(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167645
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】駆動部材制御装置
(51)【国際特許分類】
E05F 15/695 20150101AFI20221027BHJP
H02P 29/62 20160101ALI20221027BHJP
【FI】
E05F15/695
H02P29/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073582
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】矢頭 大侑
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 豪
【テーマコード(参考)】
2E052
5H501
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052BA01
2E052CA06
2E052EA14
2E052EB01
2E052EC01
2E052GC03
2E052GC07
5H501AA20
5H501BB03
5H501BB08
5H501CC04
5H501DD01
5H501FF05
5H501HB16
5H501JJ04
5H501JJ17
5H501LL05
5H501LL23
5H501LL37
5H501LL39
5H501MM04
5H501MM05
(57)【要約】
【課題】無駄な電力消費を抑制可能とした駆動部材制御装置を提供すること。
【解決手段】パワーウィンドウ装置2は、ウィンドウガラス1を駆動させるモータMを制御するとともに、ウィンドウガラス1のロック時にモータMへの給電を停止する制御部8を備える。制御部8は、モータ温度及び周辺温度に応じて、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給時間を変更する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部材(1)を駆動させるモータ(M)を制御するとともに、前記駆動部材のロック時に前記モータへの給電を停止する制御部(8)を備えた駆動部材制御装置(2)であって、
前記制御部は、モータ温度及び周辺温度の少なくとも一方に応じて、ロック開始時から前記モータへの給電を停止するまでの供給電力を変更する駆動部材制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記モータ温度が低い場合にロック開始時から前記モータへの給電を停止するまでの前記供給電力を少なくする請求項1に記載の駆動部材制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記周辺温度が高い場合にロック開始時から前記モータへの給電を停止するまでの前記供給電力を少なくする請求項1または請求項2に記載の駆動部材制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、給電時間を変更することで前記供給電力を変更する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駆動部材制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、駆動電圧を変更することで前記供給電力を変更する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駆動部材制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記モータ温度を推定する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の駆動部材制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記周辺温度を他の用途用の温度センサ(5)から取得する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の駆動部材制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動部材制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パワーウィンドウ制御装置等の駆動部材制御装置としては、推定したモータの発熱温度が規制値以上となったときモータに流す通電量を規制することでモータを保護するものがある(例えば、特許文献1参照)。この駆動部材制御装置では、システム起動時に温度センサからの温度信号に基づいてモータの初期温度を推定し、その初期温度に応じて規制値を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、駆動部材制御装置では、例えば駆動部材が動作終端位置でフレーム等に突き当たってロックされたときから終端状態を保証するために、ある程度の時間、モータに電力を供給し続けることが必要な場合がある。例えば、駆動部材がウィンドウガラスである場合、ウィンドウガラスが全閉位置でフレームに突き当たってロックされたときから全閉状態を保証するために、ある程度の時間、モータに電力を供給し続ける必要がある。
【0005】
しかしながら、従来の駆動部材制御装置では、ロック開始時からモータへの給電を停止するまでの給電時間は一定に設定されており、モータ温度や周辺温度等に関わらず駆動部材の終端状態を保証できるように給電時間を長く設定しておく必要があった。よって、従来の駆動部材制御装置では、駆動部材のロック時に必要以上にモータに給電してしまうことがあった。このことは、無駄にモータ温度を上昇させる原因となり、ひいては、早期にモータの作動を制限してしまう原因となる。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、モータ温度の上昇を抑制可能とした駆動部材制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する駆動部材制御装置(2)は、駆動部材(1)を駆動させるモータ(M)を制御するとともに、前記駆動部材のロック時に前記モータへの給電を停止する制御部(8)を備えた駆動部材制御装置(2)であって、前記制御部は、モータ温度及び周辺温度の少なくとも一方に応じて、ロック開始時から前記モータへの給電を停止するまでの供給電力を変更する。
【0008】
同構成によれば、制御部は、モータ温度及び周辺温度の少なくとも一方に応じて、ロック開始時からモータへの給電を停止するまでの供給電力を変更するため、駆動部材の終端状態を保証しつつ、モータ温度の上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態におけるパワーウィンドウ装置に関する模式回路図。
【
図2】一実施形態における時間に対するモータ温度の特性図。
【
図3】一実施形態における時間に対するモータ温度の特性図。
【
図4】一実施形態における制御部の供給時間設定処理を説明するためのフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、パワーウィンドウ制御装置の一実施形態を
図1~
図4に従って説明する。
図1に示すように、車両ドアDに設けられる駆動部材としてのウィンドウガラス1には図示しないレギュレータ等を介して駆動部材制御装置としてのパワーウィンドウ装置2におけるモータMが駆動連結されている。モータMは駆動することでウィンドウガラス1を開閉駆動させる。
【0011】
パワーウィンドウ装置2は、モータMの回転速度を検出するホールIC等の回転検出センサ3を備える。また、パワーウィンドウ装置2は、前記回転検出センサ3からの信号、操作スイッチ4からの信号、温度センサ5からの信号、及びバッテリ6の電圧等に基づいて駆動回路7のデューティ比を制御して駆動電圧をモータMに供給する制御部8を備える。なお、本実施形態の温度センサ5は、例えば、車両ディスプレイに表示する外気温を検出するための外気温センサである。制御部8は、メモリ9を有している。メモリ9は、予め設定された種々の閾値等を含む種々の情報を記憶している。
【0012】
制御部8は、例えば、操作スイッチ4が操作されたことに応じて、モータMに給電してウィンドウガラス1を開閉駆動させる。また、制御部8は、例えば、ウィンドウガラス1が全閉位置に到達して車両ドアDのフレームに突き当たったロック時にモータMへの給電を停止する。このとき、制御部8は、モータ温度及び周辺温度に応じて、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給電力を変更する。なお、制御部8は、回転検出センサ3からの信号に基づいてウィンドウガラス1のロックの開始を検出する。
【0013】
詳述すると、制御部8は、モータ温度が低い場合に、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給電力を少なくする。本実施形態の制御部8は、モータ温度を予め設定されたモータ温度閾値と比較して、2段階で供給電力を変更する。
【0014】
また、制御部8は、周辺温度が高い場合に、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給電力を少なくする。本実施形態の制御部8は、周辺温度を予め設定された周辺温度閾値と比較して、2段階で供給電力を変更する。
【0015】
また、制御部8は、給電時間を変更することで供給電力を変更する。すなわち、制御部8は、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給時間を変更することで供給電力を変更する。
【0016】
また、制御部8は、モータ温度を推定する。詳しくは、本実施形態の制御部8は、モータMに供給する駆動電圧と、回転検出センサ3からの信号に対応した回転数と、経過した時間とに基づいて、モータ温度を推定する。
【0017】
また、制御部8は、周辺温度を他の用途用の温度センサ5から取得する。詳しくは、本実施形態の制御部8は、外気温を検出するための外気温センサである温度センサ5から周辺温度を取得する。
【0018】
次に、上記したパワーウィンドウ装置2の具体的な動作及び作用を
図4に従って説明する。
図4に示すように、制御部8は、例えば、ウィンドウガラス1を閉動作させるための操作スイッチ4の操作が行われると、駆動電圧をモータMに供給するとともに、極短時間の制御周期毎に、ステップS1以下の供給時間設定処理を行う。
【0019】
ステップS1において、制御部8は、モータ温度を推定するとともに周辺温度を取得してステップS2に移行する。
ステップS2において、制御部8は、推定したモータ温度が予め設定されたモータ温度閾値Z1より大きいか否かを判定し、モータ温度閾値Z1より大きいと判定するとステップS3に移行し、モータ温度閾値Z1以下であると判定するとステップS4に移行する。
【0020】
ステップS3において、制御部8は、取得した周辺温度が予め設定された周辺温度閾値より大きいか否かを判定し、周辺温度閾値より大きいと判定すると、ステップS5に移行し、周辺温度閾値以下であると判定すると、ステップS6に移行する。
【0021】
また、ステップS4において、制御部8は、取得した周辺温度が予め設定された周辺温度閾値より大きいか否かを判定し、周辺温度閾値より大きいと判定すると、ステップS7に移行し、周辺温度閾値以下であると判定すると、ステップS8に移行する。
【0022】
ステップS5において、制御部8は、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給時間を第1供給時間T1に設定して、処理を終了する。
また、ステップS6において、制御部8は、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給時間を第2供給時間T2に設定して、処理を終了する。
【0023】
また、ステップS7において、制御部8は、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給時間を第3供給時間T3に設定して、処理を終了する。
また、ステップS8において、制御部8は、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給時間を第4供給時間T4に設定して、処理を終了する。
【0024】
ここで、第1供給時間T1は、周辺温度が高い場合にロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給電力を少なくすべく、第2供給時間T2よりも短い時間に設定されている。
【0025】
また、第3供給時間T3は、周辺温度が高い場合にロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給電力を少なくすべく、第4供給時間T4よりも短い時間に設定されている。
【0026】
また、第3供給時間T3は、モータ温度が低い場合にロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給電力を少なくすべく、第1供給時間T1よりも短い時間に設定されている。
【0027】
また、第4供給時間T4は、モータ温度が低い場合にロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給電力を少なくすべく、第2供給時間T2よりも短い時間に設定されている。
【0028】
なお、第1供給時間T1、第2供給時間T2、第3供給時間T3、及び第4供給時間T4は、それぞれ駆動部材の終端状態を保証できる時間、詳しくは、ウィンドウガラス1の全閉状態を保証できる時間に設定されている。
【0029】
そして、ウィンドウガラス1が全閉位置に到達して車両ドアDのフレームに突き当たると、上記した供給時間設定処理によって設定された供給時間だけモータMへの給電が継続され、その後、モータMへの給電が停止される。
【0030】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)制御部8は、モータ温度及び周辺温度に応じて、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給電力を変更するため、ウィンドウガラス1の全閉状態を保証しつつ、無駄な電力消費を抑えてモータ温度の上昇を抑えることができる。
【0031】
詳しくは、制御部8は、モータ温度が低い場合にロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給電力を少なくするため、ウィンドウガラス1の全閉状態を保証しつつ、無駄な電力消費を抑えてモータ温度の上昇を抑えることができる。すなわち、モータMは、その特性上、モータ温度が低いと、モータ温度が高い場合に比べて、トルクが高くなるため、ロック開始時からの供給電力を少なくしても、ウィンドウガラス1の全閉状態を保証することができる。これにより、無駄な電力消費を抑えてモータ温度の上昇を抑えることができる。
【0032】
また、制御部8は、周辺温度が高い場合にロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給電力を少なくするため、ウィンドウガラス1の全閉状態を保証しつつ、無駄な電力消費を抑えてモータ温度の上昇を抑えることができる。すなわち、周辺温度が高いと、周辺温度が低い場合に比べて、ガラスラン等の各部の摺動抵抗等が小さくなるため、ロック開始時からの供給電力を少なくしても、ウィンドウガラス1の全閉状態を保証することができる。これにより、無駄な電力消費を抑えてモータ温度の上昇を抑えることができる。
【0033】
これにより、無駄にモータ温度を上昇させることを抑制でき、ひいては、早期にモータMの作動を制限してしまうことを抑制することができる。
具体的には、例えば、
図2の特性X1に示すように、本実施形態のパワーウィンドウ装置2では、給電時間が一定に設定された場合の従来の特性X2に比べて、モータMの作動制限までの時間及び駆動回数が増加する。すなわち、
図2は、ウィンドウガラス1を全閉させる動作を繰り返した際の実施形態の特性X1と、給電時間が一定に設定された場合の従来の特性X2とを示している。
【0034】
従来の特性X2は、例えば、時間t1でウィンドウガラス1のロックが開始されると、モータ温度が低いにも関わらず、モータMへの給電を停止するまでの給電時間が長く、ロック時の急激な温度上昇が比較的長く続いている。逆に、本実施形態の特性X1は、例えば、時間t1でウィンドウガラス1のロックが開始されると、モータ温度がモータ温度閾値Z1以下であるため、モータMへの給電を停止するまでの給電時間が短く、ロック時の急激な温度上昇が比較的短く終了している。なお、モータ温度閾値Z1は、前述したように、制御部8がモータMへの給電を停止するまでの供給時間を決定するために用いる予め設定された値である。
【0035】
これにより、ウィンドウガラス1を全閉させる動作を繰り返した場合、従来の特性X2では、全閉を3回繰り返すと新規作動禁止閾値Z2を超えて新規の作動が制限される。また、本実施形態の特性X1では、全閉を4回繰り返すと新規作動禁止閾値Z2を超えて新規の作動が制限され、従来の特性X2よりも1回多く全閉させる動作を行うことができるとともに、時間的に1回分長く全閉させる動作を行うことができる。なお、新規作動禁止閾値Z2は、新たに作動が開始されることを禁止するための閾値である。また、
図2には、モータMへの給電を強制的に停止する作動禁止閾値Z3であって、例えば作動の途中であっても作動を中止させる作動禁止閾値Z3をも図示している。
【0036】
なお、もちろん、新規作動禁止閾値Z2や作動禁止閾値Z3の設定値やモータMの作動のタイミング等によっては、上記した本実施形態の特性X1や従来の特性X2とは異なる波形となる場合がある。
【0037】
例えば、
図3に示す例では、ウィンドウガラス1を全閉させる動作を繰り返した場合、従来の特性X4では、全閉を4回繰り返すと作動禁止閾値Z3に到達して作動の途中であっても作動が中止される。また、本実施形態の特性X3では、全閉を5回繰り返すと作動禁止閾値Z3に到達して作動の途中であっても作動が中止される。このような
図3に示す例の場合でも、本実施形態の特性X3では、従来の特性X4よりも1回多く全閉させる動作を行うことができるとともに、時間的に1回分長く全閉させる動作を行うことができる。なお、もちろん、各種条件が異なれば、本実施形態では、従来よりも2回以上多く全閉させる動作を行うことができるとともに、時間的に2回分以上長く全閉させる動作を行うことができる場合もある。
【0038】
(2)制御部8は、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの給電時間を変更することで供給電力を変更するため、簡単な制御でウィンドウガラス1の全閉状態を保証しつつ、無駄な電力消費を抑えてモータ温度の上昇を抑えることができる。
【0039】
(3)制御部8は、モータ温度を推定するため、例えば、モータ温度を直接検出する専用のモータ温度センサを用いた構成に比べて、モータ温度センサが不要となり、部品点数を抑えることができる。
【0040】
(4)制御部8は、周辺温度を他の用途用の温度センサ5から取得するため、例えば、周辺温度を検出する専用の周辺温度センサを用いた構成に比べて、専用の周辺温度センサが不要となり、部品点数を抑えることができる。
【0041】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、制御部8は、モータ温度及び周辺温度に応じて、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの供給電力を変更するとしたが、モータ温度及び周辺温度のいずれか一方にのみ応じて供給電力を変更するようにしてもよい。
【0042】
・上記実施形態では、制御部8は、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの給電時間を変更することで供給電力を変更するとしたが、これに限定されず、例えば、駆動電圧を変更することで供給電力を変更するようにしてもよい。すなわち、制御部8は、モータ温度及び周辺温度に応じて、ロック開始時からモータMへの給電を停止するまでの駆動回路7のデューティ比を制御して駆動電圧を変更するようにしてもよい。また、制御部8は、給電時間を変更するとともに駆動電圧を変更することでロック時の供給電力を変更するようにしてもよい。
【0043】
・上記実施形態では、制御部8は、モータMに供給する駆動電圧と、回転検出センサ3からの信号に対応した回転数と、経過した時間とに基づいて、モータ温度を推定するとしたが、これに限定されず、他の情報に基づいて、モータ温度を推定してもよい。例えば、パワーウィンドウ装置2にモータMの駆動電流を検出する電流計を設け、その電流計から取得した電流値と、経過した時間とに基づいて、モータ温度を推定するようにしてもよい。
【0044】
・上記実施形態では、制御部8は、モータ温度を推定するとしたが、これに限定されず、例えば、パワーウィンドウ装置2にモータ温度を直接検出する専用のモータ温度センサを設け、モータ温度センサからモータ温度を取得する構成としてもよい。
【0045】
・上記実施形態では、制御部8は、外気温センサである温度センサ5から周辺温度を取得するとしたが、これに限定されず、他の用途用の温度センサから周辺温度を取得してもよい。例えば、制御部8は、車両ドアDに設けられたドアECUの温度センサから周辺温度を取得してもよい。
【0046】
・上記実施形態では、制御部8は、周辺温度を他の用途用の温度センサ5から取得するとしたが、これに限定されず、例えば、パワーウィンドウ装置2に周辺温度を検出する専用の周辺温度センサを設け、周辺温度センサから周辺温度を取得する構成としてもよい。
【0047】
・上記実施形態では、制御部8は、モータ温度を予め設定されたモータ温度閾値Z1と比較して、2段階でロック時の供給電力、詳しくは供給時間を変更するとしたが、複数のモータ温度閾値を設定しておき3段階以上でロック時の供給電力を変更してもよい。また、制御部8は、モータ温度を予め設定されたモータ温度閾値Z1と比較せずに、モータ温度を予め記憶した演算式に入力してロック時の供給電力を算出する構成としてもよい。
【0048】
・上記実施形態では、制御部8は、周辺温度を予め設定された周辺温度閾値と比較して、2段階で供給電力、詳しくは供給時間を変更するとしたが、複数の周辺温度閾値を設定しておき3段階以上でロック時の供給電力を変更してもよい。また、制御部8は、周辺温度を予め設定された周辺温度閾値と比較せずに、周辺温度を予め記憶した演算式に入力してロック時の供給電力を算出する構成としてもよい。
【0049】
・上記実施形態では、制御部8は、ウィンドウガラス1が全閉位置に到達したロック開始時からの供給電力を変更する制御としたが、これに限定されず、ウィンドウガラス1が全開位置に到達した際のロック開始時からの供給電力を変更する制御としてもよい。
【0050】
・上記実施形態では、駆動部材がウィンドウガラス1であるパワーウィンドウ装置2に具体化したが、これに限定されず、他の駆動部材を駆動させる他の駆動部材制御装置に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…ウィンドウガラス(駆動部材)、2…パワーウィンドウ装置(駆動部材制御装置)、5…温度センサ、8…制御部、M…モータ。