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  • 特開-電動車両のシフト装置 図1
  • 特開-電動車両のシフト装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168412
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】電動車両のシフト装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 7/14 20060101AFI20221031BHJP
   B60K 20/02 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
B60L7/14
B60K20/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073837
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】521537852
【氏名又は名称】ダイムラー トラック エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100176946
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 智恵
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】クルニアワン エドウィン
【テーマコード(参考)】
3D040
5H125
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA10
3D040AA35
3D040AB01
3D040AC36
3D040AC63
3D040AE19
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125CB02
5H125EE41
5H125FF28
(57)【要約】
【課題】電動車両のシフト装置において、ドライバが所望の回生ブレーキ力を容易に選択できるようにする。
【解決手段】電動モータ2により発生する回生ブレーキ力を複数の回生レベルに切換可能な電動車両1のシフト装置10は、ホームポジションと複数のシフトポジションとに移動自在なシフトレバー11を備える。シフトレバー11は、力が加えられることでホームポジションからシフトポジションの何れか一つへ移動し、この力が解除されることでシフトポジションのいずれか一つからホームポジションへ復帰する。シフトポジションには、回生ブレーキ力が増大するように回生レベルを切り換えるアップポジションと、回生ブレーキ力が減少するように回生レベルを切り換えるダウンポジションとが含まれる。アップポジションとダウンポジションとは、ホームポジションを挟んで隣接して配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータにより発生する回生ブレーキ力を複数の回生レベルに切換可能な電動車両のシフト装置であって、
ホームポジションと複数のシフトポジションとに移動自在であり、力が加えられることで前記ホームポジションから前記シフトポジションの何れか一つへ移動し、前記力が解除されることで前記シフトポジションのいずれか一つから前記ホームポジションへ復帰するシフトレバーを備え、
前記シフトポジションには、前記回生ブレーキ力が増大するように前記回生レベルを切り換えるアップポジションと、前記回生ブレーキ力が減少するように前記回生レベルを切り換えるダウンポジションとが含まれ、
前記アップポジションと前記ダウンポジションとは、前記ホームポジションを挟んで隣接して配置されている
ことを特徴とする、電動車両のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、電動モータを備えた電動車両において回生ブレーキ力の大きさを切り換えるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動モータで走行する電動車両は、コースティング走行時や減速走行時に電動モータを発電機として作動させることで回生ブレーキ力を得ることが知られている。回生エネルギ(回生発電量)を多く確保する観点では、回生ブレーキ力を大きくすることが望ましいものの、回生ブレーキ力が常時大きいと、電動車両の走行状態によっては減速度が大きくなり、ドライバに違和感を与える虞がある。
【0003】
これに対し、ステアリングに設けられたパドルスイッチに対するドライバからの操作に応じて回生ブレーキ力を段階的に変更可能にすることが提案されている。例えば特許文献1には、パドルスイッチへの操作に応じて回生ブレーキ力を細かく増減できるようにする一方で、運転席に設けられたシフトレバーへの操作に応じて回生ブレーキ力を大幅に増大できるようにした技術が開示されている。この技術によれば、パドルスイッチを用いて回生ブレーキ力をきめ細かく増減できるとともに、シフトレバーを用いて回生ブレーキ力を素早く増大できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-029417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のようなパドルスイッチは、ステアリングに設けられていることから、例えばカーブ路でドライバがステアリングを回転操作している最中にはパドルスイッチを操作しにくいという課題がある。また、特許文献1に記載のシフトレバーでは、回生ブレーキ力を大幅に増大させることはできたとしても、回生ブレーキ力を段階的に増減させることができない。よって、従来の技術は、ドライバが所望の回生ブレーキ力を容易に選択できるようにするうえで改善の余地がある。
【0006】
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、電動車両のシフト装置において、ドライバが所望の回生ブレーキ力を容易に選択できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本件は上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現できる。
本適用例に係る電動車両のシフト装置は、電動モータにより発生する回生ブレーキ力を複数の回生レベルに切換可能な電動車両のシフト装置であって、ホームポジションと複数のシフトポジションとに移動自在であり、力が加えられることで前記ホームポジションから前記シフトポジションの何れか一つへ移動し、前記力が解除されることで前記シフトポジションのいずれか一つから前記ホームポジションへ復帰するシフトレバーを備え、前記シフトポジションには、前記回生ブレーキ力が増大するように前記回生レベルを切り換えるアップポジションと、前記回生ブレーキ力が減少するように前記回生レベルを切り換えるダウンポジションとが含まれ、前記アップポジションと前記ダウンポジションとは、前記ホームポジションを挟んで隣接して配置されていることを特徴としている。
【0008】
このように、いわゆるモーメンタリー型のシフトレバーのシフトポジションに、回生レベルを切り換えるアップポジション及びダウンポジションが含まれていれば、ドライバがシフトレバーをホームポジションからアップポジションやダウンポジションへと移動させる操作のみで、回生レベルを容易に素早く切り換えられる。したがって、従来のようにステアリングに設けられたパドルスイッチを操作する場合と比べて、ステアリングを回転操作している最中にも、シフトレバーの操作により回生レベルを容易に切り換えられる。また、回生レベルを切り換えるためにボタンやスイッチ等を予め押す必要がないため、回生レベルの切換が更に容易となる。
【0009】
加えて、アップポジション及びダウンポジションがホームポジションを基準として互いに反対側に設けられたレイアウトによれば、ドライバが回生レベルを直感的かつ動的に増減させられる。このため、ドライブフィーリングの向上に寄与する。
よって、本適用例に係る電動車両のシフト装置によれば、ドライバが所望の回生ブレーキ力を容易に選択(設定)できる。また、上記のとおり回生レベルの切換操作が容易であることから、回生レベルの切換時におけるドライバの操作ミスを抑制できる。
【発明の効果】
【0010】
本件によれば、ドライバが所望の回生ブレーキ力を容易に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る電動車両の構成図である。
図2図1に示す電動車両のシフト装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照して、本件の実施形態(適用例)について説明する。この実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0013】
[1.構成]
図1に示すように、電動車両1には、電動機(駆動源)及び発電機の双方として機能する電動モータ2が搭載される。電動モータ2は、例えば永久磁石式同期電動機であり、電動機として機能する力行時には駆動輪7を回転駆動するための駆動トルクを発生させ、発電機として機能する回生時には駆動輪7の回転力で発電するための回生トルクを発生させる。電動モータ2が回生トルクを発生させることで、駆動輪7には回生ブレーキ力が作用する。電動車両1は、このように電動モータ2により発生する回生ブレーキ力を複数の回生レベルに切換可能に構成されている。なお、電動車両1に搭載される駆動源の数や種類は、追加されうる。例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを第二の駆動源として搭載するハイブリッド型の電動車両1に本件を適用することが可能である。
【0014】
電動モータ2には、リチウムイオン電池,ニッケル水素電池等の二次電池であるバッテリ3が接続される。バッテリ3は、外部充電(例えば普通充電や急速充電)が可能とされ、電動モータ2で生成される回生発電電力の充電も可能とされる。
バッテリ3と電動モータ2とを接続する給電回路上には、インバータ4が介装される。インバータ4は、バッテリ3側の直流電力を交流電力に変換して電動モータ2に供給するとともに、電動モータ2側の交流電力を直流電力に変換してバッテリ3に供給する。
【0015】
電動車両1の力行時は、電動モータ2で発生した駆動トルクが、変速機構5(トランスミッション)を介してプロペラシャフトに伝達された後、ディファレンシャル装置6を介して駆動輪7に伝達される。また、電動車両1の回生時は、力行時とは反対に、駆動輪7の回転力が電動モータ2に伝達される。変速機構5は、電動モータ2から伝達される回転駆動力を変速するものであり、例えば減速ギヤや変速用歯車機構等を含む。ディファレンシャル装置6は、左右の駆動輪7の間に介装される駆動力分配機構であり、左右の駆動輪7の回転数差を吸収する差動歯車を内蔵する。なお、図1には、図示しないキャブ及び荷箱を備えたトラックである電動車両1を例示する。この電動車両1では、荷箱の下方に配置される後輪が駆動輪7となっているが、キャブの下方に配置される前輪を駆動輪7としてもよいし、前輪及び後輪の両方を駆動輪7としてもよい。
【0016】
電動車両1のシフト装置10は、ドライバが乗るキャブ内に設けられたシフトレバー11を備えている。シフトレバー11は、ドライバが電動車両1の運転中(ステアリングの操作中)にも容易に操作可能となるように、運転席の近傍(運転席に着座したドライバの手が届く範囲)においてステアリングとは異なる位置に設けられている。
シフトレバー11は、ドライバによる操作に応じて、電動車両1の走行モードを切り換える機能と回生時の回生レベルを切り換える機能とを併せもつ。図2に示すように、ここでは基準位置であるホームポジション(図2中の「H」)のほかに、電動車両1の走行モードに対応する三つのシフトポジション(図2中の「R」,「N」,「D」)と、回生レベルを増減させるための二つのシフトポジション(図2中の「+」,「-」)との合計六つの位置に移動自在なシフトレバー11を例示する。以下、ホームポジションを「H位置」ともいう。
【0017】
シフトレバー11は、ドライバによる操作に応じて任意のシフトポジションに一時的に移動させられる、いわゆるモーメンタリー型のものである。具体的にいえば、シフトレバー11は、力が加えられることでH位置から複数のシフトポジションの何れか一つへ移動し、この力が解除される(加えられていた力から解放される)ことでシフトポジションのいずれか一つからH位置へと自動的に復帰する。なお、H位置は「ステーショナリーポジション」とも呼ばれ、各シフトポジションは「モーメンタリーポジション」とも呼ばれる。
【0018】
走行モードに対応する三つのシフトポジションとしては、ニュートラルポジション(中立レンジ)と、リバースポジション(後退走行レンジ)と、ドライブポジション(前進走行レンジ)とを例示する。以下、これらのシフトポジションを、それぞれ「N位置」,「R位置」,「D位置」ともいう。運転席に着座したドライバから視て、N位置,R位置及びD位置は、H位置よりも右側に設けられており、縦方向(左右方向と直交する方向)に並んでいる。詳細にいえば、N位置がH位置の右隣(真横)に配置され、R位置及びD位置がN位置を挟むとともにN位置にそれぞれ隣接して配置されている。図2には、運転席に着座したドライバから視てR位置がD位置よりも前方(又は上方)に配置された例を示す。
【0019】
一方、回生レベルを増減させるための二つのシフトポジションとしては、回生ブレーキ力が増大するように回生レベルを切り換えるアップポジションと、回生ブレーキ力が減少するように回生レベルを切り換えるダウンポジションとが設けられる。以下、これらのシフトポジションを、それぞれ「+位置」及び「-位置」ともいう。+位置及び-位置は、H位置を挟むとともにH位置にそれぞれ隣接して配置される。詳細にいえば、H位置,+位置及び-位置は、運転席に着座したドライバから視て、上記のN位置,R位置及びD位置と同様に縦方向に並んでいる。図2には、運転席に着座したドライバから視て+位置が-位置よりも前方(又は上方)に配置された例を示す。
【0020】
シフトレバー11は、H位置に隣接するN位置,+位置及び-位置の各々には、H位置から直接的に移動可能である。これに対し、シフトレバー11は、H位置に隣接しないR位置及びD位置には、H位置からN位置を経て間接的に移動する。このように、シフトレバー11の移動経路は、+位置及び-位置を結ぶ縦方向の直線と、R位置及びD位置を結ぶ縦方向の直線と、H位置及びN位置を結ぶ横方向の直線とで、H字状をなす。
【0021】
シフトレバー11で切り換えられる(選択される)回生レベルとしては、例えば、回生ブレーキ力(回生トルク)がほぼ0に設定される第一レベル,エンジン搭載車両におけるエンジンブレーキ相当の回生ブレーキ力が設定される第二レベル,第二レベルの回生ブレーキ力よりも大きく、エンジン搭載車両における排気ブレーキ相当の回生ブレーキ力が設定される第三レベル,第三レベルよりもさらに大きな回生ブレーキ力が設定される第四レベル等が含まれる。各回生レベルで設定される回生ブレーキ力は、第一レベルから第四レベルに向けて段階的に大きくなる。以下、回生ブレーキ力が大きくなる方向に(例えば、第一レベルから第二レベルに)回生レベルを切り換えることを「回生レベルを上げる」ともいう。また、これとは反対に、回生ブレーキ力が小さくなる方向に(例えば、第二レベルから第一レベルに)回生レベルを切り換えることを「回生レベルを下げる」ともいう。
【0022】
シフト装置10は、シフトレバー11がH位置から一時的に移動したシフトポジションの情報を電子制御装置8に伝達する。電子制御装置8は、シフト装置10から伝達された情報に基づいて、電動車両1の走行モード及び回生レベルが切り換えられるようにインバータ4を制御する。例えば、電子制御装置8は、シフトレバー11がH位置からR位置へ移動したとの情報を受信した場合には、電動車両1が後退走行するようにインバータ4を制御する。また、電子制御装置8は、シフトレバー11がH位置から+位置へ移動したとの情報を受信した場合には、回生ブレーキ力(回生トルク)が現在の設定値よりも大きくなる(回生レベルが上がる)ようにインバータ4を制御する。反対に、電子制御装置8は、シフトレバー11がH位置から-位置へ移動したとの情報をシフト装置10から受けた場合には、回生ブレーキ力(回生トルク)が現在の設定値よりも小さくなる(回生レベルが下がる)ようにインバータ4を制御する。
【0023】
シフトレバー11の操作に応じた回生レベルの切換は、電動車両1の走行モードにかかわらず行われる。すなわち、回生レベルは、電動車両1の前進走行中(D位置に対応する走行モードの選択中)だけでなく、電動車両1の後退走行中(R位置に対応する走行モードの選択中)にも、シフトレバー11の+位置や-位置への移動に応じて切り換えられる。ただし、電動車両1のニュートラル状態では(N位置に対応する走行モードの選択中は)、シフトレバー11の操作に応じて回生レベルの設定値は変更されるものの、その設定値に対応する回生ブレーキ力(回生トルク)が電動モータ2から実際に発生させられるのは、ニュートラル状態が解除された後(R位置又はD位置に対応する走行モードへの切換後)の回生時である。
【0024】
[2.作用及び効果]
上記の電動車両1のシフト装置10によれば、モーメンタリー型のシフトレバー11のシフトポジションに、回生レベルを切り換える+位置及び-位置が含まれているため、ドライバがシフトレバー11をH位置から+位置や-位置へと移動させる操作のみで、回生レベルを容易に素早く切り換えられる。したがって、従来のようにステアリングに設けられたパドルスイッチを操作する場合と比べて、ステアリングを回転操作している最中にも、シフトレバー11の操作により回生レベルを容易に切り換えられる。また、回生レベルを切り換えるためにボタンやスイッチ等を予め押す必要がないため、回生レベルの切換が更に容易となる。
【0025】
加えて、上記のシフト装置10では、+位置及び-位置がH位置を挟んで隣接して配置されている。このように、+位置及び-位置がH位置を基準として互いに反対側に設けられたレイアウトによれば、ドライバが回生レベルを直感的かつ動的に増減させられる。このため、ドライブフィーリングの向上に寄与する。
以上より、シフト装置10によれば、ドライバが所望の回生ブレーキ力を容易に選択(設定)できる。また、上記のとおり回生レベルの切換操作が容易であることから、回生レベルの切換時におけるドライバの操作ミスを抑制できる。
【0026】
また、電動車両1の走行モードにかかわらず、シフトレバー11の+位置や-位置への移動回数に応じて回生レベルを段階的に(例えば第一レベルから第二レベルや第三レベルや第四レベルに)切換可能とすることで、ドライバが所望の回生ブレーキ力を更に容易に選択(設定)可能となる。この場合には、電動車両1の実際の回生時よりも前に回生レベルを予め切り換えて(変更して)おけるため、回生レベルの切換の自由度を一層高められる。よって、シフト装置10の利便性を高められる。
【0027】
[3.その他]
上記のH位置やシフトポジションの配置は一例であって、シフトレバー11の移動経路は上記のようなH字状に限定されない。シフトポジションには、少なくとも+位置及び-位置の二つが含まれていればよい。したがって、上記のR位置やD位置等は省略されてもよいし、これらのR位置やD位置等に代えて(あるいは加えて)他のシフトポジション(例えばパーキングポジション〔駐車レンジ,P〕)が含まれてもよい。また、+位置及び-位置は、H位置を挟んで隣接して配置されていればよく、上記のように縦方向に並ぶレイアウトに代えて、横方向に並ぶレイアウトとされてもよい。
【0028】
シフトレバー11の操作に応じた回生レベルの切換は、電動車両1の前進走行中にのみ行われてもよい。換言すれば、R位置やN位置に対応する走行モードの選択中には、シフトレバー11の+位置や-位置への操作が無効化(無視)されてもよい。
シフトレバー11で切換可能な回生レベルは、少なくとも二種類あればよく、上記の第一レベルから第四レベルまでの四種類に限定されない。例えば、五種類の回生レベルが設けられている場合には、シフトレバー11を+位置に四回移動させることにより、回生レベルを最小から最大まで上げられる。
【符号の説明】
【0029】
1 電動車両
2 電動モータ
3 バッテリ
4 インバータ
5 変速機構
6 ディファレンシャル装置
7 駆動輪
8 電子制御装置
10 シフト装置(電動車両のシフト装置)
11 シフトレバー
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータにより発生する回生ブレーキ力を複数の回生レベルに切換可能な電動車両のシフト装置であって、
ホームポジションと複数のシフトポジションとに移動自在であり、力が加えられることで前記ホームポジションから前記シフトポジションの何れか一つへ移動し、前記力が解除されることで前記シフトポジションのいずれか一つから前記ホームポジションへ復帰するシフトレバーを備え、
前記シフトポジションには、前記回生ブレーキ力が増大するように前記回生レベルを切り換えるアップポジションと、前記回生ブレーキ力が減少するように前記回生レベルを切り換えるダウンポジションとが含まれ、
前記アップポジションと前記ダウンポジションとは、前記ホームポジションを挟んで隣接して配置されている
ことを特徴とする、電動車両のシフト装置。
【請求項2】
前記シフトレバーが前記ホームポジションから移動した前記シフトポジションの情報に基づき、前記回生ブレーキ力を制御する電子制御装置を備え、
前記シフトポジションには、前記電動車両を前進走行させる前進走行レンジと、前記電動車両を後退走行させる後退走行レンジとの少なくとも一方が含まれ、
前記電子制御装置は、前記シフトレバーが前記前進走行レンジ又は前記後退走行レンジに移動したことにより前記電動車両が前進走行中又は後退走行中である場合に、前記シフトレバーが前記アップポジション又は前記ダウンポジションへ移動したとの前記情報を受信したら、前記回生ブレーキ力を増減させる
ことを特徴とする、請求項1に記載の電動車両のシフト装置。
【請求項3】
前記シフトポジションには、前記電動車両をニュートラル状態とする中立レンジが含まれ、
前記電子制御装置は、前記シフトレバーが前記中立レンジに移動したことにより前記電動車両がニュートラル状態である場合に、前記シフトレバーが前記アップポジション又は前記ダウンポジションへ移動したとの前記情報を受信したら、前記回生レベルの設定値を変更し、前記ニュートラル状態が解除された後の回生時に前記設定値に対応する前記回生ブレーキ力を発生させる
ことを特徴とする、請求項2に記載の電動車両のシフト装置。
【請求項4】
前記シフトポジションには、前記前進走行レンジが含まれ、
前記シフトレバーの操作に応じた前記回生レベルの切換は、前記前進走行レンジ選択中のみ行なわれる
ことを特徴とする、請求項2に記載の電動車両のシフト装置。
【請求項5】
前記アップポジションと前記ダウンポジションとは、前記ホームポジションを挟んで前記電動車両の前後方向または上下方向または左右方向に並んでいる
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の電動車両のシフト装置。
【請求項6】
前記シフトレバーの前記アップポジション又は前記ダウンポジションへの移動回数に応じて前記回生レベルが段階的に切り換えられる
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の電動車両のシフト装置。