(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168365
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】操作検知装置及び操作盤
(51)【国際特許分類】
B66B 1/46 20060101AFI20221031BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20221031BHJP
B66B 1/14 20060101ALN20221031BHJP
【FI】
B66B1/46 A
B66B3/00 K
B66B1/14 L
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073747
(22)【出願日】2021-04-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】高田 英樹
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
【Fターム(参考)】
3F303CA08
3F303DC05
3F502HB02
3F502MA01
3F502MA02
3F502MA12
3F502MA31
3F502MA42
(57)【要約】 (修正有)
【課題】センサを覆う保護プレートを反射した反射光を検知してしまうことによる誤登録を防止する。
【解決手段】実施形態の操作検知装置は、エレベータの乗場又は乗りかご内に設置される操作盤に設けられ、操作表示部は、エレベータの操作を表示し、センサ部は、操作表示部に対応して設けられ、照射光に対する反射光を検出し、保護板は、センサ部を覆う。センサ部の照射光の光軸は、保護板における、照射光の反射面に対して非垂直である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗場又は乗りかご内に設置される操作盤に設けられた操作検知装置であって、
前記エレベータの操作を表示する操作表示部と、
前記操作表示部に対応して設けられ、照射光に対する反射光を検出するセンサ部と、
前記センサ部を覆う保護板と、
を備え、
前記センサ部の前記照射光の光軸は、前記保護板における、前記照射光の反射面に対して非垂直である、操作検知装置。
【請求項2】
前記センサ部は、前記保護板に対して非垂直となるように設けられる、請求項1に記載の操作検知装置。
【請求項3】
前記センサ部を支持する取付部と、
前記操作盤に取り付けられ、前記取付部を支持するブラケットと、をさらに備え、
前記ブラケットの前記操作盤に取り付けられる面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面がなす角度が、非直角であり、
前記取付部の前記センサ部を支持する面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面のなす角度が直角である、
請求項1または請求項2に記載の操作検知装置。
【請求項4】
前記センサ部を支持する取付部と、
前記操作盤に取り付けられ、前記取付部を支持するブラケットと、をさらに備え、
前記ブラケットの前記操作盤に取り付けられる面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面がなす角度が、直角であり、
前記取付部の前記センサ部を支持する面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面のなす角度が非直角である、
請求項1または請求項2に記載の操作検知装置。
【請求項5】
前記センサ部は、
前記照射光を照射するセンサ投光部と、
前記反射光を受光するセンサ受光部と、
を有し、
前記センサ投光部およびセンサ受光部の少なくとも何れかが前記保護板に対して非垂直となるように設けられる、請求項2に記載の操作検知装置。
【請求項6】
前記保護板は、前記照射光の入射面と、前記照射光の反射面とが平行でない、請求項1に記載の操作検知装置。
【請求項7】
エレベータの乗場又は乗りかご内に設置される操作盤であって、
前記エレベータの状態を表示する状態表示部と、
前記エレベータの操作を検知する操作検知装置とを備え、
前記操作検知装置は、
前記エレベータの操作を表示する操作表示部と、
前記操作表示部に対応して設けられ、照射光に対する反射光を検出するセンサ部と、
前記センサ部を覆う保護板と、
を備え、
センサの前記照射光の光軸は、前記保護板における、前記照射光の反射面に対して非垂直である、操作盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、操作検知装置及び操作盤に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗りかご内または乗り場において、行き先階呼びまたは乗り場呼び等を非接触で行う製品が各社から発表されている。例えば乗り場で携帯端末からメッセージを送信することで、非接触で乗り場呼びを行う手法がある。また例えば乗りかご内の操作盤に利用者の手指を検知するセンサを設け、このセンサにより行き先階呼びを行う手法がある。センサを用いた呼び登録の場合、押しボタンとセンサとを一体的に配置した方式、押しボタンとセンサとを分離して配置した方式等がある。
【0003】
例えば、特許文献1の技術では、操作盤に設けられた操作ボタンと、1つの操作ボタンにつき2以上の所定の個数の非接触で検出するセンサを配置し、利用者の指等を非接触で検出する。また、例えば、特許文献2の技術では、複数のセンサを配置し、あるセンサで検出があり、当該センサの隣接センサで検出しないことを条件に検出したセンサが示す階の呼び登録をする。また、上記のセンサは、透光性を有する保護プレートで覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-151253号公報
【特許文献2】特許第6724936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなセンサから照射した光が保護プレートで反射して、その反射光を検知してしまうことにより、誤登録してしまう場合がある。
【0006】
本実施形態が解決しようとする課題は、センサを覆う保護プレートを反射した反射光を検知してしまうことによる誤登録を防止することが可能な操作検知装置及び操作盤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の操作検知装置は、エレベータの乗場又は乗りかご内に設置される操作盤に設けられ、操作表示部は、エレベータの操作を表示し、センサ部は、操作表示部に対応して設けられ、照射光に対する反射光を検出し、保護板は、センサ部を覆う。センサ部の照射光の光軸は、保護板における、照射光の反射面に対して非垂直である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1にかかるエレベータ制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1にかかる乗りかご内の操作盤の構成の一例を示す模式図である。
【
図3A】
図3Aは、実施形態1にかかるセンサ部の概要構成の一例を示す斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、実施形態1にかかるX-Z軸に基づく、センサ部とアクリル板との位置関係の一例を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、実施形態1にかかるY-Z軸に基づく、センサ部とアクリル板との位置関係の一例を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、実施形態1にかかるセンサ部の取付構造の一例を説明する断面斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、実施形態1にかかるセンサ部の取付構造の一例を説明する分解斜視図である
【
図5】
図5は、実施形態1にかかるセンサ部による照射および受光例を説明する図である。
【
図6】
図6は、実施形態2にかかるエレベータ制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態2にかかる乗り場の操作盤の構成の一例を示す模式図である。
【
図8A】
図8Aは、変形例にかかるセンサ投光部の概要構成の一例を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、変形例にかかるセンサ受光部の概要構成の一例を示す図である。
【
図8C】
図8Cは、変形例にかかるX-Z軸に基づく、センサ部とアクリル板との位置関係の一例を示す図である。
【
図8D】
図8Dは、変形例にかかるY-Z軸に基づく、センサ部とアクリル板との位置関係の一例を示す図である。
【
図8E】
図8Eは、変形例にかかるY-Z軸に基づく、センサ部とアクリル板との位置関係の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、変形例にかかるX-Z軸に基づく、センサ部とアクリル板との位置関係の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、変形例にかかるアクリル板の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態1]
以下、図面を参照して実施形態1について詳細に説明する。
【0011】
(エレベータ制御システムの構成例)
図1は、実施形態1にかかるエレベータ制御システム100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、エレベータ制御システム100は、制御盤10、中継箱20、及び行き先階呼び装置30を備える。エレベータ制御システム100が制御を行うエレベータは、乗りかご1、駆動装置2、カウンタウェイト3、及びロープ4等を備える。
【0012】
乗りかご1は、図示しない昇降路内を昇降して、各階に設けられた乗り場で乗りかご1に乗車した利用者を他の階に輸送する。乗りかご1とカウンタウェイト3とはロープ4によって連結されている。ロープ4は駆動装置2に架け渡されている。駆動装置2は例えば巻上機等であり、駆動装置2が駆動することで乗りかご1を昇降路内で上下に走行させることができる。
【0013】
エレベータ制御装置としての制御盤10は、制御部11、通信部12、及び記憶部13を備え、エレベータ全体を制御する。制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、駆動装置2と有線または無線で接続されている。また、制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、例えば乗りかご1内等に設置される行き先階呼び装置30と、中継箱20を介して接続されている。制御盤10と中継箱20とは有線または無線で接続されていてよく、中継箱20と行き先階呼び装置30とは有線または無線で接続されていてよい。また、制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、乗り場に設置される図示しない乗り場呼び装置等と有線または無線で接続されている。
【0014】
呼び登録部としての制御部11は、乗りかご1内の利用者から行き先階呼びがあった場合、または、乗り場の利用者から乗り場呼びがあった場合等に、それらの呼び登録を行う。制御部11は、呼び登録の内容を記憶部13に格納してもよい。
【0015】
ここで、行き先階呼びとは、乗りかご1内の利用者が、その乗りかご1を所望の行き先階へと向かわせるために行う操作である。また、乗り場呼びとは、乗り場の利用者が、上下いずれかの行き先方向に向かう乗りかご1をその乗り場に到着させるために行う操作である。
【0016】
制御部11は、呼び登録の内容に応じて駆動装置2を駆動させ、乗りかご1を行き先階呼び、または乗り場呼びに応答させる。また、制御部11は、乗りかご1が所定階に到着すると乗りかご1及び乗り場の戸開および戸閉等を行う。
【0017】
通信部12は、乗りかご1内の利用者から行き先階呼びがあった場合、または、乗り場の利用者から乗り場呼びがあった場合等に、それらの情報を行き先階呼び装置30及び図示しない乗り場呼び装置等から取得する。また、通信部12は、制御部11からの各種命令等を乗りかご1等に送信する。
【0018】
記憶部13は、制御盤10にエレベータの制御を実行させるための各種プログラムを記憶する。上述のように、記憶部13が、行き先階呼び登録および乗り場呼び登録等を記憶していてもよい。
【0019】
中継箱20は、例えば図示しない昇降路内に設置され、制御盤10と乗りかご1内の行き先階呼び装置30との間の各種信号の授受を中継する。
【0020】
行き先階呼び装置30は、物体検知部31、センサ部311(311a,311b,311c・・・)、押下検知部32、押しボタン312(312a,312b,312c・・・)、発光制御部33、表示灯313(313a,313b,313c・・・)、及び通知部34を備え、乗りかご1の利用者による行き先階呼びを受け付ける。行き先階呼び装置30のうち、少なくともセンサ部311、押しボタン312、及び表示灯313は乗りかご1内に設けられている。行き先階呼び装置30の全体が乗りかご1内に設けられていてもよい。
【0021】
センサ部311(311a,311b,311c・・・)は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部311に手指等をかざすと、センサ部311は利用者の手指等の物体を検知する。
【0022】
押しボタン312(312a,312b,312c・・・)は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。押しボタン312は、所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応する押しボタン312を押下することが可能に構成されている。
【0023】
発光部としての表示灯313(313a,313b,313c・・・)は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部311に手指等をかざし、または、対応する押しボタン312を押下すると、その行き先階に対応する表示灯313が所定の態様で発光する。
【0024】
物体検知部31は、計時部31a,31bを備え、いずれかのセンサ部311が利用者の手指等の物体を検知すると、物体検知部31は、センサ部311からの検知信号を受信する。これにより、物体検知部31は、どのセンサ部311で物体を検知したかを認識することができる。
【0025】
通知部34は、物体検知部31または押下検知部32が、所定の行き先階への呼びがあったものと判定した場合には、その行き先階呼びの情報を、中継箱20を介して制御盤10に送信する。
【0026】
なお、行き先階呼び装置30は、乗りかご1の複数の行き先階に対応する押しボタン312の他に、例えば乗りかご1の戸開および戸閉を行う押しボタン等を備えていてもよい。この場合、上述の押下検知部32は、これらの他の押しボタンの押下を検知し、通知部34を介して制御盤10等に検知結果を通知してもよい。
【0027】
また、行き先階呼び装置30は、乗りかご1の複数の行き先階に対応する表示灯313の他に、例えば乗りかご1の戸開および戸閉等に対応する表示灯等を備えていてもよい。この場合、上述の発光制御部33は、押下検知部32の検知結果等に基づいて、これらの表示灯を種々の態様で発光させてもよい。
【0028】
また、行き先階呼び装置30は、上記以外にも、乗りかご1の利用者の操作に供する種々の構成を備えることができる。
【0029】
(操作盤の構成例)
次に、
図2を用いて、実施形態1の操作盤318の構成例について説明する。
図2は、実施形態1にかかる乗りかご1内の操作盤318の構成の一例を示す模式図である。
【0030】
行き先階呼び装置30は、例えば乗りかご1内に設置された操作盤318を備える。操作盤318の設置位置は、例えば乗りかご1内の扉右横、つまり、右側袖壁部分である。操作盤318が、乗りかご1の左側袖壁部分、または、側板部分等の他の部分に設置されていてもよい。
【0031】
操作盤318は、例えば行き先階表示部310(310a~310e)、センサ部311(311a~311e)、押しボタン312(312a~312e),315(315e,315c)、表示灯313(313a~313e),316(316e,316c)、開閉表示部314(314e,314c)、及び表示装置317を備える。
【0032】
行き先階表示部310は、例えば乗りかご1の行き先階の数字が示された文字盤等であり、乗りかご1の行き先階に対応して操作盤318に複数配置されている。
図2の例では、乗りかご1の行き先階である1階~5階にそれぞれ対応して、5つの行き先階表示部310a~310eが縦方向に配置されている。行き先階表示部310は、行き先表示部の一例である。
【0033】
センサ部311は、非接触式のセンサであり、複数の行き先階表示部310にそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310近傍の操作盤318に複数配置されている。
図2の例では、縦方向に並ぶ行き先階表示部310a~310eの左横に、それぞれ対応する5つのセンサ部311a~311eが配置されている。乗りかご1の利用者が、所望の行き先階への呼びを行うために、対応するセンサ部311に手指等をかざすと、そのセンサ部311が、対応する行き先階表示部310への操作として利用者の手指等を検知する。このように、行き先階表示部310と、当該行き先階表示部310に対応するセンサ部311とは、利用者の手指等を検知することで、利用者による操作を検知する。
【0034】
センサ部311は、例えば非接触式の反射型光電センサ等として構成されている。反射型光電センサは、センサの外側へ向けて投光し、その光が当たった物体からの反射光を受光することで、非接触に物体を検知する。ただし、センサ部311は、非接触で物体を検知することができればよく、例えば静電容量型センサ等の他の型式のセンサとして構成されていてもよい。静電容量型センサは、センサの周囲に電界を発生させ、電界内に進入した物体によって静電容量が変化することにより非接触に物体を検知する。
【0035】
押しボタン312は、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310にそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310と一体的に操作盤318に複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン312のそれぞれの前面には、対応する行き先階表示部310である文字盤等がはめ込まれている。乗りかご1の利用者が、所望の行き先階への呼びを行うために、対応する押しボタン312を押下すると、上述の押下検知部32(
図1参照)が、対応する行き先階表示部310への操作として押しボタン312の押下を検知する。
【0036】
表示灯313は、上述のように複数の態様で発光することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310にそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310と一体的に操作盤318に複数内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン312のそれぞれの背面に、それぞれ表示灯313が埋め込まれている。上述の物体検知部31及び押下検知部32(
図1参照)の判定結果に基づいて、対応する表示灯313が暗点灯し、または、明点灯すると、押しボタン312及び行き先階表示部310を透過した表示灯313の光が利用者に目視される。表示灯313が暗点灯することにより、利用者は、自身の操作がどの行き先階表示部310に対する操作と認識されたかを知ることができる。表示灯313が明点灯することにより、利用者は、どの行き先階への呼びが登録されたかを知ることができる。
【0037】
図2の例では、複数の表示灯313のうち、行き先階表示部310b,310eに対応する表示灯313b,313eが暗点灯または明点灯する様子を示している。
【0038】
開閉表示部314は、例えば乗りかご1の扉の開閉を表示する表示盤等であり、乗りかご1の戸開を表示する開閉表示部314e、及び乗りかご1の戸閉を表示する開閉表示部314cを含む。
図2の例では、開閉表示部314e,314cが左右に並んで操作盤318に配置されている。
【0039】
押しボタン315は、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、開閉表示部314e,314cにそれぞれ対応して、対応する開閉表示部314と一体的に操作盤318に複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン315e,315cのそれぞれの前面には、対応する開閉表示部314e,314cである表示盤等がはめ込まれている。乗りかご1の利用者が、乗りかご1の扉の開閉を行うために、対応する押しボタン315を押下すると、上述の押下検知部32(
図1参照)が、対応する開閉表示部314への操作として押しボタン315の押下を検知する。
【0040】
表示灯316は、所定の態様で発光することが可能に構成され、開閉表示部314e,314cにそれぞれ対応して、対応する開閉表示部314と一体的に操作盤318に内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン315e,315cのそれぞれの背面に、それぞれ表示灯316e,316cが埋め込まれている。例えば上述の押下検知部32(
図1参照)の検知結果に基づいて、上述の発光制御部33(
図1参照)が対応するいずれかの表示灯316e,316cを点灯させると、押しボタン315及び開閉表示部314を透過した表示灯316の光が利用者に目視される。これにより、利用者は、自身の操作がどちらの開閉表示部314e,314cに対する操作と認識されたかを知ることができる。
【0041】
図2の例では、表示灯316e,316cのいずれもが消灯している様子を示している。
【0042】
表示装置317は、例えば液晶パネル等として構成され、乗りかご1が、どの階付近をどちらの向きに走行中であるかを表示する。
図2の例では、上向き矢印と「3」の文字が表示されている。このことから、乗りかご1は3階付近を上方へ向かって走行中であることが判る。
【0043】
なお、操作盤318の構成および各種構成の配置は
図2の例に限られない。
【0044】
図2の例では、複数の行き先階表示部310と、これらに対応するセンサ部311とがセットで縦1列に配置されることとしたが、行き先階表示部310とセンサ部311とがセットで複数列に配置されていてもよい。つまり、例えば1階~5階に対応する行き先階表示部310とセンサ部311とのセットが縦1列に配置された右隣等に、例えば6階~10階に対応する行き先階表示部310とセンサ部311とのセットを更に縦1列に配置することができる。
【0045】
また、複数の行き先階表示部310と、これらに対応するセンサ部311とがセットで横1列または複数列に配置されていてもよい。
【0046】
また、センサ部311の近傍に、センサ部311の存在を示す表示またはセンサ部311に手指等をかざす操作を促す表示等を配置してもよい。これらの表示は、例えばセンサ部311の近傍に所望の表示が記されたシール等を貼付することで配置することができる。
【0047】
また、それぞれのセンサ部311の近傍に、それらのセンサ部311に対応する行き先階を示す点字、センサ部311の存在を示す点字、またはセンサ部311に手指等をかざす操作を促す点字等を配置してもよい。これらの点字は、例えばセンサ部311の近傍に所望の点字が付された銘板等を設置することで配置することができる。
【0048】
また、操作盤318は、乗りかご1の開閉も非接触で行うことができるよう、開閉表示部314e,314cにそれぞれ対応するセンサ部を備えていてもよい。
【0049】
また、センサ部311を保護するために、センサ部311に対してアクリル板などの保護板を操作盤318に設けてセンサ部311を覆うようにしてもよい。この場合、センサ部311から照射した照射光をアクリル板が反射してしまい、センサ部311が、誤登録をしてしまう可能性がある。
【0050】
そこで、センサ部311が誤登録をしてしまうことを防止するセンサ部311とアクリル板との配置について
図3A,B,Cを用いて説明する。
図3Aは、センサ部311の概要構成を示す斜視図である。
図3Aに示すように、センサ部311の長手方向をX方向、幅方向をY方向、高さ方向をZ方向と定義する。なお、説明の便宜上、
図3A,B,Cでは、センサ部311の形状を直方体形状を例にあげて説明しているが、実際には、
図4A,Bに示すように、後述する取付部351への取付部分が直方体形状の両端に存在する形状となっている。
【0051】
続いて、
図3Bおよび
図3Cを用いて、センサ部311とアクリル板340との位置関係の概要を説明する。センサ部311からアクリル板340方向がZ方向となる。
図3Bは、X-Z軸に基づく、センサ部311とアクリル板340との位置関係を示す図である。センサ部311は、赤外線等の光を照射するセンサ照射部と、当該照射した赤外線の反射光を受光するセンサ受光部とを有する。センサ部311のセンサ照射部は、アクリル板340を介して赤外線を出射させる。
【0052】
図3Cは、Y-Z軸に基づく、センサ部311とアクリル板340との位置関係を示す図である。
図3Cに示すように、センサ部311は、アクリル板340に対して非垂直に設けられている。
【0053】
続いて、
図3Cに示したようなセンサ部311を取付構造について、
図4A,Bを用いて説明する。
図4Aは、センサ部311の操作盤318の裏面への取付構造を説明する断面斜視図である。
図4Bは、実施形態1にかかるセンサ部311の操作盤318の裏面への取付構造の一例を説明する分解斜視図である。
図4Bに示すように、操作盤318の裏面には、開口部340a、340bが設けられている。開口部340aには、アクリル板340が取り付けられ、開口部340aには、押しボタン312が嵌められる。
図4A,Bに示すように、操作盤318の裏面には、ブラケット352が設けられている。このブラケット352は、操作盤318のアクリル板340が設けられている位置に対応して設けられている。ブラケット352は、長手方向にその長手方向を有し、断面略L字形の部材となっている。ブラケット352の底板は、操作盤318の裏面にボルトおよびナットで固定されており、アクリル板340の位置で開口部351aを有する。センサ部311からの照射光はこの開口部351aおよびアクリル板340を通過し、また、反射光がアクリル板340および開口部351aを通過してセンサ部311に到達する。ブラケット352は、この底板の端部から操作盤318に交差する方向に立上がる側板を有し、この底板と側板とで断面略L字形状をなしている。
【0054】
図4A,Bに示すように、ブラケット352の側板から318と略平行な方向に、二つの板状の取付部351が突出して設けられている。センサ部311は、二つの取付部351上にボルトおよびナットで固定されて取り付けられる。
【0055】
ブラケット352が、操作盤318に取り付けられる底板と取付部351を支持する側板の2つの面の角度AR1は、直角である。また、取付部351がセンサ部311を支持する面とブラケット352の側板の2つの面の角度AR2は、非直角である。これにより、センサ部311は、傾くことになり、アクリル板340が、ブラケット352における、取付部351を支持する面と操作盤318に取り付けられる面の何れかの面と対向する位置にある場合、センサ部311は、アクリル板340に対して非垂直に設けられることになる。
【0056】
また、上記角度AR1が、非直角であり、上記角度AR2が直角でもよい。この場合でも、ブラケット352に沿って取付部351が傾き、この結果センサ部311が傾くことになる。
【0057】
続いて、
図5を用いてセンサ部311による照射および受光例を説明する。
図5は、センサ部311による照射および受光例を説明する図である。センサ部311が、照射光e1を照射すると、アクリル板340の反射面に正反射することがある。しかし、センサ部311が、アクリル板340に対して非垂直に設けられており、センサ部311の照射光の光軸がアクリル板340の反射面に対して非垂直であるため、センサ部311は、アクリル板340の反射面で反射した反射光r1を受光しない。
【0058】
一方、アクリル板340付近にエレベータの利用者の指f1がある場合、アクリル板340を介して出射した照射光e1は、指f1に当たり、拡散反射する。この結果、センサ部311は、拡散反射による反射光のうち、反射光r3を受光することで、利用者による操作を適切に検知することができる。
【0059】
また、エレベータ制御システム100は、センサ部311が、利用者による操作を検知した場合、当該センサ部311に対応する行き先階表示部310の行き先階の呼び登録をする。
【0060】
その他、操作盤318は、利用者の操作に供する種々の押しボタン及びセンサ等を備えることができ、また、利用者に種々の情報を提示する表示灯等を備えることができる。
【0061】
(概括)
実施形態1の操作盤318によれば、行き先階表示部310がエレベータの行き先を表示し、行き先階表示部310に対応するセンサ部311が、照射光に対する反射光を検出し、アクリル板340が、センサ部311を覆う。また、センサ部311の照射光の光軸は、アクリル板340における、照射光の反射面に対して非垂直である。これにより、センサ部311は、反射光を受光してしまう位置から外れるので、アクリル板340で反射した反射光を検出してしまうことを回避することができる。
【0062】
また、実施形態1の操作盤318によれば、センサ部311が、アクリル板340に対して非垂直となるように設けられる。これにより、センサ部311は、反射光を受光してしまう位置から外れるので、アクリル板340で反射した反射光を検出してしまうことを回避することができる。
【0063】
また、実施形態1の操作盤318によれば、ブラケット352が、取付部351を支持する面と操作盤318に取り付けられる面の角度AR1は、直角であり、取付部351がセンサ部311を支持する面とブラケット352が取付部351を支持する面の角度AR2は、非直角である。これにより、センサ部311は、傾くことになり、センサ部311が、アクリル板340に対して非垂直となるように設けられる。
【0064】
また、実施形態1の操作盤318によれば、ブラケット352が、取付部351を支持する面と操作盤318に取り付けられる面の角度AR1は、非直角であり、取付部351がセンサ部311を支持する面とブラケット352が取付部351を支持する面の角度AR2は、直角である。これにより、センサ部311は、傾くことになり、センサ部311が、アクリル板340に対して非垂直となるように設けられる。
【0065】
また、上述の実施形態1では、行き先階表示部310と押しボタン312と表示灯313とが一体化していることとしたが、これに限られない。行き先階表示部310、押しボタン312、表示灯313のうちのいずれか、あるいは全部が分離され、別々に操作盤318に配置されていてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態1では、押しボタン312とセンサ部311とは別々に分離して配置されることしたが、これに限られない。対応する行き先階表示部310が互いに同じである押しボタン312とセンサ部311とが一体的に構成されていてもよい。
【0067】
また、上述の実施形態1では、操作盤318が複数の行き先階表示部310にそれぞれ対応する複数の押しボタン312を備えることとした。しかし、操作盤318が押しボタン312を有さず、専ら複数のセンサ部311への手指をかざす非接触の動作によって操作されるように構成されていてもよい。
【0068】
[実施形態2]
以下、図面を参照して実施形態2について詳細に説明する。実施形態2のエレベータ制御システムでは、上述の行き先階呼び装置30の構成および機能が乗り場呼び装置に適用されている。以下の図面においては、上述の実施形態1と同様の機能を有する構成には同様の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0069】
(エレベータ制御システムの構成例)
図6は、実施形態2にかかるエレベータ制御システム200の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、エレベータ制御システム200は、制御盤10、及び乗り場呼び装置50を備える。
【0070】
エレベータ制御システム200が制御を行うエレベータは、例えば乗りかご1等を含む上述の実施形態1と同様の構成を備える。制御盤10は、例えば上述の実施形態1と同様の構成を備える。制御盤10と乗り場呼び装置50とは、各種信号の授受が可能なように有線または無線で接続されている。エレベータ制御システム200が、制御盤10と乗りかご1内の行き先階呼び装置との間に、例えば上述の実施形態1と同様の中継箱20を備えていてもよい。
【0071】
乗り場呼び装置50は、物体検知部51、センサ部511(511u,511d・・・)、押下検知部52、押しボタン512(512u,512d・・・)、発光制御部53、表示灯513(513u,513d・・・)、及び通知部54を備え、乗り場の利用者による乗り場呼びを受け付ける。乗り場は、乗りかご1が発着し、利用者が乗りかご1に対して乗降車する場所である。乗り場呼び装置50のうち、少なくともセンサ部511、押しボタン512、及び表示灯513は乗り場に設けられている。乗り場呼び装置50の全体が乗り場に設けられていてもよい。
【0072】
センサ部511(511u,511d・・・)は、乗りかご1の上下の行き先方向にそれぞれ対応して乗り場に設けられている。所定の乗り場呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部511に手指等をかざすと、センサ部511は利用者の手指等の物体を検知する。
【0073】
押しボタン512(512u,512d・・・)は、乗りかご1の上下の行き先方向にそれぞれ対応して乗り場に設けられている。押しボタン512は、所定の乗り場呼びを行おうとする利用者が、対応する押しボタン512を押下することが可能に構成されている。
【0074】
発光部としての表示灯513(513u,513d・・・)は、乗りかご1の上下の行き先方向にそれぞれ対応して乗り場に設けられている。乗り場呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部511に手指等をかざし、または、対応する押しボタン512を押下すると、その行き先方向に対応する表示灯513が所定の態様で発光する。
【0075】
通知部54は、物体検知部51または押下検知部52が、乗り場呼びがあったものと判定した場合には、その乗り場呼びの情報を制御盤10に送信する。
【0076】
制御盤10の制御部11は、受信した乗り場呼びを登録する。また、制御部11は、乗り場呼び登録の内容に応じて、乗りかご1をその乗り場呼びに応答させる。つまり、制御部11は、乗り場呼び登録に登録した行き先方向に走行予定の乗りかご1を、乗り場呼びがあった乗り場へと向かわせる。
【0077】
なお、乗り場呼び装置50は、上記以外にも、乗り場の利用者の操作に供する種々の構成を備えることができる。
【0078】
(操作盤の構成例)
次に、
図7を用いて、実施形態2の操作盤518の構成例について説明する。
図7は、実施形態2にかかる乗り場の操作盤518の構成の一例を示す模式図である。
【0079】
乗り場呼び装置50は、例えば乗り場に設置された操作盤518を備える。操作盤518の設置位置は、例えば乗りかご1が発着する乗り場の扉横等である。1つの乗り場には少なくとも1つの操作盤518が設置されていればよい。複数の乗りかご1が乗り場を発着する場合には、複数の乗りかご1のそれぞれに対応する複数の操作盤518が設置されていてもよい。
【0080】
操作盤518は、例えば行き先方向表示部510(510u,510d)、センサ部511(511u,511d)、押しボタン512(512u,512d)、表示灯513(513u,513d)、及び表示装置517を備える。
【0081】
行き先方向表示部510は、例えば乗り場に到着する乗りかご1の上下方向等の行き先方向を表示する表示盤等であり、乗りかご1の行き先方向に対応して操作盤518に複数配置されている。
図7の例では、乗りかご1の行き先方向である上方向(上層階)及び下方向(下層階)にそれぞれ対応して、2つの行き先方向表示部510u,510dが縦方向に配置されている。行き先方向表示部510は、行き先表示部の一例である。
【0082】
センサ部511は、例えば反射型光電センサ、または静電容量型センサ等の非接触式のセンサであり、複数の行き先方向表示部510にそれぞれ対応して、対応する行き先方向表示部510近傍の操作盤518に複数配置されている。
図7の例では、縦方向に並ぶ行き先方向表示部510u,510dの左横に、それぞれ対応する2つのセンサ部511u,511dが配置されている。
【0083】
乗り場の利用者が、所望の行き先階(上層階または下層階等)の方向(上方向または下方向等)へ向かう乗りかご1の乗り場呼びを行うために、対応するセンサ部511に手指等をかざすと、そのセンサ部511が、対応する行き先方向表示部510への操作として利用者の手指等を検知する。このように、行き先方向表示部510と、当該行き先方向表示部510に対応するセンサ部511とは、利用者の手指等を検知することで、利用者による操作を入力する。
【0084】
押しボタン512は、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、複数の行き先方向表示部510にそれぞれ対応して、対応する行き先方向表示部510と一体的に操作盤518に複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン512のそれぞれの前面には、対応する行き先方向表示部510である表示盤等がはめ込まれている。乗り場の利用者が、所望の行き先階(上層階または下層階等)の方向(上方向または下方向等)へ向かう乗りかご1の乗り場呼びを行うために、対応する押しボタン512を押下すると、上述の押下検知部52(
図6参照)が、対応する行き先方向表示部510への操作として押しボタン512の押下を検知する。
【0085】
表示灯513は、上述のように複数の態様で発光することが可能に構成され、複数の行き先方向表示部510にそれぞれ対応して、対応する行き先方向表示部510と一体的に操作盤518に複数内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン512のそれぞれの背面に、それぞれ表示灯513が埋め込まれている。上述の物体検知部51及び押下検知部52(
図6参照)の判定結果に基づいて、対応する表示灯513が暗点灯し、点滅し、若しくは所定の色で点灯し、または、明点灯し、点灯し、若しくは上記と異なる色で点灯すると、押しボタン512及び行き先方向表示部510を透過した表示灯513の光が利用者に目視される。表示灯513が暗点灯し、点滅し、若しくは所定の色で点灯することにより、利用者は、自身の操作がどちらの行き先方向表示部510に対する操作と認識されたかを知ることができる。表示灯513が明点灯し、点灯し、若しくは上記と異なる色で点灯することにより、利用者は、どちらの行き先方向への呼びが登録されたかを知ることができる。
【0086】
図7の例では、複数の表示灯513のうち、行き先方向表示部510dに対応する表示灯513dが点灯する様子を示している。
【0087】
表示装置517は、例えば液晶パネル等として構成され、その操作盤518に対応する乗りかご1、または乗り場呼びに応答中の乗りかご1等が、どの階付近をどちらの向きに走行中であるかを表示する。
図7の例では、上向き矢印と「3」の文字が表示されている。このことから、乗りかご1は3階付近を上方へ向かって走行中であることが判る。
【0088】
なお、操作盤518の構成および各種構成の配置は
図7の例に限られない。
【0089】
例えば、行き先方向表示部510とセンサ部511とがセットで横1列に配置されていてもよい。また例えば、センサ部511の近傍に所望の表示が記されたシール等が貼付され、また、所望の点字が付された銘板等が設置されていてもよい。
【0090】
また例えば、行き先方向表示部510、押しボタン512、表示灯513のうちのいずれか、あるいは全部が分離され、別々に操作盤518に配置されていてもよい。また例えば、操作盤518は、押しボタン512u,512d等を備えていなくともよい。また例えば、対応する行き先方向表示部510が互いに等しい押しボタン512とセンサ部511とが一体的に構成されていてもよい。
【0091】
なお、実施形態1と同様に、センサ部511を保護するために、センサ部511に対してアクリル板340などの保護板を覆うようにしてもよい。また、センサ部511は、実施形態1と同様にアクリル板340に対して非垂直に設けられるようにしてもよい。
【0092】
その他、操作盤518は、利用者の操作に供する種々の押しボタン及びセンサ等を備えることができ、また、利用者に種々の情報を提示する表示灯等を備えることができる。
【0093】
(概括)
上述の実施形態では、センサ部311を保護するために、センサ部311に対してアクリル板340などの保護板を覆うようにし、センサ部311は、アクリル板340に対して非垂直に設けられている場合について述べた。なお、当該センサ部311は、投光部と受光部とが一体となっているとしたが、それぞれが独立していてもよい。
【0094】
ここで、
図8A~
図8E、
図9を用いて、投光部と受光部とが独立している場合におけるセンサ部311とアクリル板340との位置関係を説明する。
【0095】
まず、
図8Aは、センサ部311に含まれるセンサ投光部3111の概要構成であり、
図8Bは、センサ部311に含まれるセンサ受光部3112の概要構成である。
図8Cは、X-Z軸に基づく、センサ部311とアクリル板340との位置関係を示す図である。センサ投光部3111およびセンサ受光部3112における、X軸に対する角度AR3がそれぞれ同一であり、投光の光軸および受光の光軸が対称関係が成り立っているが、
図8Dおよび
図8Eに示すように、Y-Z軸に基づくセンサ投光部3111およびセンサ受光部3112は、投光の光軸および受光の光軸が対称関係とならないようにする。これにより、センサ投光部3111が投光した赤外線がアクリル板340で反射した反射光をセンサ受光部3112で受光してしまうことを回避することができる。
【0096】
また、
図9は、X-Z軸に基づく、センサ部311とアクリル板340との位置関係を示す図である。センサ投光部3111における、X軸に対する角度AR4は、非直角であり、センサ受光部3112における、X軸に対する角度AR5は、ほぼ直角である。この場合も、センサ投光部3111が投光した赤外線がアクリル板340で反射した反射光をセンサ受光部3112で受光してしまうことを回避することができる。
【0097】
また、アクリル板の赤外線の入射側の面と、当該赤外線を反射する面とが平行でないようにしてもよい。例えば、
図10に示すアクリル板341のように、幅方向の両端の厚さを異ならせてもよい。すなわち、第1の厚さW1より、第2の厚さW2の方が厚くなるようにアクリル板341を構成する。これにより、アクリル板341の赤外線の入射側の面と、当該赤外線の反射側の面とが平行でない。この場合、センサ部311から照射した赤外線の反射光は、センサ部311の方向とは異なる方向に反射することになり、センサ部311がアクリル板341を反射した反射光を検知してしまうことを回避することができる。
【0098】
以上のように、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1…乗りかご、2…駆動装置、3…カウンタウェイト、4…ロープ、10…制御盤、11…制御部(呼び登録部)、12…通信部、13…記憶部、20…中継箱、30…行き先階呼び装置、31,51…物体検知部、31a…計時部(第1の計時部)、31b…計時部(第2の計時部)、32,52…押下検知部、32a…計時部(第3の計時部)、32b…計時部(第4の計時部)、33,53…発光制御部、34,54…通知部、50…乗り場呼び装置、51a…計時部(第5の計時部)、51b…計時部(第6の計時部)、52a…計時部、52b…計時部、100,200…エレベータ制御システム、310a~310e…行き先階表示部、311a~311e,511d,511u…センサ部、312a~312e,315c,315e,512d,512u…押しボタン、313a~313e,316c,316e,513d,513u…表示灯(発光部)、340,341…アクリル板、351…取付部、352…ブラケット、510d,510u…行き先方向表示部。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗場又は乗りかご内に設置される操作盤に設けられた操作検知装置であって、
前記エレベータの操作を表示する操作表示部と、
前記操作表示部に対応して設けられ、照射光に対する反射光を検出するセンサ部と、
前記センサ部を覆う保護板と、
を備え、
前記センサ部の前記照射光の光軸は、前記保護板における、前記照射光の反射面に対して非垂直であり、
前記操作検知装置は、
前記センサ部を支持する取付部と、
前記操作盤に取り付けられ、前記取付部を支持するブラケットと、をさらに備え、
前記ブラケットの前記操作盤に取り付けられる面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面がなす角度が、非直角であり、
前記取付部の前記センサ部を支持する面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面のなす角度が直角である、
操作検知装置。
【請求項2】
エレベータの乗場又は乗りかご内に設置される操作盤に設けられた操作検知装置であって、
前記エレベータの操作を表示する操作表示部と、
前記操作表示部に対応して設けられ、照射光に対する反射光を検出するセンサ部と、
前記センサ部を覆う保護板と、
を備え、
前記センサ部の前記照射光の光軸は、前記保護板における、前記照射光の反射面に対して非垂直であり、
前記操作検知装置は、
前記センサ部を支持する取付部と、
前記操作盤に取り付けられ、前記取付部を支持するブラケットと、をさらに備え、
前記ブラケットの前記操作盤に取り付けられる面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面がなす角度が、直角であり、
前記取付部の前記センサ部を支持する面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面のなす角度が非直角である、
操作検知装置。
【請求項3】
前記センサ部は、前記保護板に対して非垂直となるように設けられる、請求項1または2に記載の操作検知装置。
【請求項4】
前記センサ部は、
前記照射光を照射するセンサ投光部と、
前記反射光を受光するセンサ受光部と、
を有し、
前記センサ投光部およびセンサ受光部の少なくとも何れかが前記保護板に対して非垂直となるように設けられる、請求項3に記載の操作検知装置。
【請求項5】
前記保護板は、前記照射光の入射面と、前記照射光の反射面とが平行でない、請求項1または2に記載の操作検知装置。
【請求項6】
エレベータの乗場又は乗りかご内に設置される操作盤であって、
前記エレベータの状態を表示する状態表示部と、
前記エレベータの操作を検知する操作検知装置とを備え、
前記操作検知装置は、
前記エレベータの操作を表示する操作表示部と、
前記操作表示部に対応して設けられ、照射光に対する反射光を検出するセンサ部と、
前記センサ部を覆う保護板と、
を備え、
センサの前記照射光の光軸は、前記保護板における、前記照射光の反射面に対して非垂直であり、
前記操作検知装置は、
前記センサ部を支持する取付部と、
前記操作盤に取り付けられ、前記取付部を支持するブラケットと、をさらに備え、
前記ブラケットの前記操作盤に取り付けられる面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面がなす角度が、非直角であり、
前記取付部の前記センサ部を支持する面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面のなす角度が直角である、
操作盤。
【請求項7】
エレベータの乗場又は乗りかご内に設置される操作盤であって、
前記エレベータの状態を表示する状態表示部と、
前記エレベータの操作を検知する操作検知装置とを備え、
前記操作検知装置は、
前記エレベータの操作を表示する操作表示部と、
前記操作表示部に対応して設けられ、照射光に対する反射光を検出するセンサ部と、
前記センサ部を覆う保護板と、
を備え、
センサの前記照射光の光軸は、前記保護板における、前記照射光の反射面に対して非垂直であり、
前記操作検知装置は、
前記センサ部を支持する取付部と、
前記操作盤に取り付けられ、前記取付部を支持するブラケットと、をさらに備え、
前記ブラケットの前記操作盤に取り付けられる面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面がなす角度が、直角であり、
前記取付部の前記センサ部を支持する面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面のなす角度が非直角である、
操作盤。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
実施形態の操作検知装置は、エレベータの乗場又は乗りかご内に設置される操作盤に設けられ、操作表示部は、エレベータの操作を表示し、センサ部は、操作表示部に対応して設けられ、照射光に対する反射光を検出し、保護板は、センサ部を覆う。センサ部の照射光の光軸は、保護板における、照射光の反射面に対して非垂直である。操作検知装置は、センサ部を支持する取付部と、操作盤に取り付けられ、取付部を支持するブラケットと、をさらに備え、ブラケットの前記操作盤に取り付けられる面と、前記ブラケットの前記取付部を支持する面がなす角度が、非直角であり、取付部のセンサ部を支持する面と、ブラケットの取付部を支持する面のなす角度が直角である。