(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167611
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】蓋閉め補助器具
(51)【国際特許分類】
B67B 3/20 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
B67B3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073523
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】515021426
【氏名又は名称】環境大善株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】工藤 公太
【テーマコード(参考)】
3E080
【Fターム(参考)】
3E080AA07
3E080CD01
3E080CF05
(57)【要約】
【課題】容器の蓋を迅速かつ適切に閉めることができる補助器具を提供する。
【解決手段】駆動装置と連結可能な蓋閉め補助器具1は、駆動装置と連結可能な軸部3と、軸方向一端側に軸部3が固定され、軸方向他端側が開口になっており、容器の蓋の少なくとも一部を収容可能な筒部5と、筒部5の開口の周壁に周方向に沿って所定間隔で設けられ、蓋の複数の凸部の各々に係合可能な複数の凹部(第1凹部23)とを備え、駆動装置から回転力を受けて、容器の蓋と連れ回りすることで蓋を閉める。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動装置と連結可能な蓋閉め補助器具であって、
前記駆動装置と連結可能な軸部と、
軸方向一端側に前記軸部が固定され、軸方向他端側が開口になっており、容器の蓋の少なくとも一部を収容可能な筒部と、
前記筒部の前記開口の周壁に周方向に沿って所定間隔で設けられ、前記蓋の複数の凸部の各々に係合可能な複数の凹部と、を備え、
前記駆動装置から回転力を受けて、前記蓋と連れ回りすることで前記蓋を閉める、蓋閉め補助器具。
【請求項2】
前記凹部の前記筒部の軸方向に沿った長さは、前記蓋の凸部の前記軸方向に沿った長さよりも大きい、
請求項1に記載の蓋閉め補助器具。
【請求項3】
前記筒部は、外周が円形状となっている円筒部である、
請求項1又は2に記載の蓋閉め補助器具。
【請求項4】
前記筒部は、外側筒部と、前記外側筒部の内周面に接している内側筒部とを有し、
前記凹部は、前記内側筒部の周壁に設けられている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の蓋閉め補助器具。
【請求項5】
前記内側筒部は、前記外側筒部よりも突出している環状の突出部を有し、
前記凹部は、前記突出部に形成された切り欠きである、
請求項4に記載の蓋閉め補助器具。
【請求項6】
前記外側筒部は、前記内側筒部が着脱可能な着脱部を有し、
前記内側筒部は、前記凹部として、軸方向の一端側において周方向に沿って第1間隔で設けられた複数の第1凹部と、前記軸方向の他端側において周方向に沿って第2間隔で設けられた複数の第2凹部とを有する、
請求項4又は5に記載の蓋閉め補助器具。
【請求項7】
前記着脱部は、前記外側筒部の内周面側に設けられ前記第1凹部又は前記第2凹部と係合する係合部を有し、前記第1凹部又は前記第2凹部が前記係合部と係合することで前記内側筒部が前記外側筒部に対して装着される、
請求項6に記載の蓋閉め補助器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の蓋を閉める蓋閉め補助器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器として、バックインボックスが利用されている。バックインボックスは、液体を収容する樹脂製の容器本体と、紙製の外箱とを含む(下記の特許文献1を参照)。容器本体は、外箱から露出する注出口を有しており、蓋が抽出口に対して着脱可能に装着される。蓋を注出口に装着する際には、作業者が手で蓋を閉めていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、作業者が手で蓋を閉める場合には、注出口に対して蓋を手で複数回回転させる必要があるため、蓋を閉める作業時間が長くなってしまう。また、作業者が手で蓋を閉める場合には、蓋の閉め度合いにバラツキが生じることがあり、蓋の閉め度合いが不十分な場合には液体が注出口から漏れるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、容器の蓋を迅速かつ適切に閉めることができる補助器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様においては、駆動装置と連結可能な蓋閉め補助器具であって、前記駆動装置と連結可能な軸部と、軸方向一端側に前記軸部が固定され、軸方向他端側が開口になっており、容器の蓋の少なくとも一部を収容可能な筒部と、前記筒部の前記開口の周壁に周方向に沿って所定間隔で設けられ、前記蓋の複数の凸部の各々に係合可能な複数の凹部と、を備え、前記駆動装置から回転力を受けて、前記蓋と連れ回りすることで前記蓋を閉める、蓋閉め補助器具を提供する。
【0007】
また、前記凹部の前記筒部の軸方向に沿った長さは、前記蓋の凸部の前記軸方向に沿った長さよりも大きいこととしてもよい。
【0008】
また、前記筒部は、外周が円形状となっている円筒部であることとしてもよい。
【0009】
また、前記筒部は、外側筒部と、前記外側筒部の内周面に接している内側筒部とを有し、前記凹部は、前記内側筒部の周壁に設けられていることとしてもよい。
【0010】
また、前記内側筒部は、前記外側筒部よりも突出している環状の突出部を有し、前記凹部は、前記突出部に形成された切り欠きであることとしてもよい。
【0011】
また、前記外側筒部は、前記内側筒部が着脱可能な着脱部を有し、前記内側筒部は、前記凹部として、軸方向の一端側において周方向に沿って第1間隔で設けられた複数の第1凹部と、前記軸方向の他端側において周方向に沿って第2間隔で設けられた複数の第2凹部とを有することとしてもよい。
【0012】
また、前記着脱部は、前記外側筒部の内周面側に設けられ前記第1凹部又は前記第2凹部と係合する係合部を有し、前記第1凹部又は前記第2凹部が前記係合部と係合することで前記内側筒部が前記外側筒部に対して装着されることとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、容器の蓋を迅速かつ適切に閉めることができる補助器具を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一の実施形態に係る蓋閉め補助器具1の外観構成の一例を示す模式図である。
【
図2】蓋閉め補助器具1の内部構成を説明するための模式図である。
【
図3】蓋閉め補助器具1が駆動装置60と連結された状態を説明するための模式図である。
【
図4】内側筒部20が外された状態の外側筒部10を示す模式図である。
【
図5】内側筒部20を外側筒部10に対して上下逆に装着した状態を説明するための模式図である。
【
図6】蓋70の構成を説明するための模式図である。
【
図7】蓋70の収容状態を説明するための模式図である。
【
図8】内側筒部20の外側筒部10への装着の態様を説明するための模式図である。
【
図9】蓋閉め作業の流れを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<蓋閉め補助器具の構成>
一の実施形態に係る蓋閉め補助器具の構成について、
図1~
図7を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、一の実施形態に係る蓋閉め補助器具1の外観構成の一例を示す模式図である。
図2は、蓋閉め補助器具1の内部構成を説明するための模式図である。
図3は、蓋閉め補助器具1が駆動装置60と連結された状態を説明するための模式図である。
図4は、内側筒部20が外された状態の外側筒部10を示す模式図である。
図5は、内側筒部20を外側筒部10に対して上下逆に装着した状態を説明するための模式図である。
図6は、蓋70の構成を説明するための模式図である。
図7は、蓋70の収容状態を説明するための模式図である。
【0017】
蓋閉め補助器具1は、水等の液体を収容する容器の蓋70を閉めるための補助器具である。容器は、ここではバックインボックスであるが、これに限定されない。容器は、注出口が形成された注出部(例えば、
図9に示す注出部90)を有しており、注出部に蓋70が装着される(すなわち、蓋70を閉める)ことで、注出口が閉塞される。具体的には、注出部に形成された螺子部と、蓋70に形成された螺子部とが螺合することで、注出口が閉塞される。
【0018】
蓋閉め補助器具1は、
図3に示すように駆動装置60と連結可能となっており、駆動装置60から回転力を受けて、容器の蓋70と連れ回りすることで蓋を閉める。すなわち、本実施形態では、作業者が手で容器の蓋を閉めるのではなく、駆動装置60が蓋閉め補助器具1を介して自動で容器の蓋70を閉める。
【0019】
駆動装置60は、駆動することで、回転力を発生する。発生した回転力が蓋閉め補助器具1に伝達されることで、蓋閉め補助器具1は、
図3に示す回転軸Cを中心に回転して容器の蓋70を閉める。駆動装置60は、例えばドリルドライバーである。ドリルドライバーは、トルクを調整可能なトルククラッチを有し、所定量以上のトルクがかかると空回りする。このようなドリルドライバーを用いることで、容器の蓋70の閉め度合いを一定にさせやすい。
【0020】
蓋閉め補助器具1は、複数の蓋を閉めることが可能である。ここでは、蓋閉め補助器具1は、
図6(a)に示す蓋70Aと、
図6(b)に示す蓋70Bとを閉めることが可能である。なお、
図6(a)及び
図6(b)では、蓋70A、70Bの平面図が示されている。以下では、蓋70Aと蓋70Bを総称して、蓋70と呼ぶことがある。
【0021】
蓋70A及び蓋70Bは、樹脂材料から成る。また、蓋70A及び蓋70Bの大きさは、同じである。蓋70Aは、
図6(a)に示すように、本体部72と、鍔部74と、凸部76とを有する。
【0022】
本体部72は、円筒状に形成されている。本体部72の内周面には、螺子部が形成されており、注出部に形成された螺子部と螺合することで、蓋70Aが装着される。
鍔部74は、本体部72の下部に突き出るように形成されている。鍔部74は、ここでは円形状に形成されている。
凸部76は、本体部72の側面に複数形成されている。凸部76は、ここでは、所定間隔で6個形成されている。6個の凸部76の各々は、鍔部74と繋がっている。
【0023】
蓋70Bは、
図6(b)に示すように、本体部72と、鍔部74と、凸部76とを有する。蓋70Bの本体部72及び鍔部74の構成は、蓋70Aの本体部72及び鍔部74と同じである。蓋70Bの凸部76は、所定間隔で8個形成されている点で、蓋70Aの凸部76と異なる。
【0024】
蓋閉め補助器具1は、
図1に示すように、軸部3と、筒部5とを有する。
軸部3は、駆動装置60と連結可能である。軸部3は、
図3に示すように連結された駆動装置60から回転力を受ける。また、軸部3は、筒部5に固定されている。このため、駆動装置60から受けた回転力によって、筒部5が回転する。
【0025】
軸部3は、段差形状となっている軸であり、
図4に示すように、大径部3aと、小径部3bとを有する。大径部3aは直径が大きい部分であり、小径部3bは直径が小さい部分である。大径部3aは、軸部3の根元部であり、筒部5に固定されている。小径部3bは、軸部3の先端部であり、駆動装置60に装着される。
【0026】
筒部5は、管形状に形成されている。筒部5の軸方向一端側に、軸部3が固定されている。筒部5の軸方向他端側は、開口になっている。筒部5は、軸方向他端側にて、蓋70の少なくとも一部を収容可能である。具体的には、筒部5は、
図7に示すように、蓋70の本体部72を収容可能である。これにより、筒部5は、駆動装置60の回転力を受けて回転する際に、本体部72と連れ回りすることで蓋70を閉める。
【0027】
筒部5は、外周が円形状となっている円筒部である。ただし、これに限定されず、筒部5の外周は、多角形状であってもよい。
筒部5は、
図2に示すように、外側筒部10と、内側筒部20と、着脱部30とを有する。筒部5は、外側筒部10と内側筒部20が重なった構成となっている。
【0028】
外側筒部10は、筒部5の本体部であり、ここでは円筒状に形成されている。外側筒部10の天板部12の中央部に、軸部3が固定されている。
図4に示すように、外側筒部10の下側は、開口になっている。外側筒部10の内周面は、ここでは円形状となっているが、これに限定されず、例えば多角形状であってもよい。
【0029】
内側筒部20は、
図2に示すように外側筒部10の内側に位置しており、外側筒部10の内周面に接している。内側筒部20の厚さは、外側筒部10の厚さよりも小さい。また、内側筒部20の軸方向の長さは、外側筒部10の軸方向の長さよりも小さい。内側筒部20の軸方向の一端側及び他端側は、それぞれ開口となっている。内側筒部20は、外側筒部10に対して着脱可能に装着されている。内側筒部20は、
図7に示すように、蓋70の一部(具体的には、蓋70の本体部72)を収容可能である。
【0030】
内側筒部20は、
図2に示すように、一端部22と、第1凹部23と、他端部25と、第2凹部26とを有する。
一端部22は、内側筒部20の軸方向の一端側の環状の部分であり、他端部25は、内側筒部20の軸方向の他端側の環状の部分である。
図2では、一端部22が、外側筒部10よりも軸方向の外方に突出した突出部に該当する。外側筒部10よりも突出した一端部22は、
図7に示すように、蓋70の鍔部74に接触する。これにより、蓋70が内側筒部20に適切に収容されたかを確認できる。なお、
図5では、他端部25が、外側筒部10よりも軸方向の外方に突出した突出部に該当する。
【0031】
第1凹部23及び第2凹部26は、内側筒部20の開口の周壁に沿って所定間隔で設けられている。本実施形態では、第1凹部23及び第2凹部26が、蓋の複数の凸部の各々に係合可能な複数の凹部に該当する。具体的には、第1凹部23は、
図6(a)に示す蓋70Aの凸部76と係合可能な凹部である。第2凹部26は、
図6(b)に示す蓋70Bの凸部76と係合可能な凹部である。すなわち、内側筒部20には、2つの蓋70A、70Bの凸部76と係合可能な凹部が形成されている。
【0032】
第1凹部23は、内側筒部20の軸方向の一端側(すなわち、一端部22)において周方向に沿って第1間隔で設けられた凹部である。第1凹部23の数は、ここでは8個であり、蓋70Aの凸部76の数と同じである。
【0033】
第1凹部23は、一端部22に形成された切り欠きである。切り欠きは、ここでは軸方向に沿って長穴形状に切り欠かれている。第1凹部23の軸方向の長さ(切り欠きの深さ)は、蓋70Aの凸部76の軸方向の長さよりも大きい。これにより、凸部76が第1凹部23に干渉することなく、蓋70を内側筒部20に収容できる。
【0034】
第2凹部26は、内側筒部20の軸方向の他端側(すなわち、他端部25)において周方向に沿って第2間隔で設けられた凹部である。第2間隔は、第1間隔よりも大きい。第2凹部26は、ここでは6個の凹部であり、蓋70Bの凸部76の数と同じである。
【0035】
第2凹部26は、他端部25に形成された切り欠きである。切り欠きは、ここでは軸方向に沿って長穴形状に切り欠かれている。第2凹部26の軸方向の長さ(切り欠きの深さ)は、蓋70Bの凸部76の軸方向の長さよりも大きい。
【0036】
内側筒部20に第1凹部23及び第2凹部26の両方を設けることで、一つの内側筒部20を用いて2種類の蓋70A、70Bを閉めることができる。これにより、蓋70Aを閉める内側筒部20と、蓋70Bを閉める内側筒部20とを別々に用意する必要がなくなり、利便性の高い蓋閉め補助器具1を実現できる。
【0037】
着脱部30は、外側筒部10に対して内側筒部20が着脱可能に装着される部分である。着脱部30は、
図4に示すように、外側筒部10の内周面側に取り付けられている。着脱部30は、ここでは、外側筒部10に2つ設けられている。具体的には、外側筒部10の周方向において、互いに180度だけ離れた位置に2つの着脱部30が設けられている。ただし、上記に限定されず、着脱部30は、3つ以上であってもよい。
【0038】
着脱部30は、
図4に示すように、ボルト31と、ナット32と、係合部33とを有する。
ボルト31は、外側筒部10を挿通している雄ネジ部31aを有する。雄ネジ部31aは、外側筒部10よりも筒部5の中央側に位置している。ボルト31の頭部31bは、外側筒部10の穴部と嵌合している。
ナット32は、ボルト31の雄ネジ部31aの先端側と螺合している。ナット32は、ここでは、内側筒部20よりも筒部5の中央側に位置している。
【0039】
係合部33は、外側筒部10の内周面側に設けられており、内側筒部20の第1凹部23又は第2凹部26と係合可能な係合部である。係合部33は、ここではスペーサであり、外側筒部10の内周面とナット32によって挟まれている。係合部33が、第1凹部23又は第2凹部26と係合することで、内側筒部20が外側筒部10に対して装着される。第1凹部23が蓋70の凸部76と係合して蓋閉めを行う場合には、蓋閉めに利用されない第2凹部26を活用して、内側筒部20を外側筒部10に装着させることができる。これにより、部品点数を増やすことなく、内側筒部20を外側筒部10に装着できる。
【0040】
係合部33は、第1凹部23又は第2凹部26と係合することで、円筒状の内側筒部20の外側筒部10に対する回転止めの機能も有する。これにより、蓋70を閉める際に内側筒部20が外側筒部10に対して回転することがなく、効果的に蓋70を閉めることができる。
【0041】
ところで、内側筒部20は、内側筒部20の軸方向の一端側又は他端側が外側筒部10よりも突出するように、着脱部30に装着される。具体的には、係合部33が第1凹部23と係合している場合には、内側筒部20の他端部25(具体的には、第2凹部26)が、外側筒部10よりも突出する。また、係合部33が第2凹部26と係合している場合には、内側筒部20の一端部22(具体的には、第1凹部23)が、外側筒部10よりも突出する。
【0042】
上記では、係合部33がボルト31に設けられていることとしたが、これに限定されない。例えば、係合部33が、外側筒部10に直接固定されていてもよい。
【0043】
図8は、内側筒部20の外側筒部10への装着の態様を説明するための模式図である。ここでは、着脱部30の係合部33が、内側筒部20の第2凹部26と係合することで、内側筒部20が外側筒部10に装着されるものとする。
【0044】
図8(a)に示すように、外側筒部10には、2つの着脱部30が予め取り付けられている。外側筒部10に対して、内側筒部20を矢印Aで示す方向に移動させる。この際、内側筒部20の第2凹部26が上側に位置し、第1凹部23が下側に位置する。
【0045】
内側筒部20を更に移動させると、
図8(b)に示すように、内側筒部20の6つの第2凹部26のうちの2つの第2凹部26が、着脱部30に至る。その後、更に内側筒部20を移動させると、着脱部30の2つの係合部33が、2つの第2凹部26に係合する(
図2参照)。これにより、内側筒部20が外側筒部10に装着された状態となる。装着された状態では、第1凹部23が、外側筒部10よりも突出した状態となっている。
【0046】
上記では、係合部33が第2凹部26に係合する場合の内側筒部20の装着例について説明したが、係合部33が第1凹部23に係合して装着される場合も、同様に行われるので、詳細な説明は省略する。
【0047】
<蓋閉め作業の流れ>
蓋閉め補助器具1を用いた蓋閉め作業の流れについて、
図9を参照しながら説明する。
【0048】
図9は、蓋閉め作業の流れを説明するための模式図である。
まず、作業者は、蓋閉め補助器具1を準備する。この際、作業者は、蓋70Aの蓋閉めができるように、内側筒部20を外側筒部10に対して装着する。具体的には、着脱部30の係合部33が内側筒部20の第2凹部26と係合するように、内側筒部20を外側筒部10に装着する。これにより、第1凹部23が形成された一端部22が、外側筒部10から露出する。
【0049】
次に、作業者は、蓋閉め補助器具1を駆動装置60に装着させる。すなわち、作業者は、蓋閉め補助器具1の軸部3を、駆動装置60に装着させる。
【0050】
次に、作業者は、
図9(a)に示すように、容器の注出部90に蓋70Aを載せる。この状態では、蓋70Aの螺子部は、注出部90の螺子部と螺合していない。
【0051】
次に、作業者は、駆動装置60に連結された蓋閉め補助器具1を、蓋70Aに被せる。そして、作業者は、駆動装置60を駆動させて、回転力を発生させる。この際、作業者は、片方の手を容器に添えると共に、他方の手で駆動装置60を駆動させる。
【0052】
駆動装置60に連結された蓋閉め補助器具1は、駆動装置60から回転力を受けて回転する。この際、蓋閉め補助器具1の第1凹部23と、蓋70Aの凸部76とが係合状態を維持するので、蓋閉め補助器具1は、蓋70Aと連れ回りする。蓋70Aが回転することで、蓋70Aの螺子部が注出部90の螺子部と螺合し、
図9(b)に示すように注出部90が蓋70Aによって閉まる。
【0053】
注出部90が蓋閉めされると、作業者は、蓋閉め補助器具1及び駆動装置60を持ち上げる。これにより、蓋閉め作業が完了する。
【0054】
<本実施形態における効果>
上述した実施形態の蓋閉め補助器具1は、駆動装置60から回転力を受けて、容器の蓋70と連れ回りすることで蓋70を閉める。蓋閉め補助器具1は、筒部5の開口の周壁に周方向に沿って所定間隔で設けられ、蓋70の複数の凸部76の各々に係合可能な複数の凹部(第1凹部23、第2凹部26)を有する。
これにより、蓋閉め補助器具1の第1凹部23又は第2凹部26が蓋70の凸部76と係合した状態で、駆動装置60からの回転力によって蓋70を連れ回りして閉めることになる。この場合には、作業者が手作業で蓋70を閉める場合に比べて、蓋70を短時間で閉めることができる。また、駆動装置60が発生する回転力によって蓋70を閉めるため、蓋70の閉め度合いにバラツキが生じにくい。この結果、蓋閉め補助器具1を用いることで、蓋70を迅速かつ適切に閉めることができる。
【0055】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0056】
1 蓋閉め補助器具
3 軸部
5 筒部
10 外側筒部
20 内側筒部
22 一端部
23 第1凹部
25 他端部
26 第2凹部
30 着脱部
33 係合部
60 駆動装置
70 蓋
76 凸部