(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167534
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】レーザ光軸調整方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/035 20140101AFI20221027BHJP
B23K 26/042 20140101ALI20221027BHJP
【FI】
B23K26/035
B23K26/042
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073382
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】傍島 駿介
(72)【発明者】
【氏名】浅井 皓平
(72)【発明者】
【氏名】政近 諄
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168AD11
4E168CA02
4E168CA06
4E168CB12
4E168CB19
4E168DA29
4E168EA04
4E168EA14
4E168EA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】レーザ光軸の調整を容易に行うことができるようにする。
【解決手段】初期調整時において、基準部22に対してプロファイラを位置決めする位置決め手順と、プロファイラによるレーザ光軸の検出位置に基づいて光学部3により形成されたレーザ光軸の姿勢が規定姿勢となるように調整する調整手順とを実行する。これにより、復元性だけを保証できる従来手法とは異なり、初期調整を簡易化することができ、故障時などに保全の容易化を図ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ発振器(2)から出力されたレーザ光のレーザ光軸を空間上で形成する光学部(3)と、
前記光学部を構成する光学素子に対して高精度に位置決めされた基準部(22)と、
レーザ光を受光する受光部(34)と、を備え、
前記基準部に対して前記受光部を位置決めする位置決め手順と、
前記受光部によるレーザ光の受光位置に基づいてレーザ光軸の姿勢が規定姿勢となるように前記光学部を調整する光軸調整手順と、
を実行するレーザ光軸調整方法。
【請求項2】
前記光軸調整手順は、少なくとも2箇所の位置でレーザ光軸の姿勢を調整する請求項1に記載のレーザ光軸調整方法。
【請求項3】
前記光学部によるレーザ光軸の姿勢を電気的に調整する調整部(39)と、
レーザ光の一部を分岐レーザ光として分岐することで分岐レーザ光軸を空間上に形成する分岐光学部(40)と、
前記分岐光学部により分岐された分岐レーザ光軸の位置を検出する第2受光部(43,45)と、を備え、
前記第2受光部による分岐レーザ光軸の検出位置に基づいてレーザ光軸が規定姿勢となるように前記調整部を制御する光軸自動調整手順を実行する請求項1又は2に記載のレーザ光軸調整方法。
【請求項4】
前記第2受光部は、分岐レーザ光軸の位置を少なくとも2箇所で検出するように設けられている請求項3に記載のレーザ光軸調整方法。
【請求項5】
前記第2受光部までの分岐レーザ光軸の距離を延長する延長部(46)を備えた請求項4に記載のレーザ光軸調整方法。
【請求項6】
前記受光部は、受光したレーザ光の形状を検出可能であり、
前記受光部により検出されたレーザ光の形状に基づいてレーザ光軸の姿勢が規定姿勢となるように前記光学部を調整する第2光軸調整手順を実行する請求項1から5のいずれか一項に記載のレーザ光軸調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光軸調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高出力な短パルスレーザ加工装置のニーズが年々高まっており、自動車部品、セラミック製品、半導体関係などで広く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高出力短パルスのレーザ加工の特徴として、不可視のレーザ光をミラーの組み合わせにより空間伝送することを挙げることができる。これは、レーザ光をファイバにより伝送しようとすると、レーザ光によりファイバ自体が熱加工されてしまう等の問題があるためである。
【0005】
このような空間伝送のレーザ加工装置で難しい点は、調整時にレーザ光軸が規定の姿勢となるように高精度に調整することである。一般的には不可視のレーザ光線の調整は危険作業であるため、レーザ光軸の調整に時間を要する。
また、レーザ光をレンズで集光した後のレーザ光軸の調整についても危険作業であり、被加工物の加工痕を確認しながらの調整が必要である。このため、レーザ光軸の調整に多大の時間が要するという問題がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、レーザ光軸の調整を容易に行うことができるレーザ光軸調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、基準部(22)に対して受光部(34)を位置決めする位置決め手順と、受光部によるレーザ光の受光位置に基づいて光学部(3)により形成されたレーザ光軸の姿勢が規定姿勢となるように調整する光軸調整手順とを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。複数の実施形態において、機能的または構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する場合がある。
【0010】
(第1実施形態)
以下、レーザ加工装置に適用した第1実施形態について
図1から
図5を参照して説明する。
レーザ加工装置1は、レーザ発振器2、光学部3、ガルバノスキャナ4から構成されている。レーザ発振器2は高出力な短パルスレーザ光を出力するディスクレーザであるが、ディスクレーザに限定されることなく被加工物のレーザ加工に適したレーザ発振器を用いることができる。
【0011】
光学部3は高精度のベース5上に構築されており、光学部3によりレーザ発振器2から出射されたレーザ光のレーザ光軸が形成される。レーザ発振器2からのレーザ光軸上には図示しない回転マウントに装着された1/2波長板が配置されている。1/2波長板は、入射した直線偏光のレーザ光を偏光方位が直交する2つの偏光に分解し180°位相をずらした状態で出射する偏光状態調整機能を有する。1/2波長板から出射された2つの偏光方位は直交しているので、合成した偏光は直線偏光となる。この場合、2つの偏光の強度は1/2波長板の回転位置に応じて相対的に変わるので、レーザ光の偏光方位を任意に調整することができる。
【0012】
1/2波長板の後方となるレーザ光軸上には第1ミラー部6が配置され、当該第1ミラー部6で直交方向に折曲されたレーザ光軸上には第2ミラー部7が配置されている。第1ミラー部6と第2ミラー部7は同一構成であるので、第2ミラー部7について説明する。
図2に示すように第2ミラー部7は、マウント8に搭載されている。このマウント8は、ベース9上に当該ベース9に対して複数のマイクロメータ10により位置及び回転方向を相対的に微調整可能な調整マウント11を搭載して構成されている。調整マウント11にはミラーホルダ12が搭載されており、当該ミラーホルダ12にミラー13が基準姿勢となるように弾性的に保持されている。ミラーホルダ12には複数の調整ツマミ14が設けられており、当該調整ツマミ14によりミラー13の煽り角を基準姿勢から微調整可能となっている。尚、
図2には後述するミラー調整治具が示されている。
【0013】
図1に示すように第2ミラー部7の後方となるレーザ光軸上にはエキスパンダー15が配置されている。このエキスパンダー15は発散角の調整機能を有する。
図3に示すようにエキスパンダー15は、マウント16に搭載されている。このマウント16は、ベース17にX,Y,Xθ,Yθ補正が可能な調整マウント18を搭載して構成されている。尚、
図3では、後述するエキスパンダー調整治具が示されている。
【0014】
図1に示すようにエキスパンダー15の後方となるレーザ光軸上にはムービングレンズ19が配置されている。このムービングレンズ19はガルバノスキャナ4の入射部を構成しており、ガルバノスキャナ4が有する制御機能によりレーザ光軸に沿って移動制御される。
【0015】
ムービングレンズ19の後方となるレーザ光軸上にはガルバノスキャナ4が配置されている。ガルバノスキャナ4はベース5に固定されたマウント20に装着されており、ベース5の外方となる位置で下方を臨んでいる。ガルバノスキャナ4は、図示しない複数のスキャンミラー及び結像レンズから構成されており、ガルバノスキャナ4の下方の加工位置に配置された被加工物21に対するレーザ光軸の姿勢を制御する。
【0016】
被加工物21に対して照射されるレーザ光は、ガルバノスキャナ4が有する制御機能により実行されるムービングレンズ19との協調動作により加工点で集光するように制御される。これにより、被加工物21に対してレーザ加工が行われる。レーザ加工とは表面加工や孔加工であり、孔加工は貫通孔でも非貫通孔でもよいし、貫通孔による被加工物21の切断加工であってもよい。
【0017】
さて、上記構成のレーザ加工装置1を製作するには、光学部3をベース5上の規定位置に組み付けて行うが、規定位置に組み付けただけでは、光学部3により形成されるレーザ光軸を高精度に規定姿勢とすることは困難である。そこで、本実施形態では、初期調整時において、レーザ光軸が規定姿勢となるように光学部3を構成する各光学素子を高精度で位置決めするようにした。
【0018】
即ち、ベース5には光学部3を構成する各光学素子に対応して、
図2に示すように高精度のL字形状の基準部22がノックピン23による高精度な位置決め状態で固定されている。
まず、
図2に示すミラー調整治具24を用いて第1ミラー部6及び第2ミラー部7を規定位置に高精度で位置決めする。ミラー調整治具24は、精密加工されたマウント25に精密加工されたホルダ26をボルト27によりネジ止めして構成されている。ホルダ26の先端部には傾斜面28が形成されている。傾斜面28の水平方向はホルダ26の指向方向に対して45°傾斜し、垂直方向はベース5の垂直面に一致している。
【0019】
まず、ミラー調整治具24のベースの角部が第1ミラー部6に対応する基準部22の内側となる角部に密着するように位置決めする。これにより、ミラー調整治具24が高精度で位置決めされる。
次に、ミラーホルダ12の前面がホルダ26の傾斜面28に密着するように調整ツマミ14によりミラー13の煽り角を調整する。これにより、第1ミラー部6の位置及び姿勢を高精度で規定位置及び規定姿勢となるように調整することができる。
同様にして、ミラー調整治具24を用いて第2ミラー部7の位置及び姿勢を高精度に調整する。
【0020】
エキスパンダー15を規定位置に位置決めするには、
図3に示すエキスパンダー調整治具29を使用する。このエキスパンダー調整治具29は、精密加工されたマウント30に精密加工されたホルダ31をボルト32によりネジ止めして構成されている。ホルダ31の先端上面部にはエキスパンダー15の先端形状に対応する形状の受け部33が形成されている。
【0021】
エキスパンダー15に対応する基準部22に密着するようにマウント30を位置決めすることで、エキスパンダー調整治具29が高精度で位置決めされる。エキスパンダー15は、調整マウント18のX,Y,Xθ,Yθ補正機能によりレーザ光軸に対するエキスパンダー15の位置及び姿勢を調整可能であると共に発散角を調整可能である。したがって、エキスパンダー15をホルダ31の受け部33に密着させるように調整することで、エキスパンダー15の位置及び姿勢を高精度で調整することができる。
【0022】
以上のようにして、基準付き各調整治具により各ミラー部6,7やエキスパンダー15やエキスパンダー15の位置や姿勢を高精度で調整することができる。しかしながら、このような高精度の調整であってもレーザ加工装置1で必要となる機械精度保証レベルを得ることは困難である。機械精度保証レベルとは例えば±0.05mm程度である。
【0023】
そこで、
図4に示すCCD式プロファイラ34を用いることで機械精度保証レベルを保証するようにした。
まず、被加工物21の直前となるレーザ光軸上に対応する基準部22にプロファイラ34のベース35を密着させて高精度に位置決めする位置決め手順を実行する。
次に、レーザ光軸の検出位置がプロファイラ34の中心位置となるように各ミラー部6,7やエキスパンダー15の位置や姿勢を調整する光軸調整手順を実行する。つまり、
図5に示すようにプロファイラ34をベース上に装着された基準部22に密着するように位置決めすることで、プロファイラ34が高精度で位置決めされる。プロファイラ34が受光部に相当する。
【0024】
ここで、プロファイラ34によりレーザ光軸の位置を1か所で検出して調整する場合は、プロファイラ34の中心にレーザ光軸が位置するように調整するにしても、レーザ光軸が正面ではなく斜めから入射した可能性も否定できないことから、レーザ光軸に沿った2箇所でレーザ光軸の位置を検出して合わせこむことで機械精度保証レベルを保証するようにした。
【0025】
ベース5には図示しないカバーが装着されており、レーザ発振器2とガルバノスキャナ4が接続部材36,37を介してカバー内を臨んでいる。ベース5とカバーと接続部材36,37との間には密閉空間が形成されており、当該密閉空間部はエアパージされることで光学部3は高清浄空間に配置されている。
尚、各ミラー部6,7によりレーザ光が反射される部位に対応して図示しない遮光板が配置されている。この遮光板は、ミラーの損傷などによる不測の事故を防止するために配置されている。
【0026】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
初期調整時において、基準部22に対してプロファイラ34を位置決めする位置決め手順と、プロファイラ34によるレーザ光軸の検出位置に基づいて光学部3により形成されたレーザ光軸の姿勢が規定姿勢となるように光学部3を調整する光軸調整手順とを実行するようにしたので、復元性だけを保証できる従来手法とは異なり、初期調整を簡易化することができ、故障時などに保全の容易化を図ることができる。
2箇所でレーザ光軸を調整するようにしたので、本来のレーザ光軸の姿勢とは異なった姿勢のレーザ光軸に基づいて初期調整を誤って行う恐れを排除することができる。
【0027】
(第2実施形態)
第2実施形態について
図6及び
図7を参照して説明する。この第2実施形態は、レーザ光軸を自動的に調整する機能を有していることを特徴とする。
レーザ加工装置1では、初期調整時において光学素子の故障などでレーザ光軸にずれが生じないことを保証したり、ミラー交換などでの光軸調整のやり直しを予防したり、運用時において成り行きによりレーザ光軸が変動しないことを保証したりすることが重要である。
【0028】
このような事情から、本実施形態では、運用時において、レーザ光軸の位置を動的に検出し、レーザ光軸が規定姿勢となるように自動的に調整するようにした。
図6に示すように第1ミラー部6及び第2ミラー部7のミラーホルダ12には調整ツマミに代えてポスト38が装着されており、そのポスト38の頭部にピエゾモータ式の煽り角調整モータ39が装着されている。この煽り角調整モータ39を電気的に制御することによりミラー13の煽り角を調整可能である。この場合、第1ミラー部6と第2ミラー部7とではミラー13の煽り方向が互いに直交するように調整される。これにより、第1ミラー部6と第2ミラー部7のミラー13の各ミラー13の煽り角を調整することで第2ミラー部7の後方となるレーザ光軸の姿勢を調整可能となっている。煽り角調整モータ39が調整部に相当する。
【0029】
第2ミラー部7の後方となるレーザ光軸上には偏光ビームスプリッタ(以下、PBS(Polarizing Beam Splitter))40が配置されている。このPBS40は、入射するレーザ光の一部を直交する方向に分岐することで分岐レーザ光軸を形成する。この場合、上述した1/2波長板を回転することによりPBS40に入射するレーザ光の偏光方位が変化するので、入射するレーザ光に対する分岐レーザの分岐比を調整することができる。本実施形態では、分岐比が約0.5%となるように設定している。つまり、PBS40に入射するレーザ光の99.5%がPBS40を通過するが、後述するように分岐レーザ光の強度を検出可能であれば分岐比をどのように設定してもよい。PBS40が分岐光学部に相当する。
【0030】
PBS40により形成される分岐レーザ光軸上にはミラー41が配置されており、当該ミラー41により分岐レーザ光軸が直交方向に反射される。ミラー41により反射される分岐レーザ光軸上にはPBS42が配置されている。このPBS42は、入射するレーザを直交方向に反射する第1分岐レーザ光と通過する第2分岐レーザ光とに分岐する。この場合、PBS42に入射する分岐レーザ光を1/4波長板により円偏光とすることで、分岐レーザ光の偏光方位にかかわらず第1分岐レーザ光と第2分岐レーザ光との強度を一致させることができる。
【0031】
第1分岐レーザ光軸上には第1検出器43が配置されている。第2分岐レーザ光軸上にはミラー44が配置されており、このミラー44により第2分岐レーザ光軸が直交方向に変更される。ミラー44により折曲された第2分岐レーザ光軸上には第2検出器45が配置されている。第1検出器43及び第2検出器45は、第1分岐レーザ光軸及び第2分岐レーザ光軸の位置を検出する。第1検出器43及び第2検出器45が第2受光部に相当する。
【0032】
第1検出器43及び第2検出器45はクオドラントPD(Photodiode)式であり、検出信号を図示しない制御装置に出力する。クオドラントPDは中心位置を中心として配置された4個のPDから構成されており、レーザ光の受光位置が中心位置の場合に4個のPDから信号強度が同一の検出信号が出力される。制御装置は、第1検出器43及び第2検出器45から出力される検出信号に基づいて後述するように第1ミラー部6及び第2ミラー部7に装着された煽り角調整モータ39を電気的に制御する。つまり、クオドラントPDからの検出信号に基づいてレーザ光軸が中心位置となるように制御する光軸自動調整手順を実行する。
【0033】
このような実施形態によれば、運用時において、各クオドラントPDによる分岐レーザ光の受光位置に基づいてレーザ光軸が規定姿勢となるように煽り角調整モータ39を制御するので、レーザ品質の向上を図ることができ、プロファイラ34の出し入れや加工点へのプロファイラ34の配置を必要とせずリアルタイムでモニタリングできると共に、高精度な合わせこみを行うことができる。
尚、クオドラントPDに代えて、プロファイラ34を用いるようにしてもよい。
【0034】
(その他の実施形態)
図7に示すように第2検出器45までの距離を複数のミラー46により拡大するようにしてもよい。この場合、成り行き光軸を復元する場合の保証の信頼性を高めることができ、超高精度測定への拡張を図ることができる。ミラー46が延長部に相当する。ミラーに代えて全反射プリズムを用いたり、全反射プリズム内で往復反射させたりしてもよい。
【0035】
レーザ光軸の姿勢のみを評価するのではなく、真円度の補正なども評価して光学部3を調整する第2光軸調整手順を実行するようにしてもよい。つまり、プロファイラ34の検出対象として、ビームの真円度等を含むようにすることで、加工点側に設けたものも含んで狙いに追従させるように、エキスパンダー15等の各光学素子に設けたX,Y,Xθ,Yθ補正や発散角の調整機構にフィードバックさせるシステムに拡張できる。
【0036】
プロファイラ34に代えて、IRカードを用いるようにしてもよい。
プロファイラ34により3箇所以上でレーザ光軸を検出するようにしてもよい。
低精度でよければ通常のマウントから各調整治具を製作するようにしてもよい。
短パルスレーザに限らず、一般の空間伝送のレーザを用いるようにしてもよい
レーザ加工装置に限定されることなく、レーザを用いる装置であればどのような装置にも適用してもよい。
【0037】
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0038】
図面中、1はレーザ加工装置、3は光学部、22は基準部、34はプロファイラ(受光部)、39は煽り角調整モータ、40はPBS(分岐光学部)、43は第1検出器(第2受光部)、45は第2検出器(第2受光部)、46はミラー(延長部)である。