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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168319
(43)【公開日】2022-11-07
(54)【発明の名称】コネクタ装置及び医療用電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20221028BHJP
   A61B 5/271 20210101ALI20221028BHJP
   A61B 5/332 20210101ALI20221028BHJP
【FI】
H01R13/52 B
A61B5/271
A61B5/332
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124843
(22)【出願日】2022-08-04
(62)【分割の表示】P 2018185600の分割
【原出願日】2018-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝俣 豪
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲司
(72)【発明者】
【氏名】荒木 章平
(72)【発明者】
【氏名】岩本 拓也
(57)【要約】
【課題】生体情報の測定中においてはコネクタを介して機器本体に接続される生体装着部が外れにくく、生体装着部を取り外す際には、機器本体からコネクタを容易に取り外して、コネクタが外された後の機器本体におけるコネクタとの接続部分を保護できる。
【解決手段】生体装着部を用いて生体情報を測定する医療用電子機器であって、生体装着部に設けられたコネクタが着脱可能に取り付けられるコネクタ装着部を有する機器本体と、コネクタの非装着時にコネクタ装着部を覆うように、機器本体に着脱自在に取り付けられるカバー部材と、を有し、機器本体は、コネクタの装着時にカバー部材の一部が差し込み可能な切欠部を有し、コネクタがコネクタ装着部に装着された際に、コネクタの係合部は、切欠部の内部に係合し、係合部の係合状態は、カバー部材の一部を切欠部に差し込むことにより解除される。
【選択図】図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタが着脱可能に取り付けられるコネクタ装着部を有する機器本体と、
前記コネクタの非装着時に前記コネクタ装着部を覆うように、前記機器本体に着脱自在に取り付けられるカバー部材と、
を有し、
前記機器本体は、前記コネクタの装着時に前記カバー部材の一部が係合可能な被係合部を有し、
前記コネクタが前記コネクタ装着部に装着された際に、前記コネクタの係合部は、前記被係合部に係合し、前記係合部の係合状態は、前記カバー部材の前記一部を前記被係合部に係合することにより解除される、
コネクタ装置。
【請求項2】
コネクタが着脱可能に取り付けられるコネクタ装着部を有する機器本体と、
前記コネクタの非装着時に前記コネクタ装着部を覆うように、前記機器本体に着脱自在に取り付けられるカバー部材と、
を有し、
前記機器本体は、前記コネクタの装着時に前記カバー部材の一部が係合可能な被係合部を有し、
前記コネクタが前記コネクタ装着部に装着された際に、前記コネクタの係合部は、前記被係合部に係合し、前記係合部の係合状態は、前記カバー部材の前記一部を前記被係合部に係合することにより解除される、
医療用電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ装置及び医療用電子機器に関し、特に電極等の生体装着部を用いて心電図等の生体情報を測定する医療用電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、安静時のみならず、運動中や日常生活中の生体情報、具体的には、心電図を取得する医療用電子機器として、例えば、特許文献1に示すようなホルタ心電計が知られている。ホルタ心電計は、携帯可能な心電計本体に接続された電極を体表面に取り付け、電極を介して心電計本体で、日常生活中の長期間連続した心電図を測定して記録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-135774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ホルタ心電計に用いられる電極としては、例えば、衛生上の観点から測定後取り外して廃棄できる使い捨てタイプの電極、所謂、ディスポ電極が知られている。
このディスポ電極は、一端部に電極部が実装されるフレキシブル基板によりなるリードの他端部を、心電計本体の筐体の一側面から直接挿入し、心電計本体に内蔵される基板のパターンに接続して固定することで心電計本体に接続される。
使用時には心電計本体に新しい電極を付け替える必要があるため、ホルタ心電計における電極の着脱は、医療従事者により容易に行うことができるとともに、日常生活を営む被検者の心電図の測定中では、電極が機器本体から容易に外れないことが望ましい。
また、未使用時の機器本体においては、電極と接続する部位、つまり、筐体の一側面においてリードの他端部が挿入される部位は、外部に露出しないように保護されていることが望ましい。
【0005】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、生体情報の測定中においてはコネクタを介して機器本体に接続される生体装着部が外れにくく、生体装着部を取り外す際には、機器本体からコネクタを容易に取り外して、コネクタが外された後の機器本体におけるコネクタとの接続部分を保護できるコネクタ装置及び医療用電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタ装置は、コネクタが着脱可能に取り付けられるコネクタ装着部を有する機器本体と、
前記コネクタの非装着時に前記コネクタ装着部を覆うように、前記機器本体に着脱自在に取り付けられるカバー部材と、
を有し、
前記機器本体は、前記コネクタの装着時に前記カバー部材の一部が係合可能な被係合部を有し、
前記コネクタが前記コネクタ装着部に装着された際に、前記コネクタの係合部は、前記被係合部に係合し、前記係合部の係合状態は、前記カバー部材の前記一部を前記被係合部に係合することにより解除される構成を採る。
本発明の医療用電子機器は、コネクタが着脱可能に取り付けられるコネクタ装着部を有する機器本体と、
前記コネクタの非装着時に前記コネクタ装着部を覆うように、前記機器本体に着脱自在に取り付けられるカバー部材と、
を有し、
前記機器本体は、前記コネクタの装着時に前記カバー部材の一部が係合可能な被係合部を有し、
前記コネクタが前記コネクタ装着部に装着された際に、前記コネクタの係合部は、前記被係合部に係合し、前記係合部の係合状態は、前記カバー部材の前記一部を前記被係合部に係合することにより解除される構成を採る。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、生体情報の測定中においてはコネクタを介して機器本体に接続される生体装着部が外れにくく、生体装着部を取り外す際には、機器本体からコネクタを容易に取り外して、コネクタが外された後の機器本体におけるコネクタとの接続部分を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る医療用電子機器の外観斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る医療用電子機器の平面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る医療用電子機器の正面図である。
図4】本発明の実施の形態に係る医療用電子機器の背面図である。
図5】本発明の実施の形態に係る医療用電子機器の左側面図である。
図6】本発明の実施の形態に係る医療用電子機器の右側面図である。
図7】本発明の実施の形態に係る医療用電子機器において筐体とコネクタとの係合状態を解除した平面図である。
図8図7のA-A線矢視断面図である。
図9】本発明の実施の形態に係る医療用電子機器において筐体から外したコネクタを示す図である。
図10】電池が載置されたコネクタの側面図である。
図11】コネクタを備える単回使用心電図用電極の斜視図である。
図12】コネクタを備える単回使用心電図用電極の平面図である。
図13】コネクタの要部構成を示す斜視図である。
図14】カバー部材を取り付けて保護された機器本体を示す外観斜視図である。
図15】カバー部材を取り付けて保護された機器本体を示す平面図である。
図16】カバー部材を取り付けて保護された機器本体を示す左側面図である。
図17】カバー部材を取り付けて保護された機器本体を示す右側面図である。
図18】カバー部材の正面図である。
図19】カバー部材の背面図である。
図20図20A図20Bは、医療用電子機器においてカバー部材を用いて筐体とコネクタとの係合状態を解除する図である。
図21図21A図21Dは、切欠部からの係合爪部の抜脱動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
本発明を適用可能な医療用電子機器は、生体装着部を用いて生体情報を測定する。医療用電子機器は、本実施の形態では、機器本体に、コネクタを介して生体装着部としての心電図用電極を接続して用いられる機器である。生体装着部は、被検者に装着して被検者の生体情報を取得するものであればどのようなものでもよく、パルスオキシメータ等であってもよい。また、医療用電子機器は携帯型の電子機器であることが好ましく、本実施の形態では、一例として、ホルタ心電計に適応したものとして説明するが、これに限らない。本発明に係る医療用電子機器は、生体装着部に接続されるコネクタが取り付けられる(装着される)装置であればどのように構成されてもよい。
【0011】
図1図6は、本発明の実施の形態に係る医療用電子機器の外観斜視図、平面図、正面図、背面図、左側面図、右側面図である。また、図7は、本発明の実施の形態に係る医療用電子機器において筐体とコネクタとの係合状態を解除した平面図であり、図8図7のA-A線矢視断面図であり、図9は、本発明の実施の形態に係る医療用電子機器において筐体から外したコネクタを示す図であり、図10は、電池が載置されたコネクタの側面図である。
【0012】
本実施の形態のホルタ心電計としての医療用電子機器1は、カバー部材80(図14参照)を外した機器本体10に、電極30が導出されたコネクタ20を取り付けて用いる。なお、本実施の形態のコネクタ20は、電極30と一体型の電極付きコネクタであり、使用後廃棄する単回使用心電図用電極、所謂、ディスポ電極(図11及び図12参照)として構成される。
【0013】
医療用電子機器1の駆動源となる電池として例えば、ボタン型電池であり、特にボタン型電池のうち、―極側が凸状である平円盤状のコイン形電池であってもよい。本実施の形態の医療用電子機器1は、コイン型リチウム電池により駆動する。
【0014】
具体的には、医療用電子機器1は、電池Bを配置したコネクタ20を機器本体10に取り付けることにより、機器本体10に電池B(図7図9参照)から給電が可能となり、給電された機器本体10が駆動するように構成されている。なお、電池Bは、本実施の形態では、使用後は電極30とともに廃棄される単回使用の1次電池としているが、これに限らず、二次電池を用いて使用後、充電して再利用しても良い。
【0015】
図1図9に示す医療用電子機器1は、機器本体10と、機器本体10に着脱可能に取り付けられるコネクタ20と、ロック機構部50と、カバー部材80(図14参照)とを有する。
【0016】
<機器本体10>
機器本体10は、本実施の形態では、コネクタ20を接続して、生体装着部としての電極30を介して、被検者の生体情報としての心電図を測定する。
機器本体10は、図1及び図7図9に示すように、中空の矩形平板状に形成された筐体12を有する。筐体12は、一端面12a側で開口し、且つ、筐体12の内部の収容部11と連続する挿入口132(図8参照)を有する。なお、機器本体10は、本実施の形態では、被検者が携帯可能にコンパクトに構成されている。
【0017】
挿入口132に、コネクタ20の電池収容部24が挿入された状態で機器本体10にコネクタ20が取り付けられる。挿入口132は、本実施の形態では、機器本体10の一端面12aから突出する矩形状のコネクタ装着部13の先端で開口する。挿入口132は、コネクタ装着部13にコネクタ20のコネクタ本体22が被さることにより覆われて閉塞される。これにより機器本体10は、矩形平板状体を形成する(図1及び図2参照)。
【0018】
機器本体10は、コネクタ20が取り付けられることにより、コネクタ20に配置された電池Bから給電可能となり、給電されて駆動する。
【0019】
機器本体10は、図8に示すように、電池収容部24を電池Bとともに収容する収容部11と、コネクタ20を介して電池B及び電極30に接続される回路部17とを有する。収容部11は、挿入口132を介して挿入される電池収容部24を収容する。回路部17は、心電図を取得する動作を行うための回路である。回路部17は、収容部11内に配置される。回路部17は、コネクタ20が挿入された際に電池Bのプラス端子(極Ba)に接続されるプラス端子接続部172と、電池Bのマイナス端子(極Bb)に接続されるマイナス端子接続部174と、電極30の基端側の端子部(基端部)32に接続される電極接続部(被端子部)176(図7参照)とを有する。
【0020】
回路部17には、機器本体10の収容部11内において、プラス端子接続部172及びマイナス端子接続部174が、挿入口132側に延出するように配置され、電池収容部24とともに挿入される電池Bに接続可能である。電極接続部176は、収容部11において電池収容部24を収容する収容領域に隣接して配置され、コネクタ装着部13において挿入口132に隣接する部位から突出して設けられている。
【0021】
具体的には、プラス端子接続部172は、収容部11内において筐体12の表面部の裏面に沿ってコネクタ装着部13の先端側に延出して配置されている。筐体12内の収容部11では、プラス端子接続部172の接点に対して、筐体12の厚み方向で対向するように、マイナス端子接続部174の接点が配置されている。
【0022】
これにより、機器本体10にコネクタ20が装着された際に、挿入口132を介して収容部11内に挿入される電池収容部24は、プラス端子接続部172とマイナス端子接続部174との間に侵入していき、電池収容部24が保持する電池Bは、プラス端子接続部172及びマイナス端子接続部174により挟まれるように接触する。また同時に、つまり、機器本体10にコネクタ20が装着された際に、電池収容部24が収容された領域に隣接する位置で、コネクタ20により覆われた状態で機器本体10側の電極接続部176が、電極30の端子部32に電気的に接続する。
【0023】
なお、回路部17には、表示部14、医療用電子機器1を操作する操作部としてのイベントキー15及びエンターキー16等が実装されている。表示部14は、表示面を筐体12の表面部で外部に露出させて配置され、イベントキー15及びエンターキー16等の各機械的なスイッチは、筐体12の側壁面及び前端壁面にそれぞれ押圧自在に配置されている。表示部14は、実際の測定中の測定値を表示する。本実施の形態では、表示部14は、コネクタ20が装着されると同時に開始される生体情報の測定値を表示する。イベントキー15は、測定中の生体情報(心電図)をマーキングする。例えば、測定中の被検者が違和感を感じたときにイベントキー15を押圧して、違和感を感じたときの心電図にマーキングを行う。なお、イベントキー15は、表示部14に表示される表示形態或いは設定内容を変更してもよい。また、エンターキー16は、イベントキー15で選択された表示形態や設定内容を確定する等することで生体情報を表示したり、或いは記憶したりする。
【0024】
ロック機構部50は、機器本体10とコネクタ20との装着状態(取付状態)を保持する。ロック機構部50は、コネクタ20に設けられる係合部52と、係合部52に着脱可能に係合する被係合部54とを有する。
【0025】
被係合部54は、コネクタ20の係合部52と係合して、機器本体10にコネクタ20が取り付けられた状態、つまり、機器本体10の回路部17と電池B及び電極30とを接続した状態、を保持する。これにより、医療用電子機器1は、心電計として駆動可能になる。本実施の形態では、機器本体10とコネクタ20とを係合して機器本体10へのコネクタ20の取り付け状態を保持することにより、機器本体10は、電池Bから給電可能に接続され、電池Bが機器本体10側の回路部17の電源となり、回路部17は、電極30を介して被検者の心電図を測定する。
【0026】
本実施の形態では、係合部52と被係合部54とは、双方のうちの一方に他方が挿入することにより係合する。
【0027】
被係合部54は、挿入口132を有するコネクタ装着部13を囲む開口周縁部のうち対向する2側壁部のそれぞれに設けられた凹状の切欠部541と、切欠部541内の窓部542とを有する。本実施の形態では、被係合部54は、コネクタ装着部13を囲む矩形状の開口周縁部の短辺側側壁部のそれぞれに設けられている。
被係合部54は、コネクタ20の係合部52(係合爪部522)が挿入されて係脱可能に係合する。具体的には、被係合部54の切欠部541は、機器本体10のコネクタ装着部13にコネクタが装着された際に、切欠部541の内部で、コネクタ20の係合部52の係合爪部522が、外部に露出された状態で係合する。
【0028】
切欠部541は、筐体12の外面に、挿入口132の開口方向、つまり、コネクタ20の取付方向(装着方向)と交差するように延在して形成される。切欠部541は、コネクタ10の装着時にカバー部材80(図14図20参照)の一部であるアーム部86が差し込み可能である。
【0029】
切欠部541は、本実施の形態では、機器本体10の両側壁部において一端面12a側の端部に側方と上方(表面部側)とに開口する凹状に形成されている。切欠部541は、窓部542を介して筐体12内外を連続させている。なお、切欠部541は、側方と上下方向(表面部側及び裏面部側)に開口した凹状に形成されてもよい。また、切欠部541が機器本体10の両側壁部において延在する向きは、どのような向きでもよく、本実施形態では、コネクタ20の取付方向と直交する方向に延在する向きである。
【0030】
窓部542は、凹状の切欠部541の内部に設けられ、切欠部541の内部と挿入口132内とを連通する。
窓部542は、コネクタ20の係合部52としての係合爪部522が挿入され、挿入された係合爪部522は、挿入方向と交差する方向に弾性変形して窓部542(具体的には、窓部542の開口側の枠部543)に係合する。これにより、機器本体10とコネクタ20とが離間する方向、つまり、機器本体10に対するコネクタ20の抜脱方向(図5の矢印方向)への移動が規制される。
【0031】
窓部542は、筐体12において挿入口132を有する一端面12a側において、両側壁部にそれぞれ設けられているので、これら窓部542に係合する係合爪部522は、切欠部541を介して機器本体10の両側部外方に露出する。すなわち、窓部542を介して、コネクタ20の係合爪部522が、中心側から挿入方向と直交する方向に張り出して窓部542に係合して、コネクタ20は機器本体10と係合し、コネクタ20と機器本体10との取付状態が確実に保持される。
【0032】
<コネクタ20>
コネクタ20は、本実施の形態では、電極30の基端部に設けられ、且つ、電池Bを収容している。コネクタ20は、機器本体10に取り付けられることにより機器本体10(具体的には、機器本体10内の回路部17)に電極30を接続し、且つ、機器本体10に電池Bから医療用電子機器1である心電計に電源を供給して駆動可能となるように電気的に接続する。また、コネクタ20は、本実施の形態では、機器本体10に水密的に取り付けられる。
【0033】
コネクタ20は、コネクタ本体22、ガイド部23、電池収容部24、短絡防止部26、電極30の端子部32、係合部52、チャネル指示部61、防水部材70、を有する。
【0034】
コネクタ本体22は、本実施の形態では、取付方向で開口する矩形ケース状体であり、矩形ケース状体内に、周壁部から間隔を空けて電池収容部24と、端子部32とが開口方向に突出して設けられている。コネクタ本体22の開口縁部222と、電池収容部24及び端子部32とにより、機器本体10の一端面12a側で嵌合する嵌合部として機能する。
【0035】
コネクタ本体22は、コネクタ20が機器本体10に取り付けられた際に、機器本体10の両側壁部と面一となる両側壁部に、係合部52が設けられている。また、コネクタ本体22には、開口縁部222の底面側から突出する板状のガイド部23が設けられている。
【0036】
係合部52は、開口縁部222から、機器本体10との取付方向に突出して設けられ、先端部に係合爪部522を有する。
【0037】
係合部52は、本実施の形態では、機器本体10の筐体12の両側壁の内側に沿って機器本体10内に挿入する突出片として形成されている。係合爪部522は、係合部52のそれぞれにおいて両側方に突出して設けられている。
【0038】
係合爪部522は、本実施の形態では、係合部52が機器本体10の内側つまり筐体12の内に弾性変形して挿入され、筐体12の内側から窓部542に係合する。
【0039】
ガイド部23は、コネクタ本体22を機器本体10に取り付ける際のガイドとして機能する。具体的には、ガイド部23は、機器本体10の底面の外側に沿って配置されるものである。ガイド部23は、コネクタ20を機器本体10に取り付ける際に、機器本体10の底面を摺動し、コネクタ20が機器本体10に円滑に取り付けられるようにコネクタ20を機器本体10に案内する。
また、ガイド部23は、機器本体10とコネクタ20の取付方向への相対移動による被係合部54と係合部52との係合を案内する。
【0040】
防水部材70は、開口縁部222にコネクタ20の開口を囲むように配設されている。
防水部材70は、機器本体10にコネクタ20を取り付けた際に、機器本体10の開口縁部(一端面12aの開口縁部)とコネクタ20の開口縁部222とにより挟まれて変形し、双方を水密的に接合する。
【0041】
防水部材70は環状の弾性体により形成される。防水部材70は、可撓性を有する樹脂等の弾性材料により構成される。
【0042】
防水部材70は、本実施の形態では、コネクタ20においてコネクタ本体22の開口縁部222の全面に亘って配設されている。
【0043】
具体的には、防水部材70は、図9及び図13に示すように、挿入口132を有するコネクタ装着部13を囲む矩形の枠状部72と、枠状部72の角部からそれぞれ両側方に突出する突片部74とを有する。
枠状部72は、開口縁部222上で、コネクタ本体22の開口を囲むように配置され、機器本体10にコネクタ20が取り付いた際に、コネクタ装着部13の周囲、つまり、内部に電池収容部24が挿入された挿入口132と、電極接続部176と端子部32との接続部分との周囲を防水する。
【0044】
枠状部72は、内周部分722が外周部分724よりも突出するように段差が形成されている。内周部分722は、機器本体10にコネクタ20が取り付けられた際に、双方に押圧されて外周部分724との段差部分に逃げるように変形することにより、機器本体10とコネクタ20とを一層水密的に密着させ、防水性の向上が図られている。
【0045】
突片部74は、開口縁部222上において、厚み方向(上下方向)で係合部52を挟むように配置されており、機器本体10にコネクタ20を取り付けた際に、厚み方向(上下方向)と直交する方向(コネクタ20の取付方向)で筐体12とコネクタ本体22とに挟まれて変形する。これにより、筐体12とコネクタ本体22とは、取付方向と直交する位置で互いに接触する部位の全面で、双方をより水密的に密着させることができる。
【0046】
これにより、開口縁部222で囲まれる医療用電子機器1の内部は、水密的に閉塞され、完全に密閉された状態となる。
【0047】
電池収容部24は、コネクタ20が機器本体10に取り付けられた際に、電池Bから機器本体10へ給電可能となるよう機器本体10に接続される。
電池収容部24は、本実施の形態では、電池Bを、コネクタの取付方向に沿う面に、電池Bの極性がそれぞれ配置された状態で保持する。電池収容部24は、本実施の形態では、図8図10及び図13に示すように、コネクタ本体22の背面部(本実施の形態では、電極30が外方に導出される面部)から取付方向に突設され、上側で窪む凹状のトレー部242を有する。トレー部242は、そのトレー部242の上方、本実施の形態では、機器本体10の表面側で電池Bを載置する。トレー部242には、短絡防止部26が設けられている。
【0048】
電池収容部24は、機器本体10の挿入口132を介して機器本体10内の収容部11に挿入された際に、収容する電池Bのそれぞれの極Ba、Bbが、対応する機器本体10側の極の端子(プラス端子接続部172及びマイナス端子接続部174)に接続されるように構成されている。
【0049】
本実施の形態では、電池収容部24は、電池Bが正しく載置された際、つまり、電池Bが、電池Bの極の向きを正しい向きで電池収容部24に収容された際に、電池Bとともに挿入口132に取付方向で円滑に挿入可能に形成されている。本実施の形態では、トレー部242において、電池Bの凸状の極Bbが底面側に向くように載置された状態が、電池Bが取付方向と略平行となるように構成されている。トレー部242は、電池Bの凸状の極Bbが嵌るように、底面側に凹む凹状に形成されている。
また、本実施の形態では、トレー部242の基端側の縁部には、中央側より高くなるように、段差27が設けられている。トレー部242上の電池Bは、トレー部242上で、トレー部242の先端側(挿入口132に挿入される際の先端となる部分)から基端側に向かって挿入され、電池Bの基端側の縁部が段差27上に配置されて係合することによりトレー部242上に円滑に載置される。
段差27は、電池Bの凸状の極Bbをトレー部242の底面側に向けて、電池Bをトレー部242上に載置する際には、段差27上に電池の縁部が挿入されて係合する。また、段差27は、電池Bを、極Bbとは反対側の極Baをトレー部242の底面側に向けて、載置しようとする際には、電池Bの縁部に当接して、トレー部242に円滑に載置できない、つまり、電池収容部24に電池Bを円滑に収容できない。このように、トレー部242では、電池形状に対応して形成された凹状部分と段差27とが、電池Bを正しい向き(姿勢)での収容を可能にする電池Bの逆挿し防止部として機能する。
【0050】
トレー部242の先端側、つまり自由端側の中央部には極用切欠部246が形成されている。この極用切欠部246は、トレー部242上の電池Bの一方の極、本実施の形態では、マイナス極Bbをトレー部242の下方に露出させる。
【0051】
電池収容部24は、機器本体10の内部に収容された状態では、プラス端子接続部172及びマイナス端子接続部174の間に配置され、マイナス端子接続部174は、極用切欠部246内に配置される。
【0052】
短絡防止部26は、電池Bを収容したコネクタ20を機器本体10に取り付ける際に、電池Bの極Ba(Bb)と機器本体10側の端子接続部172(174)とを正しく接続させて、短絡しないようにする。短絡防止部26は、本実施の形態では、電池収容部24を挿入口132内に挿入する際に、電池Bの極Baと、極Baに対応しないマイナス端子接続部174とが接続しないように設けられている。
【0053】
短絡防止部26は、トレー部242の先端側の縁部において、トレー部242の先端側の縁部の幅方向の中央部分で、極用切欠部246を仕切るように配置されている。また、短絡防止部26は、収容する電池Bの表面側(上側であり、本実施の形態では、プラス極側)に突出するリブ状に形成されている。短絡防止部26は、電池収容部24が収容する電池Bの表面側の極(電池Bの表面とともにプラス極となる外周面)を先端側から覆うように配置されている。
【0054】
また、コネクタ20は、機器本体10に嵌合して取り付けた際に、機器本体10にコネクタ20が装着されたことを識別するためのコネクタ装着確認部29を有する。
【0055】
コネクタ装着確認部29は、本実施の形態では、コネクタ20において機器本体10に取り付けられる側の部位、例えば、電池収容部24の先端部において挿入方向に突出する突起である。突起が、突起に対応して設けられた基板側の図示しない装着スイッチ部に接触することによって、回路部17においてコネクタ20の機器本体10への装着を示す信号が出力され、電極30の装着完了が確認される。
【0056】
電極30の端子部32は、機器本体10にコネクタ20が取り付けられた際に、電極接続部176と電気的に接続し、電極30を機器本体10に連結する。
端子部32は、コネクタ本体22において、電池収容部24に対して、挿入口132の長手方向である間口方向、つまり筐体12の幅方向であり、本実施の形態では水平方向に隣接して設けられている。
【0057】
端子部32は、本実施の形態では、電池収容部24に対して横方向で隣接して設けられる矩形ブロック状の接続ブロック28内に配置され、開口縁部222の開口側で露出している。なお、接続ブロック28は、本実施の形態では、コネクタ本体22内において、背面から開口縁部222までの周壁部分の長さと同じ長さとなるように突設されている。端子部32は、接続ブロック28の突端面に設けられた複数の孔部内に配置され、コネクタ20側の電極接続部176であり、且つ軸方向に進退自在に付勢されたピン状端子が挿入されることにより、ピン状端子と電気的に接続可能である。なお、端子部32と電極接続部176とは、機器本体10にコネクタ20が取り付けられた際に電気的に接続する構成であれば、どのように構成されてもよい。端子部32をピン状端子とし、電極接続部176を、ピン状端子である端子部32に外嵌する筒状端子としてよい。
【0058】
図9及び図13に示すチャネル指示部61は、コネクタ20が機器本体10に取り付けられた際に、機器本体10に対して、医療用電子機器1が取得する心電図のチャネル数を指示する。
【0059】
本実施の形態では、チャネル指示部61は、挿入口132内に向かって突出する棒状体であり、取り外し可能に構成される。棒状体の有無により、指示するチャネル数を変更可能としている。本実施の形態では、機器本体10側の回路部17は、挿入口132を介して電池収容部24が挿入されたときに、チャネル指示部61に押圧されて、測定対象となる電極30のチャネル数を2チャネルとして生体情報(心電図)を取得する回路に切り替えるスイッチ(図示しない)を有する。このスイッチは、チャネル指示部61により押圧されない場合は、生体情報は、押圧される場合と異なるチャネル数での測定、本実施の形態では、3チャネルでの生体情報の測定を行うように構成されている。
【0060】
すなわち、コネクタ20側のチャネル指示部61を無くすことにより回路部17では、電極30を用いて生体情報(心電図)を3チャネルで測定する。一方、コネクタ20にチャネル指示部61があれば、チャネル指示部61により、基板のスイッチは押圧されて、基板は電極30を用いて生体情報(主に心電計)を2チャネルでの測定するように変更する。
【0061】
本実施の形態においてコネクタ20が設けられる電極30は、図11及び図12に示すように、コネクタ20と一体型のコネクタ付き電極であり、上述したように、コネクタ20とともに、使用後廃棄可能なディスポ電極である。
【0062】
電極30は、端子部32(図11参照)側の分岐部33で、セパレータを介して粘着部とライナーとを有する取付面部30aに、コネクタ20とともに固定されている。分岐部33から誘導リード部36が分岐しており、それぞれの誘導リード部36の先端には電極部34が接続されている。電極部34は、セパレータを介して粘着部とライナーとを有する装着面部30bに設けられ、装着面部30bを各チャネルにおいて対応する所望の被検者の体表面の部位に貼着することにより、電極部34は被検者に装着される。なお、本実施の形態の電極30は、電極部34の装着位置を変更することにより、生体情報の測定時のチャネル数を変更できる。
【0063】
<医療用電子機器1のカバー部材80>
図14図19は、医療用電子機器1において、コネクタ20が外されてカバー部材80を取り付けて保護された機器本体10を示す図である。図14図17は、カバー部材80を取り付けて保護された機器本体10を示す外観斜視図、平面図、正面図、左側面図、右側面図である。また、図18及び図19は、カバー部材80の正面図、背面図であり、図20A図20Bは、医療用電子機器1においてカバー部材80を用いて筐体12とコネクタ20との係合状態を解除する図である。また、図21A~21Dは、切欠部541からの係合爪部522の抜脱動作を示す図である。
【0064】
カバー部材80は、コネクタの非装着時に機器本体10の挿入口132を含むコネクタ装着部13を被覆する機能とともに、図1から図13に示すコネクタ20を機器本体10から分離する機能を有する。
【0065】
図14図19に示すカバー部材80は、コネクタ装着部13(特に挿入口132)を覆うように、機器本体10に着脱可能に取り付けて、コネクタ装着部13を被覆して保護し機器本体10を保管可能な状態にできる。カバー部材80は、本実施の形態では、機器本体10において、電極30の端子部32に接続される電極接続部(被端子部)176と、収容部11内に連続し、電池収容部24が挿入される挿入口132との双方を被覆して保護する。
【0066】
カバー部材80は、挿入口132を覆うカバー本体82と、カバー本体82の開口部84側の両側部から機器本体10への取付方向に突出して設けられ、機器本体10の両側部を部分的に覆うように配置されるアーム部86とを有する。
【0067】
カバー本体82は、一方に開口する開口部84を有するケース状であり、開口部84内には、機器本体10の一端面12a側のコネクタ装着部13(図7参照)が挿入される。
カバー本体82は、本実施の形態では、開口部84に挿入されるコネクタ装着部13と着脱自在に嵌合する。カバー本体82は、開口部84にコネクタ装着部13が挿入してコネクタ装着部13と嵌合する際に、開口部84を囲む開口縁部822(図16図18参照)で機器本体10の一端面12aに当接して、挿入方向への移動を規制する。開口部84内には、図18に示すように、開口部84を囲む正面視矩形状の周壁部において横方向で離間する両側壁からリブ824が突出し、底壁部には、奥行き方向に延在する突条部826が設けられている。これらリブ824及び突条部826は、開口部84内に挿入されるコネクタ装着部13の外面と係合し、着脱可能な嵌合状態となる。なお、図18では、カバー部材80に嵌合した状態の機器本体10の筐体12を破線で示す。
【0068】
アーム部86は、機器本体10に取り付けたコネクタ20、つまり、機器本体10に連結した状態の電極30を外す機能を有する。アーム部86は、切欠部541内に差し込み可能に形成され、切欠部541内に嵌まるように配置可能である。
アーム部86は、切欠部541内に挿入して、切欠部541内に沿って移動することにより、窓部542と係合爪部522との係合状態を解除する機能を有する。また、アーム部86は、カバー本体82から突出して設けられる。アーム部86は、本実施の形態では、カバー部材80の開口部84において長手方向で離間する角部から開口方向に突出して形成されている。
【0069】
アーム部86では、少なくとも先端部分が、機器本体10の一端面12a(図7及び図8参照)側において長手方向で離間する角部(一端面12aの底面と両側面部とからなる角部12b、12c)をそれぞれ被覆するように、断面L字状に形成されている。
【0070】
なお、アーム部86は、機器本体10の角部12b、12cを覆うような断面L字状で形成されているので、カバー部材80をコネクタ装着部13に装着する際のガイドになる。また、アーム部86と、角部12b、12cとを、取付方向と直交する2方向で係合するように構成して、機器本体10の一端面12aと、カバー本体82の開口部84の開口縁部822とを当接した状態で保持するようにしてもよい。この場合、コネクタ装着部13とともに挿入口132は、カバー本体82内に収納され、保護された状態で支持される。なお、アーム部86によるカバー部材80と機器本体10との係合状態は、カバー部材80を機器本体10から離間するように抜脱方向に移動するだけで双方の係合状態は解除される。
【0071】
アーム部86は、本実施の形態では、それぞれの全体を、コネクタ本体22の開口方向に延在する一面部862と他面部864とによるL字状をなしている。機器本体10の両側面を挟むように位置する他面部864間の長さは、筐体12の横幅の長さに相当する。また、機器本体10の底面側を覆う一面部862の幅(水平方向の長さ)が、切欠部541の深さ(水平方向の長さ)と略同じ或いは同じ長さとなるように構成され、一面部862の先端部が切欠部541内に差し込み可能に形成されている。
【0072】
両側部のアーム部86のそれぞれの一面部862は、先端側から基端側に向かって互いに近づくように傾斜した押圧部863を有する(図21参照)。
【0073】
この構成により、例えば、図20Aに示すように、コネクタ20が係合して取り付けられた機器本体10においてコネクタ20を外す場合、機器本体10から外した状態のカバー部材80の両側部のアーム部86の一面部862を、切欠部541内に、コネクタ20の取付方向と直交する方向(ここでは表面側)から差し込む。なお、切欠部541内への一面部862の差し込み前の状態を図21A示す。また、一面部862の切欠部541への差し込み時において他面部864は、一面部862を切欠部541内に差し込む際のガイドとして機能する。すると、一面部862は、機器本体10の窓部542に係合し、且つ、窓部542を介して切欠部541内で突出している係合爪部522を、窓部542から筐体12の内側に押圧する。
【0074】
すなわち、切欠部541内に差し込まれる一面部862は、差し込まれるにつれて、押圧部863が、切欠部541内の係合爪部522を、図21Bに示すように、筐体12の内側、つまり、窓部542の枠部543から外れる方向に押圧する。
【0075】
そして、アーム部86は、切欠部541内に一面部862が差し込まれた状態となる(図20B参照)。このとき、一面部862は、切欠部541内から係合爪部522を図21Cに示すように、係合爪部522を窓部542の枠部543から外れる方向に押圧して変形させ、切欠部541及び窓部542から離脱する方向に変位させる。このとき係合爪部522の変形に伴い、コネクタ20は機器本体10から抜ける方向に移動する。係合爪部522は弾性変形して、機器本体10の内側に変位し、窓部542から外れ、コネクタ20自体を機器本体10から離脱させることができる。
【0076】
このように、本実施の形態では、コネクタ20がコネクタ装着部13に装着された際に、コネクタ20の係合部52(係合爪部522)は、切欠部541の内部に係合し、係合部52(係合爪部522)の係合状態は、カバー部材80のアーム部86を切欠部541に差し込むことにより解除される。
【0077】
医療用電子機器1において、機器本体10と、電極30に設けられたコネクタ20とは、機器本体10の切欠部541内に位置するコネクタ20側の係合爪部522との係合により接続した状態が保持されている。
この状態は、被検者が医療用電子機器1を通常に使用している状態であり、窓部542に係合する係合爪部522は切欠部541内に位置している。この状態では、切欠部541内に差し込み可能な治具を別途用意しなければ、被検者は窓部542から係合爪部522を外すことができない。これにより、医療用電子機器1の使用中において、機器本体10からコネクタ20が外れることを、つまり、電極30が機器本体10から外れることを防止している。
【0078】
しかしながら、上述したように、カバー部材80を用いることにより、機器本体10からコネクタ20、つまりは電極30を容易に外すことができる。
よって、医療用電子機器1は使用中において機器本体10から外れにくいコネクタ20(電極30)を、医療用電子機器1の使用後において、カバー部材80を用いることで、機器本体10から電極30を容易に外して、機器本体10に別の新しい電極を容易に取り付けて、新たに心電図の測定を開始することができる。よって、他の被検者の心電図の測定を安定して直ぐに始めることができる。
【0079】
また、電極30が外された機器本体10の挿入口132を含む一端面12aのコネクタ装着部13は、カバー部材80により被覆可能である。
すなわち、機器本体10にコネクタ20を介して電極30を連結して心電計として使用した後、機器本体10を使用しない場合、カバー部材80により、機器本体10に連結するコネクタ20を、機器本体10から取り外すとともに、カバー部材80自体をコネクタ装着部13に嵌合することにより、機器本体10におけるコネクタ20(電極30)との接続部分を保護することができる。
【0080】
このように、本実施の形態の医療用電子機器1によれば、生体情報の測定中においては機器本体10に接続される電極30が外れにくく、電極30を取り外す際には、機器本体10から電極30を容易に取り外して、機器本体10において電極30が外された後の電極30との接続部分を容易に保護することができる。
【0081】
なお、本実施の形態では、医療用電子機器として、ホルタ心電計を一例に挙げて説明したが、これに限らず、被検者の体表面、つまり、生体に装着して生体情報を測定するものであれば、どのような機器に適応してもよい。例えば、テレメータ、パルスオキシメーター等に適用してもよい。
【0082】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明に係る医療用電子機器は、生体情報の測定中においては機器本体に接続される電極が外れにくく、取り外す際には、機器本体から電極を容易に取り外して、電極が外された後の機器本体における電極との接続部分を保護できる効果を有し、例えば、ホルタ心電計に用いるものとして有用である。
【符号の説明】
【0084】
1 医療用電子機器
10 機器本体
11 収容部
12 筐体
12a 一端面
12b、12c 角部
13 コネクタ装着部
132 挿入口
14 表示部
15 イベントキー
16 エンターキー
17 回路部(測定部)
20 コネクタ
22 コネクタ本体
23 ガイド部
24 電池収容部
26 短絡防止部
27 段差
28 接続ブロック
29 コネクタ装着確認部
30 電極
30a 取付面部
30b 装着面部
32 端子部(連結部)
33 分岐部
34 電極部
36 誘導リード部
50 ロック機構部
52 係合部
54 被係合部
61 チャネル指示部
70 防水部材
72 枠状部
74 突片部
80 カバー部材
82 カバー本体
84 開口部
86 アーム部(カバー部材の一部)
172 プラス端子接続部
174 マイナス端子接続部
176 電極接続部
222、822 開口縁部
242 トレー部
246 極用切欠部
522 係合爪部
541 切欠部
542 窓部
543 枠部
722 内周部分
724 外周部分
824 リブ
826 突条部
862 一面部
863 押圧部
864 他面部
B 電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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