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特開2022-167772アンテナ構造体、アンテナ構造体の製造方法、アンテナ構造体の組立て方法、アンテナ構造体の使用方法、及び可動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167772
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】アンテナ構造体、アンテナ構造体の製造方法、アンテナ構造体の組立て方法、アンテナ構造体の使用方法、及び可動装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 9/18 20060101AFI20221027BHJP
   H01Q 13/08 20060101ALI20221027BHJP
   H01P 11/00 20060101ALI20221027BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
H01Q9/18
H01Q13/08
H01P11/00
H01Q21/24
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005037
(22)【出願日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】110114737
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522021837
【氏名又は名称】台湾禾邦電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】鄭 大福
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰一
(72)【発明者】
【氏名】蘇 志銘
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5J021AA09
5J021AB06
5J021JA05
5J045DA09
5J045NA01
(57)【要約】
【課題】高い垂直偏波利得が得られる、アンテナ構造体、アンテナ構造体の製造方法、アンテナ構造体の組立て方法、アンテナ構造体の使用方法、及び可動装置を提供する。
【解決手段】アンテナ構造体の製造方法は、アンテナシミュレーションソフトウェアに基づいてアンテナシミュレーション情報を取得し、アンテナシミュレーション情報に基づいて、アンテナ構造体を形成するようにチップアンテナと金属部品とを回路基板に固定させて、アンテナ構造体によるアンテナ電気情報及びアンテナパターン情報を取得するようにアンテナ構造体をテストする。金属部品とチップアンテナとの距離はλ/2以下に、金属部品の全長をλ/8以上に、回路基板の面の向く方向に沿って金属部品が回路基板から延在する高さはλ/16以上にするように設定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナシミュレーションソフトウェアによって、仮想チップアンテナ及び仮想金属部品を仮想回路基板に配置する最適配置と、前記仮想金属部品の最適寸法とを評価することで、アンテナシミュレーション情報を取得し、
前記アンテナシミュレーション情報に基づいて、チップアンテナと金属部品とを回路基板に固定させることによってアンテナ構造体を形成し、
前記アンテナ構造体をテストすることによって、前記アンテナ構造体によるアンテナ電気情報及びアンテナパターン情報を取得し、
前記アンテナ構造体において、無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、前記金属部品と前記チップアンテナと距離をλ/2以下に、前記金属部品の全長をλ/8以上に、前記回路基板の面の向く方向に沿って前記金属部品が前記回路基板から延在する高さをλ/16以上にするように設定し、
前記アンテナ構造体による垂直偏波パターンと同じ方位において、前記金属部品を使用した前記アンテナ構造体による垂直偏波利得は、前記金属部品を使用していない前記アンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きくなることを特徴とする、アンテナ構造体の製造方法。
【請求項2】
前記仮想チップアンテナ及び前記仮想金属部品を前記仮想回路基板に配置する前記最適配置は、前記仮想チップアンテナを前記仮想回路基板に配置するチップアンテナ位置情報と、前記仮想金属部品を前記仮想回路基板に配置する金属部品位置情報とを含み、
前記仮想金属部品の前記最適寸法は、前記仮想金属部品の形状情報と、前記仮想金属部品と前記仮想チップアンテナとの距離情報と、前記仮想金属部品の全長情報と、前記回路基板から前記回路基板の面の向く方向に沿って前記仮想金属部品が延在する高さ情報とを含み、
前記アンテナシミュレーション情報は、前記仮想チップアンテナの前記チップアンテナ位置情報と、前記仮想金属部品の前記金属部品位置情報と、前記仮想金属部品の前記形状情報と、前記距離情報と、前記全長情報と、前記高さ情報とを含み、
前記金属部品を前記回路基板の上面及び下面の一方に配置されると共に、前記回路基板に電気的に接続され、前記チップアンテナは、前記回路基板の前記上面に配置されると共に前記金属部品と互いに離間して配置され、
前記金属部品はシート状または柱状であり、かつ、前記金属部品と前記回路基板となす角度は85度~95度であり、
前記金属部品は、前記回路基板に固定された固定部と、及び上向きに延在するように前記固定部に連接する延在部とを含み、前記金属部品における前記固定部は、はんだ付け、ねじ止め、または締結によって前記回路基板に固定され、
前記金属部品と前記チップアンテナとの距離をλ/4~λ/2にし、前記金属部品の全長をλ/8~2λにし、前記回路基板の面の向く方向に沿って前記金属部品が前記回路基板から延在する高さをλ/16~1λにするように設定する、請求項1に記載のアンテナ構造体の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載されるアンテナ構造体の製造方法で製造された垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体であって、
前記アンテナ構造体による垂直偏波パターンと同じ方位において、前記金属部品を使用した前記アンテナ構造体による垂直偏波利得は、前記金属部品を使用していない前記アンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きくなり、
前記金属部品は、前記回路基板の上面または下面の一方に配置されると共に前記回路基板に電気的に接続され、前記チップアンテナは、前記回路基板の前記上面に前記金属部品と互いに離間して配置され、
前記金属部品はシート状または柱状に構成され、前記金属部品と前記回路基板となす角度は85度~95度であり、
前記金属部品は、前記回路基板に固定された固定部と、及び上向きに延在するように前記固定部に連接される延在部とを含み、前記金属部品は、前記固定部は、はんだ付け、ねじ止め、または締結によって前記回路基板に固定され、
前記金属部品と前記チップアンテナとの距離をλ/4~λ/2に、前記金属部品の全長をλ/8~2λに、前記回路基板の面の向く方向に沿って前記金属部品が前記回路基板から延在する高さをλ/16~1λにするように設定し、
前記アンテナ構造体は、動作周波数それぞれが6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzである場合、電圧定在波比がそれぞれ1.3、1.2及び1.4であると測定され、
前記アンテナ構造体は、動作周波数それぞれが6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzである場合、放射効率がそれぞれ81%、81%及び79%と測定され、
前記アンテナ構造体は、動作周波数それぞれが6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzである場合、ピークゲインがそれぞれ1.8dBi、1.9dBi及び2.1dBiと測定されたことを特徴とする、アンテナ構造体。
【請求項4】
回路基板、チップアンテナ及び金属部品を用意し、
前記チップアンテナと前記金属部品を前記回路基板上に固定させることで、アンテナ構造体を形成し、
前記アンテナ構造体において無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、前記金属部品と前記チップアンテナとの距離をλ/2以下に、前記金属部品の全長をλ/8以上に、前記回路基板の面の向く方向に沿って前記金属部品が前記回路基板から延在する高さをλ/16以上にするように設定し、
前記アンテナ構造体による垂直偏波パターンと同じ方位において、前記金属部品を使用した前記アンテナ構造体による垂直偏波利得は、前記金属部品を使用していない前記アンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きいアンテナ構造体の組立て方法。
【請求項5】
仮想チップアンテナ及び仮想金属部品を仮想回路基板に配置する最適配置は、前記仮想チップアンテナを前記仮想回路基板に配置するチップアンテナ位置情報と、前記仮想金属部品を前記仮想回路基板に配置する金属部品位置情報とを含み、
前記仮想金属部品の最適寸法は、前記仮想金属部品の形状情報と、前記仮想金属部品と前記仮想チップアンテナとの距離情報と、前記仮想金属部品の全長情報と、前記回路基板から前記回路基板の面の向く方向に沿って前記仮想金属部品が延在する高さ情報とを含み、
アンテナシミュレーション情報は、前記仮想チップアンテナの前記チップアンテナ位置情報と、前記仮想金属部品の前記金属部品位置情報と、前記仮想金属部品の前記形状情報と、前記距離情報と、前記全長情報と、前記高さ情報とを含み、
前記金属部品を前記回路基板の上面及び下面の一方に配置されると共に、前記回路基板に電気的に接続され、前記チップアンテナは、前記回路基板の前記上面に配置されると共に前記金属部品と互いに離間して配置され、
前記金属部品はシート状または柱状であり、かつ、前記金属部品と前記回路基板となす角度は85度~95度であり、
前記金属部品は、前記回路基板に固定された固定部と、及び上向きに延在するように前記固定部に連接する延在部とを含み、前記金属部品における前記固定部は、はんだ付け、ねじ止め、または締結によって前記回路基板に固定され、
前記金属部品と前記チップアンテナとの距離をλ/4~λ/2にし、前記金属部品の全長をλ/8~2λにし、前記回路基板の面の向く方向に沿って前記金属部品が前記回路基板から延在する高さをλ/16~1λにするように設定する、請求項4に記載のアンテナ構造体の組立て方法。
【請求項6】
請求項4に記載されるアンテナ構造体の組立て方法で製造された垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体であって、
前記アンテナ構造体による垂直偏波パターンと同じ方位において、前記金属部品を使用した前記アンテナ構造体による垂直偏波利得は、前記金属部品を使用していない前記アンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きくなり、
前記金属部品は、前記回路基板の上面または下面の一方に配置されると共に前記回路基板に電気的に接続され、前記チップアンテナは、前記回路基板の前記上面に前記金属部品と互いに離間して配置され、
前記金属部品はシート状または柱状に構成され、前記金属部品と前記回路基板となす角度は85度~95度であり、
前記金属部品は、前記回路基板に固定された固定部と、及び上向きに延在するように前記固定部に連接される延在部とを含み、前記金属部品は、前記固定部は、はんだ付け、ねじ止め、または締結によって前記回路基板に固定され、
前記金属部品と前記チップアンテナとの距離をλ/4~λ/2に、前記金属部品の全長をλ/8~2λに、前記回路基板の面の向く方向に沿って前記金属部品が前記回路基板から延在する高さをλ/16~1λにするように設定し、
前記アンテナ構造体は、動作周波数それぞれが6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzである場合、電圧定在波比がそれぞれ1.3、1.2及び1.4であると測定され、
前記アンテナ構造体は、動作周波数それぞれが6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzである場合、放射効率がそれぞれ81%、81%及び79%と測定され、
前記アンテナ構造体は、動作周波数それぞれが6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzである場合、ピークゲインがそれぞれ1.8dBi、1.9dBi及び2.1dBiと測定されたことを特徴とする、アンテナ構造体。
【請求項7】
回路基板、前記回路基板に配置されたチップアンテナ、及び前記回路基板に配置された金属部品を含むアンテナ構造体を用意し、
前記金属部品と前記チップアンテナとの配置が相俟って、前記アンテナ構造体に垂直偏波パターンを生じさせ、
前記アンテナ構造体において、無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、前記金属部品と前記チップアンテナとの距離をλ/2以下に、前記金属部品の全長をλ/8以上に、前記回路基板の面の向く方向に沿って前記金属部品が前記回路基板から延在する高さをλ/16以上にするように設定し、
前記アンテナ構造体による前記垂直偏波パターンと同じ方位において、前記金属部品を使用した前記アンテナ構造体による垂直偏波利得は、前記金属部品を使用していない前記アンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きくなることを特徴とする、アンテナ構造体の使用方法。
【請求項8】
仮想チップアンテナ及び仮想金属部品を仮想回路基板に配置する最適配置は、前記仮想チップアンテナを前記仮想回路基板に配置するチップアンテナ位置情報と、前記仮想金属部品を前記仮想回路基板に配置する金属部品位置情報とを含み、
前記仮想金属部品の最適寸法は、前記仮想金属部品の形状情報と、前記仮想金属部品と前記仮想チップアンテナとの距離情報と、前記仮想金属部品の全長情報と、前記回路基板から前記回路基板の面の向く方向に沿って前記仮想金属部品が延在する高さ情報とを含み、
アンテナシミュレーション情報は、前記仮想チップアンテナの前記チップアンテナ位置情報と、前記仮想金属部品の前記金属部品位置情報と、前記仮想金属部品の前記形状情報と、前記距離情報と、前記全長情報と、前記高さ情報とを含み、
前記金属部品を前記回路基板の上面及び下面の一方に配置されると共に、前記回路基板に電気的に接続され、前記チップアンテナは、前記回路基板の前記上面に配置されると共に前記金属部品と互いに離間して配置され、
前記金属部品はシート状または柱状であり、かつ、前記金属部品と前記回路基板となす角度は85度~95度であり、
前記金属部品は、前記回路基板に固定された固定部と、及び上向きに延在するように前記固定部に連接する延在部とを含み、前記金属部品における前記固定部は、はんだ付け、ねじ止め、または締結によって前記回路基板に固定され、
前記金属部品と前記チップアンテナとの距離をλ/4~λ/2にし、前記金属部品の全長をλ/8~2λにし、前記回路基板の面の向く方向に沿って前記金属部品が前記回路基板から延在する高さをλ/16~1λにするように設定する、請求項7に記載のアンテナ構造体の使用方法。
【請求項9】
請求項7に記載されるアンテナ構造体の使用方法が提供される垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体であって、
前記アンテナ構造体による垂直偏波パターンと同じ方位において、前記金属部品を使用した前記アンテナ構造体による垂直偏波利得は、前記金属部品を使用していない前記アンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きくなり、
前記金属部品は、前記回路基板の上面または下面の一方に配置されると共に前記回路基板に電気的に接続され、前記チップアンテナは、前記回路基板の前記上面に前記金属部品と互いに離間して配置され、
前記金属部品はシート状または柱状に構成され、前記金属部品と前記回路基板となす角度は85度~95度であり、
前記金属部品は、前記回路基板に固定された固定部と、及び上向きに延在するように前記固定部に連接される延在部とを含み、前記金属部品は、前記固定部は、はんだ付け、ねじ止め、または締結によって前記回路基板に固定され、
前記金属部品と前記チップアンテナとの距離をλ/4~λ/2に、前記金属部品の全長をλ/8~2λに、前記回路基板の面の向く方向に沿って前記金属部品が前記回路基板から延在する高さをλ/16~1λにするように設定し、
前記アンテナ構造体は、動作周波数それぞれが6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzである場合、電圧定在波比がそれぞれ1.3、1.2及び1.4であると測定され、
前記アンテナ構造体は、動作周波数それぞれが6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzである場合、放射効率がそれぞれ81%、81%及び79%と測定され、
前記アンテナ構造体は、動作周波数それぞれが6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzである場合、ピークゲインがそれぞれ1.8dBi、1.9dBi及び2.1dBiと測定されたことを特徴とする、アンテナ構造体。
【請求項10】
回路基板、前記回路基板に配置されたチップアンテナ、及び前記回路基板に配置された金属部品を含む、アンテナ構造体を備える可動装置であって、
前記アンテナ構造体において無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、前記金属部品と前記チップアンテナとの距離はλ/2以下に、前記金属部品の全長はλ/8以上に、前記金属部品が前記回路基板から前記回路基板の面の向く方向に沿って延在する高さはλ/16以上にするように設定され、
前記アンテナ構造体による垂直偏波パターンと同じ方位において、前記金属部品を使用した前記アンテナ構造体による垂直偏波利得は、前記金属部品を使用していない前記アンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きくなることを特徴とする、可動装置。
【請求項11】
前記金属部品は、前記回路基板の上面または下面の一方に配置されると共に前記回路基板に電気的に接続され、前記チップアンテナは、前記回路基板の前記上面に前記金属部品と互いに離間して配置され、
前記金属部品はシート状または柱状に構成され、前記金属部品と前記回路基板となす角度は85度~95度であり、
前記金属部品は、前記回路基板に固定された固定部と、及び上向きに延在するように前記固定部に連接される延在部とを含み、前記金属部品は、前記固定部は、はんだ付け、ねじ止め、または締結によって前記回路基板に固定され、
前記金属部品と前記チップアンテナとの距離はλ/4~λ/2に、前記金属部品の全長はλ/8~2λに、前記回路基板の面の向く方向に沿って前記金属部品が前記回路基板から延在する高さはλ/16~1λにするように設定される、請求項10に記載の可動装置。
【請求項12】
前記金属部品は、第1の垂直エレメント及び第1の水平エレメントを備え、前記第1の垂直エレメントは前記回路基板に垂直となり、前記第1の水平エレメントは前記第1の垂直エレメントより前記チップアンテナから離れる方向に水平に延在するように構成される、請求項10に記載の可動装置。
【請求項13】
前記金属部品は、第1の垂直エレメント、第1の水平エレメント及び第2の垂直エレメントを含み、前記第1の垂直エレメントは前記回路基板に垂直となり、前記第1の水平エレメントは前記第1の垂直エレメントより前記チップアンテナから離れる方向に水平に延在し、前記第2の垂直エレメントは前記第1の水平エレメントから上向きに延在すると共に前記第1の水平エレメントに垂直となるように構成される、請求項10に記載の可動装置。
【請求項14】
前記金属部品は、第1の垂直エレメント、第1の水平エレメント、第2の垂直エレメント、及び第2の水平エレメントを含み、前記第1の垂直エレメントは前記回路基板に垂直となり、前記第1の水平エレメントは前記第1の垂直エレメントより前記チップアンテナから離れる方向に水平に延在し、前記第2の垂直エレメントは前記第1の水平エレメントから上向きに延在すると共に前記第1の水平エレメントに垂直となり、前記第2の水平エレメントは前記第2の垂直エレメントより前記チップアンテナに近づく方向に水平に延在するように構成される、請求項10に記載の可動装置。
【請求項15】
前記金属部品は、第1の垂直エレメント、第1の水平エレメント、第2の垂直エレメント、第2の水平エレメント、及び第3の垂直エレメントを含み、前記第1の垂直エレメントは前記回路基板に垂直となり、前記第1の水平エレメントは前記第1の垂直エレメントより前記チップアンテナから離れる方向に水平に延在し、前記第2の垂直エレメントは前記第1の水平エレメントから上向きに延在すると共に前記第1の水平エレメントに垂直となり、前記第2の水平エレメントは前記第2の垂直エレメントから前記チップアンテナに近づく方向に水平に延在し、前記第3の垂直エレメントは前記第2の水平エレメントから上向きに延在すると共に前記第2の水平エレメントに垂直となるように構成される、請求項10に記載の可動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ構造体に関し、特に、垂直偏波利得を向上させるアンテナ構造体、アンテナ構造体の製造方法、アンテナ構造体の組立て方法、アンテナ構造体の使用方法、及びそのアンテナ構造を使用した可動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存技術では、チップアンテナを用いたアンテナ構造体は、所望の水平偏波パターンを提供できる(水平偏波利得が高い)だけで、所望の垂直偏波パターンを単独で提供できない(垂直偏波利得が良くない)ので、チップアンテナを用いた既存のアンテナ構造には改善の余地が残されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、既存の技術の不足に対し、垂直偏波利得を高めるアンテナ構造体、アンテナ構造体の製造方法、アンテナ構造体の組立て方法、アンテナ構造体の使用方法、及び可動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本発明に採用された技術的手段の一つは、次のようなアンテナ構造体の製造方法を提供することである。アンテナ構造体の製造方法は、アンテナシミュレーションソフトウェアによって、仮想回路基板における仮想チップアンテナ及び仮想金属部品の最適配置、或いは仮想金属部品の最適寸法を評価することによって、アンテナシミュレーション情報を取得し、アンテナシミュレーション情報に基づいてチップアンテナ及び金属部品を回路基板に固定させることで、アンテナ構造体を形成し、アンテナ構造体をテストすることによって、アンテナ構造体によるアンテナ電気情報及びアンテナパターン情報を取得する。なかでも、アンテナ構造体における無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、金属部品とチップアンテナとの距離はλ/2以下し、金属部品の全長をλ/8以上に、回路基板の面の向く方向に沿って金属部品が回路基板から延在する高さをλ/16以上にするように設定する。なかでも、アンテナ構造体による垂直偏波パターンと同じ方位において、金属部品を使用したアンテナ構造体による垂直偏波利得は、金属部品を使用してないアンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きい。
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本発明に採用された技術的手段の一つは、垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体を提供し、かつ、前記アンテナ構造体はアンテナ構造体の製作方法で製造される。
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本発明に採用された技術的手段の一つは、アンテナ構造体の組立て方法を提供することである。アンテナ構造体の組立て方法は、回路基板、チップアンテナ及び金属部品を用意する。チップアンテナと金属部品とを回路基板に固定させることでアンテナ構造体を形成する。なかでも、アンテナ構造体無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、金属部品とチップアンテナとの距離はλ/2以下に、金属部品の全長をλ/8以上に、回路基板の面の向く方向に沿って金属部品が回路基板から延在する高さをλ/16以上にするように設定する。なかでも、アンテナ構造体による垂直偏波パターンと同じ方位において、金属部品を使用したアンテナ構造体による垂直偏波利得は、金属部品を使用してないアンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きい。
【0007】
上記技術的課題を解決するために、本発明に採用された技術的手段の一つは、垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体を提供する。アンテナ構造体は、アンテナ構造体の組立て方法で製造される。
【0008】
上記技術的課題を解決するために、本発明に採用された技術的手段の一つは、アンテナ構造体の使用方法を提供することである。アンテナ構造体の使用方法は、回路基板、回路基板に配置されたチップアンテナ、及び回路基板に配置された金属部品を含む、アンテナ構造体を用意する。金属部品とチップアンテナとが相俟って、アンテナ構造体に垂直偏波パターンを生成させる。なかでも、アンテナ構造体無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、金属部品とチップアンテナとの距離はλ/2以下に、金属部品の全長をλ/8以上に、回路基板の面の向く方向に沿って金属部品が回路基板から延在する高さをλ/16以上にするように設定する。なかでも、アンテナ構造体による垂直偏波パターンと同じ方位において、金属部品を使用したアンテナ構造体による垂直偏波利得は、金属部品を使用してないアンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きい。
【0009】
上記技術的課題を解決するために、本発明に採用された技術的手段の一つは、垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体を提供する。アンテナ構造体はアンテナ構造体の使用方法に適用される。
【0010】
上記技術的課題を解決するために、本発明に採用された技術的手段の一つは、次のような可動装置を提供することにある。可動装置は、回路基板、回路基板に配置されたチップアンテナ、及び回路基板に配置された金属部品を含む、アンテナ構造体を備える。なかでも、アンテナ構造体における無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、金属部品とチップアンテナとの距離はλ/2以下に、金属部品の全長をλ/8以上に、回路基板の面の向く方向に沿って金属部品が回路基板から延在する高さをλ/16以上にするように設定する。なかでも、アンテナ構造体による垂直偏波パターンと同じ方位において、金属部品を使用したアンテナ構造体による垂直偏波利得は、金属部品を使用してないアンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きい。
【発明の効果】
【0011】
本発明による有益な効果の1つとしては、本発明は、垂直偏波利得を高めるために、アンテナ構造体、アンテナ構造体の製造方法、アンテナ構造体の組立て方法、アンテナ構造体の使用方法、及び可動装置を提供する点である。「アンテナ構造体が回路基板、回路基板に配置されたチップアンテナ、及び回路基板に配置された金属部品を含む」、及び「金属部品とチップアンテナとの距離はλ/2以下に、金属部品の全長をλ/8以上に、回路基板の面の向く方向に沿って金属部品が回路基板から延在する高さをλ/16以上にするように設定する」といった技術的手段によって、アンテナ構造体による垂直偏波パターンと同じ方位において、金属部品を使用したアンテナ構造体による垂直偏波利得が金属部品を使用してないアンテナ構造体による垂直偏波利得よりも大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る第1の実施形態のアンテナ構造体の製造方法を示すフローチャートである。
図2】本発明に係る第1の実施形態のアンテナ構造体の組立て方法を示すフローチャートである。
図3】本発明に係る第1の実施形態のアンテナ構造体の使用方法を示すフローチャートである。
図4】本発明に係る第1の実施形態の可動装置を示す機能ブロック図である。
図5】本発明に係る第1の実施形態のアンテナ構造体を示す機能斜視模式図である。
図6】本発明に係る第1の実施形態のアンテナ構造体を示す部分平面図である。
図7】本発明に係る第1の実施形態のアンテナ構造体を示す側面模式図である。
図8】本発明に係る第1の実施形態おいて、金属部品を使用したアンテナ構造体と金属部品を使用していないアンテナ構造体とのそれぞれが、異なる周波数で得られた電圧定在波比を示す曲線図である。
図9】本発明に係る第1の実施形態において、金属部品を使用したアンテナ構造体と、金属部品を使用していないアンテナ構造体とのそれぞれが、異なる周波数で得られた放射効率を示す曲線図である。
図10】本発明に係る第1の実施形態において、金属部品を使用したアンテナ構造体と、金属部品を使用していないアンテナ構造体とのそれぞれが、異なる周波数で得られたピークゲインを示す曲線図である。
図11】本発明に係る第1の実施形態において、金属部品を使用したアンテナ構造体と金属部品を使用していないアンテナ構造体とをそれぞれ6239.6MHzで操作される場合、Y-Z平面上の垂直偏波パターンを示す模式図である。
図12】本発明に係る第1の実施形態において、金属部品を使用したアンテナ構造体と金属部品を使用していないアンテナ構造体とをそれぞれ6239.6MHzで操作される場合、X-Y平面での垂直偏波パターンを示す模式図である。
図13】本発明に係る第1の実施形態において、金属部品を使用したアンテナ構造体と金属部品を使用していないアンテナ構造体とをそれぞれ6489.6MHzで操作された場合、Y-Z平面での垂直偏波パターンを示す模式図である。
図14】本発明に係る第1の実施形態において、金属部品を使用したアンテナ構造体と金属部品を使用していないアンテナ構造体とをそれぞれ6489.6MHzで操作される場合、X-Y平面での垂直偏波パターンを示す模式図である。
図15】本発明に係る第1の実施形態において、金属部品を使用したアンテナ構造体と、金属部品を使用していないアンテナ構造体とをそれぞれ6739.6MHzで操作される場合、Y-Z平面での垂直偏波パターンを示す模式図である。
図16】本発明に係る第1の実施形態において、金属部品を使用したアンテナ構造体と、金属部品を使用していないアンテナ構造体とをそれぞれ6739.6MHzで操作される場合、X-Y平面での垂直偏波パターンを示す模式図である。
図17】本発明に係る第2の実施形態のアンテナ構造体を示す側面模式図である。
図18】本発明に係る第3の実施形態のアンテナ構造体を示す側面模式図である。
図19】本発明に係る第4の実施形態のアンテナ構造体を示す側面模式図である。
図20】本発明に係る第5の実施形態のアンテナ構造体を示す側面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0014】
下記より、具体的な実施例で本発明が開示する実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。また、本明細書に用いられる「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連する項目中の何れか一つ又は複数の組合せを含み得る。
[第1の実施形態]
【0015】
図1図5乃至図16を参照されたい。本発明に係る第1の実施形態は、アンテナ構造体の製造方法を提供する。まず、図1図5乃至図7に示すように、アンテナシミュレーションソフトウェアによって、仮想チップアンテナ及び仮想金属部品のそれぞれが仮想回路基板での最適配置と、仮想金属部品の最適寸法とを評価することで、アンテナシミュレーション情報を取得する(ステップS100)。アンテナシミュレーション情報に基づいて、チップアンテナ2と金属部品3とを回路基板1に固定させることで、アンテナ構造体Sを取得する(ステップS102)。続いて、図1図8乃至図16に示すように、アンテナ構造体Sをテストすることによって、アンテナ構造体Sによるアンテナ電気情報(例えば、図8乃至図10に示すように)及びアンテナパターン情報(例えば、図11乃至図16に示すように)(ステップS104)を取得する。また、本発明に係る第1の実施形態はさらに、アンテナ構造体の製造方法で作られたアンテナ構造体Sを提供する。これによって、アンテナ構造体Sの垂直偏波利得を向上させる。
【0016】
図2図5乃至図16に示すように、本発明に係る第1の実施形態は、次のようなアンテナ構造体の組立て方法を提供する。まず、図2に示すように、回路基板1、チップアンテナ2及び金属部品3を用意する(ステップS200)。そして、図2図5乃至図7に示すように、チップアンテナ2と金属部品3とを回路基板1に固定させることで、アンテナ構造体Sを形成する(ステップS202)。また、本発明に係る第1の実施形態はさらに、アンテナ構造体の組立て方法で製造されたアンテナ構造体Sを提供することで、アンテナ構造体Sの垂直偏波利得を向上させる。
【0017】
図3図5乃至図16に示すように、本発明に係る第1の実施形態は、アンテナ構造体の使用方法を提供する。まず、図3図5乃至図7に示すように、アンテナ構造体Sを用意する。アンテナ構造体Sは、回路基板1、回路基板1に配置されたチップアンテナ2、及び回路基板1に配置された金属部品3を含む(ステップS300)。そして、図3図11乃至図16に示すように、金属部品3とチップアンテナ2との(配置レイアウト)が相俟って、アンテナ構造体Sに垂直偏波パターンを生じさせる(ステップS302)。また、本発明に係る第1の実施形態はさらに、垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体Sを提供する。かつ、アンテナ構造体Sは、アンテナ構造体の使用方法に適用される。
【0018】
図4図5乃至図16に示すように、本発明に係る第1の実施形態において、可動装置Mが提供される。可動装置Mは、アンテナ構造体Sを使用した。アンテナ構造体Sは、回路基板1、回路基板1に配置されたチップアンテナ2、及び回路基板1に配置された金属部品3を含む。例えば、可動装置Mとしては、自動車、船舶、航空機などあらゆる輸送手段が挙げられる。
【0019】
なお、図6に示すように、アンテナ構造体Sにおける無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、金属部品3とチップアンテナ2との距離D(チップアンテナ2の一端部から金属部品3の一端部までの間隔距離)はλ/2以下(またはλ/2より小さい)にすることが好ましい。また、金属部品3の全長L(金属部品3の一方の末端から金属部品3の他方の末端までの距離)は、λ/8以上(またはλ/8よりも大きい)にすることが好ましい。かつ、金属部品3が回路基板1に対する高さH(金属部品3の底端部から金属部品3の頂端部の垂直距離)はλ/16以上(またはλ/16よりも大きい)にすることが好ましい。このように、図11乃至図16に示すように、アンテナ構造体Sによる垂直偏波パターンと同じ方位において、(例えば、同様な仮想延伸線または同様な延伸方向において)「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」による垂直偏波利得(例えば、図11乃至図16において実線で示された輪禍)は、「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」による垂直偏波利得(例えば、図11乃至図16において破線で示された輪郭)よりも大きい。
【0020】
例えば、ステップS100において、アンテナシミュレーションソフトウェアとしては、CST、HFSS、Sonnet、XFDTDまたは FEKO等であってもよい。また、仮想チップアンテナ及び仮想金属部品のそれぞれが仮想回路基板での最適配置について例を挙げれば、少なくとも仮想チップアンテナを仮想回路基板に配置するための「チップアンテナ位置情報(例えば、仮想チップアンテナを仮想回路基板の所定位置に配置する)」、及び「仮想金属部品を仮想回路基板に配置するための金属部品位置情報(例えば、仮想金属部品を仮想チップアンテナの近傍位置に配置する)」が挙げられる。また、仮想金属部品の最適寸法について例を挙げれば、少なくとも仮想金属部品の「形状情報(例えば、柱状の金属部品の使用(或いは柱状金属部品のみを採用)、シート状金属部品の使用(或いはシート状金属部品のみを採用)、または任意形状の金属部品)」、仮想金属部品から仮想チップアンテナまでの「距離情報(例えば、金属部品3とチップアンテナ2との距離Dをλ/4~λ/2に設定するか、或いはλ/4よりも小さく設定するか)」、「仮想金属部品の全長情報(例えば、金属部品3の全長Lをλ/8~2λに設定するか、或いは2λよりも大きく設定するか)」、及び「仮想金属部品から仮想回路基板までの高さ情報(例えば、回路基板1の面の向く方向に沿って金属部品3が回路基板1から延在する高さHをλ/16~1λに設定するか、或いは2λよりも大きく設定するか)」。即ち、アンテナシミュレーションソフトウェアによって得られたアンテナシミュレーション情報は、少なくとも仮想チップアンテナの位置情報、仮想金属部品の金属部品の位置情報、仮想金属部品の形状情報、仮想金属部品の距離情報、仮想金属部品の全長情報及び仮想金属部品の高さ情報を含む。なお、上記の例は、実施可能な実施形態の1つを例示したに過ぎず、本発明を限定する意図はない。
【0021】
例えば、ステップS102において、アンテナシミュレーション情報に基づいて、チップアンテナ2は、回路基板1の所定位置に溶接によって固定されてもよい。それによって、チップアンテナ2の2つの端子電極を、回路基板1の2つの導電性はんだパッドにそれぞれ溶接で固定させることで、チップアンテナ2を回路基板1に電気的に接続させる。また、ステップS102において、アンテナシミュレーション情報に基づいて、金属部品3を回路基板1に電気的に接続するために、金属部品3をはんだ付け、ロック、クランプによって回路基板1上の別の所定位置に固定することで、金属部品3をはんだ付け、ねじ止め、または締結によって回路基板1上の少なくとも1つの導電性はんだパッドに固定されてもよい。注意すべきは、金属部品3は、回路基板1における上面101と下面102との何れか一方に配置されると共に、回路基板1に電気的に接続されてもよい。かつ、チップアンテナ2が回路基板1の上面101に配置されると共に、金属部品3と互いに離間して配置されてもよい。また、金属部品3と回路基板となす角度は、85度~95度であってもよい。なお、上記の例は、実施可能な実施形態の1つを例示したに過ぎず、本発明を限定する意図はない。
【0022】
例えば、図5及び図6に示すように、チップアンテナ2が回路基板1の上面101における横方向に沿った中央部(チップアンテナの位置情報)に配置されると共に、金属部品3が回路基板1の上面101におけるチップアンテナ2の近傍にある所定位置(金属部品の位置情報)に配置される。また、図5及び図6に示すように、金属部品3は直立姿の柱状金属部品(形状情報)であるため、金属部品3と回路基板となす角度はちょうど90度となる。また、図7に示すように、金属部品3とチップアンテナ2との距離Dはλ/4(距離情報)に設定してもよい。金属部品3の全長Lをλ/8(全長情報)に設定してもよい。回路基板1の面の向く方向に沿って金属部品3が回路基板1から延在する高さHをλ/8(高さ情報)に設定してもよい。このように、ステップS104において、図8乃至図16に示すように、アンテナシミュレーション情報に基づいて製造されたアンテナ構造体Sを実際にテストすると、アンテナ構造体Sによるアンテナ電気情報(例えば、図8乃至図10に示すように)、及びアンテナパターン情報(例えば、図11乃至図16に示すように)を取得することができる。ところで、金属部品3は、柱状金属部品、シート状金属部品または任意形状の金属部品のいずれを採用したかにかかわらず、柱状金属部品の直径方向寸法(またはシート状金属部品の幅方向寸法、厚さ)等は、アンテナ構造体Sの垂直偏波パターンにあまり影響を及ばない。
【0023】
さらに言えば、図8に示すように、図8は、本発明に係る第1の実施形態に提供される「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」、及び「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」のそれぞれが、異なる周波数で得られた電圧定在波比(Voltage Standing Wave Ratio,VSWR)を示す曲線図である。例えば、本発明に係る第1の実施形態において、金属部品3を使用したアンテナ構造体Sをテストする場合、動作周波数がそれぞれ6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzの場合で測定された電圧定在波比はそれぞれ、1.3、1.2及び1.4となる。本発明に係る第1の実施形態において、金属部品3を使用していないアンテナ構造体Sをテストする場合、動作周波数がそれぞれ6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzの場合で測定された電圧定在波比はそれぞれ1.3、1.2及び1.3となる。即ち、本発明に係る第1の実施形態において、アンテナ構造体Sが金属部品3を使用したかしないかにもかかわらず、動作周波数が6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzのいずれである場合にも、2以下の電圧定在波比が得られる。
【0024】
さらに言えば、図9に示すように、図9は、本発明に係る第1の実施形態に提供された「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」、及び「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」のそれぞれが異なる周波数で得られた放射効率(radiation efficiency)を示す曲線図である。例えば、本発明に係る第1の実施形態において、金属部品3を使用したアンテナ構造体Sをテストする場合、動作周波数がそれぞれ6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzの場合で測定された放射効率はそれぞれ81%、81%及び79%となる。本発明に係る第1の実施形態において、金属部品3を使用していないアンテナ構造体Sをテストする場合、動作周波数がそれぞれ6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzの場合で測定された放射効率はそれぞれ82%、82%及び82%となる。即ち、第1の実施形態において、アンテナ構造体Sが金属部品3を使用したかしないかにもかかわらず、動作周波数が6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzの場合で測定された放射効率はいずれも75%よりも大きい。
【0025】
さらに言えば、図10に示すように、図10は、本発明に係る第1の実施形態に提供された「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」、及び「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」のそれぞれが異なる周波数で得られたピークゲイン(peak gain)を示す曲線図である。例えば、本発明に係る第1の実施形態において、金属部品3を使用したアンテナ構造体Sをテストする場合、動作周波数がそれぞれ6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzの場合で測定されたピークゲインはそれぞれ1.8dBi、1.9dBi及び2.1dBiとなる。本発明に係る第1の実施形態において、金属部品3を使用していないアンテナ構造体Sをテストする場合、動作周波数がそれぞれ6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzの場合で測定されたピークゲインはそれぞれ3.2dBi、3.2dBi及び3dBiとなる。即ち、第1の実施形態において、アンテナ構造体Sが金属部品3を使用したかしないかにもかかわらず、動作周波数がそれぞれ6239.6MHz、6489.6MHz及び6739.6MHzの場合で測定されたピークゲインはいずれも1.5dBiよりも大きい。
【0026】
さらに言えば、図11及び図12に示すように、図11は、本発明に係る第1の実施形態に提供された「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」、及び「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」のそれぞれが6239.6MHzで操作された場合Y-Z平面の垂直偏波パターンを示す模式図である。図12は、本発明に係る第1の実施形態に提供された「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」、及び「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」のそれぞれが6239.6MHzで操作された場合X-Y平面の垂直偏波パターンを示す模式図である。例えば、図11に示すように、アンテナ構造体Sを6239.6MHzで操作する場合、アンテナ構造体SのY-Z平面で生成された垂直偏波パターンと同じ方位において(例えば、同様な仮想延伸線において)、金属部品3を使用したアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P1は、金属部品3を使用していないアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P2よりも少なくとも10dB以上大きくなる。図12に示すように、アンテナ構造体Sを6239.6MHzで操作する場合、アンテナ構造体SのX-Y平面で生成された垂直偏波パターンと同じ方位において(例えば、同様な仮想延伸線において)、金属部品3を使用したアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P1は、金属部品3を使用していないアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P2よるも少なくとも10dB以上大きくなる。
【0027】
さらに言えば、図13及び図14に示すように、図13は、本発明に係る第1の実施形態に提供された「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」、及び「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」のそれぞれが6489.6MHzで操作された場合Y-Z平面の垂直偏波パターンを示す模式図である。図14は、本発明に係る第1の実施形態に提供された「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」、及び「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」のそれぞれが6489.6MHzで操作された場合X-Y平面の垂直偏波パターンを示す模式図である。例えば、図13に示すように、アンテナ構造体Sを6489.6MHzで操作する場合、アンテナ構造体SのY-Z平面で生成された垂直偏波パターンと同じ方位において(例えば、同様な仮想延伸線において)、金属部品3を使用したアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P1は、金属部品3を使用していないアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P2よりも少なくとも10dB以上大きくなる。図14に示すように、アンテナ構造体Sを6489.6MHzで操作する場合、アンテナ構造体SのX-Y平面で生成された垂直偏波パターンと同じ方位において(例えば、同様な仮想延伸線において)、金属部品3を使用したアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P1は、金属部品3を使用していないアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P2よりも少なくとも10dB以上大きくなる。
【0028】
さらに言えば、図15及び図16に示すように、図15は、本発明に係る第1の実施形態に提供された「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」、及び「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」のそれぞれが6739.6MHzで操作された場合Y-Z平面の垂直偏波パターンを示す模式図である。図16は、本発明に係る第1の実施形態に提供された「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」、及び「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」のそれぞれが6739.6MHzで操作された場合X-Y平面の垂直偏波パターンを示す模式図である。例えば、図15に示すように、アンテナ構造体Sを6739.6MHzで操作される場合、アンテナ構造体SでのY-Z平面で生成された垂直偏波パターンと同じ方位において(例えば、同様な仮想延伸線において)、金属部品3を使用したアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P1は、金属部品3を使用していないアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P2よりも少なくとも10dB以上大きくなる。例えば、図16に示すように、アンテナ構造体Sを6739.6MHzで操作される場合、アンテナ構造体SでのX-Y平面で生成された垂直偏波パターンと同じ方位において(例えば、同様な仮想延伸線において)、金属部品3を使用したアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P1は、金属部品3を使用していないアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得P2よりも少なくとも10dB以上大きくなる。
[第2の実施形態]
【0029】
図17に示すように、本発明に係る第2の実施形態は、垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体Sは、回路基板1、回路基板1に配置されたチップアンテナ2、及び回路基板1に配置された金属部品3を含む。図17図7との比較から看取できるように、本発明に係る第2の実施形態と第1の実施形態との最大な相違点は、第2の実施形態において、回路基板1に電気的に接続された金属部品3が回路基板1の下面102に配置される点にある。即ち、チップアンテナ2及び金属部品3はそれぞれ回路基板1における反対な両表面(上面101及び下面102)に配置される。
【0030】
詳しくは、アンテナ構造体Sにおいて無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、金属部品3とチップアンテナ2との距離Dはλ/2以下に、金属部品3の全長Lをλ/8以上に、回路基板1の面の向く方向に沿って金属部品3が回路基板1から延在する高さHをλ/16以上にするように設定することによって、アンテナ構造体Sによる垂直偏波パターンと同じ方位において、「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」による垂直偏波利得は、「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」による垂直偏波利得よりも大きくなる。
【0031】
注目すべきは、本発明に係る第2の実施形態に提供されるアンテナ構造体Sは、回路基板1の上面101に配置されたもう1つの金属部品(例えば、図7に示された金属部品3)をさらに含んでもよい。即ち、本発明に係る第2の実施形態は、2つの金属部品3を、それぞれ回路基板1の上面101及び下面102に配置するように構成されてもよい。
[第3の実施形態]
【0032】
図18に示すように、本発明に係る第3の実施形態は、垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体Sを提供する。アンテナ構造体Sは、回路基板1、回路基板1に配置されたチップアンテナ2、及び回路基板1に配置された金属部品3を含む。図18図7との比較から看取できるように、本発明に係る第3の実施形態と第1の実施形態との最大な相違点は、第3の実施形態において、金属部品3は、回路基板1に固定するための固定部31と、固定部31に連接されると共に上向きに延在した延在部32とを備える。かつ、金属部品3の固定部31は、はんだ付け、ロック、クランプによって回路基板1に固定されてもよい。
【0033】
詳しくは、アンテナ構造体Sにおいて、無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、金属部品3とチップアンテナ2との距離Dをλ/2以下に、金属部品3の全長(図示しない)をλ/8以上に、回路基板1の面の向く方向に沿って金属部品3が回路基板1から延在する高さHをλ/16以上にするように設定することが好ましい。それによって、アンテナ構造体Sによる垂直偏波パターンと同じ方位において、「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」による垂直偏波利得は、「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」による垂直偏波利得よりも大きくなる。
[第4の実施形態]
【0034】
図19を参照されたい。本発明に係る第4の実施形態は、垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体Sを提供する。アンテナ構造体Sは、回路基板1、回路基板1に配置されたチップアンテナ2、及び回路基板1に配置された金属部品3を備える。図19図7との比較から看取できるように、本発明に係る第4の実施形態と第1の実施形態との最大な相違点は、第4の実施形態において、金属部品3は、第1の垂直エレメント321及び第1の水平エレメント322を含む。第1の垂直エレメント321は回路基板1に垂直となり、かつ、第1の水平エレメント322は、第1の垂直エレメント321よりチップアンテナ2から離れる方向に向かって水平方向に延在するように構成される。
【0035】
詳しくは、アンテナ構造体Sにおいて、無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、金属部品3とチップアンテナ2との距離Dをλ/2以下に、金属部品3の全長(図示しない)をλ/8以上に、回路基板1の面の向く方向に沿って金属部品3が回路基板1から延在する高さHをλ/16以上にするように設定することが好ましい。それによって、アンテナ構造体Sによる垂直偏波パターンと同じ方位において、「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」による垂直偏波利得は、「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」による垂直偏波利得よりも大きくなる。
[第5の実施形態]
【0036】
図20を参照されたい。本発明に係る第5の実施形態には、垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体Sが提供される。アンテナ構造体S回路基板1、回路基板1に配置されたチップアンテナ2、及び回路基板1に配置された金属部品3を備える。図20図7との比較から看取できるように、本発明に係る第5の実施形態と第1の実施形態との最大な相違点は、第5の実施形態において、金属部品3は、第1の垂直エレメント321、第1の水平エレメント322、第2の垂直エレメント323、第2の水平エレメント324及び第3の垂直エレメント325を含む。第1の垂直エレメント321は、回路基板1に垂直となり、第1の水平エレメント322は第1の垂直エレメント321よりチップアンテナ2から離れる方向に向かって水平方向に延在し、第2の垂直エレメント323は第1の水平エレメント322より上向きに延在すると共に第1の水平エレメント322に垂直となり、第2の水平エレメント324は第2の垂直エレメント323よりチップアンテナ2に近づくように水平方向に延在し、第3の垂直エレメント325は第2の水平エレメント324より上向きに延在すると共に第2の水平エレメント324に垂直となるように構成される。
【0037】
詳しくは、アンテナ構造体Sにおいて、無線信号の送信に使用する動作周波数の波長をλとした場合、金属部品3とチップアンテナ2との距離Dをλ/2以下に、金属部品3の全長(図示しない)をλ/8以上に、金属部品3が回路基板1のまでの高さHをλ/16以上にするように設定してもよい。それによって、アンテナ構造体Sによる垂直偏波パターンと同じ方位において、「金属部品3を使用したアンテナ構造体S」による垂直偏波利得は、「金属部品3を使用していないアンテナ構造体S」による垂直偏波利得よりも大きくなる。
【0038】
注目すべきは、本発明に係る第5の実施形態に提供されたアンテナ構造体Sは、第3の垂直エレメント325を省略してもよいし、或いは第2の水平エレメント324及び第3の垂直エレメント325を共に省略することで、垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体Sの変形例とするようにしてもよい。
[実施形態による有益の効果]
【0039】
本発明による有益な効果の1つは、本発明に提供される垂直偏波利得を高めるためのアンテナ構造体S、ンテナ構造体、アンテナ構造体の製造方法、アンテナ構造体の組立て方法、アンテナ構造体の使用方法、及び可動装置Mは、「アンテナ構造体Sが、回路基板1、回路基板1に配置されたチップアンテナ2、及び回路基板1に配置された金属部品3を含むこと」、及び「金属部品3とチップアンテナ2との距離Dをλ/2以下に、金属部品3の全長Lをλ/8以上に、回路基板1から回路基板1の面向く方向に沿って金属部品3が延在する高さHをλ/16以上にするように設定する」といった技術的手段によって、アンテナ構造体Sによる垂直偏波パターンと同じ方位において、金属部品3を使用したアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得は、金属部品3を使用していないアンテナ構造体Sによる垂直偏波利得よりも大きくなる。
【0040】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0041】
M : 可動装置
S : アンテナ構造体
1 : 回路基板
101 : 上面
102 : 下面
2 : チップアンテナ
3 : 金属部品
31 : 固定部
32 : 延在部
321 : 第1の垂直エレメント
322 : 第1の水平エレメント
323 : 第2の垂直エレメント
324 : 第2の水平エレメント
325 : 第3の垂直エレメント
D : 距離
L : 全長
H : 高さ
P1, P2 : 垂直偏波利得
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