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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168009
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/22 20090101AFI20221027BHJP
   H04W 28/08 20090101ALI20221027BHJP
【FI】
H04W36/22
H04W28/08
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138580
(22)【出願日】2022-08-31
(62)【分割の表示】P 2020525667の分割
【原出願日】2019-06-13
(31)【優先権主張番号】P 2018114430
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大▲高▼ 優
(57)【要約】
【課題】例えば、車両が在圏するセル内の通信機器の数が増加して輻輳等が発生した場合に、車両の自動運転及び遠隔運転等を中断する等の処理が必要となる等、移動局の種別によって、輻輳を回避する重要性が異なる場合がある。
【解決手段】移動局との通信接続を制御する接続制御部と、移動局が所定の種別の移動局である場合に、当該所定の種別の移動局に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに移動局をハンドオーバさせるよう制御するハンドオーバ制御部とを備える制御装置を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置であって、
移動局との通信接続を制御する接続制御部と、
前記移動局が所定の種別の移動局である場合に、当該所定の種別の移動局に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに前記移動局をハンドオーバさせるよう制御するハンドオーバ制御部と
を備え、
前記制御装置が前記所定の種別の移動局に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに前記移動局をハンドオーバさせた結果として、前記所定の種別の移動局のみが、前記所定の種別の移動局に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに在圏し、前記所定の種別以外の種別の移動局は、前記所定の種別の移動局に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに在圏しない、
制御装置。
【請求項2】
移動局との通信接続を制御する接続制御部と、
前記移動局が所定の種別の移動局である場合に、当該所定の種別の移動局に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに前記移動局をハンドオーバさせるよう制御するハンドオーバ制御部と
を備え、
前記ハンドオーバ制御部は、前記移動局が車両である場合に、車両専用として決定された周波数帯である車両用周波数帯のセルに前記移動局をハンドオーバさせるよう制御し、前記ハンドオーバ制御部が前記車両用周波数帯のセルに、車両である移動局をハンドオーバさせた結果として、前記車両である前記移動局のみが前記車両用周波数帯のセルに在圏し、前記車両以外の種別の移動局は前記車両用周波数帯のセルに在圏しない、
制御装置。
【請求項3】
前記接続制御部が受信する情報に基づいて、前記移動局の種別を判定する判定部
を備える、請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記接続制御部が受信する情報に基づいて、前記移動局が車両であるか否かを判定し、
前記ハンドオーバ制御部は、前記判定部によって前記移動局が車両であると判定された場合に、前記車両に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに前記移動局をハンドオーバさせるよう制御する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記接続制御部が前記移動局から受信した情報に前記移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、前記移動局が所定の種別の移動局であると判定する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記接続制御部が前記移動局から受信した接続完了を示す情報に前記移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、前記移動局が所定の種別の移動局であると判定する、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記接続完了を示す情報は、RRC Connection Setup Completeである、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記接続制御部が前記移動局から受信した接続要求情報に前記移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、前記移動局が所定の種別の移動局であると判定する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項9】
前記接続要求情報は、RRC Connection Requestである、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記判定部は、前記接続制御部が前記移動局から受信したアタッチ要求に前記移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、前記移動局が所定の種別の移動局であると判定する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項11】
前記判定部は、前記接続制御部が前記移動局から受信したDirect Transferに前記移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、前記移動局が所定の種別の移動局であると判定する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項12】
前記接続制御部は、前記移動局を呼び出すページング情報を受信し、
前記判定部は、前記ページング情報に前記移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、前記移動局が所定の種別の移動局であると判定する、請求項3から11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記ハンドオーバ制御部は、前記所定の種別の移動局に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯に対応する無線リソース設定情報を前記移動局に送信する、請求項1から12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記無線リソース設定情報は、RRC Connection Reconfigurationである、請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記判定部は、前記移動局が、所定状態にある所定の種別の移動局であるか否かを判定し、
前記ハンドオーバ制御部は、前記移動局が前記所定状態にある前記所定の種別の移動局であると判定された場合に、当該所定状態に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに前記移動局をハンドオーバさせるよう制御する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項16】
前記判定部は、前記移動局が、遠隔運転の対象である被遠隔運転車であるか否かを判定し、
前記ハンドオーバ制御部は、前記移動局が被遠隔運転車であると判定された場合に、遠隔運転に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに前記移動局をハンドオーバさせるよう制御する、請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記判定部は、前記移動局が、車両を遠隔運転する遠隔運転車であるか否かを判定し、
前記ハンドオーバ制御部は、前記移動局が、車両を遠隔運転する遠隔運転車であると判定された場合に、遠隔運転に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに前記移動局をハンドオーバさせるよう制御する、請求項15に記載の制御装置。
【請求項18】
コンピュータを、請求項1から17のいずれか一項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両が携帯電話網を介して通信することによって自動運転及び遠隔運転等を実現する技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2017-207967号公報
[特許文献2]特開2017-174208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、車両が在圏するセル内の通信機器の数が増加して輻輳等が発生した場合に車両の自動運転及び遠隔運転等を中断する等の処理が必要となる等、移動局の種別によって、輻輳を回避する重要性が異なる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、制御装置が提供される。制御装置は、移動局との通信接続を制御する接続制御部を備えてよい。制御装置は、移動局が所定の種別の移動局である場合に、当該所定の種別の移動局に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに前記移動局をハンドオーバさせるよう制御するハンドオーバ制御部を備えてよい。
【0005】
上記ハンドオーバ制御部は、上記移動局が車両である場合に、車両に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに上記移動局をハンドオーバさせるよう制御してよい。上記制御装置は、上記接続制御部が受信する情報に基づいて、上記移動局の種別を判定する判定部を備えてよい。上記判定部は、上記接続制御部が受信する情報に基づいて、上記移動局が車両であるか否かを判定してよく、上記ハンドオーバ制御部は、上記判定部によって上記移動局が車両であると判定された場合に、上記車両に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに上記移動局をハンドオーバさせるよう制御してよい。上記判定部は、上記接続制御部が上記移動局から受信した情報に上記移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、上記移動局が所定の種別の移動局であると判定してよい。上記判定部は、上記接続制御部が上記移動局から受信した接続完了を示す情報に上記移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、上記移動局が所定の種別の移動局であると判定してよい。上記接続完了を示す情報は、上りリンクの信号に付与する。例えば、RRC Connection Setup CompleteやDirect Transferであってよい。
【0006】
上記判定部は、上記接続制御部が上記移動局から受信した接続要求情報に上記移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、上記移動局が所定の種別の移動局であると判定してよい。上記接続要求情報は、上りリンクの信号に付与する。例えば、RRC Connection RequestやDirect Transferであってよい。上記判定部は、上記接続制御部が上記移動局から受信したアタッチ要求に上記移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、上記移動局が所定の種別の移動局であると判定してよい。上記接続制御部は、上記移動局を呼び出すページング情報を受信してよく、上記判定部は、上記ページング情報に上記移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、上記移動局が所定の種別の移動局であると判定してよい。
【0007】
上記ハンドオーバ制御部は、上記所定の種別の移動局に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯に対応する無線リソース設定情報を上記移動局に送信してよい。上記無線リソース設定情報は、上りリンクの信号に付与する。例えば、RRC Connection ReconfigurationやDirect Transferであってよい。上記判定部は、上記移動局が、所定状態にある所定の種別の移動局であるか否かを判定してよく、上記ハンドオーバ制御部は、上記移動局が上記所定状態にある上記所定の種別の移動局であると判定された場合に、当該所定状態に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに上記移動局をハンドオーバさせるよう制御してよい。上記判定部は、上記移動局が、遠隔運転の対象である被遠隔運転車であるか否かを判定してよく、上記ハンドオーバ制御部は、上記移動局が被遠隔運転車であると判定された場合に、遠隔運転に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに上記移動局をハンドオーバさせるよう制御してよい。上記判定部は、上記移動局が、車両を遠隔運転する遠隔運転車であるか否かを判定してよく、上記ハンドオーバ制御部は、上記移動局が、車両を遠隔運転する遠隔運転車であると判定された場合に、遠隔運転に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに上記移動局をハンドオーバさせるよう制御してよい。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、コンピュータを、上記制御装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】制御装置100の通信環境の一例を概略的に示す。
図2】UE(User Equipment)200、eNB(evolved NodeB)30、及びMME(Mobility Management Entity)20による処理の流れの一例を概略的に示す。
図3】UE200、eNB30、及びMME20による処理の流れの一例を概略的に示す。
図4】制御装置100による制御によって実現される車両220の在圏状況の一例を概略的に示す。
図5】従来のeNBによって実現される車両220の在圏状況の一例を概略的に示す。
図6】制御装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図7】制御装置100として機能するコンピュータ1000のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
本実施形態に係る制御装置100は、無線基地局を制御してよい。制御装置100は、LTE(Long Term Evolution)通信システム、4G(4th Generation)通信システム、5G(5th Generation)通信システム、及び5Gより後の通信システムに準拠する無線基地局を制御してよい。
【0013】
ここでは、制御装置100がeNB30を制御する例を主に挙げて説明する。制御装置100は、eNB30の内部に配置されてよい。制御装置100は、eNB30の外部に配置されてもよい。制御装置100は、eNB30として機能してもよい。
【0014】
制御装置100は、移動局との通信接続を制御する。本実施形態に係る制御装置100は、移動局が所定の種別の移動局である場合、当該所定の種別の移動局に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯(所定種別用周波数帯と記載する場合がある。)のセルに移動局をハンドオーバさせるよう制御する。所定の種別の移動局の例としては、車両が挙げられる。なお、これに限らず、所定の種別の移動局は、任意の種別の移動局であってよく、例えば、各種IoT機器及び無人航空機等であってもよい。
【0015】
ここでは、所定の種別の移動局が車両である場合を主に例に挙げて説明する。制御装置100は、移動局が車両であると判定した場合、車両に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯(車両用周波数帯と記載する場合がある。)のセルに移動局をハンドオーバさせるよう制御する。車両用周波数帯は、車両専用として決定された周波数帯であってもよい。
【0016】
図1では、eNB30によって生成されるセルとして、セル310、セル320、及びセル330を例示している。eNB30によって生成されるセルは、図1に示す数に限られず、図1に示す周波数帯に限られない。図1に例示するセル310及びセル320は、2GHz帯のセルであり、セル330は、800MHz帯のセルである。セル310、セル320、及びセル330は、一のeNB30によって生成されてよい。また、セル310、セル320及びセル330は、複数のeNB30によって生成されてもよい。ここでは、セル320が、車両用周波数帯のセルである場合を例に挙げて説明する。
【0017】
制御装置100は、移動局であるUE200の通信を制御する。制御装置100は、UE200が車両であると判定した場合に、UE200をセル320にハンドオーバさせるよう制御する。例えば、制御装置100は、セル320の周波数帯に対応する無線リソース設定情報をUE200に送信する。無線リソース設定情報は、例えば、RRC Connection Reconfigurationである。
【0018】
制御装置100は、セル320の周波数帯に在圏しやすいハンドオーバ閾値を予め保持していてよい。制御装置100は、セル320の周波数帯に在圏しやすい測定設定情報を含む無線リソース設定情報をUE200に送信してよい。測定設定情報は、例えば、Meas config(Measurement config)である。
【0019】
測定設定情報には、例えば、測定対象(Measurement Object)及び報告条件(Report Configuration)が含まれる。本測定対象は、UE200が測定すべきセルの周波数としてセル320の周波数を示す情報を含んでよい。また、本測定対象は、UE200が測定すべきセルのID(PCI:Physical Cell ID)としてセル320のPCIを示す情報を含んでよい。UE200は、受信した無線リソース設定情報に基づいて測定を実行し、測定結果(Measurement Report)を制御装置100に送信する。
【0020】
上述したような手順によって、UE200をセル320にハンドオーバするハンドオーバ処理が実行されて、UE200はセル320に在圏する。
【0021】
図2は、制御装置100によって実現されるUE200の在圏状況の一例を示し、図3は、従来のeNBによって実現されるUE200の在圏状況の一例を示す。図2及び図3では、UE200の例として、携帯電話210、車両220、及びIoT(Internet of Thing)機器230を図示している。
【0022】
本実施形態に係る制御装置100が、車両220をセル320にハンドオーバさせることによって、結果として、図2に示すように、車両220のみがセル320に在圏することになる。携帯電話210及びIoT機器230は、セル320には在圏せずに、セル310又はセル330に在圏することになる。
【0023】
一方、従来のeNBによれば、図3に示すように、携帯電話210、車両220、及びIoT機器230は、それぞれ、セル310、セル320、及びセル330に在圏することになる。この場合、例えば、車両220が在圏しているセル310、セル320のUE200の数が増加して輻輳等が発生した場合に、車両220の自動運転及び遠隔運転等を中断する等の対処が必要となる場合がある。
【0024】
それに対して、本実施形態に係る制御装置100によれば、従来と比較して、車両220が在圏するセル320のUE200の数を低減することができる。そして、これにより、車両220の自動運転及び遠隔運転等を円滑に行うことができる。
【0025】
図4は、UE200、eNB30、及びMME20による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、UE200が車両であり、UE200が接続要求を送信してから、eNB30がUE200を車両用周波数帯に在圏させるまでの処理の流れを説明する。eNB30は、制御装置100の制御に従って動作する。
【0026】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、UE200が、RRC Connection RequestをeNB30に送信する。S104では、eNB30が、RRC Connection SetupをUE200に送信する。
【0027】
S106では、UE200が、RRC Connection Setup CompleteをeNB30に送信する。本例において、UE200は、「Device type:Vehicle」を含むRRC Connection Setup CompleteをeNB30に送信する。「Device type:Vehicle」は、UE200が車両であることを示すデータの一例であってよい。
【0028】
S108では、UE200が、Attach RequestをeNB30に送信する。S110では、eNB30が、Attach RequestをMME20に送信する。S112では、認証・秘匿処理が実行される。
【0029】
S114では、eNB30が、RRC Connection ReconfigurationをUE200に送信する。本例において、eNB30は、車両用周波数帯に遷移しやすいMeas configを含むRRC Connection ReconfigurationをUE200に送信する。
【0030】
S116では、UE200が、RRC Connection Reconfiguration CompleteをeNB30に送信する。S118で、Attach処理が完了する。
【0031】
S120では、UE200が、S114において受信したRRC Connection Reconfigurationに従って実行した測定の結果を報告するMeasuurement ReportをeNB30に送信する。S122では、ハンドオーバ処理が実行される。そして、S124において、UE200が、車両用周波数帯に在圏する。
【0032】
図5は、UE200、eNB30、及びMME20による処理の流れの他の一例を概略的に示す。ここでは、UE200が着信する場合に、eNB30がUE200を車両用周波数帯に在圏させるまでの処理の流れを説明する。eNB30は、制御装置100の制御に従って動作する。
【0033】
S202では、MME20が、PagingをeNB30に送信する。本例において、MME20は、「Origination Device type:Vehicle」を含むPagingをeNB30に送信する。「Origination Device type:Vehicle」は、UE200が車両であることを示すデータの一例であってよい。S204では、eNB30が、PagingをeNB30に送信する。
【0034】
S206では、UE200が、RRC Connection RequestをeNB30に送信する。S208では、eNB30が、RRC Connection SetupをUE200に送信する。S210では、UE200が、RRC Connection Setup CompleteをeNB30に送信する。S212では、認証・秘匿処理が実行される。
【0035】
S214では、eNB30が、RRC Connection ReconfigurationをUE200に送信する。本例において、eNB30は、車両用周波数帯に遷移しやすいMeas configを含むRRC Connection ReconfigurationをUE200に送信する。
【0036】
S216では、UE200が、RRC Connection Reconfiguration CompleteをeNB30に送信する。S218で、Attach処理が完了する。
【0037】
S220では、UE200が、S214において受信したRRC Connection Reconfigurationに従って実行した測定の結果を報告するMeasuurement ReportをeNB30に送信する。S222では、ハンドオーバ処理が実行される。そして、S224において、UE200が、車両用周波数帯に在圏する。
【0038】
図6は、制御装置100の機能構成の一例を概略的に示す。制御装置100は、格納部102、情報変更部104、接続制御部110、判定部112、及びハンドオーバ制御部120を備える。
【0039】
格納部102は、各種情報を格納する。格納部102は、所定種別用周波数帯を示す情報を格納してよい。格納部102は、例えば、車両用周波数帯を示す情報を格納する。また、格納部102は、移動局が、所定種別用周波数帯に在圏しやすいハンドオーバ閾値を格納してよい。格納部102は、例えば、移動局が、車両用周波数帯に在圏しやすいハンドオーバ閾値を格納する。また、格納部102は、移動局が、所定種別用周波数帯に在圏しやすい測定設定情報を格納してよい。格納部102は、例えば、移動局が、車両用周波数帯に在圏しやすい測定設定情報を格納する。
【0040】
情報変更部104は、格納部102に格納されている情報を変更する。情報変更部104は、所定種別用周波数帯が変更された場合や、所定種別用周波数帯が新たに決定された場合等に、所定種別用周波数帯を示す情報を変更してよい。情報変更部104は、例えば、車両用周波数帯が変更された場合や、車両用周波数帯が新たに決定された場合等に、車両用周波数帯を示す情報を変更する。情報変更部104は、車両用周波数帯に在圏しやすいハンドオーバ閾値を変更してよい。また、情報変更部104は、車両用周波数帯に在圏しやすい測定設定情報を変更してよい。
【0041】
接続制御部110は、移動局との通信接続を制御する。接続制御部110は、移動局との間で各種情報を送受信する。また、接続制御部110は、MME20との間で各種情報を送受信する。
【0042】
判定部112は、接続制御部110が受信する情報に基づいて、移動局の種別を判定する。判定部112は、接続制御部110が受信する情報に基づいて、移動局が所定の種別の移動局であるか否かを判定してよい。例えば、判定部112は、移動局が車両であるか否かを判定する。判定部112は、接続制御部110が移動局から受信した情報に移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、移動局が所定の種別の移動局であると判定してよい。例えば、判定部112は、接続制御部110が移動局から受信した情報に移動局が車両であることを示すデータが含まれている場合に、移動局が車両であると判定する。移動局が車両であることを示すデータは、例えば、移動局のデバイスタイプを示すデータであって、その内容が車両を示すデータである。
【0043】
判定部112は、接続制御部110が移動局から受信した接続完了を示す情報に移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、移動局が所定の種別の移動局であると判定してよい。判定部112は、例えば、接続制御部110が移動局から受信した接続完了を示す情報に移動局が車両であることを示すデータが含まれている場合に、移動局が車両であると判定する。接続完了を示す情報は、例えば、RRC Connection Setup Completeである。
【0044】
また、判定部112は、例えば、接続制御部110が移動局から受信した接続要求情報に移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、移動局が所定の種別の移動局であると判定してよい。判定部112は、例えば、接続制御部110が移動局から受信した接続要求情報に移動局が車両であることを示すデータが含まれている場合に、移動局が車両であると判定する。接続要求情報は、例えば、RRC Connection Requestである。
【0045】
また、判定部112は、接続制御部110が移動局から受信したアタッチ要求に移動局が所定の種別の移動局であることを示すデータが含まれている場合に、移動局が所定の種別の移動局であると判定してよい。例えば、判定部112は、接続制御部110が移動局から受信したアタッチ要求に移動局が車両であることを示すデータが含まれている場合に、移動局が車両であると判定する。判定部112は、接続制御部110が移動局から受信したDirect Transferに移動局が車両であることを示すデータが含まれている場合に、移動局が車両であると判定してもよい。
【0046】
判定部112は、接続制御部110がMME20から受信した情報に基づいて、移動局が所定の種別の移動局であるか否かを判定してもよい。例えば、判定部112は、接続制御部110がMME20から受信した情報に基づいて、移動局が車両であるか否かを判定する。判定部112は、接続制御部110がMME20から受信したページング情報に移動局が車両であることを示すデータが含まれている場合に、移動局が車両であると判定してよい。
【0047】
ハンドオーバ制御部120は、移動局が所定の種別の移動局である場合に、所定種別用周波数帯のセルに移動局をハンドオーバさせるよう制御してよい。例えば、ハンドオーバ制御部120は、移動局が車両である場合に、車両用周波数帯のセルに移動局をハンドオーバさせるよう制御する。ハンドオーバ制御部120は、判定部112によって、移動局が車両であると判定された場合に、車両用周波数帯のセルに移動局をハンドオーバさせるよう制御してよい。
【0048】
ハンドオーバ制御部120は、所定種別用周波数帯に対応する無線リソース設定情報を移動局に送信することによって、所定種別用周波数帯のセルに移動局をハンドオーバさせるよう制御してよい。例えば、ハンドオーバ制御部120は、車両用周波数帯に対応する無線リソース設定情報を移動局に送信することによって、車両用周波数帯のセルに移動局をハンドオーバさせるよう制御する。無線リソース設定情報は、例えば、RRC Connection Reconfigurationである。
【0049】
判定部112は、移動局が、所定状態にある所定の種別の移動局であるか否かを判定してもよい。ハンドオーバ制御部120は、移動局が所定状態にある所定の種別の移動局であると判定された場合に、当該所定状態に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに移動局をハンドオーバさせるよう制御してよい。例えば、判定部112は、移動局が、遠隔運転の対象である被遠隔運転車であるか否かを判定してよい。そして、ハンドオーバ制御部120は、移動局が被遠隔運転車であると判定された場合に、遠隔運転に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに移動局をハンドオーバさせるよう制御してよい。これにより、セル内の通信機器の数が増加することで輻輳等が発生することによって、被遠隔運転車に遠隔運転に基づく制御信号を受信しにくくなる事態が発生する可能性を低減することができる。
【0050】
また、判定部112は、移動局が、車両を遠隔運転する遠隔運転装置であるか否かを判定してもよい。そして、ハンドオーバ制御部120は、移動局が、車両を遠隔運転する遠隔運転装置であると判定された場合に、遠隔運転に対応する周波数帯として予め定められた周波数帯のセルに移動局をハンドオーバさせるよう制御してよい。これにより、セル内の通信機器の数が増加することで輻輳等が発生することによって、遠隔運転装置が送信する遠隔運転に基づく制御信号が、車両に到達しにくくなる事態が発生する可能性を低減することができる。
【0051】
遠隔運転装置とは、例えば、遠隔運転設備である。遠隔運転設備は、携帯電話網を介して車両220を遠隔運転するための設備である。遠隔運転設備は、例えば、自動車の運転席を模した設備である。遠隔運転設備は、遠隔運転設備によって車両220を遠隔運転する遠隔運転者による操作を受け付ける操作部と、操作部に対する操作に応じた制御信号を車両220に送信する通信部とを有する。操作部は、ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー及びウィンカーレバー等の車両の運転に必要な操作部材を含む。また、操作部は、カーナビ、エアコン、オーディオ、スライドドア、サンルーフ、及びシートヒーター等の装備を操作するための操作部材をさらに含んでもよい。通信部は、車両220が有する撮像部によって撮像された車両220の周辺の画像を受信する。遠隔運転設備は、通信部が受信した車両220の周辺の画像を表示する表示部を有する。遠隔運転者が、表示部に表示された画像を閲覧しながら操作部を操作することによって、車両220の遠隔運転が実現する。
【0052】
また、遠隔運転装置とは、例えば、車両を遠隔運転する機能を有する遠隔運転車である。遠隔運転車は、携帯電話網を介して車両220を遠隔運転する遠隔運転機能を有する自動車である。遠隔運転車は、遠隔運転車が有する操作部を操作することによる運転(手動運転と記載する場合がある)が可能であってよい。また、遠隔運転車は、いわゆる自動運転が可能であってもよい。
【0053】
遠隔運転車は、遠隔運転車によって車両220を遠隔運転する遠隔運転者による操作を受け付ける操作部と、車両220と通信する通信部とを有する。操作部は、ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー及びウィンカーレバー等の車両の運転に必要な操作部材を含む。また、操作部は、エアコン、オーディオ、カーナビ、スライドドア、サンルーフ、及びシートヒーター等の装備を操作するための操作部材をさらに含んでよい。通信部は、車両220が有する撮像部によって撮像された車両220の周辺の画像を受信する。遠隔運転車は、通信部が受信した車両220の周辺の画像を表示する表示部を有する。遠隔運転車は、例えば、手動運転モード及び遠隔運転モードを有し、手動運転モードにおいては、操作部に対する操作に従って走行し、遠隔運転モードにおいては、操作部に対する操作に応じた信号を車両220に送信する。遠隔運転者は、例えば、自宅の駐車場に駐車している遠隔運転車を遠隔運転モードに切り替えることによって、車両220を遠隔運転できる。
【0054】
図7は、制御装置100として機能するコンピュータ1000の一例を概略的に示す。本実施形態に係るコンピュータ1000は、ホストコントローラ1092により相互に接続されるCPU1010、RAM1030、及びグラフィックコントローラ1085を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1094によりホストコントローラ1092に接続されるROM1020、通信I/F1040、ハードディスクドライブ1050、及び入出力チップ1080を有する入出力部を備える。
【0055】
CPU1010は、ROM1020及びRAM1030に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などがRAM1030内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、ディスプレイ上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などが生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0056】
通信I/F1040は、ネットワークを介して他の装置と通信する。また、通信I/F1040は、通信を行うハードウェアとして機能する。ハードディスクドライブ1050は、CPU1010が使用するプログラム及びデータを格納する。
【0057】
ROM1020は、コンピュータ1000が起動時に実行するブート・プログラム及びコンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。入出力チップ1080は、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポートなどを介して各種の入出力装置を入出力コントローラ1094へと接続する。
【0058】
RAM1030を介してハードディスクドライブ1050に提供されるプログラムは、ICカードなどの記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM1030を介してハードディスクドライブ1050にインストールされ、CPU1010において実行される。
【0059】
コンピュータ1000にインストールされ、コンピュータ1000を制御装置100として機能させるプログラムは、CPU1010などに働きかけて、コンピュータ1000を、制御装置100の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である格納部102、情報変更部104、接続制御部110、判定部112、及びハンドオーバ制御部120として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御装置100が構築される。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0061】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0062】
20 MME、30 eNB、100 制御装置、102 格納部、104 情報変更部、110 接続制御部、112 判定部、120 ハンドオーバ制御部、200 UE、210 携帯電話、220 車両、230 IoT機器、310 セル、320 セル、330 セル、1000 コンピュータ、1010 CPU、1020 ROM、1030 RAM、1040 通信I/F、1050 ハードディスクドライブ、1080 入出力チップ、1085 グラフィックコントローラ、1092 ホストコントローラ、1094 入出力コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7