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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167547
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/10 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
D06F39/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073402
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】新村 光則
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA11
3B166AE01
3B166AE02
3B166BA34
3B166BA72
3B166BA73
3B166CA01
3B166CA11
3B166CA28
3B166CB01
3B166CB11
3B166CC02
3B166CD02
3B166CD05
3B166CD15
3B166DA03
3B166DB03
3B166DB08
3B166DB09
3B166DB18
3B166DC45
3B166DC47
3B166DE04
3B166GA02
3B166GA12
(57)【要約】
【課題】排水フィルタの清掃頻度を低減でき得る洗濯機を提供する。
【解決手段】ドラム式洗濯機は、フィルタケース61内に取り出し可能に収容される排水フィルタ62を備える。排水フィルタ62は、フィルタ網260が周面210bに設けられたフィルタ体210と、周面210bの軸方向にスライド可能に配置され、フィルタ体210の内部を、流入口103に繋がる第1室R1と、第2室R2とに分けるスライダ220と、スライダ220に、第2室R2が拡がる方向への弾性力を付与するコイルバネ240と、を含む。スライダ220の外周端は、フィルタ網260の表面に接触する。第1室R1内へ排水が流入すると、第1室R1内の水圧の大きさに応じて、スライダ220が、第1室R1が拡がる方向にスライドし、第1室R1内への排水の流入が停止すると、コイルバネ240の弾性力により、スライダ220が、第2室R2が拡がる方向にスライドする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置された外槽と、
前記外槽内に配置され、洗濯物が収容される洗濯槽と、
前記外槽内の水を機外へ排出するための排水路と、
前記排水路に配置され、前記外槽からの排水が流入する流入口と、前記排水が流出する流出口とを有するフィルタケースと、
前記フィルタケース内に取り出し可能に収容される排水フィルタと、を備え、
前記排水フィルタは、
筒状の周面を有し、前記排水を通過させて前記排水に含まれる異物を捕集するフィルタ部が、前記周面に設けられたフィルタ体と、
前記フィルタ体の内部に、前記周面の軸方向にスライド可能に配置され、前記フィルタ体の内部を、前記フィルタ部が設けられた領域において前記軸方向に仕切り、前記流入口に繋がる第1室と、第2室とに分けるスライダと、
前記スライダに、前記第2室が拡がる方向への弾性力を付与するための弾性部材と、を含み、
前記スライダの外周端は、前記フィルタ部の表面に接触し、
前記第1室内へ前記排水が流入すると、前記第1室内の水圧の大きさに応じて、前記スライダが、前記第1室が拡がる方向にスライドし、
前記第1室内への前記排水の流入が停止すると、前記弾性部材の弾性力により、前記スライダが、前記第2室が拡がる方向にスライドする、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記フィルタ部は、前記周面の周方向に全周にわたって設けられる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の洗濯機において、
前記フィルタ体は、前記第1室側の端面が開口しており、
前記スライダは、前記端面の開口から前記フィルタ体の内部に出し入れ可能であり、
前記流入口が形成された前記フィルタケースの面に前記端面が接触し、前記開口と前記流入口が接続される、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
請求項3に記載の洗濯機において、
前記スライダには、前記フィルタ体の前記開口に臨む面に取っ手が設けられる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の洗濯機において、
前記流出口は、前記フィルタ体の前記周面に対向する前記フィルタケースの面に設けられ、
前記第1室内への前記排水の流入が停止された状態において前記スライダが前記フィルタ体の内部を仕切る位置は、前記軸方向において前記流出口が前記第1室の領域の範囲に入る位置とされる、
ことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯に用いられた水が排出される排水路内に、排水に含まれるリント等の異物を捕集する排水フィルタが設けられた洗濯機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-81712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の洗濯機において、排水フィルタの目を細かくすることにより、洗濯物から出たリント、特に、化繊の洗濯物から出たマイクロプラスチックの捕集効率を上げることが可能となる。しかしながら、排水フィルタの目が細かくなると、目詰まりが生じやすくなるため、排水フィルタを清掃する頻度が増え、ユーザの負担が大きくなることが懸念される。
【0005】
本願発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、排水フィルタの清掃頻度を低減でき得る洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主たる態様に係る洗濯機は、筐体内に配置された外槽と、前記外槽内に配置され、洗濯物が収容される洗濯槽と、前記外槽内の水を機外へ排出するための排水路と、前記排水路に配置され、前記外槽からの排水が流入する流入口と、前記排水が流出する流出口とを有するフィルタケースと、前記フィルタケース内に取り出し可能に収容される排水フィルタと、を備える。ここで、前記排水フィルタは、筒状の周面を有し、前記排水を通過させて前記排水に含まれる異物を捕集するフィルタ部が、前記周面に設けられたフィルタ体と、前記フィルタ体の内部に、前記周面の軸方向にスライド可能に配置され、前記フィルタ体の内部を、前記フィルタ部が設けられた領域において前記軸方向に仕切り、前記流入口に繋がる第1室と、第2室とに分けるスライダと、前記スライダに、前記第2室が拡がる方向への弾性力を付与するための弾性部材と、を含む。前記スライダの外周端は、前記フィルタ部の表面に接触する。前記第1室内へ前記排水が流入すると、前記第1室内の水圧の大きさに応じて、前記スライダが、前記第1室が拡がる方向にスライドし、前記第1室内への前記排水の流入が停止すると、前記弾性部材の弾性力により、前記スライダが、前記第2室が拡がる方向にスライドする。
【0007】
上記の構成によれば、排水の流入と流入停止に基づくスライダのスライドによりフィルタ部が自動で清掃されるので、ユーザによる排水フィルタの清掃頻度を少なくすることが可能となる。
【0008】
本態様に係る洗濯機において、前記フィルタ部は、前記周面の周方向に全周にわたって設けられるような構成とされ得る。
【0009】
上記の構成によれば、フィルタ網により多くの異物を捕集できる。
【0010】
本態様に係る洗濯機において、前記フィルタ体は、前記第1室側の端面が開口しており、前記スライダは、前記端面の開口から前記フィルタ体の内部に出し入れ可能であり、前記流入口が形成された前記フィルタケースの面に前記端面が接触し、前記開口と前記流入口が接続されるような構成が採られ得る。
【0011】
上記の構成によれば、ユーザは、スライダを取り取り出して、フィルタ体の内部からフィルタ部を清掃できる。また、流入口に流入した排水を、開口を通じて第1室内に流入させることができる。
【0012】
上記の構成とされた場合、さらに、前記スライダには、前記フィルタ体の前記開口に臨む面に取っ手が設けられ得る。
【0013】
このような構成されれば、ユーザは、取っ手を持ってスライダをスライドさせ、手動でフィルタ部を清掃できる。
【0014】
本態様に係る洗濯機において、前記流出口は、前記フィルタ体の前記周面に対向する前記フィルタケースの面に設けられ得る。この場合、前記第1室内への前記排水の流入が停止された状態において前記スライダが前記フィルタ体の内部を仕切る位置は、前記軸方向において前記流出口が前記第1室の領域の範囲に入る位置とされ得る。
【0015】
排水が第1室内に流入したとき、周面の軸方向において、流出口が第1室の領域の範囲に入っていると、流出口の近傍のフィルタ部の部分を通過した排水が直ちに流出口に流れ込むため、第1室内の排水の流動抵抗が小さくなり、排水流量を大きくできる。
【0016】
上記の構成によれば、排水の流入が停止していて第1室内に水圧が掛かっていない状態で、周面の軸方向において、流出口が第1室の領域の範囲に入っているため、水圧によりスライダを第1室が拡がる方向へスライドさせなくても、良好な排水流量を確保できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、排水フィルタの清掃頻度を低減でき得る洗濯機を提供できる。
【0018】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施の形態に係る、ドラム式洗濯機の構成を示す側面断面図である。
図2図2は、実施の形態に係る、フィルタ装置の側面断面図である。
図3図3は、実施の形態に係る、フィルタ装置の側面断面図である。
図4図4は、実施の形態に係る、図2のA-A´線で切断されたフィルタ装置の断面図である。
図5図5(a)は、実施の形態に係る、排水フィルタの側面断面図である。図5(b)は、実施の形態に係る、排水フィルタの要部の拡大断面図である。
図6図6(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、図4と同じ位置で切断されたフィルタ体およびスライダの断面図である。
図7図7(a)ないし(b)は、変更例1に係る、フィルタ装置の要部を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の洗濯機の一実施形態であるドラム式洗濯機について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、ドラム式洗濯機1の構成を示す側面断面図である。
【0022】
ドラム式洗濯機1は、方形状の筐体10を備える。筐体10の前面には、洗濯物が投入される円形の投入口11が形成される。投入口11は、開閉自在なドア12により覆われる。
【0023】
筐体10内には、外槽20が、複数のダンパー21とスプリング22とにより弾性的に支持される。外槽20内には、ドラム23が回転自在に配置される。ドラム23は、水平軸周りに回転する。ドラム23は、前面に円形の開口部23aを有する。外槽20は、ドラム23の開口部23aの前方に円形の開口部20aを有する。ドラム23は、本発明の洗濯槽に相当する。
【0024】
外槽20の開口部20aの周縁部と筐体10の投入口11の周縁部が、弾性材料からなる環状のパッキン24により連結される。閉じられたドア12の周面がパッキン24に接触し、投入口11とドア12との間が水封される。
【0025】
ドラム23の内周面には、多数の脱水孔23bが形成される。また、ドラム23の内周面には、前部に環状のバランサ25が設けられるとともに、周方向に等しい間隔で、ほぼ三角柱形状を有する3つのバッフル26が設けられる。
【0026】
外槽20の後方には、ドラム23を回転させるためのトルクを発生させる駆動モータ30が配置される。駆動モータ30は、たとえば、アウターロータ型のDCブラシレスモータである。駆動モータ30は、洗い工程およびすすぎ工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力より小さく、洗濯物がタンブリングする回転数でドラム23を回転させる。一方、駆動モータ30は、脱水工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力よりはるかに大きく、洗濯物がドラム23の内周面に張り付く回転数でドラム23を回転させる。
【0027】
外槽20の底部には、下方に凹む凹部20bが設けられる。凹部20bの底面に設けられた排水口に、外槽20内の水を機外へ排出するための排水路40が接続される。
【0028】
排水路40には、上流側と下流側とに、外槽20からの排水に含まれるリント等の異物を捕集する2つのフィルタ装置50,60が設けられる。
【0029】
上流側のフィルタ装置50は、筐体10内の前下部に配置される。フィルタ装置50は、排水路40に配置されたフィルタケース51と、フィルタケース51内に取り出し可能に収容される排水フィルタ52とを含む。フィルタケース51は、筐体10の前面下部に設けられた出入口に接続され、出入口を通じてフィルタケース51内に排水フィルタ52を出し入れすることができる。出入口には、扉を設けることができる。フィルタ装置50として、たとえば、特開2020-103718号公報に記載のフィルタユニットを用いることができる。
【0030】
下流側のフィルタ装置60は、筐体10内の前上部に配置される。フィルタ装置60は、排水路40に配置されたフィルタケース61と、フィルタケース61内に取り出し可能に収容される排水フィルタ62とを含む。フィルタケース61は、筐体10の前面上部に設けられた出入口に接続され、出入口を通じてフィルタケース61内に排水フィルタ62を出し入れすることができる。出入口には、扉を設けることができる。排水フィルタ62は、上流側の排水フィルタ52が捕集できるサイズよりも小さなサイズの異物、特に、化繊の洗濯物から出た微細なリントであるマイクロプラスチックを捕集できる。フィルタ装置60の構成については、追って詳細に説明する。
【0031】
排水路40には、上流側のフィルタ装置50と下流側のフィルタ装置60との間に排水ポンプ70が配置される。排水路40では、外槽20の凹部20bとフィルタ装置50に第1排水ホース41が接続され、フィルタ装置50と排水ポンプ70に第2排水ホース42が接続される。排水ポンプ70には、第3排水ホース43が接続される。第3排水ホース43は、筐体10の上部へと持ち上げられてフィルタ装置60に接続される。フィルタ装置60には、機外へ延びる第4排水ホース44が接続される。
【0032】
排水路40には、外槽20内に溜められた水の水位と同じ高さまで水が溜まる。排水ポンプ70が動作すると、排水路40に溜まっていた水と外槽20内の水が機外へ排出される。この際に、外槽20内からの排水が2つのフィルタ装置50,60を通過し、これらフィルタ装置50,60により異物が捕集される。上流のフィルタ装置50では、大きな異物を捕集することにより、排水ポンプ70に大きな異物が入ることによって排水ポンプ70が故障することを防止している。下流側のフィルタ装置60では、上流側のフィルタ装置50を通過した異物のみが排水フィルタ62により捕集されるので、排水フィルタ62が目詰まりしにくくなる。
【0033】
筐体10内の後部には、給水部80が配置される。給水部80は、給水バルブ81と給水ホース82とを含む。給水ホース82は、一端が給水バルブ81に接続され、他端が外槽20の後面に設けられた注水口20cに接続される。給水バルブ81が開放されると、水道栓からの水道水が給水ホース82を流れて注水口20cから外槽20内に供給される。
【0034】
筐体10内には、さらに、図示しない洗剤投入装置が設けられる。洗剤投入装置には、洗濯運転の前に洗剤および柔軟剤が収容される。洗い工程の給水時には、洗剤投入装置からドラム23内に洗剤投入され、すすぎ工程の給水時には、洗剤投入装置からドラム23内に柔軟剤が投入される。
【0035】
ドラム式洗濯機1では、各種運転コースの洗濯運転が行われる。洗濯運転では、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順次行われる。運転コースによっては、すすぎ工程と中間脱水工程とが2回以上行われる場合がある。
【0036】
洗い工程では、ドラム23内に収容された洗濯物の負荷量に応じた所定水位まで、外槽20内に洗剤を含む水が溜められ、その水の中に浸された洗濯物が、ドラム23の正回転および逆回転が繰り返されることによりタンブリングされる。洗濯物の内部まで洗剤を含む水が浸透し、洗剤の力とタンブリングによる機械力とにより洗濯物の表面や内部に付着した汚れが落とされる。
【0037】
すすぎ工程では、外槽20内に所定水位までの水が溜められた状態でドラム23が正回転および逆回転し、洗濯物がタンブリングされる。これにより、洗濯物に含まれた洗剤が水とともに排出され、洗濯物がすすがれる。
【0038】
中間脱水工程および最終脱水工程では、駆動モータ30が一方向に高速回転し、ドラム23が、ドラム23内の洗濯物に作用する遠心力が重力よりはるかに大きくなる回転数で一方向に回転する。遠心力の作用により、洗濯物が、ドラム23の内周面に押し付けられ、脱水される。最終脱水工程では、中間脱水工程での回転数よりも高い回転数でドラム23が回転する。
【0039】
次に、フィルタ装置60の構成について、詳細に説明する。
【0040】
図2および図3は、フィルタ装置60の側面断面図である。図2は、フィルタ体210の内部に排水が流入していない状態を示す。図3は、フィルタ体210の内部に排水が流入したときの水圧によりスライダ220が最もスライドした状態を示す。図4は、図2のA-A´線で切断されたフィルタ装置60の断面図である。図5(a)は、排水フィルタ62の側面断面図である。図5(b)は、排水フィルタ62の要部の拡大断面図である。図6(a)および(b)は、それぞれ、図4と同じ位置で切断されたフィルタ体210およびスライダ220の断面図である。なお、図4では、コイルバネ240の図示が省略されている。
【0041】
フィルタケース61は、樹脂材料により形成され、前端面が開口し後端面が閉塞する有底の円筒状を有する。フィルタケース61は、フィルタ収容部101と、フィルタ収容部101の前方に位置し、フィルタ収容部101より外径が大きな取っ手収容部102とを含む。
【0042】
フィルタ収容部101には、後端面101aの中央部に円形の流入口103が形成され、周面101bの後端部の最下位置に、円形の流出口104が形成される。フィルタ収容部101は、流入口103から後方に突出する円筒状の接続部105を有し、この接続部105に第3排水ホース43が接続される。さらに、フィルタ収容部101は、流出口104から下方に突出する円筒状の接続部106を有し、この接続部106に第4排水ホース44が接続される。
【0043】
取っ手収容部102には、後端部に、外径が徐々に小さくなるテーパ部107が設けられる。さらに、取っ手収容部102には、前端部に円環状の取付フランジ108が設けられる。取付フランジ108が筐体10の前面にネジ等で取り付けられる。取っ手収容部102の前端面の開口102aが、筐体10の前面の出入口に整合する。
【0044】
排水フィルタ62は、フィルタ体210と、スライダ220と、スライドガイド230と、コイルバネ240と、取っ手250とを含む。
【0045】
フィルタ体210は、前端面が閉塞し後端面が開口する有底の円筒体であり、樹脂材料により形成され、前端面210aが円形を有し、周面210bが円筒状を有する。フィルタ体210の周面210bには、周方向に全周にわたって、フィルタ網260が設けられる。フィルタ網260は、ステンレス等の金属材料により形成され、円筒状を有する。たとえば、フィルタ網260は、線材を格子状に編むことにより網目を形成するような構成とされてもよいし、シート状の材料に無数の孔を開けることにより網目を形成するような構成とされてもよい。後者の構成の場合、孔の大きさが網目の大きさとなる。フィルタ網260の網目の大きさは、たとえば、30~50ミクロン程度とされる。フィルタ網260は、本発明のフィルタ部に相当する。
【0046】
フィルタ網260は、インサート成形により、フィルタ体210と一体形成される。前後方向、即ちフィルタ体210の周面210bの軸方向において、フィルタ体210の周面210bの後端部分から前側に半分を超える部分がフィルタ網260で占められる。フィルタ体210には、フィルタ網260の領域に、周方向に所定の間隔を置いて複数、たとえば、8つの桟211が、軸方向に延びるように設けられる。フィルタ網260の一部が各桟211に埋め込まれ、フィルタ網260の領域が周方向に複数の領域に分かれる。なお、桟211の数は、フィルタ体210の強度を考慮して決められるとよい。また、フィルタ体210に桟211が設けられなくてもよい。
【0047】
フィルタ体210の前端面210aには、内部側の中央に凹部212が形成され、凹部212の中央に円筒状の取付ボス213が設けられる。凹部212は外周縁部が深くされている。
【0048】
スライダ220は、フィルタ体210の内部にスライド可能に配置される。スライダ220は、樹脂材料により形成され、スライダ本体221と、フランジ222と、取っ手223と、を含む、スライダ本体221は、前端面が開口し後端面が閉塞する有底の円筒状を有する。フランジ222は、円環状を有し、スライダ本体221の周面における所定の位置に設けられる。図6(b)に示すように、フランジ222の外周端部には、フィルタ体210の複数の桟211に対応する位置に、桟211の形状に対応する形状に径方向に凹む凹部222aが形成される。図5に示すように、スライダ220の外周端であるフランジ222の外周端222bは、フィルタ網260の表面に接触する。フィルタ体210の各桟211とフランジ222の凹部222aとの間には僅かに隙間が生じる。取っ手223は、板状を有し、スライダ本体221の後端面から後方に突出する。なお、フィルタ体210に桟211が設けられない場合は、フランジ222に凹部222aが設けられない。
【0049】
スライダ220は、スライダ本体221とフランジ222とにより、フィルタ体210の内部を、フィルタ網260が設けられた領域においてフィルタ体210の軸方向に仕切る。これにより、フィルタ体210の内部が、フィルタケース61の流入口103に繋がる第1室R1と、第2室R2とに分かれる。
【0050】
スライドガイド230は、フィルタ体210の内部に配置される。スライドガイド230は、樹脂材料により形成され、前端面が閉塞し後端面が開口する有底の円筒状を有する。スライドガイド230は、フィルタ体210の前端面210aの中央に固定される。即ち、スライドガイド230の前端部は、前端面210aの凹部212に対応する形状を有し、凹部212内に嵌め込まれる。スライドガイド230の前端面に設けられた取付凹部231に取付ボス213が嵌まり込み、取付凹部231が取付ボス213にネジ232で止められる。スライドガイド230の前端部の外周面と凹部212の内周面との間がOリング233により水封される。
【0051】
スライドガイド230は、スライダ本体221の内部に挿入され、スライダ220をスライド可能に支持する。図4に示すように、スライドガイド230の周面には、周方向に所定の間隔を置いて、軸方向に延びる複数、たとえば、8本のリブ234が形成される。これらリブ234がスライダ本体221の内周面に接触することで、スライダ220がスライドするときの摩擦抵抗を小さくできる。スライドガイド230の前端部には、環状のパッキン235が設けられる。パッキン235は、スライダ本体221の内周面に接触する。これにより、スライダ本体221とスライドガイド230の内部への水の侵入が防止される。
【0052】
コイルバネ240は、前端側がスライドガイド230の内部に収容され、後端側がスライドガイド230から後方へ突出する。コイルバネ240は、本発明の弾性部材に相当する。
【0053】
図2に示すように、スライダ本体221の後端面が自然長のコイルバネ240の後端に接するときの位置が、スライダ220の初期位置となる。外槽20内から排水が行われていないとき、即ち、第1室R1内への排水の流入が停止した状態にあるとき、スライダ220は初期位置に存在する。このとき、スライダ220がフィルタ体210の内部を仕切る位置、即ち、スライダ220のフランジ222の位置は、フィルタ体210の軸方向において流出口104が第1室R1の領域の範囲に入る位置となり、第1室R1の真下に流出口104が存在する。
【0054】
フィルタ体210の前部には、取っ手250が装着される装着部214が一体形成される。装着部214は、円筒状を有し、フィルタ体210よりも外径が大きい。装着部214には、中間部にフランジ214aが設けられ、フランジ214aよりも後側にOリング215が装着される。さらに、装着部214には、前端部に爪214bが形成される。
【0055】
取っ手250は、樹脂材料により形成され、円盤状のベース部251と、ベース部251の中央部から突出する、板状の摘み252とを含む。取っ手250は、装着部214に装着される。この際、ベース部251に設けられたの爪251aが装着部214の爪214bと係合する。これにより、取っ手250は、装着部214に対して、前方には外れないが回転可能な状態となる。
【0056】
フィルタケース61内に挿入された排水フィルタ62は、フィルタ体210がフィルタ収容部101内に収容され、取っ手250が取っ手収容部102内に収容される。取っ手250には、ベース部251の外周面に図示しない雄ネジ部が設けられ、取っ手収容部102には、図示しない雌ネジ部が設けられる。取っ手250を回転させると、雄ネジ部が雌ネジ部に噛み合い、取っ手250とともにフィルタ体210が後方へ移動する。Oリング215が取っ手収容部102のテーパ部107に押し付けられて、装着部214とテーパ部107との間が水封される。これにより、フィルタケース61内からの水漏れが防止される。
【0057】
フィルタ体210の後端面がフィルタ収容部101の後端面101aに接触し、フィルタ体210の後端面の開口210cと流入口103が接続される。フィルタ体210の後端には、環状の突部216が形成されており、この突部216が、フィルタ収容部101の後端面101aに形成された環状の溝部109に嵌り込む。これにより、第1室R1内に流入した排水が、フィルタ体210の後端面とフィルタ収容部101の後端面101aとの間からフィルタ体210の外に漏れ出しにくくなる。
【0058】
次に、フィルタ装置60に係る動作について説明する。
【0059】
排水ポンプ70が作動すると、外槽20からの排水が流入口103を通じてフィルタ体210の第1室R1内に流入する。スライダ220は、第1室R1内の水圧とコイルバネ240およびパッキン235による摺動抵抗とが均衡する位置まで、前方、即ち第1室R1が拡がる方向へスライドする。たとえば、第1室R1内に含まれるフィルタ網260の領域にマイクロプラスチック等の異物がほぼ捕集されていない段階では、スライダ220が動かないあるいは僅かに動くように、コイルバネ240のバネ定数を設定できる。
【0060】
第1室R1内に流入した排水は、フィルタ網260を通過してフィルタ体210の外へ流出し、流出口104へと流れ込む。排水に含まれた異物がフィルタ網260で捕集され、フィルタ網260の表面に蓄積する。排水は、流動抵抗の小さな経路を流れやすいため、特に、流出口104の近傍のフィルタ網260の部分に異物が蓄積されやすい。
【0061】
第1室R1に含まれるフィルタ網260の領域に異物が蓄積するにつれて第1室R1内の水圧が上昇し、スライダ220が前方にスライドする。第1室R1に含まれるフィルタ網260の領域が拡がるため、排水の流動抵抗の低下が抑えられ、排水流量の低下が抑えられる。図3に示すように、スライダ220は、最大限、フィルタ網260の前端位置までスライドでき、この位置までスライダ220が移動すると、フィルタ網260の全て領域を排水が通過可能となる。
【0062】
排水ポンプ70が停止すると、第1室R1内の水圧が低下し、これに伴って、スライダ220がコイルバネ240の弾性力によって押され、後方、即ち第2室R2が拡がる方向にスライドする。スライダ220がスライドする際、スライダ220、即ちフランジ222の外周端222bがフィルタ網260の表面を摺動し、フィルタ網260の表面に蓄積した異物が後方へ押し出される。停止したスライダ220の後方に、即ち、スライダ220がスライドを完了した後の第1室R1内に、押し出された異物が蓄積される。
【0063】
このように、第1室R1内の水圧の変化によってスライダ220がスライドすることにより、スライド範囲のフィルタ網260の表面が清掃される。この結果、フィルタ網260全体が最低限の排水流量が確保できなくなる程度に目詰まりするまでに、フィルタ網260により多くの異物を捕集することが可能となる。よって、ユーザによる排水フィルタ62の清掃頻度を少なくすることが可能となる。
【0064】
排水が第1室R1内に流入したとき、図2のように、スライダ220のフランジ222が流出口104よりも前側に位置し、流出口104がフィルタ体210の軸方向においてが第1室R1の領域の範囲に入っていると、流出口104の近傍のフィルタ網260の部分を通過した排水が直ちに流出口104に流れ込むため、第1室R1内の排水の流動抵抗が小さくなり、排水流量を大きくできる。本実施の形態では、スライダ220が初期位置にある状態で既に流出口104が第1室R1の領域の範囲に入っているため、フィルタ網260に目詰まりがない段階から水圧によりスライダ220を前方、即ち第1室R1が拡がる方向へスライドさせなくても良好な排水流量を確保できる。このため、低い水圧でスライダ220をスライド可能にしなくてよくなり、その分、コイルバネ240の弾性力を大きくできる。よって、弾性力によりスライダ220を後方、即ち第2室R2が拡がる方向へスライドさせたときに、フィルタ網260の表面に蓄積した異物を強く押し出すことができ、異物が除去されやすくなる。
【0065】
なお、スライダ220が往復移動する際、スライダ本体221とスライドガイド230の内部に対して、フィルタ体210の前端面210aとスライドガイド230の前端面とを貫通する通気孔217から空気が出入りする。これにより、スライダ220を円滑にスライドさせることができる。
【0066】
また、排水ポンプ70により、フィルタ装置60、即ち排水フィルタ62へ排水が送られる構成とされているので、送水圧を大きくでき、マイクロプラスチックを捕集できるようにフィルタ網260の網目が小さくされても、十分な排水流量が得られやすい。
【0067】
ユーザは、排水フィルタ62をフィルタケース61から取り出して、フィルタ網260を清掃できる。
【0068】
図5(a)に示すように、ユーザは、取っ手223を持って、スライダ220を初期位置よりも後方へ引くことができる。初期位置よりも後方のフィルタ網260の表面、即ち、スライダ220が水圧の変化によりスライドしない領域のフィルタ網260の表面を、フランジ222の外周端222bが摺動し、フィルタ網260に蓄積した異物がフィルタ体210の開口210cから外へ押し出される。
【0069】
図5(b)に示すように、フィルタ体210の後端部は、内周壁面がフィルタ網260よりも僅かに内側に張り出しており、スライダ220のフランジ222が後端部まで移動したとときに、この張出部218にフランジ222の外周端部が当たる。これにより、スライダ220がフィルタ体210の内部から開口210cを通じて不用意に抜けにくい。
【0070】
一方で、張出部218にフランジ222の外周端部が当たった状態から、スライダ220が強く引っ張られると、フィルタ体210の後端部とフランジ222とが弾性変形して、フランジ222が張出部218を越えて、スライダ220がフィルタ体210の内部から抜ける。これにより、ユーザは、ブラシ等の清掃具を用いて、フィルタ体210の内部からフィルタ網260の表面を清掃し、異物を除去できる。
【0071】
図5(b)に示すように、張出部218は、フィルタ体210の前端面の開口210cが拡がるような傾斜面218aを有する。これにより、取り出したスライダ220を、開口210cからフィルタ体210の内部に戻しやすくできる。
【0072】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、排水フィルタ62において、周面210bにフィルタ網260を有するフィルタ体210の内部がスライダ220により仕切られて第1室R1と第2室R2とに分けられる。第1室R1内へ排水が流入すると、第1室R1内の水圧の大きさに応じて、スライダ220が、第1室R1が拡がる方向にスライドし、第1室R1内への排水の流入が停止すると、コイルバネ240に押されて、スライダ220が、第2室R2が拡がる方向にスライドする。スライダ220が、第2室R2が拡がる方向にスライドする際、スライダ220の外周端222bがフィルタ網260の表面を摺動し、フィルタ網260の表面に蓄積した異物が除去される。このように、排水の流入と流入停止に基づくスライダ220のスライドによりフィルタ網260が自動で清掃されるので、ユーザによる排水フィルタ62の清掃頻度を少なくすることが可能となる。
【0073】
また、スライダ220をスライドさせるためにモータ等の駆動装置が用いられないので、フィルタ装置60を安価に実現でき得る。
【0074】
さらに、本実施の形態によれば、フィルタ網260がフィルタ体210の周面210bの周方向に全周にわたって設けられているので、フィルタ網260により多くの異物を捕集できる。
【0075】
さらに、本実施の形態によれば、フィルタ体210は、第1室R1側の端面である後端面が開口しており、スライダ220は、後端面の開口210cからフィルタ体210の内部に出し入れ可能である。そして、フィルタケース61の後端面101aにフィルタ体210の後端面が接触し、開口210cと流入口103が接続される。これにより、ユーザは、スライダ220を取り取り出して、フィルタ体210の内部からフィルタ網260を清掃できる。また、流入口103に流入した排水を、開口210cを通じて第1室R1内に流入させることができる。
【0076】
さらに、本実施の形態によれば、スライダ220には、フィルタ体210の開口210cに臨む後端面に取っ手223が設けられているので、ユーザは、取っ手223を持ってスライダ220をスライドさせ、手動でフィルタ網260を清掃できる。
【0077】
さらに、本実施の形態によれば、排水の流入が停止していて第1室R1内に水圧が掛かっていない状態で、フィルタ体210の軸方向において、流出口104が第1室R1の領域の範囲に入っているため、フィルタ網260に目詰まりがない段階から水圧によりスライダ220を第1室R1が拡がる方向へスライドさせなくても良好な排水流量を確保できる。このため、低い水圧でスライダ220をスライド可能にしなくてよくなり、その分、コイルバネ240の弾性力を大きくして勢いよくスライダ220をスライドさせることができるので、フィルタ網260の表面に蓄積した異物が除去されやすくなる。
【0078】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0079】
<変更例1>
図7(a)ないし(c)は、変更例1に係る、フィルタ装置60の要部を模式的に示す断面図である。
【0080】
上記実施の形態では、図2に示すように、第1室R1内への排水の流入が停止した状態にあり、スライダ220が初期位置に存在するとき、スライダ220がフィルタ体210の内部を仕切る位置、即ち、スライダ220のフランジ222の位置が、流出口104より前方となり、フィルタ体210の軸方向において、流出口104が第1室R1の領域の範囲に入るように、排水フィルタ62が構成された。
【0081】
本変更例1では、図7(a)に示すように、第1室R1内への排水の流入が停止した状態にあり、スライダ220が初期位置に存在するとき、スライダ220がフィルタ体210の内部を仕切る位置、即ち、スライダ220のフランジ222の位置が、流出口104より後方となり、フィルタ体210の軸方向において、流出口104が第1室R1の領域の範囲から外れるように、排水フィルタ62が構成される。
【0082】
そして、本変更例1では、コイルバネ240のバネ定数などが適宜設定されることにより、図7(b)に示すように、第1室R1内に含まれるフィルタ網260の領域に異物がほぼ捕集されていない段階から、第1室R1内に排水が流入したときに流出口104が第1室R1の領域の範囲に入るようになる位置までスライダ220が前方へスライドする。
【0083】
図7(c)に示すように、第1室R1に含まれるフィルタ網260の領域に異物が蓄積するにつれて第1室R1内の水圧が上昇すると、スライダ220は、最大限、フィルタ網260の前端位置まで前方へスライドする。
【0084】
本変更例1の構成では、、異物が蓄積しやすい、流出口104の近傍のフィルタ網260の部分が、スライダ220のスライド範囲に含まれるので。この部分を自動で清掃することが可能となる。
【0085】
なお、第1室R1内への排水の流入が停止した状態にあり、スライダ220が初期位置に存在するとき、スライダ220がフィルタ体210の内部を仕切る位置、即ち、スライダ220のフランジ222の位置が、流出口104の範囲の中となり、フィルタ体210の軸方向において、流出口104の一部が第1室R1の領域の範囲に入るように、排水フィルタ62が構成されてもよい。
【0086】
<その他の変更例>
上記実施の形態では、フィルタ体210の周面210bの周方向に全周にわたってフィルタ網260が設けられた。しかしながら、フィルタ網260は、必ずしもフィルタ体210の周面210bの周方向に全周にわたって設けられなくてもよい。フィルタ体210の内部に流入した排水は、下方へ流れやすい。よって、たとえば、周面210bの周方向において下側の半分にフィルタ網260が設けられてもよい。
【0087】
さらに、上記実施の形態では、フィルタ網260が金属材料により形成されたが、樹脂材料により形成されてもよい。
【0088】
さらに、スライダ220に設けられる取っ手223の形状は、上記実施の形態の形状に限られず、指で持つことができれば如何なる形状でもよい。
【0089】
さらに、上記実施の形態では、下流側のフィルタ装置60が、筐体10内の前上部に配置されたが、筐体10内の前下部、即ち外槽20の凹部20bよりも低い位置に配置されてもよい。上記実施の形態のように、筐体10内の前下部に上流側のフィルタ装置50が配置される場合、2つのフィルタ装置50,60が、左右に分かれて配置されるとよい。フィルタ装置60が、筐体10内の下部に配置される場合、排水フィルタ62へ流れる排水の送水圧が適正に得られれば、排水ポンプ70がなくされてもよい。
【0090】
さらに、上記実施の形態では、スライダ220に弾性力を付与するためにコイルバネ240が用いられたが、コイルバネ240以外のバネやバネ以外の弾性部材が用いられてもよい。
【0091】
さらに、上記実施の形態では、本発明が、横軸型のドラム23を備えるドラム式洗濯機1に適用された。しかしながら、本発明は、内部にパルセータを有する縦軸型の洗濯脱水槽を備える、いわゆる縦型の全自動洗濯機に適用することもできる。また、本発明は、乾燥機能を有するドラム式洗濯乾燥機および全自動洗濯乾燥機にも適用できる。
【0092】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
10 筐体
20 外槽
23 ドラム(洗濯槽)
40 排水路
61 フィルタケース
62 排水フィルタ
103 流入口
104 流出口
210 フィルタ体
210b 周面
210c 開口
220 スライダ
222b 外周端
223 取っ手
240 コイルバネ(弾性部材)
260 フィルタ網(フィルタ部)
R1 第1室
R2 第2室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7