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特開2022-168035外科用器具のためのライフサイクルモニタリング機能
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168035
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】外科用器具のためのライフサイクルモニタリング機能
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
A61B17/32 510
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022141286
(22)【出願日】2022-09-06
(62)【分割の表示】P 2018556369の分割
【原出願日】2017-04-25
(31)【優先権主張番号】62/329,381
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/480,546
(32)【優先日】2017-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】コンロン・ショーン・ピー
(72)【発明者】
【氏名】エルマー・ルーカス・ビー
(72)【発明者】
【氏名】キャロル・アンドリュー・ダブリュ
(57)【要約】
【課題】外科用器具に関連する装置を提供する。
【解決手段】装置は、ハウジングと、処理回路と、ユーザーフィードバック機能部と、外科用器具インターフェイス機能部とを備える。ユーザーフィードバック機能部は、処理回路と通信する。外科用器具インターフェイス機能部は、構造的インターフェイス機能部と電気的インターフェイス機能部とを含む。構造的インターフェイス機能部は、外科用器具の本体の部位にフィットする。外科用器具の本体の部位は、超音波変換器を受容する。電気的インターフェイス機能部は、処理回路と通信し、かつ、外科用器具の相補的な電気的インターフェイス機能部とインターフェイスで接続する。外科用器具の相補的電気的インターフェイス機能部は、超音波変換器に連結される。処理回路は電気的インターフェイス機能部を介して、外科用器具の使用回数に関するデータを受信する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ハウジングと、
(b)前記ハウジング内に収容される処理回路と、
(c)前記処理回路と通信するユーザーフィードバック機能部と、
(d)外科用器具インターフェイス機能部と、
を備える装置であって、
前記ハウジングが、前記処理回路と電気的に連通するプラグ差込口を備え、
前記外科用器具インターフェイス機能部が、
(i)外科用器具の本体の部位にフィットするように構成されている構造的インターフェイス機能部であって、前記外科用器具の前記本体の前記部位が、超音波変換器を受容するように構成されている、構造的インターフェイス機能部と、
(ii)前記処理回路と通信し、前記外科用器具の相補的電気的インターフェイス機能部と接続されるように構成され、コンタクトリングを備えている電気的インターフェイス機能部であって、前記外科用器具の前記相補的電気的インターフェイス機能部は、スリップリングカップリングを備え、前記超音波変換器と結合されるように構成されている、電気的インターフェイス機能部と、を備え、
前記相補的電気的インターフェイス機能部は、前記外科用器具の再利用可能なアセンブリと取り外し可能に構成され、
前記相補的電気的インターフェイス機能部が前記再利用可能なアセンブリから取り外されている場合に、前記スリップリングカップリングが前記コンタクトリングと電気的連通することによって、前記処理回路が前記電気的インターフェイス機能部と、前記スリップリングカップリングと、前記コンタクトリングと、を介して前記外科用器具の使用回数に関するデータを受信するように構成され、
前記相補的電気的インターフェイス機能部が前記再利用可能なアセンブリと接続されている場合に、前記再利用可能なアセンブリからの通信ケーブルを前記プラグ差込口に取り付けることによって、前記処理回路が、前記スリップリングカップリング、前記再利用可能なアセンブリ、前記プラグ差込口、を介して前記外科用器具の使用回数に関するデータを受信するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記処理回路は、前記外科用器具の使用回数に関する前記データに基づいて、前記ユーザーフィードバック機能部を駆動するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ユーザーフィードバック機能部は、表示装置を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記処理回路は、前記外科用器具が少なくとも1回まだ使用できると示す前記データに応答して、前記表示装置を駆動して第1の色を提示させるように動作可能であり、前記処理回路は、前記外科用器具がもう使用できないと示す前記データに応答して、前記表示装置を駆動して第2の色を提示させるように動作可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記構造的インターフェイス機能部がタワーを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記処理回路と通信するセンサを更に備え、前記センサが、前記外科用器具の前記構造的インターフェイス機能部との連結を感知するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記センサが圧力スイッチを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記センサが前記外科用器具の前記構造的インターフェイス機能部との連結を検出したことに応答して、前記処理回路が、前記電気的インターフェイス機能部を介して前記外科用器具から使用回数に関するデータを取得するために起動されるように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記外科用器具は、
(i)前記外科用器具が使用された回数をカウントするように構成されたカウント回路と、
(ii)前記構造的インターフェイス機能部を受容するように構成され、前記超音波変換器を受容するように更に構成されている開口部と、
(iii)前記カウント回路と通信する電気的インターフェイス機能部と、を備え、
前記外科用器具の前記電気的インターフェイス機能部は、前記外科用器具インターフェイス機能部の前記電気的インターフェイス機能部と接続されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置を使用して前記外科用器具がまだ使用可能であるかどうかを判定するための方法であって、
(a)前記超音波変換器を受容するように構成されている凹部を画定し、かつ、第1の電気的インターフェイス機能部を更に含む、前記外科用器具の第1の部位と、第2の電気的インターフェイス機能部を含む、前記装置の構造的インターフェイス機能部とを、連結することであって、前記第1の電気的インターフェイス機能部及び前記第2の電気的インターフェイス機能部は、前記外科用器具の前記第1の部位が前記装置の前記構造的インターフェイス機能部と連結された結果、一体に連結される、ことと、
(b)前記外科用器具のこれまでの使用に関連するデータを、前記外科用器具から、互いに連結された前記第1の電気的インターフェイス機能部と前記第2の電気的インターフェイス機能部とを介して、前記装置が受信することと、
(c)前記装置の表示装置を起動して、前記受信したデータに基づいて、前記外科用器具がまだ使用できるかどうかを示させることと、を含む方法。
【請求項11】
前記外科用器具の前記第1の部位を、前記装置の前記構造的インターフェイス機能部と連結することを実行する前に、前記外科用器具の前記第1の部位から、前記超音波変換器を取り外すことを更に含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本願は、2016年4月29日出願の米国特許出願第62/329,381号、発明の名称「Apparatus to Provide Reusability of Ultrasonic Surgical Instrument Feature」の優先権を主張し、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
種々の外科用器具が、組織を(例えば、組織細胞内のタンパク質を変性させることにより)切断及び/又は封止するために、超音波周波数で振動するブレード要素を有するエンドエフェクタを含む。これらの器具は、電力を超音波振動へと変換する1つ又は2つ以上の圧電要素を含んでおり、これらの振動は、音響導波管に沿ってブレード要素へと伝達される。切断及び凝固の精度は、オペレーターの技術により、並びに電力レベル、ブレードエッジ角度、組織牽引、及びブレード圧力を調節することにより、制御されてよい。ブレード要素を駆動するために使用される電力レベルは、組織インピーダンス、組織の温度、組織の厚み、及び/又は他の要因などの感知されたパラメータに基づいて、(例えば、リアルタイムで)変化させてもよい。器具の中には、組織をブレード要素で把持するためのクランプアーム及びクランプパッドを有するものがある。
【0003】
超音波外科用器具の例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製である。このような装置及び関連する概念の更なる例が、以下の文献に開示されている:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月21日発行の「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第5,322,055号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年2月23日発行の「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」と題された米国特許第5,873,873号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年11月9日発行の「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」と題された米国特許第5,980,510号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる2001年9月4日発行の「Method of Balancing Asymmetric Ultrasonic Surgical Blades」と題された米国特許第6,283,981号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年10月30日発行の「Curved Ultrasonic Blade having a Trapezoidal Cross Section」と題された米国特許第6,309,400号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年12月4日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第6,325,811号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年7月23日発行の「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」と題された米国特許第6,423,082号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月10日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第6,773,444号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年11月15日発行の「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」と題された米国特許第8,057,498号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年6月11日発行の「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第8,461,744号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月26日発行の「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」と題された米国特許第8,591,536号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年1月7日発行の「Ergonomic Surgical Instruments」と題された米国特許第8,623,027号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年12月16日発行の「Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第8,911,460号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月5日発行の「Ultrasonic Device for Fingertip Control」と題された米国特許第9,023,071号。
【0004】
超音波外科用器具のまた更なる例が、以下の文献に開示されている:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の「Clamp pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」と題された米国特許出願公開第2006/0079874号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年8月16日公開の「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」と題された米国特許出願公開第2007/0191713号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月6日公開の「Ultrasonic Waveguide and Blade」と題された米国特許出願公開第2007/0282333号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月21日公開の「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」と題された米国特許出願公開第2008/0200940号。
【0005】
いくつかの超音波外科用器具は、以下の文献に開示されているもののようなコードレス変換器を含んでよい:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年7月5日発行の「Recharge System for Medical Devices」と題された米国特許第9,381,058号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年5月10日公開の「Surgical Instrument with Charging Devices」と題された米国特許出願公開第2012/0116265号;及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年11月5日出願の「Energy-Based Surgical Instruments」と題された米国特許出願第61/410,603号。
【0006】
更に、一部の超音波外科用器具は、関節接合シャフト部分を含む場合がある。かかる超音波外科用器具の例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年7月19日発行の「Surgical Instruments with Articulating Shafts」と題された米国特許第9,393,037号;及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年8月4日発行の「Flexible Harmonic Waveguides/Blades for Surgical Instruments」と題された米国特許第9,095,367号に開示されている。
【0007】
いくつかの器具は、組織に高周波(RF)電気外科エネルギーを印加することによって組織を封止するように動作可能である。RFエネルギーを組織に印加することによって組織を封着するように動作可能である外科用器具の例は、Ethicon Endo-Surgery Inc.(Cincinnati,Ohio)によるENSEAL(登録商標)Tissue Sealing Deviceである。かかる装置及び関連する概念の更なる例は、以下の文献に開示されている:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年12月31日発行の「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」と題された米国特許第6,500,176号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年9月26日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,112,201号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年10月24日発行の「Electrosurgical Working End for Controlled Energy Delivery」と題された米国特許第7,125,409号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年1月30日発行の「Electrosurgical Probe and Method of Use」と題された米国特許第7,169,146号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月6日発行の「Electrosurgical Jaw Structure for Controlled Energy Delivery」と題された米国特許第7,186,253号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月13日発行の「Electrosurgical Instrument」と題された米国特許第7,189,233号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年5月22日発行の「Surgical Sealing Surfaces and Methods of Use」と題された米国特許第7,220,951号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月18日発行の「Polymer Compositions Exhibiting a PTC Property and Methods of Fabrication」と題された米国特許第7,309,849号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月25日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,311,709号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年4月8日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,354,440号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年6月3日発行の「Electrosurgical Instrument」と題された米国特許第7,381,209号。
【0008】
いくつかの器具は、組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの両方を印加可能である。かかる器具の例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許出願公開第2015/0141981号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号に記載されている。
【0009】
いくつかの外科用器具及びシステムが作製され使用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載する本発明を作製又は使用したものは存在しないと考えられている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にその権利を特許請求する、特許請求の範囲により完結するが、本技術は、以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでより良く理解されるものと考えられ、図面において同様の参照符号は同じ要素を特定する。
図1】例示的な外科用器具の側方視立面図である。
図2】部分的に使い捨て式のアセンブリ及び再利用可能なアセンブリを有する、別の例示的な超音波外科用器具の斜視図である。
図3】使い捨て式のサブアセンブリが再利用可能なサブアセンブリから分離されている、図2の超音波外科用器具の部分分解図である。
図4図3の再利用可能なサブアセンブリの、残り使用可能回数を表示するように構成されているマルチ使用カウンターマシンの斜視図である。
図5図4のマルチ使用カウンターマシンの概略図である。
図6図4のマルチ使用カウンターマシンの第1の読み取り装置に接続された、図3の再利用可能なサブアセンブリの斜視図である。
図7図4のマルチ使用カウンターマシンと図3の再利用可能なサブアセンブリとの両方に接続された、図2の再利用可能なアセンブリの斜視図である。
図8】再利用可能なサブアセンブリが、まだ使用可能回数を残しているかどうかを判定するように構成されている、例示的な代替の再利用可能なサブアセンブリの側方視立面図である。
図9】再利用可能なサブアセンブリが、まだ使用可能回数を残しているかどうかを判定するように構成されている、別の例示的な代替の再利用可能なサブアセンブリの側方視立面図である。
図10図9の再利用可能なサブアセンブリに組み込まれ得る、例示的な回路の概略図である。
図11】再利用可能なサブアセンブリが、まだ使用可能回数を残しているかどうかを判定するように構成されている、別の例示的な代替の再利用可能なサブアセンブリの一部の第1の側面の側方視立面図である。
図12A】回転式アクチュエータが第1の位置にある状態の、図11の再利用可能なサブアセンブリの一部の第2の側面の側方視立面図である。
図12B】回転式アクチュエータが第2の位置にある状態の、図11の再利用可能なサブアセンブリの一部の第2の側面の側方視立面図である。
図12C】回転式アクチュエータが第3の位置にある状態の、図11の再利用可能なサブアセンブリの一部の第2の側面の側方視立面図である。
図13図11の再利用可能なサブアセンブリの、図12Aの第1の位置にある回転式アクチュエータの拡大斜視図である。
図14図11の再利用可能なサブアセンブリの圧電ストリップアセンブリの部分的斜視図である。
図15】再利用可能なサブアセンブリが、まだ使用可能回数を残しているかどうかを判定するように構成されている、例示的な圧電式作動アセンブリの側方視立面図である。
図16図15の圧電式作動アセンブリの上方視断面図である。
図17図15の圧電式作動アセンブリの側方視断面図である。
図18】再利用可能なサブアセンブリが、まだ使用可能回数を残しているかどうかを判定するように構成されている、別の例示的な圧電式作動アセンブリの側方視立面図である。
図19A】作動されていない状態の、図18の圧電式作動アセンブリの頂面図である。
図19B】作動された状態の、図18の圧電式作動アセンブリの頂面図である。
【0011】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本技術の種々の実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、その他の様々な方式で実施し得ることが考えられる。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、本技術は、図示される厳密な配置構成に限定されないことは理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本技術の特定の実施例の以下の説明文は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明より、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載された技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0013】
本明細書に記載された教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものを、本明細書に記載された他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。したがって、以下に記載された教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して個別に考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような改変及び変更例は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0014】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具のオペレーターに対して、本明細書で定義する。用語「近位」は、人間又はロボットである外科用器具のオペレーターにより近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を指す。用語「遠位」は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具のオペレーターから更に離れた要素の位置を指す。
【0015】
I.RFエネルギー一体型の例示的な超音波外科用器具
図1は、例示的な超音波外科用器具(110)を示す。器具(110)の少なくとも一部は、本明細書で引用する種々の参照特許文献のうちのいずれかの教示の少なくともいくつかに従って構築され得、かつ動作可能であり得る。本明細書に記載されるように、また以下にて更に詳細に記載するように、器具(110)は、実質的に同時に、組織を切断し、かつ組織(例えば、血管など)を封止又は接合するように動作可能である。また、器具(110)が、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの種々の構造的及び機能的な類似性を有し得ることを理解されたい。
【0016】
本実施例の器具(110)は、ハンドルアセンブリ(120)、シャフトアセンブリ(130)、及びエンドエフェクタ(140)を備える。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)と、一対のボタン(125、126)とを含む本体(122)を含む。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)へと向かうように、またそれから離れるように枢動可能なトリガ(128)を更に含む。しかしながら、はさみグリップ構成などであるがこれに限定されない種々の他の好適な構成が使用され得ることを理解されたい。エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)及び枢動クランプアーム(144)を含む。クランプアーム(144)はトリガ(128)と連結し、これにより、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)へと向かうトリガ(128)の枢動に応答して、超音波ブレード(160)に向かって枢動可能であり、また、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)から離れるトリガ(128)の枢動に応答して、超音波ブレード(160)から離れる方向に枢動可能となる。クランプアーム(144)がトリガ(128)に連結され得る他の様々な好適な方法は、本明細書に引用されている様々な参照特許文献に開示されており、クランプアーム(144)がトリガ(128)に連結され得る更に他の様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。いくつかの変形形態では、クランプアーム(144)及び/又はトリガ(128)を図1に示す開放位置へと付勢するために、1つ又は2つ以上の弾性部材が使用される。
【0017】
本実施例では、超音波変換器アセンブリ(112)は、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)から近位方向に延在する。いくつかの他の変形形態では、変換器アセンブリ(112)は、本体(122)内に完全に一体化される。変換器アセンブリ(112)は、ケーブル(114)を介して発生器(116)に連結している。変換器アセンブリ(112)は発生器(116)から電力を受電して、当該分野においてよく知られている圧電原理により、その電力を超音波振動へと変換する。発生器(116)は、コントローラ(118)と協働して、変換器アセンブリ(112)による超音波振動の生成に特に適した電力プロファイルを変換器アセンブリ(112)に提供する。コントローラ(118)は、図1では発生器(116)とは別体のボックスで表現されているが、コントローラ(118)と発生器(116)とが単一のユニットとして一体化されてもよい。あくまでも一例としてではあるが、発生器(116)は、Ethicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN04又はGEN11を含み得る。追加的に又は代替的に、発生器(116)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年3月24日発行の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題された米国特許第8,986,302号の教示の少なくとも一部に従って構築することができる。更に、発生器(116)の機能の少なくとも一部がハンドルアセンブリ(120)に組み込まれていてもよく、またハンドルアセンブリ(120)は更に電池又はその他の搭載された電源を含んでもよく、そうすることでケーブル(114)が省略されることも理解すべきである。発生器(116)が取り得る更にその他の好適な形態、並びに発生器(116)が提供し得る種々の特徴及び動作性は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0018】
本実施例のエンドエフェクタ(140)は、クランプアーム(144)と、超音波ブレード(160)とを含む。クランプアーム(144)は、ブレード(160)に面する、クランプアーム(144)の下側に固定されたクランプパッドを含む。あくまでも一例としてではあるが、クランプパッドは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料及び/又は任意の他の好適な材料(複数可)で形成することができる。あくまでも更なる一例としてではあるが、クランプパッドは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月9日発行の「Combination Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」と題された米国特許第7,544,200号の教示の少なくとも一部に従って、更に構築され得、動作可能であり得る。
【0019】
クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)に向うトリガ(128)の枢動に応答して、ブレード(160)に向かうように、かつそれから離れるように選択的に枢動して、クランプアーム(144)とブレード(160)との間で組織を選択的にクランプするように動作可能である。本実施例のブレード(160)は、特に組織がクランプアーム(144)とブレード(160)との間にクランプされている場合、超音波周波数で振動して、組織を効果的に切断しかつ封止するように動作可能である。ブレード(160)は、ブレード(160)を振動させるための音響導波管(図示せず)及び変換器アセンブリ(112)を含む音響ドライブトレインの遠位端に位置付けられている。あくまでも一例としてではあるが、音響導波管及びブレード(160)は、Ethicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により製品コードSNGHK及びSNGCBとして販売されている構成要素を含んでもよい。あくまで更なる一例としてではあるが、音響導波管及びブレード(160)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年7月23日発行の「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」と題された米国特許第6,423,082号の教示に従って構築され得、動作可能であり得る。別の単なる例示的な例として、音響導波管及びブレード(160)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月28日発行の「Ultrasonic Scalpel Blade and Methods of Application」と題された米国特許第5,324,299号の教示に従って構築され得、動作可能であり得る。音響導波管及びブレード(160)に使用され得る他の好適な特性及び構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0020】
本実施例では、ブレード(160)の遠位端は、可撓性の音響導波管を介して伝達される共振超音波振動に関連付けられたアンチノードに対応する位置に位置することにより、音響アセンブリが組織によって負荷をかけられていないときに音響アセンブリを好ましい共振周波数fに同調させる。変換器アセンブリ(112)が通電されると、ブレード(160)の遠位端は、例えば、50kHz又は55.5kHzの所定の振動周波数fで、例えば、ピーク間で約10~500マイクロメートルの範囲、いくつかの実例では約20~約200マイクロメートルの範囲で、長手方向に運動するように構成されている。本実施例の変換器アセンブリ(112)が起動されると、これらの機械的な振動が導波管を通じて伝達されてブレード(160)に到達し、その結果、共振超音波周波数でのブレード(160)の振動がもたらされる。したがって、組織がブレード(160)とクランプアーム(144)との間に固定されているときに、ブレード(160)の超音波振動が、組織の切断及び隣接した組織細胞におけるタンパク質の変性を同時に行い、それにより、比較的小さい熱拡散で凝固効果が提供され得る。いくつかの変形形態では、組織を焼灼するために、電流がブレード(160)及びクランプアーム(144)を通して更に供給されてよい。例えば、ブレード(160)及びクランプアーム(144)は、超音波エネルギーを組織に印加するように構成されていることに加え、高周波(RF)電気外科エネルギーを組織に印加するように構成されてもよい。
【0021】
本実施例のエンドエフェクタ(140)は、クランプアーム(144)とブレード(160)との間に捕捉された組織に高周波(RF)電気外科エネルギーを印加するように更に動作可能である。あくまでも一例としてではあるが、エンドエフェクタ(140)は、エンドエフェクタ(140)が組織に単極RF電気外科エネルギーを印加するように患者に固定される従来の接地パッドと協働する単一の電極を含み得る。あくまでも別の例示的な例としてではあるが、クランプアーム(144)は、組織に双極RF電気外科エネルギーを印加するように動作可能な2つの電極を含み得る。あくまでも更に別の例示的な例としてではあるが、クランプアーム(144)は、単一電極を含み得、超音波ブレード(160)は、帰還路として機能し得、それにより、超音波ブレード(160)がクランプアーム(144)の電極と協働して、組織に双極RF電気外科エネルギーを印加するようになっている。上記に加えて又は上記の代替として、エンドエフェクタ(140)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号の教示の少なくとも一部に従って構築され得、動作可能であり得る。他の好適な配置が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0022】
器具(110)は、エンドエフェクタ(140)を介して組織に超音波エネルギーのみを、エンドエフェクタ(140)を介して組織にRF電気外科エネルギーのみを、又はエンドエフェクタ(140)を介して組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの何らかの組み合わせを選択的に印加する、種々の方法をオペレーターに提供し得る。エンドエフェクタ(140)が組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの組み合わせを印加するように動作可能な変形形態では、エンドエフェクタ(140)は、組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーを同時に印加するように構成され得る。更に又は代替として、エンドエフェクタ(140)が組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの組み合わせを印加するように動作可能な変形形態では、エンドエフェクタ(140)は、組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーを順次に印加するように構成され得る。かかる順序は、所定であってもよく、又は検知された組織状態(例えば、組織温度、密度、厚さなど)に基づいてもよい。使用され得る種々の好適な制御アルゴリズムは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許出願公開第2015/0141981号に開示されている。また、超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの制御は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号の教示の少なくとも一部に従って提供されてもよいことも理解されたい。
【0023】
ボタン(125、126)は、エンドエフェクタ(140)を介して組織に印加されるエネルギーの様々な制御をオペレーターに提供してもよい。例えば、いくつかの変形形態では、ボタン(125)は、RF電気外科エネルギーを組織に印加するために起動され得る一方、ボタン(126)は、超音波エネルギーを組織に印加するために起動され得る。あくまでも別の例示的な実施例としてではあるが、ボタン(125)は、(例えば、RF電気外科エネルギーも組織に印加することなく、RF電気外科エネルギーを組織に同時に印加することなく、又は超音波エネルギーと共に順番にRF電気外科エネルギーを組織に印加することなく)超音波エネルギーを低電力レベルで組織に印加するように起動され得る一方で、ボタン(126)は、(例えば、RF電気外科エネルギーも組織に印加することなく、RF電気外科エネルギーを組織に同時に印加することなく、又は超音波エネルギーと共に順番にRF電気外科エネルギーを組織に印加することなく)超音波エネルギーを高電力レベルで組織に印加するように起動され得る。追加的に又は代替的に、ボタン(125、126)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許出願公開第2015/0141981号の教示の少なくとも一部に従って機能を提供し得る。ボタン(125、126)が器具(110)の動作を提供し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0024】
II.再利用可能な構成要素と使い捨て可能な構成要素との組み合わせを有する例示的な超音波外科用器具
いくつかの例において、使い捨ての構成要素(例えば、1回の外科手術のみで使用されるように構成されているもの)と、再利用可能な構成要素(例えば、2回以上の外科手術で使用されるように構成されているものであって、外科手術と外科手術との間に再処理及び滅菌等が施されるもの)との組み合わせによって形成される器具(110)の形態を提供することが望ましい場合があり得る。あくまでも一例としてではあるが、外科手術の前に外科用器具の使い捨て可能な構成要素と再利用可能な構成要素とを1つに組み立てて外科用器具を形成し、次いで外科手術を実施するために組み立てられた外科用器具を使用し、その後、手術が完了した後で外科用器具の使い捨ての構成要素と再利用可能な構成要素とを分解するようにしてもよい。外科手術用器具の構成要素を使い捨てのもの/再利用可能なものの2種類に分けることによって、全体が使い捨てのユニットとして提供される従来の器具の場合に比べて、コストの低減及び全体的な無駄の削減が実現され得る。
【0025】
図2及び図3は、超音波外科用器具(200)の形態である器具(110)の例示的な変形形態を示している。以下にそうではないと説明されている場合を除いて、超音波外科用器具(200)は、上述の器具(110)と同様に、かつ/又は本明細書に引用された種々の参照特許文献の様々な教示の任意のものに従って構成され得、かつ動作可能とされ得る。外科手術用器具(200)は、使い捨ての構成要素及び再利用可能な構成要素に容易に分解できるように構成されている。具体的には、この実施例の外科用器具(200)は、再利用可能なアセンブリ(204)及び使い捨て式アセンブリ(202)を備える。完全に組み立てられると、超音波外科用器具(200)は、超音波ブレード(222)と、超音波ブレード(222)に向かったり離れたりする方向に枢動可能であるクランプアーム(214)と、を含むエンドエフェクタ(220)を提供する。こうしてエンドエフェクタ(220)は、本明細書で説明され、また本明細書で引用される様々な参考文献で説明されるように、組織を把持、超音波封止、及び超音波切断するように動作可能である。
【0026】
再利用可能なアセンブリ(204)は、同様に本明細書で説明され、また本明細書で引用される様々な参考文献で説明されるように、電力を超音波振動に変換するように動作可能である超音波変換器(208)を備える。超音波変換器(208)は、その一部が図3に示される音響導波管(234)を介して、超音波ブレード(222)と音響的に結合される。超音波変換器(208)、超音波ブレード(222)、及び音響導波管(234)は、本明細書で引用される様々な参考文献のいずれかの教示に従って、又は任意の他の好適な方法で構成され得ることを理解されたい。
【0027】
本実施例の部分的に使い捨て式のアセンブリ(202)は、使い捨て式のサブアセンブリ(210)と再利用可能なサブアセンブリ(230)とを備える。サブアセンブリ(210、230)は、部分的に使い捨て式のアセンブリ(202)を形成するために一体に結合されるように構成され、部分的に使い捨て式のアセンブリ(202)は続いて再利用可能なアセンブリ(204)と結合されて、完全な超音波外科用器具(200)を形成することができる。図3に示すように、使い捨て式のサブアセンブリ(210)は外側管(212)を備える。クランプアーム(214)は、外側管(212)の遠位方向に突出する舌状部と枢動可能に結合されている。結合部材(216)は、外側管(212)の近位端にしっかりと固定される。使い捨て式のサブアセンブリ(210)は、外管(212)の遠位端内に同軸にかつ摺動可能に配置された遠位内管部材(図示せず)を更に備える。この遠位内管部材は、遠位内管部材の遠位方向に突出した舌状部を介して、クランプアーム(214)に枢動可能に結合されている。したがって、外側管(212)が遠位内側管部材に対して長手方向に移動すると、クランプアーム(214)は超音波ブレード(222)に向かったり離れたりする方向に枢動する。
【0028】
本実施例の再利用可能なサブアセンブリ(230)は、ハンドルアセンブリ(240)、近位内管部材(232)、音響導波路(234)、及び超音波ブレード(222)を備える。サブアセンブリ(210、230)が組み立てられる場合には、近位内管部材(232)が、使い捨て式のサブアセンブリ(210)の遠位内管部材にまず着脱可能に結合されるように構成されている。近位内管部材(232)が使い捨て式のサブアセンブリ(210)の遠位内管部材に結合される場合、内管部材(232)はハンドルアセンブリ(240)に対して、長手方向に静止状態にとどまる。
【0029】
ハンドルアセンブリ(240)は、ピストルグリップ(244)を画定するハウジング(242)を含む。ハンドルアセンブリ(240)は、ピストルグリップ(244)へと向かうように、またそれから離れるように枢動可能なトリガ(246)と、一対のボタン(250、252)とを更に含む。ボタン(250、252)は、超音波変換器(208)を作動させ、それにより超音波ブレード(222)を起動させるように動作可能である。具体的には、一方のボタン(250)は、ある出力レベル又はプロファイルで超音波ブレード(222)を起動させ、他方のボタン(252)は、別の出力レベル又はプロファイルで超音波ブレード(222)を起動させる。当然ながら、任意の他の好適なユーザー入力機構(複数可)が用いられてもよい。ハンドルアセンブリ(240)は、エンドエフェクタ(220)で、RF電気外科エネルギーを起動させるように動作可能な機能部(例えば、上述のボタン(125)のようなもの)を含むように変形され得るということも理解されたい。
【0030】
トリガ(246)は、クランプアーム(214)を作動させるように動作可能であるが、その場合には、ピストルグリップ(244)に向かってトリガ(246)が枢動された場合に、クランプアーム(214)が超音波ブレード(222)に向かって枢動するようになっており、かつピストルグリップ(244)から遠ざかるようにトリガ(246)が枢動された場合に、クランプアーム(214)が超音波ブレード(222)から遠ざかるように枢動するようになっている。本実施例では、この運動は、内側管部材(232)がハウジング(242)に対して長手方向に静止した状態を維持しながら、トリガ(246)の枢動に応答して外側管(212)をハウジング(242)に対して長手方向に移動させることにより提供される。トリガ(246)の枢動に応答して外側管(212)を長手方向に移動させることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。また、一部の代替的形態では、クランプアーム(214)は、外側管(212)がハウジング(242)に対して長手方向に静止した状態を維持しながら、内側管部材(232)をハウジング(242)に対して長手方向に移動させることによって枢動されることも理解されたい。
【0031】
図2及び図3に示すように、本実施例のハンドルアセンブリ(240)は、ノブ部材(254)を更に含む。ノブ部材(254)は、ハウジング(242)に対して回転可能である。器具(200)が完全に組み立てられると、ノブ部材(254)は音響導波管(234)、内側管部材(232)、及び外側管(212)と結合され、これらの構成要素が共にハウジング(242)に対して一体的に回転する。ノブ部材(254)はまた、使い捨て式のサブアセンブリ(210)が再利用可能なサブアセンブリ(230)と結合されているとき、使い捨て式のサブアセンブリ(210)に対してガイダンスを提供する。あくまでも一例としてではあるが、ノブ部材(254)は、本明細書に引用される様々な参照文献のうちのいずれかの教示に従って構成されてもよく、動作可能であってもよい。
【0032】
外科手術で超音波外科用器具(200)が使用された後、再利用可能なアセンブリ(204)は部分的に使い捨て式のアセンブリ(202)から取り外してもよい。再利用可能なアセンブリ(204)が部分的に使い捨て式のアセンブリ(202)から取り外された後、続いて使い捨て式のサブアセンブリ(210)が再利用可能なサブアセンブリ(230)から取り外される。再利用可能なアセンブリ(204)、使い捨て式のサブアセンブリ(210)、及び再利用可能なサブアセンブリ(230)は、次に、それぞれ異なる種類の処理を受ける。そのような後続の処理の例が以下に記載されるが、本明細書の教示を考慮することで、他の例が当業者に明らかとなるであろう。
【0033】
一部の例では、再利用可能なアセンブリ(204)は、最大100回まで洗浄、滅菌、及び再利用され得る(あくまでも一例として)。使い捨て式のサブアセンブリ(210)が1度の手術でしか使われないように、使い捨て式のサブアセンブリ(210)を即座に廃棄してもよい。再利用可能なサブアセンブリ(230)は、2~20回にわたって、洗浄され、滅菌され、異なる外科手術の際に再利用されてもよい(あくまでも一例として)。当然ながら、これらの再利用シナリオはあくまでも例示的な例にすぎない。それでもなお、部分的に使い捨て式のアセンブリ(202)の構成は、各外科手術の後に廃棄される使い捨て材料の量を最小化できるということを理解されたい。また、いくつかの形態において、部分的に使い捨てのアセンブリ(202)は、単に、単一のユニットとして廃棄されることも理解されたい。すなわち、いくつかの態においては、部分的に使い捨て可能なアセンブリ(202)は、使い捨てのサブアセンブリ(210)及び再利用可能なサブアセンブリ(230)に分解されるように構成されてはいない。
【0034】
あくまでも一例としてではあるが、再使用のための手術後の処理の一部として、再利用可能なアセンブリ(204)及び/又は再利用可能なサブアセンブリ(230)を、従来の比較的低温、比較的低圧の過酸化水素滅菌プロセス(例えば、Advanced Sterilization Products(Irvine,California)製のSTERRAD(登録商標)Ultrasonic Surgical Instrument with Removable Shaft Assembly Portion滅菌システム)で滅菌することができる。代替的には、再利用可能なアセンブリ(204)及び/又は再利用可能なサブアセンブリ(230)は、任意の他の好適なシステム及び技術を用いて滅菌してもよい。
【0035】
前述に加えて、器具(200)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月20日出願の「Ultrasonic Surgical Instrument with Removable Shaft Assembly Portion」と題された米国特許出願第15/270,540号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月20日出願の「Ultrasonic Surgical Instrument with Removable Shaft Assembly Portion」と題された米国特許出願第15/270,600号の教示の少なくとも一部に従って構築され得、動作可能とされ得る。加えて又は代替的に、器具(200)は、本明細書に引用される様々な参照特許文献のうちのいずれかの教示の少なくとも一部に従って構築され得、かつ動作可能とされ得る。
【0036】
III.例示的なライフサイクルインジケータアセンブリ
いくつかの変形形態では、部分的に使い捨て式のアセンブリ(202)及び/又は再利用可能なアセンブリ(204)は、対応するアセンブリ(202、204)の使用を追跡するように動作可能であり、かつ、使用に基づいて対応するアセンブリ(202、204)の動作可能性を選択的に制限する、1つ又は2つ以上の機能部を含む。例えば、部分的に使い捨て式のアセンブリ(202)及び/又は再利用可能なアセンブリ(204)は、1つ又は2つ以上の集計センサと、集計センサ(複数可)と通信する制御論理部(例えば、マイクロプロセッサなど)とを含み得る。集計センサ(複数可)は、超音波変換器(208)が起動した回数、対応するアセンブリ(202、204)が使用された外科手術の回数、トリガ(246)閉鎖の回数、及び/又は使用と関連する任意の他の好適な条件を検出することが可能であり得る。いくつかの変更例では、EEPROM又は同様のデバイスが、部分的に使い捨て式のアセンブリ(202)及び/又は再利用可能なアセンブリ(204)の使用を追跡するために用いられる。
【0037】
制御論理部は、集計センサ(複数可)からのデータを追跡し、1つ又は2つ以上の閾値とデータを比較し得る。制御論理部は、1つ又は2つ以上の閾値が超えられていると判定した場合、制御アルゴリズムを実行して、対応するアセンブリ(202、204)内の1つ又は2つ以上の構成要素の動作可能性を無効にし得る。制御論理部が2つ以上の閾値(例えば、起動回数のための第1の閾値、及び外科手術回数のための第2の閾値など)を記憶している場合、制御論理部は、それらの閾値のうちの1つが最初に超えられたときか、又は何らかの他の基準に基づいて、対応するアセンブリ(202、204)内の1つ又は2つ以上の構成要素の動作可能性を無効にし得る。
【0038】
制御論理部が使用回数に基づいて器具(200)を少なくとも部分的に無効にするように動作可能な変形形態では、制御論理部は更に、器具(200)が現在、外科手術に使用されているかどうかを判定して、その特定の外科手術が完了するまで、器具(200)を無効にしないでおくこともできる。換言すれば、制御論理部は、オペレーターが現在の外科手術を完了できるようにするが、器具(200)(又は器具(200)の部位)が後続の外科手術で使用されることを防ぐことができる。このようなカウンタ又は他のセンサが取り得る様々な好適な形態は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。制御論理部が取り得る様々な好適な形式もまた、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかになるであろう。同様に、器具(200)(又は器具(200)の部位)の使用を制限するのに使用することができる様々な好適な制御アルゴリズムは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0039】
いくつかの例においては、例えば上述の再利用可能なサブアセンブリ(230)のような、複数回使用できるように設計されている再利用可能なサブアセンブリは、所定の回数にわたって再使用された後、自動的に停止するように構成され得る。したがって、再利用可能なサブアセンブリ(230)によって所定の再利用回数が計数されると、そのサブアセンブリはそれ以上、完全に動作可能な外科用器具(200)を形成するようには動作し得ない。こうした場合には、洗浄、滅菌、及び再利用されるように構成されたある特定の再利用可能なサブアセンブリ(230)が、あと何回の使用できるかを判定することが望ましい場合があり得る。これにより、オペレーターは、完全に使用済みの再利用可能なサブアセンブリ(230)を誤って洗浄、滅菌、及び再使用しようと試みることなく、その再利用可能なサブアセンブリ(230)を廃棄することが可能となり得る。以下の実施例は、ある特定の再利用可能なサブアセンブリ(230)が洗浄、滅菌、及び/又はその他の処理を受ける前に、その再利用可能なサブアセンブリ(230)があと何回使用可能であるかを判定するよう動作可能な装置に関するものである。以下の実施例は再利用可能なサブアセンブリ(230)のコンテキストで提供されるものであるが、以下の教示は、他の様々な種類の使い捨て式アセンブリ及びサブアセンブリに容易に適用され得る。
【0040】
A.例示的な外部ライフサイクルインジケータアセンブリ
図4及び図5は、再利用可能なサブアセンブリ(230)がまだ使用可能であるかどうかを示すフィードバックをオペレーターに提供するために、再利用可能なサブアセンブリ(230)に選択的に接続され得る、例示的なマルチ使用カウンター(300)を示す。図4において最も良く示されているように、マルチ使用カウンター(300)の外殻部は、表示部(304)と、プラグ差込口(306)と、インターフェイスタワー(312)とを有するハウジング(302)を含む。インターフェイスタワー(312)は、コンタクトリング(310)を含む。コンタクトリング(310)は、外科用器具(200)が外科手術において通常使用されている最中にハンドルアセンブリ(240)に結合される変換器アセンブリ(208)上に配置されるであろうコンタクトリングを模倣するようにサイズを決められ、構成され、かつ配置される。以下に詳細に記述されるように、コンタクトリング(310)及びプラグ差込口(306)は共に、第2のサブアセンブリ(230)があと何回使用され得るかを判定するために、第2のサブアセンブリ(230)に接続されるように構成されている。本実施例においては、第2のサブアセンブリ(230)が用いられているが、マルチ使用カウンター(300)は、任意の他のアセンブリ/サブアセンブリがそれまでに何回使用されたかをカウントするように構成されている限りにおいて、そのサブアセンブリ/アセンブリと共に動作するように構成され得る。
【0041】
図5は、マルチ使用カウンター(300)の例示的な回路構成を示している。図示されているように、ハウジング(302)は、プラグ差込口(316)と電気的に連通する処理回路(306)と、表示装置(304)と、電源(314)とを含む。処理回路(316)はまた、コンタクトリング(310)及び圧力スイッチ(318)と電気的に連通する。圧力スイッチ(318)とコンタクトリング(310)も互いに電気的に連通している。以下でより詳細に検討されるように、処理回路(316)は、再利用可能なサブアセンブリ(230)から情報を読み取り、サブアセンブリ(230)があと何回の手術で使えるかを計算するように構成されている。
【0042】
圧力スイッチ(318)は、重量がコンタクトリング(310)上にかかっているかどうか、あるいは力がそれ以外の方法でコンタクトリング(310)にかかっているかどうかを判定し、コンタクトリング(310)と再利用可能なサブアセンブリ(230)との間の連結を示すように構成されている。圧力スイッチ(318)が、コンタクトリング(310)上に十分な重量がかかっていると判定した場合、又はコンタクトリング(310)上に、その他の方法で十分な力がかかっていると判定した場合、圧力スイッチ(318)は処理回路(316)に対して、重量/力の存在を示す。それに対して処理回路(316)は、コンタクトリング(310)からの情報を読み取り、続いて、コンタクトリング(310)を介して受信した使用情報に基づいて表示装置(304)を駆動する。代替的に、プラグ差込口(306)もまた、プラグ差込口(306)と外部との電気的接続が確立されたときに使用情報を処理回路(316)に伝達するように構成されている。
【0043】
図6に示されるように、再利用可能なサブアセンブリ(230)のハンドルアセンブリ(240)は、再利用可能なサブアセンブリ(230)がそれまでに使用された回数をカウントするように構成されているカウント回路(270)を含む。あくまでも一例としてではあるが、カウント回路(270)は、再利用可能なサブアセンブリ(230)がそれまでに使用された外科手術の回数、ボタン(250、252)がそれまでに起動された回数、トリガ(246)が閉じられた回数、及び/又は使用に関連付けられた任意の他の好適な条件をカウントするように構成され得る。カウント回路(270)に組み込むことのできる他の好適な構成要素は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。いくつかの変形形態において、ハンドルアセンブリ(240)は、再利用可能なサブアセンブリ(230)が外科手術において使用される度に発生器(116)又はコントローラ(118)によって更新されるEEPROM又は他の機能部を備える。このような形態においては、EEPROMは、カウント回路(270)(又は少なくともその一部)を構成し得る。
【0044】
カウント回路(270)がEEPROMを含む一部の形態では、そのEEPROMは、デュアル電力/通信モードで動作する近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)EEPROMタグを含み得る。あくまでも一例としてではあるが、このようなNFC EEPROMタグは、STMicroelectronics(Geneva,Switzerland)製のM24SR02タグを備えていてもよい。上述したように、発生器(116)又はコントローラ(118)は、上記のようなNFC EEPROMに使用回数に関するトラッキングデータを書き込んでもよい。再利用可能なサブアセンブリ(230)が無給電状態にある場合には、従来のNFC読取装置(例えば、携帯電話又は他の商用読取装置等)を用いてNFC EEPROMを読み取り、それによって使用回数に関するデータを得てもよい。
【0045】
本実施例のハンドルアセンブリ(240)は、カウント回路(270)と電気的に連通するスリップリングカップリング(260)も備える。スリップリングカップリング(260)はまた、超音波変換器(208)のスリップリングと係合するように構成され、それによって、超音波変換器(208)が、ケーブル(114)とハウジング(242)とに対して回転するのを可能にしながらも、ケーブル(114)と超音波変換器(208)との間の電気的連続性を提供するようになっている。既に述べたように、インターフェイスタワー(312)のコンタクトリング(310)は超音波変換器(208)のコンタクトリングを模倣するように構成されている。したがって、インターフェイスタワー(312)のコンタクトリング(310)は、図6に示すように、再利用可能なサブアセンブリ(230)のスリップリングカップリング(260)と結合するように構成され得るということを理解されたい。これによって、インターフェイスタワー(312)のコンタクトリング(310)は、カウント回路(270)と通信するように構成され得る。
【0046】
図6に示す構成にするためには、再利用可能なアセンブリ(2040がハンドルアセンブリ(240)から取り外された後、オペレーターは単に、スリップリングカップリング(260)がコンタクトリング(310)と電気的連通するように、インターフェイスタワー(312)をハンドルアセンブリ(240)によって画定される開口(262)を通じて配置すればよい。このとき、コンタクトリング(310)はカウント回路(270)と通信しており、再利用可能なサブアセンブリ(230)の重量は、インターフェイスタワー(312)上にかかり、それによって力スイッチ(318)を起動させる。圧力スイッチ(318)からの、インターフェイスタワー(312)上に再利用可能なサブアセンブリ(230)が着座したことを示す信号に応答して、処理回路(316)は、コンタクトリング(310)及びスリップリングカップリング(260)を介してカウント回路(270)から情報を読み取る。
【0047】
それによって処理回路(316)は、カウント回路(270)からデータを受信し、カウント回路(270)によって指示された使用回数に基づいて、特定の応答を処理回路(316)が提供することを可能にする。あくまでも一例としてではあるが、処理回路(316)は、表示装置(304)を介してフィードバックの形で応答を提供してもよい。例えば、処理回路(316)は、表示装置(304)を駆動して、再利用可能なサブアセンブリ(230)があと何回使用できるかを示す特定の数を示す情報を表示するようにしてもよい。代替的には、処理回路(316)は、表示装置(304)を駆動して、単に、再利用可能なサブアセンブリ(230)がまだ使用可能であるかどうかを表示するようにしてもよい(例えば、再利用可能なサブアセンブリ(230)がまだ少なくとももう1回使用可能である場合には、グリーンが点灯するように表示装置(304)を起動し、再利用可能なサブアセンブリ(230)がもう使用不可能である場合には、レッドが点灯するように表示装置(304)を起動する)。表示装置(304)を介して提供され得る、使用に関するフィードバックの、様々な好適な形態については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0048】
同様に、表示装置(304)が取り得る様々な好適な形態は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。表示装置(304)を用いることに加えて、又はそれに代えて、様々な他の種類のユーザーへのフィードバックを担う機能部が用いられ得るということも理解されたい。あくまでも一例としてではあるが、別のユーザーフィードバック機能部は、可聴音を出すように構成され、それによってオペレーターに可聴フィードバックを提供するように構成されているスピーカ又は他の構成要素を含み得る。
【0049】
いくつかの他のシナリオにおいては、オペレーターが、まだあと何回、再利用可能なサブアセンブリ(230)が使用可能であるのかを判定したいと望む場合にもなお、再利用可能なアセンブリ(204)が再利用可能なサブアセンブリ(230)に接続されていてもよい。このようなシナリオにおいて、再利用可能なサブアセンブリ(230)は、スリップリングカップリング(260)を介して再利用可能なアセンブリ(204)と電気的に連通している。このようなシナリオにおいて、再利用可能なアセンブリ(204)は、スリップリングカップリング(260)を介してカウント回路(270)と通信している。図7に示すように、再利用可能なアセンブリ(204)がまだ再利用可能なサブアセンブリ(230)に接続されているときに、オペレーターは再利用可能なアセンブリ(204)からの通信ケーブル(114)をプラグ差込口(306)に取り付けることができる。次に、カウント回路(270)は、スリップリングカップリング(260)、再利用可能なアセンブリ(204)、及び通信ケーブル(114)を介して情報をプラグ差込口(306)に伝達し得る。プラグ差込口(306)は、次にこの情報を処理回路(316)に転送することができ、処理回路(316)は次に、上述のように、カウント回路(270)から指示された使用回数の情報に基づいて表示装置(304)を駆動し得る。
【0050】
本実施例において、マルチ使用カウンター(300)はコンタクトリング(310)とプラグ差込口(314)との組み合わせを有するが、代替的には、マルチ使用カウンター(300)が、必要に応じて、コンタクトリング(310)のみを有しても、又はプラグ差込口(314)のみを有してもよく、あるいは、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるように、カウント回路(270)上の情報を読み取るための任意の他の好適なインターフェイスを有し得ることを理解すべきである。
【0051】
B.例示的な一体型ライフサイクルインジケータアセンブリ
図8は、一体的なライフサイクルインジケータアセンブリを有する、例示的な代替の再利用可能なサブアセンブリ(350)を図示している。以下にそうではないと説明されている場合を除いて、再利用可能なサブアセンブリ(350)は上述の再利用可能なサブアセンブリ(230)と同様に構成され得、動作可能とされ得る。再利用可能なサブアセンブリ(350)は、使い捨て式のサブアセンブリ(210)と再利用可能なアセンブリ(204)に結合されて、器具(200)の一変更例を形成し得るということを理解されたい。
【0052】
本実施例の再利用可能なサブアセンブリ(350)は、カウント回路(352)と、カウント回路起動ボタン(352)と、インジケータライト(354)とを収容する本体(351)を含む。起動ボタン(357)はカウント回路(352)と電気的に連通し、カウント回路(352)はインジケータライト(354)と電気的に連通する。あくまでも一例としてではあるが、カウント回路(352)は、上述のように、EEPROM(例えば、NFC EEPROM又はその他の種類のEEPROM)を備え得る。カウント回路(352)を形成するために使用し得る他の好適な構成要素及び構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。カウント回路(352)、インジケータライト(354)、及び起動ボタン(357)は全て、本体(351)のピストルグリップ(353)内/上に配置されているものとして図示されているが、カウント回路(352)、インジケータライト(354)、及び/又は起動ボタン(357)は、そのような配置に代えて、任意の他の好適な位置に配置され得るということを理解されたい。
【0053】
使用時には、オペレーターは、起動ボタン(357)を押して、カウント回路(352)に、再利用可能なサブアセンブリ(350)があと何回使用できるかを算出するように、ないしは別の方法で提供するように命令することができる。使用できる回数がゼロより大きい場合、インジケータライト(354)が、再利用可能なサブアセンブリ(350)を再び使用することができるということをオペレーターに示すように点灯する。あくまでも一例としてではあるが、再利用可能なサブアセンブリ(350)が少なくともあと1回使用可能である場合には、インジケータライト(354)はグリーンライトを発光するようになっていてもよい。使用可能回数がゼロであれば、インジケータライト(354)が、再利用可能なサブアセンブリ(350)を再び使用することはできないということをオペレーターに示すように点灯する。あくまでも一例としてではあるが、再利用可能なサブアセンブリ(350)をもう使用できないという場合には、インジケータライト(354)はレッドライトを発光するようになっていてもよい。
【0054】
本実施例では、インジケータライト(354)は、1つ又は2つ以上のLEDを含むが、任意の他の好適な種類のインジケータを使用してもよい。あくまでも一例としてではあるが、インジケータライト(354)は代替的に、再利用可能なサブアセンブリ(350)がまだあと何回使用できるかを示す表示装置(例えば、LCD表示装置)を備え得る。あと何回使用できるかを示す、様々な他の好適な種類のインジケータが、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。本体(351)は、起動ボタン(357)の作動に応答して、カウント回路(352)にクエリを実行しかつインジケータライト(354)を点灯させるのに必要な電力を供給するように構成されている、バッテリ(図示せず)又は他の内部電源を更に備え得るということも理解されたい。以下に、内蔵型電源の例示的な他の例が、より詳細に記載される。
【0055】
図9は、一体型ライフサイクルインジケータアセンブリを有する、別の例示的な代替の再利用可能なサブアセンブリ(400)を図示している。以下にそうではないと説明されている場合を除いて、再利用可能なサブアセンブリ(400)は上述の再利用可能なサブアセンブリ(230)と同様に構成され得、動作可能とされ得る。したがって、再利用可能なサブアセンブリ(400)は、使い捨て式のサブアセンブリ(210)及び再利用可能なアセンブリ(204)に結合されて、器具(200)の一変更例を形成し得ることを理解されたい。
【0056】
本実施例の再利用可能なサブアセンブリ(400)は、圧電アセンブリ(414)と、処理回路(412)と、カウント回路(416)と、インジケータライト(410)とを収容する本体(402)を含む。本実施例の圧電アセンブリ(414)は、オペレーターが手動で圧電アセンブリ(414)を操作するのに応答して、比較的小さい電流を発生させるように構成されている。あくまでも一例としてではあるが、圧電アセンブリ(414)は、オペレーターが本体(402)を振る動作に応答して、オペレーターがボタンを押してバネ上げ式ハンマーを作動させて圧電素子を打撃させる(例えば、ガスグリル又はシガレットライターのための、従来の押しボタン式点火器のように)のに応答して、及び/又は他の形での操作に応答して、電流を発生させるように構成され得る。オペレーターによる手動入力に基づいて圧電素子を作動させるために使用し得る機能部の追加的な例を以下に詳細に説明するが、本明細書の教示を考慮することで、更なる例が当業者には明らかとなるであろう。
【0057】
圧電アセンブリ(414)における圧電素子の動作は、超音波変換器(208)における圧電素子の動作と反対であるということも理解されたい。特に、圧電アセンブリ(414)における圧電素子は、機械的力(例えば、オペレーターによる手動での作動)に応答して電力を生成するように使用されるが、超音波変換器(208)における圧電素子は、電気的力に応答して機械的力(すなわち、超音波振動)を発生させるように使用される。
【0058】
処理回路(412)は、カウント回路(416)に記憶された使用回数に関するデータに基づいて、圧電アセンブリ(414)からの電力を処理してインジケータライト(410)を駆動するように構成されている。処理回路(412)を形成するために使用し得る例示的な構成について、以下により詳細に説明するが、本明細書の教示を考慮することで、他の好適な構成が当業者には明らかとなるであろう。あくまでも一例としてではあるが、カウント回路(416)は、上述のように、EEPROM(例えば、NFC EEPROM又はその他の種類のEEPROM)を備え得る。あくまでも更なる一例としてではあるが、処理回路(412)は、圧電アセンブリによって充電されかつインジケータライト(410)を駆動するために放電されるキャパシタを備え得る。回路(412、416)を形成するために使用し得る他の好適な構成要素及び構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0059】
使用時には、オペレーターは、圧電アセンブリ(414)に手動入力することができ、これにより処理回路(412)に給電して、カウント回路(416)に対するクエリを実行させ、かつカウント回路(416)からの応答に基づいてインジケータライト(410)を点灯させ得る。使用できる回数がゼロより大きい場合、インジケータライト(410)が、再利用可能なサブアセンブリ(400)を再び使用することができるということをオペレーターに示すように点灯する。あくまでも一例としてではあるが、再利用可能なサブアセンブリ(400)が少なくともあと1回使用可能である場合には、インジケータライト(410)はグリーンライトを発光するようになっていてもよい。使用可能回数がゼロであれば、インジケータライト(410)が、再利用可能なサブアセンブリ(400)を再び使用することはできないということをオペレーターに示すように点灯する。あくまでも一例としてではあるが、再利用可能なサブアセンブリ(400)をもう使用できないという場合には、インジケータライト(410)はレッドライトを発光するようになっていてよい。
【0060】
あくまでも一例としてではあるが、インジケータライト(410)は、1つ又は2つ以上のLEDを含み得るが、任意の他の好適な種類のインジケータを使用してもよい。例えば、ライト(410)は代替的に、再利用可能なサブアセンブリ(400)がまだあと何回使用できるかを示す表示装置(例えば、LCD表示装置)を備え得る。あと何回使用できるかを示す、様々な他の好適な種類のインジケータは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0061】
図10は、処理回路(412)を形成するために使用され得る例示的な回路(500)を示す。本実施例の回路(500)は、圧電電力入力部(502)と、全波ブリッジ整流器(504)と、キャパシタ(506)と、第1のスイッチ(508)と、LED(510)と、第2のスイッチ(512)とを備える。図9に図示されている再利用可能なサブアセンブリ(400)のコンテキストにおいては、圧電アセンブリ(414)は、圧電電力入力部(502)として機能し得る一方で、インジケータライト(410)は、LED(510)として機能し得る。全波ブリッジ整流器(504)は、圧電電力入力部(502)と連通し、閉ループブリッジを形成するように直列の対に結合された4つの整流ダイオードにより形成される。キャパシタ(506)は、全波ブリッジ整流器(504)とも連通しており、当該技術分野では公知のように、キャパシタ(506)は、比較的平滑な直流出力電圧を提供するために、全波ブリッジ整流器(504)の出力を「平滑にする」ように構成されている。
【0062】
第1のスイッチ(508)は、デフォルト状態では開状態のままとなるように構成されているが、オペレーターの手動での入力に応答して閉状態に遷移するように更に構成されている。あくまでも一例としてではあるが、第1のスイッチ(508)は、開状態に弾性的に付勢され得るが、手動入力(例えば、オペレーターがボタンを押す等)を受けて閉状態に遷移してもよい。第1のスイッチ(508)が開状態にある場合、LED(510)は、全波ブリッジ整流器(504)からの電力を受けることはできず、キャパシタ(506)への充電が可能となっている。第1のスイッチ(508)が閉状態のとき、LED(510)は、全波ブリッジ整流器(504)から電力を受けることができる。いくつかの変更例においては、第1のスイッチ(508)が省略され、それによって、第1のスイッチ(508)が閉じた状態である場合に回路(500)が振る舞うように、回路(500)は一貫して振る舞うようになっている。第1のスイッチ(508)が含まれる形態では、オペレーターは第1のスイッチ(508)を作動させ、キャパシタ(506)を放電させて、LED(510)を点灯させ得る。これにより、再利用可能なサブアセンブリ(400)がまだ使用可能であるかどうか選択的に判定するために、オペレーターは第1のスイッチ(508)を作動させ得る。
【0063】
カウント回路(514)に記憶された使用に関するデータに基づいて、第2のスイッチ(512)が作動される。あくまでも一例としてではあるが、第2のスイッチ(512)は、例えば、リレーの形態であってもよい。第2のスイッチ(512)を形成するために使用し得る他の好適な構成要素及び構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。あくまでも更なる一例としてではあるが、カウント回路(514)は既に説明したEEPROMを含むことができる。カウント回路(514)を形成するために使用し得る他の好適な構成要素及び構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0064】
いくつかの変更例においては、第2のスイッチ(512)は、再利用可能なサブアセンブリがその最大限の回数使用されたことをカウント回路(514)が示すまで、開放状態のままであるように構成されている。このような変形形態では、再利用可能なサブアセンブリがまだ少なくとも1回使用可能であるという場合には、オペレーターが圧電電力入力部(502)及び第1のスイッチ(508)を作動させても、LED(510)は点灯しないままである。しかし、再利用可能なサブアセンブリがもう1回も使用することができないという場合には、オペレーターが圧電電力入力部(502)及び第1のスイッチ(508)を作動させると、LED(510)は点灯する(例えば、レッド)。
【0065】
一部の他の変形形態では、再利用可能なサブアセンブリがまだ少なくとも1回使用可能であるという場合には、オペレーターが圧電電力入力部(502)及び第1のスイッチ(508)を作動させると、LED(510)が点灯する(例えば、グリーン)。しかし、再利用可能なサブアセンブリがもう1回も使用することができないという場合には、オペレーターが圧電電力入力部(502)及び第1のスイッチ(508)を作動させても、LED(510)は点灯しないままである。
【0066】
更に別の例示的な変更例としては、第2のLED(510)を設けてもよく、第2のスイッチ(512)は、オペレーターが圧電電力入力部(502)を作動させた場合に、再利用可能なサブアセンブリがあと何回使用できるかに基づいて、第1のLED(510)又は第2のLED(510)のいずれかを用いて回路を完成するように構成され得る。オペレーターはこれにより、圧電電力入力部(502)の作動に応答して、いずれのLED(510)が点灯したかに基づいて、再利用可能なサブアセンブリがまだ使用可能であるかどうかを判定し得る。
【0067】
図11図12Cは、再利用可能なサブアセンブリ(230)がまだ使用可能であるかどうかを示す機能部を提供するために、ハンドルアセンブリ(240)に容易に組み込まれ得る、例示的な代替のハンドルアセンブリ部(600)を図示している。図11に図示されているように、ハンドルアセンブリ部(600)は、回転式アクチュエータ(610)とLED(620)とを有するハウジング(602)を備える。アクチュエータ(610)は、オペレーターによるアクチュエータ(610)の把持を促進し、それによってオペレーターがアクチュエータ(610)をハウジング(602)に対して回転させることが可能となる、グリップ機能部(612)を含む。図12A図13に図示されているように、アクチュエータ(610)は、アクチュエータ(610)の中心本体から半径方向外向きに延びる一対のパドル(614)を更に含む。本実施例では、アクチュエータ(610)が2つのパドル(614)を有するのみであり、パドル(614)は角度的に180°離間している。いくつかの他の変形形態では、単一のパドル(614)が、又は3つ以上のパドル(614)が、任意の他の好適な間隔で設けられてもよい。
【0068】
図12A図13に更に図示されているように、アクチュエータ(610)は、アクチュエータ(610)の中央本体に形成された、長手方向に延びる一対の切り欠き(616)を含む。切り欠き(616)は、パドル(614)から角度的に90°オフセットしており、これにより、切り欠き(616)どうしは角度的に180°離間している。任意の他の好適な数の切り欠き(616)を使用してもよく、切り欠き(616)は、任意の他の好適な位置決め及び/又はパドル(614)との関係性を有してもよいということを理解されたい。切り欠き(616)は、ハウジング(602)に一体の機能部として本実施例では形成されているボス(604)を受け入れるように構成されている。具体的には、ボス(604)は、各切り欠き(616)と協働して回り止めアセンブリを形成するように構成されている。これにより、ボス(604)が切り欠き(616)内に配置された場合には、ボス(604)及び切り欠き(616)が協働してハウジング(602)内でのアクチュエータ(610)の回転位置を実質的に維持し、それによってアクチュエータ(610)がハウジング(602)に対して不用意に回転することを防止するようになっている。しかし、ボス(604)及び切り欠き(616)は、ボス(604)を切り欠き(616)から外すのに十分な回転力がアクチュエータ(610)に加わると、ハウジング(602)に対してアクチュエータ(610)が意図的に回転するのを可能にする。本実施例では、パドル(614)及びボス(604)は互いに長手方向にオフセットされ、これにより、パドル(614)及びボス(604)は、アクチュエータ(610)がアクチュエータ(610)の本体の長手方向軸線の周りに少なくとも360度回転するのを可能にするように構成されている。すなわち、パドル(614)とボス(604)は、ハウジング(602)に対するアクチュエータ(610)の回転中にパドル(614)とボス(604)とが互いに干渉しないように構成され、位置決めされている。
【0069】
図12A図13に更に図示されるように、ハンドルアセンブリ部(600)は、圧電ストリップアセンブリ(640)を含む。圧電ストリップアセンブリ(640)は、第1の端部(642)と第2の端部(644)とを有している。第2の端部(644)はハウジング(602)にしっかりと固定され、第1の端部(642)はハウジング(602)に対して実質的に自由に移動可能であり、圧電ストリップアセンブリ(640)がハウジング(602)内に片持ち支持されて取り付けられるようになっている。図14に図示されているように、圧電ストリップアセンブリ(640)は、第1の圧電セラミックプレート(646)、第2の圧電セラミックプレート(648)、及びキャリア(647)を更に備える。プレート(646、648)がキャリア(647)に結合されて、バイモルフ複合アセンブリが形成される。あくまでも一例としてではあるが、キャリア(647)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、ポリマー、ステンレス鋼、及び/又は任意の他の好適な材料(複数可)を含み得る。
【0070】
圧電ストリップアセンブリ(640)は弾力的に付勢されて直線状の構成を維持するが、圧電ストリップアセンブリ(640)は、第1の端部(642)に対して横方向にかかる力に応答して曲がるように構成される。特に、図12A図12Cに示されるように、圧電ストリップアセンブリ(640)は、パドル(614)が圧電ストリップアセンブリ(640)の第1の端部(642)と係合し、圧電ストリップアセンブリ(640)を屈曲させ、アクチュエータ(610)がある一定の角度移動範囲だけ回転すると圧電ストリップアセンブリ(640)との係合を解除するように構成され、位置決めされている。圧電ストリップアセンブリ(640)が、曲げに伴う変形(図12B)を経て、直線的な構成(図12C)に戻ると、圧電ストリップアセンブリ(640)が振動するようになっている。あくまでも一例としてではあるが、この振動は、最大約1kHzの周波数であってよい。圧電ストリップアセンブリ(640)が振動すると、プレート(646、648)が発電する。この電力は、圧電ストリップアセンブリ(640)を回路(622)に結合するワイヤ(630)に沿って伝達される。1本のワイヤ(630)だけが図示されているが、2本(例えば、各プレート(646、648)毎に1本ずつ)のワイヤを用いてもよい。
【0071】
LED(620)は、回路(622)の一部となっている。カウント回路(図示せず)(例えば、カウント回路(270)等)もまた、回路(622)の一部をなしている(又は少なくとも回路(622)と通信する)。オペレーターがアクチュエータ(610)を回転させたのに応答して、圧電ストリップアセンブリ(640)が電力を生成すると、この電力は、回路(622)を駆動して、カウント回路に対してクエリを実行させて、ハンドルアセンブリ部(600)がその一部をなしている再利用可能なサブアセンブリが、まだあと何回利用できるかに基づいてLED(620)を点灯させるために用いられる。あくまでも一例としてではあるが、LED(620)は、ハンドルアセンブリ部(600)がその一部をなす再利用可能なサブアセンブリがまだあと少なくとも1回利用可能であるという場合にはグリーンに点灯し、ハンドルアセンブリ部(600)がその一部をなす再利用可能なサブアセンブリがもう1回も利用できないという場合には、レッドに点灯するようになっていてよい。
【0072】
使用時には、アクチュエータ(610)は、外科手術の最中及びそれに加えて、オペレーターが、ハンドルアセンブリ部(600)がその一部をなす再利用可能なサブアセンブリがあと何回利用可能であるかを判定したいと望む時点まではいつでも、図12Cに示す位置に留まり得る。既に説明したように、ボス(604)と切り欠き(616)とによって形成される回り止めアセンブリは、アクチュエータ(610)が不用意に回転することを実質的に防止する。図12Aに図示されているように、ボス(604)、切り欠き(616)、及びパドル(614)は、パドル(614)が圧電ストリップアセンブリ(640)の第1端部(642)に隣接して位置決めされるように構成されている。このようにパドル(614)は、アクチュエータ(610)が回転した実質的直後に、圧電ストリップアセンブリ(640)の第1の端部(642)と係合するようになっている。オペレーターが意図的にアクチュエータ(610)を回転させると、図12B及び図12Cに連続図に図示されているように、パドル(614)はまず圧電ストリップアセンブリ(640)を変形させてから、圧電ストリップアセンブリ(640)との係合を解除する。これにより、圧電ストリップアセンブリ(640)が振動し、それによって圧電ストリップアセンブリ(640)が回路(622)に電力を提供する。このようにして電力を印加された回路(622)は、ハンドルアセンブリ部(600)がその一部をなす再利用可能なサブアセンブリがあと何回利用可能であるかに基づいて、LED(620)を駆動して点灯させる。オペレーターはLED(620)を目視によって観察して、LED(620)を介して提供されるフィードバックに基づいて、再利用可能なサブアセンブリを廃棄するか、あるいは、再利用可能なサブアセンブリを再使用するために処理する。
【0073】
図15図17は、再利用可能なサブアセンブリがあと何回使用可能であるかを示すフィードバックをオペレーターに提供するために、(特に)本明細書に記載の様々な再利用可能なサブアセンブリのうちの任意のものに組み込まれ得る、更に別の例示的な使用インジケータアセンブリ(700)を図示している。インジケータアセンブリ(700)が、(特に)本明細書に記載の様々な再利用可能なサブアセンブリの任意のものに組み込まれ得る、様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。本実施例のインジケータアセンブリ(700)は、回転式入力ノブ(710)と、ハウジング(702)と、圧電素子(780)と、インジケータ回路(790)とを含む。入力ノブ(710)は、オペレーターが入力ノブ(710)を把持して回転させることができるように位置決めされている。第1のシャフト(712)が入力ノブ(710)からハウジング(702)内に延びている。図16及び図17で最も良く分かるように、第1のシャフト(712)は、第1の歯車(714)に固定されている。第1の歯車(714)の外周は、歯を含む。ぜんまい(720)もまた、第1のシャフト(712)及びハウジング(702)に結合されている。ぜんまい(720)は、第1のシャフト(712)に回転付勢力を付与して、第1の歯車(714)を弾性的に付勢して回転させるように構成されている。ラチェット(図示せず)が、ぜんまい(720)の巻き取りと、ラチェットの爪が解放されるまでぜんまい(720)の緊張状態での保持とを可能にするために含まれている。あくまでも一例としてではあるが、ボタン、レバー、スライダ、又は他のユーザー入力機能部が、ラチェット爪を選択的に解放するために使用され得る。
【0074】
第1の歯車(714)の歯は、第2の歯車(732)に固定された第2のシャフト(730)上のスプラインと噛み合う。第2のシャフト(730)は、ハウジング(702)によって回転可能に支持され、これにより、ハウジング(702)に対する第2のギア(732)の回転を可能にする。第2の歯車(732)の外周は、歯を含む。第2の歯車(732)の歯は、第3の歯車(742)に固定された第3の軸(740)上のスプラインと噛み合う。第3のシャフト(740)は、ハウジング(702)によって回転可能に支持され、これにより、ハウジング(702)に対する第3のギア(742)の回転を可能にする。第3の歯車(742)の(図17に示されている図内での)下側は、斜歯を含む。第3の歯車(742)の斜歯は、第4のシャフト(750)上の斜歯と噛み合う。シャフト(712、730、740)は全て互いに平行であるが、本実施例では第4のシャフト(750)はシャフト(712、730、740)に対して直交している。質量(752)が、第4のシャフト(750)上に偏心的に取り付けられている。第4のシャフト(750)は、ハウジング(702)によって回転可能に支持されており、ハウジング(702)に対する質量(752)の回転を可能にする。質量(752)が第4のシャフト(750)に偏心的に取り付けられているので、質量(752)を回転させると、ハウジング(702)がぐらついたり、振動したりする。
【0075】
圧電素子(780)はハウジング(702)にしっかりと固定され、ハウジング(702)が振動すると圧電素子(780)がぐらついたり振動したりする。あくまで一例としてではあるが、インジケータアセンブリ(700)は、圧電素子(780)及びハウジング(702)の約1kHzの周波数の振動を提供するように構成され得る。圧電素子(780)は、ハウジング(702)のぐらつきや振動に起因して圧電素子(780)が振動した場合に電力を生成するように構成されている。この電力はワイヤ(782)を介してインジケータ回路(790)に伝達される。インジケータ回路(790)は、LED(792)を含む。カウント回路(図示せず)(例えば、カウント回路(270)等)もまた、回路(790)の一部をなしている(又は少なくとも回路(190)と通信する)。ハウジング(702)のぐらつき又は振動に応答して、圧電素子(780)が電力を生成すると、この電力は、回路(790)を駆動して、カウント回路に対してクエリを実行させて、インジケータアセンブリ(700)がその一部をなしている再利用可能なサブアセンブリが、まだあと何回利用できるかに基づいてLED(792)を点灯させるために用いられる。あくまでも一例としてではあるが、LED(792)は、インジケータアセンブリ(700)がその一部をなす再利用可能なサブアセンブリがまだあと少なくとも1回利用可能であるという場合にはグリーンに点灯し、インジケータアセンブリ(700)がその一部をなす再利用可能なサブアセンブリがもう1回も利用できないという場合には、レッドに点灯するようになっていてよい。
【0076】
使用時には、インジケータアセンブリ(700)は、外科手術の最中及びそれに加えて、オペレーターが、インジケータアセンブリ(700)がその一部をなす再利用可能なサブアセンブリがあと何回利用可能であるかを判定したいと望む時点まではいつでも、アイドル状態に留まり得る。オペレーターが、インジケータアセンブリ(700)がその一部をなす再利用可能なサブアセンブリがあと何回利用可能であるかを判定したいと望んだ場合には、オペレーターはノブ(710)を回転させてぜんまい(720)を巻けばよい。オペレーターがノブ(710)を解放した場合には、ラチェットアセンブリはぜんまい(720)をねじり圧縮状態に保持し得る。いくつかの変形形態においては、オペレーターがノブ(710)を360°回転させると、ぜんまい(720)が完全に巻かれるようになっている。ぜんまい(720)を巻いた後、オペレーターはラチェットアセンブリの爪を解放し得るが、それにより、ぜんまい(720)の巻きがほどける間に、ぜんまい(720)が歯車(714、732、742)とシャフト(712、730、740、750)とを駆動して回転させることが可能になる。この回転が質量(752)を回転させることにより、ハウジング(702)が振動し、その振動により圧電素子(780)が振動する。振動している圧電素子(780)は、回路(790)に電力を供給する。このようにして電力を印加された回路(790)は、インジケータアセンブリ(700)がその一部をなす再利用可能なサブアセンブリがあと何回利用可能であるかに基づいて、LED(792)を駆動して点灯させる。オペレーターはLED(792)を目視によって観察して、LED(792)を介して提供されるフィードバックに基づいて、再利用可能なサブアセンブリを廃棄するか、あるいは、再利用可能なサブアセンブリを再使用するために処理する。
【0077】
図18図19Bは、再利用可能なサブアセンブリがあと何回使用可能であるかを示すフィードバックをオペレーターに提供するために、(特に)本明細書に記載の様々な再利用可能なサブアセンブリのうちの任意のものに組み込まれ得る、更に別の例示的な使用インジケータアセンブリ(800)を図示している。インジケータアセンブリ(800)が、(特に)本明細書に記載の様々な再利用可能なサブアセンブリの任意のものに組み込まれ得る、様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。本実施例のインジケータアセンブリ(800)は、摺動アクチュエータ(810)と、圧電ストリップアセンブリ(820)と、ベース(830)とを含む。摺動アクチュエータ(810)は、摺動アクチュエータ(810)がオペレーターによって把持され、移動され得るように位置決めされる。摺動アクチュエータ(810)は、圧電ストリップアセンブリ(820)の第1の端部にしっかりと固定される。圧電ストリップアセンブリ(820)の第2の端部は、ベース(830)にしっかりと固定され、それにより、インジケータアセンブリ(800)に機械的基盤を提供するように構成されている。あくまでも一例としてではあるが、圧電ストリップアセンブリ(820)は、上述の圧電ストリップアセンブリ(640)のように、バイモルフ複合アセンブリとして形成されてもよい。
【0078】
圧電ストリップアセンブリ(820)は弾力的に付勢されて直線状の構成を維持するが、圧電ストリップアセンブリ(820)は、圧電ストリップアセンブリ(820)に作用する、長手方向に向けられた圧縮力に応答して、座屈したり曲がったりするように構成されている。特に、図19A図19Bに図示されているように、摺動アクチュエータ(810)がベース(830)に向かって移動すると、圧電ストリップアセンブリ(820)が座屈して、中心線から距離(d)だけ横方向に弓状に曲がるように構成されている。あくまでも一例としてではあるが、摺動アクチュエータ(810)がベース(830)へ向かって並進するのに応答して、インジケータアセンブリ(800)が圧電ストリップアセンブリ(810)を、最大で約3~5mm、横方向に座屈させるように構成されてもよい。圧電ストリップアセンブリ(820)が曲げに伴って変形すると(図19B)、圧電ストリップアセンブリ(820)は電力を発生させる。この電力はワイヤ(842)を介して回路(840)に伝達される。
【0079】
回路(840)は、LED(図示せず)及び/又は他の好適な種類のインジケータを含み得る。回路(840)はまた、既に説明したようなカウント回路を含んでもよい(又はそれと通信していてもよい)。オペレーターが摺動アクチュエータ(810)をベース(830)に向かって並進させたのに応答して、圧電ストリップアセンブリ(820)が電力を発生させた場合には、その電力は、回路(840)を駆動して、カウント回路に対してクエリを実行させて、インジケータアセンブリ(800)がその一部をなしている再利用可能なサブアセンブリがあと何回使用可能であるかに基づいて、LED(又は他のインジケータ)を点灯させる。
【0080】
IV.代表的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない、と理解すべきである。一切の棄権をも意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、その他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられている。また、いくつかの変更例では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも、考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうでない旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも決定的な重要性を持つものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる特徴は、特許性に関連するいずれかの理由により追加されたものとしても、仮定されるべきではない。
【実施例0081】
(実施例1)
(a)ハウジングと、(b)ハウジング内に収容される処理回路と、(c)処理回路と通信するユーザーフィードバック機能部と、(d)外科用器具インターフェイス機能部と、を備える装置であって、外科用器具インターフェイス機能部が、(i)外科用器具の本体の部位にフィットするように構成されている構造的インターフェイス機能部であって、外科用器具の本体の部位が、超音波変換器を受容するように構成されている、構造的インターフェイス機能部と、(ii)処理回路と通信し、外科用器具の相補的電気的インターフェイス機能部とインターフェイスで接続されるように構成されている電気的インターフェイス機能部であって、外科用器具の相補的電気的インターフェイス機能部は、超音波変換器と結合されるように構成されている、電気的インターフェイス機能部と、を備え、処理回路が電気的インターフェイス機能部を介して外科用器具の使用回数に関するデータを受信するように構成されている、装置。
【0082】
(実施例2)
処理回路は、外科用器具の使用回数に関するデータに基づいて、ユーザーフィードバック機能部を駆動するように更に構成されている、実施例1に記載の装置。
【0083】
(実施例3)
ユーザーフィードバック機能部は、表示装置を備える、実施例2に記載の装置。
【0084】
(実施例4)
処理回路は、外科用器具が少なくとも1回まだ使用できると示すデータに応答して、表示装置を駆動して第1の色を提示させるように動作可能であり、処理回路は、外科用器具がもう使用できないと示すデータに応答して、表示装置を駆動して第2の色を提示させるように動作可能である、実施例3に記載の装置。
【0085】
(実施例5)
構造的インターフェイス機能部がタワーを備える、実施例1~4のいずれか一つ以上に記載の装置。
【0086】
(実施例6)
タワーが、超音波変換器の一部を模倣するように構成されている、実施例5に記載の装置。
【0087】
(実施例7)
電気的インターフェイス機能部が、電気的インターフェイス機能部上に露出している1つ以上の電気的コンタクトを含む、実施例1~6のいずれか一つ以上に記載の装置。
【0088】
(実施例8)
1つ以上の電気的コンタクトが、1つ以上のリング状コンタクトを含む、実施例7に記載の装置。
【0089】
(実施例9)
処理回路と通信するセンサを更に備え、センサが、外科用器具の構造的インターフェイス機能部との連結を感知するように構成されている、実施例1~8のいずれか一つ以上に記載の装置。
【0090】
(実施例10)
センサが圧力スイッチを備える、実施例9に記載の装置。
【0091】
(実施例11)
センサが外科用器具の構造的インターフェイス機能部との連結を検出したことに応答して、処理回路が、電気的インターフェイス機能部を介して外科器具から使用に関するデータを取得するために起動されるように構成されている、実施例9及び/又は10に記載の装置。
【0092】
(実施例12)
処理回路と通信するプラグ差込口を更に備える、実施例1~11のいずれか一つ以上に記載の装置。
【0093】
(実施例13)
プラグ差込口が、外科用器具の超音波変換器からのケーブルに結合されるように構成されている、実施例12に記載の装置。
【0094】
(実施例14)
処理回路が、プラグ差込口を介して外科用器具の使用回数に関連するデータを受信するように構成されている、実施例13に記載の装置。
【0095】
(実施例15)
外科用器具を更に備え、外科用器具は、(i)外科用器具が使用された回数をカウントするように構成されたカウント回路と、(ii)構造的インターフェイス機能部を受容するように構成され、超音波変換器を受容するように更に構成されている開口部と、(iii)カウント回路と通信する電気的インターフェイス機能部と、を備え、外科用器具の電気的インターフェイス機能部は、外科用器具インターフェイス機能部の電気的インターフェイス機能部とインターフェイスで接続されるように構成されている、実施例1~14のいずれか一つ以上に記載の装置。
【0096】
(実施例16)
(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延びるシャフトアセンブリと、(c)シャフトアセンブリの遠位端に配置され、起動されると組織上で動作するように構成されているエンドエフェクタと、(d)エンドエフェクタがこれまでに起動された回数に関するデータを記憶するように構成されているカウント回路と、(e)カウント回路と通信し、ユーザーによって作動されるとカウント回路を起動するように構成されているカウント回路起動機能部と、(f)カウント回路と通信する使用インジケータ機能部と、を備える装置であって、カウント回路は、ユーザーがカウント回路起動機能部を作動させると、使用インジケータ機能部を駆動して、エンドエフェクタがそれまでに起動された回数を示させるように構成されている、装置。
【0097】
(実施例17)
カウント回路起動機能部がボタンを備える、実施例16に記載の装置。
【0098】
(実施例18)
使用インジケータ機能部が光源を備える、実施例16及び/又は17に記載の装置。
【0099】
(実施例19)
使用済み外科用器具がまだ使用可能であるかどうかを判定するための使用インジケータ装置を使用する方法であって、(a)超音波変換器を受容するように構成されている凹部を画定し、かつ、第1の電気的インターフェイス機能部を更に含む、外科用器具の第1の部位と、第2の電気的インターフェイス機能部を含む、使用インジケータ装置の構造的インターフェイス機能部とを、連結することであって、第1及び第2の電気的インターフェイス機能部は、外科用器具の第1の部位が使用インジケータ装置の構造的インターフェイス機能部と連結された結果、一体に連結される、ことと、(b)外科用器具のこれまでの使用に関連するデータを、外科用器具から、互いに連結された第1の電気的インターフェイス機能部と第2の電気的インターフェイス機能部とを介して、使用インジケータ装置が受信することと、(c)使用インジケータ装置の表示装置を起動して、受信したデータに基づいて、外科用器具がまだ使用できるかどうかを示させることと、を含む方法。
【0100】
(実施例20)
外科用器具の第1の部位を、使用インジケータ装置の構造的インターフェイス機能部と連結することを実行する前に、外科用器具の第1の部位から、超音波変換器を取り外すことを更に含む、実施例19に記載の方法。
【0101】
V.その他
本明細書に記載される器具のいずれの形態も、上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、種々のその他の特徴を含んでもよい、と理解すべきである。あくまでも一例としてではあるが、本明細書で説明される器具は、上記の教示に加えて、以下の教示の少なくとも一部に従って構築され、動作可能とされ得るということを理解されたい:米国特許第5,322,055号、米国特許第5,873,873号、米国特許第5,980,510号、米国特許第6,325,811号、米国特許第6,773,444号、米国特許第6,783,524号、米国特許第8,623,027号、米国特許第8,911,460号、米国特許第9,095,367号、米国特許第9,393,037号、米国特許出願公開第2006/0079874号、米国特許出願公開第2007/0191713号、米国特許出願公開第2007/0282333号、米国特許出願公開第2008/0200940号、米国特許出願公開第2009/0105750号、米国特許出願公開第2011/0015660号、米国特許出願公開第2012/0112687号、米国特許出願公開第2012/0116265号、米国特許出願公開第2015/0080924号、及び/又は米国特許出願第61/410,603号。前述の特許、特許出願公開、及び特許出願のそれぞれの開示が、参考により本明細書に組み込まれる。また、本明細書に説明された器具が、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの種々の構造的及び機能的な類似性を有し得ることも理解されたい。更に、本明細書で説明する器具は、本明細書で引用され、また参照により本明細書に組み込まれるその他の参考文献のいずれかで教示される装置と様々な構造的及び機能的な類似点を有し得る。
【0102】
本明細書に引用される参考文献、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、本明細書で説明された器具に関する本明細書における教示との間にいくらかの重複が存在する範囲で、本明細書のいずれの説明も、認められた従来技術と見なすことを意図しない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参考文献、並びにHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
【0103】
本明細書に記載される器具のいずれの変形形態も、上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、種々のその他の特徴を含んでもよい、と理解すべきである。あくまでも一例としてではあるが、本明細書に記載される器具のいずれもが、本明細書に参考として組み込まれる種々の参考文献のいずれかにおいて開示される種々の特徴のうちの、1つ又は2つ以上を含むことができる。また、多数の方法にて、本明細書の引用文献のいずれかの教示と本明細書の教示とを容易に組み合わせ得るように、本明細書の教示は、本明細書のその他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得る、とも理解すべきである。本明細書の教示が組み込まれ得るその他の種類の器具が、当業者に明らかであろう。
【0104】
また、本明細書で言及する値のあらゆる範囲がこのような範囲の上下限を含む、と読み取るべきである、とも理解すべきである。例えば、「およそ2.5センチメートル~およそ3.8センチメートル(およそ1.0インチ~およそ1.5インチ)」に及ぶとして表現された範囲は、それらの上下限の間の値を含むことに加えて、およそ2.5センチメートル及びおよそ3.8センチメートル(およそ1.0インチ及びおよそ1.5インチ)を含むと解釈されなければならない。
【0105】
本明細書に参考として組み込まれると言及されたいかなる特許、公報、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる、と理解されなければならない。そのようなものであるから、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0106】
上記の装置の変形形態は、医療専門家により行われる従来の治療及び処置における用途のみではなく、ロボット支援された治療及び処置における用途をも有してよい。あくまでも一例としてではあるが、本明細書の種々の教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(カリフォルニア州サニーベール)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれてよい。同様に、本明細書の種々の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号の種々の教示と容易に組み合わされ得ることを、当業者は理解するであろう。
【0107】
上記の形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、又は、それらは複数回使用されるように設計されてもよい。一方又はその両方の場合において、種々の形態は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてよい。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部分の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立て工程の、任意の組み合わせを含んでよい。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、かつ、装置の任意の数の特定の部品若しくは部分を、任意の組み合わせにて選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部分の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形形態は、再調整用の施設にて、又は手術の直前にオペレーターにより、のどちらかで、その後の使用のために再組立てされてもよい。装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立てのための種々の技術を利用することができることを、当業者は理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本発明の範囲内にある。
【0108】
あくまでも一例としてではあるが、本明細書に記載される形態は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてよい。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管してよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で周知のその他の任意の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
【0109】
以上、本発明の種々の実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による好適な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。このような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0110】
〔実施の態様〕
(1) (a)ハウジングと、
(b)前記ハウジング内に収容される処理回路と、
(c)前記処理回路と通信するユーザーフィードバック機能部と、
(d)外科用器具インターフェイス機能部と、
を備える装置であって、
前記外科用器具インターフェイス機能部が、
(i)外科用器具の本体の部位にフィットするように構成されている構造的インターフェイス機能部であって、前記外科用器具の前記本体の前記部位が、超音波変換器を受容するように構成されている、構造的インターフェイス機能部と、
(ii)前記処理回路と通信し、前記外科用器具の相補的電気的インターフェイス機能部とインターフェイスで接続されるように構成されている電気的インターフェイス機能部であって、前記外科用器具の前記相補的電気的インターフェイス機能部は、超音波変換器と結合されるように構成されている、電気的インターフェイス機能部と、を備え、
前記処理回路が前記電気的インターフェイス機能部を介して前記外科用器具の使用回数に関するデータを受信するように構成されている、装置。
(2) 前記処理回路は、前記外科用器具の使用回数に関する前記データに基づいて、前記ユーザーフィードバック機能部を駆動するように更に構成されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記ユーザーフィードバック機能部は、表示装置を備える、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記処理回路は、前記外科用器具が少なくとも1回まだ使用できると示す前記データに応答して、前記表示装置を駆動して第1の色を提示させるように動作可能であり、前記処理回路は、前記外科用器具がもう使用できないと示す前記データに応答して、前記表示装置を駆動して第2の色を提示させるように動作可能である、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記構造的インターフェイス機能部がタワーを備える、実施態様1に記載の装置。
【0111】
(6) 前記タワーが、超音波変換器の一部を模倣するように構成されている、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記電気的インターフェイス機能部が、前記電気的インターフェイス機能部上に露出している1つ以上の電気的コンタクトを含む、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記1つ以上の電気的コンタクトが、1つ以上のリング状コンタクトを含む、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記処理回路と通信するセンサを更に備え、前記センサが、外科用器具の前記構造的インターフェイス機能部との連結を感知するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記センサが圧力スイッチを備える、実施態様9に記載の装置。
【0112】
(11) 前記センサが外科用器具の前記構造的インターフェイス機能部との連結を検出したことに応答して、前記処理回路が、前記電気的インターフェイス機能部を介して前記外科器具から使用に関するデータを取得するために起動されるように構成されている、実施態様9に記載の装置。
(12) 前記処理回路と通信するプラグ差込口を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記プラグ差込口が、外科用器具の超音波変換器からのケーブルに結合されるように構成されている、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記処理回路が、前記プラグ差込口を介して前記外科用器具の使用回数に関連するデータを受信するように構成されている、実施態様13に記載の装置。
(15) 外科用器具を更に備え、前記外科用器具は、
(i)前記外科用器具が使用された回数をカウントするように構成されたカウント回路と、
(ii)前記構造的インターフェイス機能部を受容するように構成され、超音波変換器を受容するように更に構成されている開口部と、
(iii)前記カウント回路と通信する電気的インターフェイス機能部と、を備え、
前記外科用器具の前記電気的インターフェイス機能部は、前記外科用器具インターフェイス機能部の前記電気的インターフェイス機能部とインターフェイスで接続されるように構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0113】
(16) (a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延びるシャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの遠位端に配置され、起動されると組織上で動作するように構成されているエンドエフェクタと、
(d)前記エンドエフェクタがこれまでに起動された回数に関するデータを記憶するように構成されているカウント回路と、
(e)前記カウント回路と通信し、ユーザーによって作動されると前記カウント回路を起動するように構成されているカウント回路起動機能部と、
(f)前記カウント回路と通信する使用インジケータ機能部と、を備える装置であって、
前記カウント回路は、ユーザーが前記カウント回路起動機能部を作動させると、前記使用インジケータ機能部を駆動して、前記エンドエフェクタがそれまでに起動された回数を示させるように構成されている、装置。
(17) 前記カウント回路起動機能部がボタンを備える、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記使用インジケータ機能部が光源を備える、実施態様16に記載の装置。
(19) 使用済み外科用器具がまだ使用可能であるかどうかを判定するための使用インジケータ装置を使用する方法であって、
(a)超音波変換器を受容するように構成されている凹部を画定し、かつ、第1の電気的インターフェイス機能部を更に含む、前記外科用器具の第1の部位と、第2の電気的インターフェイス機能部を含む、前記使用インジケータ装置の構造的インターフェイス機能部とを、連結することであって、前記第1及び第2の電気的インターフェイス機能部は、前記外科用器具の前記第1の部位が前記使用インジケータ装置の前記構造的インターフェイス機能部と連結された結果、一体に連結される、ことと、
(b)前記外科用器具のこれまでの使用に関連するデータを、前記外科用器具から、互いに連結された前記第1の電気的インターフェイス機能部と前記第2の電気的インターフェイス機能部とを介して、前記使用インジケータ装置が受信することと、
(c)前記使用インジケータ装置の表示装置を起動して、前記受信したデータに基づいて、前記外科用器具がまだ使用できるかどうかを示させることと、を含む方法。
(20) 前記外科用器具の前記第1の部位を、前記使用インジケータ装置の前記構造的インターフェイス機能部と連結することを実行する前に、前記外科用器具の前記第1の部位から、超音波変換器を取り外すことを更に含む、実施態様19に記載の方法。
図1
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図5
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図7
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図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
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図15
図16
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図19A
図19B
【外国語明細書】