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特開2022-167568情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及びペン型入力デバイス判別方法
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  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及びペン型入力デバイス判別方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167568
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及びペン型入力デバイス判別方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
G06F3/03 400
G06F3/03 400E
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073437
(22)【出願日】2021-04-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】東京 旭
(57)【要約】
【課題】収納型のペン型入力デバイスを判別することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置1は、ペン型入力デバイスからペン型入力デバイスの識別情報を取得する第1情報取得部23と、ペン型入力デバイスの識別情報に基づいて、収納型のペン型入力デバイスか否かを判定する判定部24と、収納型のペン型入力デバイスであると判定された場合に、ペン型入力デバイスと関連性を有するシステムの識別情報を取得する第2情報取得部25と、取得したシステムの識別情報に基づいて、ペン型入力デバイスを判別するペン判別部26とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペン型入力デバイスから前記ペン型入力デバイスの識別情報を取得する第1情報取得部と、
前記ペン型入力デバイスの識別情報に基づいて、収納型のペン型入力デバイスか否かを判定する判定部と、
収納型の前記ペン型入力デバイスであると判定された場合に、ペン型入力デバイスと関連性を有するシステムの識別情報を取得する第2情報取得部と、
取得した前記システムの識別情報に基づいて、前記ペン型入力デバイスを判別するペン判別部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記システムの識別情報は、ペン型入力デバイスと一意に対応付けられた情報である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記システムの識別情報は、タッチコントローラのプロダクトIDである請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ペン判別部は、システムの識別情報とペン型入力デバイスのペン情報とが関連付けられて記憶されているペン情報記憶部から、前記システムの識別情報に対応する前記ペン型入力デバイスのペン情報を取得する請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ペン情報は、ペンの画像情報及び搭載機能情報の少なくともいずれか一つを含む請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ペン判別部によって取得された前記ペン情報をペンセッティング画面に表示させる表示制御部を備える請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置に設けられたペン収納部に収納可能なペン型入力デバイスと
を備える情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータを請求項1から6のいずれかに記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
ペン型入力デバイスから前記ペン型入力デバイスの識別情報を取得する工程と、
前記ペン型入力デバイスの識別情報に基づいて、収納型のペン型入力デバイスか否かを判定する工程と、
収納型の前記ペン型入力デバイスであると判定された場合に、ペン型入力デバイスと関連性を有するシステムの識別情報を取得する工程と、
取得した前記システムの識別情報に基づいて、前記ペン型入力デバイスを判別する工程と
をコンピュータが実行するペン型入力デバイス判別方法。
【請求項10】
無線通信アンテナと、処理回路とを備える情報処理装置であって、
前記処理回路は、
前記無線通信アンテナを介して、ペン型入力デバイスから前記ペン型入力デバイスの識別情報を取得し、
前記ペン型入力デバイスの識別情報に基づいて、収納型のペン型入力デバイスか否かを判定し、
収納型の前記ペン型入力デバイスであると判定した場合に、ペン型入力デバイスと関連性を有するシステムの識別情報を取得し、
取得した前記システムの識別情報に基づいて、前記ペン型入力デバイスを判別する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及びペン型入力デバイス判別方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等の携帯型の情報処理装置では、入力デバイスとしてペン型入力デバイスが用いられる。一般的に、ペン型入力デバイスには、ペン固有のデバイスIDが付与されている。このデバイスIDは、例えば、ペン型入力デバイスに内蔵されているROM(Read Only Memory)等の記憶部に格納されている。情報処理装置は、ペン型入力デバイスの記憶部に格納されているペンのデバイスIDを取得することにより、使用されるペン型入力デバイスを特定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、情報処理装置に設けられたペン収納部に収納可能とされた収納型のペン型入力デバイスが普及している。収容型のペン型入力デバイス(以下「収納型ペン」という。)は、情報処理装置のペン収納部のデザインに応じて、キャップ部分のデザインが最適化されており、原則として、対応する情報処理装置以外のペン収納部には適合しないような構造とされている。その一方で、収容型ペンのキャップ部分以外の本体部分は、コスト低減及び納期短縮等の目的から共通化されており、このため、収納型ペンに付与されるデバイスIDも共通のものが用いられている。
【0004】
このように、収納型ペンにおいては、共通のデバイスIDが付与されていることから、情報処理装置側では、外形(例えば、キャップ部分のデザイン)が異なっていても収容型ペンは全て同じペンとみなしてしまい、個々の収容型ペンを判別することができなかった。このため、例えば、ペンの設定を行うためのペンセッティング画面においても、収容型ペンに関しては、共通のペン画像や共通の搭載機能が表示されてしまい、実際とは異なる外形のペン画像や搭載機能がユーザに提供される可能性があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、収納型のペン型入力デバイスを判別することのできる情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及びペン型入力デバイス判別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様は、ペン型入力デバイスから前記ペン型入力デバイスの識別情報を取得する第1情報取得部と、前記ペン型入力デバイスの識別情報に基づいて、収納型のペン型入力デバイスか否かを判定する判定部と、収納型の前記ペン型入力デバイスであると判定された場合に、ペン型入力デバイスと関連性を有するシステムの識別情報を取得する第2情報取得部と、取得した前記システムの識別情報に基づいて、前記ペン型入力デバイスを判別するペン判別部とを具備する情報処理装置である。
【0007】
本発明の第二態様は、上記情報処理装置と、前記情報処理装置に設けられたペン収納部に収納可能なペン型入力デバイスとを備える情報処理システムである。
【0008】
本発明の第三態様は、コンピュータを上記情報処理装置として機能させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の第四態様は、ペン型入力デバイスから前記ペン型入力デバイスの識別情報を取得する工程と、前記ペン型入力デバイスの識別情報に基づいて、収納型のペン型入力デバイスか否かを判定する工程と、収納型の前記ペン型入力デバイスであると判定された場合に、ペン型入力デバイスと関連性を有するシステムの識別情報を取得する工程と、取得した前記システムの識別情報に基づいて、前記ペン型入力デバイスを判別する工程とをコンピュータが実行するペン型入力デバイス判別方法である。
【0010】
本発明の第五態様は、無線通信アンテナと、処理回路(processing circuitry)とを備える情報処理装置であって、前記処理回路は、前記無線通信アンテナを介して、ペン型入力デバイスから前記ペン型入力デバイスの識別情報を取得し、前記ペン型入力デバイスの識別情報に基づいて、収納型のペン型入力デバイスか否かを判定し、収納型の前記ペン型入力デバイスであると判定した場合に、ペン型入力デバイスと関連性を有するシステムの識別情報を取得し、取得した前記システムの識別情報に基づいて、前記ペン型入力デバイスを判別する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、収納型のペン型入力デバイスを判別することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の概略外観図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理装置が備える各種機能のうち、ペン型入力デバイス判別機能の一例を示した機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係るペンセッティング画面の一画面例を示した図である。
図5】本発明の一実施形態に係るペン型入力デバイス判別方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及びペン型入力デバイス判別方法について、図面を参照して説明する。本実施形態では、情報処理装置1として、ノート型PC(以下「ノートPC」という。)を例示した場合について説明するが、この例に限定されない。例えば、情報処理装置1は、タブレット端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistance)等であってもよく、ペン型の入力デバイスに対応している情報処理装置に広く適用することが可能である。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置1の概略外観図である。情報処理装置1は、図1に示すように、一例として、いずれも略直方体である本体側筐体2及びディスプレイ側筐体3を備える。本体側筐体2は、入力部4を備える。入力部4は、使用者が入力操作を行うための使用者インターフェースであり、文字、コマンド等を入力する各種キーより構成されるキーボードや、画面上のカーソルを移動させたり、各種メニューを選択するタッチパッド等を備えている。
【0015】
ディスプレイ側筐体3は、タッチパネル5を備える。タッチパネル5は、入力される表示データをビデオ信号に変換し、変換したビデオ信号に応じた各種情報を表示画面に表示すると共に、指又はペン型入力デバイスを用いて行われる各種操作を検出する。ペン型入力デバイスの一例として、スタイラスペン(タッチペン)が挙げられる。
【0016】
本体側筐体2及びディスプレイ側筐体3は、それぞれの端部で一対の連結部6によって連結されている。連結部6は、ヒンジであり、本体側筐体2及びディスプレイ側筐体3を開閉可能に支持している。
【0017】
情報処理装置1において、本体側筐体2の一側面には、ペンを収納するためのペン収納部7が形成されている。情報処理装置1に対応するペン型入力デバイス10は、ペン収納部7のデザインに応じて、キャップ部分のデザインが最適化されており、原則として、対応する情報処理装置以外のペン収納部には適合しないような構造とされている。
【0018】
図2は、情報処理装置1のハードウェアの一構成例を示す概略図である。情報処理装置1は、図2に示すように、例えば、入力部4、タッチパネル5、CPU(Central Processing Unit)11、メインメモリ12、記憶部13、グラフィクスアダプタ16、タッチコントローラ17、外部インターフェース18、通信インターフェース19等を備えている。これら各部は直接的にまたはバスを介して間接的に相互に接続されており、互いに連携して各種処理を実行する。
【0019】
CPU11は、例えば、バスを介して接続された記憶部13に格納されたOS(Operating System)により情報処理装置1全体の制御を行うとともに、記憶部13に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。
【0020】
メインメモリ12は、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU11の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0021】
記憶部13は、非一時的な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等である。記憶部13は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の情報処理装置1全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。また、記憶部13には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。
【0022】
タッチパネル5は、ディスプレイ14及びタッチセンサ15を備えている。
ディスプレイ14は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等であり、CPU11の制御に従って、グラフィクスアダプタ16からのビデオ信号を画像として表示する。
【0023】
グラフィクスアダプタ16は、CPU11の制御に従って、表示情報をビデオ信号に変換し、変換したビデオ信号をディスプレイ14に出力する。
【0024】
タッチセンサ15は、ディスプレイ14へのユーザの指又はペン型入力デバイスの接触位置を検出して、タッチコントローラ17に出力する。本実施形態に係るタッチセンサ15は、一例として、ペン型入力デバイスによる接触位置を電磁誘導方式により検出し、指による接触位置を静電容量方式により検出する、所謂、2レイヤーによる接触位置検出を可能とする。なお、ペン型入力デバイスによる入力検知の方式及び指による入力検知の方式は一例であり、これらに限定されない。
【0025】
タッチコントローラ17は、例えば、タッチICなどから構成され、タッチセンサ15から出力された接触位置に基づいて入力座標を検知し、CPU11に出力する。また、タッチコントローラ17は、CPU11からの指令に基づいてタッチセンサの感度制御等を行ってもよい。
【0026】
外部インターフェース18は、外部機器と接続するためのインターフェースである。外部機器の一例として、外部モニタ、USBメモリ、外付けHDD等が挙げられる。なお、図2に示した例では、外部インターフェースは、1つしか図示されていないが、複数の外部インターフェースを備えていてもよい。
【0027】
通信インターフェース19は、ネットワークに接続して他の装置と通信を行い、情報の送受信を行うためのインターフェースとして機能する。
例えば、通信インターフェース19は、無線通信アンテナを備えている。通信インターフェース19は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi等の無線通信規格や専用の通信プロトコルを用いて他の装置と通信を行う。
【0028】
入力部4は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド等、ユーザが情報処理装置1に対して指示を与えるためのユーザインタフェースである。
【0029】
なお、本実施形態に係る情報処理装置1の構成は、上記例に限定されない。例えば、本実施形態では、ディスプレイ14にタッチセンサ15が重畳された構成を例示して説明したが、タッチパネル5の構成はこの例に限定されない。例えば、ディスプレイ14とタッチセンサ15を備える入力領域とが異なる筐体にそれぞれ設けられており、入力領域に対するユーザの入力操作がディスプレイ14の表示に反映されるような構成とされていてもよい。
【0030】
図3は、情報処理装置1が備える各種機能のうち、入力デバイス判別機能の一例を示した機能ブロック図である。図3に示されるように、情報処理装置1は、デバイスID記憶部21、ペン情報記憶部22、第1情報取得部23、判定部24、第2情報取得部25、ペン判別部26、及び表示制御部27を備えている。
これら各部によって実現される機能は、例えば、処理回路(processing circuitry)によって実現される。例えば、以下に示す機能は、CPU11が記憶部13に格納されているプログラム(ペン型入力デバイス判別プログラム)をメインメモリ12に読み出して実行することにより実現される。ペン型入力デバイス判別プログラムは、例えば、ペンセッティングを行うペンセッティングアプリケーションソフトウェアに実装されていてもよい。
【0031】
デバイスID記憶部21には、例えば、情報処理装置1に対応する純正のペン型入力デバイス10と関連性を有するシステムの識別情報が格納されている。ここで、純正のペン型入力デバイスとは、ペン収納部7に収納されるようにデザインされた収納型のペン型入力デバイスを意味する。
【0032】
上記「システムの識別情報」は、例えば、純正のペン型入力デバイスと一意に対応付けられた情報である。これにより、システムの識別情報から当該情報処理装置1に適用される収容型のペン型入力デバイス10(純正のペン型入力デバイス)を判別(特定)することが可能となる。本実施形態では、システムの識別情報として、タッチセンサ15をコントロールするためのタッチコントローラ17のプロダクトID、より具体的には、タッチICのプロダクトIDを例示して説明する。
【0033】
例えば、デバイスID記憶部21は、記憶部13により実現される。記憶部13には、情報処理装置1が搭載している各種デバイスについてのデバイスID又はプロダクトIDが格納されていることから、例えば、タッチICのプロダクトIDの格納先をデバイスID記憶部21として用いることが可能である。
【0034】
ペン情報記憶部22には、ペン型入力デバイスに関する情報であるペン情報が格納されている。例えば、個別のデバイスIDが付与されているスタンドアローン型のペン型入力デバイスについては、そのデバイスIDとペン情報とが関連付けられてペン情報記憶部22に格納されている。また、共通のデバイスIDが付与される収納型のペン型入力デバイスについては、システムの識別情報、すなわち、本実施形態においては、タッチICのプロダクトIDとペン情報とが関連付けられてペン情報記憶部22に格納されている。
【0035】
上記「ペン情報」には、例えば、ペンの画像情報及びペンの搭載機能が含まれる。なお、これらのうち少なくとも一つがペン情報に含まれていてもよい。
【0036】
第1情報取得部23は、ペン型入力デバイスとの相互通信により、ペン型入力デバイスに内蔵されている記憶部(例えば、ROM)からペン型入力デバイスの識別情報であるデバイスIDを取得する。
例えば、第1情報取得部23は、通信インターフェース19とペン型入力デバイスとの通信を確立させ、通信インターフェース19を介してペン型入力デバイスのデバイスIDを取得する。
【0037】
判定部24は、第1情報取得部23によって取得されたデバイスIDに基づいて、ペン型入力デバイスが収納型ペンか否かを判定する。例えば、収納型ペンには、共通のデバイスIDが付与されている。したがって、第1情報取得部23によって取得されたデバイスIDが収納型ペンを示す共通のデバイスIDか否かを判定することにより、ペン型入力デバイスが収容型のペンか否かを判定することが可能である。
【0038】
第2情報取得部25は、判定部24によってペン型入力デバイスが収納型ペンであると判定された場合に、デバイスID記憶部21からタッチICのプロダクトIDを取得する。
【0039】
ペン判別部26は、判定部24によってペン型入力デバイスがスタンドアローン型のペンであると判定された場合には、第1情報取得部23によって取得されたデバイスIDによって当該ペン型入力デバイスが判別できることから、当該デバイスIDに対応付けられたペン情報をペン情報記憶部22から取得する。
【0040】
一方、ペン判別部26は、判定部24によってペン型入力デバイスが収納型ペンであると判定された場合には、タッチICのプロダクトIDに基づいてペン型入力デバイスを判別し、タッチICのプロダクトIDに対応付けられたペン情報をペン情報記憶部22から取得する。すなわち、収納型ペンである場合には、デバイスIDに基づいてペンを判別することができない。このため、例えば、収納型のペン型入力デバイスと一意に対応付けられたタッチICのプロダクトIDに基づいて当該情報処理装置1の機種を判別し、その機種に対応する純正のペン型入力デバイス10を特定することで、収納型のペン型入力デバイスを判別する。
【0041】
表示制御部27は、ペン判別部26によって取得されたペン情報に基づくペンセッティング画面をディスプレイ14に表示させる。
【0042】
図4は、ペンセッティング画面の一画面例を示した図である。図4に示すように、ペンセッティング画面には、ペン判別部26によって取得されたペン情報に基づくペン画像30や搭載機能32等が表示される。これにより、例えば、共通のデバイスIDが用いられる収納型のペン型入力デバイスであっても、その収納型のペン型入力デバイスの外形に応じた正しい画像をディスプレイ14に表示させることができる。
【0043】
次に、本実施形態に係るペン型入力デバイス判別方法について図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係るペン型入力デバイス判別方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下に説明する処理は、例えば、CPU11が記憶部13に格納されているプログラム(ペン型入力デバイス判別プログラム)をメインメモリ12に読み出して実行することにより実現される。また、以下に示す処理は、例えば、ユーザによってペンセッティングの指示が入力された場合に実行される。
【0044】
ユーザが使用するペン型入力デバイスとタッチパネル5との距離が近付き通信可能な状態となると、情報処理装置1は、ペン型入力デバイスのデバイスIDを取得する(SA1)。続いて、情報処理装置1は、取得したデバイスIDに基づいて、当該ペン型入力デバイスが収納型ペンか否かを判定する(SA2)。この結果、収納型ペンでないと判定した場合には(SA2:NO)、取得したデバイスIDによって特定されるペン情報をペン情報記憶部22から取得し(SA3)、取得したペン情報に基づくペンセッティング画面をディスプレイ14に表示し(SA4)、本処理を終了する。
【0045】
一方、ステップSA2において、当該ペン型入力デバイスが収納型ペンであると判定した場合には(SA2:YES)、タッチICのプロダクトIDを取得する(SA5)。続いて、取得したタッチICのプロダクトIDによって特定されるペン情報をペン情報記憶部22から取得し(SA6)、取得したペン情報に基づくペンセッティング画面をディスプレイ14に表示し(SA7)、本処理を終了する。
【0046】
以上述べてきたように、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及びペン型入力デバイス判別方法によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態によれば、ペン型入力デバイスのデバイスIDに基づいて、使用中のペンが収納型ペンであるか否かを判定し、収納型ペンであると判定された場合には、システムの識別情報、例えば、タッチコントローラ(例えば、タッチIC)17のプロダクトIDに基づいてペン型入力デバイスが判別される。すなわち、本実施形態では、収納型のペンであると判定された場合には、使用中のペンが当該情報処理装置1に対応する純正のペンであるとみなし、当該情報処理装置1のシステム情報に基づいてペンを判別する。
【0047】
これにより、デバイスIDが共通化された収納型のペン型入力デバイスであっても、個々のペンを判別することが可能となる。この結果、使用されている収納型のペン型入力デバイスに応じた適切なペン画像や搭載機能をペンセッティング画面に表示させることができ、純正の収納型のペンが使用されている限りにおいて、ユーザが使用しているペンの正しい情報を提供することが可能となる。
【0048】
なお、上述した実施形態では、収納型のペン型入力デバイス10に関連性を有するシステムの識別情報として、タッチコントローラ17、より具体的には、タッチICのプロダクトIDを用いる場合を例示して説明したが、この例に限定されない。例えば、システムの識別情報として、他のデバイスのプロダクトID、例えば、情報処理装置1のプロダクトID、又はシステムモデル(PCの型番)等を使用することも可能である。
【0049】
また、ペンの判別に用いられる上記「システムの識別情報」は、上述したペン型入力デバイス判別処理を実行するアプリケーションソフトウェア、例えば、ペンセッティングアプリケーションソフトウェアがアクセス可能な場所に格納された情報を用いるとよい。例えば、上述したタッチICのプロダクトIDは、ドライバIDとして記載されているため、特段のアクセス許可を必要とせずに、ペンセッティングアプリケーションソフトウェアが取得することができる。これに対し、例えば、BIOSに格納されているような情報をシステムの識別情報として利用する場合には、アクセス許可が必要な場合がある。このように、「システムの識別情報」として、ペン型入力デバイス判定機能を実装するアプリケーションソフトウェアがアクセスしやすい情報を用いることにより、処理の煩雑化を回避することができるという利点がある。
【0050】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0051】
例えば、上述した実施形態では、情報処理装置1が備えるペン情報記憶部22にペン情報が格納されている場合を例示して説明したが、ペン情報は、情報処理装置1内に格納されている必要はない。例えば、通信インターフェース19を介して接続される装置(例えば、サーバ)にペン情報が格納されており、サーバとの通信によってペン型入力デバイスのデバイスID又はシステムの識別情報に対応するペン情報を取得することとしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 :情報処理装置
5 :タッチパネル
7 :ペン収納部
10 :ペン型入力デバイス
11 :CPU
12 :メインメモリ
13 :記憶部
14 :ディスプレイ
15 :タッチセンサ
16 :グラフィクスアダプタ
17 :タッチコントローラ
18 :外部インターフェース
19 :通信インターフェース
21 :デバイスID記憶部
22 :ペン情報記憶部
23 :第1情報取得部
24 :判定部
25 :第2情報取得部
26 :ペン判別部
27 :表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5