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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168381
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20221031BHJP
【FI】
G03G21/00 388
G03G21/00 386
G03G21/00 512
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073775
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100123375
【弁理士】
【氏名又は名称】半田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】深澤 竜司
(72)【発明者】
【氏名】羽上田 紘希
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270KA58
2H270LA87
2H270LA91
2H270LA94
2H270LA99
2H270LD09
2H270NB02
2H270NC01
2H270NC07
2H270NC08
2H270ND04
2H270QB03
2H270QB13
2H270RA10
2H270RA11
2H270RA12
2H270RC03
2H270RC05
2H270RC16
2H270RC18
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】感光体ドラムユニットが寿命となってこれを交換する際に、その感光体ドラムユニット内にトナーが残留する場合には、内部残留トナーも一緒に廃棄されるため、トナーが無駄になる恐れがあった。
【解決手段】プリンタ1本体に対してIDユニット12が、またIDユニット12に対してトナーカートリッジ16がそれぞれ着脱自在に構成されたプリンタ1において、プリンタ1による印刷動作を制御する制御部(41、45)と、トナーカートリッジ16の供給口を開閉するTCシャッタ18と、IDユニット12が内蔵する感光体ドラム31の使用量を記憶する不揮発メモリ51とを有し、制御部(41、45)は、使用量に基づいて導いた感光体ドラム31の寿命までの印刷量が、IDユニット12に充満する量のトナーが消費されるまでの印刷量を示す閾値1と一致した段階でTCシャッタ18を閉じる処理を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対してIDユニットが着脱自在に構成され、前記IDユニットに現像剤を供給する現像剤収容体が着脱自在に構成された画像形成装置において、
前記画像形成装置による印刷動作を制御する制御部と、
前記現像剤収容体の供給口を閉じることによって前記現像剤の供給を停止するシャッタと、
前記IDユニットが内蔵する感光体ドラムの使用量をカウントするカウンタ部と
を有し、
前記制御部は、前記使用量に基づいて導いた、前記感光体ドラムの寿命までの印刷量が、前記IDユニットに充満する量の現像剤が消費されるまでの印刷量を示す第1の閾値と一致した段階で、前記シャッタを閉じるための処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置の状態を表示する表示部を有し、
前記制御部による前記シャッタを閉じるための処理が、ユーザーに、前記シャッタを閉じるように促す第1のメッセージを前記表示部に表示することであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置の状態を表示する表示部を有し、
前記制御部は、前記感光体ドラムの寿命までの印刷量がゼロになるか、或は前記IDユニット内の現像剤が空になる段階で、ユーザーに、前記IDユニットを未使用のIDユニットに交換するように促す第2のメッセージを前記表示部に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2のメッセージは更に、前記未使用のIDユニットに、前記交換前の前記IDユニットから外した前記現像剤収容体を装着するように促す内容を含むことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置本体に対してIDユニットが着脱自在に構成され、前記IDユニットに現像剤を供給する現像剤収容体が着脱自在に構成された画像形成装置において、
前記画像形成装置の状態を表示する表示部と、
前記画像形成装置による印刷動作を制御する制御部と、
前記IDユニットが内蔵する感光体ドラムの使用量をカウントするカウンタ部と
を有し、
前記制御部は、前記使用量に基づいて導いた、前記感光体ドラムの寿命までの印刷量が、前記IDユニットに充満する量の現像剤が消費されるまでの印刷量と未使用の現像剤収容体に収容されている量の現像剤が消費されるまでの印刷量とを加算した総印刷量を示す第2の閾値と一致した段階で、ユーザーに、使用中の現像剤収容体と未使用の現像剤収容体とを交換するように促す第3のメッセージを前記表示部に表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記感光体ドラムの寿命までの印刷量がゼロになるか、或は前記IDユニット内の現像剤が空になる段階で、前記IDユニットを未使用のIDユニットに交換するように促す第4のメッセージを前記表示部に表示することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第4のメッセージは更に、交換した前記未使用のIDユニットに、前記使用中の現像剤収容体を再び装着するように促す内容を含むことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記IDユニットは、内部に前記現像剤が充満する状態を現像剤フルレベルとして検出し、前記内部の前記現像剤が空である状態を現像剤ローレベルとして検出する現像剤検出手段を備えたことを特徴とする請求項1から7までの何れかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記使用量は前記感光体ドラムの総回転回数であり、前記印刷量は記録媒体の印刷枚数であることを特徴とする請求項1から8までの何れかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に感光体ドラムユニットが交換可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置本体に対して感光体ドラムユニットを着脱自在に、また感光体ドラムユニットに対して、トナーを収容するトナーカートリッジを着脱自在に構成した画像形成装置があった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-58726号公報(第6頁、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、感光体ドラムユニットが寿命となってこれを交換する際に、その感光体ドラムユニット内にトナーが残留する場合には、内部残留トナーも一緒に廃棄されるため、トナーが無駄になる恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による画像形成装置は、画像形成装置本体に対してIDユニットが着脱自在に構成され、前記IDユニットに現像剤を供給する現像剤収容体が着脱自在に構成された画像形成装置にであって、
前記画像形成装置による印刷動作を制御する制御部と、
前記現像剤収容体の供給口を閉じることによって前記現像剤の供給を停止するシャッタと、前記IDユニットが内蔵する感光体ドラムの使用量をカウントするカウンタ部とを有し、
前記制御部は、前記使用量に基づいて導いた、前記感光体ドラムの寿命までの印刷量が、前記IDユニットに充満する量の現像剤が消費されるまでの印刷量を示す第1の閾値と一致した段階で、前記シャッタを閉じるための処理を行うことを特徴とする。
【0006】
本発明による別の画像形成装置は、画像形成装置本体に対してIDユニットが着脱自在に構成され、前記IDユニットに現像剤を供給する現像剤収容体が着脱自在に構成された画像形成装置であって、
前記画像形成装置の状態を表示する表示部と、前記画像形成装置による印刷動作を制御する制御部と、前記IDユニットが内蔵する感光体ドラムの使用量をカウントするカウンタ部とを有し、
前記制御部は、前記使用量に基づいて導いた、前記感光体ドラムの寿命までの印刷量が、前記IDユニットに充満する量の現像剤が消費されるまでの印刷量と未使用の現像剤収容体に収容されている量の現像剤が消費されるまでの印刷量とを加算した総印刷量を示す第2の閾値と一致した段階で、ユーザーに、使用中の現像剤収容体と未使用の現像剤収容体とを交換するように促す第3のメッセージを前記表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置によれば、IDユニットの感光体ドラムが寿命となった時、IDユニット内のトナーが殆ど消費された状態でIDユニットを交換することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明による実施の形態1の画像形成装置としてのプリンタの要部構成を示す概略構成図である。
図2】イエロー(Y)の画像形成ユニットの要部構成を示す概略構成図である。
図3】実施の形態1でのプリンタの制御系を示すブロック図である。
図4】IDユニットの交換時期に行われる各メッセージの表示タイミング及び諸動作の流れを示すフローチャートである。
図5】IDユニットの交換時期に行われる各メッセージの表示タイミング及び諸動作の流れを示すフローチャートである。
図6】プリンタの表示部が表示するメッセージAの内容を示すイメージ図である。
図7】プリンタの表示部が表示するメッセージBの内容を示すイメージ図である。
図8】トナーセンサ検出と閾値1の関係の説明に供する図である。
図9】未使用のIDユニットで、寿命となるまでに印刷可能な記録用紙の印刷枚数と、新品(未使用)トナーカートリッジのトナー量での印刷可能な記録用紙の印刷枚数を示す図である。
図10】トナーフルレベルのトナー量で印刷可能な記録用紙の印刷枚数と、閾値1の値を示す図である。
図11】本発明に基づく実施の形態2のプリンタによって行われる、IDユニットの交換時期に伴う警告メッセージの表示タイミング及び諸動作の流れを示すフローチャートである。
図12】プリンタの表示部が表示するメッセージCの内容を示すイメージ図である。
図13】トナーフルレベルのトナー量で印刷可能な記録用紙の印刷枚数と、閾値2の値を示す図である。
図14】トナーセンサ検出と閾値2の関係の説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明による実施の形態1の画像形成装置としてのプリンタ1の要部構成を示す概略構成図である。プリンタ1は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色を印刷可能なカラー用電子写真方式のプリンタとしての構成を備えている。
【0010】
同図に示すように、プリンタ1の内部には、駆動ローラ2及び張架ローラ3に張架られて記録媒体としての記録用紙を矢印A方向に搬送する転写ベルト4に沿って、搬送方向上流側から順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナー画像を形成する同一な構成を有する4つの画像形成ユニット5~8が配置され、転写ベルト4を介して、これらの各画像形成ユニット5~8に対向する位置には転写ローラ9がそれぞれ配置されている。
【0011】
プリンタ1のカバー10には、先端部に露光手段としてのLEDヘッド33を具備したヘッド保持部11が配設されている。画像形成ユニット5~8は、プリンタ1本体に対して着脱自在に装着されて、プリンタ1のカバーを開閉することで交換が可能である。尚、画像形成ユニット5~8のような、プリンタ1の構成要素の個々に対して、その構成要素を除いた部分をプリンタ1本体と称す場合がある。
【0012】
図2は、イエロー(Y)の画像形成ユニット5の要部構成を示す概略構成図である。ここでは、イエロー(Y)の画像形成ユニット5を例に説明するが、他の色の画像形成ユニット6~8も構成は同様である。
【0013】
同図に示すように、画像形成ユニット5は、イメージドラムユニット(以下、IDユニットと称す)12と、IDユニット12に着脱自在に装着される現像剤収容体としてのトナーカートリッジ16から構成されている。尚、カバー10を開けることにより、トナーカートリッジ16はIDユニット12から外して取り出すことが可能であり、IDユニット12は、例えばトナーカートリッジ16を外した状態で、プリンタ1本体から取り出すことが可能に構成されている。
【0014】
トナーカートリッジ16内には現像剤としてのトナー(イエロー)が収容され、また攪拌バー17が回転可能に配設されている。尚、トナーカートリッジ16は、収容されるトナー量を調整することで、小容量トナーカートリッジ或いは大容量トナーカートリッジとして販売される。従って、小容量、大容量の各トナーカートリッジでは、収容されるトナーの量によって決まる印刷可能枚数も異なるが、ここでは以後、大容量のトナーカートリッジをトナーカートリッジ16として説明する。
【0015】
トナーカートリッジ16の下部には、IDユニット12にトナーを供給するための供給口20が形成され、更にこの供給口20を開閉する回動式の断面円孔状のシャッタとしてのトナーカートリッジシャッタ(以下、TCシャッタと称す)18が回動可能に配設されている。図2では、この供給口20が開いた状態を示している。IDユニット12の、トナーカートリッジ16の下部に対向する位置にはトナーカートリッジシャッタセンサ(以後、TCシャッタセンサと称する)36が配設され、トナーカートリッジ16の開閉情報を後述するプリンタ制御部45(図3参照)に送信する。尚、ここではTCシャッタセンサ36をIDユニット12に設ける例を示したが、トナーカートリッジ16自体が備える構成としてもよい。
【0016】
この供給口20に対応して、IDユニット12側には取入口21が形成され、取入口21の下方には本体側シャッタ22がスライド移動可能に設けられている。尚、本体側シャッタ22は、シャッタ駆動部23により水平方向に往復移動し、同図において左方向に移動することにより取入口21を開き、右方向に移動することにより取入口21を閉じる。
【0017】
本体側シャッタ22の下方にはトナー収容部24が形成され、トナー収容部24にはトナーセンサレバー25が配設されている。トナーセンサレバー25は、トナーセンサ25a(図3参照)と共にトナー収容部24内のトナーの残量を検出するものである。ここでは、トナー収容部24内に収容されるトナーが、点線で示すトナーフルレベル26以上のトナーフルの状態と、点線で示すトナーローレベル27以下のトナーローの状態とを検出し、検出したトナー残量情報を後述するプリンタ制御部45(図3参照)に送信する。尚、トナーセンサレバー25とトナーセンサ25aとが現像剤検出手段に相当する。
【0018】
トナー残量を検出する構成について更に説明する。トナーセンサレバー25は、クランク形状に形成され、回転自在になっており、回転する駆動部に押されて回転するようになっている。したがってトナーの残量が少ない場合は、トナーセンサレバー25のクランク部は駆動部に押されて上死点に達した後、残留トナーの上面に向かって自重落下する。
【0019】
クランク部が所定の高さより下に位置する時間は、残量トナーが多い場合は短く、残量トナーが少ない場合は長い。従って、トナーセンサレバー25のクランク部の高さによって出力の変化するトナーセンサ25aを設けることにより、トナーセンサレバー25が所定の高さより下にある時間と回転周期の比率よりトナー残量を検出することができる。そしてこの比率に対して2つの閾値を設けることにより、異なる2つのレベル、即ちトナーフルレベルとトナーローレベルのトナー残量を検出することが可能となる。
【0020】
本実施の形態のトナー残量検出では、少なくとも図2に点線で示すトナーフルレベル26とトナーローレベル27の2つの残量レベルを境に、トナーフルレベル26以上のトナーフルの状態とトナーローレベル27以下のトナーローの状態とが検出可能となっている。
【0021】
トナー収容部24の下部には攪拌スクリュー28a、28b、及び供給ローラ29がそれぞれ回転可能に設けられている。攪拌スクリュー28a、28bはトナー収容部24内のトナーを攪拌し、供給ローラ29はトナー収容部24内のトナーを現像ローラ30へ供給する。
【0022】
IDユニット12の下方には、感光体ドラム31が回転可能に設けられている。感光体ドラム31の周囲には、順に帯電ローラ32、露光手段としてのLEDヘッド33、現像ローラ30およびクリーニング部材34がそれぞれ配置されており、これらの部材により電子写真プロセスによって感光体ドラム31上にトナー画像を形成する。
【0023】
以上のようにして感光体ドラム31上に形成されたイエロー(Y)のトナー画像は、感光体ドラム31と転写ローラ9とのニップ部において、転写ベルト4上に載置されて矢印A方向に搬送される記録用紙上に転写される。同様にして、他の3つの画像形成ユニット6~8において形成された各色のトナー画像が、順次重ねて記録用紙上に転写されることにより、カラーの印刷画像が記録用紙上に転写される。
【0024】
その後、カラーの印刷画像が転写された記録用紙は、図示しない定着部による加熱及び加圧によって定着処理された後、図示しないトレイに排出される。
【0025】
図3は本実施の形態におけるプリンタ1の制御系を示すブロック図である。同図において、制御CPU41は、プリンタ1の動作全体を制御するもので、制御バス42を介して他の機能部に接続されている。制御バス42に接続されたプログラムROM43には制御プログラムが予め書き込まれており、制御CPU41は、この制御プログラムの手順に従って各処理を実行する。同様に制御バス42に接続されたワークRAM44は、処理を実行する際に必要な変数やデータ等を一時的に保持する。
【0026】
制御バス42に接続されたプリンタ制御部45には、IDユニット12に設けられたトナーセンサ25a、及びTCシャッタセンサ36の出力を含め、用紙搬送を伴った印刷制御に必要な各種センサが接続されている。トナーセンサ25aは、上述したトナーセンサレバー25の動作タイミングを検出するものである。制御CPU41は、トナーセンサ25aからの検出信号により、イメージドラムユニット12内のトナー残量を示すトナーフル及びトナーローの状態を検出する。尚、制御CPU41とプリンタ制御部45とが制御部に相当する。
【0027】
制御バス42に接続された画像処理部47は、外部インタフェース48を介して図示しない上位装置から送信されてくる画像データを受信し、受信した画像データを、制御バス42に接続されたプリンタ制御部45へ送る。プリンタ制御部45は、画像データをRAM44に一旦格納し、制御CPU41により生成される印刷タイミングに従ってRAM44から画像データを読出し、LEDヘッド33へ送信する。これによりIDユニット12に内蔵する感光体ドラム31上に光電画像を形成する。またプリンタ制御部45には、LEDヘッド33に送信した画像データに応じた印刷ドットの数をカウントするドットカウンタが設けられている。
【0028】
プリンタ制御部45は、IDユニット12を含む各ユニットを駆動するための、各種のモータやクラッチなどのアクチュエータである印刷機構部53が接続されており、制御CPU41の指令に従って印刷用紙を搬送するなどの動作を実行する。更に、プリンタ制御部45は、図示しない定着部に備えられた定着器ヒータ55を加熱することにより記録用紙上に転写されたトナーを加熱し定着させる。また制御バス42には、表示部58が接続されている。
【0029】
IDユニット12には不揮発メモリ51が装着されている。本実施の形態では、限定しない通信方式により、プリンタ制御部45が不揮発メモリ51に対して読み出し及び書き込みをすることができる。また不揮発メモリ51には少なくとも、感光体ドラム31の積算された回転数であり、図示しないカウンタでカウントする使用量としての感光体ドラム寿命カウンタ値と、装着されたIDユニット12が新品か否かを示す新品フラグ情報とを記憶する。尚、図示しないカウンタと不揮発メモリ51がカウンタ部に相当する。
【0030】
トナーカートリッジ16には、不揮発メモリ52が装着されている。本実施の形態では限定しない通信方式により、プリンタ制御部45が不揮発メモリ52に対して読み出し及び書き込みをすることができる。また不揮発メモリ52には、少なくともトナーカートリッジ16の品種情報と、収容されたトナーの残量を示すトナー残量カウンタ値と、装着されたトナーカートリッジ16が新品か否かを示す新品フラグ情報、とを記憶する。品種情報とは、充填されているトナーの色や製品名といった情報である。
【0031】
以上の構成において、プリンタ1による、IDユニット12の交換時期に伴う、各メッセージの表示タイミング及び諸動作の処理の流れについて、図4図5のフローチャートに沿って以下に説明する。図4図5は、一連のフローチャートを示すもので、表示した(C)部で両フローチャートは繋がっている。尚、ここでは、イエロー(Y)の画像形成ユニット5に対する処理を想定して説明する。
【0032】
このフローチャートは、例えば以下の実施タイミングで開始されるものである。
・プリンタ1に電源が供給され、印刷可能な状態に至るまでの初期化動作タイミング、
・プリンタ1が、図示しないトレイへの、記録用紙の排出を完了したタイミング、
・プリンタ1のカバー10が閉じるのを検出したあとの初期化動作タイミング、
・省電力モードといった、表示部58によるメッセージ表示が消えている状態から、待機モードといった、メッセージ表示が行われるモードに遷移するタイミング。
【0033】
上記の各タイミングでフローが開始されると、プリンタ制御部45は、先ずIDユニット12に装着された不揮発メモリ51から、感光体ドラム寿命カウンタ値を読み出し(ステップS101)、トナーセンサ25aからのトナー残量情報により、IDユニット12内のトナー残量レベルを検知し(ステップS102)、更にトナーカートリッジ16に装着された不揮発メモリ52から、新品フラグ情報と品種情報を読み出す(ステップS103)。
【0034】
プリンタ制御部45は、IDユニット12内のトナー残量レベルがトナーフルレベル26以上、即ちトナーフル状態か否かを判定し、トナーフル状態であればステップS105に遷移し(ステップS104、Yes)、トナーフル状態でなければステップS110に遷移する(ステップS104、No)。
【0035】
ステップS105で、プリンタ制御部45は、図6に示す第1のメッセージとしてのメッセージA、即ち「イエローのトナーカートリッジのシャッタを閉めて下さい。イメージドラムユニット内にイメージドラムユニット寿命分のトナーが供給されました。」のメッセージAを表示部58で表示しているか否かを判定する。メッセージAを表示している場合(ステップS105,Yes)、TCシャッタ18が実際に閉められているか否かを判定し、閉じられていれば(ステップS108,Yes)、メッセージAを消して(ステップS109)、ステップS110に遷移し、閉じられていなければ(ステップS108,No)、メッセージAを表示して(ステップS107)、ステップS110に遷移する。
【0036】
一方、プリンタ制御部45は、ステップS105で、メッセージAを表示していないと判定した場合、ステップS101で読み出した使用量としての感光体ドラム寿命カウンタ値から感光体ドラム残寿命値を算出し、感光ドラム残寿命値と閾値1を比較する(ステップS106)。ここでの感光体ドラム残寿命値は、感光体ドラム寿命カウンタ値を、例えば所定サイズの記録用紙の印刷可能枚数に換算した値であり、感光体ドラム31の寿命までの印刷量に相当する。
【0037】
ここで、感光ドラム残寿命値及び閾値1の算出方法について、図8図10を参照しながら説明する。図8は、トナーセンサ検出と閾値1の関係の説明に供する図であり、図9は、未使用のIDユニット12で、寿命となるまでに印刷可能な記録用紙の印刷可能枚数と、新品(未使用)トナーカートリッジのトナー量での印刷可能な記録用紙の刷可能枚数を示す図であり、図10は、トナーフルレベル26のトナー量での印刷可能枚数と、閾値1の値を示す図である。
【0038】
感光体ドラム31は、その表面が摩耗することで電子写真プロセスにおけるトナー画像が一定品質に至らないレベルになった段階で、寿命に達したとする。感光体ドラム残寿命値は、感光体ドラム31が、寿命になるまであと何枚の記録用紙を印刷可能か、を示す数値で、ここでは、未使用の感光体ドラム31で、図9に示すように予め30000枚に設定されている。尚、ここでは、感光体ドラム31が寿命になった段階でIDユニット12を交換することを想定しているため、感光体ドラム31とIDユニット12の印刷可能枚数は等しい。
【0039】
従って、感光体ドラム残寿命値は、この30000枚から、いままでに何枚の記録用紙を印刷したかを示す数値、即ち感光体ドラム寿命カウンタ値を一枚の印刷に要する回転数で割った数値を減算することで算出できる。
【0040】
また図9では、ここでは新品(未使用)トナーカートリッジ16に収容されているトナー量で5000枚の記録用紙の印刷が可能であることを示し、図10では、トナーフルレベル26のトナー量だけで2100枚の印刷が可能であり、閾値1がトナーフルレベルでの印刷可能枚数に設定されていることを示している。即ち、閾値1は、IDユニット12に充満する量のトナーが消費されるまでの印刷量を示す第1の閾値に相当する。
【0041】
図8において、上段はトナーカートリッジ16内のトナーの収容量(残量)を示し、下段はIDユニット12のトナー収容部24内のトナーの残量を示す。また下段においてトナーフルレベル26及びトナーローレベル27が示してある。同図(a)は、IDユニット12のトナー収容部24内のトナー量はトナーフルレベル26であり、トナーカートリッジ16内にもトナーが残っている状態を示している。
【0042】
例えば、この同図(a)の状態において、IDユニット12の感光体ドラム残寿命値(残りの印刷可能枚数)が、トナーフルレベルのトナー量での印刷可能枚数2100枚(図10)と同じであったとし、図8(b)に示すようにTCシャッタ18が閉じられていれば、IDユニット12が寿命となるタイミングで、IDユニット12内のトナーは略空になり、無駄なくIDユニット12を交換することが可能となる。
【0043】
従ってこのステップS106では、閾値1を2100とし、感光体ドラム残寿命値と比較し、感光体ドラム残寿命値が閾値1以下となった場合(ステップS106,Yes)、メッセージAを表示して(ステップS107)、ユーザーにトナーカートリッジ16のTCシャッタ18を閉めるように促して、また感光体ドラム残寿命値が閾値1より多かった場合にはそのままステップS110に遷移する。
【0044】
即ち、ステップS104~ステップS109では、IDユニット12内のトナーがトナーフルの状態であるのを確認した上で感光体ドラム残寿命値と閾値1とを比較し、感光体ドラム残寿命値が閾値1以下になった段階で、メッセージAを表示してユーザーにトナーカートリッジ16のTCシャッタ18を閉めるように促し、以後、ユーザーがTCシャッタ18を閉めるまでメッセージAを表示してステップS110に遷移し、トナーがトナーフルレベル以下となった段階ではそのままステップS110に遷移する。プリンタ制御部45は、以上の処理を前記した所定の実施タイミングで実行するものである。
【0045】
従って、ユーザーがメッセージAに従ってTCシャッタ18を閉めた場合、トナーカートリッジ16及びIDユニット12内のトナー、及びTCシャッタ18の各状態は、例えば図8(a)から同図(b)の状態に移行し、以後、トナーの消費と共にIDユニット12内のトナーは減少する。
【0046】
次に、IDユニット12内のトナーが少なくなったときの処理について以下に説明する。
プリンタ制御部45は、ステップS110で、図7に示す第2のメッセージとしてのメッセージB、即ち、「イエローのIDユニットを新品に交換してください。イエローのIDユニットが寿命に達しました。またトナーカートリッジは、交換前のIDユニットに搭載していたものを交換後の新品のIDユニットに装着してください」のメッセージBを表示部58で表示しているか否かを判定する。
【0047】
メッセージBを表示していない場合(ステップS110、No)、プリンタ制御部45は、ステップS102で検知したトナー残量レベルがトナーローレベル27以下、即ちトナーロー状態か否かを判定し、トナーロー状態であればステップS113に遷移し(ステップS111,Yes)、トナーロー状態でなければステップS112に遷移する。尚、図8(c)は、(ステップS111,Yes)の状態を示している。
【0048】
ステップS112で、プリンタ制御部45は、感光体ドラム31が寿命に達したか、即ち感光体ドラム残寿命値が0になったか否かを判定し、寿命に達していなければフローを終了し(ステップS112,No)、寿命に達していれば(ステップS12,Yes)、ステップS113に遷移する。ステップS113ではメッセージBを表示する(ステップS113)。ここでは、時を移さずに発生するトナーロー状態と感光体ドラム31の寿命のうち、どちらか一方が発生したため、IDユニット12とトナーカートリッジ16の交換作業を行うために印刷動作を停止する(ステップS114)。
【0049】
一方、ステップS110でメッセージBを表示していると判定した場合(ステップS110,Yes)、新品のIDユニット12に交換されたか否かを判定し、交換されていない場合にはステップS113に遷移し(ステップS15,No)、交換されている場合には(ステップS15,Yes)、IDユニット12とトナーカートリッジ16の交換作業は不要であるためにメッセージBを消して印刷を続行する(ステップS116,117)。尚、ステップS115の判定は、交換したIDユニット12の感光ドラム寿命カウンタ値が30000程度であるため、不揮発メモリ51から読み出した感光ドラム寿命カウンタ値から判定可能である。
【0050】
図8(d)は、(ステップS115,Yes)の状態を示し、図8(e)は、交換された新品のIDユニット12に、交換前のIDユニットから外したトナーカートリッジ16を再度装着した際に、図示しない装着ロック機構によってTCシャッタ18が開かれた段階の状態を示している。
【0051】
本実施の形態における図示しないロック機構は、IDユニット12に対するトナーカートリッジ16の着脱に伴う両者間の固定及び固定解除を手動或は自動で行い、この両者間の固定及び固定解除に伴って、TCシャッタ18の開閉をも行うものであるが、ここでは更に、TCシャッタ18のみの開閉を、手動或いは自動で行えるような構成となっている。
【0052】
従ってステップS110~ステップS117では、IDユニット12内のトナーがトナーロー状態になったか、或いは感光体ドラム31が寿命に達した段階で、メッセージBを表示して印刷を停止し、ユーザーにIDユニット12の交換、及び交換後のIDユニット12に、交換前に装着していたトナーカートリッジ16を再度装着することを促し、ユーザーがこれ等の一連の処理を完了した段階で印刷を再開するものである。
【0053】
従って、時を移さずに発生することになる、感光体ドラム31の寿命とIDユニット12内のトナーロー状態のうち、トナーロー状態が先に発生した場合にも、トナーなしの状態で印刷処理が行われるのを防ぐことができる。
【0054】
変形例.
ここでの変形例は、図4に示すフローチャートのステップS106で、感光体ドラム残寿命値が閾値1となった段階で、自動でトナーカートリッジ16のTCシャッタを閉じる構成とするものである。従って、ここではステップS107でメッセージAを表示する代わりに「自動でトナーカートリッジ16のTCシャッタを閉じる」処理を実行し、それに伴って、ステップS105、ステップS108、ステップS109を省くものである。
【0055】
従って、この変形例では、ユーザーがトナーカートリッジ16内のTCシャッタ18を閉じる必要がないため、手間が省ける他、TCシャッタ18を開けたままトナーカートリッジ16を取り外す、といった事故を防ぐことができる。
【0056】
尚、ここでは、イエロー(Y)の画像形成ユニット5を対象にして、IDユニット12の交換時期に伴う各メッセージの表示タイミング及び諸動作の処理の流れについて説明したが、実際には、他の色の3つの画像形成ユニット6~8についても、同様のフローが平行して実施されるものである。
【0057】
以上のように、本実施の形態のプリンタによれば、トナーカートリッジ16内にトナーが残っている場合でも、感光体ドラム残寿命値が閾値1となる所定のタイミングでそのTCシャッタを閉じることによって、感光体ドラム31が寿命となった段階でIDユニット12内のトナーを使い切ることが可能となる。従って、寿命となったIDユニット12を新しいIDユニット12に交換後、メッセージに従って、いままで使用していたトナーカートリッジ16を、引き続き交換後のIDユニット12に装着することによって、トナーを無駄にすることなく、IDユニット12の交換を完了することが出来る。
【0058】
実施の形態2.
図11は、本発明に基づく実施の形態2のプリンタによって行われる、IDユニット12の交換時期に伴う、メッセージの表示タイミング及び諸動作の処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
本実施の形態のプリンタが、前記した実施の形態1のプリンタ1と主に異なる点は、図11に示すフローチャートに基づく、IDユニット12の交換時期に伴うメッセージの表示タイミング及び諸動作である。
【0060】
従って、このフローを実行する本実施の形態のプリンタが、前記した実施の形態1のプリンタ1と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。尚、本実施の形態のプリンタの構成は、図1に示す実施の形態1のプリンタ1の要部構成と共通するため、必要に応じて図1図3を参照する。
【0061】
本実施の形態のプリンタによる、IDユニット12の交換時期に伴う警告メッセージの表示タイミング及び諸動作について、図11のフローチャートに沿って以下に説明する。同図のフローチャートにおいて、このフローの実施タイミング、及びステップS201~ステップS203の処理は、前記した実施の形態1で説明したフローの実施タイミング及びステップS101~ステップS103の処理と同じなのでここでの説明を省略する。
【0062】
プリンタ制御部45は、ステップS204で、IDユニット12内のトナー残量レベルがトナーフルレベル26以上、即ちトナーフル状態か否かを判定し、トナーフル状態であればステップS205に遷移し(ステップS204、Yes)、トナーフル状態でなければフローを終了する(ステップS204、Yes)。
【0063】
ステップS205で、プリンタ制御部45は、図12に示す第3のメッセージとしての交換メッセージC、即ち「イエローのイメージドラム寿命が残りわずかです。新しいトナーカートリッジに交換すると、イメージドラムユニット内のトナーを使い切ることが出来ます。また交換時に取り外した古いトナーカートリッジは次回のイメージドラムユニット交換時に再度取り付けて使用することを推奨します。」の交換メッセージCを表示部58で表示しているか否かを判定する。
【0064】
交換メッセージCを表示している場合(ステップS205,Yes)、推奨した新しいトナーカートリッジ16に交換しているか否かを判定し、交換れていれば(ステップS209,Yes)、交換メッセージCを消して(ステップS210)、印刷を続行し(ステップS211)、交換されていなければ(ステップS109,No)、印刷を停止する(ステップS208)。
【0065】
一方、プリンタ制御部45は、ステップS205で、交換メッセージCを表示していないと判定した場合、ステップS201で読み出した使用量としての感光体ドラム寿命カウンタ値から感光体ドラム残寿命値を算出し、感光ドラム残寿命値と第2の閾値としての閾値2を比較する(ステップS206)。ここでの感光体ドラム残寿命値は、前記したように感光体ドラム寿命カウンタ値を、例えば所定サイズの記録用紙の印刷可能枚数に換算した値であり、感光体ドラム31の寿命までの印刷量に相当する。
【0066】
ここで、閾値2の算出方法について、図9図13図14を参照しながら説明する。図9は、未使用のIDユニット12で、寿命となるまでに印刷可能な記録用紙の印刷可能枚数と、新品(未使用)トナーカートリッジのトナー量での印刷可能な記録用紙の刷可能枚数を示す図であり、図13は、トナーフルレベルのトナー量での印刷可能枚数と、閾値2の値を示す図であり、図14は、トナーセンサ検出と閾値2の関係の説明に供する図である。
【0067】
従がって、ここでは新品(未使用)トナーカートリッジ16に収容されているトナー量で5000枚の記録用紙の印刷が可能であり、感光体ドラム残寿命値は、未使用時には30000であることを示し(図9)、トナーフルレベル26のトナー量で2100枚の印刷が可能であることを示している(図13)。また、図13では、閾値2が7100、即ち
閾値2=(トナーフルレベルでの印刷可能枚数
+(新品トナーカートリッジの印刷可能枚数)
に設定されていることを示している。
【0068】
図14において、上段はトナーカートリッジ16内のトナーの収容量(残量)を示し、下段はIDユニット12のトナー収容部24内のトナーの残量を示す。また下段においてトナーフルレベル26及びトナーローレベル27が示してある。同図(a)は、IDユニット12のトナー収容部24内のトナー量はトナーフルレベル26であり、トナーカートリッジ16内にもトナーが残っている状態を示している。
【0069】
この同図(a)の状態において、同図(b)に示すようにTCシャッタ18が閉じられ、同図(c)に示すように未使用の新しいトナーカートリッジ16に交換され、更に同図(d)に示すようにTCシャッタ18が開かれた状態で、IDユニット12の感光体ドラム残寿命値(残りの印刷可能枚数)が、上記した閾値2であったとしたら、IDユニット12が寿命となるタイミングで、同図(e)に示すようにトナーカートリッジ16及びIDユニット12内のトナーが略空になり、無駄なくIDユニット12を交換することが可能となる。
【0070】
従ってこのステップS206では、閾値2を7100とし、感光体ドラム残寿命値と比較し、感光体ドラム残寿命値が閾値2以下となった場合(ステップS2106,Yes)、交換メッセージCを表示して(ステップS207)、ユーザーにトナーカートリッジ16の交換を促して印刷を停止し(ステップS208)、また感光体ドラム残寿命値が閾値2より多かった場合にはそのままフローを終了する。
【0071】
即ち、ステップS204~ステップS211では、IDユニット12内のトナーがトナーフルの状態であるのを確認した上で感光体ドラム残寿命値と閾値2とを比較し、感光体ドラム残寿命値が閾値2以下になった段階で、交換メッセージCを表示してユーザーにトナーカートリッジ16を交換するように促し、以後ユーザーが新しいトナーカートリッジと交換するまで印刷を停止し、交換された場合に印刷を再開する処理が行われる。
【0072】
以上の処理は、図14(a)~図14(d)までの推移に相当する。即ち、同図(a)の状態で感光体ドラム残寿命値が閾値2以下となったとすると、ユーザーによって、同図(b)に示すトナーカートリッジ16から同図(c)に示す新品のトナーカートリッジ16に交換される。その際、図示しないロック機構によって、使用中のトナーカートリッジ16を外す動作に連動するTCシャッタ18の閉処理、及び新品のトナーカートリッジ16の装着動作に連動するTCシャッタ18の開処理が行われる。以後、トナーの消費と共にトナーカートリッジ16内及びIDユニット12内のトナーは減少する。
【0073】
次に、IDユニット12内のトナーが少なくなったときの処理について以下に説明する。この処理については、前記した実施の形態1で説明した図5に示すステップS110~ステップS117までの処理と略同じなので、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0074】
即ち、ここでのフローでは、新たに装着したトナーカートリッジ16が空になり、更にIDユニット12内のトナー量がトナーロー状態になったか、或いは感光体ドラム31が寿命に達した段階(図14(e)の状態に相当)で、第4のメッセージとしてのメッセージBを表示して印刷を停止する。その後ユーザーが、メッセージBに促されてIDユニット12を交換し、更にメッセージB及び先にステップS207で表示した交換メッセージCに促されて、交換後のIDユニット12に、先にトナーが残ったまま外したトナーカートリッジ16を再度装着する一連の処理を完了した段階で(図14(g)の状態に相当)、印刷を再開するものである。
【0075】
以上のように、本実施の形態のプリンタによれば、実施の形態1のプリンタと同様に、トナーを無駄にすることなく、IDユニットの交換を完了することが出来る。更に、ここでは、トナーカートリッジ16がIDユニット12に装着、固定された状態でTCシャッタ18を開く処理がないため、例えば図示しないロック機構を、IDユニット12に対するトナーカートリッジの着脱に伴う両者間の固定及び固定解除に伴って、TCシャッタ18の開閉を行う構成とするだけでよいため、ロック機構の複雑化を避けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
上記した実施形態では、カラープリンタに採用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ、MFP等の画像処理装置にも利用可能である。またカラープリンタについて説明したが、モノクロプリンタであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 プリンタ、 2 駆動ローラ、 3 張架ローラ、 4 転写ベルト、 5 画像形成ユニット、 6 画像形成ユニット、 7 画像形成ユニット、 8 画像形成ユニット、 9 転写ローラ、 10 カバー、 11 ヘッド保持部、 12 IDユニット、 16 トナーカートリッジ、 17 攪拌バー、 18 TCシャッタ、 20 供給口、 21 取入口、 22 本体側シャッタ、 23 シャッタ駆動部、 24 トナー収容部、 25 トナーセンサレバー、 25a トナーセンサ、 26 トナーフルレベル、 27 トナーローレベル、 28a 攪拌スクリュー、 28b 攪拌スクリュー、 29 供給ローラ、 30 現像ローラ、 31 感光体ドラム、 32 帯電ローラ、 33 LEDヘッド、 34 クリーニング部材、 36 TCシャッタセンサ、 41 制御CPU、 42 制御バス、 43 プログラムROM、 44 ワークRAM、 45 プリンタ制御部、 47 画像処理部、 48 外部インタフェース、 51 不揮発メモリ、 52 不揮発メモリ、 53 印刷機構部、 55 定着器ヒータ、 58 表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14