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  • 特開-超音波送受信器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167544
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】超音波送受信器
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/00 20060101AFI20221027BHJP
   G01S 15/931 20200101ALI20221027BHJP
   G01S 7/52 20060101ALI20221027BHJP
   G01S 7/521 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
H04R17/00 330G
G01S15/931
G01S7/52 D
G01S7/521
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073397
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】000229081
【氏名又は名称】日本セラミック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】津野田 修平
(72)【発明者】
【氏名】坂口 誠
【テーマコード(参考)】
5D019
5J083
【Fターム(参考)】
5D019AA02
5D019AA21
5D019EE01
5D019FF01
5J083AA02
5J083AB13
5J083AC15
5J083AC40
5J083AE10
5J083AF06
5J083AF12
5J083CA01
5J083CA31
5J083CB01
(57)【要約】
【課題】
音圧が高くまたサイドローブが小さい取り付け部材の内側に組み付けた構造からなる障害物検知装置を提供すること。
【解決手段】
組み付け部材101の内側に超音波センサ100を組み付けてなる障害物検知装置であって、組み付け面103を超音波センサ100の接触面より大きい窪みを設け、この窪みの壁の四面の角を丸角にした。従って窪みの底面は接触面より大きくすることがで振動を効率よく組み付け部材に伝えるため音圧が大きくなり、また前記四面の角より放射されるサイドローブを小さくすることが可能になった。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み付け部材の内側に超音波センサを組み付けた構造からなる障害物検知装置であって、前記超音波センサは、超音波を送受信する圧電素子と、前記圧電素子を格納するものであって、前記圧電素子が底面部の内面に設置されている筐体とを含み、前記組み付け部材の内側に前記筐体の底面部より大きい面積を底面にもった窪みを設け、
前記窪みの壁の四面の角を曲面にしたことを特徴とした障害物検知装置。
【請求項2】
上記請求項1の超音波センサにおいて、請求項1記載の窪みの周囲に、請求項1記載窪みの高さ方向に厚肉部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子を有底筒状ケースに貼り合わせた空中用の超音波センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
超音波センサを用いた距離計ユニットを車両に組み付けて、車両に物体が接近した際に運転者に衝突の危険を知らせる安全装置が広く使用されている。特に、車両を後退させる際に後方の物体を距離計ユニットで検出し、運転手に物体の接近を知らせる安全装置がよく利用されている。(例えば特許文献1)
【0003】
具体的には、物体の接近を運転手にブザーで知らせる安全装置や車両の前方に障害物があると車両が発進しないようブレーキが動作させるブレーキ連動式の安全装置が発明されている。
【0004】
ここで使用される超音波センサを用いた距離計ユニットは、車両の一部に穴が設置され、そこから超音波センサの頭部が車両から露出した形で搭載される車両の意匠性に問題があった。(例えば特許文献3)
そこで、車両の外周部を超音波センサにより振動し超音波を送受信する形式の車両から露出しない形式の距離計ユニットが発明され、車両の意匠性を損なうことなく設置できるようになった。(例えば特許文献2)しかしながら、超音波センサの振動が車両の外周部に伝達される過程で、指向性特性が変化することにより水平側のサイドローブが大きい問題と、垂直指向性が広くなる問題がある。また超音波センサの振動を振動面より小さい突起を通じて車両の外周部に伝達するため音圧が低下する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-112297
【特許文献2】特開2007-147319
【特許文献3】特開平10-123236
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献2の装置では、超音波センサ側に突起部を設けて所望の指向性を確保しているが、特にサイドローブを小さくするように考慮はされていない。また音圧に関しても振動面の一部の突起を用いて伝達しているため、振動エネルギーが十分に組み付け部材に伝達せず音圧が小さい問題があった。
【0007】
しかしながら、障害物検知装置として車両のバンパに使用する場合には、誤検知を防ぐため、水平方向及び垂直方向のサイドローブが小さいことが要求される。またより遠距離に音波を飛ばすために音圧が高いことが要求される。
【0008】
本発明は、上記の点を鑑みて考案したもので、サイドローブが小さく音圧が高い障害物検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、組み付け部材の内側に超音波センサを組み付けた構造からなる障害物検知装置であって、前記超音波センサは、超音波を送受信する圧電素子と、前記圧電素子を格納するものであって、前記圧電素子が底面部の内面に設置されている筐体とを含み、前記組み付け部材の内側に前記筐体の底面部より大きい面積を底面にもった窪みを設け、
前記窪みの壁の四面の角を曲面にしたことを特徴とする。
【0010】
このように本発明によれば、超音波センサを構成する筐体の底面部の外面に接触する組み付け部材の内面の形状を窪みの壁の四面の角に関して曲面をもった形状の窪みを設けている。このときくぼみ部に壁に曲面を設けることによって、曲面がない場合の壁同士の接線に相当する部分を無くすことによってサイドローブが小さい特性を確保することが可能になる。また組み付け部材の窪み寸法を超音波センサの振動面と同等かより大きくすることにより振動エネルギーの損失を少なくし音圧が高い状態を確保することが可能になる。加えて、この組み付け部材を用いた方式では、超音波センサの振動面は組み付け部材外側に露出しないことから外的な衝撃に対する耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の請求項1に係る障害物検知装置の概略図であり、(a)は断面図、(b)は内側から平面図である。
図2】障害物検知装置にて指向性を測定した結果を示す図である。
図3】本発明の請求項2に係る障害物検知装置の概略図であり、(a)は断面図、(b)は内側から平面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0012】
(発明型の超音波センサの構造)
図1は本発明の請求項1の実施形態に係る障害物検知装置の概略図であり、
(a)は断面図、(b)は内面側から見た組み付け部材の平面図である。
図1に示すように、実施形態に係る障害物検知装置は、超音波センサ100を組み付け部材101の内面103に組み付けてなるものである。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は、車両向けのバックセンサやコーナーセンサ、自動駐車システムのみならず、超音波センサが利用されている様々な分野に適用できる。
【符号の説明】
【0014】
100 超音波センサ
101 組み付け部材
102 組み付け部材の窪み
103 組み付け部材の窪みの丸角
104 組み付け部材の窪みの高さ方向の厚肉部
図1
図2
図3