IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 根占 賢志の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168102
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142723
(22)【出願日】2022-09-08
(62)【分割の表示】P 2018174843の分割
【原出願日】2018-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】511204061
【氏名又は名称】根占 賢志
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】根占 賢志
(57)【要約】
【課題】1回の服用分の薬液を充填させる場合に適した容器を提供する。
【解決手段】容器本体201に薬液を充填するための充填口211が形成された被充填部209と、容器本体201に充填された薬液を注出させるための注出部203と、注出部203に連接される摘み部206と、を有する容器であって、注出部203は、咥え部214と、咥え部214および容器本体201との間に位置する延伸部213と、咥え部214の内部および延伸部213の内部に亘る注出通路207と、を有し、咥え部214は、摘み部206に連接されると共に、摘み部206との間で破断することで咥え部214に注出口204が形成され、咥え部214は、注出通路207から外側面までの間の厚みが、延伸部213における注出通路207から外側面までの間の厚みよりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体に薬液を充填するための充填口が形成された被充填部と、
前記容器本体に充填された薬液を注出させるための注出部と、
前記注出部に連接される摘み部と、を有する自動分注装置用の容器であって、
前記注出部は、咥え部と、前記咥え部および前記容器本体との間に位置する延伸部と、前記咥え部の内部および前記延伸部の内部に亘る注出通路と、を有し、
前記咥え部は、前記摘み部に連接されると共に、前記摘み部との間で破断することで前記咥え部に注出口が形成され、
前記咥え部は、前記注出通路から外側面までの間の厚みが、前記延伸部における前記注出通路から外側面までの間の厚みよりも大きいことを特徴とする自動分注装置用の容器。
【請求項2】
前記咥え部は、前記注出通路から外側面までの間の厚みが、前記容器本体における収容空間から外側面までの間の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の自動分注装置用の容器。
【請求項3】
前記注出通路は、前記容器本体から前記注出口に向かって通路面積が狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動分注装置用の容器。
【請求項4】
前記摘み部は、内部が埋められていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の自動分注装置用の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関するものである。特に、1回の服用分の薬液を分注する自動分注装置用の容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
分注装置として例えば特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1に開示された分注装置は、自動的に薬瓶から薬液を吸引し患者用容器に排出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-16569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された分注装置は、薬液の分注総量を患者用容器に分注するものである。このような分注装置によって分注された患者用容器の薬液は、複数回の服用分の薬液が注入されている。したがって、実際に患者が服用するときには、患者自身が1回の服用分の薬液を目視やスポイト等により計量し、患者用容器から取り出す必要がある。したがって、患者がこのような作業を行うのは手間が掛かる上に計量を間違ってしまったり、誤って一度に全て服用してしまったりするおそれがある。
【0005】
また、例えば患者が保育所に通う子供の場合には、保育所で患者用容器から1回の服用分の薬液を取り出す作業をしてもらえないことが多い。そのため、予め保護者が患者用容器から1回の服用分の薬液を取り出し、異なる容器に入れて子供に所持させることもできるが、液漏れしない容器が必要であり、そのような特殊な容器を子供に開封させるのは困難である。
【0006】
また、近年、所定の容量の薬液を容器に封止して販売されている場合がある。このような薬液を製造する製造装置は、事業者が予め所定の容量の薬液を容器に充填して大量に製造することを目的としたものである。したがって、患者の処方箋ごとに薬液の種類、容量、必要な本数が異なる薬局等で処方される場合に対応することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、1回の服用分の薬液を充填させる場合に適した容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の容器は、容器本体に薬液を充填するための充填口が形成された被充填部と、前記容器本体に充填された薬液を注出させるための注出部と、前記注出部に連接される摘み部と、を有する自動分注装置用の容器であって、前記注出部は、咥え部と、前記咥え部および前記容器本体との間に位置する延伸部と、前記咥え部の内部および前記延伸部の内部に亘る注出通路と、を有し、前記咥え部は、前記摘み部に連接されると共に、前記摘み部との間で破断することで前記咥え部に注出口が形成され、前記咥え部は、前記注出通路から外側面までの間の厚みが、前記延伸部における前記注出通路から外側面までの間の厚みよりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1回の服用分の薬液を充填させる場合に適した容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態の自動分注システムの外観構成を示す図である。
図2】自動分注装置の内部の構成を示す斜視図である。
図3】自動分注装置の概略構成を示す平面図である。
図4】自動分注装置の一部を分解した状態を示す斜視図である。
図5】移送部の周辺の構成を示す斜視図である。
図6】容器の構成を示す図である。
図7】容器供給部の概略構成を示す図である。
図8】薬液充填部の周辺の構成を示す斜視図である。
図9】薬液充填部の周辺の概略構成を示す図である。
図10図9に示すI-I線を切断して矢印方向から見た断面図である。
図11A】容器封止部の周辺の構成を示す斜視図である。
図11B】容器封止部の周辺の構成を示す斜視図である。
図12】容器排出部の周辺の構成を示す図である。
図13】自動分注装置の内部構成を示す図である。
図14】自動分注装置の処理を示すフローチャートである。
図15】表示部の画面の一例を示す図である。
図16】表示部の画面の一例を示す図である。
図17】表示部の画面の一例を示す図である。
図18】印刷されるレシートおよびラベルの一例を示す図である。
図19】第2の実施形態の容器供給部の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は本実施形態に係る自動分注システムの外観構成を示す図である。自動分注システム10は、自動分注装置20、レセプトコンピュータ30を含んで構成されている。自動分注装置20は、レセプトコンピュータ30と通信可能に接続されている。なお、図1を含む各図では、必要に応じて自動分注装置20の前側をF、後側をB、右側をR、左側をLで示している。
【0012】
薬剤師等のユーザは、処方箋に記載された患者名、処方内容をレセプトコンピュータ30に入力する。レセプトコンピュータ30は、入力された情報を自動分注装置20に送信する。
自動分注装置20は、レセプトコンピュータ30から受信した処方内容の情報に基づいて、自動的に1つの容器ごとに1回の服用分の薬液を分注し、容器ごとに封止する。また、自動分注装置20は、必要な容器本数の分注が完了した後に、後述する薬液充填部140を自動的に洗浄する。
【0013】
自動分注装置20の外観構成について説明する。
自動分注装置20は、全体がカバーによって覆われる。自動分注装置20の前側には、前面カバー21を有する。前面カバー21は、側面カバーに対してヒンジによって開閉可能であり、開放することでユーザが自動分注装置20の内部にアクセスできる。前面カバー21には、電源スイッチ22と、表示部23と、プリンタ24とが配置される。電源スイッチ22は自動分注装置20を起動するためのスイッチである。表示部23は、分注に関する各種情報を表示する。なお、表示部23は、タッチパネル機能を備えており、操作部としても機能する。プリンタ24は、分注した薬液の容量および容器本数等の情報を、レシートやラベル等に印刷する。前面カバー21の下側には、容器取出部25を有する。容器取出部25は、前側に引き出すことが可能であり、引き出すことで薬液が分注された容器を取り出すことができる。
【0014】
側面カバー26は、一部に通気孔27を有する。通気孔27の内側にはフィルターを介してファン28が配置される。ファン28は、通気孔27を通して外気を自動分注装置20の内部に取り込み、取り込まれた外気を各カバーの隙間から外部に排気する。通気孔27の内側にはフィルターが配置され、フィルターによって浄化された外気が取り込まれる。
また、自動分注装置20の上側には、後述する容器ホッパ121、薬液容器141が配置される。
【0015】
次に、自動分注装置20の具体的な構成について図2図5図7図12を参照して説明する。
図2は、自動分注装置20内の構成を示す斜視図である。自動分注装置20はフレーム101(筐体)によって骨格が構成される。
図3は、上側から見た自動分注装置20の概略構成を示す図である。自動分注装置20は、テーブル状の移送部110が鉛直軸を回転中心にして回転可能に配置されている。また、自動分注装置20は、移送部110における角度90度の間隔で容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160、容器排出部170が配置されている。また、薬液充填部140と同様の位置に洗浄部180が配置されている。
【0016】
まず、移送部110の構成について説明する。図4は、自動分注装置20の一部を分解した状態を示す斜視図である。図5は、移送部110の周辺を拡大した状態を示す斜視図である。
移送部110は、フレーム101によって支持され、薬液を充填する前の容器または充填した後の容器を移送する。図5に示すように、移送部110は、第1ターンテーブル109a、第2ターンテーブル109b、テーブル回転モータ115、支持板116、テーブル昇降モータ117を備えている。
第1ターンテーブル109aは円板状であって、周縁に近接した位置に上下方向に貫通する挿通孔111が90度間隔で形成される。また、第1ターンテーブル109a上には、挿通孔111に連通する孔112が形成された保持部113がそれぞれ90度間隔で配置される。挿通孔111および孔112には容器が挿通される。保持部113は、軸状の容器を孔112に挿通させ起立した状態で保持する。ここでは、保持部113により保持された容器は孔112の内面との間に隙間があり、軸回りに回転可能な状態である。
【0017】
第2ターンテーブル109bは円板状であって、第1ターンテーブル109aの下側で第1ターンテーブル109aと平行に配置される。なお、第2ターンテーブル109bのうち第1ターンテーブル109aと同様の構成には同一符号を付している。また、第2ターンテーブル109bは、第1ターンテーブル109aとの間で連結ガイド部114によって連結され、常に互いの挿通孔111が上下方向に連通している。また、第2ターンテーブル109bは、第1ターンテーブル109aと異なり、上下に昇降可能である。このとき、第2ターンテーブル109bの昇降は、連結ガイド部114によってガイドされる。
なお、第1ターンテーブル109aおよび第2ターンテーブル109bの保持部113はそれぞれ、孔112を広げることができるように構成される。保持部113の孔112を広げる構成については後述する。
【0018】
テーブル回転モータ115は、移送駆動部の一例であって、第1ターンテーブル109aから離れた位置でフレーム101に固定される。テーブル回転モータ115は、タイミングベルト103を介して第1ターンテーブル109aの中心に固定されたシャフト104を回転させる。テーブル回転モータ115は、第1ターンテーブル109aを一方向(左回り)に90度回転させたら、所定時間(t1)停止する処理を繰り返す。なお、第2ターンテーブル109bは、連結ガイド部114を介して第1ターンテーブル109aと同期して回転する。
【0019】
支持板116は平板状であって、第2ターンテーブル109bの下側に配置され、第2ターンテーブル109bを下側から支持する。また、支持板116は第1ターンテーブル109aおよび第2ターンテーブル109bの各保持部113の孔112に挿通された容器の下端を支持する。図3に示すように平面視で見たとき、支持板116は第1ターンテーブル109aに対して、容器供給部120、薬液充填部140および容器封止部160に相当する位置では略重なり合う形状であるが、容器排出部170に相当する位置では重なり合わず切り欠かれている。また、支持板116は、第1ターンテーブル109aおよび第2ターンテーブル109bと異なり回転しないが、上下に昇降可能である。
【0020】
テーブル昇降モータ117は、移送昇降部の一例であって、第1ターンテーブル109aの後側でフレーム101に固定される。テーブル昇降モータ117は、支持板116を昇降する。具体的には、テーブル昇降モータ117の出力軸と、出力軸の下方に配置されたプーリ118との間にタイミングベルト119が上下方向に巻回され、このタイミングベルト119の一部に支持板116が連結される。したがって、テーブル昇降モータ117が回転することで、タイミングベルト119を介して支持板116が上下に昇降する。
【0021】
このとき、第2ターンテーブル109bが支持板116によって支持されているので、支持板116の上下の昇降に応じて第2ターンテーブル109bも昇降する。支持板116および第2ターンテーブル109bを昇降させることで、第1ターンテーブル109aとの間の上下の距離が変化する。また、テーブル昇降モータ117は、テーブル回転モータ115が第1ターンテーブル109aおよび第2ターンテーブル109bを90度回転させ、所定時間(t1)停止している間に、支持板116および第2ターンテーブル109bを上昇させ、その後に下降させる。支持板116および第2ターンテーブル109bを上昇させることで、容器の後述する被充填部をそれぞれ薬液充填部140および容器封止部160に近接させることができる。
【0022】
ここで、本実施形態に用いる容器について図6を参照して説明する。図6(a)は薬液が充填される前の空の容器200の斜視図である。図6(b)は薬液が充填された後の容器200の斜視図である。図6(c)は摘み部206を破断させたときの容器200の斜視図である。図6(d)は容器200の軸方向(パーティングライン)に沿って切断したときの断面図である。
容器200は、略透明であって、軟質な合成樹脂、例えば軟質ポリエチレンで一体的に形成され、容器本体201、摘み部206および被充填部209等を有している。容器本体201は、略筒状に形成され、内部に薬液を収容する収容空間202が形成される。容器本体201は、指で押圧することで変形し、押圧を解除することで元の形状に戻る程度の柔軟性を有している。また、容器本体201は、その下側に注出部203が形成されている。
【0023】
注出部203は延伸部213と、咥え部214とを有する。注出部203は、収容空間202と連通する注出通路207が延伸部213と咥え部214とに亘って形成される。延伸部213は、容器本体201の径よりも小径であって、下方に向かうにしたがって徐々に縮径する。なお、延伸部213は徐々に縮径せずに、円柱状であってもよい。咥え部214は、摘み部206を容器本体201から破断して離脱させることで、その下端に、容器本体201内に収容された薬液を外部に注出できる注出口204が形成される。咥え部214は、略球状であり、患者が口に咥えるのに適した球径である。具体的には、球の直径は10mmから20mmであることが好ましい。このような直径に設定するのは、球の直径が10mm未満では患者の口から外れ易く、球の直径が20mmよりも大きい場合には咥え難くなるためである。
ここで、容器本体201、延伸部213、咥え部214をそれぞれ水平方向に切断した場合、各円の直径(最大幅)は容器本体201、咥え部214、延伸部213の順に小さくなる。なお、容器本体201、延伸部213、咥え部214は、水平方向に切断したときに略真円状である場合に限られず、楕円状や長円状であってもよい。
【0024】
摘み部206は、容器本体201、具体的には注出部203の咥え部214に連接されている。摘み部206は、患者が摘み易い厚みの略板状であって、注出部203を取り囲むように形成されている。摘み部206を容器本体201から離脱させるまでは、咥え部214の下方は、摘み部206によって密閉される。また、咥え部214と摘み部206との境界は、咥え部214の縮径した位置であることから、摘み部206を容器本体201から離脱するときに、咥え部214と摘み部206との間で破断し易い構造になっている。すなわち、咥え部214と摘み部206との間で破断させることで、咥え部214の下方に確実に注出口204を形成させることができる。また、摘み部206には、注出部203の周囲に連接する接続部208を有している。接続部208は他の部位よりも薄肉に形成されていることから、摘み部206を容器本体201から離脱するときに、接続部208自体が破断する。
【0025】
図6(d)は、容器200の軸方向に沿って切断したときの注出部203周辺の断面図である。なお、グレーで着色した部位は接続部208であり、薄肉であることを示している。
ここで、注出部203の注出通路207は、容器本体201から咥え部214に向かうにしたがって徐々に通路面積が狭くなるようにテーパが形成される。また、延伸部213における注出通路207から外側面までの間の厚みをt1とし、咥え部214における注出通路207から外側面までの間の厚みをt2とすると、t1<t2の関係である。また、容器本体201における収容空間202から外側面までの間の厚みをt3とすると、t3とt1とは略等しい関係である。すなわち、咥え部214は厚みがあることから、延伸部213や容器本体201に比べて強度を有している。また、摘み部206は、内部が埋められており中実である。
【0026】
被充填部209は、容器本体201に連続して形成される。被充填部209は、その上方に薬液を容器本体201内に充填するための充填口211を有している。充填口211から薬液が充填された後、被充填部209は容器封止部160によって封止される。したがって、本実施形態の容器200では、任意の薬液を任意の量だけ充填させることができる。
【0027】
容器200は、例えば射出成形によって製造される。ここでは、製品の外形が形成されている一対の金型でキャビティを構成し、収容空間202と注出通路207とを形成するスライドコアをキャビティ内にスライドさせることで容器200を成形する。したがって、図6(a)に示すように、成形された容器200の両側には長手方向に沿って、一対の金型の合わせ面によって形成されたパーティングライン(分割ライン)205が形成される。
なお、容器200は、複数のサイズを有している。本実施形態の容器200は、小、中、大の3つのサイズがある。容器200は、小から大になるにしたがって容器本体201の全長が長く形成され、その他の部分は何れのサイズも同一形状である。なお、各図に示す容器200は、中サイズの容器を示している。
【0028】
次に、自動分注装置20の構成について説明する。自動分注装置20は、図3に示したように、容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160、容器排出部170、洗浄部180の5つの主な構成を有している。以下、具体的に5つの構成について説明する。なお、以下では、第1ターンテーブル109aと第2ターンテーブル109bとを区別する必要がない場合には単にターンテーブル109というものとする。
<容器供給部>
容器供給部120では、容器ホッパ121に収容されている空の容器200を一つずつ移送部110に供給する。具体的には、容器200をターンテーブル109の保持部113の孔112に挿通させて、支持板116で容器200の下端を支持する。この処理は、ターンテーブル109の回転が停止しているときに行われる。
図7は、容器供給部120の概略構成を示す図であり、容器供給部120の一部の構成を切断して右側から見た図である。
【0029】
容器供給部120は、容器ホッパ121、供給ホルダ126、容器ホルダ回転モータ128、搬送路134を備えている。
容器ホッパ121は薬液を充填する前の空の容器200を複数収容し、容器200を一つずつ供給ホルダ126に供給する。容器ホッパ121は、自動分注装置20の上側に位置し、着脱可能である。また、容器ホッパ121は、内部に同一サイズの容器200が同じ向きで収容されている。容器ホッパ121は、内部に仕切り部105を有する。ユーザは、容器200の小、中、大のサイズに応じて仕切り部105の位置を変更することで、容器200を容器ホッパ121内で安定した状態で収容できる。ユーザは適切なサイズの容器200を容器ホッパ121に投入する。
【0030】
図4に示すように、容器ホッパ121は、内部に収容空間が形成された箱状であって蓋122を開くことで、収容空間内に空の容器200を補充することができる。また、容器ホッパ121は、前板の内側面と仕切り部105の内側面とにそれぞれ揺動板123a、123bが回転可能に配置されている。揺動板123aと揺動板123bとは前後方向に沿った棒状の複数の連結部材124で連結され(ここでは一つのみを図示する)、同期して回転する。また、容器ホッパ121の底部は、揺動板123aの下側半円および揺動板123bの下側半円と、同一の曲率半径で湾曲する底面が形成される。底面の最も下側には、一つの容器200のみを容器ホッパ121から落下させるための供給孔125が前後方向に沿って形成される。
【0031】
供給ホルダ126は容器ホッパ121の下方に位置し、供給孔125から落下した一つの容器200を受け止め、倒伏した状態で保持する。具体的には、供給ホルダ126は前後方向に沿った略円筒状に形成され、外周面の一部に容器200を内部に収容するための開口127が前後方向に沿って形成される(図8も参照)。供給ホルダ126は、大きなサイズの容器200を保持できる大きさに形成されている。また、本実施形態では、容器200の被充填部209が前側に位置し、容器200の注出部203が後側に位置する向きを供給ホルダ126に保持される容器200の正しい向きであるとする。したがって、供給ホルダ126内に容器200が保持されたときに容器200が正しい向きになるように、容器ホッパ121に容器200を投入する必要がある。
【0032】
容器ホルダ回転モータ128は、ホルダ駆動部の一例であって、供給ホルダ126の後側でフレーム101に固定される。容器ホルダ回転モータ128は出力軸が供給ホルダ126の後端に接続され、供給ホルダ126を軸回りに回転させる。具体的には、容器ホルダ回転モータ128は容器200を保持した供給ホルダ126を一方向に回転させることで、開口127が下側になるため、容器200を搬送路134に落下させることができる。また、容器ホルダ回転モータ128は空の供給ホルダ126を他方向に回転させることで、開口127が再び上側になるため、容器ホッパ121の供給孔125から落下する容器200を受け止めることができる。
【0033】
また、図7に示すように、容器ホルダ回転モータ128の出力軸と、出力軸の上方に配置されたプーリ129との間にタイミングベルト130が上下方向に巻回される。プーリ129の前側にはプーリ129と同期して回転する回転部材131が設けられる。容器ホッパ121が設置されることで、回転部材131が仕切り部105の揺動板123bから後側に向かって延びる回転シャフト132に連結される。したがって、容器ホルダ回転モータ128が回転すると、タイミングベルト130、プーリ129、回転部材131および回転シャフト132にも回転が伝達され、揺動板123bが回転する。揺動板123bの回転に同期して複数の連結部材124も揺動することから、容器ホッパ121の収容空間内に収容された容器200を分散させることができ、一箇所に複数の容器200が固まっている場合でも容器200を供給孔125に導くことができる。
このように、容器ホルダ回転モータ128が供給ホルダ126を回転させると共に、容器ホッパ121の揺動板123bを回転させることで、アクチュエータを共通化でき、製造コストを削減することができる。
【0034】
搬送路134は、供給ホルダ126に近接した位置から第1ターンテーブル109aに近接した位置まで上下方向に延出している。搬送路134は、供給ホルダ126から倒伏状態で移送された容器200を起立状態に変位させて移送部110に搬送する。
搬送路134は前側の側板135F、後側の側板135B、左側の側板135L、右側の側板135Rによって構成される(図7では右側板135R、左側板135Lを省略して図示している)。前側の側板135Fは上下方向(鉛直方向)に対して傾斜している。後側の側板135Bは略上下方向に延出している。すなわち、一対の側板135F、側板135Bは、互いに延出する角度が異なっている。搬送路134の上側には供給ホルダ126に近接して上側開口136aが形成され、搬送路134の下側には第1ターンテーブル109aに近接させて下側開口136bが形成される。なお、搬送路134を上側開口136aから下側開口136bまで水平方向に切断した場合、通路断面積が徐々に小さくなる。
【0035】
また、搬送路134は、振動部として振動モータ137を有する。具体的に、振動モータ137は後側の側板135Bに固定される。振動モータ137は供給ホルダ126から落下した容器200が後側の側板135Bと接した状態のまま落下しない場合に、後側の側板135Bを振動させる。なお、後側の側板135Bは、振動モータ137が固定された周辺では、左側の側板135Lおよび右側の側板135Rと接続せずに離れている。したがって、後側の側板135Bを振動させるときの振幅を大きくすることができる。なお、振動モータ137は後側の側板135Bを振動させる場合に限られず、他の側板あるいは搬送路134全体を振動させるように構成してもよい。
【0036】
容器ホルダ回転モータ128が供給ホルダ126を回転させることで、容器200が上側開口136aを通して搬送路134に落下する。容器200が搬送路134内を自重で落下するときに、容器200は略上下に沿って配置された後側の側板135Bよりも傾斜した前側の側板135Fに接触する。すなわち、主に前側の側板135Fと容器200の被充填部209側が接触するために、逆に容器200の注出部203側が先行して落下する。したがって、容器200は倒伏状態から起立状態に変位しながら落下する。搬送路134の下側開口136b側からターンテーブル109に向かって落下するときには、容器200は完全に起立状態に変位する。
容器供給部120により供給された容器200は、ターンテーブル109の保持部113の孔112に挿通され、摘み部206が支持板116に支持され、充填口211が上側に開口した状態で保持される。
【0037】
また、容器供給部120は、供給センサ102を有する。供給センサ102は、容器200が落下してターンテーブル109に供給されたか否かを検出する。供給センサ102は、搬送路134の下側開口136bに近接して配置される。なお、供給センサ102は、供給すべき容器サイズよりも小さい容器サイズの容器200が供給されたか否かを検出する容器サイズ識別センサを兼ねている。すなわち、供給センサ102が、容器200を検出できない場合には、容器200が落下してターンテーブル109に供給されていないか、容器サイズよりも小さい容器サイズの容器200が混入して供給されている場合である。なお、容器ホッパ121内は仕切り部105により仕切られることから、供給すべき容器サイズよりも大きい容器サイズの容器200が容器ホッパ121に混入することはない。
また、後述する図8に示すように、容器供給部120は、容器センサ139aと、容器向きセンサ139bとを有する。容器センサ139aは、供給ホルダ126の右側に配置され、供給ホルダ126に容器200が保持されているか否かを検出する。容器向きセンサ139bは、供給ホルダ126の前側に配置され、供給ホルダ126内に保持されている容器200が正しい向きであるか否かを検出する。各種センサが検出した信号は、後述するコントローラ191に出力される。
このように、容器供給部120では、容器200を所定の姿勢に変位させた状態で一つずつ移送部110に供給することができる。
【0038】
<薬液充填部>
薬液充填部140は、移送部110によって移送された容器200内に薬液を充填する。この処理は、ターンテーブル109の回転が停止し、支持板116の上昇に応じて容器200が上昇しているときに行われる。
図8は、薬液充填部140の周辺の構成を示す斜視図である。図9は、薬液充填部140の周辺の概略構成を示す図である。図10は、図9に示すI-I線に沿って切断して矢印方向から見た断面図である。
【0039】
薬液充填部140は、薬液容器141、シリンジ143、シリンジ移動モータ146、吐出部149、第1電磁弁150a、第2電磁弁150bを備えている。薬液容器141は、ユーザが取扱いし易いように自動分注装置20の前側に配置され、フレーム101によって固定される。薬液容器141は、容器200に充填するための薬液を貯留する。ユーザは薬液容器141の蓋142を取り外し、1回の服用分の容量に、分注する容器本数を乗算した総容量を薬液容器141に投入する。
【0040】
シリンジ143は、薬液充填部140に移送された容器200の上方に配置されている。シリンジ143は、外筒143aと内筒(プランジャー)143bとを有する。シリンジ143は、上下方向に延出する支持基台144に取り付けられる。外筒143aの下端には、それぞれ可撓性のチューブで構成された第1流路部145aと第2流路部145bが接続される。第1流路部145aはシリンジ143から支持基台144を経由して薬液容器141に接続される。一方、第2流路部145bは支持基台144を経由して吐出部149に接続される。シリンジ143は、1回の服用分の薬液を第1流路部145aを通して薬液容器141から吸引し、吸引した薬液を第2流路部145bおよび吐出部149を通して容器200に充填する。
【0041】
シリンジ移動モータ146は、シリンジ駆動部の一例であって、支持基台144のうちシリンジ143が取り付けられた側とは反対側に配置される。図8に示すように、シリンジ移動モータ146は、ラック147とピニオン148を用いて、シリンジ143の内筒143bを外筒143aに沿って移動させる。シリンジ移動モータ146が1回の服用分の薬液の容量に相当するストロークだけ内筒143bを上昇させた後、上昇させたストロークだけ内筒143bを下降させることで、シリンジ143は正確に1回の服用分の薬液を吐出部149に圧送する。
【0042】
吐出部149は、シリンジ143から圧送された1回の服用分の薬液を吐出し、充填口211を通して容器200に充填する。吐出部149は、薬液充填部140に移送された容器200の軸線上に位置している。図10に示すように、吐出部149内には、吐出ノズル149aが下方に向かって延出している。また、吐出部149の吐出ノズル149aの周りには、移送部110の支持板116によって上昇された容器200の充填口211を取り囲む内周面149bが形成されている。したがって、吐出部149では、吐出ノズル149aから容器200に薬液を充填している間、充填口211から容器200内に異物が進入するのを防止することができる。また、内周面149bは、下方に向かうにしたがって拡開するテーパ状に形成されている。したがって、仮に容器200がズレた状態で上昇されたとしても、吐出部149内に容器200の充填口211を配置することができる。
【0043】
第1電磁弁150aおよび第2電磁弁150bは、支持基台144のうちシリンジ143が取り付けられた側とは反対側で水平方向に並べて配置される。図10に示すように、第2電磁弁150bはプランジャ151が支持基台144を貫通して、第2流路部145bに対して進退できるように構成される。すなわち、第2電磁弁150bのプランジャ151を進出させて第2流路部145bを変形させることで、第2流路部145bの流路を閉塞させる。逆に、第2電磁弁150bのプランジャ151を第2流路部145bから後退させることで第2流路部145bの変形が元に戻り、第2流路部145bの流路を開放させる。第1電磁弁150aについても同様な構造でプランジャ151の進退に応じて第1流路部145aを閉塞または開放させる。
【0044】
したがって、シリンジ143の内筒143bが上昇するときには薬液容器141とシリンジ143との間でのみ薬液を通過できるように第1電磁弁150aが第1流路部145aを開放し、第2電磁弁150bが第2流路部145bを閉塞する。一方、内筒143bが下降するときにはシリンジ143と吐出部149との間でのみ薬液が通過できるように第1電磁弁150aが第1流路部145aを閉塞し、第2電磁弁150bが第2流路部145bを開放する。更に、薬液が容器200に分注された後、薬液容器141に残留した薬液および薬液容器141を洗浄した水を排水するときにも、第1電磁弁150aおよび第2電磁弁150bが同様に動作する。
【0045】
なお、第1電磁弁150aおよび第2電磁弁150bのそれぞれのプランジャ151が進出したときに、第1流路部145aおよび第2流路部145bを変形させて、流路を閉塞させるため、図10に示すように、薬液充填部140はプランジャ151の受部152を有している。図8および図9に示すように、受部152は、支持基台144に図示しないヒンジを介して水平方向に開閉する扉部153に取り付けられている。ここで、扉部153が閉塞されることで、受部152が第1流路部145aおよび第2流路部145bに対して密接され、プランジャ151の受けとして機能する。
【0046】
また、扉部153は第1流路部145aおよび第2流路部145bに加えて、シリンジ143も覆うことができる大きさに形成されている。したがって、扉部153が閉塞されることで、シリンジ143が支持基台144から抜き出ることを防止することができる。なお、シリンジ143、第1流路部145aおよび第2流路部145bが劣化した場合には、扉部153を開放することで、これらの部品を取り外すことができ、容易に交換することができる。
このように、薬液充填部140では、1回の服用分の薬液を容器200に充填することができる。
【0047】
<容器封止部>
容器封止部160は、薬液が充填された容器200を封止する。この処理は、ターンテーブル109の回転が停止し、支持板116の上昇に応じて容器200が上昇しているときに行われる。
図11A図11Bは、容器封止部160の周辺の構成を示す斜視図である。なお、図11Aは容器200を封止する前の状態を示し、図11Bは容器200を封止している状態を示している。
【0048】
容器封止部160は、封止機161、加圧受台162、封止機移動モータ163を備えている。封止機161は、薬液が充填された容器200の充填口211を封止する。本実施形態では、封止機161として超音波振動装置を用いている。超音波振動装置は、電気エネルギーを機械的振動エネルギーに変換し、同時に加圧することにより、摩擦熱を発生させ樹脂を溶融して接着(溶着)させる装置である。超音波振動装置は、超音波振動子161aおよびホーン161bを備えている。
封止機161は、ホーン161bが容器封止部160に位置する容器200の充填口211に指向する状態で、ターンテーブル109の上方に配置されている。
【0049】
加圧受台162は、支持板116によって上昇された容器200に近接した位置に配置される。加圧受台162は、封止機161のホーン161bによる加圧を容器200の被充填部209を介して受け止める。加圧受台162には、容器200との干渉を回避するための逃部162aが形成されている。逃部162aは、容器200の溶着位置の下側に形成され、下方に向かうにしたがって容器200から離れる方向に傾斜する。
【0050】
封止機移動モータ163は、封止機移動部の一例であって、封止機161および加圧受台162を互いに近接させる方向に移動させる。封止機移動モータ163は、左右方向に延出する支持基台164に対して出力軸が下側に指向するように固定される。また、支持基台164には、左右方向に沿って棒状の移動ガイド部165a、165bが架設されている。上述した封止機161および加圧受台162は、移動ガイド部165a、165bに沿って左右方向にガイドされる。
【0051】
また、封止機移動モータ163の出力軸は、リンク部166を介して封止機161および加圧受台162に連結されている。リンク部166は、それぞれ水平方向に配置された、第1リンク部材166a、第2リンク部材166b、第3リンク部材166cを有している。第1リンク部材166aは封止機移動モータ163の出力軸に連結されている。第2リンク部材166bは第1リンク部材166aの一端と封止機移動モータ163との間を連結し、第3リンク部材166cは第1リンク部材166aの他端と加圧受台162とを連結する。
【0052】
したがって、図11Bに示すように、封止機移動モータ163が一方方向に回転すると第1リンク部材166aが同期して回転する。また、第1リンク部材166aの回転に応じての左右方向に位置していた一端と他端とが前後方向に位置する。したがって、第1リンク部材166aに向かって第2リンク部材166bおよび第3リンク部材166cが引き寄せられることで、第2リンク部材166bおよび第3リンク部材166cに連結された封止機移動モータ163および加圧受台162が移動ガイド部165a、165bにガイドされながら接近する。また、封止機161により容器200が封止された後、封止機移動モータ163は他方方向に回転することで第1リンク部材166a、第2リンク部材166bおよび第3リンク部材166cが元の位置に戻り、封止機移動モータ163および加圧受台162が離れる。
【0053】
容器200を封止する場合には、容器200の被充填部209の外周面はホーン161bと加圧受台162とによって挟圧され、充填口211が閉塞される。特に、ホーン161bに接触している被充填部209は、強力な摩擦熱が発生することで、溶融温度まで瞬時に上昇し、充填口211が溶融することで溶着される。このとき、加圧受台162には、逃部162aが形成されているので、充填口211が加圧受台162側に偏ることなく溶着されるので充填口211近辺で割れ等が発生せず、溶着の品質を向上させることができる。
【0054】
なお、図5に示すように、支持板116は容器封止部160に近接した位置に上側に突出する突起116aを有する。ターンテーブル109により容器封止部160に移送された容器200は、摘み部206が突起116aに案内されることで、容器200の両側のパーティングライン205がターンテーブル109の接線方向と平行になるように軸回りに回転する。したがって、容器200は封止機161によって両側のパーティングライン205が略合致するように挟圧される。図6(b)は、薬液が充填された容器200の被充填部209が封止された状態を示す斜視図である。図6(b)に示すように、封止後の容器200は、比較的強度が弱いパーティングライン205が、封止によって形成された折曲がり部212に位置することを防止することができ、折曲がり部212の割れ等の発生を回避することができる。
【0055】
ここで、図6(a)に示すように、容器200の被充填部209が封止される前では、被充填部209の幅D1(軸方向に直交する方向の長さ)を被充填部209の直径とする。一方、図6(b)に示すように、容器200の被充填部209が封止された後での被充填部209の幅D2(軸方向に直交する方向の長さ)を充填口211が連続して重なり合う方向の長さ、すなわち折曲がり部212間の長さとする。ここでは、幅D1<幅D2の関係となる。すなわち、容器200の被充填部209を封止した後では、封止する前に比べて被充填部209の幅が大きくなる。なお、封止した後の被充填部209の幅D2は、容器200の何れの幅(軸方向に直交する方向の長さ)と比べても大きくなる。
【0056】
また、図4に示すように、容器封止部160の支持基台164は、フレーム101に対してヒンジ167を介して水平方向に開閉することができる。支持基台164を開放することで、容器封止部160の後側に配置されているターンテーブル109や薬液充填部140等を露出させることができる。したがって、ユーザはシリンジ143、第1流路部145aおよび第2流路部145bの交換を始めとしたメンテナンスを容易に行うことができる。
【0057】
<容器排出部>
容器排出部170は、薬液が充填された容器200を収容部172に排出する。この処理は、ターンテーブル109が回転し、保持部113が容器200の保持を解除することで行われる。
図12は、容器排出部170の周辺の構成を示す図である。なお、図12(a)は平面図を示し、図12(b)は図12(a)に示すII-II線に沿って切断して矢印方向から見た断面図を示している。
保持部113は、可動部材106と、規制部材107とを有する。可動部材106と規制部材107によって略リング状に構成され、可動部材106と規制部材107とによって囲まれる孔112によって容器200が保持される。
【0058】
可動部材106は、ターンテーブル109に対して可動できる。具体的に、可動部材106は略J字状に形成され、ターンテーブル109に対して軸支ピン108を中心に水平方向に回動可能であり、回動することによって孔112が拡開する。可動部材106は、図示しない付勢部材によって常に孔112が拡開しない方向に付勢される。可動部材106のうち軸支ピン108の反対側の端部は、ターンテーブル109の周縁を超える位置まで突出する。
規制部材107はターンテーブル109に固定される。具体的に、規制部材107は略C字状に形成され、付勢部材によって付勢された可動部材106と当接することで孔112が所定の大きさよりも小さくならないように可動部材106の位置を規制する。
【0059】
また、容器排出部170は保持部113による容器200の保持を解除させる解除部171を有する。解除部171はターンテーブル109の周縁部に近接した位置のフレーム101に固定される。解除部171は可動部材106を付勢部材の付勢に抗して回動させることで、保持部113の孔112を拡開させて容器200の保持を解除させる。
ここで、図12を参照して、容器排出部170において、保持部113が容器200の保持を解除する動作について説明する。なお、第1ターンテーブル109aおよび第2ターンテーブル109bの動作は同一であるために、ここでは第1ターンテーブル109aの動作について説明する。
【0060】
支持板116は容器排出部170に相当する位置ではターンテーブル109に重なり合わず切り欠かれている。したがって、ターンテーブル109により移送された容器200が容器排出部170に到達することで、容器200を支持する支持板116が存在しないために、容器200が落下しようとする。しかしながら、容器200の充填口211を封止した後では、封止する前に比べて被充填部209の幅D2が大きくなり、この状態のままでは被充填部209が保持部113に引っ掛かり容器200が落下しない。
本実施形態では、図12(a)に示すように、保持部113が二点鎖線で示す位置からが実線で示す位置まで移動するときに、保持部113の可動部材106のうちターンテーブル109から突出している部位(先端)が解除部171に接する。したがって、可動部材106は軸支ピン108を中心に回動して孔112が拡開される。
図12(b)に示すように、ターンテーブル109aおよびターンテーブル109bの何れの保持部113でも、孔112が容器200の被充填部209の幅D2よりも大きく拡開される。したがって、保持部113による容器200の保持が解除され、容器200は落下して収容部172内に排出される。
なお、保持部113が容器200の保持を解除された後ではターンテーブル109が更に回転することで、可動部材106と解除部171とが接した状態から離れるために可動部材106が元の位置に戻る。
【0061】
このように自動分注装置20では、容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160および容器排出部170を経て、1回の服用分の薬液が充填された容器200が収容部172に排出される。また、2本以上の容器200に薬液を充填する場合には、容器供給部120、薬液充填部140および容器封止部160では、本数分だけ上述した処理を連続して繰り返す。
【0062】
自動分注装置20では、所定の本数分の容器200に薬液を分注した後に、次の患者の処方内容の薬液を分注する場合に備えて、薬液が残留する薬液容器141を含む薬液充填部140を洗浄するための洗浄部180を備えている。
<洗浄部>
洗浄部180では、分注が終了し薬液充填部140内に残留した薬液を洗浄水で洗浄する。この処理は、支持板116を上昇させている状態で行われる。
図9は、洗浄部180の概略構成を示している。
洗浄部180は、洗浄水ポンプ181、洗浄ノズル182、排水ソレノイド183、排水受184、排水タンク185を備えている。
【0063】
洗浄水ポンプ181は、洗浄水を揚水し、薬液容器141に向かって送水する。なお、洗浄水ポンプ181は、図示しない洗浄水タンクに貯水された洗浄水を取得してもよく、蛇口から直接、水道水を取得して洗浄水としてもよい。
洗浄ノズル182は、薬液容器141の蓋142の下面に取り付けられている。洗浄ノズル182は、洗浄水ポンプ181により揚水された洗浄水を薬液容器141内に噴射する。洗浄ノズル182は、先端が薬液容器141の下方ではなく、内面に向かって指向しており、鉛直軸V回りに回転可能である。洗浄水が噴射するときの遠心力によって洗浄ノズル182自体が鉛直軸V回りに回転することで、薬液容器141の内面に洗浄水が満遍なく行きわたり、内面に付着した薬液を洗浄することができる。
【0064】
排水ソレノイド183は、排水受移動部の一例であって、薬液容器141に残留した薬液を排水する場合および洗浄部180により薬液充填部140を洗浄している場合に、排水受184の先端が吐出部149の直下になるように、排水受184を待機位置から移動させる。また、排水ソレノイド183は、薬液充填部140が洗浄された後、排水受184を待機位置に戻す。
【0065】
排水受184は、吐出部149から吐出される残留した薬液および薬液充填部140を洗浄し終わった洗浄水を受水する。排水受184は、例えば金属製のパイプで形成され、上下方向に延出し、先端側が屈曲している。排水受184の先端側を屈曲させることで、排水受184を吐出部149の直下に移動させるときに、ターンテーブル109との干渉を防止することができる。なお、排水受184は、一部に移送部110の支持板116に当接する当接部187を有する。移送部110のテーブル昇降モータ117は、排水受184の先端が吐出部149の直下に位置したときに、支持板116を上昇させることで、排水受184を上昇させることができる。したがって、排水受184の先端を吐出ノズル149aに密着させることができる。なお、排水受184は離脱可能であり、離脱することで排水受184自体を洗浄することができる。
【0066】
排水タンク185は、排水受184により受水された薬液および洗浄水を貯留する。排水タンク185には排水ホース186が接続され、排水タンク185に貯留された薬液および洗浄水は排水ホース186を介して排水される。排水ホース186には、図示しない排水ポンプが連結されている。なお、図4に示すように、排水タンク185は引き出すことで離脱可能であり、離脱させることで排水タンク185自体を洗浄することができる。
以上が、自動分注装置20の容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160、容器排出部170、洗浄部180の構成である。
【0067】
次に、自動分注装置20の内部には、上述した容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160、容器排出部170、洗浄部180を制御するためにメインボード190を有している。
図13は、自動分注装置20のメインボード190の構成を示す図である。
メインボード190は、コントローラ191、入力インタフェース192、出力インタフェース193を有している。コントローラ191は、自動分注装置20全体を制御する制御部として機能する。コントローラ191は、入力インタフェース192を介して、電源スイッチ22、表示部(操作部)23、レセプトコンピュータ30、各種センサ194等から入力される信号を受信する。各種センサ194には、供給センサ102、容器センサ139a、容器向きセンサ139b等が含まれる。また、コントローラ191は、受信した信号に基づいて出力インタフェース193を介して信号を送信し、表示部23、上述した各種モータ、第1電磁弁150a、第2電磁弁150b、封止機161、洗浄水ポンプ181、排水ソレノイド183、ブザー195、プリンタ24等を制御する。
ブザー195は、ユーザに対して洗浄部180による洗浄が終了したことを報知する。
【0068】
コントローラ191は、CPU220、ROM221、RAM222等を含む、いわゆるコンピュータを構成している。CPU220は、ROM221に格納されたプログラムを実行することにより、後述するフローチャートの処理を実現する。ROM221は、不揮発性メモリであって、CPU220が実行するプログラム、自動分注装置20全体を制御するための情報等が格納されている。RAM222は、揮発性メモリであって、CPU220が自動分注装置20全体を制御するときの情報等を一時的に記憶する。
【0069】
次に、自動分注装置20による一連の処理を、図14に示すフローチャートを参照して説明する。図14に示すフローチャートは、コントローラ191のCPU220がROM221に格納されたプログラムを実行することにより実現する。図14のフローチャートは、ユーザが電源スイッチ22を押下することにより開始される。
S11では、コントローラ191はレセプトコンピュータ30に入力された患者名および処方内容の情報を受信する。
S12では、コントローラ191は受信した患者名および処方内容の情報に基づいて表示部23に患者候補リストを表示部23に表示する。
【0070】
ここで、患者候補リストについて図15(a)を参考して説明する。
図15(a)は、表示部23に表示される画面300の一例を示す図である。
画面300には、患者候補リスト選択部301、第1の手動選択部302、第2の手動選択部303、患者除外リスト選択部304が表示される。また、画面300には、設定ボタン305、排水ボタン306、洗浄ボタン307が表示される。
患者候補リスト選択部301は、薬液を分注する患者の候補を一覧にした患者候補リストを確認したい場合に選択する。第1の手動選択部302および第2の手動選択部303は、分注する薬液の容量を手動で入力する場合に選択する。患者除外リスト選択部304は、薬液を分注しない患者を一覧にした患者除外リストを確認したい場合に選択する。なお、患者除外リストには、既に分注を終えた患者も含まれる。
【0071】
設定ボタン305は、各種設定項目を設定したり、操作履歴画面や統計画面に移行したりする場合に押下するボタンである。排水ボタン306は、薬液容器141に投入した薬液を排水したい場合に押下するボタンである。洗浄ボタン307は、薬液容器141およびシリンジ143を洗浄したい場合に押下するボタンである。例えば、ユーザは薬液容器141に誤った薬液を投入してしまい、薬液容器141に投入した薬液を排水して、薬液容器141を洗浄する必要がある場合に排水ボタン306および洗浄ボタン307を押下する。
【0072】
図15(a)の画面300は、患者候補リスト選択部301が選択された状態であり、患者候補リスト308、処方内容リスト309、容器本数310、1回の服用分の容量311、総容量312、調整量313、容器サイズ選択部314、スタートボタン315、患者除外リスト移行ボタン316等が表示される。
【0073】
患者候補リスト308には、処方内容に薬液を含み、かつ、分注が終了していない患者が表示される。上述したS11において、コントローラ191が処方内容の情報を受信すると処方内容に、いわゆる薬液(水薬)が含まれているか否かを判定する。具体的には、例えばROM221に予め薬液の情報が記憶され、コントローラ191がROM221に記憶された薬液と一致する薬液が処方内容に含まれているか否かを判定する。コントローラ191は、薬液が含まれている処方内容の患者を抽出して患者候補リスト308に追加し、薬液が含まれていない処方内容の患者を抽出して後述する患者除外リスト324に追加する。なお、薬液が含まれていないとは、例えば錠剤のみの処方内容の場合が相当する。ユーザは患者候補リスト308に表示された患者をタッチすることで選択することができる。
【0074】
処方内容リスト309には、選択された患者の処方内容のうち薬液のみの処方内容が表示される。コントローラ191は例えばROM221に記憶された薬液と一致する薬液を抽出して、抽出した薬液のみの処方内容を表示する。処方内容リスト309は、薬名、1日量、1回量、全量の表示が含まれる。ここで、処方箋の処方内容には例えば、「薬名」、「1日に服用する回数」、「薬液ごとの1回の服用分の容量」、「服用する日数」の情報等が含まれる。したがって、コントローラ191は受信した処方内容に基づいて処方内容リスト309に情報を追加する。例えば、コントローラ191は処方内容から「1日に服用する回数」×「薬液ごとの1回の服用分の容量」を計算することで処方内容リスト309の1日量を算出する。また、コントローラ191は処方内容の「薬液ごとの1回の服用分の容量」を処方内容リスト309の1回量とする。また、コントローラ191は処方内容から「1日に服用する回数」×「薬液ごとの1回の服用分の容量」×「服用する日数」を計算することで処方内容リスト309の全量を算出する。
【0075】
容器本数310には、処方内容リスト309に表示された薬液を分注する場合に、分注する容器本数が表示される。例えば、コントローラ191は処方内容から「1日に服用する回数」×「服用する日数」を計算することで分注する容器本数を算出する。
1回の服用分の容量311には、1本の容器に分注する全薬液の容量が表示される。例えば、コントローラ191は処方内容から「薬液ごとの1回の服用分の容量」を全ての薬液分、加算することで1本の容器に分注する全薬液の容量を算出する。なお、薬液が1種類のみである場合には、処方内容リスト309の1回量が1本の容器に分注する全薬液の容量となる。
【0076】
総容量312には、容器本数に全て分注するのに必要な薬液の総容量が表示される。例えば、コントローラ191は処方内容リスト309の全量を全ての薬液分、加算することで容器本数に全て分注するのに必要な薬液の総容量を算出する。
調整量313には、1本の容器に分注する全薬液の容量に対して増量または減量する量が表示される。ユーザは薬液充填部140において実際に充填される薬液の量が多かったり少なかったりする場合に、設定ボタン305を選択して図示しない設定画面に移行することで調整量を選択することができる。
【0077】
容器サイズ選択部314には、小(S)サイズ、中(M)サイズ、大(L)サイズが選択可能に表示される。ここでは、コントローラ191が自動的に最適な容器サイズを選択する。具体的には、例えばROM221に予め小サイズ、中サイズ、大サイズの容器200ごとに分注できる容量の情報が記憶され、コントローラ191は算出した1本の容器に分注する全薬液の容量に基づいて容器サイズを選択する。例えば、1本の容器に分注する全薬液の容量が11mLであった場合、容器サイズとして1mL~15mLを分注できる大サイズが自動的に選択される。なお、容器サイズ選択部314において自動的に選択されている容器サイズよりも大きい容器サイズをユーザが選択できるが、小さい容器サイズを選択できないように構成される。
スタートボタン315は、ユーザが分注を開始するときに押下するボタンである。
患者除外リスト移行ボタン316は、患者が分注を希望しないために分注させる必要がない患者を患者候補リストから削除して、患者除外リストに追加する場合に押下するボタンである。ユーザは患者候補リスト308に表示された患者を選択した状態で、患者除外リスト移行ボタン316を押下することで選択した患者を患者除外リストに移すことができる。
【0078】
ユーザは患者候補リスト308から対象の患者を選択することで処方内容リスト309を表示させる。ユーザは処方内容リスト309の全量の表示に基づいて各薬液を用意し、混ぜ合わせて薬液容器141に投入する。このとき、ユーザは薬液ごとに全量よりも多めに混ぜ合わせて投入する。このように多めに投入するのは例えば薬液容器141内に薬液が付着してしまい、1回の服用分の薬液の容量が不足するのを防止するためである。
更に、ユーザは自動的に選択された容器サイズあるいは自ら選択した容器サイズの容器200を容器ホッパ121に投入する。
S13では、ユーザは患者候補リストから分注したい患者を選択した状態で分注の開始を指示する。具体的には、ユーザは表示部23に表示されたスタートボタン315をタッチする。このとき、コントローラ191は容器サイズ選択部314で選択されている容器サイズの情報を取得する。
【0079】
次に、S14~S16までが、薬液を容器200に充填する前の準備処理を示している。
S14では、コントローラ191は排水受184を待機位置から吐出部149の直下に移動させる。
S15では、コントローラ191は第1電磁弁150aにより薬液容器141とシリンジ143との間の第1流路部145aを開放させる一方、第2電磁弁150bによりシリンジ143と吐出部149との間の第2流路部145bを閉塞させて、シリンジ143の内筒143bを上昇させる。したがって、薬液容器141とシリンジ143との間の空気または残留している洗浄水をシリンジ143の外筒143a内に吸引することができる。続いて、コントローラ191は第1流路部145aを閉塞させる一方、第2流路部145bを開放させて、シリンジ143の内筒143bを下降させる。したがって、空気あるいは残留した洗浄水は吐出部149から吐出され、排水受184を介して排水される。このような処理により、薬液容器141内の薬液をシリンジ143に至る位置まで到達させることができ、後述するS20において、シリンジ143の内筒143bを上昇させた直後から薬液をシリンジ143内に吸引させることができる。
S16では、コントローラ191は排水受184を待機位置に戻す。
【0080】
以下、S17~S24までが、1回の服用分の薬液を容器200に必要な容器本数だけ充填する分注処理を示している。
S17では、コントローラ191は容器供給部120において供給ホルダ126を容器ホッパ121から容器200が落下するのを受け止めることができる位置に回転し、供給ホルダ126に容器200を保持する。このとき、コントローラ191は容器センサ139a、容器向きセンサ139bからの信号に基づいて供給ホルダ126内に正しい向きで保持されているかを判定する。
【0081】
容器200の充填口211が前側に位置し、容器200の摘み部206が後側に位置する正しい向きの場合、容器センサ139aが容器200を検出している状態では、容器向きセンサ139bは充填口211が検出方向であるために容器向きセンサ139bから信号は出力されない。一方、容器200が逆の向きの場合、容器センサ139aが容器200を検出している状態では、容器向きセンサ139bは摘み部206を検出するために容器向きセンサ139bから信号が出力される。したがって、コントローラ191は、容器センサ139aおよび容器向きセンサ139bの何れからも信号が出力されているときには容器200が逆の向きであると判定し、容器センサ139aのみから信号が出力されているときには容器200が正しい向きであると判定する。ただし、容器200の向きの判定は、この場合に限られず、他の方法で判定してもよい。コントローラ191は容器200が逆の向きであると判定した場合に、容器200が逆の向きである旨の情報を記憶する。
【0082】
S18では、コントローラ191は容器200を移送部110のターンテーブル109に搬送する。具体的には、ターンテーブル109が停止している間に、コントローラ191が供給ホルダ126を回転させることで、供給ホルダ126に保持していた容器200を搬送路134を介して落下させる。したがって、容器200が保持部113の孔112内に起立した状態で保持される。
このとき、コントローラ191は選択された容器サイズの情報に基づいて、支持板116を昇降させて、第1ターンテーブル109aと第2ターンテーブル109bとの間の距離を、容器200のサイズに合わせた距離に設定する。したがって、容器200は第1ターンテーブル109aと第2ターンテーブル109bとの間から抜け出てしまうことなく、保持部113の孔112内で起立した状態が維持される。なお、このときの支持板116および第2ターンテーブル109bの上下方向の位置を、以下では設定位置という。
【0083】
以降、コントローラ191は、ターンテーブル109を所定の角度(ここでは90度)回転させ、支持板116および第2ターンテーブル109bを上昇させ、所定時間(t2)が経過した後に、設定位置まで下降させる処理を繰り返す。
なお、コントローラ191は供給センサ102からの信号に基づいて実際に容器200がターンテーブル109に供給されているかを判定する。容器200がターンテーブル109に供給されていない場合に供給ホルダ126から落下した容器200が搬送路134と接した状態で引っ掛かり、落下していない可能性がある。したがって、コントローラ191は振動モータ137を駆動して搬送路134を振動させ、容器200をターンテーブル109に落下させる。
また、振動モータ137を駆動しても容器200がターンテーブル109に供給されない場合には、コントローラ191は処理を停止して表示部23にエラーメッセージを表示し、分注処理を一時的に停止する。なお、容器200がターンテーブル109に供給されない場合には、容器サイズよりも小さい容器サイズの容器200が供給されている可能性があるために分注処理を停止して、ユーザに原因を確認させる。
【0084】
S19では、コントローラ191はターンテーブル109を90度回転させ、容器200を薬液充填部140に移送する。続いて、コントローラ191は、支持板116を設定位置から上昇させることで、容器200を上昇させて、容器200の充填口211を吐出部149内に位置させる。このとき、設定位置から支持板116を上昇させる距離は、容器200のサイズに関わらず同一である。したがって、どのようなサイズの容器200であっても、充填口211を常に吐出部149内に位置させることができる。
【0085】
なお、S19において、容器200が逆の向きである旨の情報が記憶されている場合、コントローラ191はターンテーブル109を逆方向(右回り)に90度回転させ、容器200を容器排出部170に移送して、空の容器200を排出する。すなわち、S17において供給ホルダ126に容器200が逆の向きに保持されている場合、次のS18では、注出部203が上側で被充填部209が下側の状態でターンテーブル109に保持されてしまう。したがって、コントローラ191は逆の向きの容器200を容器排出部170で排出させることで、停止させることなく、分注処理を継続させることができる。
【0086】
S20では、コントローラ191は1回の服用分の薬液を容器200に充填する。具体的に、コントローラ191は第1流路部145aを開放させる一方、第2流路部145bを閉塞させた後、1本の容器に分注する全薬液の容量の情報および設定された調整量の情報に基づいてシリンジ143の内筒143bを上昇させる。続いて、コントローラ191は第1流路部145aを閉塞させる一方、第2流路部145bを開放させた後、シリンジ143の内筒143bを下降させる。この処理によって、1回の服用分の薬液が薬液容器141からシリンジ143に吸引され、吐出部149を通して容器200に充填される。なお、S20のうちシリンジ143の内筒143bを上昇させる処理は、S19において支持板116を設定位置から上昇させるまでの間に行ってもよく、この場合には薬液を充填するまでの時間を短縮することができる。その後、コントローラ191は支持板116を設定位置まで下降させる。
【0087】
S21では、コントローラ191はターンテーブル109を90度回転させ、薬液が充填された容器200を容器封止部160に移送する。続いて、コントローラ191は、支持板116を設定位置から上昇させることで、容器200の充填口211を封止機161と加圧受台162との間に位置させる。
S22では、コントローラ191は封止機161と加圧受台162とを近づけて、容器200の被充填部209をホーン161bと加圧受台162とによって挟圧させながら、溶融させることで充填口211が封止される。その後、コントローラ191は支持板116を設定位置まで下降させる。
【0088】
S23では、コントローラ191はターンテーブル109を90度回転させ、薬液が充填された容器200を容器排出部170に移送する。容器排出部170では、保持部113が容器200の保持を解除すると共に、容器200を支持する支持板116が存在しないために、容器200がターンテーブル109から落下し、収容部172内に排出される。
【0089】
S24では、コントローラ191は分注する容器本数に達したか否かを判定する。分注する容器本数に達した場合にはS25に進み、分注する容器本数に達していない場合にはS17に戻る。ただし、本実施形態の自動分注装置20は、容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160の各処理部において、連続して異なる容器200の処理が行われている。したがって、コントローラ191は各処理部において、指示された本数の処理が終了したか否かを判定し、終了した場合には、処理部ごとに処理を終了させる。ただし、コントローラ191は最後の容器200が排出されるまで、ターンテーブル109の回転および支持板116の昇降を繰り返し行う。分注する容器本数に達した場合、コントローラ191は分注が完了した旨を表示部23に表示する。
【0090】
S25では、コントローラ191は分注が完了した患者および処方内容の情報を患者候補リストから削除して、患者除外リストに追加する。
ここで、患者除外リストについて図15(b)を参照して説明する。
図15(b)は、表示部23に表示される画面320の一例を示す図である。なお、図15(a)と同様の表示形態については、同一符号を付している。
図15(b)の画面320は、患者除外リスト選択部304が選択された状態であり、分注済ボタン321、患者除外ボタン322、採用薬品以外ボタン323、患者除外リスト324、患者候補リスト戻すボタン325が表示される。分注済ボタン321、患者除外ボタン322および採用薬品以外ボタン323は、患者除外リスト324に表示させる患者を絞り込むためのボタンである。
【0091】
分注済ボタン321は、分注済の患者を表示させたい場合に押下するボタンである。分注済ボタン321によって表示される患者は、上述したS25によって追加された患者である。
患者除外ボタン322は、分注させる必要がない患者を表示させたい場合に押下するボタンである。患者除外ボタン322によって表示される患者は、図15(a)の患者除外リスト移行ボタン316によって患者候補リストから削除された患者である。
採用薬品以外ボタン323は、処方内容に薬液を含まない患者を表示させたい場合に押下するボタンである。
患者除外リスト324には、上述した分注済ボタン321、患者除外ボタン322および採用薬品以外ボタン323のうち押下されたボタンに対応する患者が表示される。ここでは、分注済ボタン321が押下されていることから、分注済の患者が表示される。また、患者除外リスト324には、患者名以外に、分注した日時、分注した容器本数、薬名等の情報が表示される。ユーザは患者除外リスト324に表示された患者名等をタッチすることで選択することができる。
【0092】
患者候補リスト戻すボタン325は、患者の意向が変わり分注を希望したり、分注が失敗して再び分注が必要になったりして、再び患者候補リストに追加する場合に押下するボタンである。ユーザは患者除外リスト324に表示された患者を選択した状態で、患者候補リスト戻すボタン325を押下することで選択した患者を患者候補リストに戻ることができる。
ユーザは、患者除外リスト選択部304が選択された状態であり、分注済ボタン321を選択して患者除外リスト324を表示させることで、既に分注が終了した患者を確認することができる。
【0093】
S26では、コントローラ191はプリンタ24を介して処方内容等を印刷する。ここでは、プリンタ24は2種類の印刷物を印刷することができる。
図18(a)、(b)は、プリンタ24により印刷される印刷物の一例を示す図である。図18(a)は、処方内容が表示されたレシート400の一例である。レシート400には、患者名、処方内容、日時、医療機関、医師名、診療科、薬剤師名等の情報が表示される。図18(b)は、患者名が表示されたラベル410である。ラベル410には、患者名、処方内容(服用法)、調剤日等の情報が表示される。
コントローラ191は患者名や処方内容をS11で受信した情報に基づいて印刷する。また、コントローラ191は医療機関、医師名および診療科の情報をレセプトコンピュータ30から受信し、日時および薬剤師名を自らが記憶している情報に基づいて印刷する。なお、ラベル410は、薬液が分注された容器200ごとに貼り付けることができる。すなわち、コントローラ191は容器本数と同じ数のラベル410を印刷する。ユーザはラベル410を一枚ずつ分注済みの容器200に貼り付けて患者に受け渡す。
【0094】
次に、S27~S30までが、薬液充填部140を洗浄する洗浄処理を示している。
S27では、コントローラ191は排水受184を待機位置から吐出部149の直下に移動させた後、排水受184を上昇させる。
S28では、コントローラ191は洗浄水ポンプ181により洗浄水を揚水し、洗浄ノズル182を介して洗浄水を薬液容器141内に噴射させる。
S29では、コントローラ191は、第2流路部145bを閉塞させた状態で、シリンジ143の内筒143bを上昇させる。続いて、コントローラ191は第1流路部145aを閉塞させる一方、第2流路部145bを開放させた後、シリンジ143の内筒143bを下降させる。したがって、薬液容器141に残留している薬液および洗浄水が、吐出部149から吐出され、排水受184を介して排水タンク185に排水される。コントローラ191は薬液容器141に残留している薬液および洗浄水がなくなるまで、シリンジ143の内筒143bの上昇と下降とを繰り返し行う。なお、排水タンク185に貯留された薬液および洗浄水は、排水ホース186に接続された排水ポンプによって排水される。
【0095】
このような処理により、薬液容器141、シリンジ143、第1流路部145a、第2流路部145b、吐出部149が洗浄水によって洗浄されるので、次に薬液容器141に投入される薬液との混合を防止することができる。なお、コントローラ191は設定に応じてS28、S29の処理を2回以上行うようにしてもよい。続いて、コントローラ191は排水受184を待機位置に戻す。
【0096】
S30では、コントローラ191はユーザに対して洗浄が完了した旨を表示部23に表示すると共に、ブザー195により洗浄が終了したことを報知する。したがって、次の患者の薬液を容器200に分注する場合には、ユーザはブザー195の報知に応じて直ぐに次の薬液を薬液容器141に投入することができる。
以上の処理により、自動分注装置20による一連の処理が終了する。次の異なる薬液を分注させたい場合には、同様に上述したS11~S30までの処理あるいはS13~S30までの処理を繰り返し行う。
【0097】
患者は、自動分注装置20により充填された容器200を用いて薬液を直接、服用することができる。患者は、摘み部206を摘んだ状態から水平方向に回転、すなわち捻ることで、接続部208自体が破断し、図6(c)に示すように摘み部206が容器本体201から離脱する。摘み部206を離脱させることにより、咥え部214の下端が破断し、咥え部214の下端に注出口204が形成される。この状態で、患者が咥え部214を口に咥えながら容器本体201を指で押圧することにより、容器本体201に収容された薬液を注出口204を介して外部に注出させることができる。このとき、咥え部214は他の部位に比べて厚みがあり強度を有していることから、患者が噛んだりした場合でも変形や破損を抑制することができる。
【0098】
本実施形態の自動分注装置20によれば、移送部110は、容器200を薬液充填部140から容器封止部160に移送するときに容器200を保持すると共に、容器封止部160によって被充填部209が封止された後に容器200の保持を解除する保持部113を有している。保持部113が容器200を保持することで安定して薬液の充填および被充填部209の封止ができ、被充填部209が封止された後に容器200の保持を解除することで、被充填部209による封止によって形状が変形しても容器200を容易に排出することができる。
【0099】
また、自動分注装置20によれば、容器封止部160は、容器200の被充填部209の幅が容器本体201の幅よりも大きくするように容器200の被充填部209を封止する。保持部113は、被充填部209の幅を挿通させる大きさに孔112を広げることで、容器200を容易に排出することができる。
【0100】
なお、上述した実施形態では、レセプトコンピュータ30から受信した処方内容の情報に基づいて、コントローラ191は1本の容器に分注する容量を決定する場合について説明したが、この場合に限られず、ユーザが手動で容量を決定してもよい。
図16(a)は、表示部23に表示される画面340の一例を示す図である。なお、図15(a)と同様の表示形態については、同一符号を付している。
図16(a)の画面340は、第1の手動選択部302が選択された状態であり、患者入力欄341、服用法入力欄342、日数入力欄343、薬液ごとの容量入力欄344、キーボード(テンキー)345等が表示される。ユーザは処方箋の処方内容を確認しながら、キーボード345を用いて各入力欄に入力する。コントローラ191は、入力された情報に基づいて、容器本数310、1回の服用分の容量311および総容量312を算出して表示する。この場合でも、コントローラ191は算出した1本の容器に分注する全薬液の容量に基づいて、容器サイズ選択部314において容器サイズを選択する。
ユーザがスタートボタン315をタッチすることで、算出された1回の服用分の容量311および容器本数310に基づいて上述した図14のフローチャートのS14からの処理を行う。
【0101】
図16(b)は、表示部23に表示される画面340の一例を示す図である。なお、図15(a)と同様の表示形態については、同一符号を付している。
図16(b)の画面340は、第2の手動選択部303が選択された状態であり、1回の服用分の容量入力欄361、容器本数入力欄362、総容量312、キーボード(テンキー)363等が表示される。ユーザは処方箋の処方内容を確認しながら、キーボード363を用いて各入力欄に入力する。コントローラ191は、入力された情報に基づいて総容量312を算出して表示する。コントローラ191は算出した1本の容器に分注する全薬液の容量に基づいて、容器サイズ選択部314において容器サイズを選択する。
ユーザがスタートボタン315をタッチすることで、1回の服用分の容量入力欄361および容器本数入力欄362にそれぞれ入力された1回の服用分の容量および容器本数に基づいてコントローラ191は上述した図14のフローチャートのS14からの処理を行う。
このように、レセプトコンピュータ30から処方内容の情報を取得できない場合であっても、処方内容の情報を手動で入力することでも対応することができる。
【0102】
また、表示部23では、設定ボタン305から作業操作履歴を確認する履歴画面および分注した統計を確認する統計画面を表示することができる。
図17(a)は、履歴画面370の一例を示す図である。
履歴画面370には、自動分注装置20を起動してから現時点までの処理を日時と共に一覧で表示する。コントローラ191は処理した内容やユーザからの指示を、日時や担当者の情報と関連付けて記憶する。したがって、コントローラ191は記憶した情報に基づいて、履歴画面370を表示する。
【0103】
図17(b)は、統計画面380の一例を示す図である。
統計画面380には、分注した回数および使用した容器数を、選択された期間に応じて表示する。選択できる期間として例えば、本日、今週、今月、今年、全期間がある。コントローラ191は分注した回数を、日時の情報と関連付けて記憶する。このとき、コントローラ191は分注した内訳も分類して記憶する。ユーザが図15(a)に示す患者候補リスト308から患者を選択して分注を開始した場合には内訳を「自動」としてカウントする。また、ユーザが図16(a)に示すキーボード345から入力した後に分注を開始した場合には内訳を「手動1」としてカウントする。また、ユーザが図16(b)に示すキーボード363から入力した後に分注を開始した場合には内訳を「手動2」としてカウントする。更に、コントローラ191は容器数を小サイズ、中サイズ、大サイズの容器サイズごとにカウントする。したがって、コントローラ191は記憶した情報に基づいて統計画面380を表示する。
【0104】
なお、本実施形態では、可動部材106が回動することで保持部113の孔112が拡開する場合について説明したが、この場合に限られず、可動部材106をスライドさせることで、保持部113の孔112を拡開させてもよい。また、保持部113が2つあるいは2つ以上の可動部材106を有し、2つの可動部材106が協働して、容器200を保持してもよい。
【0105】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、供給ホルダ126内に容器200が正しい向きで保持されていない場合には、コントローラ191がターンテーブル109を逆方向に回転させ、容器200を容器排出部170に移送して、空の容器200を排出する場合について説明した。本実施形態では、供給ホルダ126内に容器200が正しい向きで保持されていない場合、落下する容器200に対して姿勢を変更させる姿勢変更部500を有する。
図19は、姿勢変更部500の構成を示す図である。なお、図7と同様の構成は、同一符号を付している。
【0106】
姿勢変更部500は、変更部材501、変更モータ502を備えている。
変更部材501は、搬送路134の後側の側板135B側から前側の側板135Fに向かって進出可能に配置される。変更部材501は、搬送路134内を落下する容器200に対して接触させやすいように、左右方向に広がる略板状に形成される。
変更モータ502は、変更駆動部の一例であって、後側の側板135Bの後側に配置される。変更モータ502は、ラック503とピニオン504を用いて、変更部材501を搬送路134内に進出させたり搬送路134から退出させたりする。
【0107】
ここで、図19に示すように、供給ホルダ126に容器200が逆の向きで保持されている場合には、コントローラ191は容器センサ139aおよび容器向きセンサ139bから信号に基づいて容器200が逆の向きであると判定する。この場合、コントローラ191は変更モータ502を駆動させて、変更部材501を搬送路134に進出させる。ここで、供給ホルダ126に保持していた容器200は、倒伏した状態で搬送路134に落下するが、容器200の被充填部209側が搬送路134内に進出した変更部材501と接触する。すなわち、容器200は何れにも接触しない抽出部203側が被充填部209側よりも先行して落下する。したがって、容器200は搬送路134の下側開口136b側からターンテーブル109に向かって落下するときには、容器200は被充填部209が上側で注出部203が下側である起立状態に変更される。
【0108】
このように、姿勢変更部500によって容器200の姿勢を変更させることで、ターンテーブル109を逆方向に回転させて、空の容器200を排出する必要がなくなるために、分注の効率を向上させることができる。また、ユーザは容器ホッパ121に容器200を投入するときに、容器200の向きを揃える必要がなく、容易に補充することができる。
なお、コントローラ191は、変更モータ502を制御して、容器サイズに応じて変更部材501を進出させる距離を変更することができる。例えば、容器サイズが小サイズであれば変更部材501の進出させる距離を大きくし、容器サイズが大サイズであれば変更部材501の進出させる距離を小さくするように変更する。このように、容器サイズに応じて変更部材501を進出させる距離を変更することで、変更部材501を確実に容器200の被充填部209側と接触させることができる。
【0109】
以上、本発明を上述した実施形態と共に説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば、上述した実施形態では、封止機161として、超音波振動装置を用いる場合について説明したが、この場合に限られず、他の封止方法を用いてもよい。
【0110】
また、上述した実施形態では、容器200の摘み部206を容器本体201から破断して離脱させることで、注出口204が形成される場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、摘み部を離脱させなくても単に折り曲げること等により注出口が形成される構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、保持部113が容器200を保持した状態では、孔112の内面との間に隙間があり、軸回りに回転可能な状態である場合について説明したが、この場合に限られず、保持部113が容器200を挟み込むようにすることで保持してもよい。
【0111】
また、上述した実施形態では、シリンジ143により薬液容器141から1回の服用分の薬液を吸引する場合について説明したが、この場合に限られない。例えばコントローラ191は、シリンジ143により複数回(例えば分注する容器本数分)の服用分の薬液を吸引してもよい。この場合であっても、コントローラ191は、シリンジ143により1回の服用分の薬液を容器200に充填する。このように、複数回の服用分の薬液を吸引することで、一つの容器200ごとに薬液を吸引する必要がなく、薬液を容器200に充填する時間を短縮させることができる。
また、上述した実施形態では、S14~S16までの準備処理を実行する場合について説明したが、この場合に限られず、必要に応じて省略してもよい。
【符号の説明】
【0112】
10:自動分注システム 20:自動分注装置 30:レセプトコンピュータ 109:ターンテーブル 110:移送部 112:孔 113:保持部 116:支持板 120:容器供給部 121:容器ホッパ 126:供給ホルダ 140:薬液充填部 141:薬液容器 160:容器封止部 161:封止機 162:加圧受台 170:容器排出部 171:解除部 180:洗浄部 184:排水受 200:容器 201:容器本体 203:注出部 204:注出口 205:パーティングライン 206:摘み部 207:球状部 208:接続部 209:被充填部 211:充填口 212:折曲がり部 500:姿勢変更部 501:変更部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19