(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167858
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】分光フィルタ、それを含むイメージセンサ、及び電子装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20221027BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
G02B5/20 101
H01L27/146 D
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070525
(22)【出願日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0052531
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0032230
(32)【優先日】2022-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
2.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】李 在 崇
(72)【発明者】
【氏名】金 孝 哲
【テーマコード(参考)】
2H148
4M118
【Fターム(参考)】
2H148BA01
2H148BD05
2H148BE17
2H148BF04
2H148BG11
4M118AB01
4M118BA10
4M118BA14
4M118CA04
4M118CA34
4M118FA06
4M118GC08
4M118GC20
4M118GD03
4M118GD04
(57)【要約】
【課題】分光フィルタとそれを含むイメージセンサ及び電子装置を提供する。
【解決手段】開示された分光フィルタは、互いに離隔されるように設けられる第1及び第2金属反射層と、第1及び第2金属反射層間に設けられる複数のキャビティと、複数のキャビティに設けられるものであり、所定波長領域の光を選択的に透過させる帯域透過フィルタを含む。複数のキャビティそれぞれは、複数の中心波長を有するマルチモード構造で構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属反射層と、
前記第1金属反射層の上部に設けられる第2金属反射層と、
前記第1及び第2金属反射層の間に設けられ、それぞれ複数の中心波長を有するように構成された複数のキャビティと、
前記第1金属反射層の下部または前記第2金属反射層の上部に設けられ、それぞれ互いに異なる波長領域の光を透過させる複数の帯域フィルタを含む帯域透過フィルタ(bandpass filter)と、を含み、
前記複数の帯域フィルタと前記複数のキャビティは、互いに対応するように設けられ、
前記各帯域フィルタは、特定波長領域の光を透過させ、
前記各帯域フィルタに対応する前記各キャビティは、前記特定波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有する、分光フィルタ。
【請求項2】
前記帯域透過フィルタは、カラーフィルタまたは広域フィルタを含む、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項3】
前記複数の帯域フィルタは、前記複数のキャビティに一対一対応するように設けられる、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項4】
前記複数の帯域フィルタは、第1波長領域の光を透過させる第1帯域フィルタ、第2波長領域の光を透過させる第2帯域フィルタ、及び第3波長領域の光を透過させる第3帯域フィルタを含む、請求項3に記載の分光フィルタ。
【請求項5】
前記複数のキャビティは、前記第1帯域フィルタに対応する第1キャビティ、前記第2帯域フィルタに対応する第2キャビティ、及び前記第3帯域フィルタに対応する第3キャビティを含む、請求項4に記載の分光フィルタ。
【請求項6】
前記第1キャビティは、前記第1波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有し、前記第2キャビティは、前記第2波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有し、前記第3キャビティは、前記第3波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有する、請求項5に記載の分光フィルタ。
【請求項7】
前記第1、第2及び第3キャビティは、互いに異なる有効屈折率を有するように構成される、請求項5に記載の分光フィルタ。
【請求項8】
前記第1、第2及び第3キャビティは、互いに等しい厚さを有する、請求項7に記載の分光フィルタ。
【請求項9】
前記第1、第2及び第3キャビティそれぞれは、200nm以上1000nm以下の厚さを有する、請求項8に記載の分光フィルタ。
【請求項10】
前記第1、第2及び第3キャビティのうち、少なくとも1つは、ベースと、前記ベース内に所定形態に配置された少なくとも1つのパターンを含む、請求項7に記載の分光フィルタ。
【請求項11】
前記第1、第2及び第3キャビティそれぞれは、前記ベースがチタン酸化物を含む、請求項10に記載の分光フィルタ。
【請求項12】
前記第1、第2及び第3キャビティそれぞれは、前記ベースがシリコン窒化物またはハフニウム酸化物を含む、請求項10に記載の分光フィルタ。
【請求項13】
前記複数の帯域フィルタそれぞれが2個以上の前記キャビティに対応するように設けられる、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項14】
前記第1及び第2金属反射層は、互いに等しい金属物質を含むか、または互いに異なる金属物質を含む、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項15】
前記第1または第2金属反射層は、Al、Cu、Ag、Au、Ti、WまたはTiNを含む、請求項14に記載の分光フィルタ。
【請求項16】
前記第1または第2金属反射層は、poly-Siをさらに含む、請求項15に記載の分光フィルタ。
【請求項17】
前記第1及び第2金属反射層は、それぞれ10nm~80nmの厚さを有する、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項18】
前記複数のキャビティの上部または、下部に設けられるものであり、互いに異なる有効屈折率を有する複数の誘電体層をさらに含む、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれかに記載の分光フィルタと、
前記分光フィルタを透過した光を受光する画素アレイと、を含む、
イメージセンサ。
【請求項20】
前記画素アレイは、複数の画素を含み、前記各画素は、駆動回路が内部に設けられた配線層及び前記配線層に設けられるフォトダイオードを含む、請求項19に記載のイメージセンサ。
【請求項21】
タイミングコントローラ、ロウデコーダ及び出力回路をさらに含む、請求項19に記載のイメージセンサ。
【請求項22】
請求項19に記載のイメージセンサを含む、電子装置。
【請求項23】
モバイルフォン、スマートフォン、タブレット、スマートタブレット、デジタルカメラ、カムコーダ、ノート型パソコン、テレビ、スマートテレビ、スマート冷蔵庫、保安カメラ、ロボットまたは医療用カメラを含む、請求項22に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光フィルタ、それを含むイメージセンサ、及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のイメージセンサは、波長帯域を赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3区間のみに分類したが、色表現正確度と対象体認識性能の向上のためには、波長帯域をさらに多くの区間に分ける分光フィルタを備えたイメージセンサの開発が必要である。しかし、従来の分光フィルタは、体積が大きく、複雑な光学素子部品で構成された専用カメラ用として使用され、半導体チップ上に分光フィルタを集積したイメージセンサのモジュール技術は、まだ研究開発段階にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、分光フィルタとそれを含むイメージセンサ及び電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一側面において、第1金属反射層と、前記第1金属反射層の上部に設けられる第2金属反射層と、前記第1及び第2金属反射層の間に設けられ、それぞれ複数の中心波長を有するように構成された複数のキャビティと、前記第1金属反射層の下部または前記第2金属反射層の上部に設けられ、それぞれ互いに異なる波長領域の光を透過させる複数の帯域フィルタを含む帯域透過フィルタ(bandpass filter)と、を含み、前記複数の帯域フィルタと前記複数のキャビティは、互いに対応するように設けられ、前記各帯域フィルタは、特定波長領域の光を透過させ、前記各帯域フィルタに対応する前記各キャビティは、前記特定波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有する分光フィルタが提供される。
【0005】
前記帯域透過フィルタは、カラーフィルタまたは広域フィルタを含んでもよい。
【0006】
前記複数の帯域フィルタは、前記複数のキャビティに一対一対応するように設けられうる。
【0007】
前記複数の帯域フィルタは、第1波長領域の光を透過させる第1帯域フィルタ、第2波長領域の光を透過させる第2帯域フィルタ及び第3波長領域の光を透過させる第3帯域フィルタを含んでもよい。
【0008】
前記複数のキャビティは、前記第1帯域フィルタに対応する第1キャビティ、前記第2帯域フィルタに対応する第2キャビティ及び前記第3帯域フィルタに対応する第3キャビティを含んでもよい。
【0009】
前記第1キャビティは、前記第1波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有し、前記第2キャビティは、前記第2波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有し、前記第3キャビティは、前記第3波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有することができる。
【0010】
前記第1、第2及び第3キャビティは、互いに異なる有効屈折率を有するように構成されうる。
【0011】
前記第1、第2及び第3キャビティは、互いに等しい厚さを有することができる。
【0012】
前記第1、第2及び第3キャビティそれぞれは、200nm以上1000nm以下の厚さを有することができる。
【0013】
前記第1、第2及び第3キャビティのうち、少なくとも1つは、ベースと、前記ベース内に所定形態に配置された少なくとも1つのパターンを含んでもよい。
【0014】
前記第1、第2及び第3キャビティそれぞれは、前記ベースがチタン酸化物を含んでもよい。
【0015】
前記第1、第2及び第3キャビティそれぞれは、前記ベースがシリコン窒化物またはハフニウム酸化物を含んでもよい。前記複数の帯域フィルタそれぞれが前記2個以上のキャビティに対応するように設けられうる。
【0016】
前記第1及び第2金属反射層は、互いに等しい金属物質を含むか、または互いに異なる金属物質を含んでもよい。
【0017】
前記第1または第2金属反射層は、Al、Cu、Ag、Au、Ti、WまたはTiNを含む。前記第1または第2金属反射層は、poly-Siをさらに含む。
【0018】
前記第1及び第2金属反射層は、それぞれ10nm~80nmの厚さを有する。
【0019】
前記分光フィルタは、前記複数のキャビティの上部または下部に設けられるものであり、互いに異なる有効屈折率を有する複数の誘電体層をさらに含む。
【0020】
他の側面において、分光フィルタと、前記分光フィルタを透過した光を受光する画素アレイと、を含み、前記分光フィルタは、第1金属反射層と、前記第1金属反射層の上部に設けられる第2金属反射層と、前記第1及び第2金属反射層の間に設けられ、それぞれ複数の中心波長を有するように構成された複数のキャビティと、前記第1金属反射層の下部または前記第2金属反射層の上部に設けられ、それぞれ互いに異なる波長領域の光を選択的に透過させる複数の帯域フィルタを含む帯域透過フィルタと、を含み、前記複数の帯域フィルタと前記複数のキャビティは、互いに対応するように設けられ、前記各帯域フィルタは、特定波長領域の光を透過させ、前記各帯域フィルタに対応する前記各キャビティは、前記特定波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有するイメージセンサが提供される。
【0021】
前記画素アレイは、複数の画素を含み、前記各画素は、駆動回路が内部に設けられた配線層及び前記配線層に設けられるフォトダイオードを含む。
【0022】
前記複数の帯域フィルタは、第1波長領域の光を透過させる第1帯域フィルタ、第2波長領域の光を透過させる第2帯域フィルタ及び第3波長領域の光を透過させる第3帯域フィルタを含んでもよい。
【0023】
前記複数のキャビティは、前記第1帯域フィルタに対応する第1キャビティ、前記第2帯域フィルタに対応する第2キャビティ及び前記第3帯域フィルタに対応する第3キャビティを含んでもよい。
【0024】
前記第1キャビティは、前記第1波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有し、前記第2キャビティは、前記第2波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有し、前記第3キャビティは、前記第3波長領域内の中心波長を含む複数の中心波長を有する。
【0025】
前記第1、第2及び第3キャビティは、互いに異なる有効屈折率を有するように構成されうる。
【0026】
前記第1、第2及び第3キャビティは、互いに等しい厚さを有する。
【0027】
前記第1、第2及び第3キャビティのうち、少なくとも1つは、ベースと、前記ベース内の所定形態に配置された少なくとも1つのパターンを含む。
【0028】
前記分光フィルタは、前記複数のキャビティの上部または、下部に設けられるものであり、互いに異なる有効屈折率を有する複数の誘電体層をさらに含む。
【0029】
前記イメージセンサは、タイミングコントローラ、ロウデコーダ及び出力回路をさらに含んでもよい。
【0030】
また他の側面において、前述したイメージセンサを含む電子装置が提供される。
【0031】
前記電子装置は、モバイルフォン、スマートフォン、タブレット、スマートタブレット、デジタルカメラ、カムコーダ、ノート型パソコン、テレビ、スマートテレビ、スマート冷蔵庫、保安カメラ、ロボットまたは医療用カメラを含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】例示的な実施例によるイメージセンサの断面を概略的に示す図面である。
【
図2】例示的な実施例による分光フィルタの断面図である。
【
図3A】
図2に図示された分光フィルタにおいて、第1帯域透過フィルタの透過スペクトルを例示的に示す図面である。
【
図3B】
図2に図示された分光フィルタにおいて、第2帯域透過フィルタの透過スペクトルを例示的に示す図面である。
【
図3C】
図2に図示された分光フィルタにおいて、第3帯域透過フィルタの透過スペクトルを例示的に示す図面である。
【
図4】
図2に図示された帯域透過フィルタの例示を示す図面である。
【
図5】
図2に図示された帯域透過フィルタの他の例示を示す図面である。
【
図6A】
図2に図示された分光フィルタにおいて、第1キャビティの透過スペクトルを例示的に示す図面である。
【
図6B】
図2に図示された分光フィルタにおいて、第2キャビティの透過スペクトルを例示的に示す図面である。
【
図6C】
図2に図示された分光フィルタにおいて、第3キャビティの透過スペクトルを例示的に示す図面である。
【
図7】他の例示的な実施例による分光フィルタを示す図面である。
【
図8A】
図7に図示された分光フィルタにおいて第1キャビティの透過スペクトルを示すシミュレーション結果である。
【
図8B】
図7に図示された分光フィルタにおいて第2キャビティの透過スペクトルを示すシミュレーション結果である。
【
図9A】
図7に図示された分光フィルタを介して第1及び第2画素で検出される吸収スペクトルを示すシミュレーション結果である。
【
図9B】
図7に示された分光フィルタを介して第3及び第4画素で検出される吸収スペクトルを示すシミュレーション結果である。
【
図9C】
図7に図示された分光フィルタを介して第5及び第6画素で検出される吸収スペクトルを示すシミュレーション結果である。
【
図9D】
図7に図示された分光フィルタを介して第7及び第8画素で検出される吸収スペクトルを示すシミュレーション結果である。
【
図10】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを示す図面である。
【
図11】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを示す図面である。
【
図12】例示的な実施例によるイメージセンサのブロック図である。
【
図13】
図12のイメージセンサに適用されうる分光フィルタの例示的な平面図である。
【
図14】
図12のイメージセンサに適用されうる分光フィルタの他の例示的な平面図である。
【
図15】
図12のイメージセンサに適用されうる分光フィルタのさらに他の例示的な平面図である。
【
図16】例示的な実施例によるイメージセンサを含む電子装置を概略的に示すブロック図である。
【
図17】
図16のカメラモジュールを概略的に示すブロック図である。
【
図18】(a)ないし(e)は、例示的な実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の多様な例を示す図面である。
【
図19】(a)ないし(e)は、例示的な実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の多様な例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
「前記」という用語及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当するものでもある。方法を構成する段階について明白に順序を記載するか、それに反する記載がなければ、そのような段階は、適当な順序で行われ、必ずしも記載順序に限定されるものではない。
【0034】
また、明細書に記載の「...部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによっても具現される。
【0035】
図面に図示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結及び/または物理的または回路的連結を例示的に示す図面であって、実際の装置では、代替可能であるか、あるいは追加されうる多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結としても示される。
【0036】
全ての例または例示的な用語の使用は、単に技術的思想を詳細に説明するためのものであって、請求範囲によって限定されない以上、そのような例または例示的な用語によって範囲が限定されるものではない。
【0037】
図1は、例示的な実施例によるイメージセンサ1000の断面を概略的に示すものである。
図1に図示されたイメージセンサ1000は、例えば、CMOS(complementary metal Oxide semiconductor)イメージセンサまたはCCD(charge coupled device)イメージセンサを含んでもよい。
【0038】
図1を参照すれば、イメージセンサ1000は、画素アレイ65と、該画素アレイ上に設けられる共振器構造体80を含んでもよい。ここで、画素アレイ65は、2次元的に配列される複数の画素を含み、共振器構造体80は、複数の画素に対応するように設けられる複数の共振器を含んでもよい。
【0039】
画素アレイ65の各画素は、光電変換素子であるフォトダイオード(photodiode)62と、該フォトダイオード62を駆動させるための駆動回路52を含んでもよい。フォトダイオード62は、半導体基板61に埋め込まれるように設けられうる。半導体基板61としては、例えば、シリコン基板が使用されうる。しかし、それに限定されるものではない。半導体基板61の下面には、配線層(wiring layer)51が設けられ、該配線層51の内部に、例えば、MOSFETのような駆動回路52が設けられうる。
【0040】
半導体基板61の上部には、複数の共振器を含む共振器構造体80が設けられている。各共振器は、所望の特定波長領域の光を透過させるように設けられうる。各共振器は、互いに離隔されるように設けられる第1及び第2反射層81、82と、第1反射層81と第2反射層82との間に設けられるキャビティ83a、83b、83c、83dを含んでもよい。第1及び第2反射層それぞれは、例えば、金属反射層または、ブラッグ反射層を含んでもよい。各キャビティ83a、83b、83c、83dは、所望の特定波長領域の光を共振させるように設けられうる。
【0041】
半導体基板61の上面と共振器構造体80の間には、第1機能層71が設けられうる。第1機能層71は、例えば、共振器構造体80を透過してフォトダイオード62側に入射される光の透過度を向上させる役割を行うことができる。このために、第1機能層71は、屈折率が調節された誘電体層または誘電体パターンを含んでもよい。
【0042】
共振器構造体80の上面には、第2機能層72が設けられうる。第2機能層72は、例えば、共振器構造体80側に入射される光の透過度を向上させる役割を行うことができる。そのために、第2機能層72は、屈折率が調節された誘電体層または誘電体パターンを含んでもよい。第2機能層72の上面には、第3機能層90がさらに設けられうる。第3機能層90は、例えば、反射防止層(antireflection layer)、集束レンズ、カラーフィルタ、短波長吸収フィルタまたは長波長遮断フィルタなどを含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。
【0043】
前述した第1、第2及び第3機能層71、72、90のうち、少なくとも1つは、共振器構造体80と共に後述する分光フィルタを構成することができる。以下では、例示的な実施例による分光フィルタを具体的に説明する。
【0044】
以下では、イメージセンサ1000に採用されうる例示的な実施例による分光フィルタについて詳細に説明する。説明される例示的な実施例による分光フィルタは、例えば、約350nm~1000nm波長範囲、または約350nm~1500nm波長範囲の光を検出することができる。しかし、それに限定されるものではない。
【0045】
図2は、例示的な実施例による分光フィルタ1100の断面図を示す図面である。
図2には、第1、第2及び第3波長領域内の光が分光フィルタ1100に入射される場合が例示的に図示されている。ここで、第1波長領域は、第1、第1’及び第1”波長λ1、λ1’、λ1”を含み、第2波長領域の第2、第2’及び第2”波長λ2、λ2’、λ2”を含み、第3波長領域は、第3、第3’、第3”波長λ3、λ3’、λ3”を含む。
【0046】
図2を参照すれば、分光フィルタ1100は、2次元形態に配列される複数のユニットフィルタ111、112、113を含んでもよい。該分光フィルタ1100の下には、複数のユニットフィルタ111、112、113に対応する複数の画素101、102、103を含む画素アレイ4100が設けられうる。
図2には、3個の第1、第2及び第3ユニットフィルタ111、112、113及び3個の第1、第2及び第3画素101、102、103が例示的に図示されている。
【0047】
第1、第2及び第3ユニットフィルタ111、112、113は、実質的に同一平面上に配置されうるが、必ずしもそれに限定されるものではない。第1ユニットフィルタ111は、第1波長領域の中心波長を有することができる。例えば、第1波長領域は、約350nm~500nmの波長範囲を有する。しかし、それは、単に例示的なものであり、それ以外にも、第1波長領域は、設計条件によって多様な波長範囲を有する。
【0048】
第2ユニットフィルタ112は、第2波長領域の中心波長を有する。第2波長領域は、第1波長領域より長い波長領域にもなる。例えば、第2波長領域は、約500nm~650nmの波長範囲を有することができるが、それは、単に例示的なものである。第3ユニットフィルタ113は、第3波長領域の中心波長を有する。第3波長領域は、第2波長領域より長い波長領域にもなる。例えば、第3波長領域は、約650nm~800nmの波長範囲を有しうるが、それは、単に例示的なものである。
【0049】
第1、第2及び第3ユニットフィルタ111、112、113は、共振器140と、該共振器140の上部に設けられる帯域透過フィルタ(bandpass filter)150を含む。共振器140は、第1、第2、第3キャビティ141、142、143を含み、帯域透過フィルタ150は、第1、第2及び第3帯域フィルタ151、152、153を含んでもよい。
【0050】
共振器140は、ファブリペロー(Fabry-Perot)構造を有する。具体的に、共振器140は、互いに離隔されるように設けられた第1及び第2金属反射層131、132と、第1及び第2金属反射層131、132の間に設けられる第1、第2、第3キャビティ141、142、143とを含む。ここで、第1、第2及び第3キャビティ141、142、143それぞれは、後述するように複数の中心波長を有するマルチモード(multi-mode)のキャビティ構造を有する。
【0051】
光が第2金属反射層132を透過して各キャビティ141、142、143に入射されれば、該光は、第1及び第2金属反射層131、132の間で各キャビティ141、142、143内部を往復し、その過程で補強干渉と相殺干渉とを起こす。そして、各キャビティ141、142、143で補強干渉条件を満足する特定中心波長を有する光が第1金属反射層131を透過して画素アレイ4100の各画素101、102、103に入射される。
【0052】
共振器140と画素アレイ4100との間には、下部誘電体層170がさらに設けられ、共振器140と帯域透過フィルタ150との間には、上部誘電体層180がさらに設けられうる。下部及び上部誘電体層170、180は、中心波長の透過度を高める透明な誘電物質を含む。下部及び上部誘電体層170、180は、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物(hafnium Oxide)、シリコン酸化物または高屈折ポリマー(high index polymer)などを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0053】
第1ユニットフィルタ111は、第1及び第2金属反射層131、132の間に設けられる第1キャビティ141と、第1キャビティ141の上部に設けられる第1帯域フィルタ151とを含む。第2ユニットフィルタ112は、第1及び第2金属反射層131、132の間に設けられる第2キャビティ142と、第2キャビティ142の上部に設けられる第2帯域フィルタ152とを含む。第3ユニットフィルタ113は、第1及び第2金属反射層131、132の間に設けられる第3キャビティ143と、第3キャビティ143の上部に設けられる第3帯域フィルタ153とを含む。
【0054】
第1、第2及び第3帯域フィルタ151、152、153は、それぞれ特定波長領域の光のみを透過させ、他の波長領域の光は遮断させうる。
図3Aないし
図3Cには、第1、第2及び第3帯域フィルタ151、152、153の透過スペクトルが例示的に図示されている。
図3Aは、第1帯域フィルタ151の透過スペクトルを示す図面であり、第1帯域フィルタ151は、第1波長領域の光のみを透過させうる。
図3Bは、第2帯域フィルタ152の透過スペクトルを示す図面であり、第2帯域フィルタ152は、第2波長領域の光のみを透過させうる。そして、
図3Cは、第3帯域フィルタ153の透過スペクトルを示す図面であり、第3帯域フィルタ153は、第3波長領域の光のみを透過させうる。
【0055】
図2に図示された分光フィルタ1100において、第1、第2及び第3波長領域の光が帯域透過フィルタ150に入射されれば、第1波長領域内の第1、第1’、第1”波長λ1、λ1’、λ1”の光が第1帯域フィルタ151を透過することになる。そして、第2波長領域内の第2、第2’、第2”波長λ2、λ2’、λ2”の光は、第2帯域フィルタ152を透過し、第3波長領域内の第3、第3’、第3”波長λ3、λ3’、λ3”の光は、第3帯域フィルタ153を透過することになる。
【0056】
例えば、帯域透過フィルタ150としては、カラーフィルタが使用されうる。このカラーフィルタは、例えば、液晶表示装置または有機発光表示装置のようなカラーディスプレイ装置に通常的に適用されるカラーフィルタにもなる。その場合、第1帯域フィルタ151は、青色カラーフィルタになり、第2帯域フィルタは152緑色カラーフィルタになり、第3帯域フィルタ153は、赤色カラーフィルタにもなる。
【0057】
帯域透過フィルタ150としては、前述したカラーフィルタ以外に広域透過フィルタが使用されうる。その場合、第1、第2及び第3帯域フィルタ151、152、153は、第1、第2及び第3広域フィルタにもなる。ここで、第1、第2及び第3広域フィルタそれぞれは、例えば、マルチキャビティ(multi-cavity)構造または金属ミラー構造を有することができる。
【0058】
図4は、広域フィルタの例示を示す図面である。
図4を参照すれば、広域フィルタ2510は、互いに離隔されるように配置される複数の反射層2513、2514、2515と、該反射層2513、2514、2515の間に設けられる複数のキャビティ2511、2512とを含む。
図4には、3層の反射層2513、2514、2515と2個のキャビティ2511、2512が例示的に図示されているが、それに限定されず、反射層2513、2514、2515及びキャビティ2511、2512の個数は、多様に変形されうる。
【0059】
第1、第2及び第3反射層2513、2514、2515が互いに離隔されるように配置されており、第1及び第2反射層2513、2514の間に第1キャビティ2511が設けられており、第2及び第3反射層2514、2515の間に第2キャビティ2512が設けられている。
【0060】
第1及び第2キャビティ2511、2512それぞれは、所定の屈折率を有する物質を含んでもよい。また、第1及び第2キャビティ2511、2512それぞれは、互いに異なる屈折率を有する2以上の物質を含んでもよい。
【0061】
第1、第2及び第3反射層2513、2514、2515それぞれは、ブラッグ反射層にもなる。ここで、ブラッグ反射層は、分散ブラッグ反射器(DBR;Distributed Bragg Reflector)にもなる。第1、第2及び第3反射層2513、2514、2515それぞれは、例えば、互いに異なる屈折率を有する複数の物質層が互いに積層される構造を有する。
【0062】
図5は、広域フィルタの他の例を示す図面である。
図5を参照すれば、広域フィルタ2520は、互いに離隔されるように配置される第1及び第2金属ミラー層2522、2523と、第1及び第2金属ミラー層2522、2523の間に設けられるキャビティ2521とを含む。
【0063】
また
図2を参照すれば、第1及び第2金属反射層131、132の間には、第1、第2及び第3キャビティ141、142、143が設けられうる。第1及び第2金属反射層131、132は、所定波長領域の光を反射させうる金属物質を含む。第1及び第2金属反射層131、132は、例えば、Al、Cu、Ag、Au、Ti、WまたはTiNなどを含むが、それらに限定されるものではない。第1及び第2金属反射層131、132は、poly-Siをさらに含んでもよい。
【0064】
第1及び第2金属反射層131、132は、いずれも同じ金属物質を含んでもよい。具体例として、第1及び第2金属反射層131、132は、いずれもAlを含んでもよい。または、第1及び第2金属反射層131、132は、いずれもCuを含んでもよい。また、第1及び第2金属反射層131、132は、互いに異なる金属物質を含んでもよい。具体例として、第1金属反射層131は、Cuを含み、第2金属反射層132は、Auを含む。しかし、それは、単に例示的なものである。
【0065】
そのような第1及び第2金属反射層131、132は、数十nm程度の厚さに設けられうるが、それに限定されない。具体例として、第1及び第2金属反射層131、132は、それぞれ約10nm~80nmの厚さを有する。
【0066】
第1、第2及び第3キャビティ141、142、143それぞれは、複数個の中心波長を有するマルチモードのキャビティ構造を有する。そのように、マルチモードのキャビティ構造を具現するために、第1、第2及び第3キャビティ141、142、143それぞれは、所定厚さ以上に厚く形成される必要がある。第1、第2及び第3キャビティ141、142、143は、互いに等しい厚さに形成されうる。第1、第2及び第3キャビティ141、142、143は、互いに異なる中心波長を有するように互いに異なる有効屈折率を有する。
【0067】
第1、第2及び第3キャビティ141、142、143は、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物または、チタン酸化物を含んでもよいが、それは、単に例示的なものであり、それ以外にも他の多様な誘電物質を含んでもよい。
【0068】
第1キャビティ141は、ベース140aを含んでもよい。また、第1キャビティ141は、ベース140a内に所定形態に配置されるものであり、ベース140a物質とは異なる誘電物質を含む少なくとも1つの第1パターン141aをさらに含んでもよい。第1キャビティ141の有効屈折率は、ベース物質、第1パターン物質、及び第1パターン物質の含量などによっても決定される。
【0069】
例えば、第1キャビティ141のベース140aは、チタン酸化物を含んでもよい。第1キャビティ141のベース140aは、シリコン窒化物またはハフニウム酸化物を含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。
【0070】
具体例として、第1キャビティ141においてベース140aは、チタン酸化物を含み、第1パターン141aは、シリコン酸化物を含む。しかし、それは、単に例示的なものであって、ベース140aがシリコン酸化物を含み、第1パターン141aがチタン酸化物を含む。
【0071】
第1キャビティ141は、マルチモードを具現するように所定厚さ以上に形成されうる。例えば、第1キャビティは、約200nm以上1000nm以下の厚さを有する。例えば、第1キャビティは、約250nm以上700nm以下の厚さを有する。しかし、それに限定されるものではない。
【0072】
第2キャビティ142は、ベース140aと該ベース140a内に所定形態に配置される少なくとも1つの第2パターン142aを含む。第2キャビティ142は、第1キャビティ141と異なる中心波長及び有効屈折率を有するように設けられる。第2キャビティ142の有効屈折率は、ベース物質、第2パターン物質、及び第2パターン物質の含量などによっても決定される。第2パターン142aは、第1パターン141aと同一物質を含んでもよい。その場合、第2パターン物質の含量は、第1パターン物質の含量と異なってもいる。一方、第2パターン142aは、第1パターン141aと異なる物質を含んでもよい。第2キャビティ142は、第1キャビティ141と同様に、マルチモードを具現するように所定厚さ以上に形成されうる。
【0073】
第3キャビティ143は、ベース140aと、該ベース140a内に所定形態に配置される少なくとも1つの第3パターン143aを含んでもよい。第3キャビティ143は、第1及び第2キャビティ141、142と異なる中心波長及び有効屈折率を有するように設けられる。第3キャビティ143の有効屈折率は、ベース物質、第3パターン物質、及び第3パターン物質の含量などによっても決定される。第3パターン143aは、第1及び第2パターン141a、142aと同一物質を含んでもよい。その場合、第3パターン物質の含量は、第1及び第2パターン物質の含量と異なってもいる。一方、第3パターン143aは、第1または第2パターン141a、142aと異なる物質を含んでもよい。
【0074】
第3キャビティ143は、第1及び第2キャビティ141、142と同様に、マルチモードを具現するように所定厚さ以上に形成されうる。第1、第2及び第3キャビティ141、142、143は、同じ厚さを有する。例えば、第1、第2及び第3キャビティ141、142、143は、約200nm以上1000nm以下(例えば、約250nm以上700nm以下)の厚さを有してもよい。
【0075】
図6Aないし
図6Cには、第1、第2及び3キャビティ141、142、143の透過スペクトルが例示的に図示されている。
図6Aないし
図6Cには、第1、第2及び3キャビティ141、142、143それぞれが3個の中心波長を有する場合が例示的に図示されている。しかし、それに限定されず、第1、第2及び第3キャビティ141、142、143それぞれは、その厚さ及び有効屈折率を調節することで、2個または4個以上の中心波長を有するようにも設けられる。
【0076】
図6Aは、第1キャビティ141の透過スペクトルを示す図面であり、第1キャビティ141は、第1、第2及び第3波長λ1、λ2、λ3を中心波長として有することができる。ここで、第1、第2及び第3波長λ1、λ2、λ3は、それぞれ第1、第2及び第3波長領域内にあり得る。
【0077】
図6Bは、第2キャビティ142の透過スペクトルを示す図面であり、第2キャビティ142は、第1’、第2’及び第3’波長λ1’、λ2’、λ3’を中心波長として有することができる。第1’、第2’及び第3’波長λ1’、λ2’、λ3’は、それぞれ第1、第2及び第3波長λ1、λ2、λ3から所定間隔に離隔されるように位置しうるが、必ずしもそれに限定されるものではない。そのような第1’、第2’及び第3’波長λ1’、λ2’、λ3’は、それぞれ第1、第2及び第3波長領域内にあり得る。
【0078】
図6Cは、第3キャビティ143の透過スペクトルを示す図面であり、第3キャビティ143は、第1”、第2”及び第3”波長λ1”、λ2”、λ3”を中心波長として有することができる。第1”、第2”及び第3”波長λ1”、λ2”、λ3”は、それぞれ第1’、第2’及び第3’波長λ1’、λ2’、λ3’から所定間隔に離隔されるように位置しうるが、必ずしもそれに限定されるものではない。そのような第1”、第2”及び第3”波長λ1”、λ2”、λ3”は、それぞれ第1、第2及び第3波長領域内にあり得る。
【0079】
図6Aないし
図6Cに図示されたように、第1、第2及び第3キャビティ141、142、143それぞれは、複数個の中心波長を有するマルチモードを具現し、第1、第2及び第3キャビティ141、142、143は、互いに異なる有効屈折率を有することで、互いに異なる中心波長を有する。
【0080】
前述したように、
図2に図示された分光フィルタ1100において、第1、第2及び第3波長領域の光が帯域透過フィルタ150に入射されれば、第1波長領域内の第1、第1’、第1”波長λ1、λ1’、λ1”の光が第1帯域フィルタ151を透過する。そして、第2波長領域内の第2、第2’、第2”波長λ2、λ2’、λ2”の光は、第2帯域フィルタ152を透過し、第3波長領域内の第3、第3’、第3”波長λ3、λ3’、λ3”の光は、第3帯域フィルタ153を透過する。
【0081】
第1帯域フィルタ151を透過した第1、第1’、第1”波長λ1、λ1’、λ1”の光が第1キャビティ141内に入射されれば、第1波長λ1の光のみが第1キャビティ141から出射されて第1画素101に入射される。また、第2帯域フィルタ152を透過した第2、第2’、第2”波長λ2、λ2’、λ2”の光が第2キャビティ142内に入射されれば、第2波長λ2の光のみが第2キャビティ142から出射されて第2画素102に入射される。そして、第3帯域フィルタ153を透過した第3、第3’、第3”波長λ3、λ3’、λ3”の光が第3キャビティ143内に入射されれば、第3波長λ3の光のみが第3キャビティ143から出射されて第3画素103に入射される。これにより、第1、第2及び第3画素101、102、103は、それぞれ第1、第2及び第3波長λ1、λ2、λ3の光を検出可能となる。
【0082】
本実施例によれば、それぞれ複数の中心波長を有するマルチモード構造のキャビティ141、142、143に特定波長領域の光のみを透過させる帯域透過フィルタ150を結合することで、所望の波長の光のみを検出可能な分光フィルタ1100を具現することができる。また、マルチモード構造のキャビティ141、142、143をいずれも同じ厚さに形成することで、さらに簡単な工程で分光フィルタ1100を作製することができる。
【0083】
図7は、他の例示的な実施例による分光フィルタ1200を示す図面である。
図7には、第1、第2、第3及び第4波長領域内の光が分光フィルタ1200に入射される場合が例示的に図示されている。ここで、第1波長領域は、第1、第1’及び第1”波長λ1、λ1’、λ1”を含み、第2波長領域は第2、第2’及び第2”波長λ2、λ2’、λ2”を含み、第3波長領域は、第3、第3’、第3”波長λ3、λ3’、λ3”を含み、第4波長領域は、第4、第4’、第4”波長λ4、λ4’、λ4”を含む。以下では、前述した実施例と異なる点を中心に説明する。
【0084】
図7を参照すれば、分光フィルタ1200は、複数のユニットフィルタ211~218を含み、該分光フィルタ1200の下には、複数の画素101~108を含む画素アレイ4100が設けられる。
図7には、8個の第1~第8ユニットフィルタ211~218及び8個の第1~第8画素101~108が例示的に図示されている。
【0085】
第1及び第2ユニットフィルタ211、212は、第1波長領域の中心波長を有する。例えば、第1波長領域は、約350nm~500nmの波長範囲を有する。第3及び第4ユニットフィルタ213、214は、第2波長領域の中心波長を有する。例えば、第2波長領域は、約500nm~650nmの波長範囲を有する。
【0086】
第5及び第6ユニットフィルタ215、216は、第3波長領域の中心波長を有する。例えば、第3波長領域は、約650nm~800nmの波長範囲を有する。第7及び第8ユニットフィルタ217、218は、第4波長領域の中心波長を有する。例えば、第4波長領域は、約800nm~1000nmまたは約800nm~1500nmの波長範囲を有する。
【0087】
第1ないし第8ユニットフィルタ211~218は、共振器260と、該共振器260に設けられる帯域透過フィルタ250を含んでもよい。共振器260は、第1及び第2金属反射層231、232の間に設けられた第1ないし第8キャビティ261~268を含む。帯域透過フィルタ250は、第1ないし第4帯域フィルタ251~254を含む。共振器260と画素アレイ4100との間には、下部誘電体層270がさらに設けられ、共振器260と帯域透過フィルタ250との間には、上部誘電体層280がさらに設けられうる。
【0088】
第1ないし第8キャビティ261~268それぞれは、前述したように複数の中心波長を有するマルチモード構造を有する。このために第1ないし第8キャビティ261~268それぞれは、所定厚さ以上に形成されうる。また、第1ないし第8キャビティ261~268は、互いに異なる中心波長を有するように互いに異なる有効屈折率を有するように設けられうる。
【0089】
帯域透過フィルタ250としては、前述したようにカラーフィルタまたは広域フィルタが使用されうる。第1ないし第4帯域フィルタ251~254は、それぞれ特定波長領域の光を透過させ、他の波長領域の光は遮断させうる。
【0090】
第1帯域フィルタ251は、第1波長領域(例えば、約350nm~500nm)の光を透過させうる。第1帯域フィルタ251は、第1及び第2キャビティ261、262に対応して設けられうる。第1帯域フィルタ251は、第1及び第2キャビティ261、262の上部に設けられうる。第2帯域フィルタ252は、第2波長領域(例えば、約500nm~650nm)の光を透過させうる。第2帯域フィルタ252は、第3及び第4キャビティ263、264に対応して設けられる。第2帯域フィルタ252は、第3及び第4キャビティ263、264の上部に設けられうる。
【0091】
第3帯域フィルタ253は、第3波長領域(例えば、約650nm~800nm)の光を透過させうる。第3帯域フィルタ253は、第5及び第6キャビティ265、266に対応して設けられうる。第3帯域フィルタ253は、第5及び第6キャビティ265、266の上部に設けられうる。
【0092】
第4帯域フィルタ254は、第4波長領域(例えば、約800nm~1000nm)の光を透過させうる。第4帯域フィルタ254は、第7及び第8キャビティ267、268に対応して設けられうる。第4帯域フィルタ254は、第7及び第8キャビティ267、268の上部に設けられうる。
【0093】
例えば、第1、第2及び第3帯域フィルタ251、252、253では、それぞれ青色、緑色及び赤色カラーが使用され、第4帯域フィルタ254では、近赤外線(NIR)フィルタが使用されうる。一方、第4波長領域が近赤外線(NIR)波長範囲を有する場合には、第4帯域フィルタ254として青色カラーフィルタを使用してもよい。
【0094】
図7に図示された分光フィルタ1200において、第1、第2、第3及び第4波長領域の光が帯域透過フィルタ250に入射されれば、第1波長領域内の第1、第1’、第1”波長λ1、λ1’、λ1”の光は、第1帯域フィルタ251を透過して第1及び第2キャビティ261、262に入射される。ここで、第1波長λ1の光は、第1キャビティ261から出射されて第1画素101に入射され、第1’波長λ1’の光は、第2キャビティ262から出射されて第2画素102に入射される。
【0095】
第2波長領域内の第2、第2’、第2”波長λ2、λ2’、λ2”の光は、第2帯域フィルタ252を透過して第3及び第4キャビティ263、264に入射される。ここで、第2波長λ2の光は、第3キャビティ263から出射されて第3画素103に入射され、第2’波長λ2’の光は、第4キャビティ264から出射されて第4画素104に入射される。
【0096】
第3波長領域内の第3、第3’、第3”波長λ3、λ3’、λ3”の光は、第3帯域フィルタ253を透過して第5及び第6キャビティ265、266に入射される。ここで、第3波長λ3の光は、第5キャビティ265から出射されて第5画素105に入射され、第3’波長λ3’の光は、第6キャビティ266から出射されて第6画素106に入射される。
【0097】
第4波長領域内の第4、第4’、第4”波長λ4、λ4’、λ4”の光は、第4帯域フィルタ254を透過して第7及び第8キャビティ267、268に入射される。ここで、第4波長λ4の光は、第7キャビティ267から出射されて第7画素107に入射され、第4’波長λ4’の光は、第8キャビティ268から出射されて第8画素108に入射される。
【0098】
以下、
図7に図示された分光フィルタ1200に対するシミュレーション結果を説明する。ここで、第1及び第2金属反射層231、232としては、それぞれ30nm厚さのCu層及び10nm厚さのAl層を使用した。第1~第8キャビティ261~268は、400nmの厚さに形成した。
【0099】
図8A及び
図8Bは、
図7に図示された分光フィルタ1200において第1及び第2キャビティ261、262の透過スペクトルを例示的に示すシミュレーション結果である。ここで、第1キャビティ261は、チタン酸化物だけ形成し、第2キャビティ262は、チタン酸化物でベースを形成し、シリコン酸化物でパターンを形成した。第2キャビティ262においてパターンの含量は、20%であった。
【0100】
図8A及び
図8Bを参照すれば、第1及び第2キャビティ261、262それぞれは、2個の中心波長(具体的に、青色光領域の波長と赤色光領域の波長)を有していることが分かる。また、第2キャビティ262の中心波長は、第1キャビティ261の中心波長から所定距離ほど移動したことが分かる。
【0101】
図9Aは、
図7に図示された分光フィルタ1200を通じて第1及び第2画素101、102で検出される吸収スペクトルを示すシミュレーション結果である。ここで、第1帯域フィルタ251としては、青色カラーフィルタが使用された。
図9Aを参照すれば、第1及び第2画素101、102で青色光領域の波長が検出されたことが分かる。
【0102】
図9Bは、
図7に図示された分光フィルタ1200を通じて第3及び第4画素103、104で検出される吸収スペクトルを示すシミュレーション結果である。ここで、第2帯域フィルタ252としては、緑色カラーフィルタが使用された。
図9Bを参照すれば、第3及び第4画素103、104で緑色光領域の波長が検出されたことが分かる。
【0103】
図9Cは、
図7に図示された分光フィルタ1200を通じて第5及び第6画素105、106で検出される吸収スペクトルを示すシミュレーション結果である。ここで、第3帯域フィルタ253としては、赤色カラーフィルタが使用された。
図9Cを参照すれば、第5及び第6画素105、106で赤色光領域の波長が検出されたことが分かる。
【0104】
図9Dは、
図7に図示された分光フィルタ1200を通じて第7及び第8画素107、108で検出される吸収スペクトルを示すシミュレーション結果である。ここで、第4帯域フィルタ254としては、青色カラーフィルタが使用された。
図9Dを参照すれば、第7及び第8画素107、108から近赤外線(NIR)領域の波長が検出されたことが分かる。
【0105】
前述したように、本実施例によれば、例えば、紫外線から近赤外線(NIR)に至る広域特性を有する分光フィルタ1200を具現することができる。以上では、帯域透過フィルタ250が4個の帯域フィルタ251~254を含む場合が例示的に説明されたが、それに限定されず、帯域透過フィルタ250は、多様な個数の帯域フィルタを含んでもよい。また、帯域フィルタ251~254それぞれが2個のキャビティに対応して設けられる場合が例示的に説明されたが、それに限定されず、帯域フィルタ251~254それぞれに対応するキャビティの個数を多様に変形されうる。
【0106】
図10は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ1300を示す図面である。
【0107】
図10を参照すれば、分光フィルタ1300は、複数のユニットフィルタ311、312、313を含み、該分光フィルタ1300の下には、複数の画素101、102、103を含む画素アレイ4100が設けられうる。
図10には、3個の第1、第2及び第3ユニットフィルタ311、312、313が例示的に図示されている。
【0108】
第1、第2及び第3ユニットフィルタ311、312、313は、共振器340と、該共振器340の上部に設けられる帯域透過フィルタ350を含んでもよい。共振器340は、第1及び第2金属反射層331、332の間に設けられた第1、第2及び第3キャビティ341、342、343を含んでもよい。帯域透過フィルタ350は、第1、第2及び第3帯域フィルタ351、352、353を含んでもよい。共振器340及び帯域透過フィルタ350については、前述したので、それについての説明は省略する。
【0109】
共振器340と画素アレイ4100との間には、下部誘電体層370が設けられ、共振器340と帯域透過フィルタ350との間には、上部誘電体層380が設けられうる。下部及び上部誘電体層370、380は、分光フィルタ1300の透過率を向上させるためのものである。下部及び上部誘電体層370、380は、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物(hafnium Oxide)、シリコン酸化物または高屈折ポリマー(high index polymer)などを含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。
【0110】
第1キャビティ341の下部及び上部には、それぞれ第1及び第2誘電体層371、372が設けられうる。第1及び第2誘電体層371、372は、第1ユニットフィルタ311の透過率を向上させるためのものである。例えば、第1及び第2誘電体層371、372は、第1波長領域の透過率を向上させうる。
【0111】
第1及び第2誘電体層371、372それぞれは、互いに異なる屈折率を有する誘電物質を含む。具体的に、第1及び第2誘電体層371、372それぞれは、ベース370a、380aと、該ベース370a、380a内に所定形態に配置される少なくとも1つの第1パターン371a、381aを含む。第1及び第2誘電体層371、372それぞれの有効屈折率は、ベース物質、第1パターン物質、及び第1パターン物質の含量などによっても決定される。
【0112】
第2キャビティ342の下部及び上部には、それぞれ第3及び第4誘電体層372、382が設けられうる。第3及び第4誘電体層372、382は、第2ユニットフィルタ312の透過率を向上させるためのものである。例えば、第3及び第4誘電体層372、382は、第2波長領域の透過率を向上させうる。第3及び第4誘電体層372、382は、第1及び第2誘電体層371、381とは異なる有効屈折率を有する。第3及び第4誘電体層372、382それぞれは、ベース370a、380aと、該ベース370a、380a内の所定形態に配置される少なくとも1つの第2パターン372a、382aを含む。第3及び第4誘電体層372、382それぞれの有効屈折率は、ベース物質、第2パターン物質、及び第2パターン物質の含量などによっても決定される。
【0113】
第3キャビティ343の下部及び上部には、それぞれ第5及び第6誘電体層373、383が設けられうる。第5及び第6誘電体層373、383は、第3ユニットフィルタ313の透過率を向上させるためのものである。例えば、第5及び第6誘電体層373、383は、第3波長領域の透過率を向上させうる。第5及び第6誘電体層373、383は、第1及び第2誘電体層371、381、第3及び第4誘電体層372、382とは異なる有効屈折率を有する。第5及び第6誘電体層373、383それぞれは、ベース370a、380aと、該ベース370a、380a内に所定形態に配置される少なくとも1つの第3パターン373a、383aを含んでもよい。第5及び第6誘電体層373、383それぞれの有効屈折率は、ベース物質、第3パターン物質、及び第3パターン物質の含量などによっても決定される。
【0114】
図11は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ1400を示す図面である。
図11に図示された分光フィルタ1400は、帯域透過フィルタ450が共振器440の下部に設けられたという点を除いては、
図2に図示された分光フィルタ1100と同一である。
【0115】
図11を参照すれば、分光フィルタ1400は、複数のユニットフィルタ411、412、413を含み、該分光フィルタ1400の下には、複数の画素101、102、103を含む画素アレイ4100が設けられうる。
【0116】
第1、第2及び第3ユニットフィルタ411、412、413は、共振器440と、該共振器440の下部に設けられる帯域透過フィルタ450を含む。共振器440は、第1及び第2金属反射層431、432の間に設けられた第1、第2及び第3キャビティ441、442、443を含む。帯域透過フィルタ450は、第1、第2及び第3帯域フィルタ451、452、453を含む。共振器440及び帯域透過フィルタ450については、前述したので、それについての説明は省略する。
【0117】
共振器440の下部には、下部誘電体層470が設けられ、共振器440の上部には、上部誘電体層480が設けられる。下部及び上部誘電体層470、480は、分光フィルタ1300の透過率を向上させるために
図10に図示された下部及び上部誘電体層370、380で構成されうる。
【0118】
図12は、例示的な実施例によるイメージセンサ1000の概略的なブロック図である。
【0119】
図12を参照すれば、イメージセンサ1000は、分光フィルタ9100、画素アレイ4100、タイミングコントローラ4010、ロウデコーダ4020、及び出力回路4030を含む。分光フィルタ9100は、互いに異なる波長領域の光を透過させることで、2次元に配列される複数のユニットフィルタを含む。画素アレイ4100は、複数のユニットフィルタを透過した互いに異なる波長の光を感知する複数の画素を含む。具体的に、画素アレイ4100は、複数のロウとカラムに沿って2次元配列された画素を含む。ロウデコーダ4020は、タイミングコントローラ4010から出力されたロウアドレス信号に応答して画素アレイ4100のロウ1つを選択する。出力回路4030は、選択されたロウに沿って配列された複数の画素からカラム単位で光感知信号を出力する。このために、出力回路4030は、カラムデコーダとアナログ-デジタル変換器(ADC;analog to digital converter)とを含む。例えば、出力回路4030は、カラムデコーダと画素アレイ4100との間でカラム別にそれぞれ配置された複数のADC、またはカラムデコーダの出力端に配置された1つのADCを含んでもよい。タイミングコントローラ4010、ロウデコーダ4020、及び出力回路4030は、1つのチップまたは、それぞれ別個のチップによって具現されうる。出力回路4030を通じて出力された映像信号を処理するためのプロセッサがタイミングコントローラ4010、ロウデコーダ4020、及び出力回路4030と共に、1つのチップによっても具現される。画素アレイ4100は、互いに異なる波長の光を感知する複数の画素を含み、ここで画素の配列は、多様な方式によっても具現される。
【0120】
図13は、
図12のイメージセンサ1000に適用されうる分光フィルタ9100の例示的な平面図である。
【0121】
図13を参照すれば、分光フィルタ9100は、2次元形態に配列される複数のフィルタグループ9110を含む。ここで、各フィルタグループ9110は、4×4アレイ状に配列される16個のユニットフィルタF1~F16を含む。
【0122】
第1及び第2ユニットフィルタF1、F2は、紫外線領域の中心波長UV1、UV2を有し、第3ないし第5ユニットフィルタF3~F5は、青色光領域の中心波長B1~B3を有する。第6ないし第11ユニットフィルタF6~F11は、緑色光領域の中心波長G1~G6を有し、第12ないし第14ユニットフィルタF12~F14は、赤色光領域の中心波長R1~R3を有する。そして、第15及び第16ユニットフィルタF15、F16は、近赤外線領域の中心波長NIR1、NIR2を有する。
【0123】
図14は、
図12のイメージセンサに適用される分光フィルタ9100の他の例示的な平面図である。
図14には、便宜上、1つのフィルタグループ9120に係わる平面図が図示されている。
【0124】
図14を参照すれば、各フィルタグループ9120は、3×3アレイ状に配列される9個のユニットフィルタF1~F9を含む。ここで、第1及び第2ユニットフィルタF1、F2は、紫外線領域の中心波長UV1、UV2を有し、第4、第5及び第7ユニットフィルタF4、F5、F7は、青色光領域の中心波長B1~B3を有する。第3及び第6ユニットフィルタF3、F6は、緑色光領域の中心波長G1、G2を有し、第8及び第9ユニットフィルタF8、F9は、赤色光領域の中心波長R1、R2を有する。
【0125】
図15は、
図12のイメージセンサに適用される分光フィルタ9100のさらに他の例示的な平面図である。
図15には、便宜上、1つのフィルタグループ9130に係わる平面図が図示されている。
【0126】
図15を参照すれば、各フィルタグループ9130は、5×5アレイ状に配列される25個のユニットフィルタF1~F25を含む。ここで、第1ないし第3ユニットフィルタF1~F3は、紫外線領域の中心波長UV1~UV3を有し、第6、第7、第8、第11及び第12ユニットフィルタF6、F7、F8、F11、F12は、青色光領域の中心波長B1~B5を有する。第4、第5及び第9ユニットフィルタF4、F5、F9は、緑色光領域の中心波長G1~G3を有し、第10、第13、第14、第15、第18及び第19ユニットフィルタF10、F13、F14、F15、F18、F19は、赤色光領域の中心波長R1~R6を有する。そして、第20、第23、第24及び第25ユニットフィルタF20、F23、F24、F25は、近赤外線領域の中心波長NIR1~NIR4を有する。
【0127】
上述した分光フィルタを含むイメージセンサ1000は、多様な高性能光学装置または高性能電子装置に採用されうる。そのような電子装置は、例えば、スマートフォン(smart phone)、携帯電話、ハンドフォン、PDA(personal digital assistant)、ラップトップ(laptop)、PC、多様なポータブル機器、家電製品、保安カメラ、医療用カメラ、自動車、事物インターネット(IoT;Internet of Things)機器、その他モバイルまたは非モバイルコンピュータ装置でもあり、それに制限されない。
【0128】
電子装置は、イメージセンサ1000以外にも、イメージセンサを制御するプロセッサ、例えば、アプリケーションプロセッサ(AP: Application Processor)をさらに含み、プロセッサを通じて運用体制または応用プログラムを駆動して多数のハードウェアまたはソフトウェア構成要素を制御し、各種データ処理及び演算を遂行することができる。プロセッサは、GPU (Graphic Processing Unit)及び/またはイメージ信号プロセッサ(Image Signal Processor)をさらに含んでもよい。プロセッサにイメージ信号プロセッサが含まれる場合、イメージセンサによって獲得されたイメージ(または映像)をプロセッサを用いて保存及び/または出力することができる。
【0129】
図16は、イメージセンサ1000を含む電子装置ED01の一例を示すブロック図である。
図16を参照すれば、ネットワーク環境ED00で電子装置ED01は、第1ネットワークED98(近距離無線通信ネットワークなど)を介して他の電子装置ED02と通信するか、または第2ネットワークED99(遠距離無線通信ネットワークなど)を介してさらに他の電子装置ED04及び/またはサーバED08と通信することができる。電子装置ED01は、サーバED08を介して電子装置ED04と通信することができる。電子装置ED01は、プロセッサED20、メモリED30、入力装置ED50、音響出力装置ED55、表示装置ED60、オーディオモジュールED70、センサモジュールED76、インターフェースED77、ハプティックモジュールED79、カメラモジュールED80、電力管理モジュールED88、バッテリED89、通信モジュールED90、加入者識別モジュールED96及び/またはアンテナモジュールED97を含んでもよい。電子装置ED01には、該構成要素のうち、一部(表示装置ED60など)が省略されるか、他の構成要素が追加されうる。該構成要素のうち、一部は、1つの統合された回路に具現されうる。例えば、センサモジュールED76(指紋センサ、虹彩センサ、照度センサなど)は、表示装置ED60(ディスプレイなど)に埋め込まれて具現されうる。また、イメージセンサ1000に分光機能が含まれる場合、センサモジュールの一部機能(カラーセンサ、照度センサ)が別途のセンサモジュールではない、イメージセンサ1000自体で具現されうる。
【0130】
プロセッサED20は、ソフトウェア(プログラムED40など)を実行し、プロセッサED20に連結された電子装置ED01のうち、1つまたは複数個の他の構成要素(ハードウェア、ソフトウェア構成要素など)を制御し、多様なデータ処理または演算を遂行することができる。データ処理または演算の一部として、プロセッサED20は、他の構成要素(センサモジュールED76、通信モジュールED90など)から受信された命令及び/またはデータを揮発性メモリED32にロードし、揮発性メモリED32に保存された命令及び/またはデータを処理し、結果データを不揮発性メモリED34に保存することができる。プロセッサED20は、メインプロセッサED21(中央処理装置、アプリケーションプロセッサなど)、及びそれと独立して、または共に運用可能な補助プロセッサED23(グラフィック処理装置、イメージシグナルプロセッサ、センサハブプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)を含んでもよい。補助プロセッサED23は、メインプロセッサED21より電力を少なく使用し、特化された機能を遂行することができる。
【0131】
補助プロセッサED23は、メインプロセッサED21がインアクティブ状態(スリープ状態)である間、メインプロセッサED21の代わりに、またはメインプロセッサED21がアクティブ状態(アプリケーション実行状態)である間、メインプロセッサED21と共に、電子装置ED01の構成要素のうち、一部構成要素(表示装置ED60、センサモジュールED76、通信モジュールED90など)に係わる機能及び/または状態を制御することができる。補助プロセッサED23(イメージシグナルプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)は、機能的に関連した他の構成要素(カメラモジュールED80、通信モジュールED90など)の一部としても具現される。
【0132】
メモリED30は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20、センサモジュールED76など)が必要とする多様なデータを保存することができる。データは、例えば、ソフトウェア(プログラムED40など)、及びそれに係わる命令に対する入力データ及び/または出力データを含む。メモリED30は、揮発性メモリED32及び/または不揮発性メモリED34を含む。不揮発性メモリED34は、電子装置ED01内に固設された内蔵メモリED36と、脱着可能な外装メモリED38を含む。
【0133】
プログラムED40は、メモリED30にソフトウェアとして保存され、運用体制ED42、ミドルウェアED44及び/またはアプリケーションED46を含む。
【0134】
入力装置ED50は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20など)に使用される命令及び/またはデータを電子装置ED01の外部(ユーザなど)から受信することができる。入力装置ED50は、マイク、マウス、キーボード、及び/またはデジタルペン(スタイラスペンなど)を含みうる。
【0135】
音響出力装置ED55は、音響信号を電子装置ED01の外部に出力することができる。音響出力装置ED55は、スピーカ及び/またはレシーバを含む。スピーカは、マルチメディア再生または録音再生のように一般の用途として使用され、レシーバは、着信電話を受信するために使用される。レシーバは、スピーカの一部に結合されているか、または独立した別途の装置によっても具現される。
【0136】
表示装置ED60は、電子装置ED01の外部に情報を視覚的に提供することができる。表示装置ED60は、ディスプレイ、ホログラム装置、または、プロジェクタ及び当該装置を制御するための制御回路を含む。表示装置ED60は、タッチを感知するように設定されたタッチ回路(Touch Circuitry)及び/またはタッチによって発生する力の強度を測定するように設定されたセンサ回路(圧力センサなど)を含む。
【0137】
オーディオモジュールED70は、音を電気信号に変換させるか、反対に電気信号を音に変換させうる。オーディオモジュールED70は、入力装置ED50を通じて音を獲得するか、音響出力装置ED55及び/または電子装置ED01と直接または無線で連結された他の電子装置(電子装置ED02など)のスピーカ及び/またはヘッドホーンを通じて音を出力することができる。
【0138】
センサモジュールED76は、電子装置ED01の作動状態(電力、温度など)、または外部の環境状態(ユーザ状態など)を感知し、感知された状態に対応する電気信号及び/またはデータ値を生成することができる。センサモジュールED76は、ジェスチャーセンサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、マグネチックセンサ、加速度センサ、グリップセンサ、近接センサ、カラーセンサ、IR(Infrared)センサ、生体センサ、温度センサ、湿度センサ、及び/または照度センサを含みうる。
【0139】
インターフェースED77は、電子装置ED01が他の電子装置(電子装置ED02など)と直接または無線で連結されるために使用される1つまたは複数の指定されたプロトコルを支援することができる。インターフェースED77は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)、USB(Universal Serial Bus)インターフェース、SDカードインターフェース、及び/またはオーディオインターフェースを含む。
【0140】
連結端子ED78は、電子装置ED01が他の電子装置(電子装置ED02など)と物理的に連結されるコネクタを含む。連結端子ED78は、HDMIコネクタ、USBコネクタ、SDカードコネクタ、及び/またはオーディオコネクタ(ヘッドホーンコネクタなど)を含む。
【0141】
ハプティックモジュールED79は、電気的信号をユーザが触覚または運動感覚を通じて認知することができる機械的な刺激(振動、動きなど)または電気的な刺激に変換することができる。ハプティックモジュールED79は、モータ、圧電素子、及び/または電気刺激装置を含みうる。
【0142】
カメラモジュールED80は、静止映像及び動画を撮影することができる。カメラモジュールED80は、1つまたは複数のレンズを含むレンズアセンブリー、
図1のイメージセンサ1000、イメージシグナルプロセッサ、及び/またはフラッシュを含みうる。カメラモジュールED80に含まれたレンズアセンブリーは、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。
【0143】
電力管理モジュールED88は、電子装置ED01に供給される電力を管理することができる。電力管理モジュールED88は、PMIC(Power Management Integrated Circuit)の一部として具現されうる。
【0144】
バッテリED89は、電子装置ED01の構成要素に電力を供給することができる。バッテリED89は、使い捨て1次電池、再充電可能な2次電池及び/または燃料電池を含む。
【0145】
通信モジュールED90は、電子装置ED01と他の電子装置(電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)との直接(有線)通信チャネル及び/または無線通信チャネルの樹立、及び樹立された通信チャネルを介した通信遂行を支援することができる。通信モジュールED90は、プロセッサED20(アプリケーションプロセッサなど)と独立して運用され、直接通信及び/または無線通信を支援する1つまたは複数のコミュニケーションプロセッサを含む。通信モジュールED90は、無線通信モジュールED92(セルラ通信モジュール、近距離無線通信モジュール、GNSS(Global Navigation Satellite Systemなど)通信モジュールなど)及び/または有線通信モジュールED94(LAN(Local Area Network)通信モジュール、電力線通信モジュールなど)を含む。これら通信モジュールのうち、該当する通信モジュールは、第1ネットワークED98(ブルートゥース、WiFi DirectまたはIrDA(Infrared Data Association)のような近距離通信ネットワーク)または第2ネットワークED99(セルラネットワーク、インターネット、またはコンピュータネットワーク(LAN、WANなど)のような遠距離通信ネットワーク)を介して他の電子装置と通信することができる。そのような多種の通信モジュールは、1つの構成要素(単一チップなど)に統合されるか、または互いに別途の複数の構成要素(複数チップ)によって具現されうる。無線通信モジュールED92は、加入者識別モジュールED96に保存された加入者情報(国際モバイル加入者識別子(IMSI)など)を用いて第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワーク内で電子装置ED01を確認及び認証することができる。
【0146】
アンテナモジュールED97は、信号及び/または電力を外部(他の電子装置など)に送信するか、外部から受信する。アンテナは基板(PCBなど)上に形成された導電性パターンからなる放射体を含む。アンテナモジュールED97は、1つまたは複数のアンテナを含む。複数のアンテナが含まれた場合、通信モジュールED90によって複数のアンテナのうち、第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワークで使用される通信方式に適したアンテナが選択されうる。選択されたアンテナを介して通信モジュールED90と他の電子装置との間に信号及び/または電力が送信されるか、受信されうる。アンテナ以外の他の部品(RFICなど)がアンテナモジュールED97の一部で含まれうる。
【0147】
構成要素のうち、一部は、周辺機器間の通信方式(バス、GPIO(General Purpose Input and Output), SPI(Serial Peripheral Interface), MIPI(Mobile Industry Processor Interface)など)を介して互いに連結されて信号(命令、データなど)を互いに交換することができる。
【0148】
命令またはデータは、第2ネットワークED99に連結されたサーバED08を介して電子装置ED01と外部の電子装置ED04との間において送信または受信される。他の電子装置ED02、ED04は、電子装置ED01と同一であるか、または他種の装置である。電子装置ED01で実行される動作の全部または一部は、他の電子装置ED02、ED04、ED08のうち、1つまたは複数の装置で実行されうる。例えば、電子装置ED01がある機能やサービスを遂行せねばならないとき、機能またはサービスを自体的に実行させる代わりに、1つまたは複数の他の電子装置にその機能またはそのサービスの一部または全体の遂行を要請することができる。要請を受信した1つまたは複数の他の電子装置は、要請に係わる追加機能またはサービスを行い、その実行の結果を電子装置ED01に伝達することができる。そのために、クラウドコンピューティング、分散コンピューティング、及び/またはクライアント-サーバコンピューティング技術が利用されうる。
【0149】
図17は、
図16のカメラモジュールED80を例示するブロック図である。
図17を参照すれば、カメラモジュールED80は、レンズアセンブリーCM10、フラッシュCM20、イメージセンサ1000(
図12のイメージセンサ1000など)、イメージスタビライザーCM40、メモリCM50(バッファメモリなど)、及び/またはイメージシグナルプロセッサCM60を含む。レンズアセンブリーCM10は、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。カメラモジュールED80は、複数のレンズアセンブリーCM10を含み、そのような場合、カメラモジュールED80は、デュアルカメラ、360°カメラ、または球形カメラ(Spherical Camera)にもなる。複数のレンズアセンブリーCM10のうち、一部は同じレンズ属性(画角、焦点距離、自動焦点、Fナンバー(F Number)、光学ズームなど)を有するか、または、他のレンズ属性を有することができる。レンズアセンブリーCM10は、広角レンズまたは望遠レンズを含みうる。
【0150】
フラッシュCM20は、被写体から放出または反射される光を強化するために使用される光を放出することができる。フラッシュCM20は、1つまたは複数の発光ダイオード(RGB(Red-Green-Blue) LED, White LED, Infrared LED, Ultraviolet LEDなど)、及び/またはXenon Lampを含みうる。イメージセンサ1000は、
図1で説明したイメージセンサであり、被写体から放出または反射されてレンズアセンブリーCM10を介して伝達された光を電気的な信号に変換することで、被写体に対応するイメージを獲得することができる。イメージセンサ1000は、RGBセンサ、BW(Black and White)センサ、IRセンサ、またはUVセンサのように、属性の異なるイメージセンサのうち、選択された1つまたは複数のセンサを含みうる。イメージセンサ1000に含まれたそれぞれのセンサは、CCD(Charged Coupled Device)センサ及び/またはCMOS(complementary metal Oxide semiconductor)センサによって具現されうる。
【0151】
イメージスタビライザーCM40は、カメラモジュールED80またはそれを含む電子装置CM01の動きに反応し、レンズアセンブリーCM10に含まれた1つまたは複数個のレンズまたはイメージセンサ1000を特定の方向に動かすか、イメージセンサ1000の動作特性を制御(リードアウト(Read-Out)タイミングの調整など)して動きによる否定的な影響を補償しうる。イメージスタビライザーCM40は、カメラモジュールED80の内部または外部に配置されたジャイロセンサ(図示せず)または加速度センサ(図示せず)を用いてカメラモジュールED80または電子装置ED01の動きを感知することができる。イメージスタビライザーCM40は、光学式によっても具現される。
【0152】
メモリCM50は、イメージセンサ1000を通じて獲得されたイメージの一部または全体データを、次のイメージ処理作業のために保存することができる。例えば、複数のイメージが高速に獲得される場合、獲得された原本データ(Bayer-Patternedデータ、高解像度データなど)は、メモリCM50に保存して、低解像度イメージのみをディスプレイした後、選択された(ユーザ選択など)イメージの原本データをイメージシグナルプロセッサCM60に伝達させるのに使用されうる。メモリCM50は、電子装置ED01のメモリED30に統合されているか、または独立して運用される別途のメモリで構成されうる。
【0153】
イメージシグナルプロセッサCM60は、イメージセンサ1000を通じて獲得されたイメージまたはメモリCM50に保存されたイメージデータに対してイメージ処理を遂行することができる。イメージ処理は、デプスマップ(Depth Map)生成、3次元モデリング、パノラマ生成、特徴点抽出、イメージ合成、及び/またはイメージ補償(ノイズ減少、解像度調整、明るさ調整、ブラーリング(Blurring)、シャープニング(Sharpening)、ソフトニング(Softening)など)を含む。イメージシグナルプロセッサCM60は、カメラモジュールED80に含まれた構成要素(イメージセンサ1000など)に対する制御(露出時間制御、またはリードアウトタイミング制御など)を遂行することができる。イメージシグナルプロセッサCM60によって処理されたイメージは、追加処理のためにメモリCM50に再び保存されるか、カメラモジュールED80の外部構成要素(メモリED30、表示装置ED60、電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)に提供されうる。イメージシグナルプロセッサCM60は、プロセッサED20に統合されるか、プロセッサED20と独立して運用される別途のプロセッサで構成されうる。イメージシグナルプロセッサCM60がプロセッサED20と別途のプロセッサで構成された場合、イメージシグナルプロセッサCM60によって処理されたイメージは、プロセッサED20によってさらなるイメージ処理を経た後、表示装置ED60を通じて表示されうる。
【0154】
電子装置ED01は、それぞれ異なる属性または機能を有する複数のカメラモジュールED80を含む。そのような場合、複数のカメラモジュールED80のうち、1つは、広角カメラであり、他の1つは、望遠カメラである。同様に、複数のカメラモジュールED80のうち、1つは、前面カメラであり、他の1つは、背面カメラである。
【0155】
実施例によるイメージセンサ1000は、
図18(a)に図示されたモバイルフォンまたはスマートフォン5100m、
図18(b)に図示されたタブレットまたはスマートタブレット5200、
図18(c)に図示されたデジタルカメラまたはカムコーダ5300、
図18(d)に図示されたノート型パソコン5400にまたは、
図18(e)に図示されたテレビまたはスマートテレビ5500などに適用されうる。例えば、スマートフォン5100mまたはスマートタブレット5200は高解像度イメージセンサがそれぞれ搭載された複数の高解像度カメラを含む。高解像度カメラを用いて映像内の被写体のデプス情報を抽出するか、映像のアウトフォーカシングを調節するか、映像内の被写体を自動識別することができる。
【0156】
また、イメージセンサ1000は、
図19(a)に図示されたスマート冷蔵庫5600、
図19(b)に図示された保安カメラ5700、
図19(c)に図示されたロボット5800、
図19(d)に図示された医療用カメラ5900などに適用されうる。例えば、スマート冷蔵庫5600は、イメージセンサを用いて冷蔵庫内にある飲食物を自動認識し、特定飲食物の存否、入庫または出庫した飲食物の種類などをスマートフォンを通じてユーザに知らせることができる。保安カメラ5700は、超高解像度映像を提供し、高い感度を用いて暗い環境でも映像内の事物または人を認識可能にしうる。ロボット5800は、人が直接接近することができない災害または産業現場に投入されて高解像度映像を提供することができる。医療用カメラ5900は、診断または手術のための高解像度映像を提供し、視野を動的に調節することができる。
【0157】
また、イメージセンサ1000は、
図19(e)に図示されたように車両6000に適用されうる。車両6000は、多様な位置に配置された複数の車両用カメラ6010、6020、6030、6040を含み、それぞれの車両用カメラ6010、6020、6030、6040は、実施例によるイメージセンサを含みうる。車両6000は、複数の車両用カメラ6010、6020、6030、6040を用いて車両6000内部または周辺に係わる多様な情報を運転者に提供し、映像内の事物または人を自動認識して自律走行に必要な情報を提供することができる。
【0158】
以上の例示的な実施例によれば、複数の中心波長を有するマルチモードのキャビティに特定波長領域の光のみを透過させる帯域透過フィルタを結合することで、所望の波長の光のみを検出することができる広域特性を有する分光フィルタを具現することができる。また、マルチモードのキャビティをいずれも同じ厚さに形成することで、さらに簡単な工程で分光フィルタを作製することができる。他の例示的な実施例によれば、以上の分光フィルタを含むイメージセンサが提供され、該イメージセンサを含む電子装置が提供されうる。
【0159】
上述した分光フィルタを備えるイメージセンサ及びそれを含む電子装置が、たとえ図面に図示された実施例に基づいて説明されたとしても、それらは、例示的なものに過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、それらにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するであろう。したがって、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。権利範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、権利範囲に含まれていると解釈されねばならない。
【符号の説明】
【0160】
101、102、103 画素
111、112、113 ユニットフィルタ
131、132 第1及び第2金属反射層
140 共振器
140a ベース
141、142、143 第1、第2、第3キャビティ
150 帯域透過フィルタ
151、152、153 第1、第2、第3帯域フィルタ
170 下部誘電体層
180 上部誘電体層
1100 分光フィルタ
4100 画素アレイ
λ1、λ1’、λ1” 第1波長領域
λ2、λ2’、λ2” 第2波長領域
λ3、λ3’、λ3” 第3波長領域