(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167795
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】装置
(51)【国際特許分類】
H02K 53/00 20060101AFI20221027BHJP
H02K 21/14 20060101ALI20221027BHJP
H02K 7/10 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
H02K53/00
H02K21/14 M
H02K7/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022046913
(22)【出願日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】2105766.6
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】522115848
【氏名又は名称】エコモ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヤコブ ファン リットスコーテン
【テーマコード(参考)】
5H607
5H621
【Fターム(参考)】
5H607BB01
5H607BB14
5H607BB18
5H607EE05
5H621GB10
5H621HH01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】実験用磁気モータ装置を提供する。
【解決手段】回転子要素116は内側回転子要素および外側回転子要素を有し、両方が同心円に配置された複数の永久円弧状磁石を備える。内側回転子要素および外側回転子要素は共通の中心回転軸126の周りで回転可能である。回転子要素は、外側回転子要素の周りで同心円状に第3の円に配置された複数の遮蔽要素130も備える。回転子要素と共に回転可能な出力軸124は、中心回転軸に沿ってまたは実質的に沿って、少なくとも部分的にハウジング112から外に延在している。促進要素118は回転子要素の周りに同心円状に第4の円に配置されている。各回転可能な促進要素は極を有する永久磁石を備え、かつ回転可能な促進要素の各極が使用中に交互に回転子要素に面してそこに促進力を付与するように、周囲回転軸の周りで回転可能である。ロッキング機構120は促進要素の回転を制御する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータハウジングと、
前記モータハウジング内の回転子要素であって、
第1の円に配置された複数の永久円弧状磁石を備えた内側回転子要素、および
前記内側回転子要素の周りに同心円状に配置された第2の円に配置された複数の永久円弧状磁石を備えた外側回転子要素
を有し、前記内側回転子要素および前記外側回転子要素は共通の中心回転軸の周りで回転可能である回転子要素と、
前記外側回転子要素の周りに同心円状に第3の円に配置された複数の遮蔽要素と、
前記中心回転軸に沿ってまたは実質的に沿って少なくとも部分的に前記ハウジングから外に延在している出力軸であって、前記回転子要素と共に回転可能な出力軸と、
前記回転子要素および前記複数の遮蔽要素の周りに同心円状に第4の円に配置された複数の回転可能な促進要素であって、各回転可能な促進要素は極を有する永久磁石を備え、かつ各回転可能な促進要素の回転時に前記回転可能な促進要素の各前記極が使用中に交互に前記回転子要素に面してそこに促進力を付与するように、周囲回転軸の周りで回転可能である回転可能な促進要素と、
前記複数の回転可能な促進要素の回転を制御するためのロッキング機構と
を備える実験用磁気モータ装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記回転可能な促進要素の前記永久磁石は円筒状または角柱状である、請求項1に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項3】
前記ロッキング機構は、回転可能な促進要素に回転力を付与するための回転付与要素と、回転可能な促進要素の回転を選択的に防止または阻止するためのブロッキング要素とを備える、前記請求項のいずれか1項に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項4】
前記回転付与要素は、各回転可能な促進要素に関連づけられた車輪を備え、前記車輪は周囲歯を有する、請求項3に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項5】
前記回転付与要素は、前記回転子要素に関連づけられ、かつ前記関連づけられた回転可能な促進要素を回転させるために前記車輪と一時的に係合可能であるように配置された一連の歯をさらに備える、請求項4に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項6】
前記ブロッキング要素は、前記促進要素の回転が防止または阻止される前記回転可能な促進要素と係合された状態と前記促進要素の回転が許可される係脱された状態との間で移動可能であるように配置された可動部分を備える、請求項3~5のいずれか1項に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項7】
前記可動部分は枢動可能なアームを備える、請求項6に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項8】
前記可動部分は、不等辺四辺形、台形および三角形のうちの1つである横断面形状を有する、請求項6または請求項7に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項9】
前記ブロッキング要素は、前記可動部分を前記係合された状態に維持するか、あるいは前記可動部分が前記係脱された状態にある場合に前記可動部分を前記係合された状態に/に向かって付勢するように配置された付勢手段をさらに備える、請求項6~8のいずれか1項に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項10】
前記付勢手段はバネを備える、請求項9に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項11】
前記ブロッキング要素は、前記可動部分を前記係合された状態から前記係脱された状態に移動させるための係脱要素を備える、請求項6~10のいずれか1項に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項12】
前記係脱要素は、前記回転子要素から延在しており、かつそこに力を加えるために前記可動部分に一時的に係合可能であるように配置された固定された片持ち梁状のアームを備える、請求項11に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項13】
前記係脱要素は、不等辺四辺形、台形および三角形のうちの1つである横断面形状を有する、請求項11または請求項12に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項14】
前記ブロッキング要素は、回転防止要素と、前記促進要素の回転を防止または阻止するために前記回転防止要素と係合可能な停止要素とをさらに備える、請求項3~13のいずれか1項に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項15】
前記停止要素は溝を備え、かつ/または前記回転防止要素は前記溝の中に受け入れ可能な細長い要素を備える、請求項14に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項16】
磁場を生成して電磁力を提供して前記回転子要素を駆動させるため、あるいは前記モータ装置からエネルギーを抽出するための電磁石をさらに備える、前記請求項のいずれか1項に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項17】
前記電磁石は前記内側回転子要素の半径方向外側および/または前記外側回転子要素の半径方向内側に配置されている、請求項16に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項18】
前記回転子要素の周りに同心円状に第5の円に配置された複数の回転可能な外側促進要素をさらに備え、前記複数の遮蔽要素および前記複数の回転可能な促進要素は第4の円に配置されており、各回転可能な外側促進要素は極を有する永久磁石を備え、かつ周囲軸の周りで回転可能である、前記請求項のいずれか1項に記載の実験用磁気モータ装置。
【請求項19】
モータハウジングと、
前記モータハウジング内に位置決め可能な回転子要素であって、
第1の円または第1の多角形を形成するように配置されたか配置可能な複数の永久磁石、および
前記複数の永久磁石の周りに同心円状に実質的に第2の円または第2の多角形に配置されたか配置可能な複数の遮蔽要素
を有し、前記回転子要素またはその部品は中心回転軸の周りで回転可能である回転子要素と、
出力手段と、
前記回転子要素および前記複数の遮蔽要素の周りで同心円状に第3の円または第3の多角形に配置された複数の回転可能な促進要素であって、各回転可能な促進要素は極を有するさらなる永久磁石を備え、かつ前記各回転可能な促進要素の回転時に、前記回転可能な促進要素の各前記極が使用中に交互に前記回転子要素に面してそこに促進力を付与するように周囲回転軸の周りで回転可能である回転可能な促進要素と、
前記複数の回転可能な促進要素の前記回転を制御するためのロッキング機構と
を備える実験用磁気モータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的および/または機械的であってもよい出力を提供するための実験用磁気モータ装置であって、より高い効率を有する実験用磁気モータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータは、自動車輸送手段、家電製品、道具および電子装置を含む多くの電気製品の必須の構成要素である。モータは典型的に、固定子と固定子に対して回転可能な回転子とを備える。回転子および固定子のうちの一方は通常は電磁石を備え、他方は永久磁石を備える。電気を使用して電磁石に通電する。通電された電磁石はN磁極およびS磁極を有する。電磁石の磁極は永久磁石の反対側の磁極に引きつけられるため、回転子が始動する。反対の極の位置合わせを防止するために電磁石の極性を周期的に反転させ、それにより回転運動を維持する。これは整流子により達成してもよい。回転子の回転運動は出力手段を介して出力に変換される。出力軸は、軸を介して機械的出力を提供する出力手段の一例である。
【0003】
モータが機能するために電気エネルギーを連続的に供給することでモータの効率は低下する。連続的な電気エネルギー供給により感電死のリスクも高まる。電流の高調波は望ましくない副作用であり、これは特に熱の形態でのさらなるエネルギー損失となり、それによりモータの効率がさらに低下する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的はこれらの問題の解決法を提供することにある。
【0005】
本発明の第1の態様によれば、モータハウジングと、モータハウジング内の回転子要素であって、第1の円に配置された複数の永久円弧状磁石を備えた内側回転子要素および内側回転子要素の周りに同心円状に配置された第2の円に配置された複数の永久円弧状磁石を備えた外側回転子要素を有し、内側回転子要素および外側回転子要素は共通の中心回転軸の周りで回転可能であり、かつ外側回転子要素の周りに同心円状に第3の円に配置された複数の遮蔽要素を有する回転子要素と、中心回転軸に沿ってまたは実質的に沿って少なくとも部分的にハウジングから外に延在している出力軸であって、回転子要素と共に回転可能な出力軸と、回転子要素および複数の遮蔽要素の周りに同心円状に第4の円に配置された複数の回転可能な促進要素であって、各回転可能な促進要素は極を有する永久磁石を備え、かつ各回転可能な促進要素の回転時に回転可能な促進要素の各前記極が使用中に交互に回転子要素に面してそこに促進力を付与するように、周囲回転軸の周りで回転可能である回転可能な促進要素と、複数の回転可能な促進要素の回転を制御するためのロッキング機構とを備える、実験用磁気モータ装置が提供される。
【0006】
本モータ装置は、自動車輸送に電力を供給する、家庭内電気を生成する、または小型化するのに適した新しい種類のモータである。それは排気を全く生じないかより少ない排気を生じる。促進要素の交互の極性により回転子を回転させ続けるための力を生成する。促進要素により回転子要素の回転運動量の少なくとも一部を維持することにより、エネルギー損失が最小限に抑えられる。エネルギー損失を最小限に抑えることにより本モータ装置の効率を高める。
【0007】
言い換えるとその利点は、本モータ装置がいくつかの任意により小さい磁石と、回転子によって生成される力を用いてそれらの極性を反転させる促進要素とを備えることである。永久磁石は電気を必要とすることなく互いに引きつけ合うか反発し合う。この磁石の性質を使用して回転子を後ろから押し、かつそれを前から引いて、それ自体を動かし続け、かつ出力を提供する力を生成する。
【0008】
好ましくは、少なくとも1つの前記回転可能な促進要素の永久磁石は円筒状であってもよい。円筒状の促進要素をより密に詰め込んでもよく、かつ/または回転可能な促進要素の表面から回転子要素までの距離は一定または実質的に一定である。
【0009】
あるいは、少なくとも1つの前記回転可能な促進要素の永久磁石は角柱状であってもよい。言い換えると、永久磁石は正方形または矩形の横断面および/または縦断面を有していてもよい。
【0010】
有利なことにロッキング機構は、回転可能な促進要素に回転力を付与するための回転付与要素と、回転可能な促進要素の回転を選択的に防止または阻止するためのブロッキング要素とを備えていてもよい。回転付与要素は、回転子要素に異なる面を示すために促進要素を回転させる。ブロッキング要素はそうすることが有利である場合にのみ、促進要素の回転が生じるのを制限または制約する。従って促進要素は自由に回転可能ではない。
【0011】
有利には回転付与要素は、各回転可能な促進要素に関連づけられた車輪を備えていてもよい。さらに車輪は周囲歯を有していてもよい。車輪は使用中にギアまたははめ歯として機能する。車輪(より好ましくははめ歯歯車)は市販品として入手可能なものであってもよく、このようにして製造を容易にしてもよい。
【0012】
さらに回転付与要素は、回転子要素に関連づけられ、かつ関連づけられた回転可能な促進要素を回転させるための車輪と一時的と係合可能であるように配置された一連の歯をさらに備えていてもよい。一連の歯は好ましくは車輪(好ましくは歯車)との係合を高める。
【0013】
有利なことにブロッキング要素は、促進要素の回転が防止または阻止される前記回転可能な促進要素と係合された状態と、促進要素の回転が許可される係脱された状態との間で移動可能であるように配置された可動部分を備えていてもよい。任意に可動部分はアームを備えていてもよい。さらにアームは枢動可能であってもよい。アームは代わりとして並進可能であってもよい。さらに可動部分は不等辺四辺形、台形および三角形のうちの1つであってもよい横断面形状を有していてもよい。促進要素と選択的に係合可能であることにより、可動部分は促進要素の回転を許可または防止する。
【0014】
有利にはブロッキング要素は、可動部分を係合された状態に維持するか、あるいは可動部分が係脱された状態にある場合に可動部分を係合された状態に/に向かって付勢するように配置された付勢手段をさらに備えていてもよい。有利なことに付勢手段はバネを備えていてもよい。付勢手段もしくは機構の利点は、促進要素がデフォルトで係合された位置にあるという点である。
【0015】
好ましくはブロッキング要素は、可動部分を係合された状態から係脱された状態に移動させるための係脱要素を備えていてもよい。有利なことに係脱要素は、回転子要素から延在しており、かつ可動部分に力を加えるためそこに一時的に係合可能であるように配置された固定された片持ち梁状のアームを備えていてもよい。固定された片持ち梁状のアームは可動部分の数を減らす。より少ない可動部分は、製造および組み立てが容易になることを意味する。回転子要素に対して固定されている片持ち梁状のアームは、片持ち梁状のアームが回転子要素と共に回転することも意味する。
【0016】
任意に、係脱要素は不等辺四辺形、台形および三角形のうちの1つである横断面形状を有していてもよい。係脱要素および可動部分の一方または両方が不等辺四辺形、台形または三角形である断面を有する場合、その幾何学的形状は、係脱要素が可動部分を係脱された状態に向かって移動させることができるように、係脱要素の可動部分との係合を容易にする。
【0017】
さらにブロッキング要素は、回転防止要素と、促進要素の回転を防止または阻止するために回転防止要素と係合可能な停止要素とを備えていてもよい。任意に停止要素は溝を備えていてもよい。追加または代わりとして、回転防止要素は溝の中に受け入れ可能な細長い要素を備えていてもよい。これらの特徴は、可動部分と促進要素との間での締り嵌めまたは摩擦が促進要素の回転を防止または阻止する一次手段である場合に二次ロックとして機能してもよい。例えば可動部分と促進要素との間での締り嵌めまたは摩擦が存在しない場合には、回転防止要素および停止要素は一次的なものおよび/または促進要素の回転を防止または阻止する唯一の手段であってもよい。
【0018】
有利には本実験用磁気モータ装置は、磁場を生成して電磁力を提供して回転子要素を駆動させるため、あるいは本モータ装置からエネルギーを抽出するための電磁石をさらに備えていてもよい。電磁石は出力軸への追加またはその代わりとして電気の力で出力を提供することができる。本装置は任意に電池として機能するものとみなしてもよい。また電磁石を使用して回転子要素の回転を誘導してもよい。
【0019】
さらに電磁石は、内側回転子要素の半径方向外側に配置されていてもよい。さらに電磁石は、外側回転子要素の半径方向内側に配置されていてもよい。電磁石は内側回転子要素と外側回転子要素との間に位置決めされている。この相対的位置は、内側および外側回転子要素がどちらも電磁石によって生成された同じまたは実質的に同じ磁場強度を受けることができるため有利であり得る。対照的に、電磁石が内側回転子要素の半径方向内側または外側回転子要素の半径方向外側に位置決めされている場合、回転子要素の一方は他方の回転子要素によりも弱い磁場を受けるであろう。いずれか一方の代替位置が想定されてもよい。
【0020】
任意に本実験用磁気モータ装置は、回転子要素の周りに同心円状に第5の円に配置された複数の回転可能な外側促進要素、第4の円に配置された複数の遮蔽要素および複数の回転可能な促進要素をさらに備えていてもよく、各回転可能な外側促進要素は極を有する永久磁石を備え、かつは周囲軸の周りで回転可能である。促進要素の数の増加により磁力を増加させ、それにより促進力が回転子要素に加えられる。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、モータハウジングと、モータハウジング内に位置決め可能であり、かつ第1の円または第1の多角形を形成するように配置されたか配置可能な複数の永久磁石および前記複数の永久磁石の周りに同心円状に実質的に第2の円または第2の多角形に配置されたか配置可能な複数の遮蔽要素を有する回転子要素であって、回転子要素またはその部品は中心回転軸の周りで回転可能である回転子要素と、出力手段と、回転子要素および複数の遮蔽要素の周りで同心円状に第3の円または第3の多角形に配置された複数の回転可能な促進要素であって、各回転可能な促進要素は極を有するさらなる永久磁石を備え、かつ各回転可能な促進要素の回転時に、回転可能な促進要素の各前記極が使用中に交互に回転子要素に面してそこに促進力を付与するように周囲回転軸の周りで回転可能である回転可能な促進要素と、複数の回転可能な促進要素の回転を制御するためのロッキング機構とを備える、実験用磁気モータ装置が提供される。
【0022】
本モータ装置は機械的および/または電気的であってもよい出力を提供する。促進手段は回転子要素の回転運動量を維持することによりエネルギー損失を減らしてもよい。本モータ装置は、内側回転子要素および外側回転子要素を必要としないのでより単純であるが、これらを想定することができる。
【0023】
次に本発明について添付の図面を参照しながら単なる一例としてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第2の態様に係る、実験用磁気モータ装置の第1の実施形態の斜視図を示す。
【
図3】明確性のためにロッキング機構が省略されている状態で
図1のモータ装置の破断平面図を示す。
【
図4】ロッキング機構が示されており、かつ明確性のために促進磁石、各促進要素の回転軸、回転子磁石および遮蔽要素磁石が破線で表されている
図3の矩形Aの拡大図を示す。
【
図5】ロッキング機構の一部および促進要素の斜視分解図を示す。
【
図6a】促進要素は回転不可能であるが回転子要素は自由に回転可能である、モータ装置の促進要素の隣接するサブセットに対する回転子磁石の相対的位置合わせの関数としての磁力のグラフである。
【
図6b】明確性のためにロッキング機構が省略されている状態で、停止状態における使用中のモータ装置の一実施形態の破断平面図を示し、各磁石のN極は黒色で示され、かつ各磁石のS極が白色で示されている。
【
図7a】明確性のためにロッキング機構が省略されている状態で、反転事象の前に回転子要素が時計回りに回転している使用中の
図1のモータ装置の破断平面図を示す。
【
図7b】反転事象中の使用中の
図7aのモータ装置を示す。
【
図7c】反転事象後の使用中の
図7bのモータ装置を示す。
【
図8】本発明の第1の態様に係る、実験用磁気モータ装置の第2の実施形態の軸方向断面図である。
【
図9】明確性のためにロッキング機構が省略されている状態で
図8のモータ装置の破断平面図を示す。
【
図10】ロッキング機構が示されており、かつ明確性のために電磁石、内側および外側促進磁石、内側および外側回転子要素ならびに遮蔽要素磁石が破線で表されている
図9の矩形Bの拡大図を示す。
【
図11】
図8のモータ装置の内側および外側促進要素の磁極の配置の平面図である。
【
図12】
図8のモータ装置のロッキング機構の一部、外側促進要素および内側促進要素の斜視分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
最初に
図1を参照すると、一般に10で表されている装置が示されている。装置10はモータ装置または磁気モータ装置または組立体と呼ぶ場合がある。モータ装置10は実験用であっても実験用でなくてもよい。磁気モータ装置10は、磁気要素を使用して出力を提供する。モータ装置10は、モータハウジング12、出力手段14、回転子すなわち回転子要素16、少なくとも1つの促進要素もしくは部分18およびロッキング機構20を備えるが、上記特徴のいずれかは省略されていてもよく、かつ/または上記のいずれかの複数が提供されてもよい。装置10のあらゆる部品が、プラスチック、金属、木材、磁性材料、鉄材、あらゆる他の好適な材料またはそれらの任意の組み合わせで形成されていてもよい。
【0026】
モータハウジング12および出力手段14の一部が
図1に示されている。
図1では、軸平面Aは一点短鎖線で表されており、横断面Tは点線で表されている。
図2は軸平面Aに沿った
図1の断面である。
図2は、モータハウジング12および出力手段14に加えて、回転子要素16、2つの促進要素18およびロッキング機構20を示す。セグメントまたは促進部材(urger)とも呼ばれる少なくとも1つの促進要素18およびロッキング機構20の少なくとも一部を任意に固定子と呼んでもよい。従って基本的な構成は好ましくは回転子16、固定子およびケーシング12を含む。
【0027】
モータハウジングすなわちケーシング12は、モータ装置10の全てまたは少なくともいくつかの部品を収容、包囲、支持および/または保護する。好ましくはケーシング12は、出力手段14、回転子すなわち回転子要素16、少なくとも1つの促進要素18およびロッキング機構20のうちの少なくとも1つ(好ましくは全て)の少なくとも部分的に半径方向および/または少なくとも部分的に軸方向外側にある。モータハウジング12は
図1および
図2において、円筒状または実質的に円筒状であるものとして示されているが、矩形または正方形などのあらゆる非円筒状の形状が想定されてもよい。モータハウジング12は好ましくは円筒状の壁、上壁および底壁を有しているが、どの壁も省略されていてもよい。これらの壁は冷却を高めるなどのために好ましくは連続的であるが、非連続的なものは1つの選択肢である。言い換えると、少なくとも1つの壁はそこを通る開口部を有していてもよい。代わりまたは追加として、少なくとも1つの壁は複数の壁小部分から形成されていてもよい。これらの小部分は互いに一体形成されていても一体形成されていなくてもよい。これらの小部分は互いに接続されているか接続可能であってもよい。任意にモータハウジング12は、壁、床、さらなるケーシングまたは車両などの支持要素または支持体への/の中への/の上への/に接したモータ装置10の係合、接続または固定を可能にする。図示されている実施形態では、これは少なくとも1つの延長要素すなわち延長部21によって提供されているが、この特徴は省略されていてもよい。延長要素21はモータハウジング12のどの壁または側面から延在していてもよい。モータハウジング12はあらゆき向きに設けられていてもよい。モータハウジング12は、どちらも
図1および
図2において両方向破線矢印によって示されている縦寸法もしくは範囲22a、横寸法もしくは範囲22bと、
図1および
図2において破線で示されているハウジング軸23とを有する。好ましい実施形態では、縦寸法22aを軸方向範囲と呼ぶ場合もある。同様に横寸法22bを直径と呼ぶ場合がある。
【0028】
明確性のために、「縦」および「横」という用語は縦の範囲が横の範囲よりも小さくなり得る場合であっても維持される。
【0029】
ハウジング軸23に平行に含まれているか延在しているあらゆる平面を平面Aなどの軸平面または縦平面と呼ぶ場合がある。同様に、平面Tなどのハウジング軸23を通って(好ましくは垂直に)延在しているあらゆる平面を横断面または横平面と呼ぶ場合がある。
【0030】
出力手段、部分、部品もしくは要素14はモータ装置10の出力を提供する。出力手段14は好ましくは機械的出力手段14であるが、追加または代わりとして非機械的出力手段が想定されてもよい。好ましい実施形態では、出力手段14は出力軸24を備える。
図1では、出力軸24は、モータハウジング12の縦の範囲22aの全てまたは少なくとも大部分に沿って延在している。但し、縦の範囲の小部分が1つの選択肢であってもよい。また図示のように出力軸24は少なくとも部分的にハウジング12から外に延在しているが、これは任意である。出力軸24は回転子要素16と共に回転可能である。出力軸24は中空、非中空または部分的中空であってもよい。出力軸24はプラスチック、金属、木材またはあらゆる他の好適な材料から形成されていてもよい。
【0031】
回転子要素16はモータハウジング12内に位置決めされているか位置決め可能である。回転子要素16は明確性のために単に回転子と呼ぶ場合がある。回転子要素16は使用中にモータハウジング12に対して回転可能である。回転子要素16は好ましい実施形態では出力手段14、より好ましくは出力軸24と接続されている接続可能であるか、あるいはそこに一体形成されている。これにより出力軸24を回転子要素16と共に回転可能にすることができる。回転子要素16は、回転子軸26、回転子支持体28、少なくとも1つの遮蔽要素すなわちシールド30および第1の回転子要素もしくは部品32を備えるが、これらの特徴のいずれかは省略されていてもよく、かつ/または上記のいずれかの複数が提供されてもよい。
【0032】
回転子軸26は、その周りで回転子要素16またはその部品が回転可能である中心回転軸である。回転子要素16は出力軸24の代わりまたは追加として車軸を備えていてもよいが、車軸は好ましくは省略されている。好ましくは出力軸24は中心回転軸26に隣接しているかその周りまた上にあるが、これは任意である。
【0033】
回転子支持体28は、遮蔽要素30および/または第1の回転子要素32またはその部品を接続または支持する。さらに回転子支持体28は任意に、直接的または間接的であるかを問わず、第1の回転子要素32および/または少なくとも1つの遮蔽要素30と出力手段14との接続または係合を可能にしてもよい。好ましい実施形態では回転子支持体28は、出力軸24を第1の回転子要素32および/または少なくとも1つの遮蔽要素30と共に回転させる。回転子支持体28は
図2に示すように、少なくとも1つ、より好ましくは2つのプラットフォーム要素すなわちプラットフォーム33を備える。
【0034】
少なくとも1つの第1の回転子要素32は、明確性のために回転子磁石34と呼ばれる少なくとも1つ、より好ましくは複数の磁石34を備える。ここでは複数の回転子磁石34は6つの磁石を含むが、あらゆる他の数、好ましくは偶数の磁石が想定されてもよい。但し奇数の磁石が1つの選択肢であってもよい。回転子磁石34は好ましくは永久磁石であるが、電磁石などの非永久磁石が想定されてもよい。
【0035】
各回転子磁石34を移動部材(mover)と呼ぶ場合がある。第1の回転子要素32の各回転子磁石34は、回転子磁石本体36を有する。回転子磁石本体36は、2つの回転子磁極38、回転子外向き面40、回転子内向き面41、2つの回転子側部接触面42、回転子上面43および回転子底面44を有する。
【0036】
各回転子磁石34の底面44は、当該プラットフォーム要素33またはそのうちの1つと接続されているか接続可能である。上面43は任意に、当該プラットフォーム要素33またはそのうちの1つと接続されているか接続可能である。外向き面40および内向き面41は極性を有し、言い換えるとそれらは回転子磁石34の磁極38の1つの少なくとも一部であるかそれを含む。従って外向き面40および内向き面41をそれぞれ、外向き極性面40および内向き極性面41と呼ぶ場合がある。少なくとも1つ、好ましくは全ての回転子磁石34は弓状もしくは円弧状磁石であるが、非弓状もしくは部分的弓状磁石が可能である。複数の回転子磁石34は、回転子軸26の半径方向外側にあるように配置されているか配置可能である。複数の回転子磁石34は、好ましくはそれらの側部接触面42によって互いに当接可能であるか当接されているか接続されているが、側部接触面の間に間隙が設けられていてもよい。2つの側部接触面42の接触部すなわち密着当接部は接合部45と呼ぶ場合がある。
【0037】
複数の回転子磁石34は、形状を形成するように配置されているか配置可能である。好ましくは当該形状はその円または円弧であるが、多角形などのあらゆる非円形形状が想定されてもよい。
図3は連続的な円を形成している回転子磁石34を示しており、各回転子磁石34は円の円弧である。明確性のために第1の回転子要素32の円は概念的に第1の円46と呼ぶ場合があり、
図3に点線で示されている。第1の円46の中心は好ましくは回転子軸26およびハウジング軸23のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てと一致している。第1の円46に沿って、各回転子磁石34の外向き極性面40は連続した回転子磁石34の外向き極性面40とは反対の極性を有する。従って外向き極性面40の極性は第1の円46の周りで交互になっている。
【0038】
各30は無効化部材(negator)と呼ぶ場合もある。無効化部材すなわち遮蔽要素30は、回転しているセグメントすなわち促進要素18が移動部材すなわち回転子磁石34に引きつけられるのを防止または阻止してもよい。それは、セグメントすなわち促進要素18とは反対の極性を有すること、および/またはセグメントすなわち促進要素18と移動部材すなわち回転子磁石34との間に位置決めされることにより、これを行う。遮蔽要素30の機能は本明細書においてさらに明らかにされる。
【0039】
各遮蔽要素30は、無効化部材磁石とも呼ばれる少なくとも1つの磁石48を有する。第1の回転子要素32の回転子磁石34と同様に、遮蔽要素30の各無効化部材磁石48は無効化部材磁石本体49を有する。各無効化部材磁石本体49は、2つの無効化部材磁極50、無効化部材外向き面51a、無効化部材内向き面51b、2つの無効化部材側面52、無効化部材上面53aおよび無効化部材底面53bを有する。各無効化部材磁石48の底面53bは、当該プラットフォーム要素33またはそのうちの1つと接続されているか接続可能である。無効化部材外向き面51aおよび無効化部材内向き面51bは極性を有し、言い換えるとそれらは磁石48の磁極の1つの少なくとも一部であるかそれを含んでいる。従って、無効化部材外向き面51aおよび無効化部材内向き面51bをそれぞれ、無効化部材外向き極性面51aおよび無効化部材内向き極性面51bと呼ぶ場合がある。無効化部材磁石48のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てが弓状もしくは円弧状磁石であるが、立方形状または角柱状などの部分的弓状もしくは非弓状磁石が可能である。
【0040】
第1の回転子要素32とは異なり、各無効化部材磁石48の無効化部材上面53aは当該プラットフォーム要素33またはそのうちの1つと接続されていないか接続不可能であるが、この代替形態が想定されてもよい。
【0041】
好ましくは複数の遮蔽要素30が存在し、より好ましくは回転子磁石34および/または異なる極性の回転子要素16が存在するのと同じ位に多くの遮蔽要素30が存在する。この場合、6つの遮蔽要素30が存在する。磁石48は回転子軸26および/または第1の回転子要素32の半径方向外側にあるように配置されているか配置可能である。より好ましくは、複数の遮蔽要素30はある形状であるか実質的にある形状であるように配置されているか配置可能である。その形状は好ましくは円またはその円弧であるが、多角形などの非円形は1つの選択肢である。明確性のために、遮蔽要素30の円は
図3に点線として示されている概念的に第2の円54と呼ぶ。第2の円54は第1の回転子要素32の周りに同心円状である。各無効化部材磁石48は第2の円54の円弧に沿って延在している。各無効化部材磁石48の円弧長さは、
図3に示すように前記回転子磁石34の円弧長さの(好ましくは小)部分である。
【0042】
無効化部材磁石48は第2の円54に沿って互いから離間されている。それらの極性も好ましくは第2の円54に沿って交互になっている。
【0043】
各無効化部材磁石48の無効化部材内向き面51bは、回転子磁石34の外向き面40に面するように位置決めされているか位置決め可能である。無効化部材内向き面51bは好ましくは回転子外向き面40から半径方向に離間されている。各無効化部材磁石48は、第1の回転子要素32の接合部45から離間されて位置決めされているか位置決め可能であるが、接合部の位置またはそれに隣接した位置などの回転子磁石の円弧長さに沿ったあらゆる場所が想定されてもよい。より好ましくは、各無効化部材磁石48は、2つの連続した接合部45間に等距離にあるか実質的に等距離にある。図示されている実施形態では、当該、各または少なくとも1つの無効化部材磁石48は、最も近い2つの接合部45のいずれか一方に対する角度だけオフセットされている。その角度は0°~60°の範囲であってもよいが、この範囲外のあらゆる角度が想定されてもよい。好ましくは、その角度は10°~50°の範囲、より好ましくは20°~40°の範囲であってもよい。最も好ましくは、その角度は30°であるか約30°である。その角度は固定されているか固定可能または変化可能であってもよい。
【0044】
さらに各無効化部材磁石48は好ましくは第1の回転子要素32の1つのみの回転子磁石34と重なっているが、これは任意である。言い換えると、各無効化部材磁石48は接合部45とは重なっていないか大きく重なっていない。但し、無効化部材磁石が接合部45と重なっている場合、重なっている範囲は接合部の周りで対称的であっても非対称であってもよい。対応する回転子磁石34に対する各無効化部材磁石48の位置は、全ての無効化部材磁石48について同様または同一であるが、これは任意である。
【0045】
先に言及したように、モータ装置10は少なくとも1つの促進要素18を備える。各促進要素18をセグメントと呼ぶ場合がある。図示されている実施形態では、36個の促進要素18が存在するが、あらゆる他の数が想定されてもよい。
【0046】
複数の促進要素18は、第1の回転子要素32および/または複数の遮蔽要素30の半径方向外側に配置されている。言い換えると促進要素18は、(概念的に第3の)円または多角形であるか実質的に円または多角形であるように配列または配置されているか配置可能であるが、あらゆる他の非円形および非多角形状が想定されてもよい。第3の円または多角形は、第1の回転子要素32および/または遮蔽要素30の周りで同心円状である。促進要素18は好ましくは円または多角形の周囲の周りで等しく離間されているが、これは任意である。
【0047】
各促進要素18は、明確性のためにそれぞれ促進磁石55と呼ばれる少なくとも1つの促進磁石55を備える。例えば互いに軸方向に重なっている促進要素18ごとに複数の促進磁石55が任意に設けられていてもよい。各または少なくとも1つの促進磁石55はより好ましくは永久磁石であるが、非永久磁石が想定されてもよい。従ってセグメント、移動部材および無効化部材は好ましくは永久磁石である。
【0048】
各促進要素18は、その周りで促進要素18が回転可能である車軸すなわち回転軸56も有する。但し、回転不可能であることは1つの選択肢である。促進要素18の回転軸56は明確性のために周囲回転軸と呼ぶ場合がある。各促進要素18は軸方向長さも有する。周囲回転軸56を含むかそれに平行であるあらゆる平面は促進軸平面58と呼ぶ場合がある。促進軸平面の例は
図4に示されており、そこでは促進軸平面58は破線で示されている。周囲回転軸56と(好ましくは垂直に)交わるあらゆる平面は、促進横断面と呼ぶ場合がある。当該、各または少なくとも1つの周囲回転軸56は好ましくは、ハウジング12および/または中心回転軸26に対して固定されているか移動不可能である。任意に、ハウジング12の少なくとも1つの壁が複数の壁小部分から形成されている場合、少なくとも1つの促進要素18は、当該、各または少なくとも1つの壁小部分に関連づけられていてもよい。各促進磁石55は、少なくとも1つの促進磁石本体60を有する。各促進磁石本体60は、2つの促進磁極61、促進第1表面62、促進第2表面63、促進上面64および促進底面65を有する。
【0049】
促進第1表面62および促進第2表面63は極性を有し、言い換えるとそれらは、促進磁石55の促進磁極61の1つの少なくとも一部であるか、そのために支持体を提供するかそれを含む。従って促進第1表面62および促進第2表面63を第1極性面62および第2極性面63と呼ぶ場合がある。第1極性面62は、「N」極性を有し、第2極性面63は「S」極性を有するが、その逆を容易に想定することができる。
【0050】
少なくとも1つ、好ましくは全ての促進磁石55は円筒状であるか実質的に円筒状でるが、立方形状などの非円筒状が可能である。促進第1表面62および促進第2表面63は好ましくは少なくとも部分的に湾曲されているが、非湾曲状は1つの選択肢である。好ましい実施形態では、促進第1表面62および促進第2表面63は、促進軸平面58に沿って互いに接している。促進第1表面62の開始および終了部分は、促進第2表面63の開始および終了部分から区別不可能であってもよい。従って2つの促進磁極61は、促進軸平面58のいずれか一方の側に位置決めされている。
【0051】
ロッキング機構20は、使用中に複数の回転可能な促進要素18の回転を制御する。好ましい実施形態では、ロッキング手段、ロッキング機構またはロック20は、回転付与要素もしくは部品66およびブロッキング要素もしくは部品67を備えるが、いずれか一方の要素は省略されていてもよく、あるいは両方の要素が単一の要素もしくは部品に組み合わせられていてもよく、これは回転付与要素およびブロッキング要素の両方として機能してもよい。
【0052】
回転付与要素66を回転装置と呼ぶ場合がある。回転付与要素66は使用中に前記もしくは各促進要素18に回転力を付与することにより、その回転を可能にするか生じさせる。好ましくは、回転付与要素66は第1の回転付与部分68および第2の回転付与部分69を含むが、いずれか一方は省略されていてもよく、かつ/またはいずれか一方の複数が提供されてもよい。
【0053】
前記もしくは各第1の回転付与部分68は前記促進要素18に関連づけられている。好ましくは、各促進要素18に関連づけられた第1の回転付与部分68が存在する。従って図示されている実施形態では、回転付与要素66は36個の第1の回転付与部分68を有する。好ましくは、各第1の回転付与部分68は少なくとも1つの車輪要素または車輪70を備える。
【0054】
前記もしくは各車輪70は、前記回転可能な促進要素18、より好ましくはその周囲回転軸または車軸56に当接可能または接続可能であるか接続されているか、取り付け可能であるか取り付けられている。好ましくは、車輪70は周囲回転軸56と同心である。言い換えると、車輪70の中心軸は周囲回転軸56の上または周りにあるが、そこからのオフセットが可能である。当該、各または少なくとも1つの車輪70は、その周囲に1つ以上の周囲歯71を備える。従って車輪は、はめ歯歯車または歯車70である。但し歯は省略されていてもよい。例えば摩擦は、歯のない車輪を回転させるのに十分なものであればよい。
【0055】
前記もしくは各第2の回転付与部分69を回転部材(turner)と呼ぶ場合がある。従って機械式回転装置66は回転部材69を備えていてもよい。前記もしくは各第2の回転付与部分69は使用中に前記もしくは各第1の回転付与部分68と相互作用して、その関連づけられた第1の回転付与部分68を介して前記促進要素18を回転させる。好ましくは第1の回転子要素32の回転子磁石34が存在するのと同じ位に多くの第2の回転付与部分69が存在するが、これは任意である。好ましい実施形態では、6つの第2の回転付与部分69が存在するが、0個、1個、2個、3個、4個、5個または6個以上などのあらゆる数が提供されてもよい。
【0056】
前記もしくは各第2の回転付与部分69は好ましくは回転子要素16に関連づけられている。より好ましくは、前記もしくは各第2の回転付与部分69は、回転子支持体28に/の上に接続可能であるか接続されており、かつ/またはそこに少なくとも関連づけられている。第2の回転付与部分69は好ましくは回転子支持体28の周りで規則的に離間されているが、これは任意である。単一の第2の回転付与部分の場合、第2の回転付与部分は回転子要素16の一部の周りに延在している分離した部分を含んでいてもよく、あるいは回転子要素16の周囲範囲の全体または実質的に全体の周りで連続的であってもよい。
【0057】
図示のように、各または少なくとも1つの第2の回転付与部分69は好ましくは接合部45と重なっていない。より好ましくは、各または少なくとも1つの第2の回転付与部分69は接合部45から離間されていてもよいが、その位置にあるかそこに隣接していることが1つの選択肢であってもよい。さらにより好ましくは、各または少なくとも1つの第2の回転付与部分69は2つの連続した接合部から等距離にある。図示されている実施形態では、前記もしくは各第2の回転付与部分69は、最も近い2つの接合部45のいずれか一方に対する角度だけオフセットされている。その角度は0°~60°の範囲であってもよいが、この範囲外のあらゆる角度が想定されてもよい。好ましくは、その角度は10°~50°の範囲、より好ましくは20°~40°の範囲であってもよい。最も好ましくは、その角度は30°であるか約30°である。その角度は固定されていても固定可能または変化可能であってもよい。
【0058】
さらに、前記もしくは各第2の回転付与部分69は好ましい実施形態では、前記遮蔽要素30と円周方向、半径方向および軸方向のいずれかで重なっている。より好ましくは、前記もしくは各第2の回転付与部分69の少なくとも一部は好ましくは前記遮蔽要素30の上または下に位置決めされているが、これは任意である。前記もしくは各第2の回転付与部分69は支持体72と、それに一体形成されているかそこに接続されているか接続可能である一連の歯73とを備えるが、いずれか一方の特徴は省略されていてもよい。
【0059】
一連の歯または歯のある円弧73は、回転子要素16に対して半径方向外側に延在している。図示されている実施形態では、促進要素18ごとに各または少なくとも1つの前記第1の回転付与部分68に係合することができるようにするために、一連の歯73は半径方向および軸方向に位置決めされている。言い換えると一連の歯73は、車輪70を介して関連づけられた回転可能な促進要素18を回転させるために、車輪70の周囲歯71と一時的に係合可能であるように配置されている。使用中に第1および第2の回転付与部分68、69の相互作用がその極性を変えるのに十分な回転を促進要素18に加えるように、アレイ73ごとの歯の数および/またはアレイ73の長さに沿ったそれらの間隔が選択される。好ましい実施形態では、各促進要素18が2つの極のみを有する際には促進要素18を180°回転させる。より多くの数の極により促進要素を必要に応じて180°未満の角度だけ回転させてもよい。
【0060】
ブロッキング要素67は使用中に、前記促進要素18の回転を選択的にロック、防止、阻止またはブロックする。ブロッキング要素67をロッキング装置と呼ぶ場合がある。それぞれが車軸または軸56を有するセグメントすなわち促進要素18、ロッキング装置の少なくとも一部および回転装置の少なくとも一部を任意に固定子と呼んでもよい。
【0061】
ブロッキング要素67は少なくとも1つの第1のブロッキング部分74および少なくとも1つの第2のブロッキング部分75を備えるが、いずれか一方の部分は省略されていてもよく、あるいは両方のブロッキング部分を各ブロッキング部分の機能を満たす単一の部分に組み合わせてもよい。
【0062】
第1のブロッキング部分74は第2のブロッキング部分75と相互作用するように構成されている。前記第1のブロッキング部分74は各促進要素18に関連づけられている。従って好ましい実施形態では、36個の第1のブロッキング部分74がそこに存在するが、あらゆる他の数が1つの選択肢であってもよい。各第1のブロッキング部分74は、移動もしくは可動部分76、ブロッキング部分支持体77および付勢手段78を備えるが、これらの特徴のいずれかは省略されていてもよい。
【0063】
可動部分76は、係合された状態と係脱された状態との間で移動可能であるように配置されているか配置可能である。係脱された状態では、可動部分76は促進要素18が回転可能であることを許可する。係合された状態では、可動部分76は促進要素18が回転可能であることを防止または阻止する。可動部分76は、当業者に公知のあらゆる手段によって回転を防止または阻止してもよい。例えば可動部分76は、回転が摩擦により防止または阻止されるように、促進要素18に選択的に当接または押圧するように移動可能であってもよい。摩擦に加えて、あるいはその代わりとして、締付手段すなわちクランプ、留め具、停止部材またはブロックが単なる一例として想定されてもよい。可動部分76は促進要素18により係合された状態と係脱された状態との間で移動または作動することができる限り、あらゆる形状または形態をとっていてもよい。
【0064】
可動部分76は好ましい実施形態では、突起部、突出部、つまみ、ラッチまたはアームを備える。好ましくはアームまたはラッチは枢動可能なアームまたはラッチである。言い換えると、第1のブロッキング部分74はヒンジまたは枢動軸を備えていてもよいが、これは任意である。可動部分76はブロッキング部分支持体77に装着されているか装着可能である。従って機械式ロッキング装置またはブロッキング要素67は、ケーシング12の上で/に対して枢動することができるロッキングアームを備えていてもよい。
【0065】
付勢手段もしくは機構すなわち付勢部材(biasor)78は、使用中に係合された状態では可動部分76を維持し、可動部分76が係脱された状態にある場合には、付勢手段78は付勢力を加えて可動部分76を係合された状態に向かって付勢する。付勢手段78は図示されている実施形態では少なくとも1つのバネを備え、より好ましくは少なくとも1つの引張バネを備える。従って可動部分76を、枢動可能なバネ付勢されたロッキングラッチと呼ぶ場合がある。但しゴムバンド、アクチュエータまたはカウンターウェイトシステムなどのあらゆる他のバネおよび/またはあらゆる非バネ付勢手段が想定されてもよい。あるいは可動部分は、ピボットまたはヒンジを有しないように少なくとも部分的に弾性変形可能な材料から形成されていてもよい。
【0066】
第1のブロッキング部分74は、回転防止要素もしくは部品79および回転防止要素79と係合可能な停止要素もしくは部品80をさらに備えるが、いずれか一方または両方の特徴はこの場合も任意である。回転防止要素79および停止要素80は相互作用して促進要素の回転18を防止または阻止してもよい。回転防止要素79および停止要素80は
図5において参照することができる。
【0067】
回転防止要素79は好ましくは促進要素18と一体形成されているかそれに関連づけられており、かつ/またはそれに接続されているか接続可能であり、停止要素80は第1のブロッキング部分74、より好ましくはその可動部分76と一体形成されているかそれに関連づけられており、かつ/またはそれに接続されているか接続可能であり、あるいはその逆も同様である。
【0068】
回転防止要素79は本実施形態では、少なくとも1つのスラット、ペグ、歯、棒、ポールまたは他の細長い要素もしくは部分を備えるが、溝またはスリットなどのあらゆる代替形態が想定されてもよい。停止要素80は、少なくとも1つの凹部、スリット、溝または当接可能なブロックを備える。停止要素80は、回転防止要素79をその中に受け入れることができ、かつ/またはそれに当接可能であり得るように寸法決めおよび/または位置決めされている。任意に停止要素80は、周囲回転軸56をその中に受け入れるための貫通孔またはスリット81をさらに備える。
【0069】
従って機械式ロッキング装置またはブロッキング要素67は、セグメントの車軸56に取り付けることができ、かつロッキングアームに係合してセグメント18が回転するのを防止する1つ以上のロッキングペグを備えていてもよい。またロッキングペグは、セグメントの極性面が回転子16に面するのを保証してもよい。
【0070】
第2のブロッキング部分75は使用中に第1のブロッキング部分74と相互作用して、その可動部分76を係合された状態から係脱された状態へ/に向かって移動または作動させる。第2のブロッキング部分75は明確性のために、作動部材(trigger)、係脱要素、偏向要素、そらせ板または非ブロック要素と呼ぶ場合がある。
【0071】
作動部材、回転部材および無効化部材を任意にまとめて組立体と呼ぶ場合がある。当該組立体は好ましくは回転子要素16に関連づけられており、任意にその部分であるとさえみなしてもよい。
【0072】
各第2のブロッキング部分75は好ましい実施形態では、可動部分76に力を付与して付勢手段78の力に対抗するように位置決めおよび寸法決めされた突起部または突出部を備える。各第2のブロッキング部分75は回転子要素16、より好ましくは回転子支持体28に接続されているか接続可能である。第2のブロッキング部分75は好ましくは、前記第2の回転付与部分69および遮蔽要素30のいずれかまたはいずれかの組み合わせの位置にあるかそれらに隣接して位置決めされており、好ましくは3つ全てが
図4に最も良く示されているように位置決めされている。より好ましくは、各または少なくとも1つの第2のブロッキング部分75は、2つの連続した接合部45間で等距離にあるか実質的に等距離にある。図示されている実施形態では、当該、各または少なくとも1つの第2のブロッキング部分75は、最も近い2つの接合部45のいずれか一方に対する角度だけオフセットされている。その角度は0°~60°の範囲であってもよいが、この範囲外のあらゆる角度が想定されてもよい。好ましくは、その角度は10°~50°の範囲、より好ましくは20°~40°の範囲であってもよい。最も好ましくは、その角度は30°であるか約30°である。その角度は固定されていても固定可能または変化可能であってもよい。図示されている実施形態では、第2のブロッキング部分75は係合された状態では、可動部分76と同じまたは実質的に同じ軸方向の隆起部である。
【0073】
図示されている実施形態では、第2のブロッキング部分75は、片持ち梁状の固定アームまたはラッチを備える。言い換えると、機械式作動部材75はセグメント18のロックを解くアームを備えていてもよく、それによりセグメント18が回転するのを可能にする。固定アームは好ましくは、回転子要素16から少なくとも部分的に半径方向外側および/または少なくとも部分的に軸方向に延在している。固定された片持ち梁状のアームは、使用中にそれに対して力を加えるために可動部分76と一時的に係合可能であるように配置されている。好ましくは回転子磁石34が存在するのと同じ位に多くの第2のブロッキング部分75が存在するが、これは任意である。従って好ましくは6つの第2のブロッキング部分75が存在する。
【0074】
任意に第2のブロッキング部分75は、少なくとも1つの傾斜面または斜めの表面または湾曲した表面82を備えていてもよい。任意に好ましくは片持ち梁状の可動部分76の自由端にあるかそこに隣接する枢動可能なアームの一部は、同様の傾斜したすなわち斜めの表面または湾曲した表面83を有していてもよい。言い換えると、係脱要素もしくは部品75および可動部分76のいずれか一方または両方の少なくとも一部は不等辺四辺形、台形および三角形のうちの1つであってもよい横断面形状を有していてもよい。いずれか一方または両方の表面82、83の機能は本明細書において後で説明する。
【0075】
使用中にモータ装置10がまだ組み立てられていない場合には、それを組み立てる必要がある。組み立ては以下の工程のうちの少なくともいくつかを行うことを含むが、それは必ずしも以下の順序というわけではない。
【0076】
好ましい実施形態では、はめ歯歯車70である第1の回転付与部分68を促進要素18に接続する。同様に、回転子要素16にまだ一体形成されていない場合には、本実施形態では一連の歯である第2の回転付与部分69をそこに接続する。
【0077】
第1のブロッキング部分74がモータハウジング12に一体形成されていない場合には、そこに組み立てて接続する。第2のブロッキング部分75が回転子支持体28に一体形成されていない場合には、そこに接続する。ペグなどの回転防止要素79が設けられている場合には、回転防止要素79を促進要素18に接続する。
【0078】
回転子磁石34を組み立てて第1の回転子要素32を形成する。遮蔽要素30および第1の回転子要素32を回転子支持体28に接続することにより、回転子要素16を組み立てる。
【0079】
ここでは、出力軸24である出力手段14を回転子要素16およびモータハウジング12に接続する。促進要素18をハウジング12に挿入する。好ましくは、促進要素18の極性は促進要素18の円に沿って連続的に交互である。
【0080】
モータ装置10を解体するために、上記工程を逆に行ってもよい。
【0081】
組み立てたモータ装置10を使用するために、初期力または電気を加えて回転子要素16を回転させることを必要としてもよい。これは二次モータなどを介して自動で行うことができる。あるいは、ユーザが出力手段14および/または回転子要素16を簡単に回転させることなどにより、これを手動で行うことができる。
【0082】
回転子要素16は回転子軸26の周りを回転方向に回転し始めるが、これは反時計回りであってもよく、あるいは図示されている実施形態に示されているように時計回りであってもよい。出力手段14は回転子要素16と共に回転し、それにより機械的出力を提供する。
【0083】
ここでは回転子支持体28上にある一連の歯73である第2の回転付与部分69は、回転子要素16と共に回転し始める。以下のプロセスは明確性のために1つの第2の回転付与部分69について説明しているが、全ての第2の回転付与部分69が好ましくは同様または実質的に同様の回数で、同じまたは同様のプロセスを経ることは明らかである。
【0084】
第2の回転付与部分69は、好ましくは前記促進要素18上に装着されたはめ歯歯車70である第1の回転付与部分68に出会うまで回転する。
【0085】
デフォルトにより、好ましくは枢動可能なアームである各可動部分76は、そのそれぞれの促進要素18と係合された状態にある。従って促進要素18は、好ましい実施形態でははめ歯歯車70である第1の回転付与部分68と同様に、回転するのを防止または阻止される。促進要素18はロックされる。
【0086】
可動部分76が第1の回転付与部分68および第2の回転付与部分69の歯と係合した際に係合された状態のままである場合、第1の回転付与部分68は回転子要素16のさらなる回転を防止または阻止する。第2のブロッキング部分すなわち作動部材75は、第1のブロッキング部分74と相互作用することにより上記状況を防止する。
【0087】
より好ましくは、作動部材75は可動部分76を係脱された状態へ/に向かって移動または作動させる。図示されている実施形態では、作動部材75は少なくとも部分的に同じ物理的空間を占有することを試みることにより、枢動可能なアームに対して摺動または並進し、力を付与して付勢手段78の付勢力に対抗する。作動部材75は枢動可能なアームを係合された位置から図示されているように、どちら側であるかは問わず上方または好ましくは下方に押し離す。言い換えると、枢動可能なアームを作動部材75によって押下する。
【0088】
枢動可能なアームおよび固定アームの一方または両方にある斜めの表面82、83は、特に作動部材75および/または可動部分76の前縁またはそこに隣接して位置決めされている場合に可動部分76に対する作動部材75の並進を可能および/または容易にしてもよい。図示されている実施形態では、2つの斜めの表面82、83は回転子16の回転のいずれか一方の方向に対応するために、枢動可能なアームおよび固定アームの両方に設けられている。
【0089】
また可動部分76が係脱された状態にある場合、回転防止要素79および停止要素80が設けられている場合にはそれらは互いから係脱される。促進要素すなわちセグメント18はロックが解除されて回転することができる。
【0090】
回転子要素16が回転すると、第2の回転付与部分69の一連の歯73は第1の回転付与部分68(ここでは車輪70)に係合してそれを回転させる。この場合、促進要素すなわちセグメント18を、その周囲回転軸56の周りで180°または約180°回転させる。従って各回転可能な促進要素18の回転時に、回転可能な促進要素18の各前記極61は、使用中に回転子要素16に交互に面してそこに促進力を付与する。
【0091】
回転子要素16が回転し続けると、作動部材75および可動部分76は係脱する。付勢力が対抗されない場合には、付勢手段78は係合された状態に向かって可動部分76を付勢する状態に戻る。当該または連続的に次の作動部材75が可動部分76を係合された状態から係脱された状態に移動させるまで、可動部分76は係合された状態のままにある。
【0092】
好ましくは一連の歯73の範囲は、促進要素18の極性を変えるのに十分な回転を引き起こすのに必要な車輪70の周囲範囲に一致するか実質的に一致する。言い換えると、一連の歯73の長さは好ましい実施形態では、車輪70の周囲範囲の約半分である。従って可動部分76が係合された状態に戻る時間までは、一連の歯73は車輪70の歯から係脱されている。
【0093】
一連の歯73がその後の一連の歯73から離間され、かつ回転子支持体28に沿った一連の歯73の間の空間に好ましくは歯がなくなると、ロックされた車輪70は回転子要素16が回転するのを防止または阻止しない。
【0094】
回転子要素16が回転し続けると、作動部材75は(概念的に第2の)促進要素18に関連づけられた可動部分76に出会う。第2の促進要素18はその極性がちょうど変わったところである概念的に第1の促進要素18に隣接している。言い換えると、第2の促進要素18は順番では連続的に次である。
【0095】
作動部材75は枢動可能なアームを係合された状態から離すように一時的に移動させる。同時または実質的に同時に、枢動可能なアームが係脱された状態にある間に、一連の歯73は車輪70およびそれにより第2の促進要素18を好ましくは同様に180°回転させる。共通の特徴の詳細な説明は簡潔のために省略する。促進要素18が回転された後に、可動部分76は係合された状態に戻る。
【0096】
回転子要素16が回転し続けると、作動部材75は(概念的に第3の)促進要素18の可動部分76に出会う。第1の促進要素18と同じ工程を第3および各その後の促進要素18のために次々に繰り返す。簡潔のために、ここではこれらの工程は繰り返さない。
【0097】
好ましくは複数の作動部材75および複数の一連の歯73が存在するため、複数の異なる促進要素18のためにこれらの工程を同時または実質的に同時に繰り返す。
【0098】
熱および/または摩擦などによるエネルギー損失が存在する場合がある。これらのエネルギー損失を補償しないことが、モータ装置10を停止するための1つの方法であってもよい。当接要素または摩擦要素などの制動機構は、手動であるか自動あるかを問わず、回転子要素の回転を防止または停止するために任意に設けられていてもよい。制動機構の例としては摩擦パッドが挙げられる。運動エネルギーを除去して本モータ装置の速度を落としてもよい。運動エネルギーは電気などの別の貯蔵可能エネルギーの形態に変換することさえできる。
【0099】
但し当該損失は補償してもよい。例えばユーザは、手動または非手動でさらなるエネルギーおよび/または力を付与して回転子要素16を回転させるか、その回転速度を上げてもよい。代わりまたは追加として、二次モータまたはさらなるモータまたはモータ要素は、さらなるエネルギーおよび/または力を提供してもよい。熱の差などによる対流により、追加または代わりとしてエネルギー損失を少なくとも部分的に補償してもよい。
【0100】
但し好ましくは、促進要素18および任意に遮蔽要素30の配置によりエネルギー損失は少なくとも部分的に最小化または補償される。言い換えると、促進要素18および任意に遮蔽要素が、以下に説明されているように回転子要素16の回転慣性または運動量の少なくとも一部を維持する。
【0101】
第1の回転子要素32は回転子磁石34から形成されている。1つの回転子磁石34の回転子外向き面40が隣接する回転子磁石34の回転子外向き面40とは極性が異なるように、回転子磁石34は配置されている。それにより第1の円46に沿って交互の極性を有する第1の回転子要素32が得られる。言い換えると、第1の円46の連続した円弧またはセクターは異なる極性を有する。図示されている実施形態では、6つの回転子磁石34が存在する。従って3つの回転子表面40は「N」極を有し、3つの回転子外向き面40は「S」極を有する。「N」回転子外向き面40は、「S」回転子外向き面40によって互いから離間されている。
【0102】
促進要素18は回転子要素16の半径方向外向きに位置決めされている。促進要素18は好ましくは第3の円に沿って規則的に離間されているため、各第1の円の円弧または回転子磁石34に面する好ましくは等しい数の促進要素18が存在する。本実施形態では、各第1の円の円弧に面する6つの促進要素18が存在するが、1つの円弧当たりにより多くまたはより少ない数が想定されてもよい。好ましくは、共通の第1の円の円弧に面する促進要素18の少なくとも1つは、回転子要素16に面しているかそこに向かって方向づけられているそれらの第1極性面62を有する。好ましくは、共通の第1の円の円弧に面する促進要素18の少なくとも1つは、回転子要素16に面しているかそこに向かって方向づけられているそれらの第2極性面63を有する。言い換えると、共通の第1の円の円弧に面する少なくとも2つの促進要素18は互いに反対の極性を有するが、共通の円の円弧に面する全ての促進要素は他の実施形態では同じ極性を有していてもよい。従って、少なくとも1つの促進要素18の「N」第1極性面62は回転子磁石34の「N」回転子外向き面40に面しており、逆もまた同様である。同じ極性はその間に反発磁力を生じる。同様に、少なくとも1つの「S」促進要素18は回転子磁石34の「N」回転子外向き面40に面しており、逆もまた同様である。従って、この少なくとも1つの促進要素18は反対の極性の磁石34に対して引きつける磁力を生成してもよい。
【0103】
さらに少なくとも1つの促進要素18は、隣接する回転子磁石34の「S」回転子外向き面40に面するそれらの「S」第2極性面63を有する。従ってこの少なくとも1つの促進要素18は反対の極性の少なくとも1つの隣接する回転子磁石34を引きつける磁力を生成してもよい。
【0104】
言い換えると、永久磁石はNおよびSと命名された2つの極を有する。2つの磁石が互いに非常に接近した場合に、同様もしくは同じ極(すなわち、両方のNまたは両方のS)は互いに反発するので、磁石は互いに反発し合うか引きつけ合う。同様でないすなわち反対の極(すなわち一方がNで他方がS)は互いに引きつけ合う。
【0105】
反発力および/または引力は非定常状態を生じさせる。結果として、正味促進力が生成される。正味促進力は回転子要素16が始動されるように促し、かつ/または既存の回転移動を少なくとも部分的に持続させてもよい。モータ装置10が動いている場合、無効化部材すなわち遮蔽要素30に対向するセグメントすなわち促進要素18は回転子要素16のこの運動によって回転され、それらの極性面を反転させ、これにより回転子要素16を回転させ、かつ/またはその回転運動量を少なくとも部分的に維持させるこの状況を維持する。ユーザが促進要素18の向きを選択するか変化させて、例えば回転子16の回転を開始または防止するのを可能にしてもよいが、これは完全に任意である。ユーザは回転子要素に対する無効化部材、固定アームおよび/または一連の歯の位置を選択するか変化させることも可能にしてもよいが、これも任意である。
【0106】
ロッキング機構20が全く存在しない場合、第1の事例では自由に回転可能な促進要素18は回転して、最も近い回転子磁石34の回転子外向き面40の極性とは反対の極性のそれらの極性面62、63を示す。
【0107】
あるいは第2の事例では、「N」回転子外向き面40を有する回転子要素16は「N」回転子外向き面40が可能な限り最も大きい数の促進要素18の「S」第2極性面63に面するまで回転し、その逆も同様である。例えばこれは、促進要素18が回転するのを防止されるが、回転子要素16が自由に回転可能である場合に生じる。
【0108】
両方の事例において、次いで回転子要素16は回転をやめる。これは「停止」状態とも呼ばれる平衡すなわち定常状態である。
図6aは第2の事例を示し、
図6bは停止状態におけるモータ装置の一実施形態の破断図を示す。本モータ装置の当該実施形態は、接合部と無効化部材、第2の回転付与部分および第2のブロッキング部分のいずれかまたは全てとの間の角度が選択可能および/または変化可能である場合に、本発明に係るものであってもよい。
【0109】
図6aでは、x軸は促進要素18のグループの極性面と所与の回転子磁石の共通の回転子外向き面との位置ずれを表す。y軸は回転子磁石34の磁力を表し、ここではプラスは反時計回り方向の磁力であり、マイナスは時計回り方向の磁力である。
図6bでは、黒色は各磁石のN極を表し、白色はS極を表す。「N」回転子外向き面40が促進要素18のグループの「S」極性面に正確に、かつ好ましくはそれのみに、あるいはその最も大きい可能な数に面するか、あるいはその逆である場合に、面している促進要素18と回転子磁石34との間の磁気引力は最強である。回転子磁石34が停止状態にあれば、相対的位置合わせまたは位置ずれは0°である。従って回転子磁石34を回転させる磁力も0である。「停止」状態は
図6aではx軸とy軸との交点である。
【0110】
「停止」状態から離れるように回転した場合、回転子磁石34は非定常状態になる。非定常状態では、回転子要素は、反発および/または引きつける磁力によって偏りが生じ、磁力の相対強度および位置ずれ角の方向に応じて時計回りまたは反時計回りに回転することにより「停止」状態に戻る。
【0111】
回転子磁石34が停止状態に対して時計回りに回転された場合、反時計回りの復元磁力が回転子磁石34に加えられる。従って回転子磁石34は、停止状態に戻るための反時計回りの角速度を有する。これはy軸の左側のグラフの部分に対応している。位置ずれが増加するにつれて、復元磁力が増加する。復元力は、「N」回転子外向き面40が促進要素18のグループの「N」極性面に正確に、かつ好ましくはそれのみに、あるいはその最も大きい可能な数に面する場合に最強である。回転子磁石34のさらなる回転により復元磁力の反転が生じる。
【0112】
y軸の右側のグラフの部分は、回転子磁石34が停止状態に対して反時計回りに配置されている対称的な状況を表す。簡潔のために詳細な説明は省略する。
【0113】
ロッキング機構20は、促進要素18の回転を選択的に許可または防止することにより上記事例を防止する。これは、
図7a~
図7cの助けを借りて本明細書において後で説明されているように、非定常状態を維持し、かつ/または回転子磁石34が「停止」状態に達するのを防止または阻止する。
【0114】
回転子要素16は、図示されている実施形態では時計回りである一方向に回転する。(概念的に6つの)促進要素18のグループは、回転子磁石に面する同じ極性のそれらの極性面を有する。明確性のために、この第1のグループの6つの促進要素18のそれぞれを連続的に第1の促進要素1、第2の促進要素2、第3の促進要素3、第4の促進要素4、第5の促進要素5および第6の促進要素6とそれぞれ呼ぶ。番号付けはグループごとに提供されている促進要素18の数に適合させる。第1のグループの少なくとも1つ、より好ましくは3つの促進要素は、(概念的に第1の)「N」回転子外向き面に面する「N」第1極性面を有する。
図7aに示されている実施形態では、これらの3つの促進要素は第1の促進要素1、第2の促進要素2および第3の促進要素3である。さらに第1のグループの少なくとも1つ、より好ましくは3つの促進要素は、(概念的に第2の)「S」回転子外向き面に面する「N」第1極性面を有する。
図7aに示されている実施形態では、これらの3つの促進要素は第4の促進要素4、第5の促進要素5および第6の促進要素6である。
【0115】
さらなる(概念的に6つの)促進要素18は、促進要素の第2の隣接するグループを反時計回りに形成している。第2のグループの促進要素18を明確性のために同様に、第1の促進要素1’、第2の促進要素2’、第3の促進要素3’、第4の促進要素4’、第5の促進要素5’および第6の促進要素6’と番号付けしてもよい。番号付けはグループごとに提供される促進要素18の数に適合させる。第1の促進要素1’、第2の促進要素2’、第3の促進要素3’は、第2の「S」回転子外向き面に面するそれらの「S」極性面を有する。第4の促進要素4’、第5の促進要素5’および第6の促進要素6’は、(概念的に第3の)「N」回転子外向き面に面するそれらの「S」極性面を有する。促進要素のさらなるグループは詳細に記載されている促進要素の第1の2つのグループと同様である。従って簡潔のために詳細な説明は省略する。グループは他の数の促進要素を含んでいてもよい。促進要素の数はグループ間で異なってもよい。
【0116】
従って、各グループの(概念的に第1の)3つの促進要素18は(概念的に第1の)回転子磁石に反発する。各グループの(概念的に最後の3つの)促進要素18は(概念的に第2の)回転子磁石34を引きつける。言い換えると、促進要素18の異なる極性は上から第2の回転子磁石34を引きつけ、かつ促進要素18の同様の極性は後ろか第2の回転子磁石34に反発する。これは
図7aに示されている状況である。
【0117】
回転子要素16が回転すると、第2の回転付与部分69および作動部材75も回転する。これにより第1のグループの促進要素18の1つに関連づけられた可動部分76を係脱させ、かつ促進要素18を一連の歯73および車輪70を介して回転させる。回転された促進要素18の極性は反転する。好ましくは、セグメントすなわち促進要素18は180°回転される。これを反転事象と呼ぶ。
図7bは、6つの促進要素18が半円矢印によって示されている反転事象下にあるモータ装置10を示す。当然のことながら、促進要素の回転方向は回転子16の回転方向によって決定され、ここではこれは時計回りであるが反時計回りであってもよい。
【0118】
言い換えると、回転子16を回転させることで、当該組立体に作動部材を用いて次のセグメント18のロッキング装置のロックを解除させてそれを反転させる。その極性は回転部材により反転される。セグメント18は再びロックされる。セグメントすなわち促進要素18を反転させることにより、回転子16を回転させるための力を生成する状況を維持し、故に回転子16は回転し続け、モータ装置10の出力を生成する。
【0119】
本実施形態では、反転された促進要素18は好ましくは、第2の回転付与部分69および作動部材75の位置により第1のグループの最後の促進要素18、言い換えると第1のグループの第6の促進要素6である。第1のグループの第6の促進要素6は第2のグループの第1の促進要素1’になる。これは反転事象後の
図7cに示されている状況である。
【0120】
同時または実質的に同時に、第2のグループの第6の促進要素6’も好ましくは促進要素18の(概念的に第3の)グループの第1の促進要素1’’になるために同様の反転事象を経る。
【0121】
従ってグループ中の促進要素18の数は好ましくは一定のままである。グループの最後から2番目の促進要素18は典型的にはそのグループの新しい最後の促進要素18になり、そのグループの前の最後の促進要素18は次のグループの第1の促進要素18になる。
【0122】
連続的な反転事象により、回転可能な促進要素18の各促進磁極61が使用中に交互に回転子要素16に面してそこに促進力を付与する。回転子要素16が連続的に一方向に移動するような連続的な反転事象は、非定常状態が維持されることも意味する。
【0123】
各遮蔽要素30は完全に省略されていてもよい。但し、遮蔽要素30により非定常状態を維持するのを助けてもよい。各遮蔽要素30は好ましくは促進要素18と同じまたは実質的に同じ直径である。これは遮蔽要素30が一度に1つの促進要素18を「遮蔽」するのを可能にするが、一度に2つ以上が1つの選択肢であってもよい。遮蔽要素30の無効化部材内向き面51bは好ましくは、それが面している回転子磁石34の回転子外向き面40と同じ極性を有し、これは第1の回転子磁石34の場合には「N」である。遮蔽要素30は、反転事象の前に第2の回転子磁石34に対して遮蔽された第6の促進要素18の磁気引力を遮蔽、中断または無効化する。追加または代わりとして、遮蔽要素30は、反転事象後に第1の回転子磁石34に対する第2のグループの遮蔽された第1の促進要素18の磁気引力を遮蔽、弱化、中断または無効化する。これにより第一に、遮蔽された促進要素18が回転するのを助けてもよい。言い換えるとセグメントの反転を助けるために、それは移動部材に面する反発する極を有する無効化部材によって遮蔽される。
【0124】
モータ装置10の出力は機械的、電気的またはその両方であってもよい。
【0125】
次に
図8および
図9を参照すると、一般に110で表されている実験用磁気モータ装置の第2の実施形態が示されている。
【0126】
モータ装置10の第1の実施形態の特徴と同様であるモータ装置110の第2の実施形態の特徴は、接頭辞「1」が追加された状態で同様の符号を有する。
【0127】
第2の実施形態のモータ装置110は第1の実施形態のモータ装置10と同様であり、同様のモータハウジング112、出力手段114、回転子すなわち回転子要素116、少なくとも1つの促進要素もしくは部品118、ロッキング機構120、少なくとも1つの回転子磁石134aを有する第1の回転子要素もしくは部品132a、少なくとも1つのプラットフォーム要素またはプラットフォーム133を有する回転子支持体128、少なくとも1つの遮蔽要素すなわちシールド130、一連の歯173を含む回転付与要素もしくは部品166、少なくとも1つの第2のブロッキング部分175および少なくとも1つの第1のブロッキング部分174を含むブロッキング要素またはブロック167を有し、前記もしくは各第1のブロッキング部分174は、可動部分176、ブロッキング部分支持体177および付勢手段すなわち付勢部材178を備える。共通の特徴の詳細な説明は簡潔のために省略する。但し、これらの特徴のいずれかは省略されていてもよく、かつ/または複数が設けられていてもよい。
【0128】
第2の実施形態では、回転子要素16は第2の回転子要素もしくは部品132bをさらに備える。
【0129】
明確性のために、第1の回転子要素もしくは部品132aの特徴と同じまたは同様である第2の回転子要素132bの特徴は、接尾辞「b」が追加された状態で同様の符号を有し、第1の回転子要素132aの特徴には接尾辞「a」が追加されている。
【0130】
第2の回転子要素132bは、第2の実施形態の第1の回転子要素132aまたは第1の実施形態の第1の回転子要素32と同様である。簡潔のために詳細な説明は省略する。第2の回転子要素132bは、回転子軸126の周りで円に配置され、かつ第1の回転子要素132aと同心である複数の回転子磁石134bを備える。
【0131】
第2の回転子要素132bは、第1の回転子要素132aの半径方向外側または(好ましくは)内側に位置していてもよい。これは
図9に示されており、より明確に
図10に示されている。従って、第2の回転子要素132bを内側回転子要素132bと呼ぶ場合があり、第1の回転子要素132aを外側回転子要素132aと呼ぶ場合があり、逆もまた同様である。
【0132】
好ましくは、外側回転子要素132aの回転子内向き面141aは内側回転子要素132bの回転子外向き面140bに位置合わせしている。外側回転子外向き面140aは促進要素118aに面している。内側回転子要素132bおよび外側回転子要素132aは共通の中心回転軸または回転子軸126の周りで回転可能である。内側回転子内向き面141bは回転子軸126に面している。内側回転子磁石134bを内側移動部材と呼ぶ場合があり、外側回転子磁石134aを外側移動部材と呼ぶ場合がある。
【0133】
内側移動部材すなわち内側回転子磁石134bの数は好ましくは外側移動部材すなわち外側回転子磁石134aの数と同じ数であるが、異なる数が1つの選択肢であってもよい。少なくともいくつか、好ましくは全ての外側移動部材すなわち外側回転子磁石134aおよび内側移動部材すなわち内側回転子磁石134bは永久磁石であり、さらにより好ましくは円弧状もしくは弓状永久磁石である。好ましくは、内側回転子磁石134bおよび外側回転子磁石134bは互いに位置合わせしているか実質的に位置合わせしている。内側移動部材すなわち内側回転子磁石134bの「N」回転子外向き面140bは外側移動部材すなわち外側回転子磁石134aの「S」回転子内向き面141aに面している。言い換えると、移動部材は同じように方向づけられているが、反対の方向づけが想定されてもよい。さらに第1の回転子要素132aおよび第2の回転子要素132bは好ましくは使用中に互いに同時に回転するが、これは任意である。
【0134】
第2の実施形態の出力手段、部分、部品もしくは要素114は出力軸124を備えていてもよい。出力軸124に加えて、あるいはその代わりに出力手段114は、少なくとも1つの電磁石184を備えていてもよい。少なくとも1つの電磁石184はモータ装置110からエネルギーを抽出してもよく、かつ/または回転子要素116を駆動させるために磁場を生成して電磁力を提供してもよい。
【0135】
好ましくは第1の回転子要素132aおよび/または第2の回転子要素132bに磁石が存在するのと同じ位に多くの電磁石184が存在する。図示されている実施形態では、6つの電磁石184が存在する。各または少なくとも1つの電磁石184は外側回転子要素132aの半径方向内側に配置されている。さらに、各または少なくとも1つの電磁石184は内側回転子要素132bの半径方向外側に配置されている。言い換えると、電磁石184は好ましくは外側回転子要素132aと内側回転子要素132bとの間に位置決めされているが、内側回転子要素の半径方向内側または外側回転子要素の半径方向外側が1つの選択肢であってもよい。各電磁石184は好ましくは外側回転子磁石134aおよび/または内側回転子磁石134bの長さの少なくとも小部分、より好ましくは全てに沿って、あるいは少なくとも大部分に沿って延在している。好ましくは、各電磁石184は接合部145a、145bの上にはなく、すなわち重なっていない。
【0136】
電磁石184は好ましくは、図示されている実施形態ではハウジング112である固定構成要素に接続されているか接続可能である。電磁石184は好ましくは回転不可能であり、かつ/または固定されている。各電磁石184は、ワイヤ185およびコア186を備える。ワイヤ185は金属などの導電体を備える。好ましくは金属は銅であるが、あらゆる他の金属が想定されてもよい。ケーシングすなわちハウジング112は任意に、ワイヤを通すための少なくとも1つのワイヤ開口部187をさらに備えていてもよい。ワイヤ185が存在するのと同じ位に多くのワイヤ開口部187が存在してもよいが、より少ないまたはより多くの数が想定されてもよい。
【0137】
コア186は、その周りにワイヤ185がコイル状に巻き付くことができる支持体を提供する。コア186は軟鉄を含んでいてもよい。従ってEMコイルは好ましくはケーシングに固定されている。従ってそれらは固定されている。さらにEMコイルは内側移動部材と外側移動部材との間に位置していてもよい。
【0138】
回転子116が回転すると、少なくとも1つの電磁石184の内部で磁場が電気を生成する。この電気は例として電池に蓄積することができる。回転子要素132a、132bの連続した交互の極性により、生成される電気は交流(AC)であってもよい。AC電流をDC電流に変換することが望ましい場合がある。この場合、整流器を設けることが必要となる場合がある。
【0139】
モータ装置110は電源(図示されていない)を備えていてもよいが、これは完全に任意である。電源はコンセントおよび/または電池であってもよい。
【0140】
第2の実施形態では、モータ装置110は、少なくとも1つ、より好ましくは複数のさらなる促進要素118bをさらに備える。外側促進要素118bを設けることにより、使用中に磁場の強度を高め、かつそれにより回転子要素116に加えられる促進力を増加させてもよい。
【0141】
明確性のために、促進要素118aの特徴と同じまたは同様であるさらなる促進要素118bの特徴は接尾辞「b」が追加された状態で同様の符号を有し、促進要素118aの特徴には接尾辞「a」が追加されている。さらに促進要素118aは内側促進要素または内側セグメント118aと呼ぶ場合があり、さらなる促進要素118bは外側促進要素または外側セグメント118bと呼ぶ場合がある。
【0142】
外側促進要素118bは、同様の好ましくは永久の促進磁石155a、155b、極161a、161bを有し、かつ周囲軸156bの周りで回転可能である内側促進要素118aと同様である。内側促進要素118aの特徴と同じまたは同様である外側促進要素118bの共通の特徴の詳細な説明は簡潔のために省略する。
【0143】
好ましくは内側促進要素118aが存在するのと同じ位に多くの外側促進要素118bが存在する。従って好ましい実施形態では、36個の外側促進要素118bが存在するが、より小さいまたはより大きい数の外側促進要素が想定されてもよい。各外側促進要素118bは内側促進要素118aに関連づけられている。各外側促進要素118bは、(少なくとも部分的に)内側促進要素118aの半径方向外側に配置されている。従って外側促進要素118bは、回転子要素116、複数の遮蔽要素130および複数の内側促進要素118aの周りで同心円状に形状を形成するように配置されている。この形状は好ましくは円である。言い換えると外側セグメントすなわち外側促進要素118bは、内側セグメントすなわち内側促進要素118aの外側および/または周りで環を形成している。好ましくは、内側促進要素118aは、両極が互いに面するように外側促進要素118bの反対の極性の極性面に面する極性面を有する。これは
図11に示されている。
【0144】
第2の実施形態の回転付与要素166は任意に、第1の実施形態と同様に少なくとも1つの第1の回転付与部分168および少なくとも1つの第2の回転付与部分169を備える。共通の特徴の詳細な説明は簡潔のために省略する。回転付与要素166は、
図12に最も良く示されている少なくとも1つの回転伝達機構188をさらに備える。前記もしくは各回転伝達機構、手段もしくは部分188は、力を伝達または付与して少なくとも1つの外側促進要素118bを回転させる。各回転伝達機構188は、少なくとも1つの連結要素189を備える。前記もしくは各連結要素189は好ましくは、内側促進要素118aの車輪170aと同様のはめ歯歯車、車輪要素または車輪170bである。好ましくは車輪170bは、それがはめ歯歯車170bであるように周囲歯を有するが、それらの歯は任意である。前記もしくは各連結要素189は内側促進要素118aおよび/または外側促進要素118bに関連づけられていてもよい。全ての車輪の直径は同じであってもよく、あるいはあらゆる車輪は少なくとも1つの他の車輪に対してより大きいまたはより小さい直径を有していてもよい。同様に、全ての促進要素は好ましくは同じ寸法を有するが、これは任意である。例えば、外側促進要素は別の外側促進要素および/または内側促進要素よりも大きいまたは小さい直径を有していてもよい。
【0145】
図示されている実施形態では、回転伝達機構188は2つの連結要素189を備える。連結要素189の一方は外側促進要素118bに関連づけられている。他方の連結要素189は内側促進要素118aに関連づけられている。2つの連結要素189は互いに相互作用するために位置決めされているか位置決め可能である。従ってそこでは、図示のように歯を有していてもよいそれらの周囲が互いに当接および/または相互係合するように、それらは互いに対して好ましくは半径方向および軸方向に位置決めされている。言い換えると、各外側セグメントすなわち外側促進要素118bは好ましくは2つの歯車170bによって内側セグメントすなわち内側促進要素118aに接続されており、内側セグメント118aが回転されるとそれが外側セグメント118bを回転させ、かつそれらがどちらもそれらの極性を反転させるように、各歯車170bはセグメント車軸156a、156bに取り付けられている。
【0146】
第1のブロッキング部分174の各可動部分176は、図示のように内側促進要素118aおよび外側促進要素118bの両方に関連づけられているか関連づけ可能である。第1の実施形態と同様に、内側促進要素118aのみが停止要素180と係合可能な回転防止要素179に関連づけられている。第1のブロッキング部分174、より好ましくはその可動部分176は、内側促進要素118aの周囲回転軸156aを受け入れるための貫通孔181aと同様に、外側促進要素118bの周囲回転軸156bを受け入れ、かつ/または支持するためのスロット、溝または貫通孔181bをさらに備えるが、これは任意である。
【0147】
第2の実施形態のさらなる特徴により、モータ装置110をより強力であって、より有用かつ/またはより制御可能にしてもよい。従ってモータ装置110の第2の実施形態は、電磁式(EM)コイル、外側セグメントすなわち外側促進要素118b、回転子磁石を備えた第2の回転子要素132bまたは内側移動部材134bのうちのいずれか、好ましくは全てを備えていてもよい。
【0148】
第2の実施形態のモータ装置110の使用は、第1の実施形態のモータ装置10の使用と同様である。簡潔のために共通の組み立て工程、解体工程および使用の詳細な説明は省略する。違いは以下のとおりである。
【0149】
電磁石184が設けられている場合には、それをハウジング112に接続する。電磁石184は任意に円または多角形またはその一部を形成するように配置してもよい。各外側促進要素118bの周囲回転軸156bを、その貫通孔181bが設けられている場合にはそこに受け入れる。各外側促進要素118bをハウジング112に接続する。好ましくは、外側促進要素118bの促進第1表面162bは内側促進要素118aの反対の極性を有する促進第2表面163aに面し、その逆も同様である。但し代わりに、同じ極性の促進表面が互いに面していてもよい。これらの工程はモータ装置10の組み立てのあらゆる時点で行ってもよい。出力軸124はモータ装置10に含まれいても含まれていなくてもよい。
【0150】
組み立てると、内側回転子要素132bによって第1の円が形成される。外側回転子要素132aに対応する第2の円を内側回転子要素132bの周りに同心円状に配置する。遮蔽要素130を外側回転子要素132aの周りに同心円状に第3の円に配置する。回転可能な内側促進要素118aを回転子要素116および複数の遮蔽要素130の周りに同心円状に第4の円に配置する。回転可能な外側促進要素118bを回転子要素116、複数の遮蔽要素130および回転可能な内側促進要素118aの周りに同心円状に第5の円に配置する。第2の実施形態の第2、第3および第4の円は第1の実施形態の第1、第2および第3の円にそれぞれ対応する。
【0151】
第2の実施形態の回転子要素116は複数の方法のうちの1つによって始動させてもよい。出力軸124が設けられている場合には、出力軸124を使用して回転子要素116を例えば手動で、および/または二次モータ(図示されていない)を介して始動させてもよい。少なくとも1つの電磁石184が設けられている場合には、磁場を発生させるために電磁石184に通電してもよい。次いでこの磁場は、その回転を誘導するのに十分な磁力を回転子要素116に付与してもよい。
【0152】
内側促進要素118aがブロッキング要素167によって回転するのを防止されている場合、外側促進要素118bはどちらも回転しない平衡状態にある。これは、内側促進要素118aによって加えられる磁力などの、外側促進要素118bをその平衡状態から離れるのを妨害する力が存在しないからであってもよい。図示されている実施形態では、回転伝達機構188、より好ましくは相互係合された連結要素189は外側促進要素118bのあらゆる回転を防止または阻止する。
【0153】
内側促進要素118aが回転されると、外側促進要素118bは同時または実質的に同時に回転する。図示されている実施形態では、外側促進要素118bは回転伝達機構188により回転させられる。相互係合された連結要素189は、内側促進要素118aおよび外側促進要素118bを反対方向に回転させる。好ましくは、その他の促進表面が内側促進要素118aの他の促進表面に面するように、外側促進要素118bも180°回転する。但し、例えば異なるギア比または異なる寸法を有する連結要素すなわちはめ歯189を設けることにより回転の角度を変えてもよい。
【0154】
モータ装置110の出力は機械的および/または電気的であってもよい。例えば機械的出力が出力軸124を介して提供されてもよい。ワイヤに作用している磁場がその中で電流を誘導することができる場合に、少なくとも1つの電磁石を介して電気出力が提供されてもよい。
【0155】
上記実施形態の全てにおいて、ハウジングおよび/または少なくとも1つの前記回転可能な促進要素の永久磁石は好ましくは円筒状であるが、非円筒状が1つの選択肢であってもよい。同様に、遮蔽要素および回転子磁石は好ましくは弓状磁石であるが、あらゆる遮蔽要素および/またはあらゆる回転子磁石は非弓状であってもよい。例えば磁石のいずれかは、直線状もしくは立方形状磁石または角柱状であってもよい。さらに、上記実施形態における全ての磁石が好ましくは円である形状を形成する。但し、複数の磁石によって形成される形状は非円形であってもよい。例えば、その形状は多角形であってもよい。1つ以上の磁石は、少なくとも部分的に多角形の1つ以上のエッジに沿って延在していてもよい。例えば4つの磁石は互いに対で面していてもよい。磁石は任意に弓状磁石以外であってもよい。4つの磁石は正方形または矩形を画定していてもよく、かつ/または各磁石は少なくとも部分的にそのエッジに沿って延在していてもよい。
【0156】
上記特徴のいずれかのために好ましい形状が指定されているが、曲線的または面取りされた形状であるか、あるいはあらゆる抽象的な形状であるかを問わず、円形、非円形、湾曲状、部分的湾曲状、非湾曲状、直線状、非直線状、卵形、長円形、楕円形あるいは三角形、正方形、矩形、五角形、六角形、八角形を含む多角形などのハウジング、あらゆる磁石、磁石によって形成された形状またはあらゆる他の記載されている特徴のあらゆる他の横断面および/または縦断面形状が想定されてもよい。
【0157】
回転伝達機構は好ましくは2つの連結要素もしくは部品を備える。内側促進要素に関連づけられた連結要素は省略されていてもよいことを容易に想定することができる。この他の実施形態では、外側促進要素に関連づけられた連結要素は内側促進要素の第1の回転付与部分に直接係合してもよい。さらに前記もしくは各連結要素は好ましくは、はめ歯、車輪要素または車輪である。さらなる修正形態では、あらゆる代替物が想定されてもよい。例えば伝達ベルト、あらゆるギアおよび/またははめ歯組立体が想定されてもよい。さらに少なくとも1つの回転伝達機構は完全に省略されていてもよい。例えば、関連づけられた内側促進要素の回転後の極性の変化は、磁気的に外側促進要素において回転を生じさせるのに十分なものであればよい。
【0158】
内側促進要素もしくは部品および外側促進要素もしくは部品の両方が共通の可動部分に関連づけ可能であるか関連づけられているのではなく、他の実施形態では、内側促進要素および外側促進要素のそれぞれが別個の可動部分および/または第1のブロッキング部分に関連づけられていてもよい。さらなる修正形態では、内側促進要素および外側促進要素のうちの1つのみが可動部分および/または第1のブロッキング部分に関連づけられているか関連づけ可能であってもよい。
【0159】
停止要素もしくは部品あるいは停止および/または回転防止要素もしくは部品が内側促進要素の代わりまたは追加として、外側促進要素に関連づけられていてもよいことを容易に想定することができる。
【0160】
第2の実施形態が第1の実施形態の特徴に加えて少なくとも1つの電磁石、少なくとも1つの外側促進要素、少なくとも1つの第2の回転子要素および少なくとも1つの回転伝達機構を備えるものとして記載されているが、これらの特徴のいずれかは第2の実施形態から省略されていてもよい。追加または代わりとして、これらの特徴のいずれかまたは全てが第1の実施形態を含む実施形態のいずれかに提供されてもよいことが想定されてもよい。
【0161】
ロッキング装置またはブロッキング要素は好ましくは全ての上記実施形態において機械式であるが、他の選択肢が想定されてもよい。例えばブロッキング要素は代わりに電子式、電気式または電気機械式であってもよい。電気機械式ロッキング装置は、モータ、より好ましくはDCモータを備えていてもよい。当該モータはケーシングに取り付けられているか取り付け可能であってもよい。ブロッキング要素はウォームネジを備えていてもよい。ウォームネジは出力軸および/またはケーシングに取り付けられいてもよい。ウォームネジはここでは、回転子および/またはセグメントの車軸に取り付けられたか少なくとも関連づけられた歯車である1つ以上の第1の回転付与部分に係合してもよい。ウォームネジは、セグメントに係合された場合にそれが回転するのを選択的または永久に防止してもよい。これによりセグメントの極性面が確実に回転子要素に面するのを保証してもよい。
【0162】
上記実施形態では車輪である第1の回転付与部分または回転装置は、他の実施形態では代わりとして機械式、電気機械式または磁気式であってもよい。電気機械式回転装置の例は、上の他のロッキング装置の実施形態に記載されているものと同じであってもさらなる(任意にDC)モータであってもよい。当該モータはセグメントを180°回転させて、その極性を反転させてもよい。言い換えると、同じモータはどちらも選択期間中に促進要素の回転を生じさせ、かつその期間外に同じ促進要素の回転を防止または阻止してもよい。当該モータは、促進要素に力を伝達するための中間部分をさらに必要としてもよい。磁気回転装置の例は、セグメントを180°回転させ、その極性を反転させる永久磁石を含んでもよい。
【0163】
作動部材、回転部材および無効化部材をまとめて組立体と呼ぶ場合がある。作動部材は上記実施形態では好ましくは機械式であるが、作動部材が非機械式であってもよいことを容易に想定することができる。例えば作動部材は光電子式であってもよい。光電子式作動部材の例はLEDおよびフォトトランジスターを含んでもよい。LEDは回転子および/または当該組立体に関連づけられていてもよい。フォトトランジスターはセグメントに関連づけられていてもよく、逆もまた同様である。フォトトランジスターがLEDの光を検出した際に、フォトトランジスターは、モータへの電流の流れを許可することなどにより、上に記載されている(好ましくはDC)モータを作動させてもよい。次いで当該モータはセグメントを回転させてもよい。
【0164】
上記好ましい実施形態では、回転子磁石の数および従って極性変化の回数は偶数である。極性変化の回数の増減は、回転子磁石の数をそれぞれ減少または増加させることにより増減させてもよい。極性変化の回数が2である場合、第1の回転子要素は2つの回転子磁石または移動部材を有し、そのうちの一方は「N」回転子外向き面を有し、他方は「S」回転子外向き面を有する。極性変化の回数および従って移動部材の数が4である場合、回転子要素は極性を交互に変える2つの「N」回転子外向き面および2つの「S」回転子外向き面を有する。回転子磁石または移動部材の数が6である場合、6回の極性変化が存在する。
【0165】
本モータ装置の上記実施形態のいずれかは、潤滑、制御電子機器および小型充電式電池のいずれかをさらに備えていてもよいが、いずれか一方の特徴が省略されていてもよい。制御電子機器は出力の大きさおよび方向を制御し、モータ装置の速度および方向を調整し、電気を生成し、かつそれを電池に蓄積し、かつ/または電池からのモータ装置の出力を増大させてもよい。
【0166】
遮蔽要素は好ましくは第1および/または第2の回転子要素に対して移動可能でないが、この代替形態が想定されてもよい。言い換えると、当該組立体は好ましくは移動部材すなわち回転子磁石と同時に回転するが、回転子磁石が当該組立体の遮蔽要素および/またはあらゆる部品に対して移動可能であってもよいことを容易に想定することができる。この趣旨で、回転子支持体は、少なくとも遮蔽要素に関連づけられた第3のプラットフォーム要素を備えていてもよい。第3のプラットフォーム要素は、少なくとも1つの第2の回転付与部分および/または少なくとも1つの第2のブロッキング部分のための支持体をさらに備えているか提供してもよい。第3のプラットフォーム要素は1つ以上の他のプラットフォーム要素に対して選択的に移動可能であってもよい。好ましくは使用中に、第3のプラットフォームは1つ以上の回転子要素と共に回転してもよい。従って、第3のプラットフォームが回転子要素に対して移動可能である時および回転子全体を1つとして一緒に移動させる時をユーザが選択するのを可能にするために、接続もしくは係合機構が提供されてもよい。
【0167】
当該組立体および/または遮蔽要素は磁気軸を有していてもよい。同様に、移動部材は磁気軸を有していてもよい。好ましくは、磁気軸は互いに対して共直線性または平行および/または移動不可能であってもよい。但し、遮蔽要素および/または当該組立体の磁気軸は、その間に角度を形成している移動部材の磁気軸に対して回転するために移動可能であってもよい。その角度は、手動および/または(好ましくはDC)モータのいずれか一方によって変化可能であってもよい。その角度の変化は、1つ以上の他のプラットフォーム要素に対して第3のプラットフォーム要素の位置を変えることにより達成してもよい。(好ましくはDC)モータは任意に、回転子に接続可能であるか接続または固定されていてもよい。ウォームネジはモータの出力軸に取り付けられていてもよい。ウォームネジは、促進要素および/または組立体に取り付けられた歯車に係合してもよい。
【0168】
回転子の回転速度および従って出力の大きさは、手動またはモータ(好ましくはDC)のいずれかによって組立体および/または遮蔽要素と移動部材との間の角度を変えることにより変えてもよい。また機械的出力はそれらに電流を通すことにより電磁石を作動させることによって一時的に増加または減少させることができる。これは制御電子機器および電池を介して行ってもよい。本モータ装置が「停止」状態に達するまで出力を低下させることにより、回転子の回転方向を反転させることができる。ユーザは回転子が反対方向に回転するまで、磁気軸間の角度をさらに変えてもよい。電気を供給する小型の電池は、電磁石において生成される電気によって充電し続けてもよい。
【0169】
従って、互いの周りで同心円に配置され、かつ中心回転軸の周りで回転可能であり、かつそれぞれが周囲回転軸の周りで選択的に回転可能な永久磁石のさらなる円によって取り囲まれた永久磁石を有する実験用磁気モータ装置を提供することが可能である。磁石の配置により、本モータ装置が回転子要素の角運動量を少なくとも部分的に維持する促進要素と共に機能するのを可能にする。さらに本モータ装置は、あらゆる電気入力および/またはあらゆる電気出力を必要とすることなく出力を提供してもよい。そのようなモータ装置は、特に電気の使用が望ましくない場合がある環境でより安全に使用できるものであってもよい。電気的および/または機能するために電気入力を必要としない機械的であってもよい出力を提供することができる実験用磁気モータ装置を提供することも可能である。
【0170】
「~を備える(含む)(comprise)/備えている(含んでいる)(comprising)」という言葉ならびに「~を有している(having)/備えている(含んでいる)(including)」という言葉は、本発明を参照しながら本明細書で使用される場合、記載されている特徴、整数、工程または構成要素の存在を指示するために使用されるが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、構成要素またはそのグループの存在または追加を排除しない。
【0171】
明確性のために、別個の実施形態の文脈に記載されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態として組み合わせでも提供できることが理解される。逆に、簡潔のために単一の実施形態の文脈に記載されている本発明の様々な特徴は別々に、あるいはあらゆる好適な部分的組み合わせでも提供できる。上記実施形態は単に例として提供されており、様々な他の修正形態は本明細書に定義されている本発明の範囲から逸脱することなく当業者には明らかになるであろう。
【外国語明細書】