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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168356
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/36 20060101AFI20221031BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
B65D1/36
B65D85/50 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073733
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095647
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】大石 修嗣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 武駿
(72)【発明者】
【氏名】登 篤史
(72)【発明者】
【氏名】成田 賢吾
【テーマコード(参考)】
3E033
3E035
【Fターム(参考)】
3E033AA10
3E033BA13
3E033CA02
3E033DD03
3E033DD20
3E033DE11
3E033EA01
3E033EA05
3E033EA08
3E033EA20
3E035AA05
3E035BA02
3E035BB01
3E035BC02
3E035BD04
3E035CA02
(57)【要約】
【課題】適度なボリューム感をもって見栄えよく食品を盛り付けると同時に、盛り付けた食品の位置ずれをより確実に防止する包装用容器を提供する。
【解決手段】底部から周壁を立ち上げて上面を開口部とした合成樹脂シート成形の容器本体を備えた包装用容器であって、底部は、容器本体の手前側から奥側に向けて上向きに傾斜する食品載置部を有し、食品載置部は、その頂部よりも手前側の斜面部に断面凸状のリブからなる滑り止め部が形成され、滑り止め部は、斜面部の傾斜方向と直交方向に配列する横リブと、斜面部の傾斜方向と斜交方向に配列する斜方リブとの組み合わせからなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部から周壁を立ち上げて上面を開口部とした合成樹脂シート成形の容器本体を備えた包装用容器であって、
前記底部は、
前記容器本体の手前側から奥側に向けて上向きに傾斜する食品載置部を有し、
前記食品載置部は、
その頂部よりも手前側の斜面部に断面凸状のリブからなる滑り止め部が形成され、
前記滑り止め部は、
前記斜面部の傾斜方向と直交方向に配列する横リブと、
前記斜面部の傾斜方向と斜交方向に配列する斜方リブとの組み合わせからなる、
ことを特徴とした包装用容器。
【請求項2】
滑り止め部は、横リブと斜方リブとを一定間隔、離間して形成した請求項1記載の包装用容器。
【請求項3】
斜方リブは、同じ方向に斜走する二本の斜走リブを中間リブで接続して稲妻形としたものを含む請求項1または2記載の包装用容器。
【請求項4】
斜方リブは、斜面部を基準とした高さが横リブよりも高い請求項1、2または3記載の包装用容器。
【請求項5】
食品載置部は、滑り止め部の左右に前記食品載置部の傾斜方向に沿って、斜面部を基準とした横リブの高さよりも高い断面凸状のサイドガードを一対に有する請求項1から4のうち何れか一項記載の包装用容器。
【請求項6】
食品載置部は、滑り止め部の下方に横リブと平行して、斜面部を基準とした横リブの高さよりも高い断面凸状のアンダーガードを有する請求項1から5のうち何れか一項記載の包装用容器。
【請求項7】
アンダーガードは、斜面部を基準とした高さがサイドガードの高さ以上である請求項6記載の包装用容器。
【請求項8】
アンダーガードは、長さ方向の中途に斜面部と連通する切欠き部を有する請求項6または7記載の包装用容器。
【請求項9】
サイドガードとアンダーガードは、食品載置部の左右下角に斜面部と連通する隅切部を有して互いに独立する請求項6、7または8記載の包装用容器。
【請求項10】
食品載置部は、その頂部が容器本体の開口部以下に位置する請求項1から9のうち何れか一項記載の包装用容器。
【請求項11】
食品載置部は、容器本体の手前側と奥側の双方から頂部に向かって斜面部を形成した断面山型である請求項1から10のうち何れか一項記載の包装用容器。
【請求項12】
底部には、容器本体の手前側から奥側に向かう前後方向または/および前記容器本体の左右方向に沿って、複数の食品載置部を並設した請求項1から11のうち何れか一項記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、合成樹脂シートを成形して得られる包装用容器に係り、食品の載置面を傾斜させることで食品を見栄えよく盛り付けると共に、位置ずれを防止する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等では惣菜等の食品が透明な蓋を備えたシート成形容器に収容されて販売されており、消費者の購買意欲を高めるために見た目が重要視されている。しかし、底が平らなトレー状の容器では、食品を立体的に盛り付けることが難しい。特に刺身などは厚みがなくボリューム感に欠けるため、大根等の妻(ツマ)を土台として盛り付けられることも多いが、妻にかかるコストが嵩む他、妻が食されず廃棄量が増せば、フードロスを含め国際的な取り組みであるSDGs(Sustainable Development Goals : 持続可能な開発目標)にも反する。
【0003】
これに対して、従来から食品の盛り付け面を傾斜させたシート成形容器は存在した(例えば、特許文献1・2)。こうした盛り付け面を傾斜させたシート成形容器では、食品を立体感とボリューム感をもって見栄えよく盛り付けることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-224040号公報
【特許文献2】特開2016-182988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、盛り付け面が傾斜していると、食品が滑って位置ずれを起こしやすく、閉蓋状態ではこれを修正することもできないため、このような見栄えを損なった商品は消費者の購買意欲を削いでしまうことになる。
【0006】
この点、特許文献1には食品を盛り付ける傾斜面5に左右方向の横凸条12と上下方向の縦凸条12を形成した食品盛り付け用トレー容器が開示されており、これら縦横の凸条12によって食品の位置ずれを効果的に防止できるとされている。しかし、傾斜面5での位置ずれの多くは下にずり落ちることであるから、こうした傾斜面5に横凸条12を設けることはともかく、縦凸条12まで設けると、その部分では食品のずり落ちを防止することができない。
【0007】
一方、特許文献2には、食品載置面13aを傾斜させると共に、その下側に第二突出部14を設けた食品包装用容器が開示されており、食品載置面13aに立て掛けた食品が第二突出部14によってずり落ちないようになっている。しかし、食品載置面13aは特許文献1のような縦横の凸条12を有しない平滑面で構成されるため、商品を陳列する際や消費者が手に取って品定めする際に若干でも容器が傾けば、食品が横滑りして左右に位置ずれすることになる。
【0008】
また、立て掛けた食品は食品載置面13aに密着するため、食品から滲み出たドリップや油分が流下しにくく、こうした滲出液が食品に再付着して食味や食感を損なうという問題もある。これは食品載置面13aが緩斜面であれば顕著で、逆に、急斜面とすれば左右の位置ずれが生じやすくなるうえ、食品のボリューム感よりも容器の上げ底感が強くなる。
【0009】
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、適度なボリューム感をもって見栄えよく食品を盛り付けると同時に、盛り付けた食品の位置ずれをより確実に防止する包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために本発明では、底部から周壁を立ち上げて上面を開口部とした合成樹脂シート成形の容器本体を備えた包装用容器であって、前記底部は、前記容器本体の手前側から奥側に向けて上向きに傾斜する食品載置部を有し、前記食品載置部は、その頂部よりも手前側の斜面部に断面凸状のリブからなる滑り止め部が形成され、前記滑り止め部は、前記斜面部の傾斜方向と直交方向に配列する横リブと、前記斜面部の傾斜方向と斜交方向に配列する斜方リブとの組み合わせからなるという手段を用いた。
【0011】
上記手段によれば、食品載置部が容器本体の手前側から奥側に向けて上向きに傾斜しているので、この部分に食品を載置することで、食品を立体的、且つボリューム感をもって見栄えよく盛り付けることができる。
【0012】
そして、この食品載置部の斜面部には断面凸状のリブからなる滑り止め部が形成されているので、食品の位置ずれを防止する。即ち、滑り止め部を構成するリブのうち、横リブは斜面部の傾斜方向と直交する水平成分によって食品が斜面部を上下に移動することを規制する。特に食品が斜面部を下方にずり落ちることを防止する。一方、斜方リブは、水平成分と、斜面部の傾斜方向に沿った垂直成分に分解することができ、水平成分によって横リブと同様に食品が上下に移動することを規制すると同時に、垂直成分によって食品が左右に移動することも規制する。このような滑り止め部によって、本発明では盛り付けた食品の見栄えを保持することができる。
【0013】
なお、斜方リブは、傾きが小さいと水平成分が大きくなり、傾きが大きいほど垂直成分が大きくなるが、本発明では横リブを併有しているから、横リブでは得られない垂直成分を確保するため、斜方リブは45度以上の傾きとすることが合理的である。ただし、斜方リブの傾きはこれに限定されない。さらに、横リブと斜方リブの先端形状は断面三角形状とすれば滑り止め効果が高まるが、柔らかい食品であると食い込み痕が残るため、断面円弧状とすることもある。また、横リブや斜方リブの本数が多いほど滑り止め効果が高くなるが、その本数は限定されない。
【0014】
また、滑り止め部は横リブと斜方リブを交差して形成することもできるが、横リブと斜方リブとを一定間隔、離間して形成することによって、食品から滲出するドリップや油分等の滲出液を横リブと斜方リブの隙間から斜面部に沿って食品載置部の下方に排出することができる。したがって、食品に対する滲出液の再付着が防止され、食味や食感を損なうことがない。
【0015】
さらに、本発明において斜方リブは、同じ方向に斜走する二本の斜走リブを中間リブで接続して稲妻形としたものを含む。このような稲妻形のリブによれば、合計三本の直線リブによって、それぞれの角度に応じた滑り止め効果が得られる。
【0016】
なお、斜方リブは、斜面部を基準とした高さが横リブよりも高くすることが好ましい。斜方リブによる上下左右の滑り止め効果を高めることができるからである。この高さ関係は少なくとも一部であってよい。つまり、斜方リブの一部が横リブの一部よりも高いものを含み、さらに「一部」とは、リブの一部分以外、リブが複数本ある場合はそのうちの1本をも含む概念である。言い換えれば、横リブの一部が斜方リブの一部よりも高いとしても、他の部分において斜方リブが横リブよりも高ければ、その部分で斜方リブの上記滑り止め効果が高まる。
【0017】
他方、食品載置部は、滑り止め部の左右に前記食品載置部の傾斜方向に沿って、斜面部を基準とした横リブの高さよりも高い断面凸状のサイドガードを一対に有することが好ましい。このサイドガードによって食品が食品載置部の左右に食み出たり、脱落したりすることを防止できるからである。ここでサイドガードは横リブや斜方リブと接続させることもできるが、サイドガードを滑り止め部と一定間隔、離間して設けることで、食品からの滲出液をサイドガードと滑り止め部の間の隙間から斜面部に沿って食品載置部の下方に流下させることができ、食品への滲出液の再付着を防止することができる。なお、サイドガードの離間対象は滑り止め部全体ではなく、横リブと斜方リブの何れか一方とすることも可能であり、これらリブが複数本ある場合はそのうちの一部であってもよい。さらに左右一対のサイドガードのうち、何れか一方のサイドガードを離間対象とすることもある。また、ここでの高さ関係も、上述した斜方リブと同様に、サイドガードの少なくとも一部が横リブよりも高い形態を含む。
【0018】
さらに、食品載置部は、滑り止め部の下方に横リブと平行して、斜面部を基準とした横リブの高さよりも高い断面凸状のアンダーガードを有することが好ましい。このアンダーガードによって食品が食品載置部からずり落ちることを防止できるからである。ここでアンダーガードは斜方リブと接続させることもできるが、アンダーガードを斜方リブと一定間隔、離間して設けることで、食品からの滲出液をアンダーガードと斜方リブの隙間に導入することができ、滲出液の食品への再付着を軽減ないし防止することができる。なお、横リブはアンダーガードと上下に平行する関係にあって、当初より一定間隔で離間しているため、その間隔に滲出液を導入できることはもちろんである。また、ここでの高さ関係も、上述した斜方リブやサイドガードと同様に、アンダーガードの少なくとも一部が横リブよりも高い形態を含む。
【0019】
食品載置部の傾斜角は限定されないが、アンダーガードの斜面部を基準とした高さがサイドガードの高さ以上であれば、食品載置部の傾斜角が比較的大きい場合でも食品のずり落ちを防止することができる。ここでの高さ関係も、アンダーガードの一部をサイドガードの高さ以上とした形態が含まれることは、上述した横リブに対する斜方リブ、サイドガード、アンダーガードの高さ関係と同じである。
【0020】
また、アンダーガードは、長さ方向の中途に斜面部と連通する切欠き部を有することが好ましく、当該切欠き部によって斜面部を流下した食品の滲出液を食品載置部の外部に排出して、食品に対する滲出液の再付着をより確実に防止することができる。
【0021】
さらにサイドガードとアンダーガードは、食品載置部の左右下角に斜面部と連通する隅切部を有して互いに独立させることで、隅切部からも食品の滲出液を食品載置部の外部に排出することができる。
【0022】
さらにまた、食品載置部の高さは限定されないが、その頂部を容器本体の開口部以下に位置させることで、上げ底感が強くなることを避けつつ、盛り付けた食品のボリューム感を適度なものとすることができる。
【0023】
なお、食品載置部は、一方だけに傾斜する片流れ形に限らず、容器本体の手前側と奥側の双方から頂部に向かって斜面部を形成した断面山型であってよく、この場合、二つの斜面部に食品を盛り付けることができるようになる。この場合、断面山型は、具体的形態として、断面切妻状、断面アーチ状、断面円弧状を含む概念である。
【0024】
さらに、食品載置部は一つに限らず、容器本体の手前側から奥側に向かう前後方向または/および前記容器本体の左右方向に沿って、複数の食品載置部を並設することもでき、この場合、各食品載置部に種類が異なる食品を盛り付けることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の包装用容器によれば、適度なボリューム感をもって見栄えよく食品を盛り付けることができると同時に、食品の位置ずれが確実に防止され、盛り付けた食品の見栄えを保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第一実施形態に係る包装用容器の斜視図
図2】同、容器本体の平面図
図3】同、容器本体のA-A線端面図
図4】本発明の第二実施形態に係る容器本体の平面図
図5】本発明の第三実施形態に係る容器本体の平面図
図6】本発明の変形例を示す食品載置部の概略断面図
図7】本発明の他の変形例を示す容器本体の平面図
図8】本発明の他のさらなる変形例を示す容器本体の平面図
図9】本発明の他のさらなる他の変形例を示す容器本体の平面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は第一実施形態に係る包装用容器を示したもので、1は容器本体、2は蓋体である。この実施形態では、容器本体1に蓋体2を外嵌合によって閉蓋する例を示しているが、本発明では従来公知の閉蓋構造を採用することができる。したがって、閉蓋構造に関する詳細説明は割愛し、本発明の特徴的構成に係る容器本体1について詳述する。
【0028】
容器本体1は、底部3から周壁4を立ち上げて上面を開口部としている。周壁4は外向きのフランジ部5を介して下向きに折り返されてスカート部6を形成している。このスカート部6に上述した蓋体2が外嵌合するようにしている。なお、この実施形態において容器本体1は、図2に示すように、平面視で矩形状をなしているが、平面視における外形はその他の多角形であってもよく、円形や楕円形であってもよい。
【0029】
本発明において重要なことは、底部3を斜面状に隆起して食品載置部7を設けると共に、その表面に滑り止めを施すことである。具体的には、この食品載置部7は、図3にも示すように、容器本体1の手前側Fから奥側Bにかけて上向き((尻上がり))に傾斜する斜面部8を有すると共に、頂部9の下方であって、容器本体1の手前側の斜面部8に横リブ10と斜方リブ11とを組み合わせてなる滑り止め部12を形成している。横リブ10は斜面部8の傾斜方向に対して直交する方向に配列され、斜方リブ11は斜面部8の傾斜方向に対して斜交する方向に配列されるもので、この実施形態では食品載置部7の中央に同じ斜角の斜方リブ11を二本、斜面部8の上下に配列して斜方リブ群を構成すると共に、当該斜方リブ群の左右に、それぞれ11本の横リブ10を配列してなる横リブ群を設けて滑り止め部12としている。
【0030】
したがって、食品載置部7の傾斜角に対応して、食品を立体的、且つ、ボリューム感をもって見栄えよく盛り付けることがでる。そして、盛り付けた食品は、滑り止め部12によって、斜面部8を上下左右に移動することが規制され、当初の見栄えを保持する。即ち、滑り止め部12を構成する横リブ群(横リブ10)によって上下方向、特に重力による下方へのずり落ちが規制されると同時に、斜方リブ群(斜方リブ11)では上下方向の移動規制に加えて、左右方向の移動(横滑り)を規制することができる。
【0031】
さらに、これら横リブ群と斜方リブ群は、それぞれの横リブ10と斜方リブ11を交差させずにそれぞれを独立させることによって、一定の間隔を空けて離間した配列構成としている。したがって、盛り付けた食品からドリップや油分が滲出した場合には、横リブ群(横リブ10)と斜方リブ群(斜方リブ11)の隙間を通じて斜面部8への下方に流下させ、こうした滲出液の再付着を回避することができる。
【0032】
また、本実施形態では、食品載置部7の左右縁と下縁にサイドガード13とアンダーガード14を設けている。サイドガード13は食品載置部7の傾斜方向に沿って斜面部8を上下に延びる縦リブ状であって、アンダーガード14は横リブ10と平行する一種の横リブ状である。こうしたガード13・14によって、食品はその内側に見栄えよく盛り付けられると共に、盛り付けた食品が食品載置部7から左右に食み出たり、下側にずり落ちたりすることを防止して、当初の見栄えを確実に保持する。
【0033】
さらに、アンダーガード14は、その中途を切り欠いて切欠き部15を設けると共に、サイドガード13とアンダーガード14は、食品載置部7の左右下角の隅切部16によって分断された独立構成としているので、斜面部8を流下する滲出液はこれら切欠き部15・隅切部16を通じて食品載置部7の外部に排出され、より確実に再付着を防止することができるようになっている。また、本実施形態のように、サイドガード13とアンダーガード14のそれぞれを滑り止め部12から間隔を空けて離間形成することで、その隙間を滲出液の流下路ないし貯留部とすることができて、滲出液を食品から隔離することができる。
【0034】
なお、横リブ10・斜方リブ11・サイドガード13・アンダーガード14は何れも断面凸状であるが、斜面部8を基準とするそれぞれの高さH1~H4を次式のとおり設定することで、盛り付けの見栄えと滑り止め効果を両立させることができる。
H1<H2<H3≦H4
(ただし、H1は横リブ10の高さ、H2は斜方リブの高さ、H3はサイドガードの高さ、H4はアンダーガード14の高さである)
なお、この実施形態では横リブ10・斜方リブ11・サイドガード13・アンダーガード14を高さH1~H4それぞれが長さ方向に均一な一直線の頂部形態としているが、当該頂部を長さ方向に傾斜ないし湾曲させ、あるいは波形とした、長さ方向に高さが不均一な形態であれば、そのうちの最高位部分をH1~H4として上式のとおり設定することができる。また、複数本(個)あるうちの少なくとも1本(個)について、上式を満たす場合も、上述の両立効果を得ることができる。
【0035】
さらに、食品載置部7の高さについては、図3に示したように、その頂部9は容器本体1の開口部(フランジ部5の上面と同義)の高さ以下としている。このようにすることで、上げ底感を緩和し、適度なボリューム感をもって食品を盛り付けることができるようになる。
【0036】
図4は、第二実施形態を示しており、第一実施形態から斜方リブの形態と、サイドガード及びアンダーガードの配列を変更している。即ち、この第二実施形態における斜方リブ20は、同じ方向に斜走する二本の斜走リブ21・22の下端部と上端部を水平方向の中間リブ23で接続して稲妻形としている。このした稲妻形の斜方リブ20によっても、二本の斜方リブ11からなる第一実施形態の斜方リブ群と同じ滑り止め効果に加えて、中間リブ23による滑り止め効果も得ることができる。
【0037】
また、サイドガード24とアンダーガード25は食品載置部7の左右下角で連結したコ字形としており、第一実施形態の隅切部16や切欠き部15を形成していない。したがって、この場合、ドリップや油分の滲出が少ない食品を、より確実に位置ずれを防止して盛り付けるのに適している。
【0038】
さらに、この第二実施形態では、斜方リブ20や横リブ26の先端形状を、第一実施形態では断面三角形状のものから、断面円弧状に変更している。したがって、斜方リブ20や横リブ26による食品への当たりが柔らかくなり、食い込み痕が残りにくい。
【0039】
図5は、第三実施形態を示しており、容器本体を横長としたことに対応して、斜方リブ群の数を2群とし、横リブ群の数を3群としたものである。このように、斜方リブ(群)や横リブ(群)の数は容器本体の大きさや形状、食品の種類等に応じて、適宜変更することができる。
【0040】
さらなる変更例としては、上記実施形態では、食品載置部を一方向に傾斜する片流れ形としたが、図6に示すように、奥側にも食品を盛り付けるための滑り止め付き斜面部を設けて、全体を断面山型とすることも可能である。また、図7図9に示すように、容器本体の前後左右に複数の食品載置部を並設することも可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 容器本体
2 蓋体
3 底部
4 周壁
5 フランジ部
6 スカート部
7 食品載置部
8 斜面部
9 頂部
10 横リブ
11 斜方リブ
12 滑り止め部
13・24 サイドガード
14・25 アンダーガード
15 切欠き部
16 隅切部
F 容器手前側
B 容器奥側
20 斜方リブ
21・22 斜走リブ
23 中間リブ
26 横リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9