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特開2022-167706クラウド対応型の固定資産課税予測算出支援システム
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  • 特開-クラウド対応型の固定資産課税予測算出支援システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167706
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】クラウド対応型の固定資産課税予測算出支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20221027BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20221027BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073687
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】520393842
【氏名又は名称】株式会社山口地所
(71)【出願人】
【識別番号】520393853
【氏名又は名称】株式会社ランドフォーライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】山口 隆志
(72)【発明者】
【氏名】田中 利彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA00
5L049CC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】建築物の償却資産を更新した場合、以降課税される固定資産税額を算出する課税予測算出支援システムを提供する。
【解決手段】クラウド型サーバ10は、建築物の固定資産税を算出するデータ橋渡し手段と、更新後の固定資産課税予測レポート橋渡し手段と、を備える。データ橋渡し手段は、依頼主の第一通信端末11から依頼を受け、固定資産税算出のためのデータを受付けて保存し、依頼に応じた第二通信端末12に、保存したデータをダウンロードさせる。固定資産課税予測レポート橋渡し手段は、第一通信端末の依頼に応じた第二の通信端末に対し、データに基づき受託者が作成した建築物から更新により償却資産を除却された後の固定資産税の残余予想額と、更新により新設された償却資産の償却資産税の予想額を含んだ更新後の固定資産課税予測レポートを受付け保存し、依頼元の通信端末に対してアクセス及びび固定資産課税予測レポートをダウンロードさせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウド型サーバを通じて行う、建築物の固定資産税等の予測算出支援システムであって、
前記固定資産税は、建築物が家屋と償却資産とを一体として登記された際に特定されたものであり、
前記クラウド型サーバは、
前記固定資産税を予測算出するための基礎データ橋渡し手段と、更新後の固定資産課税予測レポート橋渡し手段とを備えており、
前記基礎データ橋渡し手段は、
依頼主側の第一の通信端末から依頼を受け、送信されて来た固定資産税の予測算出のための基礎データを受付けて保存する一方で、前記第一の通信端末の依頼に応じた第二の通信端末に対しては、保存している前記基礎データのダウンロードを許容する処理をなし、
前記固定資産課税予測レポート橋渡し手段は、
前記第一の通信端末の依頼に応じた、第二の通信端末に対して、前記基礎データに基づいて受託者側が作成した、前記建築物から更新よって償却資産を除却された後の固定資産税の残余の予想総額と、前記更新によって新設された償却資産の償却資産税の予想総額とを含んだ更新後の固定資産課税予測レポートを受付けて保存する一方で、依頼を発した前記第一の通信端末に対しては、そのアクセスを許容して、前記固定資産課税予測レポートのダウンロードを許容させる処理を行う、ことを特徴とする、クラウド対応型の固定資産課税予測算出支援システム。
【請求項2】
請求項1において、
建築物に組込まれた償却資産が、リースによる取替によって更新されるものである、クラウド対応型の固定資産課税予測算出支援システム。
【請求項3】
請求項1において、
建築物に組込まれた償却資産が、修繕によって更新されるものである、クラウド対応型の固定資産課税予測算出支援システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記固定資産税の予測算出のための基礎データは、建築物の主体構造部、建築設備などの償却資産、更新によって新設された償却資産について、価格、建築工事を含む固定資産税額を算出するために必要な情報を含んでいる、クラウド対応型の固定資産課税予測算出支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物に組込まれた償却資産を更新した場合に、それ以降に課税されるべき固定資産税額を予測算出するサービスを、インターネット上のクラウド型サーバを通じて行う予測算出支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、不動産の相続税や固定資産税に関連した従来技術が開示されている。
すなわち、この特許文献1には、コンサルタント会社が、相続人の煩雑な手続を軽減して相続税還付請求処理を支援するシステムが開示、提案されている。
また、特許文献2には、コンサルタント会社がビル本体の耐用年数と付帯設備の耐用年数の相違等を考慮して固定資産関連納税額や償却資産関連納税額を予測計算するシミュレーション装置が開示、提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-163345号公報
【特許文献2】特開2016-139279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ホテルや病院などの事業用建築物は、そこに含まれているエレベータや空調機器などの償却資産を取替えた場合、その後の固定資産税を予測することは不動産鑑定士等の専門家の知識が必要なため容易でない反面、そのようなサービスは、潜在的にも大きな需要があると思われる。
本発明は、このような現状に鑑み、建築物に含まれている償却資産を取替えた後に、固定資産税がどのようになるかの予測算出サービスを、専門家の支援のもとで、インターネットのクラウド技術を使って簡単に利用できるようにしたもので、このようなサービスを提供することで、企業経営における税務管理、キャッシュフローの適正化改善を計画的に指南する支援ツールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明は、クラウド型サーバを通じて行う固定資産税の予測算出支援システムであって、基準の固定資産税は、家屋と償却資産とを一体として家屋として評価された際に税額が特定されたものを対象としている。
IT技術を用いたサービスの要部となるクラウド型サーバは、固定資産税を予測算出するための基礎データ橋渡し手段と、固定資産課税予測レポート橋渡し手段とを備えている。
ここに、基礎データ橋渡し手段は、依頼主側の第一の通信端末から固定資産課税予測レポートの作成依頼を受け、送信されて来た固定資産課税予測算出のための基礎データを受付けて保存する一方で、この第一の通信端末の依頼に応じた第二の通信端末に対しては、保存している前記基礎データのダウンロードを許容する処理をなし、他方の前記固定資産課税予測レポート橋渡し手段は、第一の通信端末の前記依頼に応じた、第二の通信端末に対しては、前記基礎データに基づいて受託者側が作成した、前記建築物から更新によって償却資産を除去した場合における残余の固定資産税の予想総額と、この更新によって新設された償却資産の償却資産税の予想総額とを含んだ固定資産課税予測レポートを受付けて保存する一方で、依頼を発した前記第一の通信端末に対しては、そのアクセスを許容して、前記固定資産課税予測レポートのダウンロードを許容する構成になっている。
【0006】
このような本発明では、建築物に含まれている償却資産の更新は、リースを用いた取替や償却資産を修繕したり、災害などによって滅失した場合に実施され、償却資産の更新にリースを用いる場合には、旧の償却資産は固定資産税の税額から控除されるだけでなく、新設した償却資産の税金は、リース業者が負担するので、建築物の所有者の税負担が著しく軽減されることになり、経営におけるキャッシュフローが計画的に著しく改善されることになる。
また、本発明でいう固定資産税には、市町村などの課税庁が課税する都市計画税も含まれている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、事業用建築物に組込まれた償却資産を取替、修繕、滅失などによって更新した場合に、それ以降に課税されるべき固定資産税額を、広く普及しているインターネットなどのIT技術を用いて、いち早くレポート形式で把握できるので、企業経営における税務管理、キャッシュフローの適正化改善を計画的に推進するツールとして利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のクラウド対応型の固定資産課税予測算出支援システムの基本構成図である。
図2】(a)は建築物の固定資産税の時間経過による変化を示すグラフ、(b)は建築物から償却資産を除却した場合の残余の固定資産税の時間経過による変化を示すグラフ、(c)は建築物の更新時に新設した償却資産に課税される償却資産税の時間経過による変化を示すグラフである。
図2A】(a)は、再建築価格と経年減点補正率を加味して訂正された建築物の固定資産税の時間経過による変化を示すグラフ、(b)は再建築価格と経年減点補正率を加味して訂正された建築物から償却資産を除却した場合の残余の固定資産税の時間経過による変化を示すグラフである。
図3】本発明システムにおいてクラウド型サーバ、第一、第二の通信端末間のデータ伝送を示す図である。
図4】固定資産課税予測算出支援システムの作業フローを示すフロー図である。
図5】(a)は基礎データの一例となる建築物の建築費計算書、(b)は基礎データの一例となる建築物の更新時に除去される償却資産の明細を記載した設備交換計画書、(c)は本発明によって提供される課税予想レポートを説明する図である。
図6】建築物の更新時における新旧一覧表を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明システムを説明すると、このシステムSは、依頼主側からの依頼を受けて、事業資産である建築物に含まれている償却資産となる設備機器を取替えた後における固定資産税、償却資産税の税額をいち早く知るために、クラウド型サーバ10を通じて、更新後の固定資産課税予測レポートを提供するサービスを行うものである。
事業資産となる建築物としては、ホテル、事務所、店舗、各種の商業テナントビル、住宅・アパート、倉庫が含まれ、償却資産を更新する前の建築物の固定資産税は、家屋とされる建物躯体部分と、償却資産となる設備機器とを一体として家屋として評価されているので、それらの価格や建築・工事費などを積算した価格に基づいて課税額が定められている。
【0010】
システムSは、コンサルタント会社等が運営するクラウド型サーバ10、建築主や営業担当者等、依頼主側が所持する第一の通信端末11、固定資産を評価するプロである不動産鑑定士、税務計算のプロである税理士等の受託者側が所持する第二の通信端末12を備えている。
図例では、第一の通信端末11は携帯端末、第二の通信端末12は固定端末を想定しているが、これらの種別は問わない。また、これらの通信機器はインターネットなどの通信ネットワークを介して相互に通信可能である。なお13はコンサルタント会社に設置されたメンテナンス、保守用の通信端末である。
【0011】
クラウド型サーバ10は、インターネット上に構成された仮想サーバである。
第一の通信端末11は、ノートパソコン、タブレット、あるいはスマートフォンが代表的であるが、写真や図面を撮影して伝送するためにカメラを搭載していることが望ましい。また、第二の通信端末12は、図例では事務所に設置される一般的なパーソナルコンピュータを想定しているが、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンであってもよい。
【0012】
クラウド型サーバ10は、機能的には、固定資産課税予測算出のための基礎データ橋渡し手段10aと、更新後の固定資産課税予測レポート橋渡し手段10bとを備えている。
ここに、基礎データ橋渡し手段10aは、依頼主側の第一の通信端末から依頼を受け、送信されて来た固定資産課税予測算出のための基礎データを受付けて保存する一方で、第一の通信端末の依頼に応じた第二の通信端末に対しては、保存している前記基礎データのダウンロードを許可する処理をなす。
一方の固定資産課税予測レポート橋渡し手段は、第一の通信端末の前記依頼に応じて更新後の固定資産課税予測レポートの作成を承諾した、第二の通信端末に対しては、前記基礎データに基づいて受託者側が作成した、更新後の固定資産課税予測レポートを受付けて保存する一方で、依頼を発した前記第一の通信端末に対しては、そのアクセスを許容して、前記固定資産課税予測レポートのダウンロードを許容させる処理をなす。
ここに、更新後の固定資産課税予測レポートは、更新によって償却資産を除却した場合における固定資産税の残余の予想総額と、更新によって新設した償却資産の償却資産税の予想総額とを区分し、全体の合計税額を明示したフォームになっている。
このような構成において、クラウド型サーバはファイル共有プログラムを稼働して実現され、そのプログラムにおいて、第一の通信端末11、第二の通信端末12は予めユーザー登録がなされ、第一の通信端末11、第二の通信端末12間では、ファイル共有アプリケーションが使用されている。このファイル共有アプリケーションは例えばエバーノート社のEvernote(登録商標)等が使用される。
【0013】
第一の通信端末11は、クラウド型サーバのファイル共有アプリケーションに対して電子ファイルのアップロード、ダウンロードをするためのファイル共有クライアントがインストールされているので、建築物を構成する建築物の主体構造部(通常は「家屋部分」と言われている)、除去される償却資産についての価格や建築・工事費、更新によって新設される償却資産についての価格や建築・工事費など、負担すべき税額に必要な情報が集められ、カメラで撮影することで、画像電子ファイルに変換してクラウド型サーバ10にアップロードしたり、クラウド型サーバ10から、後述する課税予測レポートの電子ファイルをダウンロードしたりできる。
【0014】
第二の通信端末12は、第一の通信端末11と同様にクラウド型サーバ10のファイル共有アプリケーションに対して電子ファイルのアップロード、ダウンロードをするためのファイル共有クライアントがインストールされている。また前述した更新後の固定資産課税予測レポートを作成、編集するためのプログラム等もインストールされている。
【0015】
ついで、更新後の固定資産課税予測レポートについて説明する。
この固定資産課税予測レポートは、図5の(c)に示したように、建築物から償却資産を除却したときの残余の固定資産税の予想総額と、新設した償却資産の償却資産税の予想総額とが記載され、更に、これらの税額の合計額が記載されている。
【0016】
ついで、図2(a)、(b)、(c)を参照しながら、建築物に課税される固定資産税、償却資産税を説明する。
図2(a)に示すグラフは、建築物に課税される固定資産税の時間経過による変化を示している。建築物の固定資産税は、建物躯体部分(A)と建築設備(B)とを一体として家屋として評価された評価額を基準として、法律的には経年減点の規則に従って定められている。したがって、時間経過につれて100%から順次減額され、法定耐用年数に到達したときに残価率20%になり、それ以降は20%のまま維持され、建物解体、滅失で0になる。また、法定耐用年数は建物の種別によって異なっている。
しかしながら、現状の固定資産税は、建築物の再建築価格の上昇によって相殺され、図2の(a)の一点鎖線や図2Aの(a)で示したように、新築時の評価額ベースにとどまっている場合が多い。
【0017】
また、図2(b)に示すグラフは、図2(a)の建築物が償却資産を更新した場合に、新設される償却資産の固定資産税の時間経過による変化を示すものであり、タイミングT1,T2は基本的に償却資産の定期的な取替時期を意味している。図例では、建築物の法定耐用年数を45年、償却資産の耐用年数を15年としている。
建築物は新築した後15年目T1に償却資産を取替えることによって、建築物の固定資産税は、除却された償却資産に対応した税額(B)はなくなるので、斜線で示した残余の固定資産税(A)となり、代わりに新設した償却資産については、15年の耐用年数で償却資産税(D)が課税され、この場合は、物価上昇率などによる調整はないので、順次低下して行く。つまり、新設されたタイミングで100%になるが、時間経過に従って法定耐用年数になると0%になるように減額され、最後に0になる。また、更に15年後T2に更新しても同じような課税となる。なお、(E)は、償却資産の2度の取替T1,T2を考慮した場合における平均値を示したものである。
【0018】
ところで、固定資産税は、現行法では、市長村が課税庁になっており、建物の新築時に通常の非分離方式で登記すると、建物の主体構造部と建築設備等は一体として「家屋」として評価されるので、法人税では、償却資産とされる建築設備等も、建物の構造によって区分されている耐用年数が適用されることになる。
すなわち、償却資産は本来は15年で終了するものが、建物に組み込まれると、建物の構造によって定められている耐用年数が適用される。
したがって、耐用年数が15年の償却資産が、耐用年数45年のRC構造の建物に組み込まれている場合には、45年まで延長され、この状態を放置しておけば、償却資産を取替えても、新設した償却資産は、償却資産税として課税されるだけでなく、取替えによって滅失した償却資産に対応した固定資産税も、そのまま残り、いわゆる二重払の不合理な状態になる。
このような不合理を解消するには、通常の非分離方式とは異なる分離方式で申告を行えばよいが、この分離方式を採用する場合、新設の償却資産の所有者は、その分の償却資産税を支払い、償却資産を除去した建築物の所有者は、残余の固定資産税を支払うことで、トータルすれば、かなりの税額が軽減されることになる。
本発明によれば、建築物に含まれる償却資産の一部を更新する場合に、更新後の固定資産税の残余の予想総額と、新設した償却資産の償却資産税の予想総額とが固定資産課税予測レポートとして、まとめられ税額が見える化されることになる。
【0019】
ついで、システムSの基本的な動作フローを説明する。
まず依頼主側は、第一の通信端末11によって建築物の建築費の資料や取替えるべき償却資産を特定し、資料をカメラで撮影するなどして、その電子ファイルを生成する。
そしてクラウド型サーバ10にログインして、予測レポートの作成を依頼し、作成した電子ファイルをアップロード伝送する。
クラウド型サーバ10は、第一の通信端末11から予測レポートの依頼を受けると、第二の通信端末に通知する。第二の通信端末が複数ある場合には、一斉に依頼を受けていることを通知する。第二の通信端末のうち、この依頼に応じた第二の通信端末12は、クラウド型サーバ10にログインして前記電子ファイルをダウンロード伝送する。
電子ファイルをダウンロードした第二の通信端末12は、電子ファイルに基づいて、固定資産税の軽減予想総額と、償却資産税の予想総額とを算出して課税予測レポートを作成する。このとき固定資産税の予想総額、償却資産税の予想総額は、例えば建築物の法定耐用年数が到達するまでの総額としてもよい。
かくして制作された課税予測レポートは、第二の通信端末12からクラウド型サーバ10にアップロード伝送されると、クラウド型サーバ10は、課税予測レポートの作成依頼をした第一の通信端末11に通知する。
その後依頼主側は、前記課税予測レポートをクラウド型サーバ10から第一の通信端末11にダウンロード伝送し、それを画面又は印刷表示して、その課税予想レポートに含まれている固定資産税の軽減予想総額、償却資産税の予想総額を見ることで把握できる。
【0020】
図3にクラウド型サーバ、第一、第二の通信端末11、12間のデータ伝送を示すシステム図である。
図中、(1)、(2)は固定資産課税予測算出のための基礎データの伝送を示している。また(3)は課税予測レポートの作成工程、(4)、(5)は固定資産課税予測レポートの伝送を示している。
依頼主側の第一の通信端末11からクラウド型サーバ10に固定資産課税予測レポートの作成を依頼し、固定資産課税予測算出のため基礎データが基礎データ橋渡し手段10aに伝送されると、クラウド型サーバ10は、第二の通信端末12に対して、一斉に依頼があったことを通知する。そして、いずれかの第二の通信端末12から、この依頼に応じることの通知を受けると、クラウド型サーバ10は、その第二の通信端末12のアクセスを許容して、基礎データをダウンロードさせる。
かくして、基礎データをダウンロードした第二の通信端末12では、専門家の共同作業によって、固定資産課税予測レポートが作成され、これをクラウド型サーバ10の固定資産課税予測レポート橋渡し手段10bにアップロードすれば、クラウド型サーバ10は、課税予測レポートの作成を依頼した第一の通信端末11に通知して、第一の通信端末11がクラウド型サーバ10にアクセスして来れば、作成された課税予測レポートをダウンロードさせる。
【0021】
図4に本発明システムにおけるIT機器の動作を時系列的に示すが、ステップS11~S13,S18,S19は第一の通信端末、ステップS14~S17は第二の通信端末の動作を示している。
【0022】
図5(a)~(d)は、課税予測レポートと、建築物の築更建築費計算書、設備交換計画書の一例を示しており、図6は、建築物の更新時に除去する建築設備と、新設する建築設備をリストアップした新旧一覧表を示している。
本発明では、依頼者には、図5(a)に示した課税予測レポートが提供されるが、その際に図5(b)に示した新旧比較表や、図5(c)、(d)に示したような建築物の築更建築費計算書、設備交換計画書が付加資料として提供することで、依頼者には、十分な満足を与え、付加価値の高いサービスが提供できる。
【符号の説明】
【0023】
10 クラウド型サーバ
10a 第一の手段
10b 第二の手段
11 第一の通信端末
12 第二の通信端末
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6