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特開2022-168440配線基板、表示装置及び配線基板の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168440
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】配線基板、表示装置及び配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20221031BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20221031BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
G09F9/30 336
G09F9/30 338
G02F1/1343
H01L29/78 616U
H01L29/78 617L
H01L29/78 616V
H01L29/78 617M
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073901
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 公彦
(72)【発明者】
【氏名】寺内 崇
(72)【発明者】
【氏名】松本 龍児
(72)【発明者】
【氏名】板倉 良次
(72)【発明者】
【氏名】市川 雅士
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一成
(72)【発明者】
【氏名】数見 理
(72)【発明者】
【氏名】森広 和利
【テーマコード(参考)】
2H092
5C094
5F110
【Fターム(参考)】
2H092GA29
2H092GA60
2H092JA26
2H092JA40
2H092JA44
2H092JA46
2H092JB24
2H092JB33
2H092JB38
2H092JB56
2H092KB04
2H092MA13
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA27
5C094BA43
5C094DA13
5C094DB10
5C094EA10
5C094FB12
5C094FB15
5F110AA03
5F110BB01
5F110DD02
5F110EE02
5F110EE11
5F110EE14
5F110HK02
5F110HK17
5F110HK21
5F110NN03
5F110NN24
5F110QQ19
(57)【要約】
【課題】配線抵抗の低減を図るとともに基板の変形を抑制する。
【解決手段】アレイ基板12は、ガラス基板12GSと、ガラス基板12GS上に積層される第1金属膜F1からなりガラス基板12GSの板面に沿って延在する第1ゲート配線構成部15Aと、少なくともガラス基板12GS上に積層される第1絶縁膜F2であって、第1ゲート配線構成部15Aと重畳するよう配されて第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在する第1開口F2Aを有する第1絶縁膜F2と、少なくとも第1金属膜F1上に積層される第2金属膜F3からなり第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在していて第1ゲート配線構成部15Aと共にゲート配線15を構成する第2ゲート配線構成部15Bであって、少なくとも一部が第1開口F2Aと重畳するよう配されて第1ゲート配線構成部15Aに接する第2ゲート配線構成部15Bと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に積層される第1導電膜からなり前記基板の板面に沿って延在する第1配線構成部と、
少なくとも前記基板上に積層される第1絶縁膜であって、前記第1配線構成部と重畳するよう配されて前記第1配線構成部に沿って延在する開口を有する第1絶縁膜と、
少なくとも前記第1導電膜上に積層される第2導電膜からなり前記第1配線構成部に沿って延在していて前記第1配線構成部と共に配線を構成する第2配線構成部であって、少なくとも一部が前記開口と重畳するよう配されて前記第1配線構成部に接する第2配線構成部と、を備える配線基板。
【請求項2】
前記第1導電膜は、前記基板よりも熱膨張係数が高く、前記第1絶縁膜は、前記基板よりも熱膨張係数が低い請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
少なくとも前記第1絶縁膜及び前記第2導電膜上に積層される第2絶縁膜を備えており、
前記第2導電膜は、前記基板よりも熱膨張係数が高く、前記第2絶縁膜は、前記基板よりも熱膨張係数が低い請求項2記載の配線基板。
【請求項4】
前記基板は、ガラスからなり、前記第1導電膜及び前記第2導電膜は、共に銅を含有する請求項2または請求項3記載の配線基板。
【請求項5】
前記第1導電膜及び前記第2導電膜は、同一材料からなる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項6】
前記第2配線構成部は、一部が前記開口とは非重畳とされて前記第1絶縁膜上に積層されており、
前記第1導電膜及び前記第1絶縁膜は、膜厚が等しい請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項7】
少なくとも前記第1絶縁膜及び前記第2導電膜上に積層される第2絶縁膜であって、前記第2配線構成部の一部と重畳するよう配されるコンタクトホールを有する第2絶縁膜と、
少なくとも前記第2導電膜及び前記第2絶縁膜上に積層される第3導電膜からなり一部が前記コンタクトホールと重畳するよう配されて前記第2配線構成部に接する接続部と、を備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項8】
前記第2導電膜及び前記第2絶縁膜は、膜厚が等しい請求項7記載の配線基板。
【請求項9】
前記第1配線構成部及び前記第2配線構成部は、線幅方向について互いに部分的に非重畳となるよう配される請求項7または請求項8記載の配線基板。
【請求項10】
少なくとも前記第1絶縁膜及び前記第2導電膜上に積層される第2絶縁膜を備えており、
前記第2配線構成部は、前記第1配線構成部よりも幅狭とされる請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の配線基板と、前記配線基板に対向するよう配される対向基板と、を備える表示装置。
【請求項12】
基板上に第1導電膜を成膜し前記第1導電膜をパターニングして、前記基板の板面に沿って延在する第1配線構成部を形成する第1配線構成部形成工程と、
少なくとも前記第1導電膜上に第2導電膜を成膜し前記第2導電膜をパターニングして、前記第1配線構成部に沿って延在していて前記第1配線構成部に接することで前記第1配線構成部と共に配線を構成する第2配線構成部を形成する第2配線構成部形成工程と、を備える配線基板の製造方法。
【請求項13】
前記第1配線構成部形成工程と前記第2配線構成部形成工程との間に行われる工程であって、前記基板及び前記第1導電膜上に第1絶縁膜を成膜して、前記第1配線構成部と重畳するよう配されて前記第1配線構成部に沿って延在する開口が形成されるよう前記第1絶縁膜をパターニングする第1絶縁膜形成工程を備えており、
前記第2配線構成部形成工程では、少なくとも一部が前記開口と重畳するよう配されて前記第1配線構成部に接するよう前記第2配線構成部を形成する請求項12記載の配線基板の製造方法。
【請求項14】
前記第1配線構成部形成工程では、前記基板よりも熱膨張係数が高い前記第1導電膜を成膜し、前記第1絶縁膜形成工程では、前記基板よりも熱膨張係数が低い前記第1絶縁膜を成膜する請求項13記載の配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、配線基板、表示装置及び配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の液晶表示装置は、TFTおよび配線上に透明樹脂からなる層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜上に下層のソース電極配線等と重なりを持つ画素電極が形成された構造を有するTFTアレイにおいて、ゲート電極層上に形成されるゲート絶縁膜がアモルファスシリコン等からなる半導体層と同一パターンに形成された構造とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-227649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載された液晶表示装置の製造に際しては、透明絶縁性基板上に金属膜としてクロムを成膜し、フォトリソグラフィ法により形成したレジストを用いてパターニングして、ゲート電極配線、ゲート電極及び共通配線を形成している。ところで、ゲート電極配線や共通配線などの配線に係る配線抵抗を低減するには、例えば透明絶縁性基板上に金属膜を成膜する際の膜厚を大きく設定することが考えられる。ところが、透明絶縁性基板上に膜厚が大きな金属膜を成膜すると、成膜に伴う温度上昇が過大となるため、透明絶縁性基板と金属膜との熱膨張係数の相違に起因して透明絶縁性基板に大きな応力が作用し、透明絶縁性基板に反りなどの変形が生じるおそれがあった。
【0005】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、配線抵抗の低減を図るとともに基板の変形を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本明細書に記載の技術に関わる配線基板は、基板と、前記基板上に積層される第1導電膜からなり前記基板の板面に沿って延在する第1配線構成部と、少なくとも前記基板上に積層される第1絶縁膜であって、前記第1配線構成部と重畳するよう配されて前記第1配線構成部に沿って延在する開口を有する第1絶縁膜と、少なくとも前記第1導電膜上に積層される第2導電膜からなり前記第1配線構成部に沿って延在していて前記第1配線構成部と共に配線を構成する第2配線構成部であって、少なくとも一部が前記開口と重畳するよう配されて前記第1配線構成部に接する第2配線構成部と、を備える。
【0007】
(2)また、上記配線基板は、上記(1)に加え、前記第1導電膜は、前記基板よりも熱膨張係数が高く、前記第1絶縁膜は、前記基板よりも熱膨張係数が低くてもよい。
【0008】
(3)また、上記配線基板は、上記(2)に加え、少なくとも前記第1絶縁膜及び前記第2導電膜上に積層される第2絶縁膜を備えており、前記第2導電膜は、前記基板よりも熱膨張係数が高く、前記第2絶縁膜は、前記基板よりも熱膨張係数が低くてもよい。
【0009】
(4)また、上記配線基板は、上記(2)または上記(3)に加え、前記基板は、ガラスからなり、前記第1導電膜及び前記第2導電膜は、共に銅を含有してもよい。
【0010】
(5)また、上記配線基板は、上記(1)から上記(4)のいずれかに加え、前記第1導電膜及び前記第2導電膜は、同一材料からなってもよい。
【0011】
(6)また、上記配線基板は、上記(1)から上記(5)のいずれかに加え、前記第2配線構成部は、一部が前記開口とは非重畳とされて前記第1絶縁膜上に積層されており、前記第1導電膜及び前記第1絶縁膜は、膜厚が等しくてもよい。
【0012】
(7)また、上記配線基板は、上記(1)から上記(6)のいずれかに加え、少なくとも前記第1絶縁膜及び前記第2導電膜上に積層される第2絶縁膜であって、前記第2配線構成部の一部と重畳するよう配されるコンタクトホールを有する第2絶縁膜と、少なくとも前記第2導電膜及び前記第2絶縁膜上に積層される第3導電膜からなり一部が前記コンタクトホールと重畳するよう配されて前記第2配線構成部に接する接続部と、を備えてもよい。
【0013】
(8)また、上記配線基板は、上記(7)に加え、前記第2導電膜及び前記第2絶縁膜は、膜厚が等しくてもよい。
【0014】
(9)また、上記配線基板は、上記(7)または上記(8)に加え、前記第1配線構成部及び前記第2配線構成部は、線幅方向について互いに部分的に非重畳となるよう配されてもよい。
【0015】
(10)また、上記配線基板は、上記(1)から上記(9)のいずれかに加え、少なくとも前記第1絶縁膜及び前記第2導電膜上に積層される第2絶縁膜を備えており、前記第2配線構成部は、前記第1配線構成部よりも幅狭とされてもよい。
【0016】
(11)本明細書に記載の技術に関わる表示装置は、上記(1)から上記(10)のいずれかに記載の配線基板と、前記配線基板に対向するよう配される対向基板と、を備える。
【0017】
(12)本明細書に記載の技術に関わる配線基板の製造方法は、基板上に第1導電膜を成膜し前記第1導電膜をパターニングして、前記基板の板面に沿って延在する第1配線構成部を形成する第1配線構成部形成工程と、少なくとも前記第1導電膜上に第2導電膜を成膜し前記第2導電膜をパターニングして、前記第1配線構成部に沿って延在していて前記第1配線構成部に接することで前記第1配線構成部と共に配線を構成する第2配線構成部を形成する第2配線構成部形成工程と、を備える。
【0018】
(13)また、上記配線基板の製造方法は、上記(12)に加え、前記第1配線構成部形成工程と前記第2配線構成部形成工程との間に行われる工程であって、前記基板及び前記第1導電膜上に第1絶縁膜を成膜して、前記第1配線構成部と重畳するよう配されて前記第1配線構成部に沿って延在する開口が形成されるよう前記第1絶縁膜をパターニングする第1絶縁膜形成工程を備えており、前記第2配線構成部形成工程では、少なくとも一部が前記開口と重畳するよう配されて前記第1配線構成部に接するよう前記第2配線構成部を形成してもよい。
【0019】
(14)また、上記配線基板の製造方法は、上記(13)に加え、前記第1配線構成部形成工程では、前記基板よりも熱膨張係数が高い前記第1導電膜を成膜し、前記第1絶縁膜形成工程では、前記基板よりも熱膨張係数が低い前記第1絶縁膜を成膜してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本明細書に記載の技術によれば、配線抵抗の低減を図るとともに基板の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態1に係る液晶パネルなどを示す平面図
図2】液晶パネルの画素の配列を示す回路図
図3】液晶パネルを構成するアレイ基板におけるゲート配線及びソース配線の交差箇所をY軸方向に沿って切断した断面図
図4】液晶パネルを構成するアレイ基板におけるゲート配線及びソース配線の交差箇所をX軸方向に沿って切断した断面図
図5A】アレイ基板の製造方法に含まれる第1ゲート配線構成部形成工程において第1金属膜を成膜した状態を示す図3と同じ断面図
図5B】アレイ基板の製造方法に含まれる第1ゲート配線構成部形成工程においてレジスト膜をパターニングした状態を示す図3と同じ断面図
図5C】アレイ基板の製造方法に含まれる第1ゲート配線構成部形成工程において第1金属膜をパターニングした状態を示す図3と同じ断面図
図5D】アレイ基板の製造方法に含まれる第1絶縁膜形成工程において第1絶縁膜を成膜した状態を示す図3と同じ断面図
図5E】アレイ基板の製造方法に含まれる第1絶縁膜形成工程において第1絶縁膜をパターニングした状態を示す図3と同じ断面図
図6A】アレイ基板の製造方法に含まれる第2ゲート配線構成部形成工程において第2金属膜を成膜した状態を示す図3と同じ断面図
図6B】アレイ基板の製造方法に含まれる第2ゲート配線構成部形成工程においてレジスト膜をパターニングした状態を示す図3と同じ断面図
図6C】アレイ基板の製造方法に含まれる第2ゲート配線構成部形成工程において第2金属膜をパターニングした状態を示す図3と同じ断面図
図6D】アレイ基板の製造方法に含まれる第2絶縁膜形成工程において第2絶縁膜を成膜した状態を示す図3と同じ断面図
図7】実施形態2に係るアレイ基板における配線及び接続部の接続箇所をY軸方向に沿って切断した断面図
図8】実施形態3に係るアレイ基板におけるゲート配線をY軸方向に沿って切断した断面図
図9】実施形態4に係るアレイ基板における配線及び接続部の接続箇所をY軸方向に沿って切断した断面図
図10】実施形態5に係るアレイ基板における配線及び接続部の接続箇所をY軸方向に沿って切断した断面図
図11】実施形態6に係るアレイ基板におけるドレイン電極及び画素電極の接続箇所をY軸方向に沿って切断した断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態1>
実施形態1を図1から図6Dによって説明する。本実施形態では、液晶パネル(表示装置)10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。
【0023】
図1は、液晶パネル10の平面図である。本実施形態に係る液晶パネル10は、図1に示すように、全体として平面形状が縦長の略方形状とされる。なお、液晶パネル10の平面形状は、縦長の略方形状だけでなく、横長の略方形状や円形等の異形でもよい。この液晶パネル10は、その短辺方向がX軸方向と、長辺方向がY軸方向と、板厚方向がZ軸方向と、それぞれ一致している。液晶パネル10は、バックライト装置(照明装置)から照射される照明光を利用して画像を表示することが可能とされる。液晶パネル10は、画面の中央側部分が、画像が表示される表示領域AAとされるのに対し、画面における表示領域AAを取り囲む額縁状の外周側部分が、画像が表示されない非表示領域NAAとされる。なお、図1において一点鎖線により囲った範囲が表示領域AAである。
【0024】
液晶パネル10は、図1に示すように、ほぼ透明で優れた透光性を有するガラス製の一対の基板11,12を有する。液晶パネル10は、一対の基板11,12の間に、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層を挟持した構成とされる。一対の基板11,12のうち、表側に配されるものが対向基板11であり、裏側に配されるものがアレイ基板(配線基板)12である。対向基板11及びアレイ基板12は、いずれもガラス基板(基板)11GS,12GSの内面側に各種の膜が積層形成されてなるものとされる。ガラス基板11GS,12GSは、主な材料として例えば無アルカリガラスを含む。このうちのアレイ基板12は、長辺寸法が対向基板11の同寸法よりも大きくされており、長辺方向についての一方の端部が対向基板11に対して重なり合うことがなく、そこにドライバ(接続部品)13及びフレキシブル基板(接続部品)14が実装されている。ドライバ13は、内部に駆動回路を有するLSIチップからなり、アレイ基板12の実装領域に対してCOG(Chip On Glass)実装されており、フレキシブル基板14によって伝送される各種信号を処理する。フレキシブル基板14は、絶縁性及び可撓性を有する合成樹脂材料(例えばポリイミド系樹脂等)からなる基材上に多数本の配線パターン(図示せず)を形成した構成とされ、一端側がアレイ基板12に、他端側が外部のコントロール基板(信号供給源)に、それぞれ接続されている。コントロール基板から供給される各種信号は、フレキシブル基板14を介して液晶パネル10に伝送される。
【0025】
図2は、アレイ基板12の表示領域AAにおける画素配列を示す回路図である。アレイ基板12の表示領域AAにおける内面側には、図2に示すように、格子状をなす多数本ずつのゲート配線(走査配線)15及びソース配線(画像配線)16が配設されており、それぞれの交差部位付近にTFT(スイッチング素子)17及び画素電極18が設けられている。ゲート配線15は、表示領域AAを横断する形で概ねX軸方向に沿って延在して各TFT17のゲート電極17Aに接続されるのに対し、ソース配線16は、表示領域AAを縦断する形で概ねY軸方向に沿って延在して各TFT17のソース電極17Bに接続される。ゲート配線15は、Y軸方向に沿って複数が間隔を空けて並んで配されるのに対し、ソース配線16は、X軸方向に沿って複数が間隔を空けて配される。TFT17及び画素電極18は、複数個ずつX軸方向及びY軸方向に沿って規則的に並んでマトリクス状(行列状)に平面配置されており、TFT17のドレイン電極(画素接続部)17Cに画素電極18が接続されている。TFT17は、ソース電極17Bとドレイン電極17Cとに接続されるチャネル部17Dを有する。そして、TFT17は、ゲート配線15に供給される走査信号に基づいて駆動され、それに伴ってソース配線16に供給される画像信号(データ信号)に基づいた電位が画素電極18に充電される。また、対向基板11の表示領域AAにおける内面側には、各画素電極18と重畳する形で配されて赤色(R),緑色(G),青色(B)を呈する3色のカラーフィルタが設けられるとともに隣り合うカラーフィルタ間を仕切る遮光部(ブラックマトリクス)などが設けられている。また、赤色(R),緑色(G),青色(B)に加えて、黄色(Y)や白色(W)を含む4色のカラーフィルタが設けられる場合もある。
【0026】
図3及び図4は、いずれもアレイ基板12におけるゲート配線15及びソース配線16の交差箇所の断面図である。図3は、ソース配線16の延在方向(Y軸方向)に沿う断面図であるのに対し、図4は、ゲート配線15の延在方向(X軸方向)に沿う断面図である。アレイ基板12のガラス基板(基板)12GS上には、図3及び図4に示すように、第1金属膜(第1導電膜)F1と、第1絶縁膜F2と、第2金属膜(第2導電膜)F3と、第2絶縁膜F4と、第3金属膜(第3導電膜)F5と、第3絶縁膜F6と、第4金属膜(第4導電膜)F7と、第4絶縁膜F8と、が下層側(ガラス基板12GS側)から順に積層されている。
【0027】
第1金属膜F1及び第2金属膜F3は、いずれも銅を含有していて同一材料とからなり、例えば純銅からなる。第1金属膜F1及び第2金属膜F3は、ゲート配線15及びTFT17のゲート電極17Aなどを構成する。従って、ゲート配線15は、第1金属膜F1からなる第1ゲート配線構成部(第1配線構成部)15Aと、第2金属膜F3からなる第2ゲート配線構成部(第2配線構成部)15Bと、の積層構造とされており、ゲート電極17Aも同様の積層構造とされる。第3金属膜F5及び第4金属膜F7は、いずれも銅を含有していて同一材料からなり、例えば純銅からなる。つまり、第3金属膜F5及び第4金属膜F7は、第1金属膜F1及び第2金属膜F3と同一材料からなる。第3金属膜F5及び第4金属膜F7は、ソース配線16及びTFT17のソース電極17B及びドレイン電極17Cなどを構成する。従って、ソース配線16は、第3金属膜F5からなる第1ソース配線構成部(第1配線構成部)16Aと、第4金属膜F7からなる第2ソース配線構成部(第2配線構成部)16Bと、の積層構造とされており、ソース電極17B及びドレイン電極17Cも同様の積層構造とされる。
【0028】
第1絶縁膜F2及び第2絶縁膜F4は、いずれも無機絶縁材料であって同一材料からなり、例えば窒化ケイ素(SiN)からなる。第3絶縁膜F6及び第4絶縁膜F8は、いずれも無機絶縁材料であって同一材料からなり、例えば窒化ケイ素からなる。つまり、第3絶縁膜F6及び第4絶縁膜F8は、第1絶縁膜F2及び第2絶縁膜F4と同一材料からなる。なお、アレイ基板12には、TFT17のチャネル部17Dを構成する半導体膜が第2絶縁膜F4と第3金属膜F5との間に積層されている。また、アレイ基板12には、画素電極18を構成する透明電極膜が第4絶縁膜F8上に積層され、さらには液晶層に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜が透明電極膜上に積層されている。
【0029】
ここで、仮に第1金属膜F1(第3金属膜F5)の膜厚と第2金属膜F3(第4金属膜F7)の膜厚とを足し合わせた大きさの膜厚の金属膜をガラス基板12GS上に積層してその金属膜によってゲート配線15(ソース配線16)を構成した場合には、製造に際してガラス基板12GS上に金属膜を成膜するのに伴う温度上昇が過大となるため、ガラス基板12GSと金属膜との熱膨張係数の相違に起因してガラス基板12GSに大きな応力が作用し、ガラス基板12GSに反りなどの変形が生じるおそれがある。ガラス基板12GSに変形が生じると、アレイ基板12を対向基板11に対して貼り合わせる際に位置ずれが生じるおそれがある他、アレイ基板12の製造過程において用いられるフォトマスクに対してガラス基板12GSが位置ずれしてしまってフォトマスクのパターンが適切に転写されなくなるおそれがある。これら以外にも、ガラス基板12GSに傷が付いたり割れが生じたりする不具合が生じるおそれがあり、ガラス基板12GSを搬送装置により搬送する際に異常が生じるおそれがある。このような事態を避けるには、例えばゲート配線15(ソース配線16)の線幅を大きく設定することで配線抵抗の低減を図ることが考えられるものの、それでは互いに交差するゲート配線15とソース配線16とにより囲まれた領域により画定される画素の開口率が低下する問題が生じてしまう。
【0030】
これに対し、本実施形態に係るゲート配線15を構成する第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bは、図3及び図4に示すように、共に概ねX軸方向に沿って延在していて平面に視て互いに重畳するよう配されている。そして、第1ゲート配線構成部15Aを構成する第1金属膜F1の上層側で且つ第2ゲート配線構成部15Bを構成する第2金属膜F3の下層側に位置する第1絶縁膜F2には、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bの双方に対して重畳する位置に第1開口(開口)F2Aが形成されている。第1開口F2Aは、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bに並行するよう概ねX軸方向に沿って延在しており、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bの全長・全幅にわたって重畳するよう配されている。この第1開口F2Aは、アレイ基板12の板面内における複数のゲート配線15の配列と同様に、Y軸方向について画素電極18(画素)の長辺寸法分程度の間隔を空けて複数が並んで配されている。従って、第2ゲート配線構成部15Bは、第1ゲート配線構成部15Aに対して全長・全幅にわたって第1開口F2Aを通して接している。
【0031】
このように、第1ゲート配線構成部15Aを構成する第1金属膜F1の膜厚や第2ゲート配線構成部15Bを構成する第2金属膜F3の膜厚は、ゲート配線15の厚さよりも小さくなっている。その上で、第1絶縁膜F2は、第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在していて第2ゲート配線構成部15Bが重畳配置される第1開口F2Aを有しているから、第1金属膜F1及び第2金属膜F3を連続して成膜してからこれらの金属膜F1,F3を一括してパターニングせずとも、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bの電気的な接続を図ることができる。従って、製造に際して第1金属膜F1の成膜及びパターニングと、第2金属膜F3の成膜及びパターニングと、を別途に行うことが可能となるので、ガラス基板12GS上に第1金属膜F1を成膜するのに伴う温度上昇が抑制されるとともに、第1金属膜F1及び第1絶縁膜F2上に第2金属膜F3を成膜するのに伴う温度上昇が抑制される。その結果、ガラス基板12GSに作用する応力が緩和され、ガラス基板12GSに変形が生じ難くなる。ガラス基板12GSに変形が生じ難くなれば、アレイ基板12を対向基板11に対して貼り合わせる際に位置ずれが生じ難くなるので、製造される液晶パネル10の表示品位が良好なものとなる。それ以外にも、アレイ基板12の製造過程において用いられるフォトマスクに対してガラス基板12GSが位置ずれし難くなるから、フォトマスクのパターンが適切に転写されて良品率が向上する。また、ガラス基板12GSに傷が付いたり割れが生じたりする不具合が生じ難くなる。また、ガラス基板12GSを搬送装置により搬送する際に異常が生じ難くなる。しかも、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bの積層構造とされるゲート配線15の厚さは、第1金属膜F1の膜厚と第2金属膜F3の膜厚とを足し合わせた大きさとなるから、線幅を広くしなくても配線抵抗を十分に低下させることができる。これにより、互いに交差するゲート配線15とソース配線16とにより囲まれた領域により画定される画素の開口率を高く保つことができる。
【0032】
同様に、本実施形態に係るソース配線16を構成する第1ソース配線構成部16A及び第2ソース配線構成部16Bは、図3及び図4に示すように、共に概ねY軸方向に沿って延在していて平面に視て互いに重畳するよう配されている。そして、第1ソース配線構成部16Aを構成する第3金属膜F5の上層側で且つ第2ソース配線構成部16Bを構成する第4金属膜F7の下層側に位置する第3絶縁膜F6には、第1ソース配線構成部16A及び第2ソース配線構成部16Bの双方に対して重畳する位置に第2開口(開口)F6Aが形成されている。第2開口F6Aは、第1ソース配線構成部16A及び第2ソース配線構成部16Bに並行するよう概ねX軸方向に沿って延在している。第2開口F6Aは、第1ソース配線構成部16A及び第2ソース配線構成部16Bに並行するよう概ねY軸方向に沿って延在しており、第1ソース配線構成部16A及び第2ソース配線構成部16Bの全長・全幅にわたって重畳するよう配されている。この第2開口F6Aは、アレイ基板12の板面内における複数のソース配線16の配列と同様に、X軸方向について画素電極18(画素)の短辺寸法分程度の間隔を空けて複数が並んで配されている。従って、第2ソース配線構成部16Bは、第1ソース配線構成部16Aに対して全長・全幅にわたって第2開口F6Aを通して接している。
【0033】
このように、第1ソース配線構成部16Aを構成する第3金属膜F5の膜厚や第2ソース配線構成部16Bを構成する第4金属膜F7の膜厚は、ソース配線16の厚さよりも小さくなっている。その上で、第3絶縁膜F6は、第1ソース配線構成部16Aに沿って延在していて第2ソース配線構成部16Bが重畳配置される第2開口F6Aを有しているから、第3金属膜F5及び第4金属膜F7を連続して成膜してからこれらの金属膜F5,F7を一括してパターニングせずとも、第1ソース配線構成部16A及び第2ソース配線構成部16Bの電気的な接続を図ることができる。従って、製造に際して第3金属膜F5の成膜及びパターニングと、第4金属膜F7の成膜及びパターニングと、を別途に行うことが可能となるので、ガラス基板12GS上に第3金属膜F5を成膜するのに伴う温度上昇が抑制されるとともに、第3金属膜F5及び第3絶縁膜F6上に第4金属膜F7を成膜するのに伴う温度上昇が抑制される。その結果、ガラス基板12GSに作用する応力が緩和され、ガラス基板12GSに変形が生じ難くなる。しかも、第1ソース配線構成部16A及び第2ソース配線構成部16Bの積層構造とされるソース配線16の厚さは、第3金属膜F5の膜厚と第4金属膜F7の膜厚とを足し合わせた大きさとなるから、線幅を広くしなくても配線抵抗を十分に低下させることができる。
【0034】
また、ガラス基板12GSが主な材料として例えば無アルカリガラスを含むのに対し、第1金属膜F1及び第2金属膜F3は、同じ純銅からなり、さらには第1絶縁膜F2及び第2絶縁膜F4は、同じ窒化ケイ素からなる。無アルカリガラスの熱膨張係数は、3.17~3.8×10-6/℃程度であり、純銅の熱膨張係数は、16.8×10-6/℃程度であり、窒化ケイ素の熱膨張係数は、2.4~2.9×10-6/℃程度である。従って、第1金属膜F1及び第2金属膜F3は、ガラス基板12GSよりも熱膨張係数が高く、第1絶縁膜F2及び第2絶縁膜F4は、ガラス基板12GSよりも熱膨張係数が低い。このようにすれば、第1金属膜F1からなる第1ゲート配線構成部15Aとガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、第1絶縁膜F2とガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、が逆向きの関係となる。これにより、ガラス基板12GSに残留し得る応力がより低減されるので、ガラス基板12GSに変形がより生じ難くなる。同様に、第2金属膜F3からなる第2ゲート配線構成部15Bとガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、第2絶縁膜F4とガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、が逆向きの関係となる。これにより、ガラス基板12GSに残留し得る応力がさらに低減されるので、ガラス基板12GSに変形がさらに生じ難くなる。特に、ガラス基板12GSの熱膨張係数と、第1金属膜F1及び第2金属膜F3の熱膨張係数と、が大きく相違しているものの、上記のようにしてガラス基板12GSに残留し得る応力が十分に低減されるので、ガラス基板12GSに変形が生じ難くなっている。
【0035】
また、第1金属膜F1及び第2金属膜F3は、同一材料からなるので、互いに接する第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bにより構成されるゲート配線15を、擬似的に膜厚が大きな金属膜により構成されている、と見なすことが可能となる。従って、仮に第1金属膜と第2金属膜とが異なる材料からなる場合に比べると、ゲート配線15に係る配線抵抗を低減する上で好適となる。しかも、第1金属膜F1及び第2金属膜F3を成膜などする際の生産条件や生産設備を共通化することができるとともに、第1金属膜F1及び第2金属膜F3の材料費が低減される。このような作用及び効果は、同一材料からなる第3金属膜F5及び第4金属膜F7に関しても同様である。また、第1絶縁膜F2及び第2絶縁膜F4が同一材料からなるので、第1絶縁膜F2及び第2絶縁膜F4を成膜などする際の生産条件や生産設備を共通化することができるとともに、第1絶縁膜F2及び第2絶縁膜F4の材料費が低減される。このような作用及び効果は、同一材料からなる第3絶縁膜F6及び第4絶縁膜F8に関しても同様である。
【0036】
ところで、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bは、図3及び図4に示すように、いずれも延在方向と直交する切断面に係る断面形状が略台形状をなしており、上底の幅寸法が下底の幅寸法よりもそれぞれ小さい。なお、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bは、上底の幅寸法がほぼ同一であるとともに下底の幅寸法がほぼ同一である。第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bがこのような断面形状とされる理由は、製造過程においてベタ状をなす第1金属膜F1及び第2金属膜F3を選択的にエッチングすることで、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bを形成しているためである。これに対し、第1絶縁膜F2は、第1開口F2Aの断面形状が、第1ゲート配線構成部15Aの断面形状とほぼ同一とされており、第1開口F2Aの上底の幅寸法が第1ゲート配線構成部15Aの上底の幅寸法とほぼ同一であり、第1開口F2Aの下底の幅寸法が第1ゲート配線構成部15Aの下底の幅寸法とほぼ同一である。従って、第2ゲート配線構成部15Bは、線幅方向の両側縁が、第1絶縁膜F2の第1開口F2Aの開口縁上に積層されていて第1開口F2Aとは非重畳の位置関係となる。その上で、第1金属膜F1及び第1絶縁膜F2は、膜厚が等しくされているので、第2ゲート配線構成部15Bのうち、第1開口F2Aと重畳するよう配されて第1ゲート配線構成部15Aに接する部分と、第1開口F2Aとは非重畳とされて第1絶縁膜F2上に積層される部分と、の間に段差が生じるのが避けられている。これにより、第2ゲート配線構成部15Bのカバレッジが良好なものとなる。なお、ソース配線16を構成する第1ソース配線構成部16A及び第2ソース配線構成部16Bの各断面形状は、上記したゲート配線15と同様であり、第3絶縁膜F6の第2開口F6Aの断面形状は、上記した第1絶縁膜F2の第1開口F2Aの断面形状と同様であり、第2ソース配線構成部16Bは、線幅方向の両側縁が、第3絶縁膜F6の第2開口F6Aの開口縁上に積層されていて第2開口F6Aとは非重畳の位置関係となっている。その上で、第3金属膜F5及び第3絶縁膜F6は、膜厚が等しくされているので、第2ソース配線構成部16Bのカバレッジが良好なものとなる効果が得られている。
【0037】
本実施形態に係る液晶パネル10は以上のような構造であり、続いて液晶パネル10を構成するアレイ基板12の製造方法について説明する。アレイ基板12の製造方法は、第1ゲート配線構成部15Aを形成する第1ゲート配線構成部形成工程(第1配線構成部形成工程)と、第1絶縁膜F2を成膜してパターニングする第1絶縁膜形成工程と、第2ゲート配線構成部15Bを形成する第2ゲート配線構成部形成工程(第2配線構成部形成工程)と、第2絶縁膜F4を少なくとも成膜する第2絶縁膜形成工程と、第1ソース配線構成部16Aを形成する第1ソース配線構成部形成工程と、第3絶縁膜F6を成膜してパターニングする第3絶縁膜形成工程と、第2ソース配線構成部16Bを形成する第2ソース配線構成部形成工程と、第4絶縁膜F8を少なくとも成膜する第4絶縁膜形成工程と、を少なくとも含む。各工程について図5Aから図6Dを用いて順次に説明する。
【0038】
第1ゲート配線構成部形成工程では、図5Aに示すように、ガラス基板12GS上にベタ状の第1金属膜F1を成膜する。成膜された第1金属膜F1上に感光性材料からなるレジスト膜R1を塗布し、そのレジスト膜R1を、フォトマスクを介して露光してから現像することで、図5Bに示すように、レジスト膜R1をパターニングする。そして、パターニングされたレジスト膜R1を介して第1金属膜F1をエッチングすることで、第1金属膜F1がパターニングされ、図5Cに示すように、第1ゲート配線構成部15Aが形成される。このとき、TFT17のゲート電極17Aなども形成されている。
【0039】
第1絶縁膜形成工程では、図5Dに示すように、ガラス基板12GS及び第1金属膜F1上にベタ状の第1絶縁膜F2を成膜する。成膜された第1絶縁膜F2上に感光性材料からなるレジスト膜を塗布し、そのレジスト膜を、フォトマスクを介して露光してから現像することで、レジスト膜をパターニングする。そして、パターニングされたレジスト膜を介して第1絶縁膜F2をエッチングすることで、第1絶縁膜F2がパターニングされ、図5Eに示すように、第1開口F2Aが形成される。形成された第1開口F2Aは、第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在している。第1絶縁膜F2のパターニングに際しては、第1絶縁膜F2のうちの第1金属膜F1からなる第1ゲート配線構成部15A上に乗り上げた部分が選択的に除去されている。これにより、第1ゲート配線構成部15A及び第1絶縁膜F2の上面同士が殆ど継ぎ目無く連続した1つの平面を構成する。
【0040】
第2ゲート配線構成部形成工程では、図6Aに示すように、第1金属膜F1及び第1絶縁膜F2上にベタ状の第2金属膜F3を成膜する。成膜された第2金属膜F3のうちの第1絶縁膜F2の第1開口F2Aに対して重畳する部分が第1金属膜F1からなる第1ゲート配線構成部15Aに接する。成膜された第2金属膜F3上に感光性材料からなるレジスト膜R2を塗布し、そのレジスト膜R2を、フォトマスクを介して露光してから現像することで、図6Bに示すように、レジスト膜R2をパターニングする。そして、パターニングされたレジスト膜R2を介して第2金属膜F3をエッチングすることで、第2金属膜F3がパターニングされ、図6Cに示すように、第2ゲート配線構成部15Bが形成される。このとき、TFT17のソース電極17B及びドレイン電極17Cなども形成されている。形成された第2ゲート配線構成部15Bは、第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在していて第1開口F2Aを通して第1ゲート配線構成部15Aに対して全長・全幅にわたって接している。これにより、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bの積層構造とされるゲート配線15が形成される。
【0041】
第2絶縁膜形成工程では、図6Dに示すように、第1絶縁膜F2及び第2金属膜F3上にベタ状の第2絶縁膜F4を成膜する。成膜された第2絶縁膜F4にコンタクトホールなどを開口形成する必要がある場合には、第2絶縁膜F4上にレジスト膜を塗布し、そのレジスト膜を露光・現像してパターニングした後に、レジスト膜を介して第2絶縁膜F4をエッチングする。第2絶縁膜F4にコンタクトホールなどを開口形成する必要がない場合は、上記のような第2絶縁膜F4のパターニングを行うことがない。
【0042】
第1ソース配線構成部形成工程では、第2絶縁膜F4上に第3金属膜F5を成膜し、第1ゲート配線構成部形成工程と同様にして第3金属膜F5をパターニングすることで、第1ソース配線構成部16Aを形成する(図4を参照)。第3絶縁膜形成工程では、第2絶縁膜F4及び第3金属膜F5上に第3絶縁膜F6を成膜し、第1絶縁膜形成工程と同様にして第3絶縁膜F6をパターニングすることで、第1ソース配線構成部16Aに沿って延在する第2開口F6Aを形成する。第2ソース配線構成部形成工程では、第3金属膜F5及び第3絶縁膜F6上に第4金属膜F7を成膜し、第2ゲート配線構成部形成工程と同様にして第4金属膜F7をパターニングすることで、第1ソース配線構成部16Aに沿って延在する第2ソース配線構成部16Bを形成する。形成された第2ソース配線構成部16Bは、第2開口F6Aを通して第1ソース配線構成部16Aに対して全長・全幅にわたって接している。これにより、第1ソース配線構成部16A及び第2ソース配線構成部16Bの積層構造とされるソース配線16が形成される。第4絶縁膜形成工程では、第3絶縁膜F6及び第4金属膜F7上に第2絶縁膜形成工程と同様にして第4絶縁膜F8を成膜する。
【0043】
以上のようにして形成されたゲート配線15は、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bの積層構造とされているから、第1ゲート配線構成部形成工程にて成膜される第1金属膜F1の膜厚と、第2ゲート配線構成部形成工程にて成膜される第2金属膜F3の膜厚と、がいずれもゲート配線15の厚さよりも小さくなっている。従って、第1ゲート配線構成部形成工程においてガラス基板12GS上に第1金属膜F1を成膜するのに伴う温度上昇が抑制されるとともに、第2ゲート配線構成部形成工程において第1金属膜F1及び第1絶縁膜F2上に第2金属膜F3を成膜するのに伴う温度上昇が抑制されるようになっている。その結果、ガラス基板12GSに作用する応力が緩和され、ガラス基板12GSに変形が生じ難くなっている。
【0044】
しかも、第1ゲート配線構成部形成工程と第2ゲート配線構成部形成工程との間に行われる第1絶縁膜形成工程では、第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在していて第2ゲート配線構成部15Bが重畳配置される第1開口F2Aを形成しているから、第1金属膜F1及び第2金属膜F3を連続して成膜してからこれらの金属膜F1,F3を一括してパターニングせずとも、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bの電気的な接続を図ることができる。従って、第1ゲート配線構成部形成工程と第2ゲート配線構成部形成工程とを別途に行うことができるので、ガラス基板12GS上に第1金属膜F1を成膜するのに伴う温度上昇が抑制されるとともに、第1金属膜F1及び第1絶縁膜F2上に第2金属膜F3を成膜するのに伴う温度上昇が抑制される。その結果、ガラス基板12GSに作用する応力が緩和され、ガラス基板12GSに変形が生じ難くなる。
【0045】
さらには、第1ゲート配線構成部形成工程では、ガラス基板12GSよりも熱膨張係数が高い第1金属膜F1を成膜し、第1絶縁膜形成工程では、ガラス基板12GSよりも熱膨張係数が低い第1絶縁膜F2を成膜しているから、第1ゲート配線構成部形成工程において第1金属膜F1とガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、第1絶縁膜形成工程において第1絶縁膜F2とガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、が逆向きの関係となる。これにより、ガラス基板12GSに残留し得る応力がより低減されるので、ガラス基板12GSに変形がより生じ難くなる。
【0046】
以上説明したように本実施形態のアレイ基板(配線基板)12は、ガラス基板(基板)12GSと、ガラス基板12GS上に積層される第1金属膜(第1導電膜)F1からなりガラス基板12GSの板面に沿って延在する第1ゲート配線構成部(第1配線構成部)15Aと、少なくともガラス基板12GS上に積層される第1絶縁膜F2であって、第1ゲート配線構成部15Aと重畳するよう配されて第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在する第1開口(開口)F2Aを有する第1絶縁膜F2と、少なくとも第1金属膜F1上に積層される第2金属膜(第2導電膜)F3からなり第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在していて第1ゲート配線構成部15Aと共にゲート配線(配線)15を構成する第2ゲート配線構成部(第2配線構成部)15Bであって、少なくとも一部が第1開口F2Aと重畳するよう配されて第1ゲート配線構成部15Aに接する第2ゲート配線構成部15Bと、を備える。
【0047】
このようにすれば、ガラス基板12GS上に積層される第1金属膜F1からなりガラス基板12GSの板面に沿って延在する第1ゲート配線構成部15Aと、少なくとも第1金属膜F1上に積層される第2金属膜F3からなり第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在する第2ゲート配線構成部15Bと、によりゲート配線15が構成される。第2ゲート配線構成部15Bは、少なくともガラス基板12GS上に積層される第1絶縁膜F2において第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在する第1開口F2Aに対して少なくとも一部が重畳するよう配されているので、第1開口F2Aを通して第1ゲート配線構成部15Aに接することで第1ゲート配線構成部15Aとの電気的な接続が図られる。このような構成のゲート配線15の厚さは、第1金属膜F1の膜厚と第2金属膜F3の膜厚とを足し合わせた大きさとなるから、線幅を広くしなくても配線抵抗を十分に低下させることができる。
【0048】
ここで、仮に第1金属膜F1の膜厚と第2金属膜F3の膜厚とを足し合わせた大きさの膜厚の金属膜(導電膜)をガラス基板12GS上に積層してその金属膜によってゲート配線15を構成した場合には、製造に際してガラス基板12GS上に金属膜を成膜するのに伴う温度上昇が過大となるため、ガラス基板12GSと金属膜との熱膨張係数の相違に起因してガラス基板12GSに大きな応力が作用し、ガラス基板12GSに変形が生じるおそれがある。
【0049】
その点、ゲート配線15は、第1金属膜F1からなる第1ゲート配線構成部15Aと、第2金属膜F3からなる第2ゲート配線構成部15Bと、により構成されており、第1金属膜F1及び第2金属膜F3の各膜厚がゲート配線15の厚さよりも小さくなっている。その上で、第1絶縁膜F2は、第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在していて第2ゲート配線構成部15Bが重畳配置される第1開口F2Aを有しているから、第1金属膜F1及び第2金属膜F3を連続して成膜してからこれらの金属膜F1,F3を一括してパターニングせずとも、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bの電気的な接続を図ることができる。従って、製造に際して第1金属膜F1の成膜及びパターニングと、第2金属膜F3の成膜及びパターニングと、を別途に行うことが可能となるので、ガラス基板12GS上に第1金属膜F1を成膜するのに伴う温度上昇が抑制されるとともに、少なくとも第1金属膜F1上に第2金属膜F3を成膜するのに伴う温度上昇が抑制される。その結果、ガラス基板12GSに作用する応力が緩和され、ガラス基板12GSに変形が生じ難くなる。
【0050】
また、第1金属膜F1は、ガラス基板12GSよりも熱膨張係数が高く、第1絶縁膜F2は、ガラス基板12GSよりも熱膨張係数が低い。このようにすれば、第1金属膜F1からなる第1ゲート配線構成部15Aとガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、第1絶縁膜F2とガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、が逆向きの関係となる。これにより、ガラス基板12GSに残留し得る応力がより低減されるので、ガラス基板12GSに変形がより生じ難くなる。
【0051】
また、少なくとも第1絶縁膜F2及び第2金属膜F3上に積層される第2絶縁膜F4を備えており、第2金属膜F3は、ガラス基板12GSよりも熱膨張係数が高く、第2絶縁膜F4は、ガラス基板12GSよりも熱膨張係数が低い。このようにすれば、第2金属膜F3からなる第2ゲート配線構成部15Bとガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、第2絶縁膜F4とガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、が逆向きの関係となる。これにより、ガラス基板12GSに残留し得る応力がさらに低減されるので、ガラス基板12GSに変形がさらに生じ難くなる。
【0052】
また、ガラス基板12GSは、ガラスからなり、第1金属膜F1及び第2金属膜F3は、共に銅を含有する。このようにすれば、ガラスからなるガラス基板12GSの熱膨張係数と、共に銅を含有する第1金属膜F1及び第2金属膜F3の熱膨張係数と、が大きく相違するものの、第1ゲート配線構成部15A及び第1絶縁膜F2からガラス基板12GSに作用する応力が逆向きの関係となることで、ガラス基板12GSに残留し得る応力が十分に低減され、それによりガラス基板12GSに変形が生じ難くなっている。
【0053】
また、第1金属膜F1及び第2金属膜F3は、同一材料からなる。このようにすれば、互いに接する第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bにより構成されるゲート配線15を、擬似的に膜厚が大きな金属膜(導電膜)により構成されている、と見なすことが可能となる。これにより、ゲート配線15に係る配線抵抗を低減する上でより好適となる。第1金属膜F1及び第2金属膜F3を成膜などする際の生産条件や生産設備を共通化することができる。また、第1金属膜F1及び第2金属膜F3の材料費が低減される。
【0054】
また、第2ゲート配線構成部15Bは、一部が第1開口F2Aとは非重畳とされて第1絶縁膜F2上に積層されており、第1金属膜F1及び第1絶縁膜F2は、膜厚が等しい。このようにすれば、第2ゲート配線構成部15Bのうち、第1開口F2Aと重畳するよう配されて第1ゲート配線構成部15Aに接する部分と、第1開口F2Aとは非重畳とされて第1絶縁膜F2上に積層される部分と、の間に段差が生じるのが避けられる。これにより、第2ゲート配線構成部15Bのカバレッジが良好なものとなる。
【0055】
本実施形態の液晶パネル(表示装置)10は、上記記載のアレイ基板12と、アレイ基板12に対向するよう配される対向基板11と、を備える。このような液晶パネル10によれば、アレイ基板12を構成するガラス基板12GSに変形が生じ難くなっているから、アレイ基板12に対する対向基板11の位置関係が適正化され易くなる。これにより、表示品位が良好なものとなる。
【0056】
本実施形態のアレイ基板12の製造方法は、ガラス基板12GS上に第1金属膜F1を成膜し第1金属膜F1をパターニングして、ガラス基板12GSの板面に沿って延在する第1ゲート配線構成部15Aを形成する第1ゲート配線構成部形成工程(第1配線構成部形成工程)と、少なくとも第1金属膜F1上に第2金属膜F3を成膜し第2金属膜F3をパターニングして、第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在していて第1ゲート配線構成部15Aに接することで第1ゲート配線構成部15Aと共にゲート配線15を構成する第2ゲート配線構成部15Bを形成する第2ゲート配線構成部形成工程(第2配線構成部形成工程)と、を備える。
【0057】
このようにすれば、第1ゲート配線構成部形成工程が行われると、ガラス基板12GS上に第1金属膜F1が成膜され、その第1金属膜F1がパターニングされることで、ガラス基板12GSの板面に沿って延在する第1ゲート配線構成部15Aが形成される。第2ゲート配線構成部形成工程が行われると、少なくとも第1金属膜F1上に第2金属膜F3が成膜され、その第2金属膜F3がパターニングされることで、第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在する第2ゲート配線構成部15Bが形成される。これら第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bが互いに接することでゲート配線15が構成される。このような構成のゲート配線15の厚さは、第1金属膜F1の膜厚と第2金属膜F3の膜厚とを足し合わせた大きさとなるから、線幅を広くしなくても配線抵抗を十分に低下させることができる。
【0058】
ここで、仮に第1金属膜F1の膜厚と第2金属膜F3の膜厚とを足し合わせた大きさの膜厚の金属膜をガラス基板12GS上に積層してその金属膜によってゲート配線15を構成した場合には、製造に際してガラス基板12GS上に金属膜を成膜するのに伴う温度上昇が過大となるため、ガラス基板12GSと金属膜との熱膨張係数の相違に起因してガラス基板12GSに大きな応力が作用し、ガラス基板12GSに変形が生じるおそれがある。
【0059】
その点、ゲート配線15は、第1ゲート配線構成部形成工程にて第1金属膜F1をパターニングして形成される第1ゲート配線構成部15Aと、第2ゲート配線構成部形成工程にて第2金属膜F3をパターニングして形成される第2ゲート配線構成部15Bと、により構成されているから、第1金属膜F1及び第2金属膜F3の各膜厚がゲート配線15の厚さよりも小さくなっている。従って、第1ゲート配線構成部形成工程においてガラス基板12GS上に第1金属膜F1を成膜するのに伴う温度上昇が抑制されるとともに、第2ゲート配線構成部形成工程において少なくとも第1金属膜F1上に第2金属膜F3を成膜するのに伴う温度上昇が抑制され、その結果ガラス基板12GSに作用する応力が緩和され、ガラス基板12GSに変形が生じ難くなる。
【0060】
また、第1ゲート配線構成部形成工程と第2ゲート配線構成部形成工程との間に行われる工程であって、ガラス基板12GS及び第1金属膜F1上に第1絶縁膜F2を成膜して、第1ゲート配線構成部15Aと重畳するよう配されて第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在する第1開口F2Aが形成されるよう第1絶縁膜F2をパターニングする第1絶縁膜形成工程を備えており、第2ゲート配線構成部形成工程では、少なくとも一部が第1開口F2Aと重畳するよう配されて第1ゲート配線構成部15Aに接するよう第2ゲート配線構成部15Bを形成する。このようにすれば、第1ゲート配線構成部形成工程が行われた後に第1絶縁膜形成工程が行われると、ガラス基板12GS及び第1金属膜F1上に第1絶縁膜F2が成膜され、その第1絶縁膜F2がパターニングされることで、第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在する第1開口F2Aが形成される。その後、第2ゲート配線構成部形成工程が行われ、第2金属膜F3がパターニングされると、第1開口F2Aに対して少なくとも一部が重畳するよう配される第2ゲート配線構成部15Bが形成される。第2ゲート配線構成部15Bは、第1開口F2Aを通して第1ゲート配線構成部15Aに接することで第1ゲート配線構成部15Aとの電気的な接続が図られる。このように、第1ゲート配線構成部形成工程と第2ゲート配線構成部形成工程との間に行われる第1絶縁膜形成工程では、第1ゲート配線構成部15Aに沿って延在していて第2ゲート配線構成部15Bが重畳配置される第1開口F2Aを形成しているから、第1金属膜F1及び第2金属膜F3を連続して成膜してからこれらの金属膜F1,F3を一括してパターニングせずとも、第1ゲート配線構成部15A及び第2ゲート配線構成部15Bの電気的な接続を図ることができる。従って、第1ゲート配線構成部形成工程と第2ゲート配線構成部形成工程とを別途に行うことができるので、ガラス基板12GS上に第1金属膜F1を成膜するのに伴う温度上昇が抑制されるとともに、第1金属膜F1及び第1絶縁膜F2上に第2金属膜F3を成膜するのに伴う温度上昇が抑制される。その結果、ガラス基板12GSに作用する応力が緩和され、ガラス基板12GSに変形が生じ難くなる。
【0061】
また、第1ゲート配線構成部形成工程では、ガラス基板12GSよりも熱膨張係数が高い第1金属膜F1を成膜し、第1絶縁膜形成工程では、ガラス基板12GSよりも熱膨張係数が低い第1絶縁膜F2を成膜する。このようにすれば、第1ゲート配線構成部形成工程において第1金属膜F1とガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、第1絶縁膜形成工程において第1絶縁膜F2とガラス基板12GSとの熱膨張係数が相違することに起因してガラス基板12GSに作用する応力と、が逆向きの関係となる。これにより、ガラス基板12GSに残留し得る応力がより低減されるので、ガラス基板12GSに変形がより生じ難くなる。
【0062】
<実施形態2>
実施形態2を図7によって説明する。この実施形態2では、アレイ基板112に備わる配線19に対して接続部20が接続される構成を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0063】
本実施形態に係るアレイ基板112には、図7に示すように、下層側に配される配線19と、配線19よりも上層側に配されていて配線19に接続される接続部20と、が設けられている。配線19は、概ねX軸方向に沿って延在しており、第1金属膜F101からなる第1配線構成部19Aと、第2金属膜F103からなる第2配線構成部19Bと、の積層構造とされる。第1配線構成部19A及び第2配線構成部19Bは、互いに全長・全幅にわたって重畳するとともに互いに並行する形で延在している。第1金属膜F101と第2金属膜F103との間に介在する第1絶縁膜F102には、第1配線構成部19A及び第2配線構成部19Bに対して重畳する位置に第1開口F102Aが形成されている。この第1開口F102Aは、第1配線構成部19A及び第2配線構成部19Bに沿って延在しており、第1開口F102Aを通して第2配線構成部19Bが全長・全幅にわたって第1配線構成部19Aに接している。
【0064】
接続部20は、配線19と交差するよう概ねY軸方向に沿って延在しており、第3金属膜F105からなる。第2金属膜F103と第3金属膜F105との間に介在する第2絶縁膜F104には、第2配線構成部19B及び接続部20の一部ずつに対して重畳する位置にコンタクトホールF104Aが形成されている。コンタクトホールF104Aは、第2配線構成部19B及び接続部20の各全幅にわたって重畳するものの第2配線構成部19B及び接続部20の各延在方向については部分的に重畳するような開口範囲とされる。接続部20は、延在方向についての一部がコンタクトホールF104Aを通して第2配線構成部19Bの延在方向についての一部に接している。これにより、配線19と接続部20との電気的な接続が図られている。以上のような構成によれば、仮に第2絶縁膜F104が非形成とされていて第3金属膜F105が第2金属膜F103上に積層される場合に比べると、接続部20のうち、コンタクトホールF104Aと重畳するよう配されて第2配線構成部19Bに接する部分と、コンタクトホールF104Aとは非重畳とされて第2絶縁膜F104上に積層される部分と、の間に生じ得る段差が緩和される。これにより、接続部20のカバレッジが良好なものとなる。
【0065】
その上で、第2金属膜F103及び第2絶縁膜F104は、膜厚が等しくされているから、接続部20のうち、コンタクトホールF104Aと重畳するよう配されて第2配線構成部19Bに接する部分と、コンタクトホールF104Aとは非重畳とされて第2絶縁膜F104上に積層される部分と、の間に段差が生じるのが避けられる。これにより、接続部20のカバレッジがより良好なものとなる。
【0066】
以上説明したように本実施形態によれば、少なくとも第1絶縁膜F102及び第2金属膜F103上に積層される第2絶縁膜F104であって、第2配線構成部19Bの一部と重畳するよう配されるコンタクトホールF104Aを有する第2絶縁膜F104と、少なくとも第2金属膜F103及び第2絶縁膜F104上に積層される第3金属膜(第3導電膜)F105からなり一部がコンタクトホールF104Aと重畳するよう配されて第2配線構成部19Bに接する接続部20と、を備える。このようにすれば、仮に第2絶縁膜F104が非形成とされていて第3金属膜F105が第2金属膜F103上に積層される場合に比べると、接続部20のうち、コンタクトホールF104Aと重畳するよう配されて第2配線構成部19Bに接する部分と、コンタクトホールF104Aとは非重畳とされて第2絶縁膜F104上に積層される部分と、の間に生じ得る段差が緩和される。これにより、接続部20のカバレッジが良好なものとなる。
【0067】
また、第2金属膜F103及び第2絶縁膜F104は、膜厚が等しい。このようにすれば、接続部20のうち、コンタクトホールF104Aと重畳するよう配されて第2配線構成部19Bに接する部分と、コンタクトホールF104Aとは非重畳とされて第2絶縁膜F104上に積層される部分と、の間に段差が生じるのが避けられる。これにより、接続部20のカバレッジがより良好なものとなる。
【0068】
<実施形態3>
実施形態3を図8によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1から第2ゲート配線構成部215Bの構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0069】
本実施形態に係るゲート配線215を構成する第1ゲート配線構成部215A及び第2ゲート配線構成部215Bは、図8に示すように、上記した実施形態1との比較において、線幅方向についての両端縁の傾斜角度が急になっていて切り立ったような断面形状となっている。そして、第2ゲート配線構成部215Bは、第1ゲート配線構成部215Aよりも幅狭とされている。従って、第1ゲート配線構成部215A及び第2ゲート配線構成部215Bにおける線幅方向についての各端縁が切り立ったような断面形状となっていても、第1ゲート配線構成部215A及び第2ゲート配線構成部215Bの各端縁が擬似的に傾斜角度が緩やかな傾斜状の断面形状となる。これにより、少なくとも第1絶縁膜F202及び第2金属膜F203上に積層される第2絶縁膜F204のカバレッジが良好なものとなる。
【0070】
以上説明したように本実施形態によれば、少なくとも第1絶縁膜F202及び第2金属膜F203上に積層される第2絶縁膜F204を備えており、第2ゲート配線構成部215Bは、第1ゲート配線構成部215Aよりも幅狭とされる。このようにすれば、仮に第1ゲート配線構成部215A及び第2ゲート配線構成部215Bにおける線幅方向についての各端縁が切り立ったような断面形状となった場合でも、第2ゲート配線構成部215Bが第1ゲート配線構成部215Aよりも幅狭とされることで、互いに接する第1ゲート配線構成部215A及び第2ゲート配線構成部215Bの各端縁が擬似的に傾斜状の断面形状となる。これにより、少なくとも第1絶縁膜F202及び第2金属膜F203上に積層される第2絶縁膜F204のカバレッジが良好なものとなる。
【0071】
<実施形態4>
実施形態4を図9によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態2から配線319の構成などを変更したものを示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0072】
本実施形態に係る第2絶縁膜F304は、図9に示すように、その膜厚が第2金属膜F303の膜厚よりも大きくなっている。従って、第3金属膜F305からなる接続部320は、第2絶縁膜F304のコンタクトホールF304Aと重畳する部分が、コンタクトホールF304Aとは非重畳となる部分に対して段差状に落ち込んでいる。ところで、製造過程において第2絶縁膜F304にコンタクトホールF304Aを形成する際には、コンタクトホールF304Aが正規の位置から位置ずれする可能性がある。
【0073】
そこで、本実施形態に係る配線319は、第1配線構成部319A及び第2配線構成部319Bが、線幅方向について互いに部分的に非重畳となるよう配される構成とされる。詳しくは、第2配線構成部319Bは、第1配線構成部319Aに対して図9に示す右側に位置ずれした配置となっている。これにより、第1配線構成部319Aのうちの図9に示す左側の端部が第2配線構成部319Bに対して非重畳となるのに対し、第2配線構成部319Bのうちの図9に示す右側の端部が第1配線構成部319Aに対して非重畳となる。このようにすれば、仮に第1配線構成部及び第2配線構成部が線幅方向について互いに非重畳とならない配置とされる場合に比べると、平面に視た配線319の形成範囲が線幅方向について拡張される。従って、第2絶縁膜F304のコンタクトホールF304Aが線幅方向について正規の位置から位置ずれした場合でも、配線319に対する接続部320の接触面積が十分に確保される確実性が高くなる。
【0074】
以上説明したように本実施形態によれば、第1配線構成部319A及び第2配線構成部319Bは、線幅方向について互いに部分的に非重畳となるよう配される。このようにすれば、仮に第1配線構成部及び第2配線構成部が線幅方向について互いに非重畳とならない配置とされる場合に比べると、平面に視た配線319の形成範囲が拡張されることになる。従って、例えば第2絶縁膜F304のコンタクトホールF304Aが線幅方向について位置ずれした場合でも、配線319に対する接続部320の接触面積が十分に確保される確実性が高くなる。
【0075】
<実施形態5>
実施形態5を図10によって説明する。この実施形態5では、上記した実施形態2に記載の構成を前提として画素電極418とドレイン電極417Cとの接続構造を示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0076】
本実施形態に係るアレイ基板412は、図10に示すように、第2絶縁膜F404及び第3金属膜F405上に積層される第1透明電極膜(第1導電膜)F9と、第1透明電極膜F9上に積層される第2透明電極膜(第2導電膜)F10と、第2透明電極膜F10上に積層される第3透明電極膜(第3導電膜)F11と、少なくとも第3金属膜F405上に積層される第3絶縁膜(第1絶縁膜)F406と、第3透明電極膜F11及び第3絶縁膜F406上に積層される第4透明電極膜(第4導電膜)F12と、を備える。このうち、第3金属膜F405がドレイン電極417Cを構成し、第4透明電極膜F12が画素電極418を構成している。そして、第3絶縁膜F406には、ドレイン電極417C及び画素電極418の一部ずつと重畳する位置に第3開口F406Bが形成されている。第3開口F406Bと重畳する位置には、第1透明電極膜F9からなる第1中間電極(第1配線構成部)21と、第2透明電極膜F10からなる第2中間電極(第2配線構成部)22と、第3透明電極膜F11からなる第3中間電極(第3配線構成部)23と、が設けられている。第1中間電極21、第2中間電極22及び第3中間電極23は、第3開口F406Bにおいて互いに重畳するとともに積層されている。第1中間電極21がドレイン電極417Cに接するとともに第3中間電極23が画素電極418に接することで、ドレイン電極417Cと画素電極418との電気的な接続が図られている。
【0077】
第3絶縁膜F406は、その膜厚が、第1透明電極膜F9、第2透明電極膜F10及び第3透明電極膜F11の各膜厚の合計とほぼ等しくなっている。これにより、第3絶縁膜F406の上面と第3透明電極膜F11の上面とがほぼ段差無く面一状をなしている。従って、画素電極418のうち、第3開口F406Bと重畳するよう配されて第3中間電極23に接する部分と、第3開口F406Bとは非重畳とされて第3絶縁膜F406上に積層される部分と、の間に段差が生じるのが避けられる。これにより、画素電極418のカバレッジが良好なものとなる。そして、第4透明電極膜F12上に配向膜が積層される際には、配向膜の濡れ性が良好なものとなる。
【0078】
<実施形態6>
実施形態6を図11によって説明する。この実施形態6では、上記した実施形態2から配線519の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0079】
本実施形態に係る配線519は、図11に示すように、第1金属膜F501からなる第1配線構成部519Aと、第2金属膜F503からなる第2配線構成部519Bと、第3金属膜F505からなる第3配線構成部519Cと、の積層構造とされる。第1配線構成部519A、第2配線構成部519B及び第3配線構成部519Cは、互いに全長・全幅にわたって重畳するとともに互いに並行する形で延在している。第1金属膜F501と第2金属膜F503との間に介在する第1絶縁膜F502には、第1配線構成部519A及び第2配線構成部519Bに対して重畳する位置に第1開口F502Aが形成されている。同様に、第2金属膜F503と第3金属膜F505との間に介在する第2絶縁膜F504には、第2配線構成部519B及び第3配線構成部519Cに対して重畳する位置に第4開口F504Bが形成されている。これら第1開口F502A及び第4開口F504Bは、第1配線構成部519A、第2配線構成部519B及び第3配線構成部519Cに沿って延在している。第1開口F502Aを通して第2配線構成部519Bが全長・全幅にわたって第1配線構成部519Aに接するのに対し、第4開口F504Bを通して第3配線構成部519Cが全長・全幅にわたって第2配線構成部519Bに接している。
【0080】
以上のように、配線519の厚さは、第1金属膜F501、第2金属膜F503及び第3金属膜F505の各膜厚を足し合わせた大きさとなるから、上記した実施形態1に比べて、配線抵抗をさらに低下させることができる。しかも、製造に際して第1金属膜F501の成膜及びパターニングと、第2金属膜F503の成膜及びパターニングと、第3金属膜F505の成膜及びパターニングと、を別途に行うことが可能となるので、ガラス基板512GS上に各金属膜F501,F503,F505をそれぞれ成膜するのに伴う温度上昇が抑制され、その結果、ガラス基板512GSに作用する応力が緩和され、ガラス基板512GSに変形が生じ難くなっている。さらには、第1金属膜F501、第2金属膜F503及び第3金属膜F505は、いずれもガラス基板512GSよりも熱膨張係数が高く、第1絶縁膜F502、第2絶縁膜F504及び第3絶縁膜F506は、いずれもガラス基板512GSよりも熱膨張係数が低いことから、各金属膜F501,F503,F505をそれぞれ成膜する際にガラス基板512GSに作用する応力と、各絶縁膜F502,F504,F506をそれぞれ成膜する際にガラス基板512GSに作用する応力と、が逆向きの関係となる。これにより、ガラス基板512GSに残留し得る応力がより低減されるので、ガラス基板512GSに変形がより生じ難くなる。
【0081】
また、第3絶縁膜F506には、第3配線構成部519C及び接続部520の一部ずつに対して重畳する位置にコンタクトホールF506Cが形成されている。コンタクトホールF506Cは、第3配線構成部519C及び接続部520の各全幅にわたって重畳するものの第3配線構成部519C及び接続部520の各延在方向については部分的に重畳するような開口範囲とされる。接続部520は、延在方向についての一部がコンタクトホールF506Cを通して第3配線構成部519Cの延在方向についての一部に接している。これにより、配線519と接続部520との電気的な接続が図られている。
【0082】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0083】
(1)第1金属膜F1,F101,F501及び第2金属膜F3,F103,F203,F303,F503は、同一材料に限らず、異なる材料であってもよい。例えば第1金属膜F1,F101,F501及び第2金属膜F3,F103,F203,F303,F503のいずれか一方の材料が純銅とされ、他方の材料が銅合金とされてもよい。
【0084】
(2)第1金属膜F1,F101,F501及び第2金属膜F3,F103,F203,F303,F503の少なくとも一方は、銅以外の金属材料からなり、銅を含有していなくてもよい。
【0085】
(3)第1金属膜F1,F101,F501及び第2金属膜F3,F103,F203,F303,F503の少なくとも一方は、金属材料以外の導電性材料を含んでいてもよい。その場合、第1金属膜F1,F101,F501及び第2金属膜F3,F103,F203,F303,F503の少なくとも一方が金属材料を含んでいなくてもよい。
【0086】
(4)第1絶縁膜F2,F102,F202,F502及び第2絶縁膜F4,F104,F204,F304,F404,F504の少なくとも一方は、窒化ケイ素以外の無機絶縁材料からなり、窒化ケイ素を含有していなくてもよい。
【0087】
(5)第1絶縁膜F2,F102,F202,F502及び第2絶縁膜F4,F104,F204,F304,F404,F504の少なくとも一方は、有機絶縁材料からなるようすることも可能である。
【0088】
(6)ガラス基板12GS,512GSに代えて合成樹脂製の基板を用いることも可能である。その場合、基板の材料としては、光透過性を有するものを用いるのが表示性能を担保する上で好ましいが、表示性能が不要な場合は必ずしもその限りではない。
【0089】
(7)実施形態1及び実施形態3に記載の構成において、ゲート配線15,215が3以上の金属膜を積層した構成であってもよい。
【0090】
(8)実施形態2に記載の構成において、接続部20は、第3金属膜F105及び第4金属膜F107の積層構造であってもよい。実施形態4,6に記載の接続部320,520の構成についても同様に変更可能である。
【0091】
(9)実施形態4に記載の構成において、配線319が3以上の金属膜を積層した構成であってもよい。
【0092】
(10)実施形態5に記載の構成において、第3開口F406Bと重畳する位置に4以上の中間電極が積層される構成であってもよい。
【0093】
(11)実施形態6に記載の構成において、配線519が4以上の金属膜を積層した構成であってもよい。
【0094】
(12)液晶パネル10以外の表示パネル(例えば有機EL表示パネルなど)に備わるアレイ基板12,112,412であってもよい。
【0095】
(13)表示パネル以外のパネルに用いられる配線基板であってもよい。
【符号の説明】
【0096】
10…液晶パネル(表示装置)、11…対向基板、12,112,412…アレイ基板(配線基板)、12GS,512GS…ガラス基板(基板)、15,215…ゲート配線(配線)、15A,215A…第1ゲート配線構成部(第1配線構成部)、15B,215B…第2ゲート配線構成部(第2配線構成部)、19,319,519…配線、19A,319A,519A…第1配線構成部、19B,319B,519B…第2配線構成部、20,320,520…接続部、21…第1中間電極(第1配線構成部)、22…第2中間電極(第2配線構成部)、F1,F101,F501…第1金属膜(第1導電膜)、F2,F102,F202,F502…第1絶縁膜、F2A,F102A,F502A…第1開口(開口)、F3,F103,F203,F303,F503…第2金属膜(第2導電膜)、F4,F104,F204,F304,F404,F504…第2絶縁膜、F5,F105,F305,F405,F505…第3金属膜(第3導電膜)、F9…第1透明電極膜(第1導電膜)、F10…第2透明電極膜(第2導電膜)、F14A,F304B…コンタクトホール
図1
図2
図3
図4
図5A
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