(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167946
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】水中情報処理装置、水中情報処理方法および水中情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/62 20060101AFI20221027BHJP
G01S 15/96 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
G01S7/62 A
G01S15/96
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131429
(22)【出願日】2022-08-22
(62)【分割の表示】P 2020532228の分割
【原出願日】2019-06-25
(31)【優先権主張番号】P 2018139189
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】狭間 拓人
(72)【発明者】
【氏名】林 孝二
(72)【発明者】
【氏名】竹内 久満
(57)【要約】
【課題】他船により得られた測定結果に基づく画面の表示を行う装置において、より効果的な表示を行うことができる航海情報装置、航海情報処理方法および航海情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】航海情報装置は、自船の位置情報を取得する位置情報取得部と、他船の位置情報、前記他船により送信された送信波の水中からの反射波に基づく第1測定情報、および前記第1測定情報よりも過去の前記他船の第2測定情報を取得する他船情報取得部と、前記自船の位置情報、前記他船の位置情報、前記第1測定情報、および前記第2測定情報を海図上に重畳した画面の表示信号を生成する表示信号生成部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサによりそれぞれ取得された複数のセンサ情報であって、水中における測定結果をそれぞれ示す前記複数のセンサ情報を、前記複数のセンサから受信する通信部と、
前記複数のセンサ情報に基づいて、モニタに、前記複数のセンサのうちの少なくともいずれか1つの前記センサにより取得された前記センサ情報を表示する処理を行う表示信号生成部とを備え、
前記表示信号生成部は、前記モニタに表示される画面において前記センサを指定する操作をユーザから受け付け、指定された前記センサにより取得された前記センサ情報を前記モニタに表示する処理を行う、水中情報処理装置。
【請求項2】
前記通信部は、複数の時刻における前記測定結果を示す前記センサ情報を前記センサから受信する、請求項1に記載の水中情報処理装置。
【請求項3】
前記通信部は、無線通信により前記複数のセンサ情報を受信する、請求項1または請求項2に記載の水中情報処理装置。
【請求項4】
前記センサは、送信波を水中へ送信して水中からの反射波を受信し、
前記通信部は、前記センサ情報として、前記反射波の信号強度に基づく測定情報を受信する、請求項1または請求項2に記載の水中情報処理装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記センサ情報として、水中の環境に関する前記測定結果を示す環境情報を受信し、
前記通信部は、前記測定結果が所定条件を満たしたときに送信される前記環境情報を受信する、請求項1または請求項2に記載の水中情報処理装置。
【請求項6】
前記通信部は、前記測定情報に基づく魚群情報が示す魚の数および魚の動きの少なくともいずれか一方が所定条件を満たしたときに送信される前記測定情報を受信する、請求項4に記載の水中情報処理装置。
【請求項7】
前記表示信号生成部は、前記センサの位置を示すマークを海図上に重畳した画面を前記モニタに表示する処理を行う、請求項1または請求項2に記載の水中情報処理装置。
【請求項8】
前記表示信号生成部は、前記センサ情報を前記海図上に重畳した画面を前記モニタに表示する処理を行う、請求項7に記載の水中情報処理装置。
【請求項9】
水中情報処理装置における水中情報処理方法であって、
複数のセンサによりそれぞれ取得された複数のセンサ情報であって、水中における測定結果をそれぞれ示す前記複数のセンサ情報を、前記複数のセンサから受信し、
前記複数のセンサ情報に基づいて、モニタに、前記複数のセンサのうちの少なくともいずれか1つの前記センサにより取得された前記センサ情報を表示する処理を行い、
前記モニタに表示される画面において前記センサを指定する操作をユーザから受け付け、指定された前記センサにより取得された前記センサ情報を前記モニタに表示する処理を行う、水中情報処理方法。
【請求項10】
水中情報処理装置において用いられる水中情報処理プログラムであって、
複数のセンサによりそれぞれ取得された複数のセンサ情報であって、水中における測定結果をそれぞれ示す前記複数のセンサ情報を、前記複数のセンサから受信する処理と、
前記複数のセンサ情報に基づいて、モニタに、前記複数のセンサのうちの少なくともいずれか1つの前記センサにより取得された前記センサ情報を表示する処理と、
前記モニタに表示される画面において前記センサを指定する操作をユーザから受け付け、指定された前記センサにより取得された前記センサ情報を前記モニタに表示する処理とをコンピュータに実行させる、水中情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航海情報装置、航海情報処理方法および航海情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水中に向けて送信波を送信し、送信波の反射波を受信し、受信した反射波の測定結果に基づく画面を表示する技術が開発されている。たとえば、特開昭60-195478号公報(特許文献1)には、他船に装置されたスキャニング・ソナーによって得られた水中物の映像を、無線伝送手段によって受信して自船のブラウン管表示器画面上に自船によって得られた水中物映像と重畳して表示する水中物探知表示方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、他船により得られた測定結果に基づく表示を行う装置において、より効果的な表示を行うことができる技術が求められている。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、他船により得られた測定結果に基づく画面の表示を行う装置において、より効果的な表示を行うことができる航海情報装置、航海情報処理方法および航海情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る航海情報装置は、自船の位置情報を取得する位置情報取得部と、他船の位置情報、前記他船により送信された送信波の水中からの反射波に基づく第1測定情報、および前記第1測定情報よりも過去の前記他船の第2測定情報を取得する他船情報取得部と、前記自船の位置情報、前記他船の位置情報、前記第1測定情報、および前記第2測定情報を海図上に重畳した画面の表示信号を生成する表示信号生成部と、を備える。
【0007】
このように、自船および他船の両方の位置情報を同一の海図上で重畳する構成により、自船および他船の位置関係を明確に把握することができる。また、他船の最新の第1測定情報および過去の第2測定情報を同一の海図上に重畳する構成により、他船の測定結果の変化を明確に把握することができる。したがって、他船により得られた測定結果に基づく画面の表示を行う装置において、より効果的な表示を行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、他船により得られた測定結果に基づく表示を行う装置において、より効果的な表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る航海情報システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置による航海情報処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0011】
<構成および基本動作>
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る航海情報システムの構成を示す図である。
【0012】
図1を参照して、航海情報システム201は、航海情報装置101と、僚船情報装置121とを備える。航海情報装置101は、本船151に搭載されている。また、僚船情報装置121は、僚船152に搭載されている。
【0013】
(僚船情報装置)
僚船情報装置121は、通信部20と、複数のセンサ21と、探知部22とを備える。
図1では、一例として3つのセンサ21a,21b,21cを示している。
【0014】
センサ21aは、たとえば、自己の僚船152の位置を検出し、検出した位置を示す位置情報(他船情報)を探知部22へ出力する。センサ21bは、たとえば、自己の僚船152の船速を検出し、検出した船速を示す速度情報(他船情報)を探知部22へ出力する。
【0015】
センサ21cは、たとえば、自己の僚船152が位置する領域の環境に関する環境情報を定期的または不定期に取得し、取得した環境情報(他船情報)を探知部22へ出力する。具体的には、環境情報は、水温、潮汐、波の高さ、風速、潮目および塩分濃度などのうちの少なくともいずれか1つを示す。
【0016】
探知部22は、センサ21aから出力された位置情報、センサ21bから出力された速度情報、およびセンサ21cから出力された環境情報を受ける。また、探知部22は、定期的または不定期に送信波を水中へ送信し、水中からの送信波の反射波を受信し、受信した反射波の測定結果に基づく測定情報を作成して保持する。
【0017】
具体的には、探知部22は、測定結果に基づいて反射波の強度である信号強度を算出し、たとえば、算出した信号強度と、反射波の受信日時、送信波の到達距離R、送信波の方位、送信波の送信方向と水平面とのなす角であるチルト角T、および自己の僚船152の名称などのうちの少なくともいずれか1つとを示す測定情報を作成して保持する。なお、探知部22は、反射波の測定結果そのものを示す測定情報を作成してもよい。
【0018】
また、探知部22は、測定情報、ならびにセンサ21a,21b,21cからそれぞれ受けた位置情報、速度情報および環境情報に基づいて、水中における魚群などの対象物を探知する。また、探知部22は、たとえば、最新の測定情報と、最新の位置情報と、最新の速度情報と、最新の環境情報とを対応づけた僚船情報を定期的または不定期に作成して保持する。
【0019】
通信部20は、たとえば、探知部22の保持する僚船情報を、Wi-Fi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、3Gまたは5G等の通信規格に従って、航海情報装置101へ送信する。
【0020】
なお、僚船情報装置121は、僚船情報を、無線通信により送信する代わりに、FDD(Floppy Disk Drive)、USB(Universal Serial Bus)ストレージ、およびSDメモリカードなどの記憶媒体に書き込む構成であってもよい。この場合、僚船情報装置121は、通信部20を備えなくてもよい。
【0021】
(航海情報装置)
航海情報装置101は、通信部(他船情報取得部)10と、複数のセンサ11と、探知部12と、表示信号生成部13とを備える。
図1では、一例として3つのセンサ11a,11b,11cを示している。
【0022】
センサ(位置情報取得部)11aは、たとえば、本船151の位置を検出し、検出した位置を示す位置情報を探知部12へ出力する。センサ11bは、たとえば、本船151の船速を検出し、検出した船速を示す速度情報を探知部12へ出力する。
【0023】
センサ11cは、たとえば、本船151の位置する領域の環境に関する環境情報を定期的または不定期に取得し、取得した環境情報を探知部12へ出力する。
【0024】
探知部12は、センサ11aから出力された位置情報、センサ11bから出力された速度情報、およびセンサ11cから出力された環境情報を受ける。また、探知部12は、定期的または不定期に送信波を水中へ送信し、水中からの送信波の反射波を受信し、受信した反射波の測定結果に基づく測定情報を作成して保持する。
【0025】
具体的には、探知部12は、反射波の強度である信号強度を算出し、たとえば、算出した信号強度と、反射波の受信日時、送信波の到達距離R、送信波の方位、送信波の送信方向と水平面とのなす角であるチルト角T、および自己の本船151の名称などのうちの少なくともいずれか1つとを示す測定情報を作成して保持する。
【0026】
また、探知部12は、測定情報、ならびにセンサ11a,11b,11cからそれぞれ受けた位置情報、速度情報および環境情報に基づいて、水中における魚群などの対象物を探知する。また、探知部12は、たとえば、最新の測定情報と、最新の位置情報と、最新の速度情報と、最新の環境情報とを対応づけた本船情報を定期的または不定期に作成して保持する。
【0027】
表示信号生成部13は、探知部12の保持する本船情報を参照して、本船151の現在位置および測定情報を海図上に重畳した画面の表示信号を生成する。そして、表示信号生成部13は、生成した表示信号を図示しないモニタへ出力することにより、当該画面を表示する。
【0028】
通信部10は、僚船情報装置121から送信された僚船情報を受信し、受信した僚船情報を表示信号生成部13へ出力する。なお、航海情報装置101は、僚船情報が書き込まれた記憶媒体から当該僚船情報を読み出し、読み出した僚船情報を保持する構成であってもよい。この場合、航海情報装置101は、通信部10を備えなくてもよい。
【0029】
表示信号生成部13は、通信部10から出力された僚船情報を受けて、当該僚船情報に基づいて、たとえば、僚船152の現在位置および測定情報を海図上にさらに重畳した画面を表示する。
【0030】
なお、僚船152の位置情報および測定情報の海図上への重畳は、本船151の位置情報および測定情報の当該海図上への重畳より先に行われてもよいし、並行して行われてもよい。
【0031】
また、航海情報装置101は、探知部12およびセンサ11a~11cのうちの少なくともいずれか1つを備えなくてもよい。この場合、通信部(位置情報取得部)10は、測定情報、位置情報、速度情報および環境情報のうちの少なくともいずれか1つを航海情報装置101の外部から受信し、受信した情報を表示信号生成部13へ出力する構成であってもよい。
【0032】
また、航海情報装置101は、速度情報を取得しない構成であってもよい。すなわち、航海情報装置101は、センサ11bを備えず、かつ速度情報を外部から受信しない構成であってもよい。
【0033】
また、航海情報装置101は、環境情報を取得しない構成であってもよい。すなわち、航海情報装置101は、センサ11cを備えず、かつ環境情報を外部から受信しない構成であってもよい。
【0034】
[僚船情報の送信タイミング]
(例1)
僚船情報装置121における探知部22は、作成した僚船情報に含まれる測定情報、位置情報、速度情報および環境情報のうちの少なくともいずれか1つが送信条件を満たす場合、当該僚船情報を通信部20経由で航海情報装置101へ送信する。
【0035】
たとえば、探知部22は、位置情報が送信条件を満たすか否かを判断する。より詳細には、探知部22は、位置情報に基づいて、自己の僚船152の現在位置が所定エリア内に含まれると判断した場合、位置情報が送信条件を満たすと判断し、当該位置情報を含む僚船情報を通信部20経由で航海情報装置101へ送信する。所定エリアは、たとえばユーザによる任意に設定される。
【0036】
また、探知部22は、複数の位置情報に基づいて、自己の僚船152が周回するように航行した場合など、僚船152の航跡が所定の航跡条件を満たしていると判断した場合、これら複数の位置情報が送信条件を満たすと判断してもよい。この場合、探知部22は、たとえば、これら複数の位置情報のうちの最新の位置情報を含む僚船情報を通信部20経由で航海情報装置101へ送信する。航跡条件は、たとえばユーザにより任意に設定される。
【0037】
また、探知部22は、位置情報および測定情報が送信条件を満たすか否かを判断してもよい。より詳細には、探知部22は、たとえば、位置情報に基づいて、自己の僚船152の現在位置が所定エリア内に含まれると判断した場合であり、かつ測定情報に基づく魚群情報に基づいて、当該所定エリア内に対象物が存在していることを探知した場合、位置情報および測定情報の両方が送信条件を満たすと判断してもよい。魚群情報は、たとえば、魚の数、および魚群の動きなどを示す。この場合、探知部22は、当該位置情報および当該測定情報を含む僚船情報を通信部20経由で航海情報装置101へ送信する。
【0038】
また、探知部22は、速度情報が送信条件を満たすか否かを判断してもよい。より詳細には、探知部22は、たとえば、速度情報に基づいて、自己の僚船152の船速が所定値以下であると判断した場合、速度情報が送信条件を満たすと判断してもよい。この場合、探知部22は、当該速度情報を含む僚船情報を通信部20経由で航海情報装置101へ送信する。当該所定値は、たとえばユーザにより任意に設定される。
【0039】
また、探知部22は、環境情報が送信条件を満たすか否かを判断してもよい。より詳細には、探知部22は、たとえば、環境情報に基づいて、自己の僚船152の位置する領域の、水温、潮汐、波の高さ、風速、潮目および塩分濃度などのうちの少なくともいずれか1つが環境に関する所定条件を満たしていると判断した場合、環境情報が送信条件を満たすと判断してもよい。この場合、探知部22は、当該環境情報を含む僚船情報を通信部20経由で航海情報装置101へ送信する。環境に関する所定条件は、たとえば、水温が閾値以下であることなどであり、ユーザにより任意に設定される。
【0040】
(例2)
僚船情報装置121は、航海情報装置101から送信された僚船情報の送信要求を受信した場合に、僚船情報を航海情報装置101へ送信する構成であってもよい。
【0041】
たとえば、航海情報装置101における通信部10は、定期的または不定期に僚船情報の送信要求を僚船情報装置121へ送信する。僚船情報装置121における通信部20は、航海情報装置101から送信された送信要求を受信すると、探知部22の保持する最新の僚船情報を航海情報装置101へ送信する。
【0042】
また、航海情報装置101は、AIS(Automatic Identification System)を搭載し、僚船152の位置情報を定期的または不定期に取得する構成であってもよい。この場合、航海情報装置101における探知部12は、たとえば、取得した僚船152の位置情報が送信条件を満たすと判断した場合、僚船情報の送信要求を通信部10経由で僚船情報装置121へ送信する。僚船152の位置情報が送信条件を満たす場合とは、たとえば、僚船152の現在位置が所定エリア内に含まれる場合、または当該僚船152の航跡が周回を示している場合などである。
【0043】
なお、僚船情報装置121における通信部20は、航海情報装置101からの送信要求の受信に関わらず、探知部22の保持する最新の僚船情報を、定期的または不定期に航海情報装置101へ送信する構成であってもよい。
【0044】
[表示される画面の具体例]
(例1)
図2は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される画面の一例を示す図である。ここでは、僚船情報装置121は、作成した僚船情報に含まれる測定情報、位置情報、速度情報および環境情報のうちの少なくともいずれか1つが上述の送信条件を満たす場合、当該僚船情報を航海情報装置101へ送信する構成であるとする。
【0045】
図2を参照して、表示信号生成部13は、探知部12の保持する最新の本船情報を参照して、本船151の現在位置を示すアイコンIc1を海図上に重畳した画面を表示する。また、表示信号生成部13は、通信部10から受けた最新の僚船情報に基づいて、僚船152の現在位置を示すアイコンIc2を海図上にさらに重畳した画面を表示する。
【0046】
また、表示信号生成部13は、通信部10から受けた複数の僚船情報にそれぞれ含まれる複数の位置情報に基づいて、僚船152の過去の位置を示す複数のアイコンIc3,Ic4,Ic5,・・・を海図上にさらに重畳した画面を表示する。
【0047】
具体的には、表示信号生成部13は、最新の位置情報より1つ前に取得した位置情報に基づいてアイコンIc3を表示し、最新の位置情報の2つ前に取得した位置情報に基づいてアイコンIc4を表示し、最新の位置情報の3つ前に取得した位置情報に基づいてアイコンIc5を表示する。
【0048】
このとき、表示信号生成部13は、たとえば、本船151の現在位置を示すアイコンIc1と、僚船152の現在位置を示すアイコンIc2と、当該僚船152の過去の位置を示すアイコンIc3,Ic4,Ic5,・・・とを互いに異なる態様で表示する。具体的には、表示信号生成部13は、たとえば、アイコンIc1を白の丸形状で表示し、アイコンIc2を白の三角形状で表示し、アイコンIc3,Ic4,Ic5,・・・をグレーの丸形状で表示する。なお、
図2では、アイコンIc3,Ic4,Ic5,・・・に斜めのハッチングを付している。
【0049】
以下、アイコンIc1,Ic2,Ic3,Ic4,Ic5,・・・の各々を「アイコンIc」とも称する。
【0050】
また、表示信号生成部13は、探知部12の保持する最新の本船情報に含まれる測定情報(自船測定情報)に基づいて、自己の本船151の測定結果を示すソナーマークM1を海図上にさらに重畳した画面を表示する。ソナーマークM1は、たとえば、本船151の現在位置から、当該本船151からの送信波の方位に沿って延びるマークであり、反射波の信号強度に応じた色が付されている。
【0051】
また、表示信号生成部13は、本船151からの送信波のチルト角T、および本船151からの送信波の到達距離Rに基づいて、ソナーマークM1の表示態様を変更する。より詳細には、表示信号生成部13は、チルト角Tが大きいほど、海図上におけるソナーマークM1が短くなるように、ソナーマークM1が延びる長さを補正する。
【0052】
また、表示信号生成部13は、通信部10から受けた最新の僚船情報に含まれる測定情報に基づいて、僚船152の現在の探知範囲を示すエリアマークE2を海図上にさらに重畳した画面を表示する。
【0053】
また、表示信号生成部13は、通信部10から受けた複数の僚船情報にそれぞれ含まれる複数の測定情報に基づいて、僚船152の過去の探知範囲を示すエリアマークE3,E4,E5,・・・を海図上にさらに重畳した画面を表示する。
【0054】
具体的には、表示信号生成部13は、最新の測定情報(第1測定情報)より1つ前に取得した測定情報(第2測定情報)に基づいてエリアマークE3を表示し、最新の測定情報の2つ前に取得した測定情報(第2測定情報)に基づいてアイコンIc4を表示し、最新の測定情報の3つ前に取得した測定情報(第2測定情報)に基づいてアイコンIc5を表示する。すなわち、エリアマークE3,E4,E5,・・・は、それぞれ、アイコンIc3,Ic4,Ic5,・・・の示す位置における探知範囲を示す。
【0055】
このとき、表示信号生成部13は、僚船152の、現在の探知範囲を示すエリアマークE2と、過去の探知範囲を示すエリアマークE3,E4,E5,・・・とを互いに異なる色で表示するなど、互いに異なる態様で表示する。
【0056】
具体的には、表示信号生成部13は、たとえば、エリアマークE2を、重畳している箇所が透過する程度に淡くぼかした赤色で表示する。また、表示信号生成部13は、たとえば、エリアマークE3,E4,E5,・・・を、重畳している箇所が透過する程度に淡くぼかしたグレーで表示する。これにより、ユーザにおいて、複数のエリアマークEおよび複数のアイコンIcのうちの少なくとも2つ以上が重なっている場合であっても、各々の表示を把握することができる。
【0057】
以下、エリアマークE2,E3,E4,E5,・・・の各々を「エリアマークE」とも称する。
【0058】
なお、表示信号生成部13は、ソナーマークM1を表示しなくてもよい。
【0059】
また、僚船情報装置121は、僚船情報を航海情報装置101へ送信する代わりに、1または複数のアイコンIc、および1または複数のエリアマークEを海図上に重畳した画面の表示信号を航海情報装置101へ送信する構成であってもよい。
【0060】
(例2)
図3は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される画面の一例を示す図である。ここでは、
図2に示す画面に対してユーザによる操作が行われた場合に表示される画面について説明する。
【0061】
図2および
図3を参照して、表示信号生成部13は、ユーザによる画面に対する操作を受け付け、受け付けた操作内容に基づく画面を表示する。具体的には、ユーザは、
図2に示す画面が表示されている状態において、
図3に示すように、画面上のポインタPをエリアマークE2内へ移動させて、エリアマークE2を選択する操作を行ったとする。
【0062】
この場合、表示信号生成部13は、たとえば、僚船情報装置121から受けた最新の僚船情報に含まれる測定情報および位置情報に基づいて、僚船152に関する詳細情報S2を海図上にさらに重畳した画面を表示する。
【0063】
詳細情報S2は、たとえば、僚船152の名称、当該僚船152による反射波の受信日時、当該僚船152の現在位置の緯度および経度、当該僚船152からの送信波の到達距離R、ならびに当該僚船152からの送信波のチルト角Tなどを示す。
【0064】
また、このとき、表示信号生成部13は、最新の僚船情報に含まれる測定情報に基づいて、僚船152の測定結果を示すソナーマークM2を海図上にさらに重畳した画面を表示する。ソナーマークM2は、たとえば、僚船152の現在位置から、当該僚船152からの送信波の方位に沿って延びるマークであり、反射波の信号強度に応じた色が付されている。
【0065】
表示信号生成部13は、僚船152からの送信波のチルト角T、および僚船152からの送信波の到達距離Rに基づいて、当該僚船152のエリアマークE2の大きさ、すなわちソナーマークM2が延びる長さを補正する。より詳細には、表示信号生成部13は、チルト角Tが大きいほど、海図上におけるソナーマークM2が短くなるように補正する。
【0066】
なお、表示信号生成部13は、ユーザによるエリアマークE2の選択操作の有無に関わらず、ソナーマークM2を海図上に重畳してもよい。
【0067】
また、ユーザは、
図2に示す画面が表示されている状態において、
図3に示すように、画面上のポインタPをエリアマークE5内へ移動させて、エリアマークE5を選択する操作を行ったとする。
【0068】
この場合、表示信号生成部13は、たとえば、僚船情報装置121から受信した過去の僚船情報に含まれる測定情報および位置情報に基づいて、アイコンIc5の示す位置における僚船152に関する詳細情報S5を海図上にさらに重畳した画面を表示する。
【0069】
詳細情報S5は、詳細情報S2と同様に、たとえば、僚船152の名称、当該僚船152による反射波の受信日時、当該僚船152の現在位置の緯度および経度、当該僚船152からの送信波の到達距離R、ならびに当該僚船152からの送信波のチルト角Tなどを示す。
【0070】
また、詳細情報S5は、さらに、アイコンIc5の示す位置における僚船情報装置121の測定結果を示すソナーマークM5、およびPlotボタンPtを示す。ソナーマークM5は、ソナーマークM2と同様に、たとえば、僚船152からの送信波の方位に沿って延びるマークであり、反射波の信号強度に応じた色が付されている。
【0071】
また、ユーザが、画面上のポインタPを移動させて、PlotボタンPtを押下する操作を行ったとする。この場合、表示信号生成部13は、たとえば、ソナーマークM5を海図上にさらに重畳した画面を表示する。
【0072】
なお、表示信号生成部13は、たとえば、ユーザにより選択されたエリアマークEに対応するソナーマークMの大きさに応じて、表示される画面全体の拡大率を変更してもよい。
【0073】
(例3)
図4は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される画面の一例を示す図である。ここでは、僚船情報装置121は、僚船情報を航海情報装置101へ定期的に送信する構成であるとする。
【0074】
図4を参照して、表示信号生成部13は、
図2に示す画面と同様に、本船151の現在位置を示すアイコンIc1、および僚船152の現在位置を示すアイコンIc2を海図上に重畳した画面を表示する。
【0075】
また、表示信号生成部13は、たとえば、本船151の最新の測定結果を示すソナーマークM1、僚船152の最新の測定結果を示すソナーマークM2、および当該僚船152の探知範囲を示すエリアマークE2を海図上にさらに重畳した画面を表示する。
【0076】
また、表示信号生成部13は、通信部10から受けた複数の僚船情報に基づいて、僚船152の航跡Wを海図上にさらに重畳した画面を表示する。
【0077】
ここで、たとえば、ユーザが、画面上のポインタPを航跡W上の点Xに移動させる操作を行ったとする。この場合、表示信号生成部13は、僚船152の位置を示すアイコンIx、および点Xに対応する位置における僚船152の探知範囲を示すエリアマークExを海図上に重畳した画面を表示する。
【0078】
また、表示信号生成部13は、通信部10から受けた複数の僚船情報に基づいて、点Xに対応する位置における僚船152の、探知範囲を示すエリアマークExおよび詳細情報Sxを海図上にさらに重畳した画面を表示する。
【0079】
詳細情報Sxは、上述した詳細情報S5と同様に、たとえば、僚船152の名称、ならびに点Xに対応する位置における、当該僚船152による反射波の受信日時、当該僚船152の緯度および経度、当該僚船152からの送信波の到達距離R、および当該僚船152からの送信波のチルト角Tを示す。
【0080】
また、詳細情報Sxは、さらに、点Xに対応する位置における僚船152の測定結果を示すソナーマークMx、PlotボタンPt、およびPlayボタンPyを示す。ソナーマークMxは、ソナーマークM1,M2と同様に、たとえば、点Xに対応する位置における僚船152からの送信波の方位に沿って延びるマークであり、反射波の信号強度に応じた色が付されている。
【0081】
また、ユーザが、画面上のポインタPを移動させて、PlotボタンPtを押下する操作を行ったとする。この場合、表示信号生成部13は、たとえば、ソナーマークMxを海図上に重畳する。
【0082】
また、ユーザが、画面上のポインタPを移動させて、PlayボタンPyを押下する操作を行ったとする。この場合、表示信号生成部13は、たとえば、僚船情報装置121から受信した複数の僚船情報にそれぞれ含まれる複数の測定情報に基づいて、僚船152の測定結果の時間的推移を示す画面を表示する。
【0083】
図5は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される画面の一例を示す図である。
【0084】
図5を参照して、表示信号生成部13は、
図4に示す画面が表示されている状態において、ユーザによりPlayボタンPyを押下する操作が行われた場合、たとえば、航跡Wを破線により表示する。また、表示信号生成部13は、僚船152の位置を示すアイコンIvを海図上に重畳し、アイコンIvが点Xから現在位置を示すアイコンIc2まで航跡Wに沿って移動する動画を表示する。
【0085】
また、表示信号生成部13は、アイコンIvの位置に応じて、向き、長さおよび色が変化するソナーマークMvを海図上にさらに重畳する。
【0086】
[通知処理]
再び
図1を参照して、僚船情報装置121が、測定情報、位置情報、速度情報および環境情報のうちの少なくともいずれか1つが上述した送信条件を満たした場合に、僚船情報を航海情報装置101へ送信する構成であるとする。この場合、航海情報装置101における表示信号生成部13は、たとえば、僚船情報装置121から送信された僚船情報を通信部10経由で受信した場合、所定の通知処理を行う。
【0087】
また、僚船情報装置121が、僚船情報を定期的に航海情報装置101へ送信する構成であるとする。この場合、航海情報装置101における表示信号生成部13は、たとえば、僚船情報装置121から送信された僚船情報に含まれる測定情報、位置情報、速度情報および環境情報のうちの少なくともいずれか1つが通知条件を満たす場合、所定の通知処理を行う。
【0088】
たとえば、表示信号生成部13は、受信した僚船情報に含まれる位置情報に基づいて、僚船152の現在位置が所定エリア内に含まれると判断した場合、位置情報が通知条件を満たすと判断し、所定の通知処理を行う。
【0089】
また、表示信号生成部13は、たとえば、受信した僚船情報に含まれる位置情報に基づいて、僚船152が周回するように航行した場合など、航跡が所定の航跡条件を満たしていると判断した場合、位置情報が通知条件を満たすと判断して、所定の通知処理を行ってもよい。
【0090】
また、表示信号生成部13は、たとえば、受信した僚船情報に含まれる位置情報に基づいて、僚船152の現在位置が所定エリア内に含まれると判断し、かつ当該僚船情報に含まれる測定情報に基づく魚群情報に基づいて、当該所定エリア内に対象物が存在していると判断したとする。この場合、表示信号生成部13は、位置情報および測定情報の両方が通知条件を満たすと判断し、所定の通知処理を行ってもよい。
【0091】
また、表示信号生成部13は、たとえば、受信した僚船情報に含まれる速度情報に基づいて、僚船152の船速が所定値以下であると判断した場合、速度情報が通知条件を満たすと判断し、所定の通知処理を行ってもよい。
【0092】
また、表示信号生成部13は、たとえば、受信した僚船情報に含まれる環境情報に基づいて、僚船152の位置する領域の、水温、潮汐、波の高さ、風速、潮目および塩分濃度などのうちの少なくともいずれか1つが環境に関する所定条件を満たしていると判断した場合、環境情報が通知条件を満たすと判断し、所定の通知処理を行ってもよい。
【0093】
また、表示信号生成部13は、たとえば、受信した僚船情報に含まれる位置情報、および探知部12の保持する1または複数の本船情報に基づいて、僚船152の位置が本船151の過去の探知範囲に含まれると判断したとする。この場合、表示信号生成部13は、位置情報が通知条件を満たすと判断し、所定の通知処理を行ってもよい。
【0094】
また、表示信号生成部13は、たとえば、受信した僚船情報に含まれる測定情報の示す信号強度が所定値以上であると判断したとする。この場合、表示信号生成部13は、測定情報が通知条件を満たすと判断し、所定の通知処理を行ってもよい。
【0095】
[通知処理の具体例]
図6~
図10は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【0096】
図6~
図10を参照して、たとえば、表示信号生成部13は、所定の通知処理として、
図6に示すように、僚船152の探知範囲を示すエリアマークE2の輪郭を太くして表示するなど、当該探知範囲を強調した画面を表示する。
【0097】
また、表示信号生成部13は、所定の通知処理として、
図7に示すように、僚船152に関する詳細情報S2をポップアップ表示してもよい。
【0098】
また、表示信号生成部13は、
図8に示すように、所定の通知処理として、僚船152の現在の探知範囲を示すエリアマークE2、および僚船152の測定結果を示すソナーマークM2を海図上に拡大表示させてもよい。
【0099】
また、表示信号生成部13は、
図8に示すように、たとえば、エリアマークE2の内部に等深線H1,H2を表示してもよい。
【0100】
また、表示信号生成部13は、
図9に示すように、所定の通知処理として、エリアマークE2およびソナーマークM2の拡大表示に加えて、さらに、僚船情報装置121から受信した僚船情報の示す内容の少なくとも一部を表示してもよい。具体的には、表示信号生成部13は、たとえば、位置情報の示す緯度および経度、速度情報の示す船速、ならびに環境情報の示す水温などを表示する。
【0101】
また、表示信号生成部13は、
図10に示すように、所定の通知処理として、モニタにおける画面を2分割し、たとえば、アイコンIc1,Ic2を海図上に重畳した画面と、エリアマークE2、ソナーマークM2、および僚船情報の示す内容の少なくとも一部を含む画面との2つの画面を表示してもよい。
【0102】
[変形例1]
図11は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【0103】
図11を参照して、航海情報システム201は、複数の僚船152にそれぞれ搭載された複数の僚船情報装置121を備える構成であってもよい。
【0104】
この場合、航海情報装置101における表示信号生成部13は、たとえば、各僚船152の、位置情報、最新の測定結果に基づく測定情報、および過去の測定結果に基づく測定情報を海図上に重畳した画面を表示する。
【0105】
具体的には、航海情報システム201は、3つの僚船情報装置121A,121B,121Cを備えるとする。僚船情報装置121A,121B,121Cは、それぞれ、僚船152A,152B,152Cに搭載されているとする。
【0106】
この場合、表示信号生成部13は、たとえば、僚船152Aの、現在位置を示すアイコンIc2a、現在の探知範囲を示すエリアマークE2a、および過去の探知範囲を示すエリアマークE3a~E5aを海図上に重畳する。
【0107】
また、表示信号生成部13は、たとえば、僚船152Bの、現在位置を示すアイコンIc2b、現在の探知範囲を示すエリアマークE2b、および過去の探知範囲を示すエリアマークE3bを海図上にさらに重畳する。
【0108】
また、表示信号生成部13は、たとえば、僚船152Cの、現在位置を示すアイコンIc2c、現在の探知範囲を示すエリアマークE2c、および過去の探知範囲を示すエリアマークE3cを海図上にさらに重畳する。
【0109】
また、表示信号生成部13は、たとえば、エリアマークE2~E5に対して僚船152ごとに異なる色を付すなど、僚船152ごとに異なる態様で表示する。
図11では、僚船152AのエリアマークE2a~E5aの輪郭を、僚船152BのエリアマークE2b,E3bの輪郭よりも太く示している。また、
図2では、僚船152AのエリアマークE2a~E5aの輪郭、および僚船152BのエリアマークE2b,E3bの輪郭を実線で示し、僚船152CのエリアマークE2c,E3cの輪郭を破線で示している。
【0110】
なお、表示信号生成部13は、複数の僚船152のうち、たとえばユーザにより選択された1または複数の僚船152の、位置情報、最新の測定結果に基づく測定情報、および過去の測定結果に基づく測定情報を海図上に重畳した画面を表示する構成であってもよい。
【0111】
[変形例2]
図12は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【0112】
図12を参照して、表示信号生成部13は、エリアマークEに対応する位置に僚船152が存在していた期間に含まれるタイミングからの経過時間に応じて、当該エリアマークEの表示態様を変更する構成であってもよい。
【0113】
具体的には、表示信号生成部13は、僚船152Aの位置がエリアマークE3aの示す範囲に含まれなくなったタイミングからの経過時間に応じて、エリアマークE3aの輪郭の表示態様を変更する。また、表示信号生成部13は、僚船152Aの位置がエリアマークE4aの示す範囲に含まれなくなったタイミングからの経過時間に応じて、エリアマークE4aの輪郭の表示態様を変更する。表示信号生成部13は、僚船152Aの位置がエリアマークE5aの示す範囲に含まれなくなったタイミングからの経過時間に応じて、エリアマークE5aの輪郭の表示態様を変更する。
【0114】
図12では、表示信号生成部13は、エリアマークE3a,E4a,E5aの順で、輪郭を細くしている。また、表示信号生成部13は、たとえば、僚船152Aの現在位置が含まれる範囲を示すエリアマークE2aの輪郭を、エリアマークE3a~E5aの輪郭よりも太く表示する。
【0115】
なお、表示信号生成部13は、僚船152がエリアマークEの示す範囲に含まれなくなったタイミングからの経過時間の代わりに、たとえば、僚船152が当該エリアマークEにおけるアイコンIcの示す位置に存在していたタイミングからの経過時間に応じて、当該エリアマークEの表示態様を変更してもよい。
【0116】
具体的には、表示信号生成部13は、たとえば、アイコンIc3aの示す位置に僚船152Aが存在していたタイミングからの経過時間に応じてエリアマーク3aの輪郭の表示態様を変更し、アイコンIc4aの示す位置に僚船152Aが存在していたタイミングからの経過時間に応じてエリアマーク4aの輪郭の表示態様を変更し、アイコンIc5aの示す位置に僚船152Aが存在していたタイミングからの経過時間に応じてエリアマーク5aの輪郭の表示態様を変更する構成であってもよい。
【0117】
また、表示信号生成部13は、たとえば、エリアマークEに対応する位置に僚船152が存在していた期間に含まれるタイミングにおける水温等の環境に応じて、当該エリアマークEの表示態様を変更する構成であってもよい。
【0118】
また、表示信号生成部13は、たとえば、エリアマークEに対応する位置に僚船152が存在していた期間に含まれるタイミングにおける当該僚船152の航跡に応じて、当該エリアマークEの表示態様を変更する構成であってもよい。
【0119】
[変形例3]
図13は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置における表示信号生成部により表示される通知画面の一例を示す図である。
【0120】
図13を参照して、表示信号生成部13は、本船151の位置情報、僚船152の位置情報、ならびに僚船152の最新の測定結果に基づく測定情報および過去の測定結果に基づく測定情報を海図上に重畳した3次元画面を表示する構成であってもよい。
【0121】
具体的には、表示信号生成部13は、探知部12の保持する最新の本船情報に基づいて、本船151の現在位置を示すアイコンIc1を海図上に重畳する。また、表示信号生成部13は、たとえば、アイコンIc1の内部に、本船151の測定結果を示すソナーマークM1を表示する。
【0122】
ソナーマークM1は、本船151からの送信波の方位およびチルト角Tに基づいて3次元表示されたマークであり、反射波の信号強度に応じた色が付されている。
【0123】
また、表示信号生成部13は、通信部10から受けた最新の僚船情報に基づいて、僚船152の現在位置を示すアイコンIc2を海図上にさらに重畳する。また、表示信号生成部13は、たとえば、アイコンIc2の内部に、僚船152の測定結果を示すソナーマークM2を表示する。
【0124】
また、表示信号生成部13は、通信部10から受けた過去の僚船情報に基づいて、僚船152の過去の位置を示す複数のアイコンIc3,Ic4,Ic5,・・・を海図上にさらに重畳する。
【0125】
また、表示信号生成部13は、通信部10から受けた複数の僚船情報にそれぞれ含まれる複数の測定情報に基づいて、僚船152の過去の測定結果を示すソナーマークM3,M4,M5,・・・を、アイコンIc3,Ic4,Ic5,・・・の内部にそれぞれ表示する。
【0126】
ソナーマークM3,M4,M5,・・・は、それぞれ、アイコンIc3,Ic4,Ic5,・・・の示す位置における僚船152からの送信波の方位およびチルト角Tに基づいて3次元表示されたマークであり、反射波の信号強度に応じた色が付されている。
【0127】
このように、ソナーマークM1~M5が3次元表示される構成により、ユーザにおいて、本船151の測定情報および僚船152の測定情報をより直感的に把握することができる。
【0128】
<動作の流れ>
航海情報装置101は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。航海情報装置101のプログラムは、外部からインストールすることができる。また、航海情報装置101のプログラムは、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0129】
図14は、本発明の実施の形態に係る航海情報装置による航海情報処理の流れを示すフローチャートである。
【0130】
図1および
図14を参照して、まず、センサ11aは、位置情報を取得し、取得した位置情報を探知部12へ出力する。センサ11bは、速度情報を取得し、取得した速度情報を探知部12へ出力する。センサ11cは、環境情報を取得し、取得した環境情報を探知部12へ出力する(ステップS10)。
【0131】
次に、探知部12は、定期的または不定期に送信波を水中へ送信し、水中からの送信波の反射波を受信し、受信した反射波の測定結果に基づく測定情報を保持する。また、探知部12は、取得した測定情報、センサ11aから受けた位置情報、センサ11bから受けた速度情報、およびセンサ11cから受けた環境情報を含む本船情報を作成して保持する(ステップS11)。
【0132】
次に、通信部10は、僚船情報装置121から送信された僚船情報を受信し、受信した僚船情報を表示信号生成部13へ出力する(ステップS12)。
【0133】
なお、位置情報、速度情報および環境情報の取得(ステップS10)、ならびに本船情報の作成(ステップS11)は、定期的または不定期に行われる。また、僚船情報の受信(ステップS12)は、定期的または不定期に行われる。ステップS10およびステップS11の動作は、ステップS12の動作の後に行われてもよいし、ステップS12の動作と並行して行われてもよい。
【0134】
次に、表示信号生成部13は、探知部12の保持する本船情報、通信部10から受けた最新の僚船情報、および通信部10から受けた1または複数の過去の僚船情報に基づいて、本船151および僚船152の各々の現在位置、ならびに僚船152の現在および過去の探知範囲を認識可能な画面を表示する。
【0135】
たとえば、表示信号生成部13は、
図2に示すように、本船151の現在位置を示すアイコンIc1、僚船152の現在位置を示すアイコンIc2、僚船152の現在の探知範囲を示すエリアマークE2、および僚船152の過去の探知範囲を示すエリアマークE3,E4,E5,・・・を海図上に重畳した画面を表示する(ステップS13)。
【0136】
次に、表示信号生成部13は、ユーザによる選択操作を受け付ける。ここでは、ユーザは、エリアマークE2,E3,E4,E5,・・・のうちのいずれか1つを選択する操作を行ったとする(ステップS14)。
【0137】
次に、表示信号生成部13は、ユーザによる操作内容に基づいて、たとえば、ユーザにより選択されたエリアマークEに対応する位置における僚船152の、測定結果を示すソナーマークMおよび詳細情報Sを海図上にさらに重畳した画面を表示する(ステップS15)。
【0138】
ところで、他船により得られた測定結果に基づく表示を行う装置において、より効果的な表示を行うことができる技術が求められている。
【0139】
これに対して、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、センサ11aは、自船である本船151の位置情報を取得する。通信部10は、他船である僚船152の位置情報、当該僚船152により送信された送信波の水中からの反射波の第1測定情報、および第1測定情報よりも過去の僚船152の第2測定情報を取得する。表示信号生成部13は、本船151の位置情報、当該僚船152の位置情報、第1測定情報、および第2測定情報を海図上に重畳した画面の表示信号を生成する。
【0140】
このように、本船151および僚船152の両方の位置情報を同一の海図上で重畳する構成により、本船151および僚船152の位置関係を明確に把握することができる。また、僚船152の最新の第1測定情報および過去の第2測定情報を同一の海図上に重畳する構成により、僚船152の測定結果の変化を明確に把握することができる。
【0141】
したがって、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、より効果的な表示を行うことができる。
【0142】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、表示信号生成部13は、本船151により送信された送信波の水中からの反射波に基づく最新の自船測定情報を、海図上にさらに重畳した画面の表示信号を生成する。
【0143】
このような構成により、本船151の測定結果および僚船152の測定結果を同一の海図上において把握し、比較等を行うことができる。
【0144】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、表示信号生成部13は、僚船152の測定情報の時間的推移を示す画面の表示信号を生成する。
【0145】
このような構成により、僚船152の測定結果の時間的推移を同一の海図上において容易に把握することができる。
【0146】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、表示信号生成部13は、僚船152の探知範囲に対応したソナーマークMを海図上にさらに重畳した画面の表示信号を生成する。
【0147】
このような構成により、僚船152の探知範囲を同一の海図上において容易に把握することができる。
【0148】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、表示信号生成部13は、僚船152から送信された送信波の送信方向と水平面とのなす角であるチルト角T、および当該僚船152から送信された送信波の到達距離Rに基づいて、ソナーマークMの表示態様を変更する。
【0149】
このような構成により、僚船152の探知範囲をより正確に把握することができる。
【0150】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、表示信号生成部13は、複数の僚船152のうち、選択された1または複数の僚船152の各々の、位置情報および第1測定情報を海図上に重畳した画面の表示信号を生成する。
【0151】
このような構成により、複数の僚船152の各々の位置情報および第1測定情報を同一の海図上で把握することが可能であり、また、選択的に僚船152の情報を表示することにより、画面の煩雑化を防ぐことができる。
【0152】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、通信部10は、僚船152に関する、位置情報、速度情報および環境情報のうちの少なくともいずれか1つである他船情報、たとえば位置情報、速度情報および環境情報をさらに取得する。表示信号生成部13は、他船情報が所定条件を満たす場合、所定の通知処理を行う。
【0153】
このような構成により、たとえば、僚船152の船速から、当該僚船152が漁を行っていると判断できる場合、または僚船152の位置する領域の水温が、所望の種類の魚群が生息しやすい水温である場合など、僚船152の現在位置が漁に適した状況であることをリアルタイムに通知することができる。
【0154】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、表示信号生成部13は、第1測定情報に基づく漁群情報が所定条件を満たす場合、所定の通知処理を行う。
【0155】
このような構成により、たとえば、反射波の信号強度が所定値以上である場合、魚の数が所定値以上である場合、または魚群の動きが所定条件を満たす場合など、僚船152の現在位置が漁に適した状況であることをリアルタイムに通知することができる。
【0156】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、表示信号生成部13は、僚船152の位置情報に基づく当該僚船152の航跡が所定条件を満たす場合、所定の通知処理を行う。
【0157】
このような構成により、たとえば、僚船152の航跡が周回を示している場合など、僚船152の現在位置が漁に適した状況であることをリアルタイムに通知することができる。
【0158】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、表示信号生成部13は、所定の通知処理として、エリアマークEの輪郭の表示態様を変更した画面を表示する。
【0159】
このような構成により、たとえば、僚船情報に含まれる測定情報、位置情報、速度情報および環境情報のうちの少なくともいずれか1つが所定条件を満たすことを視覚的に容易に把握することができる。
【0160】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、表示信号生成部13は、複数の僚船152の探知範囲にそれぞれ対応した複数のエリアマークEを海図上にさらに重畳した画面の表示信号を生成する。また、表示信号生成部13は、各エリアマークEの表示態様を僚船152ごとに変更する。
【0161】
このような構成により、複数の僚船152の各探知範囲を容易に把握することができる。
【0162】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報装置101では、表示信号生成部13は、エリアマークEに対応する位置に僚船152が存在していた期間に含まれるタイミングからの経過時間に応じて、当該エリアマークEの表示態様を変更する。
【0163】
このような構成により、海図上に表示されているエリアマークEが、どの程度過去の探知範囲を示すマークであるかを容易に把握することができる。
【0164】
また、本発明の実施の形態に係る航海情報処理方法では、まず、センサ11aは、本船151の位置情報を取得する。次に、通信部10は、僚船152の位置情報、当該僚船152により送信された送信波の水中からの反射波に基づく第1測定情報、および第1測定情報よりも過去の僚船152の第2測定情報を取得する。次に、表示信号生成部13は、本船151の位置情報、僚船152の位置情報、第1測定情報、および第2測定情報を海図上に重畳した画面の表示信号を生成する。
【0165】
このように、本船151および僚船152の両方の位置情報を同一の海図上で重畳する方法により、本船151および僚船152の位置関係を明確に把握することができる。また、僚船152の最新の第1測定情報および過去の第2測定情報を同一の海図上に重畳する方法により、僚船152の測定結果の変化を明確に把握することができる。
【0166】
したがって、本発明の実施の形態に係る航海情報処理方法では、より効果的な表示を行うことができる。
【0167】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0168】
10 通信部(他船情報取得部)
11a センサ(位置情報取得部)
11b,11c センサ
12,22 探知部
13 表示信号生成部
20 通信部
21a,21b,21c センサ
101 航海情報装置
121 僚船情報装置
151 本船
152 僚船
201 航海情報システム
【0169】
(用語)
必ずしも全ての目的または効果・利点が、本明細書中に記載される任意の特定の実施形態に則って達成され得るわけではない。従って、例えば当業者であれば、特定の実施形態は、本明細書中で教示または示唆されるような他の目的または効果・利点を必ずしも達成することなく、本明細書中で教示されるような1つまたは複数の効果・利点を達成または最適化するように動作するように構成され得ることを想到するであろう。
【0170】
本明細書中に記載される全ての処理は、1つまたは複数のコンピュータまたはプロセッサを含むコンピューティングシステムによって実行されるソフトウェアコードモジュールにより具現化され、完全に自動化され得る。コードモジュールは、任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体または他のコンピュータ記憶装置に記憶することができる。一部または全ての方法は、専用のコンピュータハードウェアで具現化され得る。
【0171】
本明細書中に記載されるもの以外でも、多くの他の変形例があることは、本開示から明らかである。例えば、実施形態に応じて、本明細書中に記載されるアルゴリズムのいずれかの特定の動作、イベント、または機能は、異なるシーケンスで実行することができ、追加、併合、または完全に除外することができる (例えば、記述された全ての行為または事象がアルゴリズムの実行に必要というわけではない)。さらに、特定の実施形態では、動作またはイベントは、例えば、マルチスレッド処理、割り込み処理、または複数のプロセッサまたはプロセッサコアを介して、または他の並列アーキテクチャ上で、逐次ではなく、並列に実行することができる。さらに、異なるタスクまたはプロセスは、一緒に機能し得る異なるマシンおよび/またはコンピューティングシステムによっても実行され得る。
【0172】
本明細書中に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的論理ブロックおよびモジュールは、プロセッサなどのマシンによって実施または実行することができる。プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシン、またはそれらの組み合わせなどであってもよい。プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理するように構成された電気回路を含むことができる。別の実施形態では、プロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはコンピュータ実行可能命令を処理することなく論理演算を実行する他のプログラマブルデバイスを含む。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、デジタル信号プロセッサ(デジタル信号処理装置)とマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装することができる。本明細書中では、主にデジタル技術に関して説明するが、プロセッサは、主にアナログ素子を含むこともできる。例えば、本明細書中に記載される信号処理アルゴリズムの一部または全部は、アナログ回路またはアナログとデジタルの混合回路により実装することができる。コンピューティング環境は、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティングデバイス、デバイスコントローラ、または装置内の計算エンジンに基づくコンピュータシステムを含むが、これらに限定されない任意のタイプのコンピュータシステムを含むことができる。
【0173】
特に明記しない限り、「できる」「できた」「だろう」または「可能性がある」などの条件付き言語は、特定の実施形態が特定の特徴、要素および/またはステップを含むが、他の実施形態は含まないことを伝達するために一般に使用される文脈内での意味で理解される。従って、このような条件付き言語は、一般に、特徴、要素および/またはステップが1つ以上の実施形態に必要とされる任意の方法であること、または1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素および/またはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、または実行されるかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを意味するという訳ではない。
【0174】
語句「X、Y、Zの少なくとも1つ」のような選言的言語は、特に別段の記載がない限り、項目、用語等が X, Y, Z、のいずれか、又はそれらの任意の組み合わせであり得ることを示すために一般的に使用されている文脈で理解される(例: X、Y、Z)。従って、このような選言的言語は、一般的には、特定の実施形態がそれぞれ存在するXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、またはZの少なくとも1つ、の各々を必要とすることを意味するものではない。
【0175】
本明細書中に記載されかつ/または添付の図面に示されたフロー図における任意のプロセス記述、要素またはブロックは、プロセスにおける特定の論理機能または要素を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、潜在的にモジュール、セグメント、またはコードの一部を表すものとして理解されるべきである。代替の実施形態は、本明細書中に記載された実施形態の範囲内に含まれ、ここでは、要素または機能は、当業者に理解されるように、関連する機能性に応じて、実質的に同時にまたは逆の順序で、図示または説明されたものから削除、順不同で実行され得る。
【0176】
特に明示されていない限り、「一つ」のような数詞は、一般的に、1つ以上の記述された項目を含むと解釈されるべきである。従って、「~するように設定された一つのデバイス」などの語句は、1つ以上の列挙されたデバイスを含むことを意図している。このような1つまたは複数の列挙されたデバイスは、記載された引用を実行するように集合的に構成することもできる。例えば、「以下のA、BおよびCを実行するように構成されたプロセッサ」は、Aを実行するように構成された第1のプロセッサと、BおよびCを実行するように構成された第2のプロセッサとを含むことができる。加えて、導入された実施例の具体的な数の列挙が明示的に列挙されたとしても、当業者は、このような列挙が典型的には少なくとも列挙された数(例えば、他の修飾語を用いない「2つの列挙と」の単なる列挙は、通常、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)を意味すると解釈されるべきである。
【0177】
一般に、本明細書中で使用される用語は、一般に、「非限定」用語(例えば、「~を含む」という用語は「それだけでなく、少なくとも~を含む」と解釈すべきであり、「~を持つ」という用語は「少なくとも~を持っている」と解釈すべきであり、「含む」という用語は「以下を含むが、これらに限定されない。」などと解釈すべきである。) を意図していると、当業者には判断される。
【0178】
説明の目的のために、本明細書中で使用される「水平」という用語は、その方向に関係なく、説明されるシステムが使用される領域の床の平面または表面に平行な平面、または説明される方法が実施される平面として定義される。「床」という用語は、「地面」または「水面」という用語と置き換えることができる。「垂直/鉛直」という用語は、定義された水平線に垂直/鉛直な方向を指します。「上側」「下側」「下」「上」「側面」「より高く」「より低く」「上の方に」「~を越えて」「下の」などの用語は水平面に対して定義されている。
【0179】
本明細書中で使用される用語の「付着する」、「接続する」、「対になる」及び他の関連用語は、別段の注記がない限り、取り外し可能、移動可能、固定、調節可能、及び/または、取り外し可能な接続または連結を含むと解釈されるべきである。接続/連結は、直接接続及び/または説明した2つの構成要素間の中間構造を有する接続を含む。
【0180】
特に明示されていない限り、本明細書中で使用される、「およそ」、「約」、および「実質的に」のような用語が先行する数は、列挙された数を含み、また、さらに所望の機能を実行するか、または所望の結果を達成する、記載された量に近い量を表す。例えば、「およそ」、「約」及び「実質的に」とは、特に明示されていない限り、記載された数値の10%未満の値をいう。本明細書中で使用されているように、「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語が先行して開示されている実施形態の特徴は、さらに所望の機能を実行するか、またはその特徴について所望の結果を達成するいくつかの可変性を有する特徴を表す。
【0181】
上述した実施形態には、多くの変形例および修正例を加えることができ、それらの要素は、他の許容可能な例の中にあるものとして理解されるべきである。そのような全ての修正および変形は、本開示の範囲内に含まれることを意図し、以下の特許請求の範囲によって保護される。