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特開2022-168430電気機器収納用箱及び屋根カバー部材
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  • 特開-電気機器収納用箱及び屋根カバー部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168430
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】電気機器収納用箱及び屋根カバー部材
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/30 20060101AFI20221031BHJP
   H02B 1/28 20060101ALI20221031BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
H02B1/30 F
H02B1/28 E
H05K7/20 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073880
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚原 正浩
(72)【発明者】
【氏名】宮川 貴行
【テーマコード(参考)】
5E322
5G016
【Fターム(参考)】
5E322AA11
5E322AB11
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA05
5E322CA06
5E322EA11
5G016AA04
5G016CB01
(57)【要約】
【課題】遮光板を電気機器収納用箱の上部に取り付ける際の作業性を向上させること。
【解決手段】扉11と側板12を備えた箱本体10と、箱本体10の上部を覆い、平面視で箱本体10の外側に位置する部分で吸排気可能な吸排気口21を備える屋根部材20と、屋根部材20の一端を覆う屋根カバー部材30と、を備えた電気機器収納用箱1であって、遮光板40を屋根カバー部材30上に取り付け可能とする遮光板取付部91を備えた構成とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉と側板を備えた箱本体と、箱本体の上部を覆い、平面視で箱本体の外側に位置する部分で吸排気可能な吸排気口を備える屋根部材と、屋根部材の一端を覆う屋根カバー部材と、を備えた電気機器収納用箱であって、遮光板を屋根カバー部材上に取り付け可能とする遮光板取付部を備えた電気機器収納用箱。
【請求項2】
遮光板取付部を、平面視で屋根カバー部材と屋根部材に重複する位置に配置した請求項1に記載の電気機器収納用箱。
【請求項3】
屋根カバー部材と屋根部材とで区画された空間を形成し、前記空間の上方で、遮光板取付部を用いて遮光板を取り付ける請求項2に記載の電気機器収納用箱。
【請求項4】
遮光板取付部を、屋根カバー部材を屋根部材に取り付けるための屋根カバー取付部と兼用した請求項1~3の何れかに記載の電気機器収納用箱。
【請求項5】
扉と側板を備えた箱本体と、箱本体の上部を覆い、平面視で箱本体の外側に位置する部分で吸排気可能な吸排気口を備える屋根部材と、を備えた電気機器収納用箱の屋根部材の一端を覆う屋根カバー部材であって、屋根カバー部材上に遮光板を取り付け可能とする遮光板取付部を備えた屋根カバー部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器収納用箱及び屋根カバー部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、キュービクルの屋根部材に遮光板を備える構造が知られている。例えばキュービクルを設置した後に、追加で遮光板を取り付けようとすると、屋根部材を取り外して遮光板を支持する支持部材を固定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-182351号公報
【0004】
しかしながら、キュービクルなどの奥行きのある電気機器収納用箱の屋根部材は、金属製の大きな板材で形成されている。このため、屋根部材の着脱を行う場合は、屋根部材に備えたアイボルトを使用してクレーン等の重機を用いて着脱作業を行う必要があり、作業性が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、遮光板を電気機器収納用箱の上部に取り付ける際の作業性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、扉と側板を備えた箱本体と、箱本体の上部を覆い、平面視で箱本体の外側に位置する部分で吸排気可能な吸排気口を備える屋根部材と、屋根部材の一端を覆う屋根カバー部材と、を備えた電気機器収納用箱であって、遮光板を屋根カバー部材上に取り付け可能とする遮光板取付部を備えた電気機器収納用箱とする。
【0007】
また、遮光板取付部を、平面視で屋根カバー部材と屋根部材に重複する位置に配置した構成とすることが好ましい。
【0008】
また、屋根カバー部材と屋根部材とで区画された空間を形成し、前記空間の上方で、遮光板取付部を用いて遮光板を取り付ける構成とすることが好ましい。
【0009】
また、遮光板取付部を、屋根カバー部材を屋根部材に取り付けるための屋根カバー取付部と兼用することが好ましい。
【0010】
また、扉と側板を備えた箱本体と、箱本体の上部を覆い、平面視で箱本体の外側に位置する部分で吸排気可能な吸排気口を備える屋根部材と、を備えた電気機器収納用箱の屋根部材の一端を覆う屋根カバー部材であって、屋根カバー部材上に遮光板を取り付け可能とする遮光板取付部を備えた屋根カバー部材とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、遮光板を電気機器収納用箱の上部に取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態における電気機器収納用箱の斜視図である。
図2】実施形態における電気機器収納用箱の上部の分解斜視図である。
図3図2のIII領域の部分拡大図である。
図4図3に示す部分を異なる方向から見た状態を示す図である。
図5図1に示す電気機器収納用箱を切断した状態における遮光板取付部周りの部分拡大図である。
図6図5に示す部分を前面から見た図である。
図7図5とは異なる部分で切断した状態における遮光板取付部周りの部分拡大図である。
図8図7に示す部分を前面から見た図である。
図9】第一の変形例の分解斜視図である。
図10図9に示す変形例の電気機器収納用箱を切断した状態における遮光板取付部周りの部分拡大図である。
図11図10に示す部分を前面から見た図である。
図12】第二の変形例の分解斜視図である。
図13図12に示す変形例の電気機器収納用箱を切断した状態における遮光板取付部周りの部分拡大図である。
図14図13に示す部分を前面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1乃至図8に示されていることから理解されるように、本実施形態の電気機器収納用箱1は、扉11と側板12を備えた箱本体10と、箱本体10の上部を覆い、平面視で箱本体10の外側に位置する部分で吸排気可能な吸排気口21を備える屋根部材20と、屋根部材20の一端を覆う屋根カバー部材30と、を備えている。また、この電気機器収納用箱1は、遮光板40を屋根カバー部材30上に取り付け可能とする遮光板取付部91を備えている。このため、遮光板40を電気機器収納用箱1の上部に取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
【0014】
ここで、実施形態の電気機器収納用箱1の概略から説明をする。電気機器収納用箱1は扉11と側板12を備えた箱本体10を備えている。扉11は電気機器収納用箱1の側面の必要な箇所に備えられるものであるが、実施形態では、電気機器収納用箱1の前後方向に扉11を備えており、左右側面には側板12を備えている。このようにして形成された箱本体10の上部は屋根部材20により覆われている。実施形態の屋根部材20は平面視で箱本体10の前後方向に突出する部分を備えている。また、屋根部材20は平面視で箱本体10の外側に位置する部分で吸排気可能な吸排気口21を備えている。つまり、実施形態では屋根部材20の前端側と後端側に吸排気口21を備えている。したがって、扉11の上方側で吸排気ができる構成となっている。
【0015】
実施形態の電気機器収納用箱1は、屋根部材20の一端を覆うように屋根カバー部材30が取り付けられている。屋根カバー部材30は、屋根部材20よりも幅狭に形成されており、その一部を平面視で屋根部材20と重複するように屋根部材20の上方に位置させている。
【0016】
図1及び図2に示す例では、屋根部材20の左右端部の各々に、屋根部材20よりも左右方向に幅狭に形成されている屋根カバー部材30が取り付けられている。実施形態の電気機器収納用箱1には、日射を遮る遮光板40を取り付けるための遮光板取付部91を備えている。遮光板40は屋根カバー部材30で支えられているため、屋根部材20と遮光板40の距離を確保することができる。なお、図1に示す例では、遮光板40を、左右方向に間隔をあけて配置した屋根カバー部材30間に渡るように取り付けている。
【0017】
実施形態の屋根部材20は、屋根部材20の左右端部を上下方向に延びるように折り曲げることで垂直辺22を形成している。図3に示す例では、垂直辺22にコ字状の部材93を溶接固定している。このコ字状の部材93は、屋根カバー部材30を屋根部材20に取り付けるために用いられる屋根カバー取付部として機能する。また、実施形態の屋根部材20は、垂直辺22の端部から垂直辺22と略90度をなすように延びる水平辺23を形成している。
【0018】
屋根部材20の一端は屋根カバー部材30で覆われるが、実施形態の屋根カバー部材30は、屋根部材20より上方で広がる上辺31と、主として上辺31の端部より屋根部材20に向けて下方に延びる内側辺32と、を備えている。なお、この例では、内側辺32に、屋根カバー部材30を屋根部材20に固定するために用いられる取付穴33を備えている。
【0019】
図3から図6に示すことから理解されるように、屋根カバー部材30を屋根部材20の一端を覆うように配置し、この取付穴33と屋根カバー取付部に設けられた穴に取り付けボルト94を挿入して締め付けることで、屋根部材20に対して屋根カバー部材30を固定することができる。なお、実施形態においては、屋根部材20の垂直辺22と水平辺23は、平面視で屋根カバー部材30の上辺31に覆われることとなる。
【0020】
図6に示す例では、遮光板取付部91となるボススタッドを屋根カバー部材30の上辺31に溶接固定している。この例では、屋根カバー部材30の上辺31に備えられたボススタッドに遮光板40を載置し、取付ボルト95を使用して締め付け固定することで、遮光板40を屋根カバー部材30に取り付けている。なお遮光板40を屋根カバー部材30に載置しているのであれば、必ずしもボススタッドに遮光板40を載置する必要は無い。
【0021】
後施工により遮光板40を取り付ける際には、屋根部材20よりも幅狭に形成された屋根カバー部材30を外し、ボススタッドなどの遮光板取付部91を備えた屋根カバー部材30に交換すればよい。屋根部材20よりも幅狭に形成された屋根カバー部材30はクレーン等の重機を使用することなく、人力で着脱を行うことが可能であり、遮光板40を電気機器収納用箱1の上部に取り付ける際の作業性を向上することができる。また、電気機器収納用箱1に遮光板取付部91があらかじめ取り付けられていれば、後施工により遮光板40を取り付ける作業も負担を軽減することができる。
【0022】
ところで、遮光板取付部91は、平面視で屋根カバー部材30と屋根部材20に重複する位置に配置するのが好ましい。このようにすれば、屋根カバー部材30の遮光板取付部91の周囲から雨などの水が浸入したとしても、下方に位置する屋根部材20により箱本体10の内部に水が浸入することを防ぐことができる。なお、一般的にキュービクルなどの屋根部材20は前方から後方に向かって傾斜した構造となっているため、屋根部材20に滴下した水は後方へ向かって流れ、後方端部から滴下することとなる。図2から図8に示す例では、遮光板取付部91となるボススタッドは、屋根カバー部材30の上辺31に備えられているが、その下方に屋根部材20が配置されている。
【0023】
また、屋根カバー取付部の下方に屋根部材20が配置されることも好ましい。遮光板取付部91の例と同様に、屋根カバー取付部の周囲から雨などの水が浸入したとしても、下方に位置する屋根部材20により箱本体10の内部に水が浸入することを防ぐことができ、電気機器収納用箱1の防水性能を高めることができる。
【0024】
また、屋根カバー部材30と屋根部材20とで区画された空間を形成し、前記空間の上方で、遮光板取付部91を用いて遮光板40を取り付けるようにするのが好ましい。遮光板取付部91に取り付ける遮光板40の荷重を、区画を形成する部位で支えることができ、遮光板40を取り付けたときにも電気機器収納用箱1の強度を保つことができる。
【0025】
図5から図8に示す例では、屋根カバー部材30を屋根部材20に取り付けたとき、屋根部材20の左右端部を折り曲げて形成した水平辺23は、屋根カバー部材30の上辺31に当接する。また、屋根カバー部材30の内側辺32の先端部は、屋根部材20に当接する。このように屋根部材20と屋根カバー部材30の先端が互いに当接する構成とすることで、電気機器収納用箱1の前後方向に延びた略筒状の空間が形成される。この空間の上方で遮光板取付部91を用いて遮光板40を屋根カバー部材30に取り付けている。
【0026】
図9から図11に示す例では、屋根カバー部材30を屋根部材20に取り付けるための取付穴33を屋根カバー部材30の上辺31に設けている。遮光板取付部91となるボススタッドは屋根部材20に溶接固定されているが、屋根部材20の中でもこの取付穴33と対応する位置に、ボススタッドが固定されている。この例では、取付穴33の位置をボススタッドの位置にあわせるように調整して、取付ボルト95を用いて締め付け固定することで屋根カバー部材30を屋根部材20に取り付けることができるようになっている。
【0027】
また、この例では、遮光板40の左右端部を折り曲げ、遮光面41と平行となる取付辺42を形成している。この遮光板40を遮光板取付部91となるボススタッドの位置に合わせることで、屋根カバー部材30と共締めすることができる。つまり、遮光板取付部91を、屋根カバー部材30を屋根部材20に取り付けるための屋根カバー取付部と兼用することができる。遮光板取付部91と屋根カバー取付部とを兼用する構造とすれば、後施工で遮光板40を取り付ける場合でも、屋根カバー取付部の取付ボルト95を一旦外し、遮光板40を屋根カバー部材30に載置した後に、再び取付ボルト95を締め付け固定すればよい。このため、屋根部材20や屋根カバー部材30を箱本体10から取り外すことなく、遮光板40を取り付けることができる。
【0028】
ここまでの例では、遮光板取付部91としてボススタッドを用いている。しかしながら、遮光板取付部91はボススタッドである必要は無い。例えば角柱形状の支柱などの部材を遮光板取付部91として使用することもできる。図12から図14に示す例では、遮光板取付部91として用いる支柱は、一方の端部に遮光板40を取り付けるねじ形状を備え、もう一方の端部に段部を備えている。より詳しくは支柱の上部に雌ねじ形状を備え、支柱の下部に段部を備えている。
【0029】
段部は、屋根カバー部材30を屋根部材20に取り付けたときの、上辺31と屋根部材20との高さの差に対応できるように形成されている。なお、図13及び図14に示す例では、この支柱は、屋根カバーと共に屋根カバー取付部に取り付けボルト94を使用して締め付け固定されている。とはいえ、このような例に限定される必要は無く、溶接などにより支柱を屋根カバー部材30に固定してもよい。
【0030】
図12から図14に示す例では、屋根カバー部材30に取り付けられた支柱の上部に遮光板40を載置し、取付ボルト95を使用して締め付け固定することで、遮光板40を取り付けている。
【0031】
支柱の一部を屋根部材20に当接することができるため、支柱にかかる遮光板40の荷重を屋根カバー部材30だけでなく、屋根部材20にも分散させることができる。また、遮光板40を取り付けたときも電気機器収納用箱1の強度を保つことができる。
【0032】
遮光板40は箱本体10の上面を一枚で覆えるような大きさのものとしても良いが、複数枚の遮光板40を組み合わせることにより遮光性能を確保するようにしても良い。このようにすれば、一枚の遮光板40の大きさを抑制することができるため、遮光板40の取り付け作業がしやすくなる。なお、図1に示す例では遮光板40は、電気機器収納用箱1の前側に配置する遮光板40と後側に配置する遮光板40を別々に設けている。
【0033】
複数の遮光板40を同一面上に並べるようにすれば、遮光板40を小さくすることができ、積雪時の雪の重みで遮光板40が変形することを抑制することも期待できる。なお、積雪などを考慮すると、電気機器収納用箱1の前後長さ程度の遮光板40を用いる場合、遮光板40の下方に、荷重による変形を抑制するための支持部材(図示せず)を備えるようにすることが好ましい。この支持部材は、左右の屋根カバー部材30間に渡るように屋根カバー部材30に取り付けることが好ましい。支持部材を屋根カバー部材30に取り付ける構造とすれば、遮光板40の取り付け作業と同様に支持部材の取り付け作業の効率を向上させることができる。
【0034】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、遮光板として、太陽光パネルを取り付けてもよい。
【0035】
また、実施形態では、1つの電気機器収納用箱で説明してきたが、電気機器収納用箱は複数を組み合わせて大きな箱として使用するものとしても良い。
【符号の説明】
【0036】
1 電気機器収納用箱
10 箱本体
11 扉
12 側板
20 屋根部材
21 吸排気口
30 屋根カバー部材
40 遮光板
91 遮光板取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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