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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167705
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】量子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20221027BHJP
   H01L 23/32 20060101ALI20221027BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20221027BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20221027BHJP
   H01L 39/00 20060101ALI20221027BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
H05K1/14 E
H01L23/32 D
H01L23/12 N
H01L21/60 321Z
H01L39/00 C
H05K3/46 Q
H05K3/46 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073684
(22)【出願日】2021-04-23
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/次世代コンピューティング技術の開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】菊池 克
(72)【発明者】
【氏名】宮田 明
(72)【発明者】
【氏名】西 教徳
(72)【発明者】
【氏名】難波 兼二
(72)【発明者】
【氏名】山口 彩未
【テーマコード(参考)】
4M113
5E316
5E344
【Fターム(参考)】
4M113AC45
4M113AD31
5E316AA02
5E316AA12
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB04
5E316CC16
5E316CC32
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD01
5E316DD11
5E316EE01
5E316FF45
5E316HH40
5E316JJ02
5E344AA01
5E344AA22
5E344BB02
5E344BB06
5E344BB08
5E344BB14
5E344BB15
5E344CC09
5E344CC24
5E344CD01
5E344DD01
5E344EE30
(57)【要約】
【課題】外部へ接続する端子を確保しつつ、コヒーレンスを向上させることができる量子デバイスを提供する。
【解決手段】一実施の形態に係る量子デバイスは、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し、前記第2面に量子ビット回路の少なくとも一部が設けられた量子チップと、第3面及び前記第3面の反対側の第4面を有し、前記第2面が前記第3面と対向するように、前記量子チップが接続された第1インターポーザと、第5面及び前記第5面の反対側の第6面を有し、前記第4面が前記第5面と対向するように、前記第1インターポーザが接続された第2インターポーザと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し、前記第2面に量子ビット回路の少なくとも一部が設けられた量子チップと、
第3面及び前記第3面の反対側の第4面を有し、前記第2面が前記第3面と対向するように、前記量子チップが接続された第1インターポーザと、
第5面及び前記第5面の反対側の第6面を有し、前記第4面が前記第5面と対向するように、前記第1インターポーザが接続された第2インターポーザと、
を備えた量子デバイス。
【請求項2】
前記第1インターポーザは、前記第3面に前記量子ビット回路の一部が設けられた、
請求項1に記載の量子デバイス。
【請求項3】
前記量子ビット回路は、超電導材料を含む、
請求項1または2に記載の量子デバイス。
【請求項4】
前記第1インターポーザは、
前記第3面及び前記第4面を構成する板面を有した板状の第1コア材と、
前記第3面及び前記第4面に形成された配線層と、
前記第1コア材を貫通し、前記第3面の前記配線層と、前記第4面の前記配線層とを接続する複数の第1貫通ビアと、
を有し、
前記第2インターポーザは、
前記第5面及び前記第6面を構成する板面を有した板状の第2コア材と、
前記第5面及び前記第6面に配置された配線層と、
前記第2コア材を貫通し、前記第3面の前記配線層と、前記第4面の前記配線層とを接続する複数の第2貫通ビアと、
を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の量子デバイス。
【請求項5】
前記第2貫通ビアの径は、前記第1貫通ビアの径よりも大きい、
請求項4に記載の量子デバイス。
【請求項6】
前記第2貫通ビアが配置されるピッチは、前記第1貫通ビアが配置されるピッチよりも大きい、
請求項4または5に記載の量子デバイス。
【請求項7】
前記第1コア材は、前記第2コア材に含まれる材料と同じ材料を含む、
請求項4~6のいずれか1項に記載の量子デバイス。
【請求項8】
前記量子チップは、前記第1面及び前記第2面を構成する板面を有した板状のチップコア材を有し、
前記チップコア材は、前記第1コア材に含まれる材料と同じ材料を含む、
請求項4~7のいずれか1項に記載の量子デバイス。
【請求項9】
前記第3面における前記第2面と対向した部分は、前記第3面に配置された配線層及び前記第1コア材で占められる、
請求項4~8のいずれか1項に記載の量子デバイス。
【請求項10】
前記第2面に形成されたグランド配線は、前記第3面に形成されたグランド配線の少なくとも一部と対向する、
請求項1~9のいずれか1項に記載の量子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
超電導を利用した量子チップをインターポーザにフリップチップ実装した量子デバイスは、インターポーザにおけるフリップチップ実装していない面を、冷却機能を有する試料台上に配置する。量子チップは、試料台からインターポーザを経て冷却され、所定の温度に保たれる。このような構成の場合には、試料台上に配置されたインターポーザの片面を、端子の引き出しに使用することができないので、引き出せる端子数に制限がある。しかしながら、量子チップを所定の温度に冷却しないと性能が得られないことから、量子チップの冷却と、端子数の増加とを両立させることが所望されている。
【0003】
端子数を増加させる際には、量子ビット回路に求められる性能を実現するための制約を維持することが必要である。具体的には、量子ビット回路のコヒーレンスを長時間維持するために、量子ビット回路の周辺の領域に電磁界のパワーロスを引き起こす誘電体を露出させないようにする必要がある。このため、誘電体、つまり絶縁層を用いた多層化によりインターポーザの端子数を増加させることは好ましくない。
【0004】
特許文献1には、複数の量子チップを並べてパッケージ基板に搭載し、さらにパッケージ基板を回路基板へ接続した構成が記載されている。パッケージ基板は、複数の量子チップに接続できるように多数の端子が形成されている。
【0005】
特許文献2には、量子チップとパッケージ基板との間に導体部材を挟んで接続した構成が記載されている。導電部材には、多数の端子が形成されている。
【0006】
特許文献3には、複数の量子チップを積層させ、機能ごとに分けた複数のインターポーザに接続させた構成が記載されている。複数のインターポーザには、多数の端子が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第10380496号明細書
【特許文献2】米国特許第10256206号明細書
【特許文献3】米国特許第9836699号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の構成では、パッケージ基板の表面に量子チップが接続され、パッケージ基板の裏面に回路基板が接続されている。特許文献1のパッケージ基板は、回路基板へハンダで接続する構成であり、表裏の配線層を貫通するビアはない。よって、ハンダ接続するためのスペースを要するので、端子数の増加には限度がある。
【0009】
特許文献2の構成では、複数の量子チップに接続する複数のバンプを1つの導電部材に形成しているが、複数の導電部材を積層する構成でなく、端子数の増加には限度がある。
【0010】
特許文献3の構成では、量子チップを冷却する構成が記載されておらず、機能ごとに分けた複数のインターポーザに接続させた場合に、量子ビット回路の性能を発揮できるように冷却することが困難である。
【0011】
また、引用文献1~3には、量子ビット回路の形成領域及び誘電体の位置関係が記載されておらず、量子ビット回路のコヒーレンスを長時間維持できるか問題がある。さらに、引用文献1~3には、量子チップを冷却する構成が記載されておらず、十分な性能を得るためには、複雑な冷却機構を必要とする。このように、特許文献1~3では、外部へ接続する端子数の増加に限度があるとともに、量子ビット回路のコヒーレンスを向上できるか課題がある。
【0012】
本開示の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、外部へ接続する端子を確保しつつ、コヒーレンスを向上させることができる量子デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示にかかる量子デバイスは、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し、前記第2面に量子ビット回路の少なくとも一部が設けられた量子チップと、第3面及び前記第3面の反対側の第4面を有し、前記第2面が前記第3面と対向するように、前記量子チップが接続された第1インターポーザと、第5面及び前記第5面の反対側の第6面を有し、前記第4面が前記第5面と対向するように、前記第1インターポーザが接続された第2インターポーザと、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、外部へ接続する端子を確保しつつ、コヒーレンスを向上させることができる量子デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態1に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図2】実施形態1に係る量子デバイスにおいて、量子チップ及び第1インターポーザを例示した分解斜視図である。
図3】実施形態1に係る第1インターポーザを例示した断面図である。
図4】実施形態1に係る第2インターポーザを例示した断面図である。
図5】実施形態2に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図6】実施形態2の変形例1に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図7】実施形態2の変形例2に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図8】実施形態2の変形例2に係る試料台の凹部及びザグリを例示した平面図である。
図9】実施形態2の変形例3に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図10】実施形態2の変形例4に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図11】実施形態2の変形例5に係る試料台の凹部及び抑え部材を例示した斜視図である。
図12】実施形態2の変形例5に係る試料台の凹部及び抑え部材を例示した平面図である。
図13】実施形態2の変形例6に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図14】実施形態2の変形例7に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図15】実施形態2の変形例7に係る試料台の凹部の底に形成された凹みを例示した平面図である。
図16】実施形態2の変形例8に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図17】実施形態2の変形例9に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図18】実施形態2の変形例10に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図19】実施形態2の変形例11に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図20】実施形態2の変形例12に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図21】実施形態2の変形例13に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図22】実施形態2の変形例14に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図23】実施形態2の変形例15に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図24】実施形態2の変形例16に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図25】実施形態2の変形例17に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図26】実施形態3に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図27】実施形態3の変形例1に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図28】実施形態3の変形例2に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図29】実施形態3の変形例3に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図30】実施形態3の変形例4に係る量子デバイスを例示した断面図である。
図31】実施形態3の変形例5に係る量子デバイスを例示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0017】
(実施形態1)
実施形態1に係る量子デバイスを説明する。本実施形態の量子デバイスは、量子コンピューティング領域における超電導を利用した量子チップ及び入出力を行う端子を有する複数のインターポーザを含む。量子コンピューティングとは、量子力学的な現象(量子ビット)を用いてデータを操作する領域である。量子力学的な現象とは、複数の状態の重ね合わせ(量子変数が複数の異なる状態を同時にとる)、もつれ(複数の量子変数が空間または時間に関わらず関係する状態)などである。量子チップには、量子ビットを生成する量子ビット回路が設けられている。
【0018】
図1は、実施形態1に係る量子デバイスを例示した断面図である。図2は、実施形態1に係る量子デバイスにおいて、量子チップ及び第1インターポーザを例示した分解斜視図である。
【0019】
図1及び図2に示すように、量子デバイス1は、量子チップQCHと、第1インターポーザ10と、第2インターポーザ20と、を備えている。量子デバイス1は、さらに、量子チップQCHと第1インターポーザ10とを接続する第1バンプBP1、及び、第1インターポーザ10と第2インターポーザ20とを接続する第2バンプBP2を備えている。なお、インターポーザとして、第1インターポーザ10及び第2インターポーザ20を2層として示したが、インターポーザは、2層に限らず、3層以上の多層でもよい。以下で、<量子チップ>、<第1バンプ>、<第1インターポーザ>、<第2バンプ>及び<第2インターポーザ>の各構成を説明する。
【0020】
<量子チップ>
量子チップQCHは、チップコア材QC5と、配線層QC4とを含んでいる。チップコア材QC5の形状は、例えば、板状の基板であり、一方の板面及び一方の板面の反対側の他方の板面を有している。一方の板面を第1面QC1と呼び、他方の板面を第2面QC2と呼ぶ。よって、量子チップQCHは、第1面QC1及び第2面QC2を構成する板面を有する。例えば、第1面QC1及び第2面QC2は、矩形である。このように、量子チップQCH及びチップコア材QC5は、第1面QC1及び第2面QC2を有している。
【0021】
チップコア材QC5は、例えば、シリコン(Si)を含んでいる。なお、チップコア材QC5は、量子チップQCHが量子状態を利用することができれば、シリコンを含むものに限らず、サファイアや化合物半導体材料(IV族、III-V族、II-VI族)等の他の電子材料を含んでもよい。また、単結晶である方が望ましいが、多結晶やアモルファスでも構わない。
【0022】
量子デバイス1において、量子チップQCHの第2面QC2は、第1インターポーザ10側に向いている。量子チップQCHの第2面QC2は、第1インターポーザ10にバンプBP1によって実装されている。
【0023】
ここで、量子デバイス1の説明の便宜のため、XYZ直交座標軸を導入する。第1面QC1に平行な面をXY平面とし、第1面QC1に直交する方向をZ軸方向とする。+Z軸方向を上方とし、-Z軸方向を下方とする。なお、上方及び下方は、説明の便宜のためであり、実際の量子デバイス1を使用する際の配置される方向を示すものではない。
【0024】
配線層QC4は、チップコア材QC5の第2面QC2側に設けられている。配線層QC4は、例えば、ニオブ(Nb)等の超電導材料を含んでいる。なお、配線層QC4に用いられる超電導材料は、例えば、ニオブ(Nb)に限らず、ニオブ窒化物、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、鉛(Pb)、錫(Sn)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タンタル窒化物、及び、これらのうちの少なくともいずれかを含む合金でもよい。
【0025】
配線層QC4は、量子ビット回路QC6の少なくとも一部の構成を含む。量子ビット回路QC6は、共振器QC8、発振器QC9、制御回路及び読み取り回路を含む。共振器QC8は、超電導材料がジョセフソン接合QC7によって環状に接続されたSQUID(Superconducting Quantum Interference Device)を含む。制御回路は、共振器QC8に印加する磁場を制御する。読み出し回路は、量子ビット回路QC6から情報を読み出す。
【0026】
例えば、配線層QC4は、量子ビット回路QC6のうち、共振器QC8及び発振器QC9を含んでいる。よって、量子チップQCHの第2面QC2には、共振器QC8及び発振器QC9が形成されている。一方、制御回路及び読み取り回路は、第1インターポーザ10に設けられてもよい。なお、配線層QC4は、制御回路及び読み出し回路を含んでもよい。量子ビット回路QC6は、超電導材料を含む。ジョセフソン接合QC7に用いる材料は、Alが好ましいが、他の超電導材料でもよい。量子ビット回路QC6は、超電導における量子状態において、共振器QC8を利用した構成となる。
【0027】
量子チップQCHの第2面QC2には、チップコア材QC5及び配線層QC4が露出している。第2面QC2は、絶縁膜等の誘電体を含まないことが好ましい。また、配線層QC4は、グランド配線を含んでもよい。このような構成により、量子チップQCHの第2面QC2は、後述する第1インターポーザ10の第3面11とともに、電磁界結合がパッケージを構成してもよい。電磁界結合がパッケージを構成したものを電磁界パッケージと呼ぶ。電磁界パッケージにおいて、容量結合を含む共振器QC8及び発振器QC9は、電磁界的にまとまっている。そして、電磁界パッケージ内に誘電体を含んでおらず、外部からの磁界が遮蔽されている。よって、電磁界パッケージ内部の電磁界のパワーロスを最小化し、低いtanδの構成とされている。これにより、量子コヒーレンスを長時間維持することができ、高周波特性を向上させることができる。よって、高Q値を達成することができる。断熱性を得るために、量子チップQCHの周囲は、例えば、真空状態等の減圧された状態が好ましい。
【0028】
配線層QC4は、第1バンプBP1を介して、第1インターポーザ10に接続されている。したがって、量子チップQCHは、第1インターポーザ10にフリップチップ実装されている。
【0029】
<第1バンプ>
第1バンプBP1は、上述した超電導材料を含んでもよい。第1バンプBP1は、配線層QC4と同じ超電導材料を含んでもよいし、配線層QC4と異なる超電導材料を含んでもよい。また、第1バンプBP1が複数の金属層を含む場合には、少なくとも表面の1層は、超電導材料を含むことが好ましい。第1バンプBP1は、Nb(量子チップQCHの配線表面)/In(Sn、Pb及びこれらのうちの少なくともいずれかを含む合金)/Ti/Nb(第1インターポーザ10の配線表面)/Cuを含む層状でもよいし、Nb(量子チップQCHの配線表面)/Nb(第1インターポーザ10の配線表面)/Cuを含む層状でもよいし、Nb(量子チップQCHの配線表面)/In(Sn、Pb及びこれらのうちの少なくともいずれかを含む合金)/Ta(第1インターポーザ10の配線表面)/Cuを含む層状でもよい。また、Al及びInを含む第1バンプBP1の場合には、AlとInとの間の合金化を防ぐために、TiNをバリア層に用いてもよい。その場合には、第1バンプBP1は、Al(量子チップQCHの配線表面)/Ti/TiN/In(Sn、Pb及びこれらのうちの少なくともいずれかを含む合金)/TiN/Ti/Al(第1インターポーザ10の配線表面)/Cuを含む層状でもよい。ここで、Tiは密着層である。好ましいフリップチップ接続は、Nb(量子チップQCHの配線)/In/Ti/Nb(第1インターポーザ10の配線表面)/Cu、または、Nb(量子チップQCHの配線)/Nb(第1インターポーザ10の配線表面)/Cuである。Cuの厚みを、インターポーザ配線層13の2μm厚に、2~10μmの範囲で追加してφ100μmのバンプを設けることが好ましい。
【0030】
<第1インターポーザ>
図3は、実施形態1に係る第1インターポーザ10を例示した断面図である。図1図3に示すように、第1インターポーザ10は、インターポーザ配線層13及び14と、第1コア材15と、第1貫通ビア16とを有している。なお、図1では、図が煩雑にならないように、第1貫通ビア16を省略している。
【0031】
第1コア材15は、例えば、板状の基板である。第1コア材15は、例えば、一方の板面及び一方の板面の反対側の他方の板面を有している。一方の板面を第3面11と呼び、他方の板面を第4面12と呼ぶ。よって、第1コア材15は、第3面11及び第4面12を構成する板面を有する。例えば、第3面11及び第4面12は、矩形である。このように、第1コア材15及び第1インターポーザ10は、第3面11と第4面12とを有している。第1インターポーザ10は、量子チップQCHの第2面QC2が第3面11と対向するように、量子チップQCHが接続されている。
【0032】
例えば、第1インターポーザ10の+Z軸方向側に量子チップQCHが配置されている。量子チップQCHの-Z軸方向側に配置された配線層QC4と、第1インターポーザ10の+Z軸方向側に配置された第3面11とは、第1バンプBP1を介して接続されている。
【0033】
第1コア材15は、例えば、シリコン(Si)を含んでいる。なお、第1コア材15は、量子チップQCHを実装することができれば、シリコンを含むものに限らず、サファイアや化合物半導体材料(IV族、III-V族、II-VI族)、ガラス、セラミックス等の他の電子材料を含んでもよい。第1コア材15は、チップコア材QC5に含まれる材料と同じ材料を含むことが望ましい。これにより、熱膨張係数を合わせることができ、極低温時の量子チップQCHと第1インターポーザ10との接合部分を保護することができる。例えば、熱膨張係数の関係から、第1コア材15は、チップコア材QC5と同じシリコンを含むことが好ましい。第1コア材15は、例えば、50μmの厚さであるが、これに限らない。
【0034】
インターポーザ配線層13は、第1コア材15の第3面11に形成されている。すなわち、インターポーザ配線層13は、第1インターポーザ10の+Z軸方向側に形成されている。インターポーザ配線層13は、上述した超電導材料を含んでいる。よって、量子チップQCHの第2面QC2及び第1コア材15の第3面11は、超電導材料を含んでいる。インターポーザ配線層13は、配線層QC4と同じ超電導材料を含んでもよいし、配線層QC4と異なる超電導材料を含んでもよい。例えば、インターポーザ配線層13は、表面から第1コア材15まで順に、Nb(0.1μm厚)、Cu(2μm厚)、Tiを含むことが好ましい。インターポーザ配線層13は、第1バンプBP1を介して、量子チップQCHの配線層QC4に接続されている。
【0035】
インターポーザ配線層13は、単層が望ましい。例えば、インターポーザ配線層13は、電磁界パッケージの特性を低減させないために、絶縁膜等の誘電体が露出されない単層が望ましい。なお、インターポーザ配線層13の積層数は、インターポーザ配線層14の積層数と同数が望ましい。つまり、インターポーザ配線層14も単層が望ましい。これにより、第1インターポーザ10の反りを低減することができ、第1バンプBP1によるバンプ接続の位置合わせ精度、接続信頼性を高めることができる。
【0036】
インターポーザ配線層13は、量子ビット回路QC6のうち、制御回路13a及び読み出し回路13bを含んでもよい。インターポーザ配線層13は、制御回路13a及び読み出し回路13b以外の量子ビット回路QC6の構成を含んでもよい。
【0037】
インターポーザ配線層13は、グランド配線を含んでもよい。量子チップQCHの第2面QC2に形成されたグランド配線は、第1インターポーザ10の第3面11に形成されたグランド配線の少なくとも一部と対向してもよい。これにより、第2面QC2と第3面11との間に、グランド配線で囲まれた電磁シールドを形成することができる。
【0038】
第3面11における第2面QC2と対向した対向部分を上方から見ると、対向部分は、インターポーザ配線層13及び第1コア材15で占められている。すなわち、対向部分には、インターポーザ配線層13及び第1コア材15が露出され、絶縁層は露出されていない。第2面QC2は、配線層QC4及びチップコア材QC5で占められている。すなわち、第2面QC2には、配線層QC4及びチップコア材QC5が露出され、絶縁層は露出されていない。これにより、量子デバイス1は、対向部分及び第2面QC2の間に、前述した電磁界パッケージを形成する。
【0039】
インターポーザ配線層14は、第1コア材15の第4面12に形成されている。すなわち、インターポーザ配線層14は、第1インターポーザ10の-Z軸方向側に形成されている。インターポーザ配線層14は、上述した超電導材料を含んでもよいし、常電導材料を含んでもよい。超電導材料を含む場合には、インターポーザ配線層14は、配線層QC4及びインターポーザ配線層13と同じ超電導材料を含んでもよいし、配線層QC4及びインターポーザ配線層13と異なる超電導材料を含んでもよい。常電導材料を含む場合には、インターポーザ配線層14は、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、及び、これらのうちの少なくともいずれかを含む合金を含んでもよい。例えば、インターポーザ配線層14は、表面から第1コア材15まで順に、Cu、Tiを含むことが好ましい。
【0040】
インターポーザ配線層14は、単層が望ましい。なお、上述したように、反りを低減するため、インターポーザ配線層14の積層数は、インターポーザ配線層13の積層数と同数が望ましい。つまり、インターポーザ配線層13及び14は、単層が望ましい。インターポーザ配線層14は、端子14aを含んでもよい。図には、煩雑にならないように、1つの端子14aのみ示されているが、複数の端子14aが設けられてもよい。
【0041】
第1貫通ビア16は、第3面11側から第4面12側まで第1コア材15を貫通する。第1貫通ビア16は、複数設けられている。複数の第1貫通ビア16は、インターポーザ配線層13とインターポーザ配線層14とを接続する。第1コア材15がシリコンを含む場合には、第1貫通ビア16は、TSV(Through Silicon Via)である。第1貫通ビア16は、後述する第2貫通ビア26ともに、所定数よりも多数設けられてもよい。第1貫通ビア16は、第1インターポーザの第3面11と第4面12の回路、特にXY平面で対向する回路にて構成されるキャパシタ構造により発生する共振周波数を信号周波数よりも高くなるように、所定数よりも多数設けられてもよい。例えば、第1貫通ビア16は、当該の共振周波数を20GHzより高くなるように、多数設けられてもよい。例えば、第1コア材15がシリコンを含む場合には、隣り合う第1貫通ビア16の間隔を1mm以下にすることにより、当該の共振周波数を20GHzより高くすることができる。
【0042】
第1貫通ビア16は、上述した超電導材料を含んでもよいし、上述した常電導材料を含んでもよい。超電導材料を含む場合には、第1貫通ビア16は、配線層QC4等と同じ超電導材料を含んでもよいし、配線層QC4等と異なる超電導材料を含んでもよい。また、常電導材料を含む場合には、第1貫通ビア16は、インターポーザ配線層14と同じ常電導材料を含んでもよいし、インターポーザ配線層14と異なる常電導材料を含んでもよい。例えば、第1貫通ビア16は、貫通孔の側壁にSiO(例えば、熱酸化膜)を形成し、Tiを密着層としてCuを充填されたものでもよい。なお、第1貫通ビア16の径及び材料はこれらに限らない。
【0043】
第1貫通ビア16の径は、後述する第2貫通ビア26の径よりも小さいことが望ましい。例えば、第1貫通ビア16の径は、10~15μmである。第1貫通ビア16の径を10~15μmとすることにより、結合容量を小さくすることができ、読み取り回路13bの動作への影響を抑制することができる。また、量子ビット回路QC6を高集積化することができる。なお、第1貫通ビア16の径は、これに限らない。また、第1貫通ビア16がXY平面内に配置されるピッチは、第2貫通ビア26のピッチよりも小さいことが望ましい。これにより、量子ビット回路QC6を高集積化することができる。
【0044】
インターポーザ配線層14は、第2バンプBP2を介して、第2インターポーザ20に接続されている。よって、第1インターポーザ10は、第2インターポーザ20に実装されている。
【0045】
<第2バンプ>
第2バンプBP2は、上述した超電導材料を含んでもよいし、上述した常電導材料を含んでもよい。超電導材料を含む場合には、第2バンプBP2は、配線層QC4等と同じ超電導材料を含んでもよいし、配線層QC4と異なる超電導材料を含んでもよい。また、常電導材料を含む場合には、第2バンプBP2は、インターポーザ配線層14と同じ常電導材料を含んでもよいし、インターポーザ配線層14と異なる常電導材料を含んでもよい。第2バンプBP2の接続部分には、アンダーフィルを設けてもよい。
【0046】
<第2インターポーザ>
図4は、実施形態1に係る第2インターポーザ20を例示した断面図である。図1及び図4に示すように、第2インターポーザ20は、インターポーザ配線層23及び24と、第2コア材25と、第2貫通ビア26を有している。なお、図1では、図が煩雑にならないように、第2貫通ビア26を省略している。図2では、第2インターポーザ20を省略している。
【0047】
第2コア材25は、例えば、板状の基板である。第2コア材25は、例えば、一方の板面及び一方の板面の反対側の他方の板面を有している。一方の板面を第5面21と呼び、他方の板面を第6面22と呼ぶ。よって、第2コア材25は、第5面21及び第6面22を構成する板面を有する。例えば、第5面21及び第6面22は、矩形である。このように、第2コア材25及び第2インターポーザ20は、第5面21と第6面22とを有している。第2インターポーザ20は、第1インターポーザ10の第4面12が第5面21と対向するように、第1インターポーザ10が接続されている。
【0048】
例えば、第2インターポーザ20の+Z軸方向側に第1インターポーザ10が配置されている。第1インターポーザ10の-Z軸方向側に配置されたインターポーザ配線層14と、第2インターポーザ20の+Z軸方向側に配置されたインターポーザ配線層23とは第2バンプBP2を介して接続されている。
【0049】
第2コア材25は、例えば、シリコン(Si)を含んでいる。なお、第2コア材25は、第1インターポーザ10を実装することができれば、シリコンを含むものに限らず、サファイアや化合物半導体材料(IV族、III-V族、II-VI族)、ガラス、セラミックス等の他の電子材料を含んでもよい。第1コア材15は、第2コア材25に含まれる材料と同じ材料を含むことが望ましい。これにより、熱膨張係数を合わせることができ、極低温時の第1インターポーザ10と第2インターポーザ20との接合部分を保護することができる。また、チップコア材QC5は、第2コア材25に含まれる材料と同じ材料を含むことが望ましい。極低温時の量子チップQCH~第2インターポーザ20までの接合部分を保護することができる。例えば、熱膨張係数の関係から、第2コア材25は、チップコア材QC5と同じシリコンを含むことが好ましい。第2コア材25は、例えば、200μmの厚さである。これにより、グランド電位を安定させることができ、冷却機能を安定させることができる。なお、第2コア材25の厚さは、これに限らない。
【0050】
インターポーザ配線層23は、第2コア材25の第5面21に形成されている。すなわち、インターポーザ配線層23は、第2インターポーザ20の+Z軸方向側に形成されている。インターポーザ配線層23は、常電導材料を含むことが望ましいが、超電導材料を含むことを排除しない。常電導材料は、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、及び、これらのうちの少なくともいずれかを含む合金である。例えば、インターポーザ配線層14は、表面から第1コア材15まで順に、Cu、Tiを含むことが好ましい。
【0051】
インターポーザ配線層23は、単層でも多層でもよいが、絶縁層及び配線層による多層配線構造が望ましい。なお、インターポーザ配線層23の積層数は、インターポーザ配線層24の積層数と同数が望ましい。これにより、第2インターポーザ20の反りを低減することができ、第2バンプBP2によるバンプ接続の位置合わせ精度、接続信頼性を高めることができる。
【0052】
例えば、インターポーザ配線層23は、絶縁層を挟んでコプレーナ(1層)、マイクロストリップライン(2層)、ストリップライン(3層)を構成することが好適であり、特に高周波特性が優れるストリップラインを構成できる3層以上が好ましい。また、インターポーザ配線層23は、厚み方向において、絶縁層を挟んで順にグランド配線層、シグナル配線層及びグランド配線層が積層された3層以上が好ましい。
【0053】
インターポーザ配線層24は、第2コア材25の第6面22に形成されている。すなわち、インターポーザ配線層24は、第2インターポーザ20の-Z軸方向側に形成されている。インターポーザ配線層24は、常電導材料を含むことが望ましいが、超電導材料を含むことを排除しない。インターポーザ配線層24は、インターポーザ配線層23と同じ常電導材料を含んでもよいし、インターポーザ配線層23と異なる常電導材料を含んでもよい。
【0054】
インターポーザ配線層24は、単層でも多層でもよいが、絶縁層及び配線層による多層配線構造が望ましく、上述したように、反りを低減するために、インターポーザ配線層23の積層数と同数が望ましい。
【0055】
インターポーザ配線層24は、高周波(10GHz、200GHz等)の信号を劣化させない引き回し配線構造を設けることが望ましい。例えば、インターポーザ配線層24は、絶縁層を挟んでコプレーナ(1層)、マイクロストリップライン(2層)、ストリップライン(3層)を構成することが好適であり、特に高周波特性が優れるストリップラインを構成できる3層以上が好ましい。また、インターポーザ配線層23は、厚み方向において、絶縁層を挟んで順にグランド配線層、シグナル配線層及びグランド配線層が積層された3層以上が好ましい。
【0056】
インターポーザ配線層24は、ソケット等と接続されてもよい。この場合には、インターポーザ配線層24は、ソケット等の電気的接続に合わせた構造とされる。例えば、接続表面が金(Au)、銅(Cu)及びハンダに対応するような構成としてもよいし、電気的接点のピッチを、0.3mm以上とした端子を設けられてもよい。
【0057】
第2貫通ビア26は、第5面21側から第6面22側まで第2コア材25を貫通する。第2貫通ビア26は、複数設けられている。複数の第2貫通ビア26は、インターポーザ配線層23とインターポーザ配線層24とを接続する。第2コア材25がシリコンを含む場合には、第2貫通ビア26は、TSV(Through Silicon Via)である。第2貫通ビア26は、第1貫通ビア16と同様に、第2インターポーザの第5面21と第6面22の回路、特にXY平面で対向する回路にて構成されるキャパシタ構造により発生する共振周波数を信号周波数よりも高くなるように、所定数よりも多数設けられてもよい。例えば、当該の共振周波数を20GHzより高くなるように、第2貫通ビア26は、所定数よりも多数設けられてもよい。
【0058】
第2貫通ビア26は、常電導材料を含むことが望ましいが、超電導材料を含むことを排除しない。第2貫通ビア26は、上述した常電導材料を含んでもよい。第2貫通ビア26は、インターポーザ配線層23及び24等と同じ常電導材料を含んでもよいし、インターポーザ配線層23及び24等と異なる常電導材料を含んでもよい。例えば、第2貫通ビア26は、貫通孔の側壁にSiO(例えば、熱酸化膜)を形成し、Tiを密着層としてCuを充填されたものである。
【0059】
第2貫通ビア26の径は、第1貫通ビア16の径よりも大きくてもよい。例えば、グランド回路の電位安定化として移動可能な電子を増やすために、第2貫通ビア26の径は、第1貫通ビア16の径よりも大きいことが望ましい。例えば、熱容量を高め、放熱及び/または冷却性能を向上させるために、第2貫通ビア26の径は、第1貫通ビア16の径よりも大きいことが望ましい。例えば、第2貫通ビア26の径は、50~100μmである。また、第2貫通ビア26が配置されるピッチは、第1貫通ビア16が配置されるピッチよりも大きくてもよい。
【0060】
上方から見て、量子チップQCHと第1インターポーザ10との外形は、量子チップQCHが小さいサイズとしてもよいし、同じサイズでもよいし、第1インターポーザ10が小さいサイズとしてもよい。同じサイズの場合、例えば、第1インターポーザ10上に量子チップQCHを接続させたWoW(Wafer on Wafer)後に切断してもよい。また、上方から見て、第1インターポーザ10と第2インターポーザ20との外形は、第1インターポーザ10が小さいサイズとしてもよいし、同じサイズでもよいし、第2インターポーザ20が小さいサイズとしてもよい。同じサイズの場合、例えば、第1インターポーザ10上に第1インターポーザ10を接続させたWoW後に切断してもよい。
【0061】
第1インターポーザ10が量子チップQCHよりも大きい外形の場合には、量子チップQCHを搭載した第3面11において、量子チップQCHに遮蔽されない部分にチェック回路などの端子を設けてもよい。
【0062】
本実施形態の量子デバイス1では、量子チップQCHの第2面QC2と、量子チップQCHと対向する第3面11との間において、量子ビット回路QC6を形成している。そして、第1インターポーザ10の第4面側に第2インターポーザ20を積層させている。これにより、端子数を増加させつつ、コヒーレンスを向上させることができる。
【0063】
第2面QC2及び第3面11における量子チップQCHと対向する部分は、SiO、SiN、有機物等を含む絶縁層が露出されていない。よって、さらに、コヒーレンスを向上させることができる。また、第2インターポーザ20の第5面21及び第6面22は、絶縁層を含んでも、電磁界パッケージへの影響は低い。よって、第2インターポーザ20のインターポーザ配線層23及び24を多層配線とすることができる。これにより、高周波特性に配慮した回路を構成するとともに、端子数を増加させることができる。
【0064】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る量子デバイスを説明する。本実施形態の量子デバイスは、冷却機能を有する試料台に配置される。
【0065】
図5は、実施形態2に係る量子デバイスを例示した断面図である。図5に示すように、本実施形態の量子デバイス2は、試料台30に配置されている。量子デバイス2は、量子デバイス1と同様に、量子チップQCH、第1インターポーザ10、第2インターポーザ20、第1バンプBP1及び第2バンプBP2を備えている。なお、図が煩雑にならないようにいくつかの符号を省略している。また、実施形態2でも、量子デバイス2の説明の便宜のために、XYZ直交座標軸系を用いるが、第1面QC1に直交するZ軸の向きが図1と異なっている。すなわち、量子チップQCHから第1インターポーザ10に向かう向きを+Z軸方向としている。
【0066】
試料台30は、冷却機能を有する。例えば、試料台30は、冷凍機によって、10[mK]程度の極温度に冷却可能なコールドステージである。試料台30は、例えば、Cu、Cu合金、Al等の金属を含むことが好ましい。Alを含む試料台30の場合には、アルマイト処理による絶縁化を施してもよい。本実施形態の量子デバイス2は、例えば、量子チップQCHの超電導材料として、Nbを含む場合には9.2[K]以下、Alを含む場合には1.2[K]以下の極低温における超電導現象を用いる。このため、このような極温度に冷却可能な試料台30を用いる。
【0067】
試料台30には、凹部31が形成されている。例えば、試料台30の所定面32には、凹部31が形成されている。所定面32は、例えば、+Z軸方向に面した上面である。凹部31は、+Z軸方向側に開口している。上方から見て、凹部31は、例えば、矩形である。
【0068】
量子チップQCHは、上方から第1インターポーザ10及び第2インターポーザ20を透過させて見ると、凹部31よりも小さい。一方、第1インターポーザ10は、上方から見ると、凹部31よりも大きい。量子チップQCHは、冷却機能を有する試料台30に形成された凹部31の内部に配置されている。一方、第1インターポーザ10の一部は、試料台30に接している。例えば、第1インターポーザ10の量子チップQCHが実装された第3面11の一部は、試料台30の上面に接している。
【0069】
第1インターポーザ10の第3面11における試料台30に接した部分は、試料台30との電気的導通を防ぐために、絶縁膜が形成されてもよいし、絶縁性のスペーサが配置されてもよい。また、第3面11の試料台30に接した部分は、インターポーザ配線層13が形成されていなくてもよい。
【0070】
第1インターポーザ10の少なくとも一部を試料台30に接触させることにより、第1インターポーザ10を熱流路として用いることで量子チップQCHにおける量子ビット回路QC6を極低温に冷却し、超電導現象を利用することができる。また、量子チップQCHの第1面QC1を凹部31の内面に接触させれば、さらに、冷却性能を向上させることができる。量子チップQCHの周囲の温度変化を低減する断熱性を向上させるため、量子チップQCHの周囲を真空状態または減圧雰囲気にすることが好ましい。
【0071】
また、第1面QC1が凹部31の内面に移動可能に接することにより、極低温への温度変化によって生じる量子チップQCH及び試料台30の収縮差による応力及びひずみを抑制することができる。
【0072】
第1インターポーザ10の少なくとも一部は、試料台30に接しているので、第1インターポーザ10を介して量子チップQCHを試料台30の熱伝導によって冷却することができ、冷却性能を向上させることができる。
【0073】
第1インターポーザ10の第4面12を、第2インターポーザ20に接続し、量子チップQCHから情報を取り出すための端子に最大限用いることができる。よって、情報取り出し端子数を増加させることができる。
【0074】
(変形例1)
次に、実施形態2の変形例1を説明する。本変形例は、凹部31の内部に第1インターポーザ10も配置される例である。図6は、実施形態2の変形例1に係る量子デバイスを例示した断面図である。図6に示すように、量子デバイス2aにおいて、第1インターポーザ10は、凹部31内に配置され、第2インターポーザ20の第5面21の一部は、試料台30の上面に接している。
【0075】
第2インターポーザ20の第5面21における試料台30に接した部分は、試料台30との電気的導通を防ぐために、絶縁膜が形成されてもよいし、絶縁性のスペーサが配置されてもよい。また、第5面21の試料台30に接した部分は、インターポーザ配線層23が形成されていなくてもよい。
【0076】
第2インターポーザ20の少なくとも一部を試料台30に接触させることにより、第2インターポーザ20を熱流路として用いることで量子チップQCHにおける量子ビット回路QC6を極低温に冷却し、超電導現象を利用することができる。
【0077】
(変形例2)
次に、実施形態2の変形例2を説明する。本変形例は、凹部31にザグリが形成されている。図7は、実施形態2の変形例2に係る量子デバイスを例示した断面図である。図8は、実施形態2の変形例2に係る試料台30の凹部31及びザグリ38を例示した平面図である。図7及び図8に示すように、量子デバイス2bにおいて、試料台30の凹部31は、試料台30の所定面32に形成されている。そして、凹部31の開口部の周囲には、ザグリ38が形成されている。これにより、凹部31の開口部の周囲に所定面32と段差を有する段差面39が形成されている。よって、ザグリ38は、段差面39を含んでいる。
【0078】
段差面39は、例えば、所定面32に平行である。段差面39は、凹部31の周りに形成されている。段差面39は、凹部31を囲んでいる。量子チップQCHは、凹部31の内部に配置されている。第1インターポーザ10の第3面11の一部は、段差面39に接している。第2インターポーザ20の第5面21の一部は、所定面32に接している。
【0079】
第1インターポーザ10における第3面11の段差面39に接した部分は、段差面39との電気的導通を防ぐために、絶縁膜が形成されてもよい。また、第3面11の段差面39に接した部分は、インターポーザ配線層13が形成されていなくてもよい。
【0080】
第2インターポーザ20における第5面21の所定面32に接した部分は、所定面32との電気的導通を防ぐために、絶縁膜が形成されてもよい。また、第5面21の所定面32に接した部分は、インターポーザ配線層23が形成されていなくてもよい。
【0081】
図8に示すように、凹部31は、量子チップQCHを配置できるように、4辺に空間を有するようにしてもよい。また、凹部31は、4隅にRまたは円形を追加した形状としてもよい。これにより、極低温まで冷却した時の体積変化による応力及びひずみの発生を抑制することができる。特に、直角及び鋭角の形状による4隅の応力集中を避けることができる。
【0082】
本変形例の量子デバイス2bでは、第1インターポーザ10は、ザグリ38の内部に配置されるので、試料台30に囲まれている。よって、冷却性能を向上させることができる。また、第1インターポーザ10及び第2インターポーザ20の一部は、試料台30に接しているので、これによっても、冷却性能を向上させることができる。
【0083】
(変形例3)
次に、実施形態2の変形例3を説明する。本変形例は、量子チップQCHと、凹部31の内面との間に、接着層または接合層を有する。図9は、実施形態2の変形例3に係る量子デバイスを例示した断面図である。図9に示すように、変形例3の量子デバイス2cにおいて、量子チップQCHの第1面QC1の少なくとも一部は、凹部31の内面に接着または接合されてもよい。例えば、第1面QC1は、ワニス、グリス等の接着層BLによって、試料台30に接着されてもよい。また、第1面QC1は、チップコア材QC5と試料台30との間に形成された金属層等の接合層MLによって接合されてもよい。このような構成とすることにより、量子チップQCHの設置安定性を向上させ、位置精度を向上させることができる。また、試料台30との熱的接続を向上させることができる。
【0084】
接着層BLまたは接合層MLは、第1面QC1全面に配置されてもよいし、第1面QC1の周辺部または第1面QC1の中央部等、第1面QC1の少なくとも一部に配置されてもよい。例えば、上方から見て、量子ビット回路QC6が形成された領域を避けるように、接着層BLまたは接合層MLを形成してもよい。接着層BLが絶縁材料の場合には、キャパシタとして量子ビット回路QC6と共振し、全体的なエネルギーを損失する恐れが考えられる。量子ビット回路QC6が形成された領域を避けるように接着層BLを配置することにより、共振を抑制することができる。
【0085】
また、接合層MLが金属層のような導電性を有する場合には、量子チップQCHのグランド電位を、接合層MLを介して試料台30から取得するようにしてもよく、試料台30で規定している電位を取得してもよい。
【0086】
(変形例4)
次に、実施形態2の変形例4を説明する。本変形例は、量子チップQCHと、凹部31の内面との間に空間を有する。図10は、実施形態2の変形例4に係る量子デバイスを例示した断面図である。図10に示すように、変形例4の量子デバイス2dにおいて、量子チップQCHは、試料台30に接触しなくてもよい。すなわち、量子チップQCHの第1面QC1は、試料台30の凹部31の内面との間に空間を介して配置されてもよい。このような構成とすることにより、極低温への温度変化によって生じる量子チップQCH及び試料台30の収縮差による応力及びひずみを抑制することができる。
【0087】
(変形例5)
次に、実施形態2の変形例5を説明する。本変形例は、試料台30の所定面32上に抑え部材を有する。図11は、実施形態2の変形例5に係る試料台30の凹部31及び抑え部材を例示した斜視図である。図12は、実施形態2の変形例5に係る試料台30の凹部31及び抑え部材を例示した平面図である。図11及び図12に示すように、変形例5の量子デバイス2eにおいて、凹部31は、試料台30の所定面32、例えば、試料台30の上面に形成されている。そして、凹部31の周辺における所定面32上には、複数の抑え部材33が設けられている。例えば、4つの抑え部材33は、所定面32上に設けられている。
【0088】
第1インターポーザ10の側面の少なくとも一部は、所定面32上に設けられた抑え部材33に接している。例えば、第1インターポーザ10は、上方から見て矩形である場合には、複数の抑え部材33は、第1インターポーザ10における各角部の近傍の側面を平面部分で抑えている。このような構成とすることにより、複数の抑え部材33は、第1インターポーザ10の側面を対角部分で非連続的かつ平面部分で押さえつけることができる。よって、第1インターポーザ10または抑え部材33が低温で収縮した場合に、直線状にスライド移動することを可能とし、収縮を均等化することができる。なお、所定面32に第2インターポーザ20が接している場合には、複数の抑え部材33は、第2インターポーザ20の側面を抑えてもよい。また、ザグリ38の段差面39に第1インターポーザ10が接している場合には、段差面39に抑え部材33が設けられてもよい。
【0089】
(変形例6)
次に、実施形態2の変形例6を説明する。本変形例は、第2インターポーザ20の第6面22上に冷却部材を有するとともに、第1インターポーザ10及び第2インターポーザ20の内部にサーマルビアを有する。図13は、実施形態2の変形例6に係る量子デバイスを例示した断面図である。図13において、図が煩雑にならないように、第1インターポーザ10の第1貫通ビア16及び第2インターポーザ20の第2貫通ビア26を省略している。図13に示すように、変形例6の量子デバイス2fにおいて、第2インターポーザ20の第6面22は、冷却部材34に接してもよい。冷却部材34は、冷却機能を有している。例えば、冷却部材34は、試料台30に接続することによって冷却機能を有してもよい。このような構成とすることにより、第2インターポーザ20の第6面22は、冷却部材34の熱伝導によって冷却することができ、冷却性能を向上させることができる。
【0090】
また、第1インターポーザ10は、サーマルビア17を含んでもよいし、第2インターポーザ20は、サーマルビア27を含んでもよい。サーマルビア17及び27は、それぞれ、第1コア材15の第3面11及び第2コア材25の第5面21に直交する方向に延びた部材でもよい。例えば、各サーマルビア17及び27は、それぞれ、第1コア材15及び第2コア材25を貫通してもよい。このように、第1インターポーザ10は、第1コア材15の第3面11から第4面12まで貫通したサーマルビア17を含んでもよい。第2インターポーザ20は、第2コア材25の第5面21から第6面22まで貫通したサーマルビア27を含んでもよい。各サーマルビア17及び27は、例えば、Z軸方向に延びた中心軸を有する円柱状または角柱状等の柱状でもよい。各サーマルビア17及び27は、第3面11と第4面12との間、及び、第5面21と第6面22との間で熱を移動させることができる。
【0091】
各サーマルビア17及び27は、熱伝導性が高い材料を含むことが好ましい。各サーマルビア17及び27は、上述の超電導材料を含んでもよい。各サーマルビア17及び27は、配線層QC4等と同じ超電導材料を含んでもよいし、配線層QC4等と異なる超電導材料を含んでもよい。また、各サーマルビア17及び27は、上述した常電導材料を含んでもよい。各サーマルビア17及び27は、インターポーザ配線層14等と同じ常電導材料を含んでもよいし、インターポーザ配線層14等と異なる常電導材料を含んでもよい。また、各サーマルビア17及び27は、窒化アルミニウム等の熱伝導性が高いセラミックを含んでもよい。
【0092】
サーマルビア27は、冷却部材34に接続させてもよい。このような構成とすることにより、量子デバイス2fの冷却性能を向上させることができる。なお、量子デバイス2fは、各サーマルビア17及び27を設けず、冷却部材34のみ設けてもよし、冷却部材34を設けず、各サーマルビア17及び27のみ設けてもよい。また、冷却部材34及び各サーマルビア17及び27の両方を設けてもよい。
【0093】
また、図の吹き出しに示すように、各サーマルビア17及び27は、+Z軸方向側の径の方が大きいテーパが形成された部分を含んでもよい。すなわち、各サーマルビア17及び27は、+Z軸方向側に向かってビア断面が大きくなる略円錐台状の部分を含んでもよい。テーパ形状を含むことで熱容量を増加させることができ、急激な温度変化を緩和することができる。よって、各サーマルビア17及び27の温度に対する安定性を向上させることができる。また、冷却部材34と接触させた場合には、冷却部材34との熱的接合面積が増加する。よって、より効果的に熱移動を促進させることができる。なお、各サーマルビア17及び27と貫通孔との界面において、常温から極低温に温度を変化させた場合に、界面の密着力が低下することがあり得る。例えば、熱収縮により各サーマルビア17及び27と貫通孔との界面において密着力以上の力がかかったり、低弾性率の材料を壁面に使用した場合には、極低温下において、弾性率が高くなる(分子が動かなくなる)ので、密着力を失ったりすることで剥離が発生する可能性がある。剥離してしまう場合は、各サーマルビア17及び27の位置が動くことが想定されるが、テーパ形状を含むことで、上下の位置が移動しても、各サーマルビア17及び27と貫通孔との界面での接触面を維持することができる。各サーマルビア17及び27が移動する場合において、冷却部材34との接触を維持させる凸形状をあらかじめ冷却部材34に形成し、冷却部材34と各サーマルビア17及び27との接触を維持してもよい。
【0094】
さらに、図の別の吹き出しに示すように、第1インターポーザ10及び第2インターポーザ20は、複数の各サーマルビア17及び27を接続する共通の接続部材18及び28を含んでもよい。例えば、XY面に平行な板状の接続部材18及び28で複数の各サーマルビア17及び27を接続させてもよい。各接続部材18及び28は、熱伝導性が高い材料を含むことが好ましく、各サーマルビア17及び27と同様の材料を含んでもよい。接続部材18及び28で接続された複数の各サーマルビア17及び27は、熱容量を大きくすることができ、温度変化を抑制することができる。
【0095】
また、接続部材18及び28で接続された複数の各サーマルビア17及び27に、一定の電位を印加してもよい。例えば、グランド電位を印加してもよい。これにより、量子チップQCH、第1インターポーザ10及び第2インターポーザ20は、グランド電位を各サーマルビア17及び27からとることができる。なお、この場合には、各サーマルビア17及び27、並びに、各接続部材18及び28は、熱伝導性が高く、導電性の材料を含むことが好ましい。
【0096】
第1インターポーザ10において、量子ビット回路QC6に接続された配線または信号線が実装された領域は、それ以外の領域よりも熱を発生する。よって、そのような領域のサーマルビア17の密度を、それ以外の領域の密度よりも大きくすることが好ましい。例えば、第1コア材15を上方から見て、量子チップQCHが第1インターポーザ10の中央に実装された場合には、中央領域のサーマルビア17の密度を、周辺領域のサーマルビア17の密度よりも大きくする。また、第1インターポーザ10において、量子ビット回路QC6からの信号を伝達する第1貫通ビア16の近傍でも、サーマルビア17の密度を、それ以外の領域の密度よりも大きくすることが好ましい。これにより、冷却性能を向上させることができる。
【0097】
(変形例7)
次に、実施形態2の変形例7を説明する。本変形例は、試料台30の凹部31の底に凹みを有する。図14は、実施形態2の変形例7に係る量子デバイスを例示した断面図である。図15は、実施形態2の変形例7に係る試料台30の凹部31の底に形成された凹みを例示した平面図である。図14及び図15に示すように、変形例7の量子デバイス2gにおいて、凹部31の底には凹み35が形成されている。図15に示すように、上方から見て、凹み35の領域は、量子ビット回路QC6が形成された領域QC61よりも大きい。よって、量子ビット回路QC6が形成された領域QC61は、凹み35の領域に含まれている。量子チップQCHの第1面QC1の周辺部は、凹部31の底に接してもよい。量子チップQCHの第1面QC1の中央部は、凹み35を覆っている。
【0098】
上方から見て、凹み35の領域は、量子チップQCHよりも大きくてもよい。この場合には、量子チップQCHの第1面QC1は、凹部31の底に接しない。
【0099】
量子デバイス2gでは、上方から見て、凹み35の領域は、量子ビット回路QC6が形成された領域QC61よりも大きいので、量子ビット回路QC6が形成された領域QC61と、金属等を含む試料台30との間の距離を大きくすることができる。これにより、疑似的なキャパシタの生成を抑制し、チップコア材QC5のシリコン等の主材に発生する共振の影響を低減することができる。よって、量子ビット回路QC6の動作周波数に与える影響を低減することができる。
【0100】
(変形例8)
次に、実施形態2の変形例8を説明する。本変形例は、量子チップQCHの第1面QC1の周辺部を凹み35の周囲に接着または接合する。図16は、実施形態2の変形例8に係る量子デバイスを例示した断面図である。図16に示すように、変形例8の量子デバイス2hでは、量子チップQCHの第1面QC1の周辺部は、凹部31の底に接着層BLによって接着してもよいし、金属層等の接合層MLによって接合してもよい。このような構成とすることにより、共振の影響を低減しつつ、量子チップQCHの設置安定性を向上させ、位置精度を向上させることができる。また、試料台30との熱的接続を向上させることができる。
【0101】
(変形例9)
次に、実施形態2の変形例9を説明する。本変形例は、量子チップQCHの第1面QC1の周辺部と、凹み35の周囲との間に空間を有する。図17は、実施形態2の変形例9に係る量子デバイスを例示した断面図である。図17に示すように、変形例9の量子デバイス2iでは、量子チップQCHの第1面QC1の周辺部は、試料台30に接触しなくてもよい。すなわち、量子チップQCHの第1面QC1の周辺部は、凹部31の底との間に空間を介して配置されてもよい。このような構成とすることにより、共振の影響を低減しつつ、極低温への温度変化によって生じる量子チップQCH及び試料台30の収縮差による応力及びひずみを抑制することができる。
【0102】
(変形例10)
次に、実施形態2の変形例10を説明する。本変形例は、凹み35にピラーを有する。図18は、実施形態2の変形例10に係る量子デバイスを例示した断面図である。図18に示すように、変形例10の量子デバイス2jにおいて、凹部31の底には凹み35が形成されている。そして、凹み35には、1本または複数のピラー36が設けられている。ピラー36は、第1面QC1及び第2面QC2に直交する方向に延びている。ピラー36の一端は、凹み35の底に接続し、ピラー36の他端は、量子チップQCHの第1面QC1に接している。このように、量子チップQCHは、凹み35の底から第1面QC1に直交する方向に延びたピラー36に接している。ピラー36は、円柱でもよいし、柱状でもよい。1本または複数のピラー36と、第1面QC1とは、接着層BLによって接着されてもよいし、金属層によって接合されてもよい。
【0103】
量子デバイス2jでは、上方から見て、凹み35の領域は、量子ビット回路QC6が形成された領域QC61よりも大きいので、量子ビット回路QC6が形成された領域QC61と、金属等を含む試料台30との間の距離を大きくすることができる。これにより、チップコア材Q5のシリコン等の主材に発生する共振の影響を低減することができる。それとともに、ピラー36は量子チップQCHの第1面QC1に接するので、冷却性能を向上させることができる。
【0104】
(変形例11)
次に、実施形態2の変形例11を説明する。本変形例は、試料台30の凹部31の底に貫通孔を有する。図19は、実施形態2の変形例11に係る量子デバイスを例示した断面図である。図19に示すように、変形例11の量子デバイス2kにおいて、凹部31の底には貫通孔37が形成されている。上方から見て、貫通孔37の領域は、量子ビット回路QC6が形成された領域QC61よりも大きい。よって、量子ビット回路QC6が形成された領域QC61は、貫通孔37の領域に含まれている。量子チップQCHの第1面QC1の周辺部は、凹部31の底に接してもよいし、凹部31の底に接着または接合してもよい。量子チップQCHの第1面QC1の中央部は、貫通孔37を覆っている。
【0105】
量子デバイス2kでは、上方から見て、貫通孔37の領域は、量子ビット回路QC6が形成された領域QC61よりも大きいので、量子ビット回路QC6が形成された領域QC61と、金属等を含む試料台30との間の距離を大きくすることができる。これにより、チップコア材Q5のシリコン等の主材に発生する共振の影響を低減することができる。よって、量子ビット回路QC6の動作周波数に与える影響を低減することができる。
【0106】
(変形例12)
次に、実施形態2の変形例12を説明する。本変形例は、極低温時において、量子チップQCHが凹部31に嵌入する。図20は、実施形態2の変形例12に係る量子デバイスを例示した断面図である。図20に示すように、変形例12の量子デバイス2lにおいて、量子チップQCHは、極低温時において、凹部31に嵌入する。よって、量子チップQCHの側面は、凹部31の内面に接している。これにより、量子チップQCHは、側面からの熱伝導により冷却されるので、冷却性能を向上させることができる。
【0107】
また、第1インターポーザ10は、極低温時において、ザグリ38に嵌入してもよい。よって、第1インターポーザ10の側面は、ザグリ38の内面に接してもよい。これにより、第1インターポーザ10は、側面からの熱伝導により冷却されるので、冷却性能を向上させることができる。
【0108】
なお、量子デバイス2lを室温から数[mK]の極低温まで冷却する際に、量子チップQCH、第1インターポーザ10及び試料台30は、体積変化を生じる。よって、予め、体積変化を考慮し、極低温時において、量子チップQCHの側面が凹部31に接し、第1インターポーザ10の側面がザグリ38に接するようにする。また、量子チップQCHのグランド電位を、量子チップQCHの側面を介して試料台30から取得するようにしてもよい。
【0109】
(変形例13)
次に、実施形態2の変形例13を説明する。本変形例は、第1インターポーザ10の側面が凹部31の内面に接している。図21は、実施形態2の変形例13に係る量子デバイスを例示した断面図である。図21に示すように、変形例13の量子デバイス2mにおいて、第1インターポーザ10の側面の少なくとも一部は、凹部31の内面に接している。
【0110】
このような構成とすることにより、第1インターポーザ10の第3面11は、試料台30に接しなくてもよいので、第3面11を最大限に活用することができる。例えば、第3面11に最大限にインターポーザ配線層13を形成することができる。
【0111】
(変形例14)
次に、実施形態2の変形例14を説明する。本変形例は、試料台30の凹部31の底から突出するように可動なチップピンを有する。図22は、実施形態2の変形例14に係る量子デバイスを例示した断面図である。図22に示すように、変形例14の量子デバイス2nにおいて、量子チップQCHの第1面QC1は、試料台30の凹部31の底から突出するように可動なチップピン19に接している。
【0112】
例えば、凹部31の底には、1本または複数のチップピン19が設けられている。チップピン19は、第1面QC1に直交する方向に延びている。チップピン19は、凹部31の底に形成された孔の内部に配置されている。チップピン19の一端は、量子チップQCHの第1面QC1に接している。
【0113】
チップピン19は、熱伝導性が高い材料を含むことが好ましい。チップピン19は、試料台30と同じ材料を含んでもよいし、上述の超電導材料を含んでもよい。チップピン19は、配線層QC4等と同じ超電導材料を含んでもよいし、配線層QC4等と異なる超電導材料を含んでもよい。また、チップピン19は、上述した常電導材料を含んでもよい。チップピン19は、インターポーザ配線層14等と同じ常電導材料を含んでもよいし、インターポーザ配線層14等と異なる常電導材料を含んでもよい。また、チップピン19は、窒化アルミニウム等の熱伝導性が高いセラミックを含んでもよい。
【0114】
チップピン19に、一定の電位を印加してもよい。例えば、グランド電位を印加してもよい。これにより、量子チップQCHは、グランド電位をチップピン19からとることができる。なお、この場合には、チップピン19は、熱伝導性が高く、導電性の材料を含むことが好ましい。
【0115】
チップピン19は、孔の内部にバネ等の弾性体を介して配置されている。このような構成とすることにより、チップピン19は、量子チップQCHの第1面QC1に接するので、冷却性能を向上させることができる。また、極低温への温度変化によって生じる量子チップQCH及び試料台30の収縮差による応力及びひずみを抑制することができる。
【0116】
(変形例15)
次に、実施形態2の変形例15を説明する。本変形例は、ザグリ38の側面に第1インターポーザ10が接している。図23は、実施形態2の変形例15に係る量子デバイスを例示した断面図である。図23に示すように、量子デバイス2oにおいて、試料台30の凹部31は、試料台30の所定面32に形成されている。そして、凹部31の開口部の周囲には、ザグリ38が形成されている。これにより、凹部31の開口部の周囲に所定面32と段差を有する段差面39が形成されている。
【0117】
本変形例の量子デバイス2oにおいて、第1インターポーザ10の側面の少なくとも一部は、段差面39と所定面32との間のザグリ38の側面に接している。そして、第1インターポーザ10の第3面11の一部は、段差面39との間に空間を介して配置されている。これにより、第1インターポーザ10の第3面11は、試料台30に接しなくてもよいので、第3面11を最大限に活用することができる。
【0118】
(変形例16)
次に、実施形態2の変形例16を説明する。本変形例は、第1インターポーザ10の第3面11と段差面39との間にスペーサを有する。図24は、実施形態2の変形例16に係る量子デバイスを例示した断面図である。図24に示すように、量子デバイス2pにおいて、第1インターポーザ10の第3面11の一部は、段差面39との間にスペーサSPを介して配置されている。すなわち、スペーサSPは、第3面11と段差面39との間に配置されている。スペーサSPは、熱伝導性が高い絶縁材料、例えば窒化アルミ、炭化ケイ素、サファイア、シリコン、アルミナなどを含むことが好ましい。
【0119】
量子デバイス2pは、スペーサSPを有しているので、量子チップQCHの設置安定性を向上させ、位置精度を向上させることができる。また、試料台30との熱的接続を向上させることができる。さらに、インターポーザ配線層13を形成することにより、第3面11を最大限に活用することができる。
【0120】
(変形例17)
次に、実施形態2の変形例17を説明する。本変形例は、第2インターポーザ20の第6面22に試料台30を接しさせる。図25は、実施形態2の変形例17に係る量子デバイスを例示した断面図である。図25に示すように、変形例17の量子デバイス2qにおいて、第2インターポーザ20の第6面22は、試料台30の所定面32に接している。
【0121】
量子デバイス2qでは、量子チップQCHは、冷却機能を有する試料台30から、第2インターポーザ20及び第1インターポーザ10を介して冷却される。また、第2インターポーザ20の第6面22を試料台30に接触させているため、端子29を第5面21に形成する。
【0122】
以上、実施形態2及び変形例1~17を説明したが、各変形例の各構成を組み合わせたものも実施形態2の技術的思想に含まれる。例えば、実施形態2、変形例1及び変形例2の試料台30の構成を、変形例4~14に組み合わせたものも、実施形態2の技術的思想の範囲である。また、第1インターポーザ10に適用される構成は、適宜、第2インターポーザ20にも適用してもよい。さらに、実施形態1と、実施形態2及び変形例1~17の各構成を組み合わせたものも実施形態1及び2の技術的思想に含まれる。実施形態2及び変形例1~17で記載した効果以外の効果は、実施形態1の記載に含まれている。
【0123】
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る量子デバイスを説明する。本実施形態の量子デバイスは、第2インターポーザ20に対向して配置されたソケットを有している。
【0124】
図26は、実施形態3に係る量子デバイスを例示した断面図である。図26に示すように、本実施形態の量子デバイス3は、量子チップQCH、第1インターポーザ10、第2インターポーザ20、第1バンプBP1及び第2バンプBP2に加えて、ソケット40をさらに備えている。量子チップQCH、第1インターポーザ10、第2インターポーザ20、第1バンプBP1及び第2バンプBP2の構成は、実施形態1及び2と同様である。実施形態3でも、量子デバイス3の説明の便宜のために、XYZ直交座標軸系を用いるが、第1面QC1に直交するZ軸の向きが図1と異なっている。すなわち、量子チップQCHから第1インターポーザ10に向かう向きを+Z軸方向としている。
【0125】
ソケット40は、第2インターポーザ20に対向して配置されている。例えば、本実施形態では、ソケット40は、第2インターポーザ20の第6面22に対向して配置されている。ソケット40は、ハウジング45及び可動ピン47を含んでいる。なお、図21では、図が煩雑にならないように、いくつかの符号を省略している。
【0126】
ハウジング45は、一端面41及び一端面41の反対側の他端面42を有している。また、ハウジング45は、一端面41の周縁と他端面42の周縁とを接続する側面43を有している。一端面41は、例えば、第2インターポーザ20側を向いて下方に面し、他端面42は、上方を向いている。ハウジング45は、可動ピン47を保持する。ハウジング45は、複数の可動ピン47を保持してもよい。
【0127】
ハウジング45は、絶縁性の材料を含むことが好ましい。ハウジング45は、少なくとも可動ピン47と接する部分は、絶縁性の材料を含んでいる。また、ハウジング45は、非磁性の材料を含むことが好ましい。さらに、ハウジング45は、第2インターポーザ20の熱膨張係数と同等の材料を含むことが好ましい。
【0128】
ハウジング45は、酸化アルミニウム(Al、アルミナとも呼ぶ。)、マイカ系マシナブルセラミック、窒化アルミニウム(AlN)、ジルコニア(ZrO)、マコール系マシナブルセラミック、ガラス、樹脂及びシリカフィラーを含んだ低線熱膨張の複合材料を含んでもよいし、可動ピン47との絶縁が取れるのであれば、超電導材料を含んでもよい。
【0129】
可動ピン47は、ハウジング45に保持されている。可動ピン47は、一端及び一端の反対側の他端を有する。可動ピン47は、Z軸方向に延び、一端は、下方に向き、他端は、上方を向いている。よって、可動ピン47の一端は、ハウジング45の一端面41から突出している。可動ピン47の一端は、例えば、第2インターポーザ20の端子29に電気的に接する。可動ピン47の他端は、他端面42から突出し、ボード50の端子に電気的に接する。このように、ハウジング45は、可動ピン47の一端が突出した一端面41と、可動ピン47の他端が突出した他端面42と、を有する。図26では、ハウジング45の一端面41と第2インターポーザ20との間に空間が形成されているが、可動ピン47の一端が端子29に接することができれば、空間は形成されなくてもよい。同様に、ハウジング45の他端面42とボード50との間に空間が形成されているが、可動ピン47の他端がボード50の端子に接することができれば、空間は形成されなくてもよい。
【0130】
可動ピン47の一端及び他端は、コイルバネ、板バネ等の弾性手段を挟んで導通状態で接続されている。可動ピン47における第2インターポーザ20の端子に電気的に接触した一端及び他端のうち、少なくとも、一端は、ハウジング45に対して可動である。可動ピン47の他端もハウジング45に対して可動でもよい。可動ピン47の他端は、例えば、外部への入出力となるコネクタ51が形成されたボード50の端子に電気的に接している。
【0131】
可動ピン47は、超電導材料を含んでもよいし、常電導材料を含んでもよい。可動ピン47は、配線層QC4等と同じ超電導材料を含んでもよいし、配線層QC4等と異なる超電導材料を含んでもよい。また、可動ピン47は、インターポーザ配線層24等と同じ常電導材料を含んでもよいし、インターポーザ配線層24等と異なる常電導材料を含んでもよい。可動ピン47は、非磁性材料であることが好ましい。可動ピン47は、例えば、パラジウム合金、金合金、ベリリウム銅(BeCu)、金(メッキ仕上げ)、ニオブ(Nb)、ニオブチタン(Nb-Ti)、チタン(Ti)を含むことが好ましい。
【0132】
ソケット40は、位置決めピン48を有してもよい。位置決めピン48は、ソケット40の配置位置を決めるピンである。位置決めピン48は、ハウジング45に保持されている。位置決めピン48は、例えば、一端面41から突出した一端を有している。位置決めピン48は、第2インターポーザ20の第6面22の所定の位置に一端を接触させることにより、ソケット40の配置位置を決める。なお、第2インターポーザ20の第6面22に穴を形成し、位置決めピン48を穴に挿入することにより、ソケット40の配置位置を決めてもよい。これにより、ソケット40の位置ずれを抑制することができる。
【0133】
ボード50は、ソケット40の他端面42に対向して配置されている。ボード50は、コネクタ51と、ボード基板55と、端子とを含んでいる。ボード基板55は、例えば、板状であり、上面及び下面を有している。ボード基板55の下面は、ソケット40に対向している。ボード基板55の下面には端子が設けられている。ボード基板55の上面には外部への入出力となるコネクタ51が形成されている。ボード50のコネクタ51は、ボード50の端子と接続されている。可動ピン47の他端は、ボード50の端子に電気的に接している。
【0134】
外部からの入力及び外部への出力となるコネクタ51が形成されたボード50は、ソケット40及び第2インターポーザ20を介して、量子チップQCHとの間で、電源及び信号等の入出力を行う。
【0135】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の量子デバイス3は、第2インターポーザ20に対向して配置されたソケット40を有している。ソケット40は、ハウジング45に対して可動な可動ピン47を有しており、第2インターポーザ20の端子29に電気的に接している。よって、量子デバイス3を極低温へ冷却する際に生じる端子等の体積変化に追随して可動ピン47は可動なので、第2インターポーザ20と接続する端子の断線を抑制することができる。可動ピン47は、前述の通り、可動ピン47の一端及び他端を、コイルバネ、板バネ等の弾性手段を挟んで導通状態で接続されており、第2インターポーザ20とボード50の間で押し込まれた状態で設置されている。よって、可動ピン47としては、それぞれ第2インターポーザ20、ボード50に対して弾性手段により圧力がかかっている状態となる。この圧力がかかる状態により、可動ピン47は、冷却に伴う収縮等の体積変化に対応して可動し、端子等への接触を維持することができ、断線を効果的に防ぐことができる。
【0136】
また、ソケット40は、可動ピン47の他端を、外部への入出力となるコネクタ51が形成されたボード50の端子に電気的に接触させている。よって、外部へ接続する端子を確保することができる。
【0137】
位置決めピン48を設けることにより、ソケット40の配置位置を容易に決めることができる。また、位置決めピン48を第6面22の穴に挿入することにより、ソケット40の位置ずれを抑制することができる。
【0138】
(変形例1)
次に、実施形態3の変形例1に係る量子デバイスを説明する。変形例1の量子デバイスは、量子チップQCH、第1インターポーザ10、第2インターポーザ20、及び、ソケット40のうち、少なくともいずれかの一部は、冷却機能を有する試料台30に接している。図27は、実施形態3の変形例1に係る量子デバイスを例示した断面図である。図27に示すように、量子デバイス3aにおいて、量子チップQCH、第1インターポーザ10、第2インターポーザ20、及び、ソケット40のうち、例えば、第2インターポーザ20の側面は、冷却機能を有する試料台30に接している。試料台30は、例えば、板状の部分30aを含んでいる。板状の部分30aは、第2インターポーザ20の側面を挟んでいる。
【0139】
量子デバイス3aでは、第2インターポーザ20を熱流路として用いている。よって、第2インターポーザ20の側面からの熱伝導によって、量子デバイス3aを冷却することができる。また、第2インターポーザ20の第5面21及び第6面22を最大限に端子に活用することができる。
【0140】
(変形例2)
次に、実施形態3の変形例2を説明する。本変形例は、ソケット40の一部のみ試料台30に接する。図28は、実施形態3の変形例2に係る量子デバイスを例示した断面図である。図28に示すように、量子デバイス3bにおいて、ハウジング45の側面43は、冷却機能を有する試料台30に接している。試料台30は、例えば、板状の部分30aを含んでいる。板状の部分30aは、ハウジング45の側面43を挟んでいる。なお、量子デバイス3bにおいて、ハウジング45の側面43に限らず、ハウジング45の一端面41の一部が試料台30に接してもよいし、ハウジング45の他端面42の一部が試料台30に接してもよい。
【0141】
量子デバイス3bでは、ハウジング45の一端面41、他端面42及び側面43のうち、少なくともいずれかの一部は、冷却機能を有する試料台30に接するので、試料台30からの熱伝導によって、量子デバイス3bを冷却することができる。これにより、量子デバイス3bの冷却性能を向上させることができる。
【0142】
(変形例3)
次に、実施形態3の変形例3を説明する。本変形例は、量子チップQCHの少なくとも一部、第1インターポーザ10の少なくとも一部、第2インターポーザ20の少なくとも一部、及び、ソケット40の少なくともの一部は、それぞれ冷却機能を有する試料台30に接している。図29は、実施形態3の変形例3に係る量子デバイスを例示した断面図である。
【0143】
図29に示すように、量子デバイス3cにおいて、量子チップQCHの少なくとも一部、第1インターポーザ10の少なくとも一部、第2インターポーザ20の少なくとも一部、及び、ソケット40の少なくともの一部は、試料台30に接している。具体的には、例えば、量子チップQCH及び第1インターポーザ10は、試料台30の凹部31の内部に配置され、内面に接している。第2インターポーザ20及びソケット40は、試料台30の板状の部分30aに挟まれている。なお、さらに、第2インターポーザ20の第5面21及び第6面22の一部、ソケット40の一端面41及び他端面42の一部のうち、少なくともいずれかを接するようにしてもよい。
【0144】
量子デバイス3cでは、量子チップQCH、第1インターポーザ10、第2インターポーザ20及びソケット40の各一部が、試料台30に接しているので、量子デバイス3cの冷却性能を向上させることができる。
【0145】
(変形例4)
次に、実施形態3の変形例4を説明する。本変形例のソケット40は、試料台30に接した放熱層を有している。図30は、実施形態3の変形例4に係る量子デバイスを例示した断面図である。図30に示すように、量子デバイス3dにおいて、ソケット40は、冷却機能を有する試料台30に接した放熱層44a、44b及び44cを有する。
【0146】
放熱層44a等は、熱伝導性が高い材料を含むことが好ましい。放熱層44a等は、上述の超電導材料を含んでもよい。放熱層44a等は、配線層QC4等と同じ超電導材料を含んでもよいし、配線層QC4等と異なる超電導材料を含んでもよい。また、放熱層44a等は、上述した常電導材料を含んでもよい。放熱層44a等は、インターポーザ配線層14等と同じ常電導材料を含んでもよいし、インターポーザ配線層14等と異なる常電導材料を含んでもよい。また、放熱層44a等は、窒化アルミニウム等の熱伝導性が高いセラミックを含んでもよい。放熱層44a等は、導電性の材料を含む場合には、可動ピン47との絶縁を保つために絶縁膜で覆われていることが好ましい。
【0147】
放熱層44aは、ハウジング45の一端面41に配置されている。よって、放熱層44aは、一端面41に露出している。放熱層44bは、ハウジング45の他端面42に配置されている。よって、放熱層44bは、他端面42に露出している。放熱層44cは、ハウジング45の中央にXY面に平行に配置されている。放熱層44cは、ハウジング45の側面43に露出している。量子デバイス3dは、放熱層44a、44b及び44cのうち、少なくともいずれかが配置されてもよい。
【0148】
放熱層44a、44b及び44cは、試料台30に接してもよい。例えば、放熱層44a、44b及び44cは、試料台30の板状の部分に接している。このように、ソケット40は、ハウジング45の一端面41、他端面42及び側面43の少なくともいずれかに露出して試料台30に接した放熱層を有する。
【0149】
量子デバイス3dでは、ソケット40は、放熱層44a、44b及び44cを有するので、量子デバイス3dの冷却性能を向上させることができる。放熱層44a、44b及び44cが試料台30に接する場合には、さらに、量子デバイス3dの冷却性能を向上させることができる。
【0150】
(変形例5)
次に、実施形態3の変形例5を説明する。本変形例のソケット40は、第1インターポーザ10の第3面11及び第2インターポーザ20の第5面21に配置されている。図31は、実施形態3の変形例5に係る量子デバイスを例示した断面図である。
【0151】
図31に示すように、量子デバイス3eにおいて、ソケット40は、第1インターポーザ10の第3面11及び第2インターポーザ20の第5面21に配置されている。なお、図31においては、第1面QC1に直交する方向をZ軸方向とし、第1面QC1側を+Z軸方向、第2面QC2側を-Z軸方向とする。説明の便宜上、+Z軸方向側を上方とし、-Z軸方向側を下方とする。よって、本実施形態の量子デバイス3eでは、ソケット40は、第2インターポーザ20の上方(+Z軸方向側)に配置されている。
【0152】
第2インターポーザ20の第6面22は、試料台30に接してもよい。これにより、第2インターポーザ20を介して量子チップQCHを冷却することができる。なお、量子チップQCH、第1インターポーザ10及び第2インターポーザ20の少なくともいずれかのグランド電位を、第2インターポーザ20の第2貫通ビア26を介して試料台30から取得してもよい。
【0153】
ソケット40は、上方から見て、ロの字状、または、コの字状等のように量子チップQCHの周りに配置される。可動ピン47の一端は、第1インターポーザ10の第3面11の端子に電気的に接してもよい。また、可動ピン47の一端は、第2インターポーザ20の第5面21の端子に電気的に接してもよい。可動ピン47の一端は、ハウジング45に対して可動である。可動ピン47の他端は、外部への入出力となるコネクタ51が形成されたボード50の端子に電気的に接している。
【0154】
ボード50は、前述の変形例と同様に、ソケット40の他端面42に対向して配置されている。本変形例において、試料台30上に、第2インターポーザ20と並んで、ボード50aが配置されてもよい。ボード50aにおけるボード基板55aの下面は、試料台30に接している。ボード基板55aの上面には、コネクタ51a及び端子が形成されている。ソケット40は、第2インターポーザ20の第5面21とボード50aの上面とに跨って配置されてもよい。そして、ボード50の下面に形成された複数の端子が相互に接続されてもよい。この場合には、第2インターポーザ20の第5面21に形成された端子から、可動ピン47aの一端、可動ピン47aの他端、ボード50の端子、ボード50の他の端子、可動ピン47bの他端、可動ピン47bの一端、ボード50aの端子の順に経由して、ボード50aのコネクタ51aに接続してもよい。
【0155】
外部からの入力及び外部への出力となるコネクタ51及び51aが形成されたボード50及び50aは、ソケット40及び第2インターポーザ20を介して、量子チップQCHとの間で、電源及び信号等の入出力を行う。
【0156】
本変形例の量子デバイス3eによれば、外部からの入出力となるコネクタ51aを増やすことができるので、外部と接続する端子数を増加させることができる。また、第2インターポーザ20の第6面22を試料台30に接するようにすることができるので、量子デバイス3eの冷却性能を向上させることができる。
【0157】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態1~3に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態1~3及び各変形例の各構成を適宜組み合わせたもの、複数の量子チップQCHが第1インターポーザ10及び第2インターポーザ20に接続されたもの、複数の第1インターポーザ10及び複数の第2インターポーザ20がソケット40に接続されたものも、本実施形態の技術的思想の範囲に含まれる。
【0158】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0159】
(付記1)
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し、前記第2面に量子ビット回路の少なくとも一部が設けられた量子チップと、
第3面及び前記第3面の反対側の第4面を有し、前記第2面が前記第3面と対向するように、前記量子チップが接続された第1インターポーザと、
第5面及び前記第5面の反対側の第6面を有し、前記第4面が前記第5面と対向するように、前記第1インターポーザが接続された第2インターポーザと、
を備え、
前記量子チップは、冷却機能を有する試料台に形成された凹部の内部に配置され、
前記第1インターポーザ及び前記第2インターポーザの少なくともいずれかの一部は、前記試料台に接した、
量子デバイス。
(付記2)
前記第1面の少なくとも一部は、前記凹部の内面に接した、
付記1に記載の量子デバイス。
(付記3)
前記第1面の少なくとも一部は、前記凹部の内面に接着または接合された、
付記1または2に記載の量子デバイス。
(付記4)
前記第1面は、前記凹部の内面との間に空間を介して配置された、
付記1~3のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記5)
前記凹部は、前記試料台の所定面に形成され、
前記第3面の一部は、前記所定面に接した、
付記1~4のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記6)
前記第1インターポーザの側面の少なくとも一部は、前記所定面上に設けられた複数の抑え部材に接した、
付記5に記載の量子デバイス。
(付記7)
前記第1インターポーザは、前記第3面に直交する方向から見て矩形であり、
複数の前記抑え部材は、前記第1インターポーザにおける各角部の近傍の側面を平面部分で抑える、
付記6に記載の量子デバイス。
(付記8)
前記第6面は、冷却機能を有する冷却部材に接した、
付記1~7のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記9)
前記第1インターポーザは、第1コア材と、前記第1コア材の前記第3面側から前記第4面側まで貫通したサーマルビアと、を含む、
付記1~8のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記10)
前記サーマルビアは、前記第3面側の径よりも前記第4面側の径の方が大きいテーパが形成された部分を含む、
付記9に記載の量子デバイス。
(付記11)
前記第1インターポーザは、複数の前記サーマルビアを接続する共通の接続部材をさらに含む、
付記9または10に記載の量子デバイス。
(付記12)
前記量子チップは、超電導材料がジョセフソン接合によって環状に接続されたループ回路を有する共振器が形成された量子ビット回路を含み、
前記凹部の底には凹みが形成され、
前記量子チップの前記第1インターポーザに実装された前記第2面に直交する方向から見て、前記量子ビット回路が形成された領域は、前記凹みの領域に含まれた、
付記1~11のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記13)
前記量子チップは、前記凹みの底から前記第2面に直交する方向に延びたピラーに接した、
付記12に記載の量子デバイス。
(付記14)
前記量子チップは、超電導材料がジョセフソン接合によって環状に接続されたループ回路を有する共振器が形成された量子ビット回路を含み、
前記凹部の底には貫通孔が形成され、
前記量子チップの前記第1インターポーザに実装された前記第2面に直交する方向から見て、前記量子ビット回路が形成された領域は、前記貫通孔の領域に含まれた、
付記1~11のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記15)
前記量子チップの側面は、前記凹部の内面に接した、
付記1~14のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記16)
前記凹部は、前記試料台の所定面に形成され、
前記第1インターポーザの側面の少なくとも一部は、前記凹部の内面に接した、
付記1~15のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記17)
前記凹部は、前記試料台の所定面に形成され、
前記凹部の開口部の周囲に前記所定面に対して段差を有する段差面が形成され、
前記第1インターポーザの前記第3面の一部は、前記段差面に接した、
付記1~15のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記18)
前記凹部は、前記試料台の所定面に形成され、
前記凹部の開口部の周囲に前記所定面に対して段差を有する段差面が形成され、
前記第1インターポーザの側面の少なくとも一部は、前記段差面と前記所定面との間の側面に接した、
付記1~15のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記19)
前記第1インターポーザの前記第3面の一部は、前記段差面との間に空間を介して配置された、
付記18に記載の量子デバイス。
(付記20)
前記第1インターポーザの前記第3面の一部は、前記段差面との間にスペーサを介して配置された、
付記18に記載の量子デバイス。
(付記21)
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し、前記第2面に量子ビット回路の少なくとも一部が設けられた量子チップと、
第3面及び前記第3面の反対側の第4面を有し、前記第2面が前記第3面と対向するように、前記量子チップが接続された第1インターポーザと、
第5面及び前記第5面の反対側の第6面を有し、前記第4面が前記第5面と対向するように、前記第1インターポーザが接続された第2インターポーザと、
前記第2インターポーザに対向して配置され、可動ピン及び前記可動ピンを支持するハウジングを含むソケットと、
を備え、
前記可動ピンにおける前記第2インターポーザの端子に電気的に接触した一端及び前記一端の反対側の他端のうち少なくとも前記一端は、前記ハウジングに対して可動であり、
前記他端は、外部への入出力となるコネクタが形成されたボードの端子に電気的に接した、
量子デバイス。
(付記22)
前記量子チップ、前記第1インターポーザ、前記第2インターポーザ、及び、前記ソケットのうち、少なくともいずれかの一部は、冷却機能を有する試料台に接した、
付記21に記載の量子デバイス。
(付記23)
前記量子チップは、冷却機能を有する試料台に形成された凹部の内部に配置され、
前記第1インターポーザ及び前記第2インターポーザの少なくともいずれかの一部は、前記試料台に接した、
付記21に記載の量子デバイス。
(付記24)
前記第1面の少なくとも一部は、前記凹部の内面に接した、
付記23に記載の量子デバイス。
(付記25)
前記第1面の少なくとも一部は、前記凹部の内面に接着または接合された、
付記23に記載の量子デバイス。
(付記26)
前記第1面は、前記凹部の内面との間に空間を介して配置された、
付記23に記載の量子デバイス。
(付記27)
前記第1面は、前記凹部の底から突出するように可動なチップピンに接した、
付記23に記載の量子デバイス。
(付記28)
前記凹部は、前記試料台の所定面に形成され、
前記第1インターポーザの前記第3面の一部は、前記所定面に接した、
付記23~27のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記29)
前記第1インターポーザの側面の少なくとも一部は、前記所定面上に設けられた複数の抑え部材に接した、
付記28に記載の量子デバイス。
(付記30)
前記第1インターポーザは、前記第3面に直交する方向から見て矩形であり、
複数の前記抑え部材は、前記第1インターポーザにおける各角部の近傍の側面を平面部分で抑える、
付記29に記載の量子デバイス。
(付記31)
前記第6面は、冷却機能を有する冷却部材に接した、
付記23~30のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記32)
前記第1インターポーザは、第1コア材と、前記第1コア材の前記第3面側から前記第4面側まで貫通したサーマルビアと、を含む、
付記23~31のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記33)
前記サーマルビアは、前記第3面側の径よりも前記第4面側の径の方が大きいテーパが形成された部分を含む、
付記32に記載の量子デバイス。
(付記34)
前記第1インターポーザは、複数の前記サーマルビアを接続する共通の接続部材をさらに含む、
付記32または33に記載の量子デバイス。
(付記35)
前記量子チップは、超電導材料がジョセフソン接合によって環状に接続されたループ回路を有する共振器が形成された量子ビット回路を含み、
前記凹部の底には凹みが形成され、
前記量子チップの前記第2面に直交する方向から見て、前記量子ビット回路が形成された領域は、前記凹みの領域に含まれた、
付記23~34のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記36)
前記量子チップは、前記凹みの底から前記第2面に直交する方向に延びたピラーに接した、
付記35に記載の量子デバイス。
(付記37)
前記量子チップは、超電導材料がジョセフソン接合によって環状に接続されたループ回路を有する共振器が形成された量子ビット回路を含み、
前記凹部の底には貫通孔が形成され、
前記量子チップの前記第2面に直交する方向から見て、前記量子ビット回路が形成された領域は、前記貫通孔の領域に含まれた、
付記23~34のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記38)
前記量子チップの側面は、前記凹部の内面に接した、
付記23~37のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記39)
前記凹部は、前記試料台の所定面に形成され、
前記第1インターポーザの側面の少なくとも一部は、前記凹部の内面に接した、
付記23~38のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記40)
前記凹部は、前記試料台の所定面に形成され、
前記凹部の開口部の周囲に前記所定面に対して段差を有する段差面が形成され、
前記第1インターポーザの前記第3面の一部は、前記段差面に接した、
付記23~38のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記41)
前記凹部は、前記試料台の所定面に形成され、
前記凹部の開口部の周囲に前記所定面に対して段差を有する段差面が形成され、
前記第1インターポーザの側面の少なくとも一部は、前記段差面と前記所定面との間の側面に接した、
付記23~38のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記42)
前記第1インターポーザの前記第3面の一部は、前記段差面との間に空間を介して配置された、
付記41に記載の量子デバイス。
(付記43)
前記第1インターポーザの前記第3面の一部は、前記段差面との間にスペーサを介して配置された、
付記41に記載の量子デバイス。
(付記44)
前記ソケットは、前記第6面に対向して配置された、
付記21~43のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記45)
前記ソケットは、前記第5面に対向して配置された、
付記21または22に記載の量子デバイス。
(付記46)
前記量子チップの少なくとも一部、前記第1インターポーザの少なくとも一部、前記第2インターポーザの少なくとも一部、及び、前記ソケットの少なくともの一部は、冷却機能を有する試料台に接した、
付記21~45のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記47)
前記ハウジングは、前記可動ピンの一端が突出した一端面と、前記可動ピンの他端が突出した他端面と、前記一端面の周縁と前記他端面の周縁とを接続する側面と、を有し、
前記一端面、前記他端面及び前記側面のうち、少なくともいずれかの一部は、冷却機能を有する試料台に接した、
付記21~46のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記48)
前記ソケットは、前記ハウジングの前記一端面、前記他端面及び前記側面の少なくともいずれかに露出して前記試料台に接した放熱層を有する、
付記47に記載の量子デバイス。
(付記49)
前記ソケットは、前記ソケットの配置位置を決める位置決めピンを有する、
付記21~48のいずれか1項に記載の量子デバイス。
(付記50)
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し、前記第2面に量子ビット回路の少なくとも一部が設けられた量子チップと、
第3面及び前記第3面の反対側の第4面を有し、前記第2面が前記第3面と対向するように、前記量子チップが接続された第1インターポーザと、
第5面及び前記第5面の反対側の第6面を有し、前記第4面が前記第5面と対向するように、前記第1インターポーザが接続された第2インターポーザと、
前記第2インターポーザに対向して配置され、可動ピン及び前記可動ピンを支持するハウジングを含むソケットと、
を備え、
前記量子チップ、前記第1インターポーザ、前記第2インターポーザ、及び、前記ソケットのうち、少なくともいずれかの一部は、冷却機能を有する試料台に接した、
量子デバイス。
【符号の説明】
【0160】
1、2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2h 量子デバイス
2i、2j、2k、2l、2m、2n、2o、2p、2q 量子デバイス
3、3a、3b、3c、3d、3e 量子デバイス
10 第1インターポーザ
11 第3面
12 第4面
13 インターポーザ配線層
13a 制御回路
13b 読み出し回路
14 インターポーザ配線層
14a 端子
15 第1コア材
16 第1貫通ビア
17 サーマルビア
18 接続部材
19 チップピン
20 第2インターポーザ
21 第5面
22 第6面
23 インターポーザ配線層
24 インターポーザ配線層
25 第2コア材
26 第2貫通ビア
27 サーマルビア
28 接続部材
29 端子
30 試料台
31 凹部
32 所定面
33 抑え部材
34 冷却部材
35 凹み
36 ピラー
37 貫通孔
38 ザグリ
39 段差面
40 ソケット
41 一端面
42 他端面
43 側面
44a、44b、44c 放熱層
45 ハウジング
47 可動ピン
48 位置決めピン
50 ボード
51 コネクタ
55 ボード基板
BP1 第1バンプ
BP2 第2バンプ
QC1 第1面
QC2 第2面
QC4 配線層
QC5 チップコア材
QC6 量子ビット回路
QC61 領域
QC7 ジョセフソン接合
QC8 共振器
QC9 発振器
QCH 量子チップ
SP スペーサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31