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特開2022-168091仮想通貨決済支援装置、仮想通貨決済支援システム、仮想通貨決済支援方法、及び仮想通貨決済支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168091
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】仮想通貨決済支援装置、仮想通貨決済支援システム、仮想通貨決済支援方法、及び仮想通貨決済支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20221027BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142272
(22)【出願日】2022-09-07
(62)【分割の表示】P 2019551795の分割
【原出願日】2017-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】岩田 真治
(57)【要約】
【課題】仮想通貨で決済する際の送金手数料を抑制することが可能な取引所の容易な選択を支援することが可能な仮想通貨決済支援装置、仮想通貨決済支援システム、仮想通貨決済支援方法、及び仮想通貨決済支援プログラムを提供すること。
【解決手段】仮想通貨決済支援システムは、仮想通貨が取引可能な複数の取引所のうち第1ユーザーが口座を有する第1取引所を識別可能な第1取引所情報と、前記取引所のうち第2ユーザーが口座を有する複数の第2取引所を識別可能な第2取引所情報と、複数の前記取引所のそれぞれの間の仮想通貨の送金手数料の情報を含む手数料情報とを取得する取得処理部と、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記手数料情報に基づいて、前記第2取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる前記第2取引所を特定可能な特定処理部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想通貨が取引可能な複数の取引所のうち第1ユーザーが口座を有する複数の第1取引所を識別可能な第1取引所情報と、前記取引所のうち第2ユーザーが口座を有する複数の第2取引所を識別可能な第2取引所情報と、複数の前記取引所のそれぞれの間の仮想通貨の送金手数料の情報を含む手数料情報とを取得する取得処理部と、
前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記手数料情報に基づいて、複数の前記第1取引所及び複数の前記第2取引所における前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせのうち前記送金手数料が最低となる前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせを特定する特定処理部と、
を備え、
前記手数料情報には、仮想通貨の種別と当該種別に対応する前記送金手数料とが含まれ、
前記特定処理部は、ユーザー操作で選択された仮想通貨の種別と、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記手数料情報とに基づいて、複数の前記第1取引所及び複数の前記第2取引所における前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせのうち、前記選択された前記仮想通貨の種別に対応する前記送金手数料が最低となる前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせを特定する、
仮想通貨決済支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想通貨による決済を管理可能な仮想通貨決済支援装置、仮想通貨決済支援システム、仮想通貨決済支援方法、及び仮想通貨決済支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店及び家電量販店などの施設において、現金又はクレジットカードなどを用いる決済方法とは別に、ビットコインのような仮想通貨による決済方法が採用されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、仮想通貨による決済は、仮想通貨取引所(以下、「取引所」と略称する)を介して行われる。このとき、支払者が口座を有する取引所と受取者が口座を有する取引所とが異なる場合には送金手数料が発生することがある。そして、受取者が有する複数の取引所の口座から任意の口座を支払先口座として選択可能な場合がある。しかしながら、支払者又は受取者は、支払者の口座と受取者の複数の口座とのそれぞれの間で必要な送金手数料を把握することが困難であるため、複数の口座から送金手数料が最低となる口座を容易に選択することができないという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、仮想通貨で決済する際の送金手数料を抑制することが可能な取引所の容易な選択を支援することが可能な仮想通貨決済支援装置、仮想通貨決済支援システム、仮想通貨決済支援方法、及び仮想通貨決済支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る仮想通貨決済支援装置は、仮想通貨が取引可能な複数の取引所のうち第1ユーザーが口座を有する第1取引所を識別可能な第1取引所情報と、前記取引所のうち第2ユーザーが口座を有する複数の第2取引所を識別可能な第2取引所情報と、複数の前記取引所のそれぞれの間の仮想通貨の送金手数料の情報を含む手数料情報とを取得する取得処理部と、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記手数料情報に基づいて、前記第2取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる前記第2取引所を特定可能な特定処理部とを備える。
【0006】
本発明に係る仮想通貨決済支援システムは、仮想通貨が取引可能な複数の取引所のうち第1ユーザーが口座を有する第1取引所を識別可能な第1取引所情報と、第2ユーザーが口座を有する複数の第2取引所を識別可能な第2取引所情報と、複数の前記取引所のそれぞれの間の仮想通貨の送金手数料の情報を含む手数料情報とを取得する取得処理部と、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記手数料情報に基づいて、前記第2取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる前記第2取引所を特定可能な特定処理部と、前記第1取引所の前記第1ユーザーの口座から前記特定処理部で特定された前記第2取引所の前記第2ユーザーの口座に仮想通貨を送金する決済処理部とを備える。
【0007】
本発明に係る仮想通貨決済支援方法は、コンピューターが、仮想通貨が取引可能な複数の取引所のうち第1ユーザーが口座を有する第1取引所を識別可能な第1取引所情報と、第2ユーザーが口座を有する複数の第2取引所を識別可能な第2取引所情報と、複数の前記取引所のそれぞれの間の仮想通貨の送金手数料の情報を含む手数料情報とを取得する取得ステップと、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記手数料情報に基づいて、前記第2取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる前記第2取引所を特定するステップとを実行する方法である。
【0008】
本発明に係る仮想通貨決済支援プログラムは、コンピューターに、仮想通貨が取引可能な複数の取引所のうち第1ユーザーが口座を有する第1取引所を識別可能な第1取引所情報と、第2ユーザーが口座を有する複数の第2取引所を識別可能な第2取引所情報と、複数の前記取引所のそれぞれの間の仮想通貨の送金手数料の情報を含む手数料情報とを取得する取得ステップと、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記手数料情報に基づいて、前記第2取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる前記第2取引所を特定するステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仮想通貨で決済する際の送金手数料を抑制することが可能な取引所の容易な選択を支援することが可能な仮想通貨決済支援装置、仮想通貨決済支援システム、仮想通貨決済支援方法、及び仮想通貨決済支援プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムで使用される手数料情報の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムの利用者端末で実行される利用者端末処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムの仮想通貨決済支援装置で実行される決済支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムの店舗端末で実行される店舗端末処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムの利用者端末で表示されるコード読み取り画面の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムの利用者端末で表示される取引所選択画面の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムの利用者端末で表示される決済承認画面の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムの構成を示すブロック図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムの利用者端末で実行される送金先選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムの利用者端末で表示される取引所選択画面の一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムで利用される第1対応情報の一例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムで利用される第2対応情報の一例を示す図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムの利用者端末で実行される利用者端末処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、本発明の実施形態に係る仮想通貨決済支援システムで使用される手数料情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100について説明する。
【0013】
[仮想通貨決済支援システム100]
図1に示すように、仮想通貨決済支援システム100は、仮想通貨決済支援装置1と店舗端末2と利用者端末3とを含む。本実施形態においては、利用者端末3の所有者である利用者が第1ユーザーの一例であり、利用者端末3が第1ユーザー端末の一例である。また、店舗端末3が設定される飲食店が第2ユーザーの一例であり、店舗端末2が第2ユーザー端末の一例である。
【0014】
仮想通貨決済支援装置1、店舗端末2、及び利用者端末3は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。また、仮想通貨決済支援装置1、店舗端末2、及び利用者端末3は、NFC(Near Field Communication)又はBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格に従って通信可能であってもよい。
【0015】
[仮想通貨決済支援装置1]
仮想通貨決済支援装置1は、飲食店などの施設の利用者からの依頼に応じて、前記施設の利用料について仮想通貨を用いた決済を支援する機能を有する。なお、仮想通貨には、例えばビットコイン、イーサリアム、又はリップルなどが含まれる。
【0016】
以下では、前記施設が飲食店であり、前記施設の利用料が前記飲食店の飲食代である場合について説明する。ただし、本発明は、飲食店における飲食代の決済に限らず、宿泊施設における宿泊料金の決済、ゴルフ場におけるプレイ料金の決済など、任意の施設における各種の決済に適用可能である。また、施設における決済に限らず、例えばインターネット上におけるネットショップ又はネットサービスに対する決済についても適用可能である。
【0017】
ところで、仮想通貨による決済は、仮想通貨取引所(以下、「取引所」と略称する)を介して行われる。このとき、支払者が口座を有する取引所と受取者が口座を有する取引所とが異なる場合には送金手数料が発生することがある。そして、受取者が有する複数の取引所の口座から任意の口座を支払先口座として選択可能な場合がある。しかしながら、支払者又は受取者は、支払者の口座と受取者の複数の口座とのそれぞれの間で必要な送金手数料を把握することが困難であるため、複数の口座から送金手数料が最低となる口座を容易に選択することができないという問題がある。これに対して、本実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100では、以下で説明するように、仮想通貨で決済する際の送金手数料を抑制することが可能な取引所の容易な選択を支援することが可能である。
【0018】
図1に示されるように、仮想通貨決済支援装置1は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、及び通信I/F14などを備えるサーバーコンピューターである。なお、仮想通貨決済支援装置1は、1台のコンピューターに限らず、複数台のコンピューターが協働して動作するコンピューターシステムであってもよい。また、仮想通貨決済支援装置1で実行される各種の処理は、複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0019】
通信I/F14は、仮想通貨決済支援装置1を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して店舗端末2、利用者端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0020】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0021】
記憶部12は、各種の情報を記憶する半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などを含む不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部12には、手数料情報D1などのデータが記憶される。ここに、図2は手数料情報D1の一例を示す図である。
【0022】
手数料情報D1は、仮想通貨が取引可能な複数の取引所のそれぞれの間の仮想通貨の送金に要する送金手数料に関する情報である。具体的に、手数料情報D1には、送金元取引所、送金先取引所、及び仮想通貨種別の組み合わせごとに対応する送金手数料が記録されている。例えば、送金元取引所が「AAA取引所」、送金先取引所が送金元取引所と同じ「AAA取引所」、仮想通貨種別が「Bitcoin」である場合の送金手数料は「0」である。一方、例えば、送金元取引所が「AAA取引所」、送金先取引所が送金元取引所とは異なる「BBB取引所」、仮想通貨種別が「Bitcoin」である場合の送金手数料は「0.00005BTC」である。なお、手数料情報D1は、仮想通貨決済支援装置1の管理者によって予め記憶部12に登録され、適宜更新される。また、手数料情報D1は、制御部11によって所定のタイミングで特定のサーバーから自動的にダウンロードされて更新されてもよい。なお、送金手数料は、マイナスの値であってもよい。また、手数料情報D1には、取引所を利用した場合に利用者に還元される金額又はポイントなどの還元情報が含まれていてもよい。
【0023】
さらに、記憶部12には、制御部11に後述の決済支援処理(図3参照)を実行させるための仮想通貨決済支援プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記仮想通貨決済支援プログラムは、CD又はDVDなどのコンピューター読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、仮想通貨決済支援装置1が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0024】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより仮想通貨決済支援装置1を制御する。
【0025】
具体的に、制御部11は、図1に示されるように、取得処理部111及び特定処理部112などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記仮想通貨決済支援プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記仮想通貨決済支援プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0026】
取得処理部111は、手数料情報D1、第1取引所情報、及び第2取引所情報を取得するための処理を実行する。具体的に、取得処理部111は、記憶部12から手数料情報D1を読み出すことにより当該手数料情報D1を取得する。なお、本実施形態では、仮想通貨決済支援装置1に、手数料情報D1が記憶されている場合について説明する。一方、手数料情報D1は、仮想通貨決済支援装置1が、通信網N1などを介して取得可能であれば、他のサーバー装置などに記憶されていてもよい。
【0027】
また、取得処理部111は、利用者端末3から送信される後述の特定処理依頼を受信し、当該特定処理依頼から前記第1取引所情報及び前記第2取引所情報を抽出することにより、当該第1取引所情報及び当該第2取引所情報を取得する。
【0028】
前記第1取引所情報は、仮想通貨が取引可能な複数の取引所のうち利用者端末3の利用者が口座を有する取引所(以下、「第1取引所」と称する)に関する情報である。具体的に、前記第1取引所情報には、前記第1取引所の口座について、当該第1取引所を識別するための第1取引所識別情報及び当該第1取引所で取引可能な仮想通貨種別の情報が含まれる。
【0029】
前記第2取引所情報は、仮想通貨が取引可能な複数の取引所のうち店舗端末2が設置された飲食店が口座を有する一又は複数の取引所(以下、「第2取引所」と称する)に関する情報である。具体的に、前記第2取引所情報には、一又は複数の前記第2取引所の口座について、当該第2取引所を識別するための第2取引所識別情報及び当該第2取引所で取引可能な仮想通貨種別の情報が含まれる。
【0030】
特定処理部112は、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び手数料情報D1に基づいて、前記第2取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる前記第2取引所を特定する。なお、前記送金手数料が最低となる前記第2取引所が複数存在する場合には、当該第2取引所のうち予め設定された優先順位が最も高い第2取引所が選択されることが考えられる。
【0031】
なお、他の実施形態として、取得処理部111及び特定処理部112の一部又は全部の処理部が、店舗端末2又は利用者端末3に設けられてもよい。
【0032】
[店舗端末2]
図1に示されるように、店舗端末2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備える。店舗端末2は、飲食店に配置され、飲食店の従業員によって操作される。店舗端末2は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。例えば、1台の据置端末(レジ端末)と従業員が携帯する複数の携帯端末(オーダーエントリー端末)とが店舗端末2として飲食店に配置されてもよい。
【0033】
通信I/F24は、店舗端末2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して仮想通貨決済支援装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0034】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0035】
記憶部22は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、制御部21に後述の店舗端末処理(図7参照)を実行させるための店舗端末プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記店舗端末プログラムは、CD又はDVDなどのコンピューター読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、店舗端末2に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。また、記憶部22には、飲食店に設置されているテーブルごとに注文された飲食物のリスト及び金額などを含むオーダー履歴情報(不図示)が記憶される。
【0036】
また、記憶部22には、飲食店が仮想通貨の受取口座として利用可能な口座を有する取引所に関する第2取引所情報が記憶される。即ち、記憶部22が第1記憶部の一例である。例えば、前記第2取引所情報は、店舗端末2のユーザー操作に応じて記憶部22に記憶される。前記第2取引所情報には、取引所識別情報、仮想通貨種別、及びアドレス情報などが含まれる。取引所識別情報は、取引所のID又は名称などの情報である。仮想通貨種別は、前記取引所の口座で受取可能な仮想通貨の種別を示す情報である。アドレス情報は、前記取引所の口座に仮想通貨を送金する際の宛先となる情報である。
【0037】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより店舗端末2を制御する。
【0038】
具体的に、制御部21は、注文処理部211、算出処理部212、コード生成処理部213、及び出力処理部214などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記店舗端末プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記店舗端末プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0039】
注文処理部211は、飲食店内のテーブルごとに利用者から受け付ける注文内容をオーダー履歴情報として記憶部22に記憶する。なお、前記利用者による注文内容は、例えば店舗端末2の操作表示部23を通じて従業員によって入力される。もしくは、前記利用者による注文内容は、従業員が携帯するオーダーエントリー端末を通じて入力されてもよい。
【0040】
算出処理部212は、注文処理部211により受け付けられて記憶された前記オーダー履歴情報に基づいて各テーブルの利用者に対する日本円などの現実通貨(現金)における請求金額を算出する。また、算出処理部212は、各種の仮想通貨のレートを管理する特定のウェブサイト等から現実通貨と仮想通貨との関係を取得し、前記請求金額に対応する仮想通貨の額を算出することが可能である。
【0041】
出力処理部213は、算出処理部212によって算出される請求金額の情報と、前記第2取引情報とを含む二次元コードなどのコード情報を出力する。具体的に、出力処理部213は、前記コード情報を操作表示部23に表示させる。なお、前記飲食店には、利用者ごと又は利用者のグループごとにテーブルトップオーダー端末(不図示)が設けられることがある。この場合、出力処理部213は、前記利用者又は前記利用者のグループに対応する前記テーブルトップオーダー端末に前記コード情報を表示させてもよい。前記利用者は、前記テーブルトップオーダー端末に表示されたコード情報を利用者端末3で読み取ることが可能である。なお、前記テーブルトップオーダー端末に前記コード情報を表示させる場合、出力処理部213は、前記利用者による特定操作(例えば、会計ボタンの操作)に応じて前記コード情報を前記テーブルトップオーダー端末に表示させてもよい。
【0042】
前記コード情報は、2次元コードに限らず、バーコードのような一次元コード又は英数字コード(交換コード)のような任意のコードであってもよい。また、前記コード情報には、利用者に対する請求金額の情報及び前記第2取引所情報に加えて、店舗識別情報、テーブル番号、伝票番号、入店日時などの任意の情報が含まれていてもよい。
【0043】
なお、他の実施形態として、注文処理部211、算出処理部212、コード生成処理部213、及び出力処理部214の一部又は全部の処理部が仮想通貨決済支援装置1に設けられてもよい。
【0044】
[利用者端末3]
図1に示されるように、利用者端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、通信I/F34、及びカメラ35などを備える。利用者端末3は、飲食店の利用者が所有する携帯端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末のような情報処理装置である。
【0045】
カメラ35は、被写体の画像を撮像してデジタル画像データとして出力するデジタルカメラである。そして、利用者端末3において、カメラ35は、前記コード情報の読み取りに用いられる。
【0046】
通信I/F34は、利用者端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して仮想通貨決済支援装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0047】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0048】
記憶部32は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、制御部31に後述の利用者端末処理(図5参照)を実行させるための利用者端末プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記利用者端末プログラムは、CD又はDVDなどのコンピューター読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、利用者端末3に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部32に記憶される。
【0049】
また、記憶部32には、利用者が仮想通貨の送金元口座として利用可能な口座を有する取引所に関する第1取引所情報が記憶される。即ち、記憶部32が第2記憶部の一例である。例えば、前記第1取引所情報は、利用者端末3のユーザー操作に応じて記憶部32に記憶される。
【0050】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末3を制御する。
【0051】
具体的に、制御部31は、読取処理部311及び決済処理部312などの各種の処理部を含む。なお、制御部31は、前記CPUで前記利用者端末プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。例えば、前記利用者端末プログラムは、前記第1取引所から提供される仮想通貨の管理ソフトウェアを利用して所定の処理を実行する。また、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記利用者端末プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0052】
読取処理部311は、カメラ35により撮像されるデジタル画像に前記コード情報が含まれている場合に、前記コード情報から請求金額の情報及び前記第2取引所情報などを読み取る。
【0053】
決済処理部312は、前記第2取引所情報に含まれるいずれかの口座を送金先として、前記請求金額に対応する額の仮想通貨を送金する決済処理を実行する。例えば、前記決済処理は、前記第1取引所から提供される仮想通貨の管理ソフトウェアを利用して実行される。
【0054】
[利用者端末処理]
以下、図3を参照しつつ、利用者端末3の制御部31によって実行される利用者端末処理について説明する。例えば、制御部31は、仮想通貨決済を行うための利用者の操作に応じて前記利用者端末プログラムに従った前記利用者端末処理を開始する。なお、前記利用者端末処理は、利用者端末3における所定操作に応じて途中で終了されることがある。
【0055】
また、利用者端末3は、仮想通貨決済の他にも、クレジットカード決済又はその他の電子決済を行うことが可能な場合があるが、それらについては説明を省略する。例えば、制御部31は、利用者の操作に応じて、複数の決済手法のうち仮想通貨決済が選択された場合には当該利用者端末処理を開始し、その他の決済手法が選択された場合にはその選択された決済手法に対応する処理を開始することが考えられる。
【0056】
また、本発明は、前記利用者端末処理、後述の決済支援処理、及び後述の店舗端末処理に含まれる一又は複数のステップを実行する仮想通貨決済支援方法の発明として捉えることができる。なお、ここで説明する前記利用者端末処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記利用者端末処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部31によって前記利用者端末処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサーによって前記利用者端末処理における各ステップが分散して実行されてもよい。
【0057】
<ステップS11>
ステップS11において、制御部31の読取処理部311は、コード情報の読み取りを開始する。具体的に、読取処理部311は、図6に示されるようなコード読み取り画面P0を操作表示部33に表示させ、カメラ35による画像の撮影を開始する。コード読み取り画面P0は、店舗端末2に表示されるコード情報又は店舗端末2などで発行される伝票に印刷されたコード情報をカメラ35で撮影して読み取るための画面である。そして、読取処理部311は、カメラ35で撮影される画像にコード情報が含まれる場合に、当該コード情報を読み取る。なお、読取処理部311は、近距離無線通信を用いて店舗端末2から前記コード情報を受信してもよい。
【0058】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部31の読取処理部311は、カメラ35から出力される画像データに基づいて、カメラ35で撮影された画像からコード情報が読み取られたか否かを判断する。ここで、前記コード情報が読み取られたと判断されると(S12:Yes)、処理がステップS13に移行し、前記コード情報が読み取られるまでの間は(S12:No)、処理がステップS12で待機する。
【0059】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部31は、前記コード情報に仮想通貨決済を行うための情報が含まれているか否かを判断する。具体的に、制御部31は、前記コード情報に仮想通貨の支払い額及び前記第2取引所情報が含まれている場合に、前記コード情報に仮想通貨情報が含まれていると判断する。なお、前記仮想通貨の支払い額には、前記第2取引所情報に含まれる一又は複数の第2取引所で受取可能な仮想通貨の種別それぞれに対応する支払い額が含まれる。また、前記コード情報には、今回の決済についての現金による請求金額の情報なども含まれる。
【0060】
ここで、前記コード情報に仮想通貨決済を行うための情報が含まれていないと判断されると(S13:No)、エラー等が報知された後、処理がステップS12に戻される。一方、前記コード情報に仮想通貨決済を行うために必要な情報が含まれていると判断されると(S13:Yes)、処理がステップS14に移行する。
【0061】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部31は、仮想通貨の送金元口座及び仮想通貨の種別の入力操作を受け付ける。例えば、利用者端末3の利用者によって予め登録されて記憶部32に記憶されている仮想通貨の送金元口座が複数存在する場合、制御部31は、当該送金元口座から今回利用する口座を選択するための操作画面を表示させ、ユーザーによる選択操作を受け付ける。また、利用者端末3の利用者によって予め登録されて記憶部32に記憶されている仮想通貨の送金元口座が一つである場合、制御部31は、当該口座を今回利用する口座として自動的に選択してもよい。さらに、制御部31は、ユーザー操作に応じて、送金元口座として利用する口座の新規入力操作を受け付け、記憶部32に記憶することも可能である。
【0062】
また、今回利用する口座として選択された口座から支払可能な仮想通貨の種別が複数存在する場合、制御部31は、当該仮想通貨の種別から今回利用する仮想通貨の種別を選択するための操作画面を表示させ、ユーザーによる選択操作を受け付ける。ここで、前記操作画面には、前記支払可能な仮想通貨の種別のうち、前記第2取引所情報に含まれる仮想通貨の種別のみが表示されてもよい。また、今回利用する口座として選択された口座から支払可能な仮想通貨の種別が一つである場合、制御部31は、当該仮想通貨の種別を今回利用する仮想通貨の種別として自動的に選択してもよい。さらに、制御部31は、利用者端末3に登録されている口座のうち残高のある仮想通貨の種別のみを選択候補として表示させてもよい。なお、制御部31は、先に仮想通貨の種別を選択させる画面を表示させて仮想通貨の種別の選択操作を受け付けた後、選択された種別の仮想通貨が支払可能な口座を表示させて口座の選択操作を受け付けてもよい。
【0063】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部31は、仮想通貨の送金先口座の入力操作の受け付けを開始する。具体的に、制御部31は、図7に示されるような取引所選択画面P1を操作表示部33に表示させる。
【0064】
図7に示される取引所選択画面P1には、今回の決済について、現金による請求金額と、前記ステップS14で選択された仮想通貨による支払い額とが表示される。また、取引所選択画面P1には、取引所を自動選択させるための操作キーK11と、利用可能な取引所から任意の取引所を選択するための操作キーK12とが表示されている。具体的に、制御部31は、前記第2取引所情報に含まれる第2取引所のうち、前記ステップS14で選択された仮想通貨の受け取りが可能な口座のある第2取引所に対応する操作キーK12を取引所選択画面P1に表示させる。なお、前記利用者が利用可能な電子決済サービスが複数存在する場合には、制御部31は、前記取引所選択画面P1もしくは別の画面(電子決済サービス選択画面)において、今回の決済に利用すべき電子決済サービスの選択操作を受け付けてもよい。
【0065】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部31は、送金先の取引所の手動選択操作が行われたか否かを判断する。具体的に、制御部31は、操作キーK12のいずれかの選択操作が行われた場合に、手動選択操作が行われたと判断する。ここで、手動選択操作が行われたと判断されると(S16:Yes)、処理がステップS20に移行する。また、手動選択操作が行われていないと判断されると(S16:No)、処理がステップS17に移行する。
【0066】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部31は、送金先の取引所の自動選択操作が行われたか否かを判断する。具体的に、制御部31は、操作キーK11が操作された場合に、自動選択操作が行われたと判断する。ここで、自動選択操作が行われたと判断されると(S17:Yes)、処理がステップS18に移行する。また、自動選択操作が行われていないと判断されると(S17:No)、処理がステップS16に戻される。
【0067】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部31は、送金先口座の候補となる口座のある第2取引所のうち、送金元口座の第1取引所との間で、送金対象となる種別の仮想通貨の送金についての送金手数料が最低となる第2取引所を特定するための処理を実行する。なお、制御部31が、送金先口座の候補のうち、送金元口座との間で、送金対象となる種別の仮想通貨の送金についての送金手数料が最低となる口座を特定することも、送金手数料が最低となる取引所を特定することと同義である。
【0068】
具体的に、制御部31は、手数料が最低となる第2取引所を特定するための取引所特定依頼を仮想通貨決済支援装置1に送信する。前記取引所特定依頼には、利用者端末3の利用者を識別するための利用者識別情報、利用者端末3の利用者が口座を有する第1取引所に関する第1取引所情報、及び店舗端末2が設置された店舗が口座を有する第2取引所に関する第2取引情報などの情報が含まれる。なお、本実施形態において、前記第1取引所情報は記憶部32に記憶されているが、制御部31が、前記第1取引所から供給される管理ソフトを実行してログインし、前記第1取引所のサーバー装置などに記憶されている前記第1取引所情報を読み出してもよい。
【0069】
そして、後述するように、仮想通貨決済支援装置1では、第2取引所のうち第1取引所との間で送金手数料が最低となる第2取引所が特定され、その特定された第2取引所の情報が利用者端末3に送信される。これにより、利用者端末3は、送金先口座の候補となる口座のある第2取引所のうち、送金元口座の第1取引所との間で、送金対象となる種別の仮想通貨の送金についての送金手数料が最低となる第2取引所を特定することが可能である。
【0070】
<ステップS19>
ステップS19において、制御部31は、送金先口座の候補のうち前記ステップS18で特定された第2取引所の口座を送金先として設定する。これにより、送金先口座の候補の中から送金手数料が最低となる口座が自動的に選択されることになる。
【0071】
<ステップS20>
ステップS20において、制御部31は、今回の決済について利用者が承認操作を行うための決済承認画面P2を操作表示部33に表示させる。ここに、図8は、決済承認画面P2の一例を示す図である。決済承認画面P2には、前記ステップS12で読み取られたコード情報に含まれている請求金額及び当該請求金額に対応する仮想通貨の支払い額が表示される。また、決済承認画面P2には、前記請求金額の送金先の取引所名及びアドレス情報と、今回の送金に必要な送金手数料とが表示される。さらに、決済承認画面P2には、前記請求金額の決済を承認するための操作キーK21、及び決済をキャンセルするための操作キーK22が表示される。なお、操作キーK21の操作に際してパスワード入力又は指紋照合などの認証処理が実行されてもよい。
【0072】
<ステップS21>
ステップS21において、制御部31は、決済承認操作が行われたか否かを判断する。例えば、制御部31は、決済承認画面P2に含まれる操作キーK21が操作された場合に、前記決済承認操作が行われたと判断する。一方、決済承認画面P2に含まれる操作キーK21が操作されるまでの間は、前記決済承認操作が行われていないと判断する。そして、前記決済承認操作が行われたと判断されると(S21:Yes)、処理がステップS22に移行する。なお、決済承認画面P2に含まれる操作キーK22が操作された場合には、今回の決済がキャンセルされ、当該利用者端末処理は終了する。
【0073】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部31の決済処理部312は、仮想通貨による送金処理を実行する。具体的に、決済処理部312は、前記ステップS16又はS19で選択された口座を送金先として、送金元口座から決済金額に対応する額の仮想通貨を送金するための送金指示を取引所に送信する。これにより、送金元口座から送金先の口座に仮想通貨が送金されることになり、利用者端末3の操作表示部33には、送金完了画面などが表示される。なお、前記送金処理は、例えば利用者端末3に予めインストールされている仮想通貨の管理ソフトを用いて行われる。
【0074】
[決済支援処理]
次に、図6を参照しつつ、仮想通貨決済支援装置1の制御部11によって実行される決済支援処理について説明する。例えば、制御部11は、利用者端末3からのアクセスに応じて前記仮想通貨決済支援プログラムの実行を開始することによって、前記決済支援処理の実行を開始する。なお、制御部11は、複数の利用者端末3からアクセスされた場合に、利用者端末3ごとに前記決済支援処理を個別に並行して実行してもよい。
【0075】
なお、ここで説明する前記決済支援処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記決済支援処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11によって前記決済支援処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサーによって前記決済支援処理における各ステップが分散して実行されてもよい。
【0076】
<ステップS31>
ステップS31において、制御部11は、利用者端末3から手数料が最低となる取引所を特定するための取引所特定依頼の受信を待ち受ける(S31:No)。そして、前記取引所特定依頼を受信したと判断されると(S31:Yes)、処理がステップS32に移行する。前述したように、前記取引所特定依頼には、前記利用者識別情報、前記第1取引所情報、及び前記第2取引所情報などが含まれる。
【0077】
<ステップS32>
ステップS32において、制御部11の取得処理部111は、利用者端末3から受信した前記取引所特定依頼に含まれる前記第1取引所情報を抽出して取得する。また、他の実施形態として、記憶部12に利用者各々に対応する前記第1取引所情報が予め記憶されており、取得処理部111が、前記利用者識別情報に対応する利用者の前記第1取引所情報を記憶部12から読み出して取得することも考えられる。
【0078】
<ステップS33>
ステップS33において、制御部11の取得処理部111は、利用者端末3から受信した前記取引所特定依頼に含まれる前記第2取引所情報を抽出して取得する。また、他の実施形態として、記憶部12に飲食店各々に対応する前記第2取引所が予め記憶されており、取得処理部111が、前記店舗識別情報に対応する飲食店の前記第2取引所情報を記憶部12から読み出して取得することも考えられる。
【0079】
<ステップS34>
ステップS34において、制御部11の取得処理部111は、記憶部12に記憶されている手数料情報D1を読み出して取得する。なお、取得処理部111は、インターネット等を介して特定のサーバー装置から手数料情報D1を取得してもよい。
【0080】
<ステップS35>
ステップS35において、制御部11は、前記ステップS32~S34で取得した前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び手数料情報D1に基づいて、前記第2取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる前記第2取引所を特定する。例えば、前記第1取引所が「AAA」であり、前記第2取引所が「AAA」、「BBB」、「CCC」である場合、手数料情報D1によれば、送金手数料は、「AAA」及び「AAA」の組み合わせが最も低く「0」であり、前記第2取引所のうち「AAA」が、前記送金手数料が最低の取引所として特定される。一方、前記第1取引所が「AAA」であり、前記第2取引所が「BBB」、「CCC」である場合、手数料情報D1によれば、送金手数料は、「AAA」及び「BBB」の組み合わせが最も低く「0.00005」であり、前記第2取引所のうち「BBB」が、前記送金手数料が最低の取引所として特定される。なお、送金手数料がマイナスの値(例えば「-0.00005」など)である場合には、送金手数料が「0」である場合よりも送金手数料が低いと判断される。
【0081】
さらに、手数料情報D1には、取引所を利用した場合に利用者に還元される金額又はポイントなどの還元情報が含まれていてもよい。そして、制御部11は、前記ステップS35において前記送金手数料が最低となる前記第2取引所を特定する際には、手数料情報D1における前記送金手数料の値と前記還元情報とに基づいて前記送金手数料が実質的に最低となる前記第2取引所を特定することが考えられる。具体的には、前記第1取引所との間の前記送金手数料から利用者に還元される金額又はポイントを引いた値が最低となる第2取引所が特定されることが考えられる。例えば、前記第1取引所との間の前記送金手数料が同じ前記第2取引所が複数存在する場合には、当該第2取引所のうち利用者に還元される金額又はポイントが最も高い第2取引所が特定されることになる。なお、前記ポイントが金額と等価でない場合も考えられ、この場合、前記第2取引所の特定の際には、当該ポイントを予め設定された換算比率により金額に換算されることが考えられる。
【0082】
<ステップS36>
ステップS36において、制御部11は、前記ステップS35で送金手数料が最低となる送金先の取引所として特定された前記第2取引所の情報を利用者端末3に送信する。これにより、利用者端末3では、前記第2取引所のうち送金手数料が最低となる取引所を把握することが可能である。
【0083】
[店舗端末処理]
次に、図5を参照しつつ、店舗端末2の制御部21によって実行される店舗端末処理について説明する。例えば、制御部21は、飲食店の従業員により、仮想通貨による決済の開始操作に応じて前記店舗端末プログラムに従って前記店舗端末処理の実行を開始する。なお、前記店舗端末処理は、店舗端末2における所定操作に応じて途中で終了されることがある。なお、制御部21は、飲食店に設置されているテーブルごと(すなわち、飲食店を利用する利用客ごと又は利用客のグループごと)に、前記店舗端末処理を個別に並行して実行する。
【0084】
なお、ここで説明する前記店舗端末処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記店舗端末処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21によって前記店舗端末処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサーによって前記店舗端末処理における各ステップが分散して実行されてもよい。
【0085】
<ステップS51>
ステップS51において、制御部21は、特定のテーブルについて会計処理の開始要求を待ち受ける(S51:No)。具体的に、制御部21は、店舗端末2に対する会計開始操作が行われた場合に、前記会計処理の開始要求が行われたと判断する。例えば、制御部21は、会計対象のテーブルに対して発行される伝票のコードが読み取られた場合に、当該テーブルについての会計処理の開始要求が行われたと判断する。ここで、前記会計処理の開始要求が行われたと判断されると(S51:Yes)、処理がステップS52に移行する。
【0086】
<ステップS52>
ステップS52において、制御部21の算出処理部212は、特定のテーブルについての前記会計処理の開始要求に応じて、当該テーブルについて請求すべき請求金額を算出する。具体的に、制御部21は、前記オーダー履歴情報に基づいて、前記特定のテーブルについての請求金額を算出すると共に、当該請求金額に対応する仮想通貨の支払い額を算出する。
【0087】
<ステップS53>
ステップS53において、制御部21のコード生成処理部213は、前記ステップS52で算出された請求金額及び仮想通貨による支払い額の情報と、店舗端末2が設置された飲食店を識別するための店舗識別情報と、当該飲食店に対応する前記第2取引所情報とを含むコード情報を生成する。
【0088】
<ステップS54>
ステップS54において、制御部21の出力処理部214は、前記ステップS53で生成された前記コード情報を前記操作表示部23に表示出力する。なお、制御部21は、前記コード情報を印刷出力してもよい。これにより、利用者は、利用者端末3を用いて前記コード情報を読み取ることが可能である。なお、出力処理部214は、近距離無線通信を用いて利用者端末3に前記コード情報を送信してもよい。
【0089】
以上説明したように、本実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100では、飲食店で決済に利用可能な口座がある第2取引所のうち、利用者が口座を有する第1取引所との間の送金手数料が最低となる第2取引所が特定可能である。従って、仮想通貨で決済する際の送金手数料を抑制することが可能な第2取引所の容易な選択を支援することが可能となる。また、自動的に送金手数料が最低となる第2取引所が特定されるため、利用者端末3で第2取引所各々との間の送金手数料を個別に確認する場合に比べて、プログラム実行の高速化が図られると共に、メモリ使用量が抑制される。
【0090】
[他の実施形態]
以下、本発明の他の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、前述した第1実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100と同様の構成については説明を省略し、主に異なる点について説明する。
【0091】
[第2実施形態]
前記第1実施形態では、送金手数料が最低となる取引所の特定処理が仮想通貨決済支援装置1で行われる場合を例に挙げて説明した。本実施形態では、前記特定処理が利用者端末3で実行される場合について説明する。ここに、図9は、本実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100の一例を示す図である。
【0092】
図9に示されるように、本実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100では、利用者端末3が仮想通貨決済支援装置の一例であり、仮想通貨決済支援装置1が省略されている。そして、利用者端末3の制御部31は、取得処理部313、特定処理部314、及び設定処理部315を更に含む。また、利用者端末3の記憶部32には、手数料情報D1が記憶されている。
【0093】
取得処理部313は、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び手数料情報D1を取得する。特定処理部314は、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び手数料情報D1に基づいて、前記第2取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる前記第2取引所を特定する。設定処理部315は、特定処理部314で特定される前記第2取引所の口座を前記第1取引所からの前記仮想通貨の送金先口座として設定する。
【0094】
[送金先選択処理]
具体的に、利用者端末3の制御部31は、前記ステップS18~S19に代えて、送金手数料が最低となる送金先を自動で設定するための送金先選択処理を実行する。ここに、図10は、前記送金先選択処理の一例を示すフローチャートである。
【0095】
<ステップS71>
ステップS71において、制御部31の取得処理部313は、利用者端末3の利用者の前記第1取引所情報を記憶部32から読み出すことにより取得する。なお、取得処理部313が、前記第1取引所から供給される管理ソフトを実行してログインし、前記第1取引所のサーバー装置などに記憶されている前記第1取引所情報を読み出して取得してもよい。
【0096】
<ステップS72>
ステップS72において、制御部31の取得処理部313は、飲食店の前記第2取引所情報を前記コード情報から抽出して取得する。
【0097】
<ステップS73>
ステップS73において、制御部31の取得処理部313は、手数料情報D1を記憶部32から読み出すことによって取得する。
【0098】
<ステップS74>
ステップS74において、制御部31の特定処理部314は、前記ステップS71~S73で取得された前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び手数料情報D1に基づいて、前記第2取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる前記第2取引所を特定する。
【0099】
<ステップS75>
ステップS75において、制御部31の設定処理部315は、前記第2取引所情報に含まれる第2取引所のうち前記ステップS74で特定された第2取引所の口座に対応するアドレス情報を利用者端末3で行われる今回の決済における送金先として設定する。なお、前記ステップS75において、設定処理部315が、前記送金先の設定を利用者に確認させるための操作画面を操作表示部33に表示させ、ユーザーによる確認操作に応じて前記送金先の設定を確定させてもよい。
【0100】
これにより、利用者端末3では、前記ステップS20以降の処理において前記ステップS75で設定された送金先を宛先として仮想通貨を送金するための処理が実行されることになる。
【0101】
以上説明したように、本実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100においても、飲食店で決済に利用可能な口座がある第2取引所のうち、利用者が口座を有する第1取引所との間の送金手数料が最低となる第2取引所が特定可能である。従って、仮想通貨で決済する際の送金手数料を抑制することが可能な第2取引所の容易な選択を支援することが可能となる。また、自動的に送金手数料が最低となる第2取引所を特定するための処理が利用者端末3で実行されるため、前述の仮想通貨決済支援装置1などとの間の通信が不要となり、データ通信料が抑制されると共に、プログラム実行の高速化が図られる。
【0102】
[第3実施形態]
前記第1実施形態及び前記第2実施形態では、利用者の口座から飲食店の口座に仮想通貨が送金される場合について説明した。本実施形態では、利用者の口座から決済代行者の口座に仮想通貨が送金される構成について説明する。即ち、本実施形態では、飲食店が仮想通貨の口座を有していない場合にも、利用者による仮想通貨を用いた決済を実現することが可能な仮想通貨決済支援システム100について説明する。
【0103】
まず、本実施形態において、仮想通貨決済支援装置1では、記憶部12に、前記決済代行者が口座を有する一又は複数の取引所(以下、「代行取引所」と称する)に関する代行取引所情報が記憶されている。前記代行取引所情報には、前記取引所識別情報、前記仮想通貨種別、及び前記アドレス情報などが含まれる。
【0104】
<ステップS53>
本実施形態において、店舗端末2で実行される前記店舗端末処理(図5参照)では、前記ステップS53において、前記請求金額及び仮想通貨による支払い額を含み、前記第2取引所情報を含まないコード情報が生成される。また、前記コード情報に前記第2取引所情報が含まれていてもよい。
【0105】
<ステップS18>
本実施形態において、利用者端末3で実行される利用者端末処理(図3参照)では、前記ステップS15~S17の処理が省略される。そして、前記ステップS18において、制御部31は、前記取引所特定依頼として、前記第1取引所情報などの情報を仮想通貨決済支援装置1に送信する。また、前記取引所特定依頼に前記第2取引所情報が含まれていてもよい。
【0106】
<ステップS33>
一方、仮想通貨決済支援装置1で実行される決済支援処理(図4参照)では、前記ステップS33において、制御部11が、記憶部12から前記代行取引所情報を読み出すことによって、当該代行取引所情報を取得する。ここに、本実施形態では、前記決済代行者が第2ユーザーの一例であり、前記代行取引所情報が第2取引所情報の一例である。
【0107】
<ステップS35>
そして、ステップS35において、制御部11は、前記第1取引所情報と、前記代行取引所情報と、手数料情報D1とに基づいて、前記代行取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる前記代行取引所を特定する。
【0108】
これにより、本実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100では、決済代行者が決済に利用可能な口座の取引所のうち、利用者が口座を有する取引所との間の送金手数料が最低となる取引所が特定可能であるため、その取引所を送金先として選択して決済を行うことが可能となる。また、本実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100によれば、飲食店に、仮想通貨の取引所の口座がなくても、利用者は、決済代行者を介して決済を行うことが可能である。なお、決済代行者から飲食店には、現実通貨又は仮想通貨などを用いる予め定められた手法で対価が提供されればよい。
【0109】
また、前記コード情報及び前記取引所特定依頼に前記第2取引所情報が含まれており、前記ステップS35において、制御部11が、前記第1取引所情報と、前記第2取引所情報と、前記代行取引所情報と、手数料情報D1とに基づいて、前記第2取引所及び前記代行取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる取引所を特定することも考えられる。これにより、本実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100では、飲食店又は決済代行者が決済に利用可能な口座の取引所のうち、利用者が口座を有する取引所との間の送金手数料が最低となる取引所が特定可能であるため、その取引所を送金先として選択して決済を行うことが可能となる。
【0110】
また、前記第2実施形態と同様に、利用者端末3の記憶部32に、前記代行取引所情報が記憶されており、制御部31が、前記第1取引所情報と、前記代行取引所情報と、手数料情報D1とに基づいて、前記代行取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる前記代行取引所を特定してもよい。さらに、前記コード情報及び前記取引所特定依頼に前記第2取引所情報が含まれており、制御部31が、前記第1取引所情報と、前記第2取引所情報と、前記代行取引所情報と、手数料情報D1とに基づいて、前記第2取引所及び前記代行取引所のうち前記第1取引所との間の前記送金手数料が最低となる取引所を特定することも考えられる。
【0111】
[第4実施形態]
前記第1実施形態~前記第3実施形態では、送金手数料が最低となる取引所が送金先として自動的に選択される場合を例に挙げて説明した。本実施形態では、利用者が、送金手数料を考慮して送金先を任意に選択可能な構成について説明する。
【0112】
具体的に、仮想通貨決済支援装置1で実行される前記ステップS35~S36(図4参照)では、送金先の取引所の候補ごとに対応する送金手数料が手数料情報D1から抽出され、利用者端末3に通知されることが考えられる。また、利用者端末3で実行される前記ステップS74~S75(図10参照)では、送金先の取引所の候補ごとに対応する送金手数料が手数料情報D1から抽出されてもよい。
【0113】
そして、利用者端末3では、前記ステップS20において決済承認画面P2が表示される前に、制御部31が、前記送金先の取引所の候補から送金先を選択するための取引所選択画面P3を操作表示部33に表示させる。ここに、図11は、取引所選択画面P3の一例を示す図である。
【0114】
図11に示されるように、取引所選択画面P3では、前記送金先の取引所の候補ごとに対応する操作キーK12に、当該取引所の名称と共に前記送金手数料が表示されている。特に、制御部31は、前記送金先の取引所の候補に対応する操作キーK12を前記送金手数料が低いものから順に上位に優先して表示させる。その後、制御部31は、取引選択画面P3で取引所が選択されると、前記ステップS20以降の処理を実行し、当該取引所に対する仮想通貨の送金が行われる。
【0115】
以上説明したように、本実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100では、決済に利用可能な口座の取引所各々について送金手数料が表示されるため、利用者は、その送金手数料を容易に把握しつつ送金先の取引所を選択することが可能である。
【0116】
[第5実施形態]
ところで、利用者端末3の利用者が複数の取引所の口座において同種の仮想通貨を所有していることが考えられる。そして、利用者端末3では、制御部31が、利用者が有する複数の第1取引所の口座の情報の登録操作を受け付けて記憶部32に記憶することが可能な構成が考えられる。
【0117】
<ステップS18>
具体的に、前記ステップS18(図3参照)で送信される前記取引所特定依頼には、利用者が有する複数の取引所の口座の情報が前記第1取引所情報として含まれる。なお、この場合、前記ステップS14は省略されてもよいが、前記ステップS14において複数の口座の情報が登録可能であってもよい。
【0118】
<ステップS35>
そして、仮想通貨決済支援装置1で実行される前記ステップS35(図4参照)では、一又は複数の第1取引所と一又は複数の第2取引所との組み合わせのうち、送金手数料が最低となる取引所の組み合わせが特定される。その後、前記ステップS36では、前記ステップS35で特定された、送金手数料が最低となる取引所の組み合わせが利用者端末3に送信される。これにより、利用者端末3では、前記ステップS19において、仮想通貨決済支援装置1から受信した、送金手数料が最低となる取引所の組み合わせに基づいて、送金元の口座と送金先の口座とが選択される。
【0119】
<ステップS74>
なお、前記第2実施形態で説明したように、利用者端末3で送金手数料が最低となる取引所の特定処理が実行される場合には、前記ステップS74において、一又は複数の第1取引所と一又は複数の第2取引所との組み合わせのうち、送金手数料が最低となる取引所の組み合わせが特定される。これにより、利用者端末3では、前記ステップS75において、送金手数料が最低となる取引所の組み合わせに基づいて、送金元の口座と送金先の口座とが選択される。
【0120】
以上説明したように、本実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100では、利用者が有する取引所の口座と飲食店で利用可能な取引所の口座との組み合わせのうち送金手数料が最低となる組み合わせで決済が行われることになる。
【0121】
[第6実施形態]
また、利用者端末3の利用者が複数種別の仮想通貨の口座を所有していることがある。同様に、店舗端末2が設置された飲食店も複数種別の仮想通貨の口座を有していることがある。この場合、仮想通貨決済支援システム100では、複数の仮想通貨種別のうち、利用者と飲食店との間で送金手数料が最低となる前記第1取引所、前記第2取引所、及び前記仮想通貨種別の組み合わせが特定されることが考えられる。この場合、ステップS14の処理が省略される。
【0122】
<ステップS35~S36>
具体的に、前記ステップS35(図4参照)では、前記第1取引所及び前記仮想通貨種別と前記第2取引所及び前記仮想通貨種別との組み合わせのうち、送金手数料が最低となる前記第1取引所、前記第2取引所、及び前記仮想通貨種別の組み合わせが手数料情報D1に基づいて特定される。その後、前記ステップS36では、前記ステップS35で特定された、送金手数料が最低となる前記第1取引所、前記第2取引所、及び前記仮想通貨種別の組み合わせが利用者端末3に送信される。これにより、利用者端末3では、前記ステップS19において、送金手数料が最低となる前記第1取引所、前記第2取引所、及び前記仮想通貨種別の組み合わせに基づいて、送金元の口座と送金先の口座とが選択される。
【0123】
<ステップS74~S75>
なお、前記第2実施形態で説明したように、利用者端末3で送金手数料が最低となる取引所の特定処理が実行される場合には、前記ステップS74において、前記第1取引所及び前記仮想通貨種別と前記第2取引所及び前記仮想通貨種別との組み合わせのうち、送金手数料が最低となる前記第1取引所、前記第2取引所、及び前記仮想通貨種別の組み合わせが手数料情報D1に基づいて特定される。これにより、利用者端末3では、前記ステップS75において、送金手数料が最低となる前記第1取引所、前記第2取引所、及び前記仮想通貨種別の組み合わせに基づいて、送金元の口座と送金先の口座とが選択される。
【0124】
以上説明したように、本実施形態に係る仮想通貨決済支援システム100では、利用者が有する第1取引所及び仮想通貨種別と飲食店で利用可能な第2取引所及び仮想通貨種別との組み合わせのうち送金手数料が最低となる組み合わせで決済が行われることになる。
【0125】
[第7実施形態]
なお、店舗端末2で決済処理が実行されることも考えられる。
【0126】
具体的に、利用者端末3の制御部31が、ユーザー操作に応じて、前記第1取引所情報を含むコード情報を生成して操作表示部33に表示出力し、店舗端末2が備えるカメラ(不図示)で前記コード情報が読み取られる。なお、利用者端末3から店舗端末2に近距離無線通信を用いて前記コード情報が送信されてもよい。
【0127】
そして、店舗端末2では、制御部21が、前記第1取引所情報と、前記第2取引所情報と、手数料情報D1とに基づいて、送金手数料が最低となる第1取引所及び第2取引所を選択する。その後、制御部21は、今回の決済についての承認画面を操作表示部23に表示させ、ユーザーによる確認操作に応じて前記第1取引所から前記第2取引所への送金依頼を当該第1取引所のサーバー装置に送信する決済処理を実行する。
【0128】
[第8実施形態]
本実施形態では、仮想通貨決済支援装置1において、利用者の口座から飲食店の口座に仮想通貨を送金するための処理が実行される構成について説明する。即ち、本実施形態では、仮想通貨決済支援装置1が、利用者の口座から飲食店の口座への仮想通貨の送金を代行する構成について説明する。
【0129】
具体的に、仮想通貨決済支援装置1の記憶部12に、利用者識別情報と第1取引所情報との対応関係を示す第1対応情報D2(図12参照)と、店舗識別情報と第2取引情報との対応関係を示す第2対応情報D3(図13参照)とが予め記憶される。なお、仮想通貨決済支援装置1の制御部11は、前記第1対応情報D2及び前記第2対応情報D3を利用者端末3又は店舗端末2のユーザー操作に応じて登録又は編集することが可能である。また、店舗端末2の出力処理部213は、店舗識別情報と請求金額の情報とを含むコード情報を出力する。そして、仮想通貨決済支援装置1の制御部11は、図14に示す決済支援処理を実行する。なお、前記決済支援処理(図4参照)と同様の処理手順については同じ符号を付しており、その説明を省略することがある。
【0130】
<ステップS31>
ステップS31において、制御部11は、利用者端末3からの取引所特定依頼を待ち受ける。本実施形態において、利用者端末3から送信される前記取引所特定依頼には、利用者識別情報と店舗識別情報とが含まれる。これにより、制御部11は、送金元の利用者識別情報と送金先の店舗識別情報を特定可能である。
【0131】
<ステップS32~S33>
前記ステップS32において、制御部11は、前記利用者識別情報と、記憶部12に記憶されている第1対応情報D2に基づいて、送金元の利用者の口座の取引所の情報を取得する。同様に、前記ステップS33において、制御部11は、前記店舗識別情報と、記憶部12に記憶されている第2対応情報D3に基づいて、送金先の飲食店の口座の取引所の情報を取得する。
【0132】
<ステップS37>
そして、ステップS37において、制御部11は、利用者端末3からの送金指示を待ち受ける(S37:No)。ここで、利用者端末3から送金指示を受信したと判断されると(S37:Yes)、処理がステップS38に移行する。
【0133】
<ステップS22>
一方、利用者端末3では、前記ステップS22で実行される前記送金処理において、決済処理部312が、前記ステップS16又はS19で選択された口座を送金先として、送金元口座から決済金額に対応する仮想通貨を送金するための送金指示を仮想通貨決済支援装置1に送信する。例えば、前記送金指示には、送金元口座のパスワードと、送金先のアドレス情報と、送金する仮想通貨の額とが含まれる。
【0134】
<ステップS38>
そして、ステップS38において、制御部11は、利用者端末3から受信した前記送金指示に基づいて、ステップS16又はS19で選択された口座を送金先として、前記送金指示に含まれる仮想通貨の額を送金元口座から送金するための送金指示を取引所に送信する。なお、前記送金指示には、利用者端末3から受信した前記パスワードなどの情報も含まれる。また、前記パスワードは、前記利用者端末3ごとに対応付けてこれにより、送金元口座から送金先の口座に仮想通貨が送金されることになり、送金後には仮想通貨決済支援装置1から利用者端末3に送金完了情報などが送信されて当該利用者端末3で表示される。なお、前記送金処理は、例えば仮想通貨決済支援装置1に予めインストールされている仮想通貨の管理ソフトを用いて行われる。
【0135】
また、前記決済支援処理において、前記ステップS36~S37が省略され、前記ステップS35で特定された送金元及び送金先の取引所に基づいて前記ステップS38における送金指示が行われてもよい。即ち、送金手数料が最低となる送金先の取引所が特定された場合に、ユーザー操作を伴わずにそのまま当該取引所への送金が実行されることが考えられる。
【0136】
なお、前記コード情報に前記第2取引所情報が含まれており、前記取引所特定依頼に、利用者の口座の取引所の情報を示す前記第1取引所情報と、飲食店の口座の取引所の情報を示す前記第2取引所情報とが含まれていてもよい。この場合、制御部31は、前記ステップS32において前記取引所特定依頼から前記第1取引所情報を取得し、前記ステップS33において前記取引所特定依頼から前記第2取引所情報を取得することになる。また、前記第2取引所情報D3が記憶部12に記憶されており、前記取引所特定依頼に利用者の口座の取引所の情報を示す前記第1取引所情報と前記店舗識別情報とが含まれることも考えられる。同様に、前記第1取引所情報D2が記憶部12に記憶されており、前記取引所特定依頼に飲食店の口座の取引所の情報を示す前記第2取引所情報と前記利用者識別情報とが含まれることも考えられる。
【0137】
[第9実施形態]
ところで、利用者の口座から飲食店の口座への仮想通貨の送金に要する前記送金手数料には、当該送金の取引を確認するマイナーに報酬として支払われるマイニング手数料と、送金元の取引所及び送金元の取引所のいずれか一方又は両方に当該送金の取引について支払われる決済手数料とが含まれることがある。ここに、図15は、手数料情報D1(図2参照)の他の例である手数料情報D11を示す図である。図15に示されるように、手数料情報D11には、手数料の情報として、マイニング手数料及び決済手数料が区別して記憶されている。そして、仮想通貨決済支援システム100では、手数料情報D11に基づいて、手数料が最低となる取引所の組み合わせが特定されることになる。
【0138】
具体的に、まず第1の特定手法として、仮想通貨決済支援装置1の制御部11によって、前記ステップS35で、手数料が最低となる取引所の組み合わせが特定される際、手数料情報D11に基づいて、前記マイニング手数料が最低となる組み合わせで取引所が特定されることが考えられる。これにより、送金者である利用者が負担する送金手数料を抑制することが可能である。
【0139】
また、第2の特定手法として、手数料が最低となる取引所の組み合わせが特定される際、手数料情報D11に基づいて、前記決済手数料が最低となる組み合わせで取引所が特定されてもよい。これにより、前記決済手数料を利用者が負担する場合には、当該利用者が負担する送金手数料を抑制することが可能である。一方、前記決済手数料を飲食店が負担する場合には、当該飲食店が負担する送金手数料を抑制することが可能である。同じく、前記決済手数料を利用者及び飲食店で分担する場合には、当該利用者及び飲食店が負担する送金手数料を抑制することが可能である。
【0140】
さらに、第3の特定手法として、手数料が最低となる取引所の組み合わせが特定される際、手数料情報D11に基づいて、前記マイニング手数料及び前記決済手数料の合計が最低となる組み合わせで取引所が特定されてもよい。
【0141】
例えば、制御部11は、前記第1の特定手法、前記第2の特定手法、及び前記第3の特定手法のいずれかを、店舗端末2又は利用者端末3のユーザー操作に応じて送金処理ごとに選択可能であることが考えられる。もちろん、前記第1の特定手法、前記第2の特定手法、及び前記第3の特定手法のいずれかが予め初期設定として選択されていてもよい。なお、ここでは、仮想通貨決済支援装置1の制御部11によって前記取引所の組み合わせが特定される場合について説明するが、前記各実施形態で説明したように店舗端末2又は利用者端末3で特定される際にも同様である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想通貨が取引可能な複数の取引所のうち第1ユーザーが口座を有する複数の第1取引所を識別可能な第1取引所情報と、前記取引所のうち第2ユーザーが口座を有する複数の第2取引所を識別可能な第2取引所情報と、複数の前記取引所のそれぞれの間の仮想通貨の送金に要する額に関する所定の情報とを取得する取得処理部と、
前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記所定の情報に基づいて、複数の前記第1取引所及び複数の前記第2取引所における前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせのうち送金額に対応する前記送金に要する額が最低となる前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせを特定する特定処理部と、
を備え、
前記所定の情報には、仮想通貨の種別と当該種別に対応する前記送金に要する額に関する情報とが含まれ、
前記特定処理部は、ユーザー操作で選択された仮想通貨の種別と、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記所定の情報とに基づいて、複数の前記第1取引所及び複数の前記第2取引所における前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせのうち、前記選択された前記仮想通貨の種別に対応する前記送金に要する額が最低となる前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせを特定する、
仮想通貨決済支援装置。
【請求項2】
前記送金に要する額は、送金の取引を確認するマイナーに報酬として支払われるマイニング手数料を含む、
請求項1に記載の仮想通貨決済支援装置。
【請求項3】
前記送金に要する額は、送金元の取引所及び送金元の取引所のいずれか一方又は両方に当該送金の取引について支払われる決済手数料を含む、
請求項1又は2に記載の仮想通貨決済支援装置。
【請求項4】
前記第1取引所の前記第1ユーザーの口座から前記特定処理部で特定された前記第2取引所の前記第2ユーザーの口座に仮想通貨を送金する決済処理部を更に備える、
請求項1~3のいずれかに記載の仮想通貨決済支援装置。
【請求項5】
コンピューターが、
仮想通貨が取引可能な複数の取引所のうち第1ユーザーが口座を有する複数の第1取引所を識別可能な第1取引所情報と、前記取引所のうち第2ユーザーが口座を有する複数の第2取引所を識別可能な第2取引所情報と、複数の前記取引所のそれぞれの間の仮想通貨の送金に要する額に関する所定の情報とを取得する取得ステップと、
前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記所定の情報に基づいて、複数の前記第1取引所及び複数の前記第2取引所における前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせのうち送金額に対応する前記送金に要する額が最低となる前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせを特定する特定ステップと、
を実行する仮想通貨決済支援方法であって、
前記所定の情報には、仮想通貨の種別と当該種別に対応する前記送金に要する額に関する情報とが含まれ、
前記特定ステップは、ユーザー操作で選択された仮想通貨の種別と、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記所定の情報とに基づいて、複数の前記第1取引所及び複数の前記第2取引所における前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせのうち、前記選択された前記仮想通貨の種別に対応する前記送金に要する額が最低となる前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせを特定する、
仮想通貨決済支援方法。
【請求項6】
コンピューターに、
仮想通貨が取引可能な複数の取引所のうち第1ユーザーが口座を有する複数の第1取引所を識別可能な第1取引所情報と、前記取引所のうち第2ユーザーが口座を有する複数の第2取引所を識別可能な第2取引所情報と、複数の前記取引所のそれぞれの間の仮想通貨の送金に要する額に関する所定の情報とを取得する取得ステップと、
前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記所定の情報に基づいて、複数の前記第1取引所及び複数の前記第2取引所における前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせのうち送金額に対応する前記送金に要する額が最低となる前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせを特定する特定ステップと、
を実行させるための仮想通貨決済支援プログラムであって、
前記所定の情報には、仮想通貨の種別と当該種別に対応する前記送金に要する額に関する情報とが含まれ、
前記特定ステップは、ユーザー操作で選択された仮想通貨の種別と、前記第1取引所情報、前記第2取引所情報、及び前記所定の情報とに基づいて、複数の前記第1取引所及び複数の前記第2取引所における前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせのうち、前記選択された前記仮想通貨の種別に対応する前記送金に要する額が最低となる前記第1取引所及び前記第2取引所の組み合わせを特定する、
仮想通貨決済支援プログラム。