(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167777
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】狭くなる先端部を有するハードディスクドライブサスペンションテール
(51)【国際特許分類】
G11B 21/02 20060101AFI20221027BHJP
G11B 5/60 20060101ALI20221027BHJP
G11B 5/17 20060101ALN20221027BHJP
G11B 21/21 20060101ALN20221027BHJP
【FI】
G11B21/02 601E
G11B5/60 P
G11B5/17 G
G11B21/21 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014754
(22)【出願日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】17/239,174
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504056130
【氏名又は名称】ウェスタン デジタル テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中宮 光裕
(72)【発明者】
【氏名】井上 康
【テーマコード(参考)】
5D059
【Fターム(参考)】
5D059AA01
5D059BA01
5D059CA03
5D059DA26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】位置ずれシナリオにおける隣接するサスペンションテール間の構造的重なり合い及びその結果として周縁化されたサスペンションテールと、対応するフレキシブルプリント回路との間の電気的接続を抑制するヘッドスタック組立品(HSA)及びハードディスクドライブサスペンションを提供する。
【解決手段】ハードディスクドライブサスペンションは、遠位端で読み取り-書き込み変換器に電気的に接続するように構成され、近位端でテーパ状先端部に向かって近位方向に延在するサスペンションテール500を含み、テーパ状先端部502は、近位方向に狭くなるテーパ502aを含む。サスペンションテールの最近位の電気パッド504は、他の隣接する電気パッドとは異なるアスペクト比、又はより少ない数のラインで構成される。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドスタック組立品(HSA)であって、
少なくとも1つの対応する記録媒体との間で読み取り及び書き込みを行うように各々構成されている複数の読み取り-書き込み変換器と、
フレキシブルプリント回路(FPC)と、
前記複数の読み取り-書き込み変換器のうちの対応の読み取り-書き込み変換器に電気的に結合され、前記読み取り-書き込み変換器からサスペンションテールのテーパ状先端部に向かう方向に延在する前記サスペンションテールを各々含む複数のサスペンションと、を含む、HSA。
【請求項2】
前記テーパ状先端部が、前記サスペンションテールの折り曲げ領域の近位側の少なくとも一部に沿って前記方向に狭くなる減少するテーパを含む、請求項1に記載のHSA。
【請求項3】
前記減少するテーパが、階段状テーパである、請求項2に記載のHSA。
【請求項4】
各サスペンションが、前記テーパ状先端部と結合され、かつ前記FPCの対応する電気パッドに電気的に各々結合された、複数の電気パッドを更に含む、請求項1に記載のHSA。
【請求項5】
請求項4に記載のHSAを含む、ハードディスクドライブ。
【請求項6】
前記テーパ状先端部が、前記サスペンションテールの折り曲げ領域の近位側の少なくとも一部に沿って、前記方向に、狭くなる減少するテーパを含み、
前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの少なくとも1つの電気パッドが、前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの前記方向に隣接する電気パッドのアスペクト比とは異なるアスペクト比を有する、請求項4に記載のHSA。
【請求項7】
前記少なくとも1つの電気パッドが、前記隣接する電気パッドよりも前記方向において長い、請求項6に記載のHSA。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電気パッドが、前記隣接する電気パッドよりも前記方向に垂直な方向において細い、請求項6に記載のHSA。
【請求項9】
前記テーパ状先端部が、前記サスペンションテールの折り曲げ領域の近位側の少なくとも一部に沿って、前記方向に、狭くなる減少するテーパを含み、
前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの第1の部分が、前記サスペンションの第1の部分に沿って対で構成され、
前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの第2の部分が、前記サスペンションの前記第1の部分よりも前記テーパ状先端部の端部に近い前記サスペンションの第2の部分に沿って個別に構成されている、請求項4に記載のHSA。
【請求項10】
前記テーパ状先端部が、前記サスペンションテールの折り曲げ領域の近位側の少なくとも一部に沿って、前記方向に、狭くなる減少するテーパを含み、
前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの対の電気パッドの各々が、前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの前記方向に隣接する対の電気パッドの各々のアスペクト比とは異なるアスペクト比を有する、請求項4に記載のHSA。
【請求項11】
ハードディスクドライブサスペンションであって、
遠位端で読み取り-書き込み変換器に電気的に接続するように構成され、近位端でテーパ状先端部に向かって近位方向に延在するサスペンションテールを含み、前記テーパ状先端部は、前記近位方向に狭くなる減少するテーパを含む、ハードディスクドライブサスペンション。
【請求項12】
前記減少するテーパが、階段状テーパである、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項13】
前記テーパ状先端部と結合された複数の電気パッドを更に含む、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項14】
前記テーパ状先端部が、前記サスペンションテールの折り曲げ領域の近位側の少なくとも一部に沿って、前記近位方向に、狭くなる減少するテーパを含み、
前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの少なくとも1つの電気パッドが、前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの隣接する電気パッドのアスペクト比とは異なるアスペクト比を有する、請求項13に記載のサスペンション。
【請求項15】
前記少なくとも1つの電気パッドが、前記隣接する電気パッドよりも前記近位方向において長い、請求項14に記載のサスペンション。
【請求項16】
前記少なくとも1つの電気パッドが、前記隣接する電気パッドよりも前記近位方向に垂直な方向において細い、請求項14に記載のサスペンション。
【請求項17】
前記テーパ状先端部が、前記サスペンションテールの折り曲げ領域の近位側の少なくとも一部に沿って、前記近位方向に、狭くなる減少するテーパを含み、
前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの第1の部分が、前記サスペンションの第1の部分に沿って対で構成され、
前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの第2の部分が、前記サスペンションの前記第1の部分よりも前記テーパ状先端部の端部に近い前記サスペンションの第2の部分に沿って個別に構成されている、請求項13に記載のサスペンション。
【請求項18】
前記テーパ状先端部が、前記サスペンションテールの折り曲げ領域の近位側の少なくとも一部に沿って、前記近位方向に、狭くなる減少するテーパを含み、
前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの対の電気パッドの各々が、前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの隣接する対の電気パッドの各々のアスペクト比とは異なるアスペクト比を有する、請求項13に記載のサスペンション。
【請求項19】
ハードディスクドライブであって、
スピンドル上に回転可能に取り付けられた複数の記憶媒体と、
電気信号を伝送するための回路手段と、
ヘッドスタック組立品を移動させて前記記憶媒体の部分にアクセスするように構成されているアクチュエータと結合されたヘッドスタック組立品であって、前記ヘッドスタック組立品は、
前記記憶媒体の少なくとも1つの対応する記憶媒体との間で読み取り及び書き込みを行うように構成された、対応の読み取り-書き込み変換器を各々収容する複数のヘッドスライダと、
前記複数のヘッドスライダのうちの対応のヘッドスライダに電気的に結合され、前記ヘッドスライダからサスペンションテールのテーパ状先端部に向かう方向に延在する前記サスペンションテールを各々含む複数のサスペンションであって、前記テーパ状先端部が、前記サスペンションテールの折り曲げ領域の近位側の少なくとも一部に沿って、前記方向に、狭くなる減少するテーパを含む、複数のサスペンションと、
前記テーパ状先端部と結合され、前記回路手段の対応する電気パッドと電気的に各々結合された複数の電気パッドと、を含む、ヘッドスタック組立品と、を含む、ハードディスクドライブ。
【請求項20】
前記サスペンションの前記複数の電気パッドのうちの少なくとも一部が、前記方向に沿って各々位置付けられた複数の列に構成されている、請求項19に記載のハードディスクドライブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、ハードディスクドライブに関連し得、特に、隣接するサスペンションテール間の機械的干渉を回避する手法に関し得る。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)は、保護エンクロージャ内に収容され、かつ磁気表面を有する1つ以上の円形ディスク上にデジタル符号化データを記憶する、不揮発性記憶デバイスである。HDDが動作中のとき、各磁気記録ディスクは、スピンドルシステムによって急速に回転される。データは、アクチュエータによってディスクの特定の場所の上に位置付けられた読み取り-書き込みヘッド(又は「変換器」)を使用して磁気記録ディスクから読み取られ、磁気記録ディスクに書き込まれる。読み取り-書き込みヘッドは、磁場を使用して、磁気記録ディスクの表面にデータを書き込み、この表面からデータを読み取る。書き込みヘッドは、書き込みヘッドのコイルを通って流れる電流を使用して磁場を生成することによって機能する。異なるパターンの正及び負の電流を伴って、書き込みヘッドに電気パルスが送られる。書き込みヘッドのコイル内の電流は、ヘッドと磁気ディスクとの間の間隙にわたる局所的な磁場を生成し、次いでこの磁場が記録媒体上の小領域を磁化する。
【0003】
データを媒体に書き込むために、又は媒体からデータを読み取るために、ヘッドは、コントローラから命令を受信する必要がある。したがって、ヘッドは、データを読み取る/書き込む命令を受信するだけでなく、読み取られたデータ及び/又は書き込まれたデータに関してヘッドがコントローラに情報を返信することもできるような何らかの電気的方法でコントローラに接続される。良好な電気的接続がない場合、ヘッドへ/からのデータの流れが損なわれる可能性がある。
【0004】
本セクションに記載され得る手法は、追求し得る手法であるが、必ずしも以前に考案又は追求された手法ではない。したがって、別段の指示がない限り、本セクションに記載された手法のいずれも、それらが本セクションに含まれることによって単に先行技術として適格であると仮定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
実施形態は、添付図面の図において、限定としてではなく、例として示されており、同様の参照番号は類似の要素を指す。
【0006】
【
図1】実施形態によるハードディスクドライブを示す平面図である。
【0007】
【
図2A】実施形態によるアクチュエータ組立品を示す斜視図である。
【0008】
【
図2B】実施形態による、
図2Aのアクチュエータ組立品の一体型リードサスペンション(ILS)を示す斜視図である。
【0009】
【
図3A】実施形態による、公称構成における隣接するサスペンションテール対を示す正面図である。
【0010】
【
図3B】実施形態による、フレキシブルプリント回路(FPC)と共に組み立てられた
図3Aのサスペンションテールの断面図である。
【0011】
【
図3C】実施形態による、位置ずれ構成における隣接するサスペンションテール対を示す正面図である。
【0012】
【
図3D】実施形態による、位置ずれ構成における隣接するサスペンションテール対を示す正面図である。
【0013】
【
図4A】実施形態による、公称構成における隣接する高容量サスペンションテール対を示す正面図である。
【0014】
【
図4B】実施形態による、フレキシブルプリント回路(FPC)と共に組み立てられた
図4Aの高容量サスペンションテールの断面図である。
【0015】
【
図4C】実施形態による、位置ずれ構成における隣接する高容量サスペンションテール対を示す正面図である。
【0016】
【
図4D】実施形態による、位置ずれ構成における隣接する高容量サスペンションテール対を示す正面図である。
【0017】
【
図5A】実施形態による、狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す正面図である。
【0018】
【
図5B】実施形態による、
図5Aの狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す背面図である。
【0019】
【
図6A】実施形態による、狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す正面図である。
【0020】
【
図6B】実施形態による、
図6Aの狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す背面図である。
【0021】
【
図7A】実施形態による、狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す正面図である。
【0022】
【
図7B】実施形態による、
図7Aの狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
概して、ハードディスクドライブ(HDD)内の隣接するサスペンションテール間の機械的干渉を回避する手法が記載される。以下の説明では、説明を目的として、本明細書に記載された本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本明細書に記載された本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細なしで実施され得ることは明らかであろう。他の例では、本明細書に記載された本発明の実施形態を不必要に不明瞭にすることを回避するために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形態で表され得る。
導入
用語
【0024】
本明細書における「実施形態」、「一実施形態」などへの言及は、記載されている特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味することが意図される。しかしながら、そのような語句の実例は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らない。
【0025】
「実質的に」という用語は、大部分又はほぼ構造化された、構成された、寸法決めされたなどの特徴を記載していることが理解されるであろうが、その製造公差などは、実際には、構造、構成、寸法などが、常には又は必ずしも正確に述べられない状況を結果として生じ得る。例えば、「実質的に垂直な」として構造を記載するとすれば、側壁は全ての実用上の目的で垂直であるが、正確に90度ではない場合があるように、その用語にはその明白な意味が割り当てられる。
【0026】
「最適な」、「最適化する」、「最小の」、「最小化する」、「最大の」、「最大化する」などの用語は、それに関連付けられた特定の値を有しない場合があるが、そのような用語が本明細書で使用される場合、当業者であれば、そのような用語が、本開示の全体と一致する有益な方向に、値、パラメータ、メトリックなどに影響を及ぼすことを含むと理解することが意図される。例えば、何かの値を「最小」として記載することは、値が実際に理論上の最小値(例えば、ゼロ)に等しいことを必要としないが、対応する目標が理論上の最小値に向かって有益な方向に値を移動させることになるという点で、実際的な意味で理解されるべきである。
背景
【0027】
ハードディスクドライブ(HDD)の記憶容量を増加させるために、記録媒体、すなわち、ディスクの数は、増加される場合がある。しかしながら、HDDの全体的なサイズ及び寸法は限定されているため、より大きな容量のHDDにおいて追加のディスクが実装されると、隣接するディスク間の空間が狭く又は小さくなる可能性が高い。一般に、HDDヘッドスタック組立品(HSA)は、ディスク記録面ごとにサスペンションヘッド組立品を備えており、したがって、2つのサスペンション、例えば、上部ディスク上で動作するものと下部ディスク上で動作するものが、隣接するディスク間に収まる必要がある。したがって、固定サイズのHDDで使用されるディスクの数が増えると、ディスク間でサスペンションが動作するために利用可能な空間は小さくなる。その結果、サスペンション用の空間がより小さくなるときは、サスペンションの一方又は両方の位置がずれていると、サスペンション間の重なり合い又は干渉がより容易に発生し得るため、サスペンションの正確な位置合わせが必要とされる。
【0028】
サスペンションの遠位端には、データを読み取り、書き込むための読み取り-書き込み変換器(又は「ヘッド」)が存在する。サスペンションの他方の近位端には、フレキシブルプリント回路(FPC)上の対応する導電性パッドに電気的に接続する導電性パッド(又は単に「電気パッド」)が存在する。サスペンション及びFPCの表面は、それらの最も単純な形態において平行ではないため、各サスペンションは折り曲げられ(例えば、約90度)、サスペンションパッド及びFPCパッドは、典型的には、はんだ又はACF(異方性導電フィルム)で、1つの平面に沿って電気的に相互接続される。
【0029】
図2Aは、実施形態によるアクチュエータ組立品を示す斜視図である。アクチュエータ組立品200は、ピボット軸受組立品203(例えば、
図1のピボット軸受組立品152を参照)を介して中央枢動シャフト202(例えば、
図1の枢動シャフト148を参照)と回転可能に結合され、ここではボイスコイル204が例示されているボイスコイルモータ(VCM)によって回転駆動される、キャリッジ201(例えば、
図1のキャリッジ134を参照)を含む。アクチュエータ組立品200は、1つ以上のアクチュエータアーム206(例えば、
図1のアーム132を参照)を更に含み、これらのそれぞれは、据え込みされたベースプレート(
図2B)及びロードビーム(例えば、
図1のロードビーム110d、
図2Bを参照)を典型的に含むサスペンション組立品208(又は単に「サスペンション」、「リードサスペンション」、若しくは「一体型リードサスペンション」(ILS)、例えば、
図1のリードサスペンション110cを参照)に結合されている。各サスペンション210は、サスペンションテール(
図2B)を介して、キャリッジ201と結合されたフレキシブルプリント回路(FPC)212と電気的に接続されている。
【0030】
図2Bは、実施形態による、
図2Aのアクチュエータ組立品の一体型リードサスペンション(ILS)を示す斜視図である。サスペンション210は、読み取り-書き込みヘッドが遠位端に取り付けられているロードビーム210bに接続されたベースプレート210a(例えば、
図2Aのアクチュエータ組立品200内の対応するアクチュエータアーム206に据え込みされており、そうでなければ、ヘッドスタック組立品(「HSA」)と称される)を含む。電気信号は、遠位端にあるヘッド及び場合によっては他の電子構成要素(非限定的な例として、マイクロアクチュエータなど)から、サスペンションテール210cに一体化された電気リードを介して、近位端にあるFPC212(
図2A)に搬送される。述べたように、サスペンションテール210cは折り曲げ領域に折り曲げ部を有し、この部分の先の近位方向に、複数の電気パッド210dがサスペンションテール先端部210e上に位置する。これらの電気パッド210dは、はんだ又はACFなどで、アクチュエータ組立品200内のFPC212に電気的に接続されている。
サスペンションテール-公称位置合わせ
【0031】
論じたように、サスペンションの数のいかなる増加も、サスペンション210(
図2A、
図2B)とFPC212(
図2A)との間の電気的接続に利用可能な空間を狭くする傾向がある。歴史的には、サスペンション間に比較的大きな間隙がある/あったので、そのような電気的接続のために十分な空間が存在してきた。しかしながら、サスペンション間のこの間隙がより小さくなるにつれ、特にFPC212の領域において、サスペンションテール間の望ましくない重なり合いのリスクがより顕著になっている。
【0032】
図3Aは、実施形態による、公称構成における隣接するサスペンションテール対を示す正面図である。
図3Aは、2対のサスペンションテール先端部、210e-1&210e-2及び210e-3&210e-4を示し、各テール先端部210e-1~210e-4は、対応する電気パッドのセット210d-1、210d-2、210d-3、210d-4を有する。ここで、サスペンションテール間の空間が比較的大きいため、重なり合いは示されていない。
図3Bは、実施形態による、フレキシブルプリント回路(FPC)と共に組み立てられた
図3Aのサスペンションテールの断面図である。
図3Bは、サスペンションテール先端部210eを示しており、サスペンションテール先端部に又はその上に又はその近くに位置する、対応する電気パッド210dが、はんだ300(又はACF)でFPC212の電気パッド212dに電気的に接続されている。
サスペンションテール-位置ずれ
【0033】
図3Cは、実施形態による、位置ずれ構成における隣接するサスペンションテール対を示す正面図である。
図3Cは、再び、2対のサスペンションテール先端部、210e-1&210e-2及び210e-3&210e-4、並びにそれらの対応する電気パッドのセット210d-1、210d-2、210d-3、210d-4を示す。ここで、サスペンションテール間の空間は、再び比較的大きいが、大きな位置ずれがあり、第1の対のサスペンションテール先端部210e-2と第2の対の隣接するサスペンションテール先端部210e-3との間に示される構造的な重なり合いが存在する。
図3Dは、実施形態による、位置ずれ構成における隣接するサスペンションテール対を示す正面図である。
図3Cと概念的に同様に、
図3Dは、再び、2対のサスペンションテール先端部、210e-1&210e-2及び210e-3&210e-4、並びにそれらの対応する電気パッドのセット210d-1、210d-2、210d-3、210d-4を示す。ここで、サスペンションテール間の空間は、再び比較的大きいが、大きな位置ずれがあり、サスペンションテール先端部210e-1と、同じ対のサスペンションテール先端部210e-2との間に示される構造的な重なり合いが存在し、サスペンションテール先端部210e-3と、同じ対のサスペンションテール先端部210e-4との間も同様である。いずれの場合も、隣接するサスペンションテール間で重なり合いが発生すると、そのようなサスペンション210と、対応するFPC212との間の適切かつ好適で効果的な電気接続が、望ましくなく妨害又は阻害される。
高容量サスペンションテール-公称位置合わせ
【0034】
サスペンションの数の増加に加えて、電気パッドの数は、例えば、マイクロ及びミリ作動、アシスト記録など、機能の増加に起因して上昇傾向にある。したがって、電気パッドの列又はラインの数が、結果として増加し得る可能性もある。パッド及び/又はパッドのラインのそのような数の増加は、本明細書において「高容量」サスペンションと称されるものをもたらす。
【0035】
図4Aは、実施形態による、公称構成における隣接する高容量サスペンションテール対を示す正面図である。
図4Aは、2対のサスペンションテール、410e-1&410e-2及び410e-3&410e-4を示し、各テール410e-1~410e-4は、ここに電気パッドのラインの対として示されている、対応する電気パッドのセット410d-1、410d-2、410d-3、410d-4を有する。サスペンションテール間の空間は、パッドの数の増加に起因して前よりも比較的小さいが、重なり合いは示されていない。
図4Bは、実施形態による、フレキシブルプリント回路(FPC)と共に組み立てられた
図4Aの高容量サスペンションテールの断面図である。
図4Bは、サスペンションテール410eを示しており、サスペンションテール先端部に又はその上に又はその近くに位置する、対応する電気パッド410dの対が、はんだ400(又はACF)でFPC412の電気パッド412dに電気的に接続されている。実施形態によれば、高容量サスペンションテール410eの電気パッド410dの各々は、例えば
図4Bに示されるように、サスペンションテール410e材料を通って延在するように構成されている。
高容量サスペンションテール-位置ずれ
【0036】
図4Cは、実施形態による、位置ずれ構成における隣接する高容量サスペンションテール対を示す正面図である。
図4Cは、再び、2対のサスペンションテール、410e-1&410e-2及び410e-3&410e-4、並びにそれらの対応する電気パッドのセット410d-1、410d-2、410d-3、410d-4を示す。ここで、サスペンションテール間の空間が、高密度高容量サスペンションテールに起因して再び比較的小さいので、最小の位置ずれであっても、サスペンションテール410e-1と、同じペアの隣接するサスペンションテール410e-2との間に示されるような、構造的な重なり合いが生じ得る。
図4Dは、実施形態による、位置ずれ構成における隣接する高容量サスペンションテール対を示す正面図である。
図4Cと概念的に同様に、
図4Dは、再び、2対のサスペンションテール、410e-1&410e-2及び410e-3&410e-4、並びにそれらの対応する電気パッドのセット410d-1、410d-2、410d-3、410d-4を示す。ここで、サスペンションテール間の空間が、高密度高容量サスペンションテールに起因して再び比較的小さいので、最小の位置ずれであっても、第1のペアのサスペンションテール410e-2と、第2のペアの隣接するサスペンションテール410e-3との間に示されるような、構造的な重なり合いが生じ得る。いずれの場合も、隣接するサスペンションテール間で重なり合いが発生すると、そのようなサスペンションと、対応するFPCとの間の適切かつ好適で効果的な電気接続が、望ましくなく妨害又は抑制される。
狭くなる先端部を有するサスペンションテール
【0037】
本明細書に記載されるように、サスペンション又はサスペンションテールが位置ずれしていると、サスペンションテール先端部は、容易に重なり合う。実施形態によれば、サスペンションは、折り曲げ領域を通過したサスペンションテールが狭くされるか、又はテーパ付けされ、それによって、位置ずれシナリオでも構造的な重なり合いを抑制又は回避するように構築される。
【0038】
図5Aは、狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す正面図であり、
図5Bは、実施形態による、
図5Aの狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す背面図である。サスペンションテール500は、複数の電気パッド504を含むテーパ状先端部502を含む。すなわち、テーパ状先端部502は、サスペンションテール500の折り曲げ領域(
図2Bを参照)から近位端に向かう方向に狭くなる、「減少するテーパ」502aで構成されている。狭くなる又は減少するテーパ502aは、一般に、対応するFPC(例えば、
図2AのFPC212を参照)に平行であり、かつこれと嵌合するサスペンションテール500の平面内で生じる。したがって、寸法2は、
図5Aに示される寸法1よりも大きい。減少するテーパ502aと共にテーパ状先端部502を有するサスペンションテール500のコンテキストにおいて、位置ずれシナリオにおける隣接するサスペンション/サスペンションテール間の構造的な重なり合い、及び、その結果、効果のない又は周縁化された、サスペンションテール500と、対応するFPCとの間の電気的接続が、抑制、又は軽減、又は回避される。
【0039】
実施形態によれば、減少するテーパ502aは、
図5A、
図5Bに示されるように、階段状テーパであり、これは、正確に直線的ではなく段階的に狭くなる。しかしながら、線形テーパも企図され、本発明の開示された実施形態の範囲内にある。更に、電気パッド504の2つのセット、グループ化、列、ラインが
図5A、
図5Bに示されているが、減少するテーパ(例えば、減少するテーパ502a)のテーパ状先端部(例えば、テーパ状先端部502)と結合された電気パッド(例えば、電気パッド504)の単一のライン(又は3つ以上のライン)を有するサスペンションテールが、実装され得、したがって、具体的に企図される。
パッドアスペクト比
【0040】
図6Aは、狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す正面図であり、
図6Bは、実施形態による、
図6Aの狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す背面図である。サスペンションテール600は、複数の電気パッド604を含むテーパ状先端部602を含む。すなわち、テーパ状先端部602は、サスペンションテール600の折り曲げ領域(
図2Bを参照)から近位端に向かう方向に狭くなる、「減少するテーパ」602aで構成されている。狭くなる又は減少するテーパ602aは、一般に、対応するFPC(例えば、
図2AのFPC212を参照)に平行であり、かつこれと嵌合するサスペンションテール600の平面内で生じる。したがって、寸法2は、
図6Aに示される寸法1よりも大きい。減少するテーパ602aと共にテーパ状先端部602を有するサスペンションテール600のコンテキストにおいて、位置ずれシナリオにおける隣接するサスペンション/サスペンションテール間の構造的な重なり合い、及び、その結果、効果のない又は周縁化された、サスペンションテール600と、対応するFPCとの間の電気的接続が、抑制、又は軽減、又は回避される。
【0041】
実施形態によれば、複数の電気パッド604のうちの少なくとも1つの電気パッド604aは、隣接する電気パッド604bのアスペクト比とは異なるアスペクト比を有する。実施形態によれば、
図6A、
図6Bに概して示されるように、テーパ状先端部602の近位端に又はその近くにある1つ以上の電気パッド604aは、(例えば、遠位端に向かう方向に)隣接する1つ以上の電気パッド604bよりも(例えば、近位端に向かう方向に)長く、(例えば、近位端に向かう方向に垂直な方向に)平坦である/細い。実施形態によれば、テーパ状先端部602の近位端にある少なくとも最後の1つの(又は対の)電気パッド604aは、異なるアスペクト比を有する電気パッドであり、それによってテーパ状先端部602の最も狭い部分内に収まる。電気パッド604の2つのセット、グループ化、列、ラインが
図6A、
図6Bに示されているが、減少するテーパ(例えば、減少するテーパ602a)のテーパ状先端部(例えば、テーパ状先端部602)と結合された、少なくとも1つが異なるアスペクト比を有する、電気パッド(例えば、電気パッド604)の単一のライン(又は3つ以上のライン)を有するサスペンションテールが、実装され得、したがって、具体的に企図される。
ラインの数
【0042】
図7Aは、狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す正面図であり、
図7Bは、実施形態による、
図7Aの狭くなる先端部を有する高容量サスペンションテールを示す背面図である。サスペンションテール700は、複数の電気パッド704を含むテーパ状先端部702を含む。すなわち、テーパ状先端部702は、サスペンションテール700の折り曲げ領域(
図2Bを参照)から近位端に向かう方向に狭くなる、「減少するテーパ」702aで構成されている。狭くなる又は減少するテーパ702aは、一般に、対応するFPC(例えば、
図2AのFPC212を参照)に平行であり、かつこれと嵌合するサスペンションテール700の平面内で生じる。したがって、寸法2は、
図7Aに示される寸法1よりも大きい。減少するテーパ702aと共にテーパ状先端部702を有するサスペンションテール700のコンテキストにおいて、位置ずれシナリオにおける隣接するサスペンション/サスペンションテール間の構造的な重なり合い、及び、その結果、効果のない又は周縁化された、サスペンションテール700と、対応するFPCとの間の電気的接続が、抑制、又は軽減、又は回避される。
【0043】
実施形態によれば、電気パッド704のライン(又はセット、又はグループ化)の数は、テーパ状先端702において減少する。例えば、サスペンションテール700に沿った電気パッド704は、
図7A、7Bに示されるように、2つのライン(すなわち、対)から1つのラインになる。すなわち、電気パッド704の第1の部分704aは、サスペンションテール700の第1の部分に沿って対で構成され、電気パッド704の第2の部分704bは、サスペンションテール700の第1の部分よりもテーパ状先端部702の近位端に近いサスペンションテール700の第2の部分に沿って個別に構成されている。実施形態によれば、テーパ状先端部702の近位端にある電気パッド704の少なくとも最後の1つ(最近位)は、(例えば、第1の部分704aと同様に)対の一部としてではなく単一のラインで構成され、それによってテーパ状先端部702の最も狭い部分内に収まる。
例示的な動作コンテキストの物理的説明
【0044】
実施形態は、ハードディスクドライブ(HDD)などのデジタルデータ記憶デバイス(DSD)のコンテキストで使用され得る。したがって、実施形態により、従来のHDDが典型的にどのように動作するかを説明するのを助けるために、従来のHDD100を示す平面図が
図1に示されている。
【0045】
図1は、磁気読み取り-書き込みヘッド110aを含むスライダ110bを含むHDD100の構成要素の機能的配置を示す。まとめて、スライダ110b及びヘッド110aはヘッドスライダと称され得る。HDD100は、ヘッドスライダを含む少なくとも1つのヘッドジンバル組立品(head gimbal assembly、HGA)110と、典型的にはフレクシャを介してヘッドスライダに取り付けられたリードサスペンション110cと、リードサスペンション110cに取り付けられたロードビーム110dと、を含む。HDD100はまた、スピンドル124上に回転可能に取り付けられた少なくとも1つの記録媒体120と、媒体120を回転させるためにスピンドル124に取り付けられた駆動モータ(不可視)と、を含む。変換器とも称され得る読み取り-書き込みヘッド110aは、HDD100の媒体120に記憶された情報をそれぞれ書き込み及び読み取るための書き込み要素及び読み取り要素を含む。媒体120又は複数のディスク媒体は、ディスククランプ128でスピンドル124に固定されてもよい。
【0046】
HDD100は、HGA110に取り付けられたアーム132と、キャリッジ134と、キャリッジ134に取り付けられたボイスコイル140を含む電機子136とボイスコイル磁石(不可視)を含むステータ144とを含むボイスコイルモータ(voice coil motor、VCM)と、を更に備える。VCMの電機子136は、キャリッジ134に取り付けられており、アーム132及びHGA110を移動させ、かつ媒体120の部分にアクセスするように構成されており、全てまとめて、介在するピボット軸受組立品152で枢動シャフト148上に装着されている。複数のディスクを有するHDDの場合、キャリッジ134は、キャリッジに櫛の外観を与える連動したアームアレイを搬送するようにキャリッジが配置されているため、「Eブロック」又は櫛と称され得る。
【0047】
ヘッドスライダが結合されたフレクシャと、フレクシャが結合されたアクチュエータアーム(例えば、アーム132)及び/又はロードビームと、アクチュエータアームが結合されたアクチュエータ(例えば、VCM)と、を含む、ヘッドジンバル組立品(例えば、HGA110)を備える組立品は、ヘッドスタック組立品(HSA)と総称され得る。ただし、HSAは、記載されたものよりも多い又は少ない構成要素を含んでもよい。例えば、HSAは、電気相互接続構成要素を更に含む組立品を指し得る。一般に、HSAは、読み取り動作及び書き込み動作のために、ヘッドスライダを媒体120の部分にアクセスするように移動させるように構成された組立品である。
【0048】
図1を更に参照すると、ヘッド110aへの書き込み信号及びヘッド110aからの読み取り信号を含む電気信号(例えば、VCMのボイスコイル140への電流)は、可撓性ケーブル組立品(flexible cable assembly、FCA)156(又は「フレックスケーブル」、又は「フレキシブルプリント回路」(FPC))によって送信される。フレックスケーブル156とヘッド110aとの間の相互接続は、読み出し信号用のオンボード前置増幅器、並びに他の読み取りチャネル及び書き込みチャネル電子構成要素を有し得る、アーム電子機器(arm-electronics、AE)モジュール160を含んでもよい。AEモジュール160は、図示のようにキャリッジ134に取り付けられてもよい。フレックスケーブル156は、いくつかの構成では、HDD筐体168によって提供された電気フィードスルーを通して電気通信を提供する電気コネクタブロック164に結合されてもよい。HDDハウジング168(又は「エンクロージャベース」又は「ベースプレート」又は単に「ベース」)は、HDDカバーと共に、HDD100の情報記憶構成要素のための半封止された(又は、いくつかの構成では気密封止された)保護エンクロージャを提供する。
【0049】
デジタル信号プロセッサ(digital-signal processor、DSP)を含むディスクコントローラ及びサーボ電子機器を含む他の電子構成要素は、駆動モータ、VCMのボイスコイル140及びHGA110のヘッド110aに、電気信号を提供する。駆動モータに提供される電気信号は、駆動モータがスピンドル124にトルクを提供しながら回転することを可能にし、次いでトルクはスピンドル124に添設された媒体120に伝達される。その結果、媒体120は、方向172に回転する。回転媒体120は、スライダ110bが、情報が記録された薄い磁気記録層と接触することなく媒体120の表面の上方に浮上するように、スライダ110bの空気軸受表面(ABS)が乗る空気軸受として作用する空気のクッションを形成する。非限定的な例としてのヘリウムなどの、空気より軽いガスが利用されるHDDにおいても同様に、回転媒体120は、スライダ110bが乗るガス又は流体軸受として作用するガスのクッションを形成する。
【0050】
VCMのボイスコイル140に提供される電気信号は、HGA110のヘッド110aが、情報が記録されるトラック176にアクセスすることを可能にする。こうして、弧180を通るVCMスイングの電機子136は、HGA110のヘッド110aが媒体120上の様々なトラックにアクセスすることを可能にする。情報は、セクタ184などの媒体120上のセクタに配置された複数の半径方向に入れ子になったトラック内の媒体120上に記憶される。それに対応して、各トラックは、セクタ化されたトラック部分188などの複数のセクタ化されたトラック部分(又は「トラックセクタ」)から構成される。各セクタ化されたトラック部分188は、記録された情報と、エラー訂正符号情報、及びトラック176を識別する情報であるABCDサーボバースト信号パターンなどのサーボバースト信号パターンを含むヘッダと、を含んでもよい。トラック176にアクセスする際、HGA110のヘッド110aの読み取り要素はサーボバースト信号パターンを読み取り、サーボバースト信号パターンは、サーボ電子機器に位置誤差信号(position-error-signal、PES)を提供し、サーボ電子機器は、VCMのボイスコイル140に提供される電気信号を制御することによって、ヘッド110aがトラック176に追従することを可能にする。トラック176を見つけ、かつ特定のセクタ化されたトラック部分188を識別すると、ヘッド110aは、トラック176から情報を読み取るか、又は、外部エージェント、例えば、コンピュータシステムのマイクロプロセッサからディスクコントローラによって受信された命令に応じて、トラック176に情報を書き込む。
【0051】
HDDの電子アーキテクチャは、ハードディスクコントローラ(hard disk controller、「HDC」)、インターフェースコントローラ、アーム電子モジュール、データチャネル、モータドライバ、サーボプロセッサ、バッファメモリなどの、HDDの動作のための自体のそれぞれの機能を実行するための、多数の電子部品を含む。そのような構成要素のうちの2つ以上は、「チップ上のシステム」(system on a chip、「SOC」)と称される単一の集積回路基板上で組み合わされてもよい。そのような電子部品の、全てではないがいくつかは、典型的には、HDD筐体168などのHDDの底部側に結合されたプリント基板上に配置される。
【0052】
図1を参照して示され及び記載されたHDD100などの、本明細書におけるハードディスクドライブへの言及は、「ハイブリッドドライブ」と称されることがある情報記憶デバイスを包含してもよい。ハイブリッドドライブとは、一般に、電気的に消去可能でプログラム可能であるフラッシュ又は他のソリッドステート(例えば、集積回路)メモリなどの不揮発性メモリを使用するソリッドステートデバイス(solid-state storage device、SSD)と組み合わされた従来のHDD(例えば、HDD100を参照)の、両方の機能を有する記憶デバイスを指す。異なるタイプの記憶媒体の動作、管理、及び制御は、通常異なるため、ハイブリッドドライブのソリッドステート部分は、それ自体の対応するコントローラ機能を含んでもよく、コントローラ機能は、HDD機能と共に単一のコントローラに統合され得る。ハイブリッドドライブは、非限定的な例として、頻繁にアクセスされるデータを記憶する、I/O集約データなどを記憶するなどのために、ソリッドステートメモリをキャッシュメモリとして使用するなどによって、ソリッドステート部分をいくつかの方法で動作させて利用するように設計及び構成されてもよい。更に、ハイブリッドドライブは、ホスト接続のための1つ以上のインターフェースのいずれかで、単一のエンクロージャの2つの記憶デバイス、すなわち従来のHDD及びSSDとして本質的に設計及び構成されてもよい。
拡張物及び代替物
【0053】
前述の説明において、本発明の実施形態は、実装態様ごとに変わり得る多数の具体的な詳細を参照して記載されてきた。したがって、実施形態のより広い趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができる。こうして、本発明であり、かつ本出願人らが本発明であることを意図するものの唯一及び排他的な指示物は、本出願に由来する特許請求の範囲のセットであり、そのような特許請求の範囲が由来し、任意の後続の補正を含む、特定の形態をなす。そのような特許請求の範囲に包含される用語について本明細書に明示的に記載される定義は、特許請求の範囲で使用されるような用語の意味を支配するものとする。それゆえ、特許請求の範囲に明示的に記載されていない限定、要素、特性、特徴、利点又は属性は、決してそのような請求項の範囲を限定すべきでない。これにより、本明細書及び図面は、制限的な意味ではなく例示的と見なされるものである。
【0054】
加えて、この説明では、特定のプロセス工程が特定の順序で記載されてもよく、アルファベット及び英数字符号を使用して、特定の工程を識別することができる。説明において特記されない限り、実施形態は、そのような工程を実施する任意の特定の順序に必ずしも限定されない。特に、符号は単に工程の簡便な識別に使用され、そのような工程を実施する特定の順序を指定又は必要とすることは意図されていない。