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特開2022-168349装着確認システム、方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168349
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】装着確認システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20221031BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20221031BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20221031BHJP
   G07C 9/00 20200101ALI20221031BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20221031BHJP
【FI】
G06T7/00 660B
G08B25/04 F
G08B25/00 510M
G07C9/00 Z
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073723
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】清野 創
【テーマコード(参考)】
3E138
5C087
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138CA03
3E138JA02
3E138JB04
3E138JB16
3E138JC30
5C087AA09
5C087AA19
5C087DD03
5C087DD27
5C087EE05
5C087EE18
5C087FF04
5C087FF25
5C087GG02
5C087GG10
5C087GG17
5C087GG20
5C087GG59
5C087GG66
5L049AA06
5L096AA06
5L096BA02
5L096CA02
5L096DA02
5L096HA09
5L096JA03
5L096JA09
5L096JA11
5L096JA18
(57)【要約】
【課題】 人物への装着物の装着状態を容易に確認することが可能な装着確認システム、方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】 入場者を撮影する撮影装置12と、撮影装置12により取得された撮影画像に対して画像解析を行い、撮影画像内の人物を検出する人物検出手段と、撮影画像に対して画像解析を行い、人物の装着物を検出する装着物検出手段と、人物検出手段および装着物検出手段による検出結果に基づいて装着物の装着状態を判定する装着判定手段と、装着判定手段により判定された装着状態と撮影画像を確認結果として記憶する記憶手段と、を有する装着確認システム。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入場者を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置により取得された撮影画像に対して画像解析を行い、撮影画像内の人物を検出する人物検出手段と、
前記撮影画像に対して画像解析を行い、前記人物の装着物を検出する装着物検出手段と、
前記人物検出手段および前記装着物検出手段による検出結果に基づいて装着物の装着状態を判定する装着判定手段と、
前記装着判定手段により判定された装着状態と、前記撮影画像を確認結果として記憶する記憶手段と、
を有する装着確認システム。
【請求項2】
前記撮影画像と、前記人物検出手段による人物の検出到達度と、前記装着物検出手段による装着物の検出到達度と、を表示する表示装置を有する、請求項1に記載の装着確認システム。
【請求項3】
前記検出到達度は、所定時間において画像解析された撮影画像の数に基づいて、人物または装着物が検出された撮影画像の数を検出時間として算出し、事前に設定された検出到達時間に対する前記検出時間の到達度として算出される、請求項2に記載の装着確認システム。
【請求項4】
前記表示装置は、さらに、前記人物検出手段および前記装着物検出手段による処理の状態に応じたメッセージと、撮影画像の処理レートを表示する、請求項2または請求項3に記載の装着確認システム。
【請求項5】
前記装着判定手段による判定結果に基づいて、自動扉またはキーボックスを開錠する制御装置を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の装着確認システム。
【請求項6】
前記人物検出手段は、撮影画像における人物の顔部分または目部分における特徴量を算出し、当該特徴量に基づいて人物を検出する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の装着確認システム。
【請求項7】
前記装着物検出手段は、前記装着物のテンプレート画像を用いて、前記撮影画像の注目領域と比較することにより、撮影画像内の装着物を検出する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の装着確認システム。
【請求項8】
前記装着物検出手段は、単一のテンプレート画像を用いる通常モード、大きさの異なる3つのテンプレート画像を用いる3テンプレートモード、元のテンプレート画像を所定の範囲で拡大縮小した変倍テンプレート画像を用いるランダムテンプレートモードの3つのモードを備える請求項7に記載の装着確認システム。
【請求項9】
前記テンプレート画像は、前記装着物に所定のマークが付された画像である、請求項7または請求項8に記載の装着確認システム。
【請求項10】
入場者を撮影する撮影装置に接続されたコンピュータが、装着物の状態を確認する装着確認方法であって、
コンピュータが、
前記撮影装置により取得された撮影画像に対して画像解析を行い、撮影画像内の人物を検出し、
前記撮影画像に対して画像解析を行い、前記人物の装着物を検出し、
前記人物の検出結果および前記装着物の検出結果に基づいて装着物の装着状態を判定する装着判定手段と、
前記装着判定手段により判定された装着状態と、撮影画像を確認結果として記憶する、装着確認方法。
【請求項11】
入場者を撮影する撮影装置に接続されたコンピュータを、
前記撮影装置により取得された撮影画像に対して画像解析を行い、撮影画像内の人物を検出する人物検出手段、
前記撮影画像に対して画像解析を行い、前記人物の装着物を検出する装着物検出手段、
前記人物検出手段および前記装着物検出手段による検出結果に基づいて装着物の装着状態を判定する装着判定手段、
前記装着判定手段により判定された装着状態と、前記撮影画像を確認結果として記憶する記憶手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は装着確認システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工事現場や工場などの危険作業が伴うエリアに入場する際には、作業者の安全のため、ヘルメット等の安全装備の着用が義務付けられている。このように特別なエリアに入場するに際して、ヘルメットの着用を確認する技術も開発されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-038456
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、身分証等を所持していない場合は入場できず、また、ヘルメット等の装着物が人物の頭に正しく装着されているかを判定することは難しい、という問題がある。
【0005】
そこで、本開示は、人物への装着物の装着状態を容易に確認することが可能な装着確認システム、方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示では、
入場者を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置により取得された撮影画像に対して画像解析を行い、撮影画像内の人物を検出する人物検出手段と、
前記撮影画像に対して画像解析を行い、前記人物の装着物を検出する装着物検出手段と、
前記人物検出手段および前記装着物検出手段による検出結果に基づいて装着物の装着状態を判定する装着判定手段と、
前記装着判定手段により判定された装着状態と、前記撮影画像を確認結果として記憶する記憶手段と、
を有する装着確認システムを提供する。
【0007】
また、本開示の装着確認システムは、
前記撮影画像と、前記人物検出手段による人物の検出到達度と、前記装着物検出手段による装着物の検出到達度と、を表示する表示装置を有してもよい。
【0008】
また、本開示の装着確認システムにおける、
前記検出到達度は、所定時間において画像解析された撮影画像の数に基づいて、人物または装着物が検出された撮影画像の数を検出時間として算出し、事前に設定された検出到達時間に対する前記検出時間の到達度として算出されてもよい。
【0009】
また、本開示の装着確認システムにおける、
前記表示装置は、さらに、前記人物検出手段および前記装着物検出手段による処理の状態に応じたメッセージと、撮影画像の処理レートを表示してもよい。
【0010】
また、本開示の装着確認システムは、
前記装着判定手段による判定結果に基づいて、自動扉またはキーボックスを開錠する制御装置を備えてもよい。
【0011】
また、本開示の装着確認システムは、
前記人物検出手段は、撮影画像における人物の顔部分または目部分における特徴量を算出し、当該特徴量に基づいて、人物を検出してもよい。
【0012】
また、本開示の装着確認システムにおける、
前記装着物検出手段は、前記装着物のテンプレート画像を用いて、前記撮影画像の注目領域と比較することにより、撮影画像内の装着物を検出してもよい。
【0013】
また、本開示の装着確認システムにおける、
前記装着物検出手段は、単一のテンプレート画像を用いる通常モード、大きさの異なる3つのテンプレート画像を用いる3テンプレートモード、元のテンプレート画像を所定の範囲で拡大縮小した変倍テンプレート画像を用いるランダムテンプレートモードの3つのモードを備えてもよい。
【0014】
また、本開示の装着確認システムにおける、
前記テンプレート画像は、前記装着物に所定のマークが付された画像であってもよい。
【0015】
また、本開示では、
入場者を撮影する撮影装置に接続されたコンピュータが、装着物の状態を確認する装着確認方法であって、
コンピュータが、
前記撮影装置により取得された撮影画像に対して画像解析を行い、撮影画像内の人物を検出し、
前記撮影画像に対して画像解析を行い、前記人物の装着物を検出し、
前記人物の検出結果および前記装着物の検出結果に基づいて装着物の装着状態を判定する装着判定手段と、
前記装着判定手段により判定された装着状態と、前記撮影画像を確認結果として記憶する、装着確認方法を提供する。
【0016】
また、本開示では、
入場者を撮影する撮影装置に接続されたコンピュータを、
前記撮影装置により取得された撮影画像に対して画像解析を行い、撮影画像内の人物を検出する人物検出手段、
前記撮影画像に対して画像解析を行い、前記人物の装着物を検出する装着物検出手段、
前記人物検出手段および前記装着物検出手段による検出結果に基づいて装着物の装着状態を判定する装着判定手段、
前記装着判定手段により判定された装着状態と、前記撮影画像を確認結果として記憶する記憶手段、
として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、人物への装着物の装着状態を容易に確認することが可能な装着確認システム、方法およびプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の一実施形態に係る装着確認システムの構成を示す図である。
図2】本開示の一実施形態に係る装着確認システムの外観を示す概略図である。
図3】入場口の側面方向から見た装着確認システムの概略図である。
図4】処理装置11の詳細を示す機能ブロック図である。
図5】表示装置13の表示画面を示す図である。
図6】本開示の一実施形態に係る装着確認システムの処理概要を示す状態遷移図である。
図7】表示装置13に表示される画面の状態を示す図である。
図8】人物検出の詳細を説明するための図である。
図9】装着物検出の詳細を説明するための図である。
図10】ヘルメットの正面に付されたロゴを検出する例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
<1.システム構成>
図1は、本開示の一実施形態に係る装着確認システムの構成を示す図である。図2は、本開示の一実施形態に係る装着確認システムの外観を示す概略図である。図3は、入場口の側面方向から見た装着確認システムの概略図である。図1図3において、10は装着確認システム、11は処理装置、12は撮影装置、13は表示装置、14は制御装置、15は自動扉、16はキーボックス、17はタブレットPCである。
【0020】
処理装置11は、装着確認システム10における様々な演算処理を行う装置であり、CPU、主メモリ、不揮発性の記憶装置等を有するコンピュータに、装着確認システム10としての機能を実現するためのプログラムを組み込むことにより実現される。撮影装置12は、撮影を行って画像データとして撮影画像を取得する撮影手段であり、CCDカメラ等の汎用の撮影機器により実現される。表示装置13は、処理装置11により処理された結果に基づいて表示を行う表示手段であり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の汎用の表示機器により実現される。本実施形態では、処理装置11、撮影装置12、表示装置13は、1つのタブレットPC17内に内蔵されている。
【0021】
制御装置14は、自動扉15、キーボックス16に接続されており、自動扉15,キーボックス16に対して開錠信号を送信する装置である。制御装置14は、処理装置11に接続されており、処理装置11からの指令に基づいて開錠信号を自動扉15、キーボックス16に送信する。図3においては制御装置14の図示は省略している。
【0022】
自動扉15は、自動で開く扉である。本実施形態では、制御装置14からの開錠信号に基づき、壁に沿った方向に移動することにより、入場可能に入場口を開く。キーボックス16は、キー(鍵)が挿入された箱である。キーとしては、物理キーやカードキーを用いることができる。扉が自動扉でない場合は、キーボックス16から取り出したキーを用いて、施錠されている扉を開錠する。本実施形態では、制御装置14からの開錠信号に基づき、キーボックスを開錠する。これにより利用者は、扉のキーをキーボックスから取り出すことが可能となる。自動扉15,キーボックス16は、入場口機構の一例であり、入場口機構としては、制御装置14による制御に基づき、入場口を直接または間接的に開口するものであれば、自動扉15,キーボックス16に限定されない。
【0023】
図4は、処理装置11の詳細を示す機能ブロック図である。本実施形態では、処理装置11を汎用のコンピュータに、専用のプログラムを組み込むことにより実現される。図4に示すように、処理装置11は、人物検出手段11a、装着物検出手段11b、装着判定手段11c、確認結果記憶手段11dを有する。
【0024】
人物検出手段11aは、撮影装置12により取得された撮影画像に対して画像解析を行い、撮影画像内の人物を検出する手段であり、不揮発性の記憶装置に記憶されたプログラムをCPUが読み込んで実行することにより実現される。装着物検出手段11bは、撮影装置12により取得された撮影画像に対して画像解析を行い、人物の装着物を検出する手段であり、不揮発性の記憶装置に記憶されたプログラムをCPUが読み込んで実行することにより実現される。装着判定手段11cは、人物検出手段11aおよび装着物検出手段11bによる検出結果に基づいて装着物の装着状態を判定する手段であり、不揮発性の記憶装置に記憶されたプログラムをCPUが読み込んで実行することにより実現される。確認結果記憶手段11dは、装着判定手段11cにより判定された装着状態と、撮影画像を確認結果として記憶する手段であり、不揮発性の記憶装置の所定の記憶領域により実現される。
【0025】
図5は、表示装置13の表示画面を示す図である。図5において、13aは撮影画像表示領域、13bはメッセージ表示領域、13cは到達度表示領域、13dは日時表示領域、13eは処理情報表示領域である。図5に示すように、表示装置13の表示画面においては、画面中央の撮影画像表示領域13aに撮影画像が表示される。実際には、所定のレート(fps:フレーム(画像)/秒)で撮影された撮影画像が順次切り替えて表示される。表示される撮影画像は、処理装置11により画像解析された解析レートであってもよい。本実施形態では、解析レートで撮影画像が順次切り替えて表示される。例えば撮影レートが30fpsであって、解析レートが20fpsである場合は、1秒間に20回のペースで切り替えて表示される。
【0026】
表示装置13の画面上部のメッセージ表示領域13bには、入場者へのメッセージが表示される。このメッセージは、処理装置11による処理に応じて、処理装置11から取得されて、表示される。表示装置13の画面左部の到達度表示領域13cには、処理装置11による解析の到達度が表示される。表示装置13の画面右部上側の日時表示領域13dには、現在の日時が表示される。表示装置13の画面右部下側の処理情報表示領域13eには、処理装置11により処理された他の詳細な情報が表示される。処理情報表示領域13eには、日時の秒以下の単位を示す情報や、撮影画像の処理レート(fps:フレーム(画像)/秒)等を表示することができる。処理レートとしては、撮影のレートである撮影レート、撮影画像を解析するレートである解析レートがある。図5の例では、処理情報表示領域13eには、日時の秒以下の単位を示す「45.40」、撮影レートを示す30.0fps、解析レートを示す20.0fpsが示されている。処理レートとしては、撮影レートと解析レートのどちらか一方を表示するようにしてもよい。
【0027】
<2.処理動作>
次に、本実施形態に係る装着確認システムの処理動作について、本実施形態に係る装着確認方法とともに説明する。図6は、本実施形態に係る装着確認システムの処理概要を示す状態遷移図である。本実施形態に係る装着確認システムは、起動後、S1~S6の6つの状態に遷移しながら処理を行う。なお、装着物は、人物に装着されるものであれば、特に限定されないが、ここでは、装着物の一例としてヘルメットを用いた場合について説明していく。
【0028】
まず、装着確認システムが起動すると、処理を開始する。そして、撮影装置12が常時撮影し、撮影により得られた画像データを撮影画像として取り込む。取り込まれた撮影画像は処理装置11に渡されて所定の処理が行われる。撮影装置12は、所定のレート(fps:フレーム(画像)/秒)で撮影を行い、撮影画像を取り込んで処理装置11に送る。また、処理装置11は、撮影装置12から取得した画像を表示装置13に渡す。そして、表示装置13では、処理装置11から受け取った画像を随時表示する。例えば、20fps(フレーム/秒)の解析レートで画像解析を行う場合、1/20秒ごとに撮影画像が処理装置11から送信され、表示装置13の画面に表示される。そのため、表示装置13の画面では動画のように表示されることになる。撮影装置12による撮影画像の取得、表示装置13による撮影画像の表示は、図6に示したS1~S6の状態に関わらず、装着確認システムの稼働中は常に行われる。
【0029】
装着確認システムで処理が開始されると、まず、待機状態S1に移行する。待機状態S1では、撮影装置12が常時撮影し、撮影により得られた画像データを撮影画像として取り込む。そして、処理装置11は、取り込んだ撮影画像に対して、解析等の処理を行う。処理装置11における撮影画像の解析レートは、撮影装置12による撮影レートと同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、上記のように撮影レートが30fpsである場合、処理装置11における解析レートは、撮影レートと同じ30fpsとしてもよいし、レートを落として20fpsとしてもよい。
【0030】
待機状態S1においては、処理装置11内の人物検出手段11aが人物検出処理を行う。そして、人物検出手段11aが、所定の大きさ以上で人物が1回でも検出した場合には、人物検出状態S2に移行する。図7は、表示装置13に表示される画面の状態を示す図である。待機状態S1では、表示装置13は、図7(a)に示すような画面の表示を行う。待機状態S1は、人物が検出できていない状態であるため、メッセージ表示領域13bに、利用者に対して移動を促すメッセージを表示する。例えば、図7(a)に示すように、「ヘルメットを装着してカメラの前に近づいて下さい。」等のメッセージを表示する。
【0031】
撮影画像から人物が検出されない場合には、撮影装置12が新たに取り込んだ撮影画像に対して、人物検出手段11aが人物検出処理を繰り返し行う。人物検出処理の詳細については後述する。待機状態S1の間は、「ヘルメットを装着してカメラの前に近づいて下さい。」等の利用者に近付くことを促すメッセージを表示し続ける。
【0032】
人物検出状態S2では、人物検出手段11aは、撮影画像に対して人物検出処理を継続する。具体的には、人物検出手段11aは、人物検出時間PDTを算出する。人物検出時間PDTは、人物が検出された時間である。具体的には、人物検出手段11aは、以下の[数式1]に従った処理を実行して人物検出時間PDTを算出する。
【0033】
[数式1]
人物検出時間PDT=人物検出回数PDM×(1/解析レートFPS)
【0034】
[数式1]において、人物検出回数PDMは、人物が検出された回数を人物検出手段11aがカウントした値である。解析レートFPSは、1秒間に画像解析された撮影画像の数である。[数式1]に示したように、この人物検出回数PDMに解析レートFPSの逆数を乗じることにより人物検出時間PDTを算出する。そして、人物検出手段11aは、以下の[数式2]に従った処理を実行して人物検出到達度PGLを算出する。
【0035】
[数式2]
人物検出到達度PGL=人物検出時間PDT/人物検出到達時間PGT
【0036】
[数式2]において、人物検出到達時間PGTは、事前に設定された人物検出に必要な時間である。 [数式2]に示したように、[数式1]に従った処理を実行して算出された人物検出時間PDTを、人物検出到達時間PGTで除算することにより、人物検出到達度PGLを算出する。すなわち、人物検出到達度は、所定時間において画像解析された撮影画像の数に基づいて、人物が検出された撮影画像の数を検出時間として算出し、事前に設定された人物検出到達時間に対する人物検出時間の到達度として算出される。[数式2]の例では、人物検出到達度PGLは、0以上1以下の値として算出される。人物検出到達時間PGTは、任意に設定可能であるが、例えば、1.5秒と設定しておくことができる。
【0037】
処理装置11は、[数式2]に従った処理を実行して算出した人物検出到達度PGLを表示装置13に送信し、表示装置13は人物検出到達度PGLを到達度表示領域13cに表示する。したがって、人物検出状態S2では、表示装置13は、図7(b)に示すような画面の表示を行うことになる。
【0038】
図7(b)に示すように、到達度表示領域13cには、人物検出到達度PGLが上下方向に延びるバー形式で表示される。到達度表示領域13cでは、上下方向に延びるバーの内部において、その下端から人物検出到達度PGLに比例する高さまで塗り潰された状態で表示される。したがって、人物検出状態S2に遷移直後の状態では、人物検出到達度PGL=0であるため、バーの内部に塗り潰された箇所はない。そして、人物検出到達度PGLが増えるにつれて、バーの内部が下から塗り潰されて行き、人物検出到達度PGL=1になると、バーの内部全体が塗り潰された状態となる。図7(b)の例は、人物検出到達度PGL=0.4程度の時点を示している。
【0039】
また、人物検出状態S2においては、メッセージ表示領域13bに、「人物を検出中」などの、現在の状況を表示する。この表示により、利用者に現在の状況を知らせることができる。そして、到達度表示領域13cに人物検出到達度PGLのバー表示を行うことにより、入場者は、人物検出がどの程度まで進んでいるかを確認することができる。このため、入場者は、撮影装置12の前でどの程度待てばよいのか認識することができる。
【0040】
人物検出状態S2において、処理装置11が撮影画像から人物検出できないことが多くなると、人物検出回数PDMがなかなか増えないため、人物検出時間PDTも増えない。このような場合、いつまでも検出処理を続けることは望ましくない。このため、処理装置11は、事前に設定された人物検出制限時間PRTが経過した場合に、待機状態S1に戻る処理を行う。すなわち、一旦、人物検出時間PDTおよび人物検出到達度PGLが0にリセットされて、次に人物が検出された場合に、人物検出状態S2に移行して、人物検出を行うことになる。人物検出制限時間PRTは、任意に設定可能であるが、例えば、10秒と設定しておくことができる。
【0041】
人物検出状態S2において、人物検出到達度PGLが1に達した場合には、人物が正しく検出できたものとして、人物検出完了となる。人物検出が完了した場合には、処理装置11は、装着物待機状態S3に遷移する。装着物待機状態S3では、取り込んだ撮影画像に対して、装着物検出手段11bが装着物検出処理を行う。そして、装着物であるヘルメットが1回でも検出された場合には、装着物検出状態S4に遷移する。
【0042】
装着物待機状態S3では、表示装置13は、図7(c)に示すような画面の表示を行う。装着物待機状態S3は、装着である物ヘルメットが検出できていない状態であるため、メッセージ表示領域13bに、利用者に対するメッセージを表示する。例えば、図7(c)に示すように、「ヘルメットを装着して下さい。」等のメッセージを表示する。なお、図7(c)の例では、撮影画像表示領域13aに、ヘルメットを装着していない状態の撮影画像が表示されているが、装着物待機状態S3では、ヘルメットを装着した状態の撮影画像であっても、同様なメッセージが表示される。
【0043】
撮影画像から装着物が検出されない場合には、撮影装置12が新たに取り込んだ撮影画像に対して、装着物検出処理を繰り返し行う。装着物検出処理の詳細についても後述する。ヘルメット待機状態S3の間は、「ヘルメットを装着して下さい。」等の、利用者にヘルメット装着を促すメッセージを表示し続ける。
【0044】
装着物検出状態S4では、装着物検出手段11bは、撮影画像に対してヘルメット検出処理を継続する。具体的には、装着物検出手段11bは、装着物検出時間HDTを算出する。装着物検出時間HDTは、装着物であるヘルメットが検出された時間である。具体的には、装着物検出手段11bは、以下の[数式3]に従った処理を実行して装着物検出時間HDTを算出する。
【0045】
[数式3]
装着物検出時間HDT=装着物検出回数HDM×(1/解析レートFPS)
【0046】
[数式3]において、装着物検出回数HDMは、装着物であるヘルメットが検出された回数を装着物検出手段11bがカウントした値である。解析レートFPSは、[数式1]の場合と同様、1秒間に画像解析された撮影画像の数である。[数式3]に示したように、装着物検出回数HDMに解析レートFPSの逆数を乗じることにより装着物検出時間HDTを算出する。そして、装着物検出手段11bは、以下の[数式4]に従った処理を実行して装着物検出到達度HGLを算出する。
【0047】
[数式4]
装着物検出到達度HGL=装着物検出時間HDT/装着物検出到達時間HGT
【0048】
[数式4]において、装着物検出到達時間HGTは、事前に設定された装着物検出に必要な時間である。 [数式4]に示したように、[数式3]に従った処理を実行して算出された装着物検出時間HDTを、装着物検出到達時間HGTで除算することにより、装着物検出到達度HGLを算出する。すなわち、装着物検出到達度は、所定時間において解析される撮影画像の数に基づいて、装着物が検出された撮影画像の数を装着物検出時間として算出し、事前に設定された装着物検出到達時間に対する装着物検出時間の到達度として算出される。[数式4]の例では、装着物検出到達度HGLは、[数式2]の人物検出到達度PGLと同様、0以上1以下の値として算出される。装着物検出到達時間HGTは、任意に設定可能であるが、例えば、1.5秒と設定しておくことができる。
【0049】
処理装置11は、[数式4]に従った処理を実行して算出した装着物検出到達度HGLを表示装置13に送信し、表示装置13は装着物検出到達度HGLを到達度表示領域13cに表示する。したがって、装着物検出状態S4では、表示装置13は、図7(e)に示すような画面の表示を行うことになる。
【0050】
図7(e)に示すように、到達度表示領域13cには、装着物検出到達度HGLが上下方向に延びるバー形式で表示される。到達度表示領域13cでは、上下方向に延びるバーの内部において、その下端から装着物検出到達度HGLに比例する高さまで塗り潰された状態で表示される。したがって、装着物検出状態S4に移行直後の状態では、装着物検出到達度HGL=0であるため、バーの内部に塗り潰された箇所はない。そして、装着物検出到達度HGLが増えるにつれて、バーの内部が下から塗り潰されて行き、装着物検出到達度HGL=1になると、バーの内部全体が塗り潰された状態となる。図7(e)の例は、装着物検出到達度HGL=0.7程度の時点を示している。
【0051】
また、装着物検出状態S4においては、メッセージ表示領域13bに、「ヘルメットを検出中」などの、現在の処理状況を表示する。この表示により、利用者に現在の処理状況を知らせることができる。そして、到達度表示領域13cに装着物検出到達度HGLのバー表示を行うことにより、利用者は、装着物検出がどの程度まで進んでいるかを確認することができる。このため、撮影装置12の前でどの程度待てばよいのか認識することができる。
【0052】
装着物検出状態S4において、装着物検出手段11bが撮影画像から装着物を検出できないことが多くなると、装着物検出回数HDMがなかなか増えないため、装着物検出時間HDTも増えない。このような場合、いつまでも検出処理を続けることは望ましくない。このため、装着物検出手段11bは、事前に設定された装着物検出制限時間HRTが経過した場合に、待機状態S1に戻る処理を行う。すなわち、一旦、人物検出時間PDT、人物検出到達度PGL、装着物検出時間HDT、装着物検出到達度HGLが全て0にリセットされて、次に人物が検出された場合に、人物検出状態S2に移行して、人物検出を行うことになる。装着物検出制限時間HRTは、任意に設定可能であるが、例えば、10秒と設定しておくことができる。
【0053】
装着物検出状態S4において、装着物検出到達度HGLが1に達した場合には、装着物であるヘルメットが正しく検出できたものとして、装着物検出完了となる。装着物検出が完了した場合には、装着判定手段11cは、装着物であるヘルメットが正しく装着されているものとして装着物装着状態S5に遷移する。
【0054】
装着物装着状態S5に遷移したら、表示装置13は、処理装置11からの指示に基づき、メッセージ表示領域13bの表示を切り替える。例えば、図7(d)に示すように「[OK]ヘルメット装着が確認出来ました。キーボックスを開錠します。」などの、メッセージを表示する。そして、処理装置11は、図7(d)に示したような、装着物装着状態S5に遷移直後における表示装置13の画面をキャプチャした全画面画像を取得する。この全画面画像には、人物検出および装着物検出が完了した撮影画像と、その日時が記録されている。装着判定手段11cは、取得した全画面画像を確認結果記憶手段11dに保存する。これにより、入場が許可された者(正常入場者)の顔画像と日時が記憶されることになる。なお、本実施形態では、確認結果として、表示装置13の表示画面の全画面画像を確認結果記憶手段11dに記憶するが、装着の良否(入場の可否)と、顔画像(顔が写った撮影画像)と、日時が記録されていれば、全画面画像以外の形式で記憶してもよい。
【0055】
装着物装着状態S5では、続いて、処理装置11が、開錠信号を制御装置14に送信する。具体的には、装着判定手段11cによる判定結果が、「正しく装着されたもの」である場合に、開錠信号を制御装置14に送信する。処理装置11から開錠信号を受け取ると、さらに制御装置14は、自動扉15またはキーボックス16に開錠信号を送信する。そして、装着物装着状態S5に遷移後、事前に設定された装着物装着制限時間HSTを超えたら、待機状態S1に移行する。装着物装着制限時間HSTは、任意に設定可能であるが、例えば、15秒と設定しておくことができる。
【0056】
なお、装着物待機状態S3において、装着物検出が完了する前に、装着物待機制限時間HWTを超えた場合は、装着物未装着状態S6へ遷移する。装着物待機制限時間HWTは、任意に設定可能であるが、例えば、5秒と設定しておくことができる。装着物未装着状態S6に遷移したら、表示装置13は、処理装置11からの指示に基づき、メッセージ表示領域13bの表示を切り替える。例えば、図7(f)に示すように「[NG]ヘルメット装着が確認出来ませんでした。」などの、メッセージを表示する。そして、処理装置11は、図7(f)に示したような、装着物未装着状態S6に移行直後における表示装置13の画面をキャプチャした全画面画像を取得する。この全画面画像には、人物検出は成功したが、装着物検出が成功しなかった撮影画像と、その日時が記録されている。装着判定手段11cは、取得した全画面画像を確認結果記憶手段11dに保存する。これにより、入場が許可されなかった者(違反者、部外者)の顔画像と日時が記憶されることになる。
【0057】
装着物未装着状態S6に移行後、事前に設定された装着物未装着制限時間NHTを超えたら、待機状態S1に移行する。すなわち、装着物未装着状態S6に移行後、装着物未装着制限時間NHTを経過したら、待機状態S1に移行する。装着物未装着制限時間NHTは、任意に設定可能であるが、例えば、15秒と設定しておくことができる。待機状態S1では、取得された撮影画像に対して、人物検出手段11aが繰り返し人物検出処理を行う。
【0058】
<3.人物検出処理の詳細>
上述のように、待機状態S1、人物検出状態S2においては、撮影画像に対して人物検出手段11aが人物検出処理を行う。ここでは、人物検出手段11aによる人物検出処理の詳細について説明する。人物検出処理としては、画像から人物を検出する技術であれば、様々なものを用いることができる。本実施形態では、撮影画像における人物の顔部分または目部分における特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて人物を検出する。すなわち、特徴量をベースとした手法を用いている。特徴量をベースとした手法としては、Haar特徴ベースのCascade型分類器を使った物体検出を用いることができる。本実施形態では、人物検出手段11aは、顔検出を行う顔検出モード、目を検出する目検出モードの2つのモードを備え、設定によりどちらかを選択可能になっている。図8は、人物検出の詳細を説明するための図である。図8(a)は顔検出モードに対応しており、図8(b)は目検出モードに対応している。
【0059】
まず、顔検出モードについて説明する。顔検出モードは顔全体の特徴を用いて人物を検出するモードである。図8(a)に示すように、顔検出モードでは、1つの対象領域Ffを撮影画像内に設定する。そして、対象領域Ffに含まれる顔の特徴を用いて顔を検出する。
【0060】
次に、目検出モードについて説明する。目検出モードは目の特徴のみを用いて人物を検出するモードである。図8(b)(c)に示すように、目検出モードでは、各目に対応させて計2つの対象領域Feを撮影画像内に設定する。そして、対象領域Feに含まれる目の特徴を用いて検出する。目検出モードの場合、図8(b)の撮影画像に示すように、顔全体が露出している場合はもちろんであるが、図8(c)の撮影画像に示すように、マスクをかけている場合でも、人物の検出が可能となる。
【0061】
<4.ヘルメット検出処理の詳細>
上述のように、待機状態S1、装着物検出状態S4においては、撮影画像に対して装着物検出手段11bが装着物検出処理を行う。ここでは、装着物検出処理の詳細について説明する。装着物検出処理としては、画像からヘルメット等の装着物を検出する技術であれば、様々なものを用いることができる。本実施形態では、テンプレートマッチングの手法を用いている。すなわち、本実施形態では、装着物がヘルメットであれば、ヘルメットのみの画像をテンプレート画像として用意しておき、このテンプレート画像と比較、マッチングすることにより、ヘルメットを検出している。
【0062】
テンプレートマッチングの手法としては、テンプレート画像と撮影画像の注目領域を比較する手法を用いることができる。本実施形態では、通常モード、3テンプレートモード、ランダムテンプレートモードの3つのモードを備え、設定によりいずれかを選択可能になっている。図9は、装着物検出の詳細を説明するための図である。図9(a)は通常モードに対応しており、図9(b)は3テンプレートモードに対応しており、図9(c)はランダムテンプレートモードに対応している。
【0063】
まず、通常モードについて説明する。通常モードは1つのテンプレート画像、すなわち単一のテンプレート画像を予め設定しておき、テンプレート画像とマッチングすることにより検出するモードである。図9(a)に示すように、通常モードでは、1つの対象領域Fmを撮影画像内に設定する。そして、対象領域Fmに含まれる画像とテンプレート画像を比較する。
【0064】
次に、3テンプレートモードについて説明する。3テンプレートモードは、大きさの異なる3つのテンプレート画像を予め設定しておき、3つのテンプレート画像のいずれかとマッチした場合に、検出したものとするモードである。この場合、等倍(倍率1)、倍率1未満、倍率1超の3つのテンプレート画像を用いる。倍率1未満のテンプレート画像、倍率1超のテンプレート画像は、等倍のテンプレート画像を縮小、拡大して作成することができる。3テンプレートモードでは、図9(a)に示したように、対象領域Fmを撮影画像内に設定して、対象領域Fmに含まれる画像と等倍のテンプレート画像を比較する。
【0065】
さらに、3テンプレートモードでは、図9(b)に示したように、対象領域Fsを撮影画像内に設定して、対象領域Fsに含まれる画像と縮小したテンプレート画像を比較する。また、図9(b)に示したように、対象領域Flを撮影画像内に設定して、対象領域Flに含まれる画像と拡大したテンプレート画像を比較する。縮小率や拡大率は適宜設定できるが、例えば、拡大率0.7倍で縮小したテンプレート画像を作成し、拡大率1.2倍で拡大したテンプレート画像を作成する。この3テンプレートモードは、撮影装置12と検出対象の距離をある程度許容することができる。
【0066】
ランダムテンプレートモードについて説明する。ランダムテンプレートモードは、検出の都度、設定された2つの拡大率(1未満、1超)の範囲内で値をランダムに選択し、選択された値を用いて等倍のテンプレート画像(元のテンプレート画像)を拡大縮小した変倍テンプレート画像(図9(c)では、単に「テンプレート画像」と表記)を生成し、変倍テンプレート画像と一致した時に検出したものとするモードである。図9(c)に示したように、例えば拡大率0.7倍から拡大率1.2倍の範囲内で変倍テンプレート画像を生成して、撮影画像との比較を行う。このランダムテンプレートモードも、撮影装置12と検出対象の距離をある程度許容することができる。
【0067】
本実施形態では、装着物としてヘルメットを用いた例について説明したが、ヘルメットの正面に付された所定のロゴまでも検出対象とすることができる。図10は、ヘルメットの正面に付されたロゴを検出する例を説明するための図である。この場合、テンプレートとして正面側にロゴが付された状態のヘルメットの画像を用意しておく。そして、このテンプレートを用いて、撮影画像との比較を行い、ヘルメットの形状に加えて、ロゴが一致する場合に、入場を許可するようにすることもできる。例えば、ロゴとしては、特定の企業を示すロゴマークを用いることができる。図10では、ヘルメットの正面側にABCというロゴが付された例を示している。この場合、装着物検出手段11bは、装着物検出状態S4において装着物検出を行い、ロゴが一致する場合に、正当なヘルメットを装着した者であるとして、開錠信号を制御装置14に送信する。このように、正面側にロゴが付された状態のヘルメットの画像をテンプレート画像として用意しておくことにより、使用が許可されたヘルメットを装着した人物のみが入場を許可されることになり、部外者の侵入を防ぐことができる。
【0068】
<5.撮影画像の反転>
表示装置13は、撮影画像表示領域13aに、撮影画像の向きを変えない状態でそのまま表示してもよいが、左右反転させた状態で表示するようにしてもよい。そのまま表示する通常表示と左右反転させて表示する反転表示は、設定により切り替えることができる。左右反転させて表示する反転表示を行うことにより、利用者は、鏡を見ているのと同じ感覚で自身の装着状態を確認することができる。
【0069】
以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、処理装置11としてコンピュータを用い、記憶装置に記憶された専用のプログラムをCPUが実行することにより、人物検出手段、装着物検出手段、装着判定手段、確認結果記憶手段を実現するようにしたが、これらの各手段を演算回路としてハードウェアに組み込むようにしても良い。
【符号の説明】
【0070】
11・・・処理装置
11a・・・人物検出手段
11b・・・装着物検出手段
11c・・・装着判定手段
11d・・・確認結果記憶手段
12・・・撮影装置
13・・・表示装置
14・・・制御装置
15・・・自動扉
16・・・キーボックス
17・・・タブレットPC
図1
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