(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167849
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置で使用される静脈グラフトを安定化するための非対称外部支持体、およびその適用
(51)【国際特許分類】
A61F 2/07 20130101AFI20221027BHJP
【FI】
A61F2/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022070274
(22)【出願日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】17/237,096
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519383072
【氏名又は名称】ヴァスキュラー グラフト ソリューションズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VASCULAR GRAFT SOLUTIONS LTD
【住所又は居所原語表記】24 Raoul Wallenberg Street, Ziv Towers, Building A, Tel-Aviv, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オリオン エヤル
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA16
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC12
4C097CC15
4C097DD09
4C097DD10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置に使用される静脈グラフトを安定化するための非対称外部支持体を提供する。
【解決手段】近位および遠位に長手方向に延在する管状ワイヤ編組メッシュを含み、非対弾性ワイヤおよび対の可塑的に変形可能なワイヤで構成される非対称外部支持体200により、静脈グラフトを外部から覆う。弾性ワイヤは、支持体全長に沿って延在する。対の可塑的に変形可能なワイヤの近位端は、接続されておらず、開放されている。可塑的に変形可能なワイヤは支持体全長未満に延び、支持体の遠位端から近位側に長手方向にオフセットされ、支持体の外側半径を越えて半径方向外側に延びるインタループされた遠位端部(ループ)で構成される。ループは、ループ閉鎖固定処置を介して、個別に固定されてもよい。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冠動脈バイパスグラフト処置で使用される静脈グラフトを安定化するための非対称の外部支持体であって、
ワイヤメッシュの近位部分、中央部分、および遠位部分、ならびにワイヤメッシュの近位端および遠位端を有する、長手方向で近位および遠位に延在する管状のワイヤメッシュであって、前記ワイヤメッシュは、非対弾性ワイヤと対の可塑的に変形可能なワイヤで構成される、ワイヤメッシュを備え、
前記非対弾性ワイヤは前記ワイヤメッシュの長手方向全長に沿って長手方向に延在し、それによって、前記弾性ワイヤの近位端および遠位端はそれぞれ、前記ワイヤメッシュの近位端および遠位端と一致し、
前記ワイヤメッシュの近位部分は、前記対の可塑的に変形可能なワイヤのすべての近位端が接続されておらず、開いており、
前記ワイヤメッシュの遠位部分は、インタループされた遠位端部分で構成された前記対の可塑的に変形可能なワイヤを有し、それによって、前記可塑的に変形可能なワイヤの各対は、第2のワイヤの第2のワイヤ閉ループとして形成された第2のワイヤの遠位端部分とインタループされた、第1のワイヤ閉ループとして形成された第1のワイヤの遠位端部分を有する第1のワイヤを有し、
前記対の可塑的に変形可能なワイヤは、前記ワイヤメッシュの長手方向全長未満に沿って長手方向に延在し、それによって、前記インタループされた遠位端部分のすべての頂点は、前記ワイヤメッシュの遠位端から長手方向にオフセットされ、前記ワイヤメッシュの遠位端と一致せず、
冠動脈バイパスグラフト処置において、前記ワイヤメッシュの遠位端が冠動脈吻合部位に配置可能であり、前記ワイヤメッシュの近位端が他の吻合部位に配置可能であるように、非対称の外部支持体は、静脈グラフトを覆うために、外部から適用可能である、外部支持体。
【請求項2】
前記ワイヤメッシュの近位部分は、互いに上または下に交差しない近位端部分を有する前記可塑的に変形可能なワイヤのすべてで構成され、それによって、前記可塑的に変形可能なワイヤの各対において、第1のワイヤの近位端部分が第2のワイヤの近位端部分の上または下に交差しない、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項3】
前記ワイヤメッシュの近位部分は、互いに上または下に交差する近位端部分を有する前記可塑的に変形可能なワイヤのすべてで構成され、それによって、前記可塑的に変形可能なワイヤの各対において、第1のワイヤの近位端部分が第2のワイヤの近位端部分の上または下に交差する、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項4】
前記ワイヤメッシュの近位部分は、前記ワイヤメッシュの近位端と一致する前記近位端を有する前記可塑的に変形可能なワイヤのすべてで構成される、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項5】
前記インタループされた遠位端部分の各々において、前記第1のワイヤの遠位端部分は、前記第1のワイヤ上に折り返された第1のワイヤループ端を有し、前記第2のワイヤの遠位端部分は、前記第1のワイヤ閉ループを通ってループされ、前記第2のワイヤ上に折り返された第2のワイヤループ端を有する、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項6】
前記第1および第2のワイヤループ端の各々の前記第1および第2のワイヤ上への折り返しが構成され、それによって、前記第1および第2のワイヤループ端の各々の最終端または先端が、前記第1または第2のワイヤの残りの部分に沿ったセグメントまたは点と同軸になるように整列され、物理的に接触する、請求項5に記載の外部支持体。
【請求項7】
前記第1および第2のワイヤループ端の各々の前記第1および第2のワイヤ上への折り返しが構成され、それによって、前記第1および第2のワイヤループ端の各々の最終端または先端が、前記第1または第2のワイヤをそれぞれ越えて延在するように、x様横方向に、第1または第2のワイヤの上または下を交差し、および第1または第2のワイヤの上にあり、前記延在された第1または第2のワイヤの特定のセグメントが第1または第2のワイヤの残りの部分に沿った特定のセグメントまたは点と物理的に接触する、請求項5に記載の外部支持体。
【請求項8】
前記可塑的に変形可能なワイヤの各対において、前記第1のワイヤ閉ループを有する前記第1のワイヤの遠位端部分と、前記第2のワイヤ閉ループを有する前記第2のワイヤの遠位端部分とが、互いに対して長手方向および/または半径方向に摺動可能に移動できるように構成される、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項9】
前記可塑的に変形可能なワイヤの各対において、前記第1のワイヤ閉ループを有する前記第1のワイヤの遠位端部分と、前記第2のワイヤ閉ループを有する前記第2のワイヤの遠位端部分とは、互いに対して摺動可能に移動できないように構成され、互いに対して不動であるまたは適所に固定される、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項10】
前記可塑的に変形可能なワイヤの各対において、前記第1のワイヤ閉ループおよび前記第2のワイヤ閉ループのそれぞれは、ループ閉鎖固定または補強処置の使用を介して、個別に固定または補強されるループ閉鎖を有する、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項11】
前記ループ閉鎖固定または補強処置はループ閉鎖接着処置であり、それによって、第1および第2のワイヤループ端の各々が、それぞれ、前記第1および第2のワイヤ上で折り返され、前記第1および第2のワイヤと物理的に接触する位置または点に接着材料が適用される、請求項10に記載の外部支持体。
【請求項12】
前記ループ閉鎖固定または補強処置はループ閉鎖熱処理処置であり、それによって、第1および第2のワイヤループ端の各々が、それぞれ、前記第1および第2のワイヤ上で折り返され、前記第1および第2のワイヤと物理的に接触する位置または点に溶接またはんだ付けが適用される、請求項10に記載の外部支持体。
【請求項13】
前記ワイヤメッシュの遠位端からの前記インタループされた遠位端部分の前記頂点の各々の近位長手方向オフセットは、0.2mm~1.5mmの範囲の大きさを有する、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項14】
前記ワイヤメッシュの遠位部分は、前記インタループされた遠位端部分の前記第1および第2のワイヤ閉ループが前記ワイヤメッシュの外半径を超えて半径方向に延在するように構成された、前記対の可塑的に変形可能なワイヤのすべてを有する、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項15】
前記インタループされた遠位端部分のすべての前記頂点は、前記ワイヤメッシュの外周から半径方向外向きにオフセットされ、かつそれと一致しない、請求項14に記載の外部支持体。
【請求項16】
前記ワイヤメッシュの外周から外に、または外向きに、インタループされた遠位端部分の前記頂点の各々の前記半径方向外向きのオフセットは、0.2mm~1.5mmの範囲の大きさを有する、請求項15に記載の外部支持体。
【請求項17】
前記ワイヤメッシュの中央部分内で、前記非対弾性ワイヤおよび前記対の可塑的に変形可能なワイヤの構造的な幾何学的および機械的特徴、特性、および特徴は、空間的に、長手方向におよび半径方向に対称であり、均一である、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項18】
前記非対弾性ワイヤは、弾性を示し、弾性であり、弾性特性を有することを特徴とする、冷間加工された金属、または冷間加工された金属合金である材料から構成される、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項19】
前記対の可塑的に変形可能なワイヤは、可塑的を示し、可塑的に変形可能であり、可塑的に変形可能な特性を有することを特徴とする、熱間加工またはアニールされた金属、または熱間加工またはアニールされた金属合金である材料から構成される、請求項1に記載の外部支持体。
【請求項20】
前記ワイヤメッシュは、20~124の範囲の前記弾性ワイヤの総数、および4~32の範囲の前記可塑的に変形可能なワイヤの総数で構成される、請求項1に記載の外部支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置に使用される静脈グラフトを外部から覆う血管インプラントに関し、より詳細には、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置に使用される静脈グラフトを安定化するための非対称外部支持体、およびその適用に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの動脈グラフトの提案された利点にもかかわらず、自己伏在静脈グラフト(SVG)は、依然として冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置において最も頻繁に使用されるバイパス導管である。何十年にもわたる広範な研究により、動脈静脈グラフト疾患の病因および経過について深い洞察が得られている。しかし、最近まで、これらの知見は有効な治療法に結びついていなかった。動脈SVGの移植の数日後に始まり、SVG疾患は、平滑筋細胞増殖および機能不全内膜への移動を含む内膜過形成により支配される。高い動脈圧および周囲壁応力は管腔の不規則性および異常な流れパターンの発生と相まって、有害な構造的リモデリングおよびびまん性内膜過形成の主な寄与因子であり、最終的に動脈SVGを血栓症および加速性アテローム性動脈硬化症に罹患しやすくする。現在までのところ、スタチンおよびβ遮断薬の持続的使用のみが、動脈SVGにおける内膜過形成をある程度減少させることが示されている。
【0003】
動脈(高圧/高流量)の血行動態にさらされる罹患動脈を置換またはバイパスするために使用される動脈静脈グラフトにおける有害なリモデリングおよび疾患発生を予防するか、または少なくとも減少させることを主目的として、血管インプラント装置および技術が、動脈静脈グラフトの外部ステント化のために考案され、開発された。Victor Parsonnet博士が最初に(1963年に)動物モデルにおいて合成プラスチック血管プロテーゼを用いた動脈静脈グラフトの外部ステント法を開示して以来、この技術の潜在的な利点は、前臨床研究において広範に研究されてきた。ヒトCABG処置において使用される動脈静脈グラフトの外部ステント法のための装置および技術は、Zillaらによって開発された(例えば、米国特許第8,057,537号;同第8,172,746号;同第8,382,814号;同第8,747,451号;同第8,906,082号;同第9,517,069号;同第9,517,121号;および同第10,595,868号)。残念なことに、これらの外部ステント法装置および技術を用いた臨床試験では、6~9ヵ月後の早期SVG開存率が0~28%であり、期待はずれの結果が得られた。
【0004】
次世代の生体力学的に改善された、ヒトCABG処置において使用される動脈静脈グラフトの外部ステント法のための装置および技術は、Orionらによって開発された(例えば、米国特許第8,734,503号;第9,265,632号;および第9,949,852号)。そのような装置および外部ステント法技術を使用する最近の臨床試験はより有望な結果を提供し、早期SVG開存性は86~100%であった。血管内超音波(IVUS)および光干渉断層撮影(OCT)を用いた追加研究は、CABGを実施した1年後および4.5年後の外部ステント化動脈SVGにおける内腔不規則性、内膜過形成、血栓形成、および振動せん断応力の有意な減少を実証することにより、外部ステント化の生体力学的効果に対する深い洞察を提供してきた。
【0005】
上記の進歩にもかかわらず、CABG処置において使用される動脈静脈グラフトの外部ステント法のための新規かつ改良された血管インプラントおよび技術を開発し、実施するための継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置に使用される静脈グラフトを外部から覆う血管インプラントに関し、より詳細には、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置に使用される静脈グラフトを安定化するための非対称外部支持体、およびその適用に関する。本明細書で開示される非対称外部支持体の例示的な用途は冠動脈バイパス移植(CABG)処置で使用される静脈グラフトを外部から支持し、安定化するための方法である。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、冠動脈バイパスグラフと処置で使用される静脈グラフトを安定化するための非対称外部支持体が提供され、非対称外部支持体は、ワイヤメッシュ近位部分、中央部分、および遠位部分、ならびにワイヤメッシュ近位端および遠位端を有する、長手方向で近位および遠位に延在する管状のワイヤメッシュであって、非対弾性ワイヤと対の可塑的に変形可能ワイヤで構成される、ワイヤメッシュを備え、非対弾性ワイヤはワイヤメッシュの長手方向全長に沿って長手方向に延在し、それによって、弾性ワイヤの近位端および遠位端はそれぞれ、ワイヤメッシュの近位端および遠位端と一致し、ワイヤメッシュの近位部分は、対の可塑的に変形可能なワイヤのすべての近位端が接続されておらず、開いており、ワイヤメッシュの遠位部は、インタループされた遠位端部分で構成された対の可塑的に変形可能なワイヤを有し、それによって、可塑的に変形可能なワイヤの各対は、第2のワイヤの第2のワイヤ閉ループとして形成された第2のワイヤの遠位端部分とインタループされた、第1のワイヤ閉ループとして形成された第1のワイヤの遠位端部分を有する第1のワイヤを有し、対の可塑的に変形可能なワイヤは、ワイヤメッシュの長手方向全長未満に沿って長手方向に延在し、それによって、インタループされた遠位端部分のすべての頂点は、ワイヤメッシュの遠位端から長手方向にオフセットされ、ワイヤメッシュの遠位端と一致せず、冠動脈バイパスグラフト処置において、ワイヤメッシュの遠位端が冠動脈吻合部位に配置可能であり、ワイヤメッシュの近位端が他の吻合部位に配置可能であるように、非対称の外部支持体は、静脈グラフトを覆うために、外部から適用可能である。
【0008】
本発明の例示的な実施形態では、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置で使用される静脈グラフトを安定化するための非対称外部支持体(本明細書では簡潔にするために、「支持体」とも呼ばれる)は、支持体の長手方向全長に沿って近位方向および遠位方向に長手方向に延在する管状ワイヤ編組またはメッシュ(本明細書では簡潔にするために、「ワイヤメッシュ」とも呼ばれる)の形態である。支持体(ワイヤメッシュ)は、近位部分と、中央部分と、遠位部分と、近位端と、遠位端とを有する。支持体(ワイヤメッシュ)は外半径を有し、支持体(ワイヤメッシュ)の全長に沿って、かつ、これに平行にまたがる外周を有する。このような外周は、支持体(ワイヤメッシュ)をその全長に沿って、かつ、その全長に平行に取り囲む(surround)(取り囲み(encircle)、取り囲み(encompass)、境界を定める(bound))(仮想または有効な)円形(管状)表面に対応する。
【0009】
支持体(ワイヤメッシュ)は、非対弾性ワイヤおよび対の可塑的に変形可能なワイヤで構成される。例示的な実施形態では、例示的な非対称外部支持体が、例示的な総数38の非対弾性ワイヤ(フィラメント)と、2対の2つの可塑的に変形可能なワイヤ(フィラメント)に対応する例示的な総数4の対の可塑的に変形可能ワイヤ(フィラメント)とを含む、例示的な総数の42のワイヤ(またはフィラメント)を有する。非対弾性ワイヤは支持体(ワイヤメッシュ)の全長に沿って長手方向に延在し、それによって、弾性ワイヤの近位端は支持体(ワイヤメッシュ)の近位端と一致し、弾性ワイヤの遠位端は、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位端と一致する。(支持体(ワイヤメッシュ)の長手方向全長に沿って、かつ平行にまたがる)外面に円周方向外向きに面している非対弾性ワイヤは、支持体(ワイヤメッシュ)の外周に一致し、「物理的に」画定する。
【0010】
支持体(ワイヤメッシュ)近位部分は、接続されておらず(すなわち、支持体(ワイヤメッシュ)の任意の他のワイヤに接続されておらず、またはループ状(インタループされた)であり)、開いている近位端を有する、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤで構成される。例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分が支持体(ワイヤメッシュ)の近位端と一致する近位端を有する対の可塑的に変形可能なワイヤのすべてで構成される。代替的に、例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分が、支持体(ワイヤメッシュ)の近位端と一致する近位端を有する、対の可塑的に変形可能なワイヤの全て(例えば、1つのみ、または全く)ではないように構成される。例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分では、対の可塑的に変形可能なワイヤのすべてが、互いに上または下に交差しない近位端部分を有し、それによって、可塑的に変形可能なワイヤの各対では、第1のワイヤの近位端部分が第2のワイヤの近位端部分の上または下に交差しない。代替的には、例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)近位部分では、対の可塑的に変形可能なワイヤのすべてが、互いに上または下で交差する近位端部分を有し、それによって、可塑的に変形可能なワイヤの各対では、第1のワイヤの近位端部分が第2のワイヤの近位端部分の上または下に交差する。
【0011】
非対称外部支持体は、異なるCABG処置の異なる特定のシナリオ、条件、およびパラメータにしたがって、および動脈静脈グラフト上の外部支持体を使用してCABG処置を実施することから得られる実際の経験的(臨床的)データおよび情報に基づいて、「カスタマイズ可能」な様式で開発された。このようなカスタマイズは、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分の異なる可能な実施形態/構成を生成するために実施され、対の可塑的に変形可能なワイヤは、インタループされた遠位端部分の対で構成される(すなわち、可塑的に変形可能なワイヤの各対において、第1のワイヤは、第2のワイヤの遠位端部分の第2のループでインタループされた、第1のループとして構成された遠位端部分を有する)。
【0012】
異なる例示的な実施形態では、可塑的に変形可能なワイヤの遠位端部分(ループ)が異なる程度の可動性(すなわち、比較的高い可動性から比較的低い可動性)、または完全な不動性(すなわち、固定されている)を示す。支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分は、対の可塑的に変形可能なワイヤと密接に編まれた、または噛み合わされた(絡み合わされた、織り合わされた)非対弾性ワイヤからなり、したがって、対の可塑的に変形可能なワイヤの、対の可塑的に変形可能な遠位端部分(ループ)の、可動性または不動性とともに、特定の構造/機械的構成は、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分における、すぐ隣接し、かつ近接する、非対弾性ワイヤの構造/機械的性能に影響を及ぼすことができ、影響を及ぼすことが予想される。したがって、対の可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)の特定の構造/機械的構成は、可動性または不動性と共に、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分、特に支持体(ワイヤメッシュ)全体の構造/機械的性能に直接関連し、それを決定する。
【0013】
一般に非対称外部支持体の、および特に支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分の異なる可能な実施形態/構成のカスタマイズは、支持体の(オペレータを介する)初期適用および移植の間、ならびに支持体の(患者における)寿命の間に、異なる(好ましい)性能特性を示す支持体「構造/機械」特徴を有することに変換することができる。これは、同様に、ヒトCABG処置において使用される動脈静脈グラフトを外部ステント留置するための支持体の、SVG開存性および安全な使用、ならびに操作者(例えば、外科医)の取扱いおよび操作特性のさらなる改善につながり得る。
【0014】
支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分において、対の可塑的に変形可能なワイヤは、インタループされ遠位先端部分(ループ)を備えて構成され、それによって、可塑的に変形可能なワイヤの各対は第2のワイヤ閉ループ[第2のループ]として形成される第2のワイヤの遠位端部分を備えてループ(すなわち、インタループ)された第1のワイヤ閉ループ[第1のループ]として形成される第1のワイヤ遠位端部分を有する。このような実施形態では、可塑的に変形可能なワイヤの各対が、遠位端部分が、第1のワイヤ上で折り返し(第1のループを閉じるように)された第1のワイヤループ端を有する第1のワイヤ閉ループ[第1のループ]を形成する第1のワイヤを有し、および、遠位端部分が、第1のワイヤ閉ループを通してループ(インタループ)された、および第2のワイヤ上で折り返し(第2のループを閉じるように)された第2のワイヤループ端を有する第2のワイヤ閉ループ[第2のループ]を形成する、第2のワイヤを有する。
【0015】
そのような実施形態では、各ワイヤループ端のそれぞれのワイヤ上の「折り返し」が、異なる特定の構成を有することができる。例示的な実施形態では、ワイヤ上のワイヤループ端の「折り返し」がワイヤループ端の最終端または先端(すなわち、最大、最も遠い、または最も遠い部分)が(同軸/同直ワイヤになるように)位置合わせされ、それぞれのワイヤの残りの部分に沿った特定のセグメントまたは点と物理的に接触するように構成される。代替的に、例示的な実施形態では、ワイヤ上のワイヤループ端の「折り返し」が構成され、それによって、ワイヤループ端の最終端部または先端(すなわち、最も遠い部分、または最も遠い部分)がワイヤをわずかに越えて延在するように、「x様」横方向に、そのそれぞれのワイヤの上または下を横切り、その延長されたワイヤの特定のセグメントがそのそれぞれのワイヤの残りの部分に沿った特定のセグメントまたは点と物理的に接触する。
【0016】
インタループされた遠位端部分(ループ)の可動性に関して、例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分において、可塑的に変形可能なワイヤの各対において、およびインタループされた遠位端部分において、2つの個々のループ(すなわち、互いにインタループされた2つの個々のループ状遠位端部分)は互いに対して(長手方向および/または半径方向に)摺動可能に移動可能であるように構成される。そのような実施形態では、第1のワイヤのループ(インタループされた遠位端部分)および第2のワイヤのループ(インタループされた遠位端部分)が互いに対して(長手方向または/または半径方向に)摺動可能に移動可能である。同等に言えば、可塑的に変形可能なワイヤの各対において、第1のワイヤの遠位端部分(第1のワイヤ閉ループ[第1のループ]として形成される)および第2のワイヤ遠位端部分(第2のワイヤ閉ループ[第2のループ]として形成される)は互いにインタループされ、互いに対して(長手方向および/または半径方向に)摺動可能に移動可能であるように構成される。互いに対して摺動可能に可動であるインタループされた遠位端部分(ループ)のこのような例示的な実施形態は、可塑的に変形可能なワイヤの対における2つの個々のループの両方ではなく、少なくとも1つ(すなわち、互いに対してインタループされた2つの個々のループ状遠位端部分のうちの少なくとも1つ)が、2つのループの互いに対する(半径方向および/または長手方向の)摺動可能な可動性を容易にする十分に大きなループサイズで構成されることを必要とする。例示的な実施形態では、可塑的に変形可能なワイヤの対における2つの個々のループの1つではなく、両方が互いに対して2つのループの摺動可能な移動性を容易にする十分に大きなループサイズで構成される。
【0017】
インタループされた遠位端部分(ループ)の不動性に関して、例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分において、可塑的に変形可能なワイヤの各対において、およびインタループされた遠位端部分において、2つの個々のループ(すなわち、互いにインタループされた2つの個々のループ状遠位端部分)は互いに対して摺動可能に移動できないように(すなわち、それらは不動であるか、または適所に固定される)構成される。そのような実施形態では、第1のワイヤのループ(インタループされた遠位端部分)および第2のワイヤのループ(インタループされた遠位端部分)が互いに対して(長手方向および/または半径方向に)摺動可能ではなく、むしろ、第1および第2のワイヤのループは互いに対して不動であるか、または固定されている。同様に、可塑的に変形可能なワイヤの各対において、第1のワイヤの遠位端部分(第1のワイヤ閉ループ[第1のループ]として形成される)および第2のワイヤ遠位端部分(第2のワイヤ閉ループ[第2のループ]として形成される)は互いにインタループされ、互いに対して摺動可能でない(すなわち、それらが不動でまたは所定の位置に固定される)ように構成されている。互いに対して摺動可能に可動でない(すなわち、適所に固定されている)インタループされた遠位端部分(ループ)のこのような例示的な実施形態は、可塑的に変形可能なワイヤの各対における2つの個々のループ(すなわち、互いに対してインタループされた2つの個々のループ状遠位端部分のうちの少なくとも1つ)の両方ではなく、少なくとも1つが、2つのループの互いに対する(半径方向または長手方向の)摺動可能な可動性を完全に防止する十分に小さいループサイズで構成されることを必要とする。例示的な実施形態では、可塑的に変形可能なワイヤの対における2つの個々のループの一方ではなく、両方が、互いに対して2つのループの摺動可能な移動性を完全に妨げる十分に小さいループサイズで構成される。
【0018】
対の可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)において、異なる程度の可動性(すなわち、比較的高い可動性から比較的低い可動性)または完全な不動性(すなわち、固定されている)を示す支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分の上記の例示的な実施形態/構成について、ループサイズは、例えば、単一ループの内側[円形または楕円形ループ形状]領域に関して定量化可能かつ測定可能であり、単一ループによって包含され、次いで、単一ループは、(カスタム)設計のために使用され、続いて、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分における対の可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)を形成する。したがって、このような例示的な実施形態では、ループサイズ(すなわち、各ループの内側[ループ形状]領域)を制御する能力を有することは、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分内の対の可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)に提供される、可動性または不動性の程度または程度を制御する能力を有することに変換される。これは、次に、非対称外部支持構造/機械的特徴が支持体の初期適用および移植(オペレータを介する)の間、ならびに支持体の(患者における)寿命の間に、異なる(好ましい)「カスタマイズされた」性能特性を示すことを容易にする。
【0019】
本明細書に開示される非対称外部支持体の例示的な実施形態は、ループの固定(補強)閉鎖(ループ閉鎖)を含む。そのような例示的な実施形態は、ループ閉鎖固定(補強)処置、特に、(i)ループ閉鎖接着処置、または(ii)ループ閉鎖熱処理(例えば、溶接またはんだ付け)処置を使用することに基づく。このような例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分において、可塑的に変形可能なワイヤの各インタループされた対において、各インタループされた遠位端部分(ループ)はループ閉鎖固定(補強)処置、特に、上記(i)または(ii)に列挙されるループ閉鎖固定(補強)処置の使用を介して、個々に固定または補強されるループ閉鎖(すなわち、ループの閉鎖[閉鎖部分])を有する。さらに、各ループ閉鎖(各インタループされた遠位端部分における2つの(インタループされた)ループの各ループの閉鎖(閉鎖部分))は、具体的にはワイヤループ端が折り返され、それぞれのワイヤと物理的に接触する特定の位置または点において、(上記(i)または(ii)を介して)個別に固定または補強される。
【0020】
(i)ループ閉鎖接着処置に関して、例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分において、可塑的に変形可能なワイヤの各インタループされた対において、各インタループされた遠位端部分(ループ)は、ループ閉鎖接着処置を介して、ワイヤループ端が折り返され、そのそれぞれのワイヤと物理的に接触する特定の位置または点に適用される接着材料(例えば、医療グレード接着剤または他の接着タイプ材料)で個々に固定または補強され得るループ閉鎖(すなわち、ループの閉鎖[閉鎖部分])を有する。(ii)ループ閉鎖熱処理処置に関して、例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分において、可塑的に変形可能なワイヤの各インタループされた対において、各インタループされた遠位端部分(ループ)は、ループ閉鎖熱処理処置を介して、ワイヤループ端が折り返され、そのそれぞれのワイヤと物理的に接触する特定の位置または点に適用される溶接またはんだ付けによって、個別に固定または補強され得るループ閉鎖(すなわち、ループの閉鎖[閉鎖部分])を有する。
【0021】
(i)および(ii)の例示的な実施形態について、ループ閉鎖固定(補強)処置は個々に固定された(補強された)ループ閉鎖の異なる可能な実施形態/構成を生成するために実行され得、その結果、可塑的に変形可能なワイヤの各対において、およびそのインタループされた遠位端部分において、2つのそれぞれの個々に固定された(補強された)ループ閉鎖を有する2つの閉ループは、本明細書中上記のように、異なる程度の相対的移動性、または完全な不動性(すなわち、固定されている)を示し得る。支持体(ワイヤメッシュ)の示された例示的な実施形態を製造するためのループ閉鎖固定(補強)処置の実施は、支持体の最初の適用および移植の間、および患者における支持体の寿命の間、その個々に固定された(補強された)ループ閉鎖(相対的な可動性または完全な不動性のいずれかを示す)を有する各閉ループが緩まず、解け、そして開くことにならないことを保証する。
【0022】
非対称外部支持体は設計および構成され、ここで、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分が支持体(ワイヤメッシュ)の全長手方向長さ未満に沿って長手方向に延在する対の可塑的に変形可能なワイヤと共に構成され、それによって、すべてのループ状遠位端部分(ループ)の頂点(すなわち、アーチ状部分の中間点)が支持体(ワイヤメッシュ)の遠位端から近位に長手方向にオフセットされ、かつ一致しないように構成される。例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分が支持体(ワイヤメッシュ)近位端と一致する近位端を有する対の可塑的に変形可能なワイヤのすべてで構成される。代替的に、例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分が支持体(ワイヤメッシュ)の近位端と一致する近位端を有する、対の可塑的に変形可能なワイヤのすべて(例えば、1つのみ、または全く)ではないように構成される。例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の(最終的な)遠位端からの各可塑的に変形可能なワイヤの、各ループ状(インタループされた)遠位端部分(ループ)の頂部(アーチ状部分の中間点)の近位長手方向オフセットは、0.2mmから1.5mmの範囲の大きさを有する。
【0023】
非対称外部支持体は設計および構築され、ここで、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分は、インタループされた遠位端部分の第1および第2のワイヤ閉ループが支持体(ワイヤメッシュ)の外半径を越えて半径方向に延在するように構成された、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤを有する。このような構成では、すべてのループ状(インタループされた)遠位端部分(ループ)の頂点(アーチ状部分の中間点)が支持体(ワイヤメッシュ)の外周から半径方向にオフセットされ、一致しない。支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分において、支持体(ワイヤメッシュ)の外半径を越えて、および支持体(ワイヤメッシュ)外周から外方にオフセットし、かつ、これと一致しないそのような半径方向の延在は、支持体(ワイヤメッシュ)外周に、支持体(ワイヤメッシュ)の外半径から外方に突出(projecting)(突出(protruding)、ジャッティング(jutting)、伸長(extending)、スティッキング(sticking))する可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)に対応し、これにより、ループ状遠位端部分(ループ)の頂点(アーチ状部分の中点)は、支持体(ワイヤメッシュ)の外周から外方に突出(突出、ジャッツ、伸長、スティック)する。例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の外周から外に出る、または外側に出る、各可塑的に変形可能ワイヤの各ループ状遠位端分部の頂部(アーチ状部分の中間点)の外向き半径方向オフセットは、0.2mmから1.5mmの範囲の大きさを有する。
【0024】
支持体(ワイヤメッシュ)の中央部分に関しては、近位部分および遠位部分に対向する非対称外部支持体(ワイヤメッシュ)の上述の長手方向および半径方向の非対称態様、およびその中の対の可塑的に変形可能ワイヤの態様とは対照的に、支持体(ワイヤメッシュ)の中央部分内では、非対称弾性ワイヤの構造(幾何学的および機械的)特徴、特性、および特性は、空間的、長手方向および半径方向に対称および均一であり、対の可塑的に変形可能なワイヤの構造(幾何学的および機械的)特徴、特性、および特性は、空間的、長手方向および半径方向に対称および均一である。
【0025】
本明細書に開示される非対称外部支持体の多数の構造的(幾何学的および機械的)態様に基づいて、非対称外部支持体は、対向する近位部分および遠位部分、ならびにその中のそれぞれの対向する近位端および遠位端に対して、空間的に、「長手方向および半径方向に」非対称である(すなわち、対称性を欠く)。具体的には、本明細書で開示される非対称外部支持体では、特定の構造(幾何学的および機械的)特徴、特性、および特性は、対向する近位部分および遠位部分、ならびにその中のそれぞれの対向する近位端および遠位端に対して、空間的に「長手方向および半径方向に非対称」である。より具体的には、その中に遠位端を含む支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分がその中に近位端を含む支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分によって示され、特徴付けられる特定の構造(幾何学的および機械的)特徴、特性、および特定の構造(幾何学的および機械的)特徴、特性、および特性に対して非対称であり、それと実質的に異なる特徴を示し、それによって特徴付けられる。
【0026】
第1の非対称の特徴は、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分において、対のすべての可塑的に変形可能なワイヤは閉鎖端を有するループ状遠位端部分を備えて構成され、支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分において、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤは開放端を有するループ状でない非接続近位端部分を備えて構成されることである。したがって、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分は閉鎖端を有するループ状の一対の可塑的に変形可能なワイヤで構成されるが、支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分は開放端を有するループ状でない非接続対の可塑的に変形可能なワイヤで構成される。
【0027】
第2の非対称の特徴は、対の可塑的に変形可能なワイヤが支持体(ワイヤメッシュ)の全長手方向長さ未満に沿って長手方向に延在され、それによって、すべてのループ状遠位端部分の頂点(アーチ状部分の中間点)が支持体(ワイヤメッシュ)の(終局)遠位端から近位長手方向にオフセットされ、一致しないことである。例示的な実施形態では、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤの近位端が支持体(ワイヤメッシュ)の(最終的な)近位端と一致する。したがって、このような例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位端が対の可塑的に変形可能なワイヤのすべてのループ状遠位端部分の長手方向にオフセットした頂点と一致しないが、支持体(ワイヤメッシュ)の近位端は対のすべての可塑的に変形可能なワイヤの近位端と一致する。
【0028】
第3の非対称の特徴は、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分において、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤが支持体(ワイヤメッシュ)の外半径を越えて半径方向に延びるループ状遠位端部分(ループ)を備えて構成され、それによって、すべてのループ状遠位端部分(ループ)の頂点(アーチ状部分の中間点)が支持体(ワイヤメッシュ)の外周外側から半径方向にオフセットされ、かつ一致しないことである。したがって、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分の外周は、対の可塑的に変形可能なワイヤのすべてのループ状遠位端部分の半径方向にオフセットした頂点と一致しないが、支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分の外周は対のすべての可塑的に変形可能なワイヤの近位端と一致する。
【0029】
本明細書に開示される非対称外部支持体の適用に関して、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置において、非対称外部支持体は、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分(その中に遠位端を有する)が冠動脈吻合部位に配置可能であり、支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分(その中に近位端を有する)が他の吻合部位に配置可能であるような様式で、静脈グラフト上に外部から適用可能である。
【0030】
支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分(その中に支持体(ワイヤメッシュ)遠位端を有する)を冠動脈吻合部位に位置決めすることは、非対称外部支持体の上述の非対称特徴の活用を容易にする。すなわち、このような特定の方向性位置決めによれば、静脈グラフトの遠位端が冠動脈に直接吻合された後、支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分におけるすべての対の可塑的に変形可能なワイヤのすべてのループ状遠位端部分(ループ)の頂点、したがって、最遠位部分は冠動脈吻合部位から長手方向に(長手方向にオフセットした近位のループ頂点よりも多く)離れて位置し、冠動脈吻合部位と一致しない。これは、対の可塑的に変形可能なワイヤのループ状遠位端部分(ループ)の頂点(最遠位部分)が冠動脈吻合部位のすぐ近くの心臓および/または血管組織を(穿刺または穿刺によって)損傷する可能性を排除するか、または少なくとも最小限にする。
【0031】
支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分(その中に支持体(ワイヤメッシュ)近位端を有する)を他の吻合部位に位置決めすることは、その他の吻合部位に対する支持体(ワイヤメッシュ)の近位端のその後の吻合を容易にする。冠動脈バイパス移植(CABG)処置において、例示的な他の吻合部位は(1)大動脈(90%を超える時間)(2)大動脈に直接吻合された別の静脈グラフト(例えば、SVG)(3)冠動脈および大動脈に吻合された動脈グラフト(例えば、橈骨動脈グラフト)および(4)内乳房動脈である。
【0032】
本明細書で使用されるすべての技術的および/または科学的な単語、用語、および/または語句は本明細書で特に定義または述べられない限り、本発明が関係する当業者によって一般に理解されるものと同じまたは類似の意味を有する。本明細書に開示される発明の例示的な実施形態は、例示的かつ例示的なものにすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して、単に例として本明細書に記載される。ここで図面を詳細に特に参照すると、示される詳細は、例として、および本発明の例示的な実施形態の例示的な説明の目的のためであることが強調される。この点に関して、添付の図面と共に解釈される説明は、本発明の例示的な実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【
図1A】本発明のいくつかの実施形態による、対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットされた)インタループされた遠位端部分(ループ)と、ワイヤ近位端部分が互いに上下に交差しない近位非接続開放端とを示す、(管状ワイヤメッシュとしての)非対称外部支持体の例示的な実施形態の概略上面図である。
【
図1B】本発明のいくつかの実施形態による、対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットされた)インタループされた遠位端部分(ループ)と、ワイヤ近位端部分が互いに上下に交差または下降しない近位非接続開放端とを示す、(管状ワイヤメッシュとしての)非対称外部支持体の例示的な実施形態の概略側面図である。
【
図1C】本発明のいくつかの実施形態による、対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットされた)インタループされた遠位端部分(ループ)と、ワイヤ近位端部分が互いに上下に交差しない近位非接続開放端とを示す、(管状ワイヤメッシュとしての)非対称外部支持体の例示的な実施形態の概略斜視図である。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態による、対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットされた)インタループされた遠位端部分(ループ)と、ワイヤ近位端部分が互いに上下に交差する近位非接続開放端とを示す、(管状ワイヤメッシュとしての)非対称外部支持体の別の例示的な実施形態の概略上面図である。
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態による、対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットされた)インタループされた遠位端部分(ループ)と、ワイヤ近位端部分が互いに上下に交差する近位非接続開放端とを示す、(管状ワイヤメッシュとしての)非対称外部支持体の別の例示的な実施形態の概略側面図である。
【
図2C】本発明のいくつかの実施形態による、対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットされた)インタループされた遠位端部分(ループ)と、ワイヤ近位端部分が互いに上下に交差する近位非接続開放端とを示す、(管状ワイヤメッシュとしての)非対称外部支持体の別の例示的な実施形態の概略斜視図である。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態による、(
図1A、
図1B、
図1Cの)非対称外部支持体の近位端部分の例示的な実施形態の概略拡大側面図であり、対の可塑的に変形可能なワイヤの近位非接続開放端(非対称外部支持体基端部と一致する)を強調し、ワイヤの基端部部分は、互いに上下に交差しない。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態による、(
図2A、
図2B、
図2Cの)非対称外部支持体の近位端部分の例示的な実施形態の概略拡大側面図であり、対の可塑的に変形可能なワイヤの近位非接続開放端(非対称外部支持体基端部と一致する)を強調し、ワイヤの基端部部分が互いに上下に交差する。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態による、(
図1A、
図1B、
図1C、および
図2A、
図2B、
図2Cの)非対称外部支持体の遠位部分の例示的な実施形態の概略拡大上面図であり、対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットされた)インタループされた遠位端部分(ループ)を強調している。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態による、(
図1A、
図1B、
図1C、および
図2A、
図2B、
図2Cの)非対称外部支持体の遠位部分の例示的な実施形態の概略拡大側面図であり、対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットされた)インタループされた遠位端部分(ループ)を強調している。
【
図4C】本発明のいくつかの実施形態による、(
図1A、
図1B、
図1C、および
図2A、
図2B、
図2Cの)非対称外部支持体の遠位部分の例示的な実施形態の概略拡大斜視図であり、対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットされた)インタループされた遠位端部分(ループ)を強調している。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態による、非対称外部支持体(
図1A、1B、1Cおよび2A、2B、2Cの)の中央部分の例示的な実施形態の概略拡大側面図であり、非対称の弾性ワイヤおよび対の可塑的に変形可能なワイヤの空間的、長手方向および半径方向に対称で均一な管状ワイヤのメッシュ構成を強調する。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による、
図1、4、5に示す例示的な非対称外部支持体の概略的な実施形態に基づき、それに従って構築された、非対称外部支持体の例示的な(実際の)プロトタイプの例示的な顕微鏡写真である。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による、
図1、4、5に示す例示的な非対称外部支持体の概略的な実施形態に基づき、それに従って構築された、非対称外部支持体の例示的な(実際の)プロトタイプの例示的な顕微鏡写真である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による、(
図2A、2B、2Cの)非対称外部支持体の適用の例示的な実施形態の概略図であり、CABG処置では、外部支持された静脈グラフトの特定の方向性位置決めを強調し、(遠位端がその中にある)支持体遠位部分が冠動脈吻合部位にあり、支持体近位部分(近位端がその中にある)が他の吻合部位にある。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置に使用される静脈グラフトを安定化するための非対称外部支持体、およびその適用に関する。本明細書で開示される非対称外部支持体の例示的な適用は、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置で使用される静脈グラフトを外部から支持し、安定化するための方法である。
【0035】
Orionらは、ヒトCABG処置に使用される外部ステント動脈静脈グラフトの早期SVG開存性を改善することを重要な目的として、例えば米国特許第8,734,503号、第9,265,632号、および9,949,852に開示されているような、生体力学的に改良された外部支持体およびそのような支持体を使用する技術を開発した。そこに開示されているように、これらの改良された外部支持体は例えば、管状編組ワイヤメッシュの形成で、外部支持体を長手方向軸に対して可塑的にすなわち、弾性的にではなく)変形させることによって、支持体の長手方向軸に対して固定的に変位可能である。長手方向軸に対して外部支持体を可塑的に変形させることは、(外科医のようなオペレータにより、)長手方向軸に沿って外部支持体を可塑的に伸張または圧縮することによって、および/または、外部支持体が長手方向軸に対してその新しい(可塑的に変形された)形状を実質的に維持するように、外部支持体の(弾性の)スプリングバックがないか、または最小である状態で、長手方向軸を横切る方向に外部支持体を可塑的に曲げることによって達成される。そのような外部支持体では、管状ワイヤメッシュは、そのメッシュ構造に、少なくとも1つの可塑的に変形可能なワイヤ(または繊維)、典型的にはその長手方向軸に沿って延在する複数の可塑的に変形可能なワイヤ(繊維)を含むことによって、可塑的に変形可能なその独特の特性を達成し、一方、管状ワイヤメッシュの残りのワイヤ(繊維)は弾性変形可能である。
【0036】
移植された外部支持体の安全な使用を改善する別の重要な目的で、改良された外部支持体において、管状ワイヤメッシュはワイヤメッシュ端部分が(穿刺または穿刺によって)心臓および/または血管組織を傷つける可能性を低減するように、例えば、熱処理(例えば、溶接、はんだ付け)によって鈍化された端部分を有する1つ以上の可塑的に変形可能なワイヤで構築されてもよいことを、Orionら(上記に引用されるように)はさらに開示した。同じ目的のために、Orionらはまた、外部支持体の実施形態を説明し、ここで、管状ワイヤメッシュは2つ以上の可塑的に変形可能なワイヤの端部分が互いにループ状にされ、(例えば、溶接、はんだ付けを介して)ワイヤメッシュに、特に、外部支持体の(最終的な)極端部分または端部分で取り付けられるように構成される。
【0037】
上記で開示された外部支持体および技術を使用することに基づく臨床試験は、86~100%の比較的高い初期SVG開存性を達成した。それでも、このような比較的高いSVG開存性にもかかわらず、本発明者は、ヒトCABG処置において使用される外部ステント動脈静脈移グラフとのための外部支持体の、SVG開存性および安全な使用、ならびに操作者(例えば、外科医)の取り扱いおよび操作特性をさらに改善することを望んだ。
【0038】
本明細書に開示されるように、本発明者は、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置に使用される静脈グラフトを安定化するための、本明細書で非対称外部支持体と呼ばれる外部支持体の新しい実施形態/構成、およびその用途を開発した。本明細書に開示される非対称外部支持体は、支持体の(オペレータを介する)最初の適用および移植の間、ならびに支持体の(患者内での)寿命の間に、異なる(好ましい)性能特性を示す支持体の「構造的」特徴を容易にすることに解釈される、支持体の異なる可能な実施形態/構成にしたがって、「カスタマイズ可能な」様式で設計および構築される。これは、同様に、ヒトCABG処置において使用される動脈静脈グラフトを外部ステント留置するための支持体の、SVG開存性および安全な使用、ならびに操作者(例えば、外科医)の取り扱いおよび操作特性をさらに改善することにつながる。
【0039】
本発明の例示的な実施形態をさらに理解するために、以下の本発明の例示的な説明では、図面を参照する。以下の説明および添付の図面を通して、同じ参照番号は、同じ目的、構成要素、要素、または特徴を指す。
【0040】
さらに、説明および添付の図面を通して、物理的配向(位置、位置)および方向タイプの用語「近位(proximal)」、「近位に(proximally)」、「遠位(distal)」、および「遠位に(distally)」は、本明細書で開示される非対称外部支持体の記載または図示される物体、構成要素、要素、または構造的特徴の相対的配向(位置、位置)および方向を示すために使用される。例えば、本明細書で使用される「近位」という用語は、非対称外部支持体の操作者またはユーザ(例えば、外科医)により「近い(nearer)、または、近い(closer to)」(または、向かって(toward))、本明細書で開示される非対称外部支持体の記載されたまたは図示された物体、構成要素、要素、または構造的特徴の位置、位置、または方向を指すことができる。例えば、本明細書で使用される「遠位」という用語は、非対称外部支持体の操作者またはユーザ(例えば、外科医)から「遠い(farther)」(または離れている(away))本明細書で開示される非対称外部支持体の、記載または図示された物体、構成要素、要素、または構造的特徴の位置、位置、または方向を指すことができる。印刷されたページまたはコンピュータディスプレイの右側および左側に関して、本明細書で使用される「近位」および「遠位」という用語は、非限定的な様式で、それぞれその右側および左側に対応する。「対応して反対の(correspondingly opposite)」という用語(すなわち、「近位」の代わりに「遠位」、および「遠位」の代わりに「近位」)は、本発明の実施形態を完全かつ適切に例示的に説明するために(一貫して)使用され得ることが理解されるべきである。
【0041】
物理的配向および方向用語「近位」および「遠位」の前述の使用と一致して、本明細書で使用される用語「長手方向に延在する」は、近位方向に(およびそれに沿って)および遠位方向に(およびそれに沿って)延在する長手方向軸(例えば、中心長手方向軸)に沿った、記載または図示された物体、構成要素、要素、または構造特徴の物理的延在(スパニング)を指す。
【0042】
非対称外部支持体
本明細書に開示される非対称外部支持体は、以下の例示的に記載される構成要素、およびその構造的/機能的特徴を含むか、または代替として、本質的にそれらからなるか、または代替的にそれらからなる。
【0043】
本明細書で使用される「弾性ワイヤ」という用語は、弾性の特性、状態、および現象を示し、それによって特徴付けられるワイヤ(またはフィラメント)を指す。このようなワイヤは弾性変形可能であり、それによって、(弾性的に)変形された後、ワイヤは、元の形状およびサイズに戻る。このような弾性ワイヤは、力が加えられると変形し、力が取り除かれると初期の形状および大きさに戻る。
【0044】
本明細書で使用される「可塑的に変形可能なワイヤ」という用語は可塑の特性、状態、および現象を示し、それによって特徴付けられるワイヤ(またはフィラメント)を指す。このようなワイヤは可塑的に変形可能であり、それによって、(可塑的に)変形された後、ワイヤは、元の形状およびサイズに戻らない。そのような可塑的に変形可能なワイヤは、それらに加えられた力が除去されると、永久的に(非可逆的または不可逆的に)変形する。
【0045】
図面を参照すると、
図1A,1B、および1Cは、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置で使用される静脈グラフトを安定化させるための、管状ワイヤ編組またはメッシュの形態の[参照番号100により示されている]非対称外部支持体の例示的な実施形態の概略上面図、側面図、および斜視図である。
図1A、1B、および1Cは、対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットされた)インタループされた遠位端部分(ループ)と、対の可塑的に変形可能なワイヤの近位非接続開放端とを示し、可塑的に変形可能なワイヤの近位端部分は、互いに上下に交差しない。
図2A,2B、および2Cは、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置において使用される静脈グラフトを安定化するための、管状ワイヤ編組またはメッシュの形態の[参照番号200により示されている]非対称外部支持体の別の例示的な実施形態の概略上面図、側面図、および斜視図である。
図2A,2B、および2Cは対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットした)インタループされた遠位端部分(ループ)、および対の可塑的に変形可能なワイヤの近位が接続されていない開放端を示し、近位端部分の可塑的に変形可能なワイヤは互いに上下に交差する。
【0046】
例示的な非対称外部支持体200を図に示す。2A、2B、および2Cはすべて、図に示す例示的な非対称外部支持体100と同じ構造的特徴、特性、および特性を有する。1A、1B、および1Cは、一対の可塑的に変形可能なワイヤの近位端部分の特定の構成を除く。すなわち、図に示すようになる。1A,1B、および1C、例示的な外部支持体100の近位端部分は図に示すように、近位端部分が互いに上下で交差しない可塑的に変形可能なワイヤのすべてで構成される。2A、2B、および2C、例示的な外部支持体200の近位端部分は、可塑的に変形可能なワイヤの近位端部分のすべてが互いに交差するか、または交差するように構成される。
【0047】
図3Aは非対称外部支持体(
図1A、1B、1Cの100)の近位端部分の例示的な実施形態の概略拡大側面図であり、近位非接続開放端(非対称外部支持近位端と一致する)の対の可塑的に変形可能なワイヤを強調し、近位端部分の可塑的に変形可能なワイヤは、互いに上下で交差しない。
図3Bは、非対称外部支持体(
図2A、
図2B、
図2Cの200)の近位端部分の例示的な実施形態の概略拡大側面図であり、対の可塑的に変形可能なワイヤの近位非接続開放端(非対称外部支持体近位端と一致する)を強調し、可塑的に変形可能なワイヤの近位端部分は、互いに上下で交差する。
【0048】
図4A、4B、および4Cはそれぞれ、非対称外部支持体(
図1A、1B、1Cの100;
図2A、2B、2Cの200)の遠位部分の例示的な実施形態の概略拡大上面、側面、および斜視図であり、対の可塑的に変形可能なワイヤ(長手方向および半径方向にオフセットされた)インタループされた遠位端部分(ループ)を強調し、それによって、その頂点(弓形部分の中間点)は、(i)非対称外部支持体遠位端から近位にオフセットされ、それと一致せず、(ii)非対称外部支持体外周から半径方向にオフセットされ、それと一致しない。
【0049】
図5は、非対称外部支持体(
図1A、1B、1Cの100;
図2A、2B、2Cの200)の中央部分の例示的な実施形態の概略拡大側面図であり、非対称の弾性ワイヤおよび対の可塑的に変形可能なワイヤの空間的、長手方向および半径方向に対称で均一な管状ワイヤメッシュ構成を強調する。
【0050】
図1~
図5を参照すると、例示的な非対称外部支持体(本明細書では、簡潔にするために、支持体とも呼ばれる)100が
図1A、1B、1Cに示されており、および200が
図2A、2B、2Cに示されており、支持体の全長(L)に沿って近位および遠位に長手方向に延在する管状ワイヤ編組またはメッシュ(本明細書ではそれぞれワイヤメッシュ100および200とも呼ばれる)の形態である。支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)は、近位部分(100pp;200pp)、中央部分(100mp;200mp)、遠位部分(100dp;200dp)、近位端(100pe;200pe)、および遠位端(100de;200de)を有する。
【0051】
支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)は外径(Ro)を有し、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の長手方向の全長(L)に沿って、それに並行して広がる外周(または境界)(100ocp;200ocp)を有する。外周(100ocp;200ocp)は、サポート(ワイヤメッシュ)(100;200)をその全長(L)に沿って、それに平行に囲む(囲む、包む、境界を定める)(仮想または有効な)円形(管状)表面に対応する。外周(100ocp;200ocp)は支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)を取り囲み、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の全長(L)に沿って、かつそれに平行に、近位および遠位に長手方向に亘る(広がる)(仮想または有効)円周線(すなわち、周辺、円形境界)によって形成される。
【0052】
支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)は、非対弾性ワイヤ(102;202)と、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)と、で構成される。例示的な実施形態では、各支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)は例示的な総数42のワイヤ(またはフィラメント)を有し、これには例示的な総数38の非対弾性ワイヤ(フィラメント)(102;202)と、2対の可塑的に変形可能なワイヤ(フィラメント)に対応する、例示的な総数4の、対の可塑的に変形可能なワイヤ(フィラメント)(104;204)が含まれる。
【0053】
例示的な非対称外部支持体(ワイヤメッシュ)100において、第1の対の可塑的に変形可能なワイヤは、第1の対の第1の可塑的に変形可能なワイヤ104-1aと、第1の対の第2の可塑的に変形可能なワイヤ104-1bと、を含む、参照番号104-1として示され、参照される。第2の対の可塑的に変形可能なワイヤは、第2の対の第1の可塑的に変形可能なワイヤ104-2aと、第2の対の第2の可塑的に変形可能なワイヤ104-2bと、を含む、参照番号104-2として示され、参照される。
【0054】
例示的な非対称外部支持体(ワイヤメッシュ)200において、第1の対の可塑的に変形可能なワイヤは、第1の対の第1の可塑的に変形可能なワイヤ204-1aと、第1の対の第2の可塑的に変形可能なワイヤ204-1bと、を含む、参照番号204-1として示され、参照される。第2の対の可塑的に変形可能なワイヤは、第2の対である第1の可塑的に変形可能なワイヤ204-2aと、第2の対である第2の可塑的に変形可能なワイヤ204-2bと、を含む、参照番号204-2として示され、参照される。
【0055】
非対弾性ワイヤ(102;202)は、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の全長(L)に沿って長手方向に延び、それによって、弾性ワイヤ(102、202)の近位端(102pe;202pe)は支持体(ワイヤメッシュ)近位端(100pe;200pe)と一致し、弾性ワイヤ(102;202)の遠位端(102de;202de)は、支持体(ワイヤメッシュ)遠位端(100de;200de)と一致する。非対弾性ワイヤ(102;202)は、円周方向外側に面する(支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の全長(L)に沿って延び、これに平行な)外面を、支持体(ワイヤメッシュ)外周(100ocp;200ocp)と一致し、「物理的に」画定する。
【0056】
支持体(ワイヤメッシュ)近位部分、およびその中の可塑的に変形可能なワイヤ
支持体(ワイヤメッシュ)の近位端部分(100pp;200pp)は、接続されていない(すなわち、支持体(ワイヤメッシュ)の任意の他のワイヤに接続されていない、すなわちループ状(インタループ))、および開放されている、近位端(104-1a pe、104-1b pe、104-2a pe、104-2b pe; 204-1a pe、204-1b pe、204-2a pe、204-2a pe、204-2b)を有する、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)で構成されている。
【0057】
例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の近位端部分(100pp;200pp)は、支持体(ワイヤメッシュ)近位端(100pe;200pe)と一致する近位端(104-1a pe、104-1b pe、104-2a pe、104-2b pe; 204-1a pe、204-1b pe、204-2a pe、204-2a pe、204-2b pe)を有するすべての対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)で構成される。代替的に、例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)の近位端部分(100pp200pp)は、支持体(ワイヤメッシュ)の近位端(100pe;200pe)と一致する近位端を有する、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の全てではない(例えば、1つのみ、または全くない)ように構成される。
【0058】
例示的な実施形態では、
図1A,1B,1C、および3Aに示されているように、支持体(ワイヤメッシュ)近位端部分(100pp)において、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104)の全ては、互いに上に横切ったり下に横切ったりしない近位端部分(104-1a pep、104-1b pep、104-2a pep、104-2b pep)を有し、それによって、可塑的に変形可能なワイヤ(104)の各対(104-1、104-2)において、第1のワイヤの近位端部分は第2のワイヤの近位端部分を横切ったり、下に横切ったりしない。例えば、可塑的に変形可能なワイヤ(104)の第1の対(104-1)では、第1の対の第1のワイヤ(104-1a)の近位端部分(104-1a pep)が第1の対の第1のワイヤ(104-1a)の近位端部分(104-1b pep)を越えたり、第1の対の近位端部分(104-1b pep)の下を横切ったりしない。加えて、例えば、可塑的に変形可能なワイヤ(104)の第2の対(104-2)では、第2の対の第1のワイヤ(104-2a)の近位端部分(104-2a pep)が第2の対の第2のワイヤ(104-2b)の近位端部分(104-2b pep)を横切ったり、下になったりしない。
【0059】
代替的に、例示的な実施形態では、
図2A、2B、2C、および3Bに示されるように、支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分(200pp)において、対の可塑的に変形可能なワイヤ(204)のすべては、互いに上または下で交差する近位端部分(204-1a pep、204-1b pep、204-2a pep、204-2b pep)を有し、それによって、可塑的に変形可能なワイヤ(204)の各対(204-1、204-2)において、第1のワイヤの近位端部分は第2のワイヤの近位端部分の上または下に交差する。例えば、可塑的に変形可能なワイヤ(204)の第1の対(204-1)では、第1の対の第1のワイヤ(204-1a)の近位端部分(204-1a pep)が第1の対の第2のワイヤ(204-1b)の近位端部分(204-1b pep)の上または下を横切る。さらに、例えば、可塑的に変形可能なワイヤ(204)の第2の対(204-2)において、第2の対の第1のワイヤ(204-2a)の近位端部分(204-2a pep)は、第2の対の第2のワイヤ(204-2b)の近位端部分(204-2b pep)の上または下を横切る。
【0060】
支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分、およびその中の可塑的に変形可能なワイヤ
本明細書に開示される非対称外部支持体(100;200)は、異なるCABG処置の異なる特定のシナリオ、条件、およびパラメータにしたがって、および動脈静脈グラフト上の外部支持体を使用してCABG処置を実施することから得られる実際の経験的(臨床的)データおよび情報に基づいて、「カスタマイズ可能な」様式で開発された。このようなカスタマイズは、支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)の異なる可能な実施形態/構成を生成するために実施され、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)は、対のインタループされた遠位端部分(すなわち、可塑的に変形可能なワイヤの各対において、第1のワイヤは第1のループとして構成された遠位端部分を有し、第2のワイヤ遠位端部分の第2のループとインタループされる)で構成される。
【0061】
異なる例示的な実施形態では、可塑的に変形可能なワイヤの遠位端部分(ループ)は、異なる程度の可動性(すなわち、比較的高い可動性から比較的低い可動性)、または完全な不動性(すなわち、固定されている)を示す。支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分(100dp;200dp)は、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)とメッシュされているか(相互織り合わされているか、メッシュされているか)、物理的に接触している非対弾性ワイヤ(102;202)からなるので、したがって、対の可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)のモビリティ、または不動性に沿った特別な構造/機械的な形態は、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分(100dp;200dp)における非対弾性ワイヤ(104;204)とすぐに近接または隣接する構造/機械的性能に影響を及ぼすことができ、期待される。したがって、対の可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)の可動性または不動性と共に、特定の構造的/機械的構成は、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分(100dp;200dp)、特に支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)全体の構造的/機械的性能に直接関連し、それを決定する。
【0062】
一般に、非対称外部支持体(100;200)、および支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分(100dp;200dp)の異なる可能な実施形態/構成のカスタマイズは特に、支持体の「構造的/機械的」特徴が、支持体の初期の適用および移植(オペレータを介する)の間、ならびに支持体の(患者における)寿命の間、異なる(好ましい)性能特性を示すようにすることができる。これは、ヒトCABG処置において使用される動脈静脈グラフトを外部ステント留置するための支持体の、SVG開存性および安全な使用、ならびに操作者(例えば、外科医)の取扱いおよび操作特性のさらなる改善につながり得る。
【0063】
可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)
図1、2、および4を参照すると、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分(100dp;200dp)において、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)は、インタループされた遠位端部分(ループ)を有して構成され、それによって、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の各対(104-1、104-2;204-1、204-2)は、第2のワイヤ閉ループ[第2のループ]として形成される第2のワイヤの遠位端部分を有するループ(すなわち、インタループ)される第1のワイヤ閉ループ[第1のループ]として形成される第1のワイヤの遠位端部分を有する。このような実施形態では、可塑的に変形可能なワイヤの各対は第1のワイヤを有し、その第1のワイヤの遠位端部分が第1のワイヤ上で折り返す(第1のループを閉じるように)された第1のワイヤループ端を有する第1のワイヤ閉ループ[第1のループ]を形成し、遠位端部が第1のワイヤ閉ループを通してループ(インタループ)され、第2のワイヤ上で折り返し(第2のループを閉じるように)された第2のワイヤループ端を有する第2のワイヤループ[第2のループ]を形成する第2のワイヤを有する。
【0064】
例えば、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位端部分(100dp;200dp)において、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第1の対(104-1;204-1)のにおいて、第1の対、第1のワイヤ(104-1a;204-1a)はインタループされた遠位端部分(104-1a dep[第1の対、第1のループ];204-1a[第1の対、第1のループ])を有して構成され、第1の対、第2のワイヤ(104-1b;204-1b)はインタループされた遠位端部分(104-1b dep[第1の対、第2のループ];204-1b dep[第1の対、第2のループ])を有して構成される。第1の対の第1のワイヤ遠位端部分(104-1a dep; 204-1a dep)は、1の対の第1のワイヤ(104-1a;204-1a)上を折り返す(第1の対の第1のワイヤ閉ループ[第1の対、第1のループ]を閉じるように)、第1の対の第1のワイヤ閉ループ[第1の対、第1のループ]の端部(先端)を有する、第1の対の第1のワイヤ閉ループ[第1の対、第1のループ]を形成する。第1の対の第2のワイヤ遠位端部分(104-1b dep; 204-1b dep)は、第1の対の第1のワイヤ閉ループ[1st pair,1st loop]を通り、第1の対の第2のワイヤ(104-1b;204-1b)上を折り返す(第1の対の第2のワイヤ閉ループ[第1の対、第2のループ]を閉じるように)された第1の対の第2のワイヤ閉ループ[1st pair,2nd loop]の端部(先端)を有する、第1の対の第2のワイヤ閉ループ[1st pair,2nd loop]を形成する。
【0065】
さらに、例えば、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分(100dp;200dp)において、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第2の対(104-2;204-2)において、第2の対の第1のワイヤ(104-2a;204-2a)は、インタループされた遠位端部分(104-2a dep[第2の対、第1のループ];204-2a dep[第2の対、第1のループ])で構成され、第2の対の第2のワイヤ(104-2b;204-2b)は、インタループされた遠位端部分(104-2b dep[第2の対、第2ループ];204-2b dep[第2の対、第2ループ])で構成される。第2の対の第1のワイヤ遠位端部分(104-2a dep;204-2a dep)は、第2の対の第1のワイヤ(104-2a;204-2a)上を折り返す(第2の対の第1のワイヤ閉ループ[第2の対、第1のループ]を閉じるように)、第2の対の第1のワイヤ閉ループ[第2の対,第1のループ]の端部(先端)を有する、第2の対の第1のワイヤ閉ループ[第2の対,第1のループ]を形成する。第2の対の第2のワイヤ遠位端部分(104-2b dep; 204-2b dep)は、第2の対の第1のワイヤ閉ループ[第2の対,第1のループ]を通る、および第2の対の第2のワイヤ(104-2b;204-2b)上を折り返す(第2の対の第2のワイヤ閉ループ[第2の対、第2のループ]を閉じるように)、第2の対の第2のワイヤ閉ループ[第2の対,第2のループ]の端部(先端)を有する、第2の対の第2のワイヤ閉ループ[第2の対,第2のループ]を形成する。
【0066】
そのような実施形態では、各ワイヤループ端のそれぞれのワイヤ上の「折り返し(back-fold)」は、異なる特定の構成を有することができる。例示的な実施形態では、ワイヤ上のワイヤループ端の「折り返し」が構成され、それにより、ワイヤループ端の最終端または先端(すなわち、最大、最も遠い、または最も遠い部分)は、(同軸/同直ワイヤになるように)位置合わせされ、それぞれのワイヤの残りの部分に沿った特定のセグメントまたは点と物理的に接触する。代替的に、例示的な実施形態では、ワイヤ上のワイヤループ端の「折り返し」が構成され、それにより、ワイヤループ端の最終端または先端(すなわち、最大、最も遠い、または最も遠い部分)は、ワイヤをわずかに越えて(例えば、0.2mm~2mmの比較的小さい距離だけ)延在するように、「x様」横方向に、そのそれぞれのワイヤの上または下を交差し、その延在ワイヤの特定のセグメントがそのそれぞれのワイヤの残りの部分に沿った特定のセグメントまたは点と物理的に接触する。
【0067】
可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)の可動性/不動性
インタループされた遠位端部分(ループ)の可動性に関して、
図1、2、および4を参照すると、例示的な実施形態では、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の各対(104-1、104-2;204-1、204-2)における支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)、およびインタループされた遠位端部分において、2つの個々のループ(すなわち、互いにインタループされた2つの個々のループ状遠位端部分)は、互いに対して(長手方向および/または半径方向に)摺動可能に可動であるように構成される。当該実施形態では、第1のワイヤのループ(インタループされた遠位端部)および第2のワイヤのループ(インタループされた遠位端部)が互いに対して(長手方向または/または半径方向に)摺動可能に移動可能である。同等に述べると、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の各対(104-1、104-2;204-1、204-2)において、(第1のワイヤ閉ループ[第1のループ]として形成された)第1のワイヤの遠位端部分と(第2のワイヤ閉ループ[第2のループ]として形成された)第2のワイヤ遠位端部分とは、互いにインタループされ、互いに(長手方向または半径方向に)摺動可能に構成されている。
【0068】
例えば、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第1の対(104-1;204-1)では、第1の一対の第1のワイヤループ状遠位端部分(104-1a dep[第1の対、第1のループ];204-1a[第1の対、第1のループ])、および第1の対の第2のワイヤループ状遠位端部分(104-1b dep[第1の対、第2のループ];204-1b dep[第1の対、第2のループ])は互いにインタループされ、互いに一対して(長手方向および/または半径方向に)摺動可能に移動可能であるように構成される。さらに、例えば、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第2の対(104-2;204-2)では、第2の対の第1のワイヤループ状遠位端部分(104-2a dep[第2の対、第1のループ];204-2a dep[第2の対、第1のループ])、および第2の対の第2のワイヤループ状遠位端部分(104-2b dep[第2の対、第2のループ];204-2b dep[第2の対、第2のループ])は互いにインタループされ、互いに対して(長手方向および/または半径方向に)摺動可能に移動可能であるように構成される。
【0069】
互いに対して摺動可能であるインタループされた遠位端部分(ループ)のこのような例示的な実施形態は、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の各対(104-1、104-2;204-1、204-2)において、2つの個々のループの両方ではなく、少なくとも1つ(すなわち、互いにインタループされる2つの個々のループ状遠位端部分のうちの少なくとも1つ)が、2つのループの互いに対する(半径方向および/または長手方向の)摺動可能な可動性を容易にする十分に大きなループサイズで構成されることを必要とする。例示的な実施形態では、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の各対(104-1、104-2;204-1、204-2)における2つの個々のループの一方ではなく両方が、互いに対する2つのループの摺動可能な可動性を容易にする十分に大きなループサイズで構成される。
【0070】
インタループされた遠位端部分(ループ)の不動性に関して、
図1、
図2、および
図4を参照すると、例示的な実施形態では、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の各対(104-1、104-2;204-1、204-2)における支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)およびインタループされた遠位端部分において、2つの個々のループ(すなわち、互いにインタループされたである2つの個々のループ状遠位端部分)は互いに対して摺動可能でないように構成される(すなわち、それらは不動であるか、または適所に固定される)。そのような実施形態では、第1のワイヤのループ(インタループされた遠位端部分)および第2のワイヤのループ(インタループされた遠位端部分)が互いに対して(長手方向および/または半径方向に)摺動可能ではなく、むしろ、第1および第2のワイヤのループは互いに対して不動であるか、または固定されている。同等に述べると、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の対(104-1、104-2;204-1、204-2)において、(第1のワイヤ閉ループ[第1のループ]として形成される)第1のワイヤ遠位端部分、および(第2のワイヤ閉ループ[第2のループ]として形成される)第2のワイヤ遠位端部分は、互いにインタループされ、互いに摺動可能でない(すなわち、それらが不動でまたは所定の位置に固定される)ように構成される。
【0071】
例えば、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第1の対(104-1;204-1)では、第1の対の第1のワイヤループ状遠位端部分(104-1a dep[第1の対、第1のループ];204-1a[第1の対、第1のループ])、および第1の対の第2のワイヤループ状遠位端部分(104-1b dep[第1の対、第2のループ];204-1b dep[第1の対、第2のループ])は互いにインタループされ、互いに対して摺動可能でないように構成されている(すなわち、それらは動かないか、または所定の位置に固定されている)。さらに、例えば、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第2の対(104-2;204-2)では、第2の対の第1のワイヤループ状遠位端部分(104-2a dep[第2の対、第1のループ];204-2a dep[第2の対、第1のループ])、および第2の対の第2のワイヤループ状遠位端部分(104-2b dep[第2の対、第2のループ];204-2b dep[第2の対、第2のループ])は互いにインタループされ、互いに対して摺動可能でないように構成されている(すなわち、それらは動かないか、または所定の位置に固定されている)。
【0072】
互いに対して摺動可能に可動ではない(すなわち、適所に固定される)、インタループされた遠位端部分(ループ)のこのような例示的な実施形態は、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の各対(104-1、104-2;204-1、204-2)において、2つの個々のループ(すなわち、互いに相互ループされる2つの個々のループされた遠位端部分のうちの少なくとも1つ)の両方ではなく、少なくとも1つが、2つのループの互いに対する(半径方向または長手方向の)摺動可能な可動性を完全に防止する十分に小さいループサイズで構成されることを必要とする。例示的な実施形態では、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の各対(104-1、104-2;204-1、204-2)の2つの個々のループの1つではなく両方が2つのループの互いに対する摺動可能な移動を完全に防止する十分に小さいループサイズで構成される。
【0073】
対の可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)において、異なる程度の可動性(すなわち、比較的高い可動性から比較的低い可動性)または完全な不動性(すなわち、固定されている)を示す支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)の上記の例示的な実施形態/構成について、ループサイズは、例えば、単一のループの内側[円形または楕円形ループ形状]領域に関して定量化可能かつ測定可能であり、単一ループによって包含され、次いで、単一のループは、(カスタム)設計のために使用され、続いて、支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)における対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)のインタループされた遠位端部分(ループ)を形成する。したがって、このような例示的な実施形態では、ループサイズ(すなわち、各ループの内側[ループ形状]領域)を制御する能力を有することは、支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)における対の可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)に提供される、可動性または不動性の程度または程度を制御する能力を有することに変換される。これは、次に、非対称外部支持体(100;200)の構造的/機械的特徴が支持体の初期適用および移植(操作者を介する)の間、ならびに支持体の(患者における)寿命の間に、異なる(好ましい)「カスタマイズされた」性能特性を示すことを容易にする。
【0074】
可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)の固定(補強)閉鎖
上述したように、可塑的に変形可能なワイヤの各対は、その遠位端部分が第1のワイヤで折り返された(第1のループを閉じるように)第1のワイヤループ端を有する第1のワイヤ閉ループ[第1のループ]を形成する第1のワイヤと、その遠位端部分が、第1のワイヤ閉ループを通してループ(インタループされた)され、第2のワイヤで折り返し(第2のループを閉じるように)された第2のワイヤループ端を有する第2のワイヤ閉ループ[第2のループ]を形成する第2のワイヤと、を有する。本発明者は、各ワイヤについて、(ループを閉じるために)ワイヤ上にその端部が折り返されているにもかかわらず、CABG処置の操作者による支持体の最初の適用および移植の間に、および/または患者における支持体の寿命の間に、その閉ループが緩み、解放され、開く可能性が存在し、これは、開ループのワイヤで支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)が、(可塑的に変形可能なワイヤ穿刺または穿刺を介して)心臓および/または血管組織を傷つける可能性があることを観察した。
【0075】
支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)における対の可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)に関連するこの潜在的な問題に対処し、防止するために、本発明者は、ループ(ループクロージャ)の固定(補強)閉鎖を含む、本明細書に開示される非対称外部支持体(100;200)の例示的な実施形態を開発した。そのような例示的な実施形態は、ループ閉鎖固定(補強)処置、特に、(i)ループ閉鎖接着処置、または(ii)ループ閉鎖熱処理(例えば、レーザ溶接またはレーザはんだ付け)処置を使用することに基づく。
【0076】
したがって、そのような例示的な実施形態では、
図1、
図2、および
図4を参照して、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の各インタループされた対(104-1、104-2;204-1、204-2)における支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)において、各インタループされた遠位端部分(ループ)は、ループ閉鎖(補強)処置、特に上記(i)ワイヤ(ii)に列挙されたループ閉鎖(reinforcing)処置の使用を介して、個別に固定ワイヤ補強されるループ閉鎖(すなわち、ループの閉鎖[閉鎖部分])を有する。さらに、各ループ閉鎖(インタループされた各遠位端部分における2つの(インタループされた)ループの各ループの閉鎖部(閉鎖部))は、具体的には、ワイヤループ端が折り返され、それぞれのワイヤと物理的に接触する特定の位置または点において、(上記(i)または(ii)を介して)個別に固定または補強される。
【0077】
(i)ループ閉鎖接着処置に関して、例示的な実施形態では、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204-1、204-2)の各インタループされた対(104-1、104-2;204-1、204-2)における支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)において、各インタループされた遠位端部分(ループ)は、ループ閉鎖接着処置を介して、ワイヤループ端が折り返され、そのそれぞれのワイヤと物理的に接触する特定の位置または点に適用される接着材料(例えば、医療グレードの接着剤または他の接着タイプの材料)で個々に固定または補強され得るループ閉鎖(すなわち、ループの閉鎖[閉鎖部分])を有する。
【0078】
例えば、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第1の対(104-1;204-1)における支持(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)では、第1の対の第1のワイヤ(104-1a;204-1a)が、ループ閉鎖接着処置を介して、ワイヤループ端が折り返され、第1の対の第1のワイヤ(104-1a;204-1a;204-1a)と物理的に接触する特定の位置または点に塗布される接着材料で、ループ閉鎖を個別に固定または強化することができるループ閉鎖を有するインタループされた遠位端部分(104-1a dep[第1の対、第1のループ];204-1a[第1の対、第1のループ])を有する。
【0079】
(ii)ループ閉鎖熱処理処置に関して、本実施例では、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)のインタループされた各対(104-1,104-2;204-1,204-2)における支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)において、各インタループされた遠位端部分(ループ)は、ループ閉鎖熱処理処置を介して、ワイヤループ端が折り返され、各々のワイヤと物理的に接触する特定の場所またはその点に溶接またはんだ付けを適用して、個別に固定または強化することができるループ閉鎖(すなわち、ループの閉鎖(閉鎖部分))を有する。
【0080】
例えば、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第1の対(104-1;204-1)における支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)において、第1の対の第1のワイヤ(104-1a;204-1a)は、ループ閉鎖熱処理処置を介して、ワイヤループ端が折り返され、第1の対の第1のワイヤ(104-1a;204-1a;204-1a)と物理的に接触する特定の位置または点に溶接またはんだ付けを適用して、ループ閉鎖熱処理処置を介して、個々に固定または補強され得るループ閉鎖を有するインタループされた遠位端部分(104-1a dep[第1の対、第1のループ];204-1a[第1の対、第1のループ])を有する。
【0081】
(i)および(ii)の例示的な実施形態では、ループ閉鎖固定(補強)処置は、可塑的に変形可能ワイヤ(104;204)の各対(104-1、104-2;204-1、204-2)において、およびそのインタループされた遠位端部分において、2つのそれぞれの個々に固定された(補強された)ループ閉鎖を有する2つの閉ループが本明細書で前述したように、異なる程度の相対的移動性、または完全な不動性(すなわち、固定された)を示すことができるように、個々に固定された(補強された)ループ閉鎖の異なる可能な実施形態/構成を生成するために実行することができる。
【0082】
例えば、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第1の対(104-1;204-1)において、第1の対の第1のワイヤ(104-1a;204-1a)および第1の対の第2のワイヤ(104-1b;204-1b;204-1b)について、2つのループ閉鎖は、2つのそれぞれ個別に固定された(補強された)ループ閉鎖を生成するために、(上記(i)または(ii)を介して)ループ閉鎖固定(補強)処置を個別に受けることができ、その結果、第1の対の第1のワイヤのインタループされた遠位端部分(104-1a dep[第1の対、第1のループ;204-1a dep[第1の対、第1のループ])および第1の対の第2のワイヤのインタループされた遠位端部分(104-1b dep[第1の対、第2のループ];204-1b dep[第1の対、第2のループ])は、互いに対してある程度(長手方向および/または半径方向に)摺動可能に移動可能である。
【0083】
代替的に、例えば、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第1の対(104-1;204-1)において、第1の対の第1のワイヤ(104-1a;204-1a)および第1対の第2のワイヤ(104-1b;204-1b)について、2つのそれぞれ個々の固定された(補強された)ループ閉鎖を生成するために、2つのループ閉鎖を(上記(i)または(ii)を介して)ループ閉鎖(強化)処置に供することができ、これにより、第1対の第1のワイヤのインタループされた遠位端部分(104-1a dep[第1の対、第1のループ;204-1a dep[第1の対、第1のループ])および第1の対の第2のワイヤのインタループされた遠位端部分(104-1b dep[第1の対、第2のループ];204-1b dep[第1の対、第2のループ])が互いに摺動可能に移動できない。
【0084】
支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の示された例示的な実施形態を製造するための、上述のループ閉鎖固定(補強)処置の実施は、支持体の最初の適用および移植の間、および患者における支持体の寿命の間、その個々に固定された(補強された)ループ閉鎖(相対的な可動性または完全な不動性のいずれかを示す)を有する各閉ループが緩まず、アンループになり、そして開放されないことを保証する。
【0085】
可塑的に形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)の長手方向のオフセット(λ)
本明細書に開示される非対称外部支持体(100;200)は、支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)が支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の長手方向全長(L)未満に沿って長手方向に延在する対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)で構成され、それによって、すべてのループ状遠位端部分(ループ)の頂点(すなわち、アーチ状部分の中間点)が支持体(ワイヤメッシュ)遠位端(100de;200de)から長手方向にオフセットされ、それと一致しないように設計され、構築された。例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)近位端部分(100pp;200pp)が支持体(ワイヤメッシュ)近位端(100pe;200pe)と一致する近位端を有する、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)で構成される。代替的に、例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)近位端部分(100pp;200pp)が支持体(ワイヤメッシュ)近位端(100pe;200pe)と一致する近位端を有する、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の全てではない(例えば、1つのみ、または全くない)ように構成される。
【0086】
図1、2および4に示すように、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)は、支持体(ワイヤメッシュ)(100;204)の全長(L)未満に沿って長手方向に延在し、それによって、全てのループ状遠位端部分(104-1a dep[第1の対、第1のループ]、104-1b[第1の対、第2のループ]、104-2a dep[第2の対、第1のループ]、104-2b dep[第2の対、第2のループ];204-1a dep[第1の対、第1のループ]、204-1b[第1の対、第2のループ]、204-2a dep[第2の対、第1のループ]、204-2a dep[第2の対、第2のループ])の頂点(アーチ状部分の中点)は、支持体(ワイヤメッシュ)遠位端(100de;200de)から長手方向にオフセットされ、それと一致しない。そのような実施形態では、すべての対の可塑的に変形可能ワイヤ(104;204)の近位端(104-1a pe、104-1b pe、104-2a pe、104-2b pe;204-1a pe、204-1b pe、204-2a pe、204-2b pe)は支持体(ワイヤメッシュ)近位端(100pe;200pe)と一致する。
【0087】
「長手方向のオフセット」は、参照記号λ(ラムダ)として示され、参照される。例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の(終局)遠位端(100de;200de)からの各可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の各ループ状(インタループされた)遠位端部(ループ)の頂点(アーチ状部分の中間点)の近位長手方向のオフセット(λ)が0.2mmから1.5mmの範囲の大きさを有する。
【0088】
第1の具体例として、特に図に示されるように、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第1の対の第1のワイヤ(104-1a;204-1a)について、ループ状遠位端部分(104-1a dep[第1の対、第1のループ];204-1a dep[第1の対、第1のループ])の頂部(アーチ状部分の中間点)は、支持体(ワイヤメッシュ)遠位端(100de;200de)からの近位長手方向のオフセット(λ)を有し、第1の対の第1のワイヤ(104-1a;204-1a)の近位端(104-1a pe;204-1a pe)は、支持体(ワイヤメッシュ)近位端(100pe;200pe)と一致する。
【0089】
第2の具体例として、図に特に示されるように、可塑的に変形可能ワイヤ(104;204)の第2の対の第2のワイヤ(104-2b;204-2b)について、ループ状遠位端部分(104-2b dep[第2の対、第2のループ];204-2b dep[第2の対、第2のループ])の頂点(アーチ状部分の中間点)が支持体(ワイヤメッシュ)遠位端(100de;200de)からの近位長手方向のオフセット(λ)を有し、第2の対の第2のワイヤ(104-2b;204-2b)の近位端(104-2b pe;204-2b pe)は支持体(ワイヤメッシュ)近位端(100pe;200pe)と一致する。
【0090】
可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)の半径方向のオフセット(Δ)
図1A、2Aおよび4Aを参照すると、可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)のインタループされた遠位端部分(ループ)の半径方向のオフセット(Δ)を特に示し、非対称外部支持体(100;200)の他の図と比較して、対の可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)の半径方向のオフセット(Δ)が存在するが、容易には見ることができない。
【0091】
本明細書に開示される非対称外部支持体(100;200)は、支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)が、インタループされた遠位端部分の第1および第2のワイヤ閉ループが支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外径(Ro)を超えて半径方向に延在するように構成された、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)を有するように設計され、構築された。このような構成では、全てのループ状(インタループされた)遠位端部分(ループ)の頂点(アーチ状部分の中間点)が、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外周(100ocp;200ocp)から半径方向にオフセットされ、この外周と一致しない。
【0092】
上述したように、(支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の全長(L)に沿って、かつ平行に)外面に円周方向外側に対向する非対弾性ワイヤ(102;202)は、支持体(ワイヤメッシュ)の外周(100ocp;200ocp)と一致し、画定する。支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)では、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外半径(Ro)を越え、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外半径(Ro)から半径方向に延在し、支持体(ワイヤメッシュ)外周(100ocp;200ocp)から半径方向にオフセットし、かつ一致しないような、このような半径方向延在は、支持体(ワイヤメッシュ)外周(100ocp;200ocp)の可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた遠位端部分(ループ)が支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外半径(Ro)から外または外向きに突出(projecting)(突出(protruding)、突出(jutting)、突出(extending)、突出(sticking))し、それによって、すべてのループ状遠位端部分(ループ)の頂点(アーチ状部分の中間点)は、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外周(100ocp;200ocp)から外にまたは外向きに突出する。
【0093】
「半径方向のオフセット」は、参照記号Δ(デルタ)として示され、参照される。例示的な実施形態において、各可塑的に変形可能ワイヤ(104;204)の各ループ状遠位端部分の頂部(アーチ状部分の中間点)の外向き半径方向オフセット(Δ)は、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外周周(100ocp;200ocp)から外側または外向きに、0.2mmから1.5mmの範囲の大きさを有する。
【0094】
第1の具体例として、特に
図1A,2A、および4Aに示すように、第2の対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の第1のワイヤ(104-2a;204-2a)について、ループ状遠位端部分(104-2a dep[第2の対、第1のループ];204-2a dep[第2の対、第1のループ])が、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外半径(R
o)を越えて半径方向に延び、それによって、そのループ状遠位端部分の頂点(アーチ状部分中点)が支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外周(100ocp;200ocp)から外向きの半径方向のオフセット(Δ)を有し、それと一致しない。
【0095】
第2の具体例として、
図1A、2A、4Aにも示されているように、第1の対の可塑的に変形可能ワイヤ(104;204)の第1のワイヤ(104-1a;204-1a)について、ループ状遠位端部分(104-1a dep[第1の対、第1のループ];204-1a dep[第1の対、第1のループ])が、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外半径(R
o)を越えて半径方向に延在し、それによって、そのループ状遠位端部分の頂点(アーチ状部分中点)は、支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外周(100ocp;200ocp)から外向きの半径方向のオフセット(Δ)を有し、それと一致しない。
【0096】
支柱体(ワイヤメッシュ)中央部分
上述した、近位部分および遠位部分(100pp;200pp)に対向する非対称外部支持体(ワイヤメッシュ)、ならびにその中の対の可塑的に変形可能ワイヤ(104;204)の長手方向および半径方向の非対称の態様とは対照的に、支持体(ワイヤメッシュ)中央部分(100mp;200mp)内では、非対弾性ワイヤ(102;202)の構造的(幾何学的および機械的)特徴、特性、および特性は空間的、長手方向および半径方向に対称であり、均一であり、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の構造的(幾何学的および機械的)特徴、特性、および特性は空間的、長手方向および半径方向に対称であり、均一である。
【0097】
非対称外部支持体の非対称特徴
本明細書に開示される非対称外部支持体の上記の例示的に説明される多数の構造的(幾何学的および機械的)態様に基づいて、非対称外部支持体(100;200)は対向する近位部分および遠位部分(100pp;200pp、および100dp;200dp)、ならびにその中のそれぞれの対向する近位端および遠位端(100pe;200pe、および100de;200de)に対して、空間的に「長手方向および半径方向に」非対称である(すなわち、対称性を欠く)。具体的には、本明細書に開示される非対称外部支持体(100;200)では、特定の構造(幾何学的および機械的)特徴、特性、および特性は対向する近位部分および遠位部分(100pp;200pp、および100dp;200dp)、ならびにその中のそれぞれの対向する近位端および遠位端(100pe;200pe、および100de;200de)に対して、空間的に「長手方向および半径方向に非対称」である。より具体的には、その中に遠位端(100de;200de)を含む支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)がその中に近位端(100pe;200pe)を含む支持体(ワイヤメッシュ)近位部分(100pp;200pp)によって示され、それを特徴付ける特定の構造(幾何学的および機械的)特徴、特性、および特性に対して非対称であり、それとは実質的に異なる特徴を示し、それによって特徴付けられる。
【0098】
第1の非対称特徴は、支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)において、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)が閉鎖端を有するループ状遠位端部分(104-1a dep[第1のループ]、104-1b dep[第2のループ]、104-2a[第1のループ]、104-2b[第2のループ];204-1a[第1のループ]、204-1b[第2のループ]、204-2a[第1のループ]、204-2b[第2ループ])で構成され、支持体(ワイヤメッシュ)近位部分(100pp;200pp)において、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤが開放端を有する非ループ状の非接続近位端部分(104-1a pep、104-1b pep、104-2a pep、104-2b pep;204-1a pep、204-1b pep、204-2a pep、204-2b pep)で構成される。したがって、支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)は閉鎖端を有するループ状の対の可塑的に変形可能なワイヤで構成されるが、支持体(ワイヤメッシュ)近位部分(100pp;200pp)は開放端を有するループ状でない非接続の対の可塑的に変形可能なワイヤで構成される。
【0099】
第2の非対称の特徴は、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)が支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の全長手方向長さ(L)未満に沿って長手方向に延び、それによって、すべてのループ状遠位端部分の頂点(アーチ状部分の中間点)が支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の(終局)遠位端(100de;200de)から近位に長手方向にオフセットされ、一致しないことである。例示的な実施形態では、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤの近位端が支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の(最終的な)近位端(100pe;200pe)と一致する。したがって、このような例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)遠位端(100de;200de)が、対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)のすべてのループ状遠位端部分の長手方向にオフセットした頂点と一致しないが、支持体(ワイヤメッシュ)近位端(100pe; 200pe)は対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)のすべての近位端と一致する。
【0100】
第3の非対称的な特徴は、支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)において、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)が支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外半径(Ro)を越えて半径方向に延在するループ状遠位端部分(ループ)で構成され、それによって、すべてのループ状遠位端部分(ループ)の頂点(アーチ状部分の中点)が支持体(ワイヤメッシュ)(100;200)の外周縁(100ocp;200ocp)から半径方向外向きにオフセットされ、かつ一致しないことである。したがって、支持体(ワイヤメッシュ)の遠位部分(100dp;200dp)の外周(100ocp;200ocp)は対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)のすべてのループ状遠位端部分の半径方向にオフセットした遠位端部分と一致しないが、支持体(ワイヤメッシュ)の近位部分(100pp;200pp)の外周(100ocp; 200ocp)は対になったすべての可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)の近位端と一致する。
【0101】
冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置における本明細書に開示される非対称外部支持体(100;200)の適用に関して、非対称外部支持体(100;200)は支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)をその中に備えた支持体(ワイヤメッシュ)遠位端(100de;200de)が冠動脈吻合部位に位置可能であり、支持体(ワイヤメッシュ)近位部分(100pp;200pp)をその中に備えた支持体(ワイヤメッシュ)近位端(100pe;200pe)が他の吻合部位に位置可能であるような方法で静脈グラフトを被覆するために、外部から適用可能である。
【0102】
支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)を、その中の支持体(ワイヤメッシュ)遠位端(100de;200de)と共に、冠動脈吻合部位に位置決めすることは、非対称外部支持体の上記非対称特徴の活用を容易にする。すなわち、このような特定の指向性位置決めによれば、静脈グラフト遠位端が冠動脈に直接吻合された後、支持(ワイヤメッシュ)遠位部分(100dp;200dp)内のすべての対の可塑的に変形可能なワイヤ(104;204)のすべてのループ状遠位端部分(ループ)の頂点、したがって、最遠位部分は冠動脈吻合部位から(ループ状近位の長手方向のオフセット(λ)[例えば、0.2mm~1.5mm]だけ)長手方向に離れて位置し、冠動脈吻合部位と一致しない。これは、対の可塑的に変形可能なワイヤのループ状遠位端部分(ループ)の頂点(最遠位部分)が冠動脈吻合部位のすぐ近くの心臓および/または血管組織を(穿刺または穿刺によって)損傷する可能性を排除するか、または少なくとも最小限にする。
【0103】
支持体(ワイヤメッシュ)近位部分(100pp;200pp)を、その中の支持体(ワイヤメッシュ)近位端(100pe;200pe)と共に、他の吻合部位に位置決めすることは、支持体(ワイヤメッシュ)近位端(100pe;200pe)のその他の吻合部位へのその後の吻合を容易にする。冠動脈バイパス移植(CABG)処置において、例示的な他の吻合部位は(1)大動脈(90%を超える時間)(2)大動脈に直接吻合された別の静脈グラフト(例えば、SVG)(3)冠動脈および大動脈に吻合された動脈グラフト(例えば、橈骨動脈グラフト)および(4)内乳房動脈である。
【0104】
非対称外部支持体の構成要素および構造的特徴の例示的な構成材料、および例示的なサイズ寸法
以下は、非限定的な様式で、本明細書に開示される非対称外部支持体の構成要素および構造的特徴の、例示的な構造材料、ならびに例示的な寸法の提示である。本明細書に開示される発明の実施形態の実施および実施は、以下に提示される例示的な材料およびサイズ寸法に限定されない。本明細書に開示される発明の実施形態を実施および実施するために、構造およびサイズ寸法の代替または追加の材料を使用することができる。
【0105】
全体的な支持体(管状ワイヤブレードまたはメッシュ)100;200
長さ(L):2.5cm~12cm;例えば、CABG処置を介する展開およびインビボ移植の前に、その長手方向に「弛緩」された構成において、6cm、7cm、または8cm。CABG処置による展開およびインビボ移植後の長手方向に「拡張」した構成において、7cm~36cm。
外半径(Ro):1.75mm-7.5mm、外径:3.5mm-15mm。
【0106】
ワイヤメッシュ編組角度:0度~180度;例えば、10度、30度、45度、60度、90度、120度、150度。
【0107】
ワイヤ(繊維、フィラメント、糸)の総数:24~156本。例えば、24、36、42、64、128、156本の個々の(非対弾性+可塑的に変形可能な)ワイヤである。
非対弾性ワイヤ(繊維、フィラメント、糸)102;202
材料:「弾性」を示し、「弾性」であり、「弾性」特性を有することを特徴とする、例えばコバルト、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼の冷間加工金属、または冷間加工金属合金。
【0108】
直径:10ミクロン(0.01cm)~100ミクロン(0.1cm)
管状ワイヤメッシュ(100;200)内の個々の弾性ワイヤの総数:20~124。例えば、20、38、60、124本の個々の非対弾性ワイヤである。
【0109】
対の可塑的に変形可能なワイヤ(繊維、フィラメント、糸)104;204
材料:「可塑的に」を示し、「可塑的に変形可能」であり、「可塑的に変形可能」な特性を有することを特徴とする、例えばコバルト、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼の熱処理(熱間加工、焼鈍)金属、または熱処理(熱間加工、焼鈍)金属合金。
【0110】
直径:50ミクロン(0.05cm)~200ミクロン(0.2cm)
【0111】
管状ワイヤメッシュ(100;200)内の個々の可塑的に変形可能ワイヤの総数:4~32本。例えば、2、4、8、16、32個の対の可塑的に変形可能なワイヤ。
【0112】
可塑的に変形ワイヤのループ/インタループされた遠位端部分(ループ)[第1のループ、第2のループ]
シングルループサイズ(円直径、または非円形(楕円)長径):0.2mm~1.5mm。
【0113】
近位長手方向のオフセット(λ):0.2mm~1.5mm。
【0114】
外向き半径方向のオフセット(Δ):0.2mm~1.5mm。
【0115】
例示的な実施形態では、支持体(ワイヤメッシュ)のループは、支持体(ワイヤメッシュ)を所定の位置にしっかりと保持し、固定するように、マンドレル(ロッド、シャフト)を支持体(ワイヤメッシュ)に挿入することによって、手動で作製(形成)される。次に、マンドレルを内側に有する支持体(ワイヤメッシュ)を顕微鏡のプラットフォーム上に配置し、ピンセット(ピンサー)を用いて、各可塑的に変形可能なワイヤの遠位端部分を(円形または楕円形のループ)の形態に微妙に操作し、折り曲げ(折り畳み、バックフォールド)し、続いて、可塑的に変形可能なワイヤのインタループされた対を形成するための2つのループ状ワイヤをインタループする。そのプロセスの間、支持体(ワイヤメッシュ)の編組(絡み合った、織り合わされた)構造を望ましくなく変えないように、非対弾性ワイヤとの接触を防止するか、または少なくとも最小限にするように注意が払われる。可塑的に変形可能なワイヤの各対に対して、第1のワイヤ遠位端部分は、第1のワイヤ上で折り返し(第1のループを閉じるように)された第1のワイヤループ端を有する第1のワイヤ閉ループ[第1のループ]に形成される。そして、同じ対の可塑的に変形可能なワイヤについては、第2のワイヤ遠位端部分が第2のワイヤ閉ループ[第2のループ]に形成され、第2のワイヤ閉ループ(インタループされた)を介して第1のワイヤ閉ループをループ(インタループされた)し、(第2のループを閉じるように)第2のワイヤ上で折り返される。
【0116】
非対称外部支持体の例示的な(実際の)プロトタイプ
図6および7は、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置で使用される静脈グラフトを安定化するための、非対称外部支持体[参照番号120で示され、参照される]を開示した本明細書の例示的(実際の)プロトタイプの例示的な顕微鏡写真(顕微鏡を通して見た写真)である。
図6および7に示される、例示的なプロトタイプの非対称外部支持体120は、
図1A,1B,1C、4A、4B、4C、および5で示される非対称外部支持体100の例示的な実施形態の概略図に従って設計され、構築される。
図6において、典型的な顕微鏡写真は典型的なプロトタイプの非対称外部支持体120の上面図であり、
図1Aに示される典型的な非対称外部支持体100の概略上面図に類似している。
図7において、例示的な顕微鏡写真は例示的なプロトタイプ非対称外部支持体120の遠位部分の拡大平面図であり、
図4Aに示される例示的な非対称外部支持体100の遠位部分の概略拡大平面図に類似している。
図6および7で示される例示的なプロトタイプの非対称外部支持体120は、
図1、4、5で示される例示的な非対称外部支持体(ワイヤメッシュ)100について例示的に上述されたものとすべて同じ構造的および機能的特徴、特性、および特性を有する。同じ参照番号、表記、およびそれらの意味は、
図1、4、5に示される例示的な非対称外部支持体100を例示的に説明するために使用され、
図6および7で示したプロトタイプ非対称外部支持体120の例示的な記述についても同様に適用することができる。
【0117】
例示的なプロトタイプ非対称外部支持体120は、支持体の全長手方向長さ(L)[6.5cm、CABG処置における展開前のその弛緩構成]に沿って近位および遠位方向に長手方向に延びる管状ワイヤメッシュの形成である。プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)120は、近位部分120pp、中央部分120mp、遠位部分120dp、近位端120pe、遠位端120de、およびプロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)120の全長(L)に沿って、それに並行して広がる[外径(Ro)が3.5mm(直径7mm)]外周(境界)120ocpを有する。
【0118】
プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)120は、非対弾性ワイヤ102[コバルトクロム、直径0.038mm(38ミクロン)]および対の可塑的に変形可能なワイヤ104[コバルトクロム、直径0.106mm(106ミクロン)]で構成される。プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)120は、例示的な総数38の非対弾性ワイヤ(フィラメント)102と、2対の2つの可塑的に変形可能なワイヤ(フィラメント)に対応する例示的な総数4の対の可塑的に変形可能なワイヤ(フィラメント)104とを含む、例示的な総数42のワイヤ(フィラメント)を有する。
【0119】
プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)近位部分120ppでは、すべての対の可塑的に変形可能なワイヤ104の近位端が接続されず(すなわち、プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)の任意の他のワイヤには接続されず)、開口している。さらに、プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)近位部分120ppでは、対の可塑的に変形可能なワイヤ104のすべてが、互いに上または下で交差しない近位端部分を有し、それによって、可塑的に変形可能なワイヤ(104)の各対(104-1、104-2)では、第1のワイヤの近位端部分が第2のワイヤの近位端部分の上または下に交差しない。
【0120】
プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)中央部分120mpにおいて、非対弾性ワイヤ102および対の可塑的に変形可能なワイヤ104の構造的(幾何学的および機械的)特徴、特性、および特性は、空間的、長手方向および半径方向に対称であり、均一である。
【0121】
プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分120dpでは、対の可塑的に変形可能なワイヤ104がインタループされた遠位端部分(ループ)を(長手方向および半径方向にオフセットして)有して構成される。可塑的に変形可能なワイヤ104の各対104-1、104-2は、第2のワイヤ閉ループ[第2のループ]として形成される第2のワイヤ遠位端部分を有するループ状(すなわち、インタループされた)である第1のワイヤ閉ループ[第1のループ]として形成される第1のワイヤ遠位端部分を有する。可塑的に変形可能なワイヤ104の各インタループされた対104-1、104-2において、各インタループされた遠位端部分(ループ)はループ閉鎖熱処理処置を介して、ワイヤループ端が折り返され、そのそれぞれのワイヤと物理的に接触する特定の位置または点を溶接することによって、個々に固定または補強されるループ閉鎖(すなわち、ループの閉鎖[閉鎖部分])で構成される。インタループされた遠位端部分では、2つの個々のループ(すなわち、互いにインタループされたにある2つの個々のループ状遠位端部分)は互いに対して摺動可能に移動できないように(すなわち、それらは不動であるか、または適所に固定されるように)構成される。
【0122】
プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分120dpにおいて、対の可塑的に変形可能ワイヤ104は、プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)120の全長手方向長さ(L)未満に沿って長手方向に延在し、それによって、すべてのループ状遠位端部分(ループ)の頂点(アーチ状部分の中間点)は、プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)遠位端120deから近位に長手方向にオフセットされ、一致しない。各可塑的に変形可能なワイヤ104に対して、プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)120(終局)遠位端120deからの各ループ状遠位端部分(ループ)の頂点(アーチ状部分の中間点)の近位長手方向のオフセット(λ)は、0.75mmの大きさを有する。
【0123】
プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分120dpでは、対の可塑的に変形可能なワイヤ104がプロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)120の外半径(Ro)を越えて半径方向に延在するインタループされた遠位端部分(ループ)で構成され、それによって、すべてのループ状遠位端部分(ループ)の頂点(アーチ状部分の中点)はプロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)120の外周120ocpから半径方向外向きにオフセットされ、一致しない。各可塑的に変形可能ワイヤ104について、プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)120の外周120ocpを越えて半径方向に延びる各ループ状近位端部分(ループ)の頂部(アーチ状部分の中間点)の外向き半径方向のオフセット(Δ)は、0.5mmの大きさを有する。
【0124】
例示的なプロトタイプ非対称外部支持体120の適用に関して、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置において、プロトタイプ支持体120は、プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)遠位部分120dp(その中に遠位端120deを有する)が冠動脈吻合部位に配置可能であり、プロトタイプ支持体(ワイヤメッシュ)近位部分120pp(その中に近位端120peを有する)が他の吻合部位に配置可能であるような様式で、静脈グラフトを覆うように、外部から適用可能である。
【0125】
非対称外部支持体の例示的な用途
非対称外部支持体(100または200)の上記の例示的な実施形態は、冠動脈バイパスグラフト(CABG)処置において使用される静脈グラフトを外部から支持し、安定化するための方法を実施する際に特に適用可能である。
【0126】
図8は冠動脈吻合部位(ca-AS)および他の吻合部位(o-AS)に関して、例示的な非対称外部支持体200(例えば、
図2A、2B、2Cに示される)のCABG処置における適用の例示的な実施形態を示す概略図であり、例示的な非対称外部支持体200によって外部から覆われ支持される静脈グラフト(VG)の特定の方向性位置決めを強調する。
【0127】
図8に示されるように、支持体近位部分(200pp)において、対の可塑的に変形可能なワイヤ(204)は互いに上または下に交差する近位端部分(例えば、204-1a pep、204-1b pep)を有する。支持体遠位部分(200dp)では、対の可塑的に変形可能なワイヤ(204)が、インタループされた遠位端部分(ループ)(例えば、204-1a dep[第1の対、第1のループ]、および204-1b dep[第1の対、第2のループ])で構成される。対の可塑的に変形可能なワイヤ(204)は支持体200の全長(L)未満に沿って長手方向に延在し、それによって、ループ状遠位端部分(204-1a dep[第1の対、第1のループ]、204-1b dep[第1の対、第2のループ])の頂点は、支持体遠位端(200de)から長手方向にオフセットされ、それと一致しない。対の可塑的に変形可能なワイヤ(204)の近位端(204-1a pe、204-1b pe)は、支持体近位端(200pe)と一致する。
【0128】
CABG処置では、非対称外部支持体200は、支持体遠位端(200de)を内部に有する支持体遠位部分(200dp)が冠動脈吻合部位(ca-AS)に配置され、支持体近位端(200pe)を内部に有する支持体近位部分(200pp)が他方の吻合部位(o-AS)に配置されるように、静脈グラフト(VG)を覆うように外部から適用可能である。
【0129】
支持体遠位端(200de)を内部に有する支持体遠位部分(200dp)を冠動脈吻合部位(ca-AS)に位置決めすることにより、非対称外部支持体200の上記の例示的に説明した非対称特徴の活用が容易になる。すなわち、このような特定の方向性位置決めによれば、静脈グラフト(VG)の遠位端が冠動脈吻合部位(ca-AS)で冠動脈(ca)に直接吻合された後、ループ状遠位端部分(ループ)(204-1a dep[第1の対、第1のループ]、および204-1b[第1の対、第2のループ])の頂点、したがって、支持体遠位部分(200dp)の対の可塑的に変形可能なワイヤ(204)の最遠位部分は、冠動脈吻合部位(ca-AS)から(ループ頂点近位の長手方向のオフセット(λ)[例えば、0.2mm~1.5mm]よりも多く)長手方向に離れて位置し、冠動脈吻合部位(ca-AS)と一致しない。これは、対の可塑的に変形可能なワイヤのループ状遠位端部分(ループ)(204-1a dep[第1の対、第1のループ]、および204-1b dep[第1の一対、第2のループ])の頂点(最遠位部分)が冠動脈吻合部位(ca-AS)のすぐ近くの心臓および/または血管組織を(穿刺または穿刺を介して)損傷する可能性を排除するか、または少なくとも最小限にする。
【0130】
支持体近位端(200pe)を内部に有する支持体近位部分(200pp)を他方の吻合部位(o-AS)に位置決めすることにより、支持体近位端(200pe)の他方の吻合部位(o-AS)へのその後の吻合が容易になる。冠動脈バイパス移植(CABG)処置において、他の吻合部位(o-AS)は例えば、(1)大動脈(90%を超える時間)(2)大動脈に直接吻合された別の静脈グラフト(例えば、SVG)(3)冠動脈および大動脈に吻合された動脈グラフト(例えば、橈骨動脈グラフト)または(4)内乳房動脈であり得る。
【0131】
以下の用語の各々は単数の文法形式で書かれる:「a」、「an」、および「the」は本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」、または「1つ以上」を意味する。本明細書における「1つまたは複数」という語句の使用は、「a」、「an」、または「the」のこの意図された意味を変更しない。したがって、本明細書で使用される用語「a」、「an」、および「the」は本明細書で特に定義または述べられない限り、または文脈が別段明確に指示しない限り、複数の述べられたエンティティまたはオブジェクトを指し、包含することもできる。例えば、「ユニット」、「装置」、「アセンブリ」、「機構」、「構成要素」、「要素」、および「ステップまたは処置」という語句は本明細書で使用される場合、それぞれ、複数のユニット、複数の装置、複数のアセンブリ、複数の機構、複数の構成要素、複数の要素、および複数のステップまたは処置を指し、包含し得る。
【0132】
以下の用語:「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、および本明細書で使用されるそれらの言語的/文法的変形、派生語、および/または共役語のそれぞれは、「含む」を意味するが、記載された構成要素、特徴、特性、パラメータ、整数、またはステップを指定するものとして解釈されるべきであり、1つまたは複数の追加の構成要素、特徴、特性、パラメータ、整数、ステップ、またはそれらのグループの追加を排除するものではない。これらの用語の各々は、「本質的に~からなる」という語句と意味が同等であると考えられる。
【0133】
「からなる(consisting)」および「からなる(consists of」という語句の各々は、本明細書で使用される場合、「含む、およびそれに限定される」を意味する。
【0134】
「本質的にからなる(consisting essentially of)」および「本質的にからなる(consists essentially of)」という語句の各々は本明細書で使用される場合、開示された発明の例示的な実施形態の全体または一部であり、かつ/または開示された発明の例示的な実施形態を実施するために使用される、記載された実体または項目(システム、システムユニット、システムサブユニット、装置、サブアセンブリ、機構、構成要素、構成要素、または周辺機器、ユーティリティ、アクセサリ、または材料)、方法または工程、サブステップまたはサブ処置であること、および/または開示された発明の例示的な実施形態を実施するために使用されることを意味するが、そのような追加の「特徴または特徴」の各々が基本的な新規かつ発明の特徴を実質的に変更しない場合に限り、システムユニット、システムサブユニット、装置、アセンブリ、サブアセンブリ、機構、構成要素、構成要素、または要素、周辺機器、ユーティリティ、アクセサリ、または材料、ステップまたはサブ処置である少なくとも1つの追加の「特徴または特性」を含むことができる。
【0135】
本明細書で使用される「方法」という用語は、所与のタスクまたはアクションを達成または達成するための、単一のステップ、処置、様式、手段、または技法、あるいは2つ以上のステップ、処置、様式、手段、または技法のシーケンス、セット、またはグループを指す。本明細書に開示される任意のそのような方法は、非限定的な方法で、本明細書に開示される発明の関連分野および技術の当業者によって以前に教示された、1つまたは複数のステップ、処置、方式、手段、および/または技法から既知であるか、または容易に開発される、1つまたは複数のステップ、処置、方式、手段、手段、および/または技法を含むことができる。本明細書で開示される任意のそのような方法では、非限定的な方法で、1つまたは複数のステップ、処置、方式、手段、および/または技法の述べられたまたは提示された順序は本明細書で特に定義または述べられていない限り、または文脈が別段に明確に指示していない限り、所与のタスクまたはアクションを達成または達成するために、具体的に述べられたまたは提示された順序に限定されない。したがって、本明細書で開示される任意のそのような方法では、非限定的な方法で、本明細書で開示される発明の同じまたは類似の意味および範囲を維持しながら、同じ所与のタスクまたはアクションを達成または達成するための、同じステップ、処置、方式、手段、および/または技法の1つまたは複数の代替の順序が存在し得る。
【0136】
本開示全体を通して、パラメータ、特徴、特性、オブジェクト、または寸法の数値は、数値範囲フォーマットに関して述べられ、または説明され得る。そのような数値範囲フォーマットは本明細書で使用されるように、本発明のいくつかの例示的な実施形態の実装を示し、本発明の例示的な実施形態の範囲を柔軟に限定しない。したがって、記載されたまたは記載された数値範囲は記載されたまたは記載された数値範囲内のすべての可能な部分範囲および個々の数値(数値が全体、整数、または分数として表され得る)も指し、それらを包含する。例えば、「1~6」の記述または記述された数値範囲は「1~3」、「1~4」、「1~5」、「2~4」、「2~6」、「3~6」などのすべての可能なサブ範囲、および「1」、「1.3」、「2.8」、「3.5」、「3.4」、「4.6」、「5.2」、「6」などの個々の数値を、「1~6」の記述または記述された数値範囲内で指し、包含する。これは、記載されたまたは記載された数値範囲の数値的な幅、範囲、またはサイズにかかわらず適用される。
【0137】
さらに、数値範囲を記載または記述するために、「約第1の数値と約第2の数値との間の範囲内にある」という句は「約第1の数値から約第2の数値までの範囲内にある」という句と同等であり、かつそれと同じ意味であると見なされ、したがって、2つの同等の意味の句は、交換可能に使用され得る。例えば、室温の数値範囲を記載または記載するために、「室温」という語句は約20℃~約25℃の範囲の温度を指し、「室温」という語句は約20℃~約25℃の範囲の温度を指す」という語句と同等であり、同じ意味であると考えられる。
【0138】
本明細書で使用される用語「約」は、記載された数値の±10%を指す。
【0139】
本開示において引用または参照されるすべての刊行物、特許、および/または特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、および/または特許出願が参照により本明細書に組み込まれるように具体的かつ個別に示されたかのように、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。さらに、本明細書における任意の参考文献の引用または同定は、そのような参考文献が本発明の先行技術を表すか、またはそれに対応することを容認するものとして解釈または理解されるべきではない。節の見出しが使用される範囲において、それらは必ずしも限定するものと解釈されるべきではない。
【外国語明細書】