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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167674
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
B65D47/06 400
B65D47/06 ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073628
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】坂本 智
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA06
3E084AA24
3E084AB10
3E084BA02
3E084CB02
3E084CB03
3E084CC03
3E084DB12
3E084DC03
3E084EA01
3E084EB02
3E084EC03
3E084FA02
3E084FB01
3E084GA06
3E084GB06
3E084LA18
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD05
3E084LF10
(57)【要約】
【課題】部品点数を低減し易い構造を有するキャップを提供する。
【解決手段】容器本体2の口部2aに取り付けられるキャップ1であって、支持部9、揺動片10及び保持部11を有し、揺動片10が、支持部9にヒンジ部12を介して揺動可能に連なり、揺動片10が、ヒンジ部12から揺動片10の一端部10aまで延びるとともに容器本体2内からキャップ1を通過する内容物6の流れを制限する弾性変形可能な弁片13と、ヒンジ部12から揺動片10の他端部10bまで延びる被保持片14と、を有し、保持部11が、揺動片10が成形時の位置から前記流れをより制限する方向に揺動した状態を維持するように、被保持片14を保持することを特徴とするキャップ1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口部に取り付けられるキャップであって、
支持部、揺動片及び保持部を有し、
前記揺動片が、前記支持部にヒンジ部を介して揺動可能に連なり、
前記揺動片が、前記ヒンジ部から前記揺動片の一端部まで延びるとともに前記容器本体内から前記キャップを通過する内容物の流れを制限する弾性変形可能な弁片と、前記ヒンジ部から前記揺動片の他端部まで延びる被保持片と、を有し、
前記保持部が、前記揺動片が成形時の位置から前記流れをより制限する方向に揺動した状態を維持するように、前記被保持片を保持することを特徴とするキャップ。
【請求項2】
前記被保持片が前記保持部に嵌合する、請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記支持部が前記保持部に揺動可能に連なる、請求項1又は2に記載のキャップ。
【請求項4】
前記流れの中心軸線に関する周方向に並べて設けられる複数の前記揺動片を有し、各々の前記弁片が他の前記弁片に前記周方向に当接する、請求項1~3の何れか1項に記載のキャップ。
【請求項5】
各々の前記揺動片の前記一端部が、少なくとも端縁において局所的に厚肉に設けられる、請求項4に記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
容器本体の口部に取り付けられるキャップとして、容器本体内からキャップを通過する内容物の流れを規制する弾性変形可能な弁片を有するキャップが知られている(例えば特許文献1~2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-127234号公報
【特許文献2】特開2021-6472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなキャップは、部品点数を低減し易い構造を有することが望ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、部品点数を低減し易い構造を有するキャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のキャップは、容器本体の口部に取り付けられるキャップであって、支持部、揺動片及び保持部を有し、前記揺動片が、前記支持部にヒンジ部を介して揺動可能に連なり、前記揺動片が、前記ヒンジ部から前記揺動片の一端部まで延びるとともに前記容器本体内から前記キャップを通過する内容物の流れを制限する弾性変形可能な弁片と、前記ヒンジ部から前記揺動片の他端部まで延びる被保持片と、を有し、前記保持部が、前記揺動片が成形時の位置から前記流れをより制限する方向に揺動した状態を維持するように、前記被保持片を保持することを特徴とするキャップである。
【0007】
また、本発明のキャップは、上記構成において、前記被保持片が前記保持部に嵌合するキャップであるのが好ましい。
【0008】
また、本発明のキャップは、上記構成において、前記支持部が前記保持部に揺動可能に連なるキャップであるのが好ましい。
【0009】
また、本発明のキャップは、上記構成において、前記流れの中心軸線に関する周方向に並べて設けられる複数の前記揺動片を有し、各々の前記弁片が他の前記弁片に前記周方向に当接するキャップであるのが好ましい。
【0010】
また、本発明のキャップは、上記構成において、各々の前記揺動片の前記一端部が、少なくとも端縁において局所的に厚肉に設けられるキャップであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、部品点数を低減し易い構造を有するキャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態のキャップを有する吐出容器を示す縦断面図である。
図2図1に示すキャップの一部を示す上面図である。
図3図1に示すキャップの一部を示す底面図である。
図4図1の一部拡大図である。
図5図1のA-A断面図である。
図6】本発明の第2実施形態のキャップを有する吐出容器を示す縦断面図である。
図7図6に示すキャップの一部を示す底面図である。
図8図6のB-B断面図である。
図9】本発明の第3実施形態のキャップを有する吐出容器を示す縦断面図である。
図10図9に示すキャップの成形時の状態を示す縦断面図である。
図11】本発明の第4実施形態のキャップを有する吐出容器を示す縦断面図である。
図12図12に示すキャップの一部を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明の第1実施形態のキャップ1は、容器本体2の口部2aに取り付けられるキャップ本体3と、蓋4と、を有している。本実施形態では、キャップ1と容器本体2とで吐出容器5が構成されている。キャップ1と容器本体2は例えば合成樹脂製である。キャップ1は例えば射出成形によって形成することができる。また、容器本体2は例えばブロー成形によって形成することができる。
【0015】
容器本体2は、筒状の口部2aと、口部2aに連なる胴部2bと、胴部2bに連なる底部(不図示)と、を有するボトル状をなし、胴部2bをスクイズ操作することができる可撓性を有している。容器本体2内には内容物6が収容されている。
【0016】
内容物6は特に限定されないが、例えば食品、化粧品などであってよい。また、内容物6は本実施形態では液体であるが、その粘度は特に限定されない。なお、内容物6は液体に限らない。
【0017】
キャップ本体3は、筒壁3aと、筒壁3aから径方向内側に延びる天壁3bと、を有している。筒壁3aは係合部7を介して口部2aに係止されている。係合部7は、筒壁3aに設けられた凹凸部3cと、口部2aに設けられた凹凸部2cと、で構成されている。本実施形態では筒壁3aの凹凸部3cは雌ねじ状をなし、口部2aの凹凸部2cは雄ねじ状をなしているが、これに限らない。
【0018】
天壁3bは、キャップ1を通過する流出口3dを有している。つまり、内容物6は、容器本体2内から流出口3dを通して吐出される。なお、流出口3dの中心軸線Oは、本実施形態では口部2a及び筒壁3aと同軸に設けられているが、これに限らない。
【0019】
なお、本実施形態において、上下方向とは流出口3dの中心軸線Oに沿う方向を意味し、上方とは容器本体2からキャップ1に向かう方向(図1における上方)を意味し、下方とはその反対方向を意味し、径方向とは中心軸線Oに直交する直線に沿う方向を意味し、周方向とは中心軸線Oを周回する方向を意味し、縦断面とは中心軸線Oを含む断面を意味している。
【0020】
蓋4は、流出口3dを開閉可能に設けられている。本実施形態では、蓋4は、キャップ本体3にヒンジ状の接続部8を介して揺動可能に一体に連なり、キャップ本体3に着脱可能となっている。なお、蓋4は、キャップ本体3と別体に設けてもよい。また、蓋4を設けない構成としてもよい。
【0021】
キャップ本体3は、支持部9、揺動片10及び保持部11を有している。より具体的に、キャップ本体3は、図1図3に示すように、周方向に並べて設けられる複数の揺動片10を有している。揺動片10の数は、本実施形態では6つであるが、1つ以上であればよく、内容物6の種類や目的などに応じて適宜設定することができる。
【0022】
支持部9と保持部11はそれぞれ天壁3bの一部であり、保持部11は支持部9よりも下方に設けられている。各々の揺動片10は、支持部9にヒンジ部12を介して揺動可能に連なっている。支持部9は、流出口3dの周縁部におけるヒンジ部12よりも上方の部分からなり、保持部11は、流出口3dの周縁部におけるヒンジ部12よりも下方の部分からなっている。
【0023】
また、各々の揺動片10は、ヒンジ部12から揺動片10の一端部10aまで延びるとともに容器本体2内から流出口3dを通してキャップ1を通過する内容物6の流れを制限する弾性変形可能な平板状の弁片13と、ヒンジ部12から揺動片10の他端部10bまで延びる平板状の被保持片14と、を有している。そして、保持部11は、各々の揺動片10が図1に二点鎖線で示す成形時の位置(つまり、弁片13がヒンジ部12から上方に延び、被保持片14がヒンジ部12から下方に延びる姿勢となる位置)から前記流れをより制限する方向(つまり、弁片13が水平に近づく方向)に揺動した状態(図1に実線で示す状態)を維持するように、各々の被保持片14を保持している。キャップ1がこのような支持部9、揺動片10及び保持部11を有する構成とすることにより、キャップ1の部品点数を容易に低減することができ、もって低コストを実現することができる。
【0024】
図1図3及び図5に示すように、各々の被保持片14は保持部11に嵌合している。このような構成によれば、キャップ1の部品点数をより一層容易に低減することができ、本実施形態のようにキャップ1を単一部品且つ単一材料で構成することも可能である。単一材料(モノマテリアル)でキャップ1を構成できれば、良好なリサイクル性を実現できるため、環境適合性の点でも望ましい。
【0025】
本実施形態では、保持部11は、各々の被保持片14を保持するために各々の被保持片14の周方向端縁を係止する凹凸状の係止部である第1係止部11aを有している。具体的には、天壁3bの内縁部(支持部9の下端縁)に、揺動片10の数と同じ数(本実施形態では6つ)の凹部を設け、当該凹部において周方向に対向する一対の側壁にそれぞれ第1係止部11aを設けている。なお、保持部11は、図6図8に示す第2実施形態のように、第1係止部11aに加えて、各々の被保持片14を保持するために各々の被保持片14の周方向端縁以外の部分を係止する凹凸状の係止部である第2係止部11bを有してもよい。具体的に第2係止部11bは、前記凹部の天面から垂下し径方向に延びる係合壁であり、当該係合壁には周方向の突出部が設けられ、この突出部が被保持片14の周方向中央に形成されたスリット部を下方から支持している。また、保持部11は、第1係止部11aに代えて第2係止部11bを有してもよい。
【0026】
また、保持部11は、図9図10に示す第3実施形態のように、上記のような係止部に代えて、各々の被保持片14を保持するために各々の被保持片14を押圧する弁押さえ部11cを有してもよい。この場合、第3実施形態のように支持部9が保持部11(弁押さえ部11c)にヒンジ状の接続部15を介して揺動可能に連なる構成とすることで、キャップ1の部品点数を低減し易く、キャップ1の単一部品化及び単一材料化も可能である。なお、保持部11は弁押さえ部11cに加えて上記のような係止部を有してもよい。なお、弁押さえ部11cは、第3実施形態では径方向外側に向けて下方に傾斜する傾斜面で構成されているが、これに限らず、被保持片14を下方から支持できる形状であればよい。
【0027】
保持部11は第1~第3実施形態では支持部9と一体成形されているが、保持部11の少なくとも一部を支持部9と別体に成形してもよい。例えば、図11図12に示す第4実施形態のように、弁押さえ部11cを支持部9と別体に成形してもよい。第4実施形態では、弁押さえ部11cを有する別部品1bの外周縁部が、支持部9を含む本体部品1aに嵌合し、それにより別部品1bが本体部品1aに取り付けられている。つまり、第4実施形態ではキャップ1が別部品1bと本体部品1aとの2部品で構成されている。なお、別部品の外周縁部は揺動片10の数と同じ数の辺を有する6角形状をなしているが、これに限らず例えば円形状などであってもよい。
【0028】
第1実施形態では、図2図4に示すように、各々の揺動片10の一端部10a(弁片13の先端部)は端縁において局所的に厚肉に設けられており、各々の弁片13は他の弁片13に周方向に当接している。また、この点は第2~第4実施形態でも同様の構成となっている。このような局所的厚肉部16を設ければ、周方向に隣接する弁片13同士をより確実に当接させることができるので、弁片13の集合時の姿勢を安定させることができる。
【0029】
前述した第1~第4実施形態の吐出容器5によれば、蓋4を開き傾倒させた状態では各々の弁片13により流出口3d内の内容物6の流れを制限し、流出口3dを通した内容物6の漏出を抑制することができる。そしてこの状態から容器本体2をスクイズ操作することにより、内容物6の圧力で各々の弁片13をキャップ1の外方(上方)に弾性変形させ、このように各々の弁片13が押し開かれた流出口3dを通して内容物6を吐出することができる。また、スクイズ操作を解除すれば、各々の弁片13がその弾性により再び閉じるため、流出口3d内の内容物6の流れを再び制限することができるとともに、良好な液切れ(つまり液垂れの抑制)を実現することができる。
【0030】
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0031】
したがって、前述した実施形態のキャップ1は、例えば以下に述べるような種々の変更が可能である。
【0032】
前述した実施形態のキャップ1は、容器本体2の口部2aに取り付けられるキャップ1であって、支持部9、揺動片10及び保持部11を有し、揺動片10が、支持部9にヒンジ部12を介して揺動可能に連なり、揺動片10が、ヒンジ部12から揺動片10の一端部10aまで延びるとともに容器本体2内からキャップ1を通過する内容物6の流れを制限する弾性変形可能な弁片13と、ヒンジ部12から揺動片10の他端部10bまで延びる被保持片14と、を有し、保持部11が、揺動片10が成形時の位置から前記流れをより制限する方向に揺動した状態を維持するように、被保持片14を保持することを特徴とするキャップ1である限り、種々変更可能である。
【0033】
例えば、弁片13と被保持片14はそれぞれ平板状に限らず、例えば湾曲板状をなしてもよい。また、局所的厚肉部16は、揺動片10の一端部10aの端縁のみならず、その他の部分にも跨るように設けてもよい。また、局所的厚肉部16を設けない構成としてもよい。
【0034】
なお、前述した実施形態のキャップ1は、上記構成において、被保持片14が保持部11に嵌合するキャップ1であるのが好ましい。
【0035】
また、前述した実施形態のキャップ1は、上記構成において、支持部9が保持部11に揺動可能に連なるキャップ1であるのが好ましい。
【0036】
また、前述した実施形態のキャップ1は、上記構成において、前記流れの中心軸線Oに関する周方向に並べて設けられる複数の揺動片10を有し、各々の弁片13が他の弁片13に周方向に当接するキャップ1であるのが好ましい。
【0037】
また、前述した実施形態のキャップ1は、上記構成において、各々の揺動片10の一端部10aが、少なくとも端縁において局所的に厚肉に設けられるキャップ1であるのが好ましい。
【符号の説明】
【0038】
1 キャップ
1a 本体部品
1b 別部品
2 容器本体
2a 口部
2b 胴部
2c 凹凸部
3 キャップ本体
3a 筒壁
3b 天壁
3c 凹凸部
3d 流出口
4 蓋
5 吐出容器
6 内容物
7 係合部
8 接続部
9 支持部
10 揺動片
10a 一端部
10b 他端部
11 保持部
11a 第1係止部
11b 第2係止部
11c 弁押さえ部
12 ヒンジ部
13 弁片
14 被保持片
15 接続部
16 局所的厚肉部
O 中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12