】
この場合、タンク104A,104Bは、衣類出入口4の側部に着脱可能に設けられている。即ち、外箱2の上端部のうち衣類出入口4の左右の両側部には、タンク装着部105A,105Bが設けられている。タンク装着部105A,105Bは、外箱2の上端部のうち衣類出入口4の左右の両側部を矩形状に切り欠くようにして設けられている。タンク104A,104Bは、このように切り欠くようにして設けられたタンク装着部105A,105B内に着脱可能に収容されるようになっている。また、この場合、タンク装着部105A,105Bに対するタンク104A,104Bの着脱方向は、概ね或いは完全に洗濯機1の上下方向に沿う方向となっている。
【0020】
なお、タンク装着部105A,105Bは、衣類出入口4とは反対側つまり左右方向における外方側に背壁部106A,106Bを備えている。よって、タンク装着部105A,105B内に装着されたタンク104A,104Bは、外蓋5が衣類出入口4を閉塞した閉塞状態においては、洗濯機1の外側からは視認できないようになっている。また、タンク装着部105A,105B内に装着されたタンク104A,104Bは、外蓋5が衣類出入口4を開放した開放状態においては、洗濯機1の主として前方側あるいは上方側から視認できるようになっている。
【0021】
そして、タンク装着部105A,105B内にタンク104A,104Bが装着された装着状態において、タンク104A,104Bの一端部の表面、この場合、上端部の表面は、外箱2の上端部の表面つまり傾斜面103の一部を形成する。また、タンク装着部105A,105B内にタンク104A,104Bが装着された装着状態において、タンク104A,104Bの内側面は、衣類出入口4の内側面の一部を形成する。なお、タンク104A,104Bは、衣類出入口4の側部に着脱不能に設けられていてもよい。即ち、タンク104A,104Bは、トップカバー100に一体的に設けられていてもよい。
【0022】
タンク104A,104Bの上面、つまり、タンク104A,104Bのうち装着状態において傾斜面103の一部を形成する面は、この場合、洗濯機1の前側から後側に向かって上昇傾斜する平坦な傾斜面107A,107Bを形成している。この場合、タンク104A,104Bがタンク装着部105A,105B内に装着された装着状態における傾斜面107A,107Bの傾斜角度は、トップカバー100の傾斜面103とほぼ或いは完全に同一となる傾斜角度となっている。
【0023】
傾斜面107A,107Bは、タンク104A,104Bがタンク装着部105A,105B内に装着された装着状態において、前側よりも後側が高くなる傾斜面となっている。ここで、傾斜面107A,107Bのうち装着状態において前側となる部分は、後側となる部分よりも下側つまり衣類処理槽3側に位置する「槽側部」に対応する。また、傾斜面107A,107Bのうち装着状態において後側となる部分は、前側となる部分よりも上側つまり衣類処理槽3とは反対側に位置する「反槽側部」に対応する。このように、傾斜面107A,107Bは、タンク104A,104Bがタンク装着部105A,105B内に装着された装着状態において、「槽側部」から「反槽側部」に向かって上昇傾斜する傾斜面となっている。
【0024】
そして、タンク104A,104Bは、当該タンク104A内,104B内に衣類処理剤を補給するための補給口108A,108Bを備えている。この場合、補給口108A,108Bは、傾斜面107A,107Bのうちの後側部分、つまり、「反槽側部」に設けられている。換言すれば、補給口108A,108Bは、タンク104A,104Bの装着状態において、傾斜面107A,107Bのうち、より高い位置となる部分に設けられている。なお、タンク104A,104Bは、補給口108A,108Bを開閉する補給口蓋108A1,108B1を備えている。
【0025】
タンク装着部105A,105Bの底面109A,109Bは、水平な平坦面を形成している。底面109A,109Bは、タンク装着部105A,105B内に装着されたタンク104A,104Bを下方から支持する土台部として機能する。そして、外箱2の一部を構成するトップカバー100は、タンク装着部105A,105Bの底面109A,109Bの下部に配置部110A,110Bを備えた構成となっている。即ち、トップカバー100は、タンク装着部105A,105B内に装着されたタンク104A,104Bよりも下側つまり衣類処理槽3側となる部分に配置部110A,110Bを備えた構成となっている。配置部110A,110Bは、トップカバー100の内部において一方向、この場合、洗濯機1の前後方向に連通する空間を形成している。
【0026】
図4から
図6に例示するように、洗濯機1は、ポンプ111A,111Bを備えている。この場合、ポンプ111A,111Bは、外箱2内のうちタンク装着部105A,105Bよりも前部の下部に位置して配置されている。そして、ポンプ111A,111Bの吸引口112A,112Bは、タンク装着部105A,105Bの底面109A,109Bに接続されている。
【0027】
この場合、ポンプ111A,111Bの吸引口112A,112Bは、タンク装着部105A,105Bの底面109A,109Bのうち前端部、つまり、よりポンプ111A,111Bに近い側に接続されている。また、
図7に例示するように、ポンプ111A,111Bの吸引口112A,112Bは、タンク装着部105A,105Bの底面109A,109Bのうち衣類出入口4とは反対側つまり左右方向における外側の部分に接続されている。
【0028】
一方、タンク104A,104Bは、その底部に流出口113A,113Bを備えている。流出口113A,113Bは、タンク104A,104B内の衣類処理剤を外部に流出させる構成要素である。この場合、流出口113A,113Bは、タンク104A,104Bの底部のうち前端部に設けられている。また、流出口113A,113Bの内部には、当該流出口113A,113B内の流路を開閉する図示しない逆止弁が備えられている。タンク104A,104Bがタンク装着部105A,105Bに装着されると、タンク104A,104B側の流出口113A,113Bがタンク装着部105A,105B側の吸引口112A,112Bに接続され、これに伴い、流出口113A,113B内の逆止弁が開かれて流路が開放状態となる。これにより、ポンプ111A,111Bは、タンク104A,104B内の衣類処理剤を吸引可能な状態となる。
【0029】
ここで、タンク104A,104B側の流出口113A,113Bおよびポンプ111A,111B側の吸引口112A,112Bは、何れも上下方向、つまり、タンク装着部105A,105Bに対するタンク104A,104Bの着脱方向と概ね或いは完全に同じ方向に指向している。そのため、タンク104A,104Bをタンク装着部105A,105B内に装着することに伴い流出口113A,113Bを吸引口112A,112Bに容易に且つ確実に接続することができる。また、タンク104A,104Bをタンク装着部105A,105B内から取り外すことに伴い流出口113A,113Bを吸引口112A,112Bから容易に且つ確実に離すことができる。タンク104A,104B側の流出口113A,113Bがタンク装着部105A,105B側の吸引口112A,112Bから取り外されることに伴い、流出口113A,113B内の流路は、図示しない逆止弁によって閉塞される。これにより、タンク104A,104B内の衣類処理剤が流出口113A,113Bから漏れ出ることを抑制することができる。
【0030】
また、ポンプ111A,111Bの吸引口112A,112Bがタンク装着部105A,105Bの底面109A,109Bに設けられていることから、流出口113A,113Bをタンク104A,104Bの底部に設けることができる。そのため、装着状態にあるタンク104A,104B内の衣類処理剤を底部の流出口113A,113Bから流出させやすく、従って、タンク104A,104B内に衣類処理剤が残りにくい構成を実現することができる。
【0031】
また、仮にタンクの側面に流出口を設けた場合には、タンク内の底部に残る衣類処理剤を流出口に吸い上げるための筒状の部材をタンク内に設ける必要がある。しかし、本開示に係るタンク104A,104Bによれば、流出口113A,113Bを底部に備えているため、衣類処理剤を吸い上げるための筒状の部材を不要とすることができる。そのため、タンク104A,104B内の容量が、このような筒状の部材によって減少してしまうことを回避することができる。
【0032】
また、
図4から
図6に例示するように、ポンプ111A,111Bの出口部にはジョイント114A,114Bが接続されている。ジョイント114A,114Bは、入口部115A,115Bおよび出口部116A,116Bを有している。ジョイント114A,114Bの入口部115A,115Bは、通水ホース117A,117Bを介して給水弁ユニット6Bに接続されている。また、ジョイント114A,114Bの出口部116A,116Bは、通水ホース118A,118Bを介して水槽3Aに接続されている。この場合、通水ホース118A,118Bは、水槽3Aの側面の上部に外側から接続されている。これにより、タンク装着部105A,105B内に装着されたタンク104A,104Bの流出口113A,113Bは、ポンプ111A,111B、ジョイント114A,114B、通水ホース118A,118Bを介して水槽3Aに接続される。
【0033】
洗濯機1の動作全般を制御する図示しない制御装置は、実行する運転コースにおける所定のタイミング、例えば、洗い行程における給水時、すすぎ行程における給水時にポンプ111A,111Bを駆動することにより、タンク104A,104B内の衣類処理剤をポンプ111A,111Bにより吸引して衣類処理槽3内に自動的に投入することができる。このとき、通水ホース118A,118Bが水槽3Aの側面に接続されていることから、タンク104A,104B内の衣類処理剤は、流出口113A,113Bからポンプ111A,111B、ジョイント114A,114B、通水ホース118A,118Bを介して水槽3Aと回転槽3Bとの間の隙間に供給される。洗濯機1は、このようなポンプ111A,111Bを主体とする構成により、タンク104A,104B内の衣類処理剤を衣類処理槽3内に自動的に投入する自動投入部を構築している。
【0034】
また、
図8に例示するように、配置部110A,110B内には、少なくとも、例えば各種のチューブ類やコード類などといった長尺な線状の部材を配置可能である。この場合、配置部110A,110B内には、ポンプ111A,111Bに電力を供給する電源コードC1、図示しない操作パネルに接続する各種のコード類C2、図示しない蓋ロック機構部に電力を供給する電源コードC3などが配置されている。なお、配置部110A,110B内には、各種のチューブ類やコード類などといった線状の部材に限らず、例えばポンプ111A,111Bを配置するなど、スペースが許す限り、線状ではない部材であっても配置することが可能である。
【0035】
以上に例示した洗濯機1によれば、衣類処理剤を貯留するタンク104A,104Bは、外箱2の一端部である上端部のうち衣類出入口4の側部となる部分に設けられている。この構成例によれば、バックカバー101の内部にタンクを配置するためのスペースを確保する必要が無く、従って、外箱2内におけるスペースの制約を極力受けることなくタンク104A,104Bを備えることができる。また、従来構成では十分に活用されていなかった衣類出入口4の側部のスペースを利用してタンク104A,104Bを配置することができる。また、従来構成では十分に活用されていなかった衣類出入口4の側部においては、バックカバー101の内部に比べスペースを確保しやすい。そのため、従来構成に比べタンク104A,104Bの大容量化を図ることができる。
【0036】
また、洗濯機1によれば、タンク104A,104Bの一端部である上端部の表面は、装着状態において外箱2の一端部である上端部の表面の一部を形成する。この構成例によれば、衣類出入口4の側部となる部分にタンク104A,104Bを設けながらも、そのタンク104A,104Bの一部の面を外箱2の上端部の表面として活用することができる。
【0037】
また、装着状態にあるタンク104A,104Bの上面が衣類出入口4の側部となる部分の上面を形成することにより、衣類出入口4の側部となる部分が欠けたような外観となることを回避することができる。そのため、衣類出入口4の側部となる部分にタンク104A,104Bを設けながらも、衣類出入口4の周囲部分の外観を好適な状態に維持することができる。
【0038】
また、外箱2の上端部の表面、特に衣類出入口4の周囲部分の表面は、衣類出入口4を閉塞した外蓋5を支持する支持面として機能する。そのため、装着状態にあるタンク104A,104Bの上面が衣類出入口4の側部となる部分の上面を形成することにより、外蓋5の支持面の面積が減少してしまうことを回避することができ、閉塞状態にある外蓋5を安定的に支持することができる。
【0039】
また、洗濯機1によれば、補給口108A,108Bは、装着状態にあるタンク104A,104Bの傾斜面107A,107Bのうち「反槽側部側」つまり装着状態においてより高い位置となる部分に設けられている。この構成例によれば、補給口108A,108Bの直下の高さ位置まで衣類処理剤を補給することが可能となり、タンク104A,104B内により多くの衣類処理剤を貯留することができる。
【0040】
また、洗濯機1によれば、タンク104A,104Bは、その全体が透明な部材で構成されている。この構成例によれば、タンク104A,104B内の衣類処理剤の残量を外部から目視により容易に確認することができる。また、使用者は、外蓋5を開けば、タンク104A,104Bがタンク装着部105A,105Bに装着された装着状態のまま衣類処理剤の残量を目視により確認することができる。つまり、タンク104A,104Bを取り外さなくとも衣類処理剤の残量を確認することができ、利便性の向上を図ることができる。また、補給口108A,108Bがタンク104A,104Bの上端面である傾斜面107A,107Bに設けられているため、使用者は、タンク104A,104Bを取り外さなくとも衣類処理剤の補給を行うことができる。
【0041】
また、洗濯機1によれば、タンク104A,104B内の衣類処理剤は、流出口113A,113Bから供給経路を介して水槽3Aと回転槽3Bとの間に供給される構成である。この構成例によれば、衣類処理剤が回転槽3B内の衣類に直接的に接触することを回避することができ、衣類処理剤の直接的な付着により衣類が傷んでしまうことを抑制することができる。
【0042】
また、洗濯機1によれば、外箱2は、タンク104A,104Bが装着されるタンク装着部105A,105Bよりも衣類処理槽3側、この場合、下側となる部分に配置部110A,110Bを備えている。そして、この配置部110A,110B内には、少なくとも各種のチューブ類やコード類などといった線状の部材を配置可能である。この構成例によれば、従来構成では十分に活用されていなかった衣類出入口4の側部のスペースを活用して各種のチューブ類やコード類などを配置することができ、限りのある外箱2内のスペースを一層有効に活用することができる。
【0043】
なお、本実施形態は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や拡張を行うことができる。
【0044】
例えば、洗濯機1は、衣類出入口4の左右の両側部にタンク104A,104Bを設けた構成ではなく、衣類出入口4の左側部または右側部にタンクを設けた構成としてもよい。即ち、洗濯機1は、外箱2の一端部のうち衣類出入口4の一側部側となる部分および他側部側となる部分のうち少なくとも何れか一方にタンクを設けた構成とすることができる。このように構成される洗濯機1によれば、例えば使用者のニーズに合わせて、搭載するタンクの数や位置を適宜選択することができ、利便性の一層の向上を図ることができる。
【0045】
また、洗濯機1は、衣類出入口4の左右の両側部のうち何れか一方にタンクを設ける構成とした場合には、他方のタンク装着部を閉塞する蓋部材を備えるとよい。これにより、タンクが装着されないタンク装着部を蓋部材によって隠すことができ、衣類出入口4周辺の外観が損なわれてしまうことを回避することができる。また、閉塞状態にある外蓋5を支持する部分の面積が減少してしまうことを回避することができる。なお、洗濯機1は、衣類出入口4の左右の両側部のうち何れか一方にタンクを設ける構成とした場合には、そもそも他方のタンク装着部を設けない構成としてもよい。
【0046】
また、洗濯機1は、衣類出入口4の左右の両側部に複数のタンク104A,104Bを分散して設けた構成ではなく、衣類出入口4の左側部または右側部に複数のタンク104A,104Bを集中して設けた構成としてもよい。つまり、洗濯機1は、衣類出入口4の左側部または右側部の何れか一方に複数のタンク104A,104Bをまとめて配置した構成としてもよい。このように構成される洗濯機1によれば、ポンプ111A,111Bや通水ホース117A,117Bなどを含む衣類処理剤の自動投入用の構成を複数のタンク104A,104Bで共用することができ、構成の複雑化や部品点数の増加を抑制することができる。
【0047】
また、洗濯機1は、タンク104A,104B内の衣類処理剤を、水槽3Aと回転槽3Bとの間ではなく、回転槽3B内に供給する構成としてもよい。即ち、洗濯機1は、タンク104A,104B内の衣類処理剤を衣類処理槽3内に供給可能な構成であれば、その構成を適宜変更して実施することができる。
【0048】
また、
図9に例示するように、タンク104Aは、当該タンク104A内の衣類処理剤の残量を示す目印部200を備える構成としてもよい。この場合、目印部200は、タンク104Aの内壁面に設けられている。また、目印部200は、複数のラインからなる目盛状に設けられている。
【0049】
また、
図10に例示するように、タンク104Aは、当該タンク104A内の衣類処理剤の残量を示す目印部300を備える構成としてもよい。この場合、目印部300は、タンク104Aの内部において上下方向に延びる円柱状に設けられている。また、目印部300の側周面には、複数のラインが目盛状に設けられている。
【0050】
また、目印部200,300は、タンク104Aの装着状態において洗濯機1の後側かつ洗濯機1の外側となる部位に設けられている。これにより、使用者は、外蓋5を開けば、タンク104Aを取り外さなくとも目印部200,300を目視により確認することができる。なお、目印部200,300は、タンク104Bにも設けることができる。
【0051】
また、タンク104A,104Bは、その全体ではなく、少なくとも一部が透明な構成であってもよい。また、タンク104A,104Bは、その全体、あるいは、少なくとも一部が半透明な構成であってもよい。また、洗濯機1は、タンク104A,104Bに代えて、
図11に例示するタンク400を備える構成としてもよい。タンク400は、タンク本体部401および蓋部402を備えている。タンク本体部401は、上面が開放した箱状をなしており、その内部に衣類処理剤を貯留可能である。蓋部402は、タンク本体部401の上面開口部を開閉可能である。使用者は、蓋部402を開くことにより、タンク本体部401内に衣類処理剤を補給することが可能である。なお、蓋部402は、タンク400の装着状態においても非装着状態においても開くことが可能である。また、タンク400は、タンク本体部401を透明または半透明な素材で構成してもよいし、蓋部402を透明または半透明な素材で構成してもよいし、タンク本体部401および蓋部402の双方を透明または半透明な素材で構成してもよい。また、タンク400は、タンク本体部401の開口部の内周囲、あるいは、蓋部402の裏面にパッキンを備える構成としてもよい。
【0052】
また、洗濯機1は、タンク104A,104Bに代えて、
図12に例示するタンク500を備える構成としてもよい。タンク500は、その上部に段差形成部501を備えている。段差形成部501は、タンク500の装着状態において、傾斜面103よりも低い段差を形成する。段差形成部501により形成される段差の上面は、この場合、水平方向に延びる平坦面を形成している。そして、タンク500は、段差形成部501の上面に補給口502を備えている。この場合、補給口502は、段差形成部501の上面から上方に突出するようにして設けられている。また、タンク500は、この補給口502を開閉する図示しないキャップを備えている。なお、補給口502の突出量は、タンク500の装着状態において、当該補給口502の先端部が傾斜面103よりも低くなる突出量に抑えられている。
【0053】
この構成例によれば、補給口502が段差形成部501の上面から突出しているので、この補給口502を開閉するキャップを摘まみやすく、従って、キャップの着脱、換言すれば、補給口502の開閉を容易に行うことができる。また、タンク500の装着状態において、補給口502の先端部が傾斜面103よりも上に突出しないように構成した。そのため、衣類出入口4を閉塞しようとする外蓋5に補給口502が当接してしまうことを回避することができ、外蓋5による衣類出入口4の閉塞を良好に行うことができる。
【0054】
また、本実施形態に適用可能な衣類処理剤は、洗剤や柔軟剤に限られるものではなく、例えば、消臭剤、脱臭剤、除菌剤、漂白剤など、衣類に何らかの処理を施す処理剤であれば種々の処理剤を適宜採用することができる。また、洗濯機1は、複数のタンクを備える場合には、それぞれのタンクに異なる種類の衣類処理剤を貯留してもよいし、複数のタンクに同じ種類の衣類処理剤を貯留してもよい。また、洗濯機1は、複数のタンクを備える場合には、それぞれのタンクの容量や形状を異ならせてもよいし、同じとしてもよい。また、洗濯機1は、例えば、衣類出入口4の左側部に備えるタンクの数と衣類出入口4の右側部に備えるタンクの数を異ならせてもよいし、同じとしてもよい。また、洗濯機1は、衣類出入口4の前側部や後側部にタンクを備える構成としてもよい。
【0055】
また、本実施形態は、回転槽の回転中心軸が上下方向に延びる縦軸型の洗濯機以外のタイプの洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、乾燥機能を有する洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、乾燥機能を有しない洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、例えば、衣類の消臭、脱臭、除菌、漂白など、衣類に対して何らかの処理を施すことが可能な装置であれば、種々の衣類処理装置に適用することができる。
【0056】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、これらの実施形態は、あくまでも例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
図面中、1は洗濯機(衣類処理装置)、2は外箱(装置本体部)、3は衣類処理槽、3Aは水槽、3Bは回転槽、4は衣類出入口、104A,104Bはタンク、107A,107Bは傾斜面、108A,108Bは補給口、110A,110Bは配置部、113A,113Bは流出口、400,500はタンク、C1,C2,C3は線状の部材、を示す。