IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TESNOLOGY株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図1
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図2
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図3
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図4
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図5
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図6
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図7
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図8
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図9
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図10
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図11
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図12
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図13
  • 特開-ウェブページを提供するサーバ 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168450
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】ウェブページを提供するサーバ
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20221031BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221031BHJP
【FI】
G06F13/00 540P
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073920
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】520284218
【氏名又は名称】TESNOLOGY株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】特許業務法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】近藤 克彦
【テーマコード(参考)】
5B084
5L049
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA12
5B084AB04
5B084AB06
5B084AB30
5B084AB31
5B084AB35
5B084AB39
5B084BA02
5B084BB15
5B084CA13
5B084CB06
5B084CC08
5B084CC19
5B084CD05
5B084CD22
5B084CE04
5B084CE12
5B084CF12
5B084DB02
5B084DC02
5B084DC03
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】 ユーザの操作履歴に基づいてユーザに提供すべき情報を適切に選択する。
【解決手段】 サーバは、複数の部分領域を含むウェブページにおいて、ユーザにより選択された部分領域に付与された部分IDを取得し、部分IDに応じて、ユーザの関心を示すユーザ特性情報を更新し、ウェブページの提供先となるユーザのユーザ特性情報に基づいて、ウェブページの構成を変更し、ウェブページをユーザ端末に送信する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部分領域を含むウェブページにおいて、ユーザにより選択された部分領域に付与されたIDである部分IDを取得する部分ID取得部と、
前記部分IDに応じて、ユーザの関心を示すユーザ特性情報を更新するユーザ特性管理部と、
ウェブページの提供先となるユーザのユーザ特性情報に基づいて、ウェブページの構成を変更するページ構成部と、
ウェブページをユーザ端末に送信するページ送信部と、を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記ユーザ特性管理部は、部分IDと1以上の評価項目それぞれの評点を対応づけた部分特性情報を参照し、前記選択された部分領域に対応づけられる評点に基づいて前記ユーザ特性情報を更新することを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記ユーザ特性情報は、ユーザと複数の評価項目それぞれの評点を対応づけた情報であって、
前記ユーザ特性管理部は、前記部分特性情報を参照し、前記選択された部分領域に対応づけられる複数の評点に基づいて前記ユーザ特性情報における複数の評点を更新し、
前記ページ構成部は、前記ユーザ特性情報における複数の評点と部分領域に対応づけられる複数の評点の相関度に基づいて、ウェブページの構成を変更することを特徴とする請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
部分領域には、他のウェブページへの参照情報が設定されており、
前記ユーザ特性管理部は、第1のウェブページにおいていずれかの部分領域がユーザにより選択されたとき前記ユーザ特性情報を更新し、
前記ページ送信部は、前記第1のウェブページにおいて選択された部分領域にあらかじめ対応づけられる第2のウェブページを前記ユーザ端末に送信し、
前記ユーザ特性管理部は、前記第2のウェブページにおいて更にいずれかの部分領域がユーザにより選択されたとき前記ユーザ特性情報を再更新することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のサーバ。
【請求項5】
前記ページ構成部は、ウェブページに含まれる複数の部分領域の配置を前記ユーザ特性情報に基づいて変更することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のサーバ。
【請求項6】
部分領域は、ウェブページに記載される文章の一部として浮きだし表示をされる文字列であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のサーバ。
【請求項7】
前記ユーザ特性情報は、複数の用語の結合関係を示す情報として形成され、
前記ユーザ特性管理部は、第1の部分領域および第2の部分領域が選択されたとき、前記ユーザ特性情報において前記第1の部分領域に対応づけられる第1の用語と前記第2の部分領域に対応づけられる第2の用語の結合度を増加させ、
前記ページ構成部は、ユーザ特性情報における前記用語の結合度に応じてウェブページに含まれる複数の部分領域の構成を変更することを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項8】
所定のウェブページである限定ページには、複数の評価項目それぞれについての評点が対応づけられており、
前記ユーザ特性情報は、ユーザと複数の評価項目それぞれの評点を対応づけた情報であって、
前記ページ送信部は、前記ユーザ特性情報における複数の評点と、前記限定ページに対応づけられる複数の評点の相関度が所定の閾値以上となることを条件として、前記限定ページを前記ユーザ端末に送信することを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項9】
第1のページグループに含まれる複数のウェブページと、第2のページグループに含まれる複数のウェブページにはあらかじめタイプが設定されており、
前記第1のページグループに含まれる複数のウェブページそれぞれにあらかじめ設定された選択確率にしたがって、前記第1のページグループからいずれかのウェブページを選択するページ選択部と、
前記選択されたウェブページをユーザ端末に送信するページ送信部と、を備え、
前記ページ選択部は、前記送信されたウェブページに対するユーザからの所定のアクションがなされたとき、前記第2のページグループに含まれる複数のウェブページのうち前記送信されたウェブページと同タイプのウェブページの選択確率を増加させることを特徴とするサーバ。
【請求項10】
前記第1のページグループに含まれる複数のウェブページは、いずれも第1の商品の購入機会を提供するウェブページであり、かつ、前記第1の商品の説明方法がそれぞれ異なるウェブページであって、
前記第2のページグループに含まれる複数のウェブページは、いずれも第2の商品の購入機会を提供するウェブページであり、かつ、前記第2の商品の説明方法がそれぞれ異なるウェブページであって、
前記ページ選択部は、前記第1のページグループから送信対象として選択されたウェブページにおいてユーザから前記第1の商品の購入指示がなされたとき、前記第2のページグループに含まれる複数のウェブページのうち前記送信されたウェブページと同タイプのウェブページの選択確率を増加させることを特徴とする請求項9に記載のサーバ。
【請求項11】
部分領域を含むウェブページにおいて、ユーザにより前記部分領域が選択されたとき前記部分領域に付与されたIDである部分IDを取得する部分ID取得部と、
前記部分IDが取得されたとき、ユーザの関心を示すユーザ特性情報を更新するユーザ特性管理部と、
ウェブページの提供先となるユーザのユーザ特性情報に基づいて、ウェブページの構成を変更するページ構成部と、
ウェブページをユーザ端末に送信するページ送信部と、を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項12】
複数の部分領域を含むウェブページにおいて、ユーザにより選択された部分領域に付与されたIDである部分IDを取得する機能と、
前記部分IDに応じて、ユーザの関心を示すユーザ特性情報を更新する機能と、
ウェブページの提供先となるユーザのユーザ特性情報に基づいて、ウェブページの構成を変更する機能と、
ウェブページをユーザ端末に送信する機能と、をコンピュータに発揮させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
第1のページグループに含まれる複数のウェブページと、第2のページグループに含まれる複数のウェブページにはあらかじめタイプが設定されており、
前記第1のページグループに含まれる複数のウェブページそれぞれにあらかじめ設定された選択確率にしたがって、前記第1のページグループからいずれかのウェブページを選択する機能と、
前記選択されたウェブページをユーザ端末に送信する機能と、
前記送信されたウェブページに対するユーザからの所定のアクションがなされたとき、前記第2のページグループに含まれる複数のウェブページのうち前記送信されたウェブページと同タイプのウェブページの選択確率を増加させる機能と、をコンピュータに発揮させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブページを提供するための技術、に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介して決済および契約を行う取引形態は「eコマース(Electronic Commerce)」とよばれる。eコマースのビジネスを成功させるためには「CRM(Customer Relationship Management)」が重要といわれる。CRMとは、顧客を中心にビジネスを展開する手法を意味する。
【0003】
現代は価値観が多様化し、市場も細分化されている。このため、顧客を理解し、顧客に合った情報を適時・適切に提供することが重要である。特許文献1の情報提供サーバは、ユーザの属性情報をSNS(Social Networking Service)サイトに登録された情報から取得し、ユーザの属性情報に合わせて提供すべき情報を選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6205700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においては、年齢、性別、好きな色などの属性情報に基づいて顧客は複数タイプに分類される(特許文献1の段落[0061]参照)。同一タイプとされる顧客に対しては同一の情報が提供されることになる。特許文献1の情報提供サーバは、顧客自身が認識していない自分の興味、あるいは、興味の変化に柔軟に対応することはできない。
【0006】
本発明は、上記課題認識に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、ユーザの操作履歴に基づいてユーザに提供すべき情報を適切に選択するための技術、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様におけるサーバは、複数の部分領域を含むウェブページにおいて、ユーザにより選択された部分領域に付与されたIDである部分IDを取得する部分ID取得部と、部分IDに応じて、ユーザの関心を示すユーザ特性情報を更新するユーザ特性管理部と、ウェブページの提供先となるユーザのユーザ特性情報に基づいて、ウェブページの構成を変更するページ構成部と、ウェブページをユーザ端末に送信するページ送信部と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様におけるサーバにおいて、第1のページグループに含まれる複数のウェブページと、第2のページグループに含まれる複数のウェブページにはあらかじめタイプが設定されている。
このサーバは、第1のページグループに含まれる複数のウェブページそれぞれにあらかじめ設定された選択確率にしたがって、第1のページグループからいずれかのウェブページを選択するページ選択部と、選択されたウェブページをユーザ端末に送信するページ送信部と、を備える。
ページ選択部は、送信されたウェブページに対するユーザによる所定のアクションがなされたとき、第2のページグループに含まれる複数のウェブページのうち送信されたウェブページと同タイプのウェブページの選択確率を増加させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの操作履歴に基づいてユーザに提供すべき情報を適切に選択しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報提供システムのハードウェア構成図である。
図2】サーバの機能ブロック図である。
図3】トップページの第1の画面図である。
図4】部分特性情報のデータ構造図である。
図5】ユーザ特性情報のデータ構造図である。
図6】第1実施形態においてトップページへのアクセスがあったときの処理過程を示すフローチャートである。
図7】トップページの第2の画面図である。
図8】複数のウェブページの操作履歴からユーザ特性情報を更新する過程を説明するための模式図である。
図9】第2実施形態におけるウェブページの画面図である。
図10】第2実施形態におけるユーザ特性情報の概念図である。
図11】第2実施形態におけるユーザ特性情報の更新処理過程を示すフローチャートである。
図12】トップページの第3の画面図である。
図13】第3実施形態においてトップページへのアクセスがあったときの処理過程を示すフローチャートである。
図14】第4実施形態における購入ページの選択方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を第1実施形態から第4実施形態に分けて説明する。第1実施形態から第4実施形態を特に区別しないときや、まとめていうときには「本実施形態」とよぶ。
【0012】
[第1実施形態]
第1実施形態においては、ユーザがウェブページに設定される部分領域をタッチあるいはクリックしたとき、その部分領域に対応づけられる1以上の評点に基づいてユーザの関心を示すユーザ特性情報を更新する。ユーザ特性情報によってユーザの興味・関心を分析し、サーバはユーザ特性情報に基づいてウェブページの構成を変更する。
【0013】
図1は、情報提供システム200のハードウェア構成図である。
情報提供システム200は、サーバ100と、複数のユーザ端末202を含む。ユーザ端末202は、ユーザが保有する通信端末であり、ラップトップPC、タブレットPC、スマートフォンなどが想定される。本実施形態におけるユーザ端末202はスマートフォンであるとして説明する。サーバ100およびユーザ端末202は、インターネット204を介して接続される。
【0014】
ユーザ端末202は、ウェブブラウザを搭載する。本実施形態におけるサーバ100は化粧品メーカーX(以下、「EC運営者X」とよぶ)が運営するECサイトをホスティング(提供)しているものとして説明する。ユーザは「ユーザID」により識別される。ユーザはサーバ100に対して会員登録を行い、サーバ100は会員番号としてユーザIDを設定する。サーバ100はユーザ端末202のIP(Internet Protocol)アドレス(送信元アドレス)をユーザIDとして使用してもよい。以下、ユーザIDは「PID」とも表記する。
【0015】
図2は、サーバ100の機能ブロック図である。
サーバ100の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コプロセッサ(co-processor)などの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。
以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0016】
サーバ100は、通信部102、データ処理部104およびデータ格納部106を含む。
通信部102は、インターネット204を介してユーザ端末202との通信処理を担当する。データ格納部106は各種情報を格納する。データ処理部104は、通信部102により取得されたデータおよびデータ格納部106に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部104は、通信部102およびデータ格納部106のインタフェースとしても機能する。
【0017】
通信部102は、ユーザ端末202等の外部装置に各種情報を送信する送信部108と、外部装置から各種情報を受信する受信部110を含む。
送信部108は、ページ送信部112を含む。ページ送信部112は、ユーザ端末202にウェブページを送信する。受信部110は、部分ID取得部114を含む。部分ID取得部114は「部分ID」を取得する。部分IDについては後述する。
【0018】
データ格納部106は、コンテンツ格納部120、部分特性格納部122およびユーザ特性格納部124を含む。
コンテンツ格納部120は、ウェブページなど、ユーザ端末202に送信されるコンテンツを含む。部分特性格納部122は「部分特性情報」を格納する。部分特性情報については図4に関連して後述する。ユーザ特性格納部124は「ユーザ特性情報」を格納する。ユーザ特性情報については図5に関連して後述する。
【0019】
データ処理部104は、ユーザ特性管理部130、ページ構成部132およびページ選択部134を含む。
ユーザ特性管理部130は、ユーザ特性情報を管理する。ページ構成部132は、ユーザ特性情報にしたがってユーザ端末202に提供するウェブページの構成を変更する。構成変更の詳細については図6図7に関連して後述する。ページ選択部134は、ユーザ端末202に提供するウェブページを選択する。ウェブページの選択に関しては第4実施形態に関連して説明する。
【0020】
図3は、トップページ140の第1の画面図である。
サーバ100は、ユーザ端末202にトップページ140に対応するウェブページを送信する。トップページ140は、ECサイトにおいてユーザが化粧品のカテゴリを選ぶためのウェブページである。トップページ140は、新製品ボタン142、定番品ボタン144、セール品ボタン146、期間限定品ボタン148、ポイント品ボタン150および定期購入品ボタン152を含む。
【0021】
新製品ボタン142には、新製品を紹介するウェブページ(不図示)へのリンク(参照情報)が設定される。ユーザは、新製品ボタン142をタッチすることにより、新製品を紹介するウェブページを表示させることができる。定番品ボタン144は、定番品を紹介するウェブページ(不図示)に対応する。同様にして、セール品ボタン146はセール品を紹介するウェブページ、期間限定品ボタン148は期間限定品を紹介するウェブページ、ポイント品ボタン150はポイント品、すなわち、特典としてのポイントを付与される化粧品を紹介するウェブページ、定期購入品ボタン152は定期購入品、すなわち、定期配達の対象となる化粧品を紹介するウェブページに対応する。
【0022】
第1実施形態においては、トップページ140に設定される6種類のボタンを「部分領域」とよぶ。部分領域は、ユーザが選択可能であり、ユーザが選択前に部分領域の意味を理解できる文字または画像が付与された領域であればよい。部分領域は、これに加えて、他のウェブページへのリンク(参照情報)が設定される領域、あるいは、購入ボタンのように選択によってなんらかのアクションが発生する領域であってもよい。たとえば、新製品ボタン142には「新製品」という文言が設定されているため、ユーザは新製品ボタン142をタッチすることで新製品に関するウェブページが表示されることを直感的に理解できる。
【0023】
部分領域には部分ID(以下、「LID」とも表記する)が設定される。部分IDは、部分領域を一意に識別可能な指標であればよく、リンク先のURI(Uniform Resource Identifier)であってもよいし、部分領域に設定されるキーワード(例:「新製品」)そのものであってもよい。
【0024】
なお、図3に示す画像は、トップページ140の全体ではなく、トップページ140の一部の領域に表示されるとしてもよい。また、トップページ140は化粧品のカテゴリの選択に限らず、EC運営者Xが任意にカテゴリを設定すればよい。
【0025】
図4は、部分特性情報160のデータ構造図である。
部分特性情報160は部分特性格納部122に格納される。LID=L01の部分領域(以下、「部分領域(L01)」のように表記する)は、新製品ボタン142に対応する。部分領域には、5つの評価項目A1~A5それぞれについて評点が設定されている。評価項目および評点は、EC運営者Xが設定する。
【0026】
評価項目A1は「価格」に関する。部分領域(L01:新製品)の評価項目(A1:価格)の評点は「1点」である。部分領域(L01)に対応する「新製品」は「価格」との関連性が薄いと考えられるため、低評価となっている。一方、部分領域(L03:セール品)の評価項目(A1:価格)の評点は「5点」である。「セール品」は「価格」との関連性が高いと考えられるため、高評価となっている。EC運営者Xは、部分領域のイメージに基づいて、部分領域ごとに5種類の評点を設定しておく。
【0027】
同様にして、評価項目A2は「品質」、評価項目A3は「新規」、評価項目A4は「限定」、評価項目A5は「特典」に対応する。部分領域(L01:新製品)は、評価項目(A3:新規)と評価項目(A4:限定)については高い評点を設定されている。EC運営者Xは、新製品ボタン142(部分領域(L01))を選ぶユーザは、新規性(目新しさ)および限定性に惹かれた可能性があると想定している。
【0028】
図5は、ユーザ特性情報170のデータ構造図である。
ユーザ特性情報170は、ユーザ特性格納部124に格納される。ユーザにも、5つの評価項目A1~A5それぞれについて評点が設定されている。ユーザが部分領域をタッチ(選択)するごとに、ユーザ特性管理部130はユーザ特性情報170を更新する。ユーザ(P01)の評価項目(A1:価格)の評点は「6点」であり、比較的高い。一方、ユーザ(P01)の評価項目(A5:得点)の評点は「1点」であり、比較的低い。これは、ユーザ(P01)は「価格」については気にするが、「特典」についてはそれほど興味を持っていないことを意味する。
【0029】
ユーザ(P01)が新製品ボタン142をタッチしたとする。このとき、ユーザ特性管理部130は、新製品ボタン142、すなわち、部分領域(L01)に対応する複数の評点をユーザ(P01)の評点に加算する。ユーザ(P01)が新製品ボタン142をタッチしたとき、ユーザ(P01)の評価項目(A1:価格)の評点は、もともとの「6点」に部分領域(L01)の「1点」が加算され(図4参照)、「7点」となる。
【0030】
以下、ユーザに対応する評点を「ユーザ評点」、部分領域に対応する評点を「部分評点」とよぶ。上述したように、ユーザ特性管理部130は、ユーザが部分領域をタッチするごとに、ユーザ評点に部分評点を加算する。ユーザ特性管理部130は、ユーザ評点に、「部分評点×k(係数kは任意の正の実数)」を加算することによりユーザ特性情報170を更新してもよい。たとえば、k=0.1であれば、ユーザ(P01)が新製品ボタン142をタッチしたときのユーザ評点(A1:価格)は、6+1×0.1より「6.1点」となる。ユーザ特性管理部130は、ユーザが部分領域をタッチしたとき、その部分領域の部分評点に応じてユーザ評点を変化させる任意の関数により、ユーザ評点を再計算すればよい。
【0031】
ユーザ評点は、ユーザの各評価項目に対する重視度を示す。ユーザ特性情報170を参照することにより、ユーザがどの評価項目を重視しているかがわかる。たとえば、ユーザ(P12)が部分領域(L01:新製品)あるいは部分領域(L03:セール品)を頻繁にタッチするときには、このユーザ(P12)は、二つの部分領域に共通する評価項目(A3:新規)および評価項目(A4:限定)に強い関心を持っていることが推測できる。
【0032】
ユーザが部分領域をタッチするごとに、ユーザ評点は増加するため、ユーザ評点の総和により、このユーザのサーバ100へのアクセスの多さも判明する。ユーザ評点の総和、すなわち、ユーザ評点(A1:価格)からユーザ評点(A5:特典)までの合計値により、EC運営者Xが提供する化粧品へのユーザの興味の大きさ、いわば、忠誠度を推測することもできる。ユーザ特性管理部130は、単位期間、たとえば、現在から5日前までの期間における操作履歴に基づいてユーザ特性情報170を生成・更新するとしてもよい。
【0033】
ユーザ特性管理部130は、ユーザ評点と部分評点の相関係数を計算し、これを「相関度」として算出する。ユーザ(P01)のユーザ評点{6,7,4,3,1}と、部分領域(L01:新製品)の部分評点{1,3,5,4,2}の相関度は「-0.13」である。
【0034】
相関度の計算に際しては、まず、ユーザ評点{6,7,4,3,1}と部分評点{1,3,5,4,2}の共分散SXY、ユーザ評点の標準偏差SXおよび部分評点の標準偏差SYを求める。
ユーザ評点の平均値MXは、(6+7+4+3+1)/5=4.2となる。
部分評点の平均値MYは、(1+3+5+4+2)/5=3.0である。
共分散SXY={(6-4.2)×(1-3)+(7-4.2)×(3-3)+(4-4.2)×(5-3)+(3-4.2)×(4-3)+(1-4.2)×(2-3)}/5=-0.4となる。
SX×SX={(6-4.2)×(6-4.2)+(7-4.2)×(7-4.2)+(4-4.2)×(4-4.2)+(3-4.2)×(3-4.2)+(1-4.2)×(1-4.2)}/5=4.58となる。
SY×SY={(1-3)×(1-3)+(3-3)×(3-3)+(5-3)×(5-3)+(4-3)×(4-3)+(2-3)×(2-3)}/5=1.30となる。
相関係数(相関度)=SXY/(SX×SY)=-0.13となる。
【0035】
したがって、部分領域(L01:新製品)はユーザ(P01)にはあまり興味をもたれていないと考えられる。いいかえれば、ユーザ(P01)は、新製品に興味を持つタイプではないと考えられる。
【0036】
ユーザ(P01)と部分領域(L02:定番品)の相関度は「0.35」、部分領域(L03:セール品)との相関度は「0.42」、部分領域(L04:期間限定品)との相関度は「0.12」、部分領域(L05:ポイント品)との相関度は「-0.90」、部分領域(L06:定期購入品)との相関度は「0.41」となる。ユーザ(P01)の興味・関心には部分領域(L03:セール品)が最も適合し、最も興味・関心に適合していないのは部分領域(L05:ポイント品)となる。ユーザ(P01)には「ポイント品」よりも「セール品」を積極的に薦めた方が商品購入につながりやすいと考えられる。
【0037】
図6は、第1実施形態においてトップページ140へのアクセスがあったときの処理過程を示すフローチャートである。
ここでは、ユーザ(P01)がサーバ100にアクセスし、トップページ140をユーザ端末202に表示させるとする。アクセス要求があったとき、ユーザ特性管理部130はユーザID=P01を特定し、トップページ140の6種類の部分領域における部分評点とユーザ(P01)のユーザ評点との相関度を計算する(S10)。上述したように、トップページ140の6つの部分領域に対して6種類の相関度が計算される。
【0038】
ページ構成部132は、相関度に応じてトップページ140を構成する(S12)。具体的には、相関度の最も高い部分流域(L03:セール品)をトップページ140の最上位に表示させる。構成変更後のトップページ140については次の図7に関連して後述する。ページ送信部112は、構成変更後のトップページ140をユーザ端末202に送信する(S14)。
【0039】
ユーザ(P01)がトップページ140においていずれかの部分領域を選択したときには、ページ送信部112は部分領域に対応するウェブページを送信する。たとえば、ユーザ(P01)が定番品ボタン144(定番品)をタッチしたときには、ページ送信部112は定番品に関するウェブページをユーザ端末202に送信する。部分ID取得部114は選択された部分領域(L02:定番品)の部分IDをユーザ端末202から取得する。ユーザ特性管理部130は部分領域(L02:定番品)の部分評点{4,3,1,1,3}に基づいてユーザ(P01)のユーザ評点を更新する。
【0040】
ユーザ(P01)が定番品に関するウェブページにおいて更にいずれかの部分領域を選択したときには、ユーザ特性管理部130はその選択された部分領域の部分評点に基づいて、ユーザ(P01)のユーザ評点を再更新する。このように、ユーザが各ウェブページにおいて部分領域をタッチするごとに、ユーザ特性管理部130はユーザ特性情報170を更新する。
【0041】
図7は、トップページ140の第2の画面図である。
上述したように、ユーザ(P01)と6つの部分領域それぞれに関する相関度を計算したとき、部分領域(L03:セール品)の相関度が最高値である「0.42」であったとする。ページ構成部132は、このとき部分領域(L03)に対応するセール品ボタン146をユーザ(P01)に最も目につきやすい左上に設定する。トップページ140においては左上(第1位)、右上(第2位)、左中央(第3位)、右中央(第4位)、左下(第5位)、右下(第6位)の順に優先順位が設定されているものとする。以下、ユーザにとって重要と思われる情報をユーザにとって視認しやすく表示させることを「優先表示」とよぶ。
【0042】
上述の例の場合、2番目に相関度が高い部分領域は、部分領域(L06:定期購入品)であるので(相関度は「0.41」)、部分領域(L06)に対応する定期購入品ボタン152は第2位の右上に設定される。3番目に相関度が高い部分領域(L02:定番品)に対応する定番品ボタン144は第3位の左中央に設定される。ページ構成部132は各部分領域についての相関度に基づいて、トップページ140における各ボタンの配置をユーザごとに設定する。優先表示をすることにより、ユーザ(P01)が興味を持つ可能性の高い「セール品」に関する情報をユーザ(P01)は真っ先に視認できる。ユーザ(P01)にとっては興味のあるトピックスを見つけやすくなり、また、EC運営者Xはユーザ(P01)に対して適切な情報を効果的に提供できる。
【0043】
図8は、複数のウェブページの操作履歴からユーザ特性情報170を更新する過程を説明するための模式図である。
サーバ100は、EC運営業者X(自社)が提供するウェブページW1~W7に対するユーザの操作履歴に限らず、他社のサーバが提供するウェブページW8~W11,W12~W15に対するユーザの操作履歴も参照して、ユーザ特性情報170を更新してもよい。
【0044】
ここでは、サーバM1(自社)がウェブページW1~W7、サーバM2(他社)がウェブページW8~W11、サーバM3(他社)がウェブページW12~W15を提供するものとして説明する。サーバM1は「EC運営者Xのサーバ100」として、ユーザ特性情報170を管理する。サーバM1が提供するいずれかのウェブページにおいて部分領域が選択されたとき、上述したように、ユーザ特性管理部130はユーザ特性情報170を更新する。
【0045】
サーバM2が提供するウェブページW8は、ウェブページW1へのリンクを有する。サーバM2の運営者(他社)は、あらかじめウェブページW8~W11に含まれる各部分領域に部分ID(LID)を設定しておく。サーバM2の運営者は、部分領域の選択時において、部分IDおよびユーザIDをサーバM1に送信する契約をEC運営者Xと結んでおく。
【0046】
ユーザ(P01)がウェブページW9(サーバM2)に含まれる部分領域をタッチしたとき、サーバM2は選択された部分領域の部分IDおよびユーザID=P01をサーバM1に送信する。サーバM1の部分特性格納部122には、サーバM2が管轄する部分領域についても部分特性情報160を有する。サーバM1のユーザ特性管理部130は、ウェブページW9において選択された部分領域の部分評点に基づいてユーザ特性情報170を更新する。
【0047】
サーバM3が提供するウェブページW12には、ウェブページW1からのリンクが設定される。サーバM3の運営者(他社)も、ウェブページW12~W15に含まれる各部分領域に部分IDを設定しておく。また、サーバM3の運営者は、部分IDおよびユーザIDをサーバM1に送信する契約をEC運営者Xと結んでおく。ユーザ(P01)がサーバM3の管轄下にあるウェブページの部分領域にタッチしたときにも、サーバM3はユーザIDおよび部分IDをサーバM1に送信し、サーバM1はユーザ特性情報170を更新する。
【0048】
サーバM1は、他のサーバM2,M3からもユーザ(P01)の操作に対応して部分IDを受信することにより、管轄外のウェブページからもユーザ(P01)の操作履歴を取得できる。このような制御方法によれば、ユーザ(P01)の操作履歴を豊富に取得できるため、ユーザ特性情報170をより充実させることが可能となる。
【0049】
サーバM2(他社)は、独自に部分特性情報160を管理してもよい。たとえば、ユーザ(P01)がウェブページW8の部分領域(LX)をタッチしたときには、サーバM2はユーザIDとともに部分領域(LX)の部分評点をサーバM1に送信してもよい。サーバM1のユーザ特性管理部130は、この部分評点に基づいてユーザ特性情報170を更新してもよい。
【0050】
[第2実施形態]
第2実施形態においては、ユーザがウェブページの部分領域をタッチしたとき、部分領域に対応づけられる用語に基づいてユーザの関心を示すユーザ特性情報を更新する。第2実施形態におけるユーザ特性情報は用語の重要度および結合度を示すマップとして形成される。ユーザ特性情報に基づいて、サーバはユーザごとにウェブページの構成を変更する。
【0051】
図9は、第2実施形態におけるウェブページ180の画面図である。
図9のウェブページ180には、商品説明文が含まれる。説明文に含まれる用語の一部にはフローティング領域182が設定される。フローティング領域182に対応づけられる「保湿」「美白」などの用語を、以下「キーワード」とよぶ。フローティング領域182は、立体感のあるボタン形状を有することにより、「触りたい」という気持ちにユーザを誘導する。第2実施形態においては、フローティング領域182が部分領域となる。第2実施形態における部分領域も、ユーザが選択可能であり、ユーザが選択前に部分領域の意味を理解できる領域であればよい。第2実施形態におけるフローティング領域182には、第1実施形態のように他のウェブページへのリンクが設定されてもよい。
【0052】
図10は、第2実施形態におけるユーザ特性情報190の概念図である。
第2実施形態におけるユーザ特性情報190は、さまざまなキーワードの「重要度」と「結合度」により定義される。ユーザごとにユーザ特性情報190は異なる。図10は、あるユーザ(P11)のユーザ特性情報190であるとする。
【0053】
キーワードには「重要度」が設定される。ユーザ(P11)がフローティング領域182をタッチしたとき、ユーザ特性管理部130はフローティング領域182に対応するキーワードの重要度を加算する。ユーザ(P11)がフローティング領域182(美肌)をタッチしたとき、ユーザ特性管理部130はキーワード「美肌」の重要度に1を加算する。図10においては「美肌」の重要度は「38」、「保湿」の重要度は「36」、「お手入れ」の重要度は「6」となっている。これらのデータから、ユーザ(P11)は「美肌」「保湿」というキーワードには反応しやすいが「お手入れ」というキーワードにはそれほど反応していないことがわかる。
【0054】
キーワード間には「結合度」が設定される。ユーザ(P11)がウェブページ180においてフローティング領域182(美肌)をタッチした後、同じウェブページ180において今度は「保湿」をタッチしたとする。このとき、ユーザ特性管理部130はキーワード「美肌」とキーワード「保湿」の結合度に1を加算する。図10においては「美肌」と「保湿」の結合度は「12」である一方、「美肌」と「美白」の結合度は「2」である。これらのデータから、ユーザ(P11)は「美肌」と「保湿」に強い関連性を見出しているが、「美肌」と「美白」についてはそれほど関連性を見出していないことがわかる。
【0055】
さまざまなキーワードの重要度と結合度により、ユーザの興味・関心を喚起するキーワード、ユーザが関連性を感じているキーワードの組み合わせを定量的に把握できる。
【0056】
第1実施形態と同様にして、ページ構成部132はユーザ特性情報190に基づいてウェブページを構成する。ページ構成部132は、このとき、重要度の高い「美肌」に対応づけられる部分領域を優先表示させる。たとえば、ページ構成部132は、複数の化粧品をリスト表示させるウェブページにおいて、「美肌」タグを設定されている化粧品を上位に優先表示させてもよい。第2実施形態においては、ウェブページ180は商品説明をするとともに、ユーザの興味・関心を探り出すためのページとして機能する。
【0057】
ページ構成部132は、「美肌」タグに加えて「保湿」タグが付与されている化粧品を、「美肌」タグのみが付与されている化粧品よりも優先表示させてもよい。ユーザ(P11)は「美肌」に興味があるだけではなく、「美肌」と「保湿」を関連づけて考えているので、「美肌」と「保湿」の双方に関連する化粧品を優先表示することで、ユーザ(P11)により有用な情報を提供できる。
【0058】
より具体的には、ページ構成部132は、「美肌」と結合するキーワードのうち、「美肌」との結合度が閾値T1以上、かつ、重要度が閾値T2以上となるキーワードが存在するとき、「美肌」だけではなく、このキーワードにも対応づけられる部分領域を優先表示させるとしてもよい。閾値T1を「美肌」の重要度の1/3、閾値T2を「美肌」の重要度の1/2としたとき、閾値T1は「12」、閾値T2は「19」となる(図10参照)。図10に示すユーザ特性情報190において閾値T1、T2以上となるキーワードは「保湿」のみである。このとき、ページ構成部132は「美肌」「保湿」という2種類のキーワードが対応づけられている部分領域を「美肌」のみが対応づけられている部分領域よりも優先表示させる。
【0059】
図11は、第2実施形態におけるユーザ特性情報190の更新処理過程を示すフローチャートである。
ユーザがウェブページ180においていずれかのフローティング領域182をタッチしたとき、図11に示す処理が実行される。ユーザ(P11)がフローティング領域182(美肌)をタッチしたとき、ユーザ特性管理部130はキーワード「美肌」の重要度を増加させる(S20)。最初のタッチであれば(S22のN)、処理は終了する。ウェブページ180において2回目以降のタッチであれば(S22のY)、ユーザ特性管理部130は前回選択されたキーワードと今回選択されたキーワードの結合度を増加させる(S24)。
【0060】
たとえば、ユーザ(P11)がキーワード「美肌」を選択した後、フローティング領域182(保湿)をタッチしたとき、ページ構成部132はキーワード「保湿」の重要度に加算するとともに、「保湿」と「美肌」の結合度にも加算する。
【0061】
ページ構成部132は、フローティング領域182がタッチされるごとに重要度および結合度を増加させる。ページ構成部132は単位期間、たとえば、1週間分の操作履歴に基づいてユーザ特性情報190を更新し、1週間より以前の古い操作履歴は重要度および結合度に反映させないとしてもよい。
【0062】
[第3実施形態]
第3実施形態においては、限定情報、たとえば、数量限定の化粧品(以下、「限定化粧品」とよぶ)に関する情報を一部のユーザのみに提供する。この化粧品には第1実施形態と同様にしてあらかじめ複数の評点(以下、「製品評点」とよぶ)が設定されている。ページ構成部132は、製品評点およびユーザ評点に基づいて、限定化粧品に関する情報を提供すべきユーザを選択する。
【0063】
図12は、トップページ140の第3の画面図である。
第3実施形態においては、サーバ100本限定の限定化粧品「フェイシャルリンク」を一部のユーザのみに販売する場面を想定する。限定化粧品の販売方法としては、先着順という方法もあれば、抽選により販売対象者を選ぶ方法もある。しかし、このような販売方法だと限定化粧品にふさわしくないユーザが限定化粧品を手に入れる可能性がある。販売者として、限定化粧品を愛用してくれそうなユーザを選んで限定化粧品を販売したい場合もある。限定化粧品をモニター販売する場合にも、化粧品に対して好意的かつ建設的な意見をSNSに投稿してくれそうなユーザを選んで販売することが望ましい。
【0064】
第2実施形態においては限定化粧品に対して、第1実施形態と同様にして評価項目A1~A5それぞれについて評点を設定する。たとえば、EC運営者Xは、限定化粧品「フェイシャルリンク」の製品評点を{5,3,3,1,2}のように設定しておく。ページ構成部132は、ユーザ評点と製品評点の相関係数を相関度として計算し、相関度が所定の閾値V以上となるユーザに限って、トップページ140に限定情報ボタン192を表示させる。
【0065】
たとえば、閾値Vを「0.5」とする。ユーザ(P01)のユーザ評点を{6,7,4,3,1}とすると(図5参照)、ユーザ(P01)と限定化粧品「フェイシャルリンク」の相関度は「0.65」となり、閾値V以上となる。ページ構成部132は、ユーザ(P01)がトップページ140にアクセスしたときには、限定情報ボタン192をトップページ140に追加する。限定情報ボタン192をユーザ(P01)がタッチすると、限定化粧品「フェイシャルリンク」の詳細に関するウェブページ(不図示)が表示される。以下、このように特定のユーザのみに開示されるウェブページのことを「限定ページ」とよぶ。なお、第3実施形態においては限定化粧品を対象として複数の製品評点を設定するとして説明するが、製品評点は限定化粧品を紹介する限定ページを対象として設定されてもよい。
【0066】
一方、ユーザ(P02)のユーザ評点を{4,2,1,3,6}とすると(図5参照)、ユーザ(P01)と限定化粧品「フェイシャルリンク」の相関度は「-0.06」となり、閾値V未満となる。ページ構成部132は、ユーザ(P02)がトップページ140にアクセスしてきたときには、限定情報ボタン192をトップページ140に追加しない。このような制御方法によれば、限定化粧品「フェイシャルリンク」に興味をもつ可能性の高いユーザ(P01)を合理的に選ぶことができる。ユーザ特性管理部130は、第1実施形態と同様の方法にてユーザ特性情報170を適宜更新してもよい。
【0067】
なお、限定情報ボタン192においては「限定あと95本」のように、限定化粧品「フェイシャルリンク」の残存本数も表示される。これにより、ユーザ(P01)は、自分の好みに合う化粧品があり、かつ、それが限定品であることを認識するため、いっそう限定化粧品に対する購入意欲が喚起される。
【0068】
図13は、第3実施形態においてトップページ140へのアクセスがあったときの処理過程を示すフローチャートである。
ユーザからトップページ140へのアクセス要求があったとき、ユーザ特性管理部130はユーザIDを特定し、第1実施形態と同様にして、トップページ140に各部分領域(ボタン)を配置する。次に、ユーザ特性管理部130はユーザ評点と製品評点の相関度を計算する。相関度が閾値V未満のときには(S30のN)、以下の処理は実行されない。相関度が閾値V以上のとき(S30のY)、ユーザ特性管理部130は限定化粧品の残存本数を確認する(S32)。サーバ100の送信部108は、外部の在庫管理データベース(不図示)に問い合わせることにより、限定化粧品の残存本数を確認し、これをユーザ特性管理部130に通知してもよい。残存する限定化粧品が存在しなければ(S32のN)、以下の処理は実行されない。
【0069】
限定化粧品が残存しているときには(S32のY)、ページ構成部132はトップページ140に限定情報ボタン192を追加する(S34)。また、ページ構成部132は限定情報ボタン192に残存本数も表示させる(図12参照)。
【0070】
[第4実施形態]
第4実施形態においては、1つの商品に対して、商品購入するためのウェブページ(以下、「購入ページ」とよぶ)を複数種類用意する。サーバ100は、ユーザの操作履歴に基づいて、複数種類の購入ページから、ユーザが商品購入をする可能性が高い購入ページを選択する。
【0071】
図14は、第4実施形態における購入ページの選択方法を説明するための模式図である。
ここでは、化粧品Aと化粧品Bの2種類の化粧品を想定する。化粧品Aの購入ページとして購入ページWA1,WA2,WA3(以下、「グループA」ともよぶ)の3種類が用意されている。グループAの購入ページは、化粧品Aを購入するためのインタフェースを有する点において共通する。購入ページWA1,WA2,WA3は、化粧品Aの説明文あるいは宣伝文が異なる。ここでは、購入ページWA1は「お得です」、購入ページWA2は「今だけです」、購入ページWA3は「あなただけです」という文言を使って化粧品Aを宣伝しているとする。人によって、購買意欲を喚起しやすい宣伝文としづらい宣伝文がある。たとえば、ユーザ(P01)は購入ページWA1の「お得です」という文言に購入意欲を掻き立てられるかもしれないし、別のユーザ(P02)は購入ページWA2の「今だけです」という文言の方が購入意欲を掻き立てられるかもしれない。
【0072】
化粧品Bの購入ページとしても購入ページWB1,WB2,WB3の3種類が用意されている(以下、「グループB」ともよぶ)。購入ページWB1は「お得です」、購入ページWB2は「今だけです」、購入ページWB3は「あなただけです」という文言をつかって化粧品Bを宣伝しているとする。すなわち、購入ページWA1,WB1は同じタイプある。購入ページWA2と購入ページWB2、購入ページWA3と購入ページWB3についても同様である。
【0073】
ユーザごとに各購入ページの選択確率が設定される。ユーザ(P01)についても購入ページWA1,WA2,WA3にはあらかじめ選択確率が設定されている。第4実施形態においては、ユーザ(P01)について、購入ページWA1の選択確率は30(%)、購入ページWA2の選択確率は20(%)、購入ページWA3の選択確率は50(%)に設定されているものとする。
【0074】
同様にして、購入ページWB1,WB2,WB3にもあらかじめ選択確率が設定されている。ユーザ(P01)について購入ページWB1の選択確率は35(%)、購入ページWB2の選択確率は25(%)、購入ページWB3の選択確率は40(%)であるとする。
【0075】
ユーザ(P01)がグループAの購入ページにアクセスするとき、ページ選択部134は選択確率にしたがって購入ページWA1,WA2,WA3のいずれかを選択する。具体的には、ページ選択部134は1~100の範囲で乱数を生成し、乱数値が1~30であれば購入ページWA1を選択し、乱数値が31~50であれば購入ページWA2を選択し、乱数値が51~100であれば購入ページWA3を選択する。ページ送信部112は、選択された購入ページをユーザ端末202(P01)に送信する。
【0076】
ここでは、ユーザ(P01)に対して購入ページWA1が送信され、ユーザ(P01)は購入ページWA1から化粧品Aを購入したとする。この結果から、ユーザ(P01)に対しては購入ページWA1の「お得です」という宣伝文句が効果的に機能した、少なくとも、不利には働いていないと考えられる。
【0077】
ページ選択部134は、ユーザ(P01)が購入ページWA1から化粧品Aを購入したという実績に基づいて、化粧品Bについて同タイプの購入ページWB1の選択確率を10(%)上昇させる。また、これに対応して、購入ページWB2,WB3の選択確率をそれぞれ5(%)低下させる。この結果として、ユーザ(P01)について購入ページWB1の選択確率は45(%)に上昇し、購入ページWB2の選択確率は20(%)に低下し、購入ページWB3の選択確率は35(%)に低下する。
【0078】
このように、ユーザ(P01)が購入ページWA1からの化粧品Aを購入したとき、化粧品Bについての同タイプの購入ページWB1の選択確率が上昇する。ユーザ(P01)は「お得です」という宣伝文句に反応しやすいと考えられるため、同タイプの購入ページWB1の選択確率を上昇させることにより、ユーザ(P01)が化粧品Bを購入する可能性を高めることができる。
【0079】
他の化粧品C,Dがあれば、同様にして選択確率の調整を行う。また、ユーザが化粧品Aを2回以上購入する可能性もあるため、ページ選択部134はユーザ(P01)が購入ページWA1からの化粧品Aを購入したときには、購入ページWA1の選択確率も上昇させてもよい。
【0080】
ユーザ(P01)が購入ページWB2(「今だけです」)から化粧品Bを購入したときには、ページ選択部134は購入ページWA1の選択確率を上昇させる。
【0081】
[総括]
以上、実施形態に基づいて情報提供システム200による情報提供法について説明した。
第1実施形態および第2実施形態によれば、サーバ100は、ユーザの操作履歴に基づいて、ユーザにとって重要な情報を選んで優先表示させることができる。ユーザは、トップページ140等のウェブページにアクセスするとき、自分の興味に合った情報を見つけやすくなる。一方、EC運営者Xも、多種多様な情報の中からユーザに合わせて情報提供方法を変更することにより、収益機会を確保しやすくなる。
【0082】
第1実施形態および第2実施形態においては、ユーザによる部分領域の選択履歴に基づいて、ユーザの関心、興味、嗜好を探ることができる。多数の部分領域は頻繁にタッチされるためユーザに関する情報を集めやすい。また、情報収集性だけでなく、ユーザのプライバシーを守りやすい。たとえば、ユーザ特性管理部130は、ユーザがどの部分領域を選択したかという情報を保存しておく必要はなく、ユーザが選択した部分領域の部分評点のみに基づいてユーザ特性情報170を管理できる。また、部分領域に対するタッチ回数により、ユーザのウェブサイトへの忠誠度あるいはウェブサイトにおける滞在時間も推測可能である。サーバ100は、ネットサーフィンを通して、ユーザのプライバシーに配慮しつつ、ユーザの関心および興味に関する情報を豊富に取得できる。
【0083】
EC運営者Xは、自社のウェブサイトだけでなく、他社のウェブサイトからもユーザの操作履歴を取得してもよい。他社のウェブサイトにおける操作履歴から、ユーザについて意外な情報を引き出すことができるかもしれない。たとえば、自社のウェブサイトからはユーザ(P01)は品質(A2)をそれほど重視していないように見えても、他社のウェブサイトにおいては品質に強い興味を示しているかもしれない。EC運営者Xは、多数のウェブページにおける多数の部分領域ついての操作履歴を収集することにより、ユーザをより深く理解できる。
【0084】
第3実施形態においては、ある商品の情報をすべてのユーザに届けるのではなく、一部のユーザだけに届けることにより、ユーザに「自分に相応しい商品を紹介されている」という「選ばれたという感覚」をもたせることができる。商品特性を示す製品評点とユーザ特性を示すユーザ評点の親和性を相関度として定量化することにより、商品を気に入る可能性の高いユーザ、商品を大切に使う可能性の高いユーザを選んで商品情報を提供できる。また、このようなユーザに限定商品を提供することにより、商品数が少ない場合でもSNSなどで口コミを起こしやすくなる。ユーザは、サーバ100が提供するウェブページにアクセスすることで自分の興味・関心を伝えることで、自分にふさわしい限定情報を提供してもらえるかもしれないという期待感を喚起される。サーバ100が大量のコンテンツをユーザの好みにあわせて取捨選択することで、ユーザにとってわかりやすく、かつ、ためになるウェブサイトを実現できる。
【0085】
第4実施形態においては、化粧品Aの販売実績に基づいて、ユーザごとに効果的な商品説明方法、宣伝方法などを探ることができる。ある商品の販売実績を他の商品の販売方法に生かすことで、ユーザの商品購入意欲を効果的に増進できる。
【0086】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0087】
[変形例]
ウェブページ180(図9参照)においては、フローティング領域182をキーワードが浮き出す形状にて表示させるとして説明した。このほかにも、キーワードに下線を付与した領域として部分領域を設定してもよいし、部分領域におけるキーワードの文字色を変更してもよい。
【0088】
ユーザがフローティング領域182などの部分領域をタッチあるいはクリックしたときに限らず、部分領域上をカーソルが所定時間以上滞留したとき、ユーザ特性管理部130はこの部分領域が実質的に「選択」されたとみなしてユーザ特性情報170を更新してもよい。部分領域上にカーソルが留まることは、ユーザがこの部分領域の選択を迷っている可能性がある。いいかえれば、ユーザはこの部分領域に興味を持っている可能性がある。
【0089】
本実施形態においては部分領域にはキーワードなどの文字が表記されるとして説明したが、部分領域には文字に限らず、画像が対応づけられてもよい。
【0090】
第1実施形態においては、1つの部分領域に複数の評価項目を設定するとして説明した。変形例として、1つの部分領域に1つの評価項目のみを設定するとしてもよい。
【0091】
本実施形態においては、「優先表示」として、ユーザにとって重要な情報をウェブページの上位あるいは左に表示させるとして説明した。これに限らず、重要情報を他の情報よりも大きく表示させるとしてもよい。重要情報の色を変えてもよいし、マークをつけることにより、他の情報よりも視認性を高めてもよい。このように優先表示とは、特定の情報の表示位置あるいは表示態様を他の情報のそれらと異ならせることにより、特定の情報の視認性を他の情報よりも高める表示方法であればよい。
【0092】
評価項目は固定でなくてもよい。部分領域L1には評価項目A1,A2,A3を設定し、別の部分領域L2には評価項目A2,A3,A4,A5を設定するとしてもよい。この場合、部分領域L1の評価項目A4,A5の評点として、便宜的に、評価項目A1,A2,A3の評点の平均点を設定するとしてもよい。たとえば、部分領域L1の評価項目A1,A2,A3の評点が{4,6,2}のとき、その平均点は「4」になるので、部分領域の評価項目A4,A5の評点を便宜的に{4,4}に設定すればよい。このような制御方法によれば、多数の評価項目を用意する場合であっても、部分領域ごとに全ての評価項目について評点を設定しなくてもよいので、EC運営者Xの作業負荷を緩和できる。
【0093】
ユーザ特性管理部130は、部分領域が選択されたとき、部分領域に対応づけられる部分評点をユーザ評点に加算することでユーザ特性情報170を更新するとして説明した。上述したように、ユーザ特性管理部130は、ユーザ評点に「部分評点×k(係数kは任意の正の実数)」を加算することによりユーザ特性情報170を更新してもよい。図7のトップページ140においてユーザ(P01)が優先表示されているセール品ボタン146を選択したときには、ユーザ評点にセール品ボタン146の部分評点×k1を加算してもよい。
【0094】
図7のトップページ140においてユーザ(P01)が劣後表示されているポイント品ボタン150を選択したときには、ユーザ特性管理部130はユーザ評点に部分評点×k2を加算してもよい。ここでいう「劣後表示」とは、図7のトップページ140において優先順位が比較的低い位置、たとえば、優先順位が5位以下となる位置に表示されることを意味する。ここでk2>k1である。これは、劣後表示されるポイント品ボタン150をユーザが敢えて選ぶということは、ユーザはポイント品ボタン150に対して強い興味を示している可能性があると考えられる。k1よりも大きなk2を利用することにより、劣後表示されている部分領域を敢えて選んだという事実をユーザ評点に大きく反映させることができる。
【0095】
第1実施形態においては、部分領域に5種類の評点を設定し、5種類の評点に基づいてユーザ特性管理部130はユーザ特性情報170を更新するとして説明した。変形例として、部分領域自体を評価項目としてもよい。たとえば、部分領域(L01:新製品)に対して、評価項目(新製品)、評点0.5点として設定しておく。ユーザ(P01)が部分領域(L01:新製品)を選択したとき、ユーザ特性管理部130はユーザ(P01)の評価項目(新製品)に0.5点を加算する。このように部分領域の選択数に応じて、ユーザ特性情報170が更新されるとしてもよい。
【0096】
第2実施形態に示したようなフローティング領域182(部分領域)に対して複数の評価項目および評点を設定してもよい。たとえば、図9のフローティング領域182(保湿)に対して1以上の部分評点を設定しておく。ユーザ(P01)がフローティング領域182(保湿)を選択したときには、ユーザ特性管理部130はフローティング領域182(保湿)に対応する部分評点に基づいてユーザ(P01)のユーザ評点を更新してもよい。
【0097】
キーワード「美肌」の評価項目A1が10点、キーワード「保湿」の評価項目A1が5点であるとする。ユーザがキーワード「美肌」を選択した後、キーワード「保湿」を選択したときには、ユーザ特性管理部130は評価項目A1について加算値を「(10点+5点)×k3」として計算し、この加算値に基づいて評価項目A1についてのユーザ評点を更新してもよい。k3は任意の正の実数であればよい。k3=結合度とすれば、「美肌」および「保湿」の結合度もユーザ評点に反映させることができる。
【0098】
キーワード「美肌」は評価項目「体内健康」の評点が高いとする。キーワード「菜食」も評価項目「体内健康」の評点が高いとする。ユーザ(P22)がフローティング領域182(美肌)およびフローティング領域182(菜食)を頻繁に選択するとき、このユーザ(P22)は「体内健康」への関心が高いと考えられる。キーワード「腸活」は評価項目「体内健康」の評点が高いとする。ユーザ(P22)は「腸活」については知識がなくてもよい。ページ構成部132は、ユーザ(P22)にウェブページを提供するときには、「腸活」に関するウェブページへのリンクを設定されたボタンを優先表示してもよい。ページ構成部132は体内健康に興味を持っているユーザ(P22)に対して「腸活」というユーザ(P22)が認識していないがユーザ(P22)が興味をもつ可能性の高い情報を選んで提供できる。
【0099】
ユーザが「美肌」というキーワードでウェブ検索をしたとき、ページ構成部132は「美肌」だけでなく「美肌」と結合度の高い「保湿」をキーワードとして含むウェブページへのリンクを優先表示させてもよい。
【0100】
部分領域ごとに評点を設定するのではなく、第3実施形態のように商品ごとに評点を設定してもよい。また、商品ごとではなく、サービスごと、あるいは、商品・サービスのカテゴリごとに評点を設定してもよい。ユーザが、「ナチュラル化粧品」というカテゴリをウェブページから選択したとき、ユーザ特性管理部130はカテゴリ「ナチュラル化粧品」に対応づけられる1以上の評点に基づいてユーザ評点を更新してもよい。
【0101】
ユーザ特性情報170,190は、ユーザの承認を得て、EC運営者X以外の他社と共有してもよい。ユーザ特性情報170を管理するデータ管理業者Yを想定してもよい。データ管理業者Yが運用するサーバ100は、各ウェブページから部分IDまたは部分領域に対応づけられる評点をユーザIDとともに取得し、ユーザ特性情報170を更新する。また、データ管理業者は、各社にユーザ特性情報170を提供してもよい。
【0102】
第2実施形態においては、同一のウェブページ180において第1のキーワードK1に対応するフローティング領域182と第2のキーワードK2に対応するフローティング領域182が連続して選択されたとき、キーワードK1とキーワードK2の結合度を高めるとして説明した。変形例として、キーワードK1に対応するフローティング領域182が選択されてから所定時間以内、たとえば、5秒以内にキーワードK2に対応するフローティング領域182が選択されたとき、ページ構成部132はキーワードK1とキーワードK2の結合度を加算するとしてもよい。このとき、キーワードK1とキーワードK2は別々のウェブページに存在する用語であってもよい。
【0103】
ユーザ特性管理部130は、ユーザ特性情報190において重要度および結合度の加算に制限を設定してもよい。たとえば、ユーザ特性管理部130はユーザ特性情報190における重要度および結合度を所定のタイミング、たとえば、月末ごとにリセットするとしてもよい。あるいは、ユーザ特性管理部130は1ヶ月経過するごとに既存の重要度よび結合度を半減させるとしてもよい。ユーザ(P01)の「美肌」に対する2021年4月30日時点における重要度が「418」であるとする。ユーザ特性管理部130は5月1日に重要度を半減させ、このユーザ(P01)の「美肌」に対する重要度を「209」に再設定してもよい。このような制御方法により、ユーザ特性情報190における重要度および結合度の増加ペースをコントロールしやすくなる。
【0104】
第3実施形態においては、数に限りのある限定化粧品の紹介先をユーザ特性情報170に基づいて選択するとして説明した。ユーザに紹介する商品またはサービスは限定品である必要はない。ページ構成部132はユーザ特性情報170に基づいて、ユーザごとに提供すべき限定情報を取捨選択することができる。大量のコンテンツからユーザに合った限定情報を選択することにより、ページ構成部132はユーザに対するコンシェルジュとして振舞うことができる。ページ構成部132は、ユーザに気に入ってもらえそうな情報を提供し、ユーザが気に入らないかもしれない情報の提供を控えることができる。
【0105】
ユーザの操作履歴により、ユーザの最新の興味を把握できる。たとえば、ユーザ(P01)に対して提供した情報C1と提供しなかった情報C2があるとする。情報C1における操作履歴からユーザ(P01)の興味が変化していることがわかったとき、情報C2にユーザ(P01)は興味をもつかもしれない。ユーザの興味が変化したことを確認した上で、ページ構成部132は情報C2をユーザ(P01)に提供すればよい。サーバ100は、ユーザの操作履歴に基づいてユーザの興味の変化を認識できるので、情報C2を活用しないまま無駄に保存しつづけてしてしまうことなく、ユーザ(P01)が興味を持つかもしれないタイミングにて適切に情報C2を提供できる。
【0106】
第3実施形態においては、ページ構成部132は忠誠度の高いユーザだけに限定情報ボタン192を表示してもよい。ページ構成部132はユーザ特性情報170を参照し、ユーザ評点の合計点が閾値R以上となるユーザだけに限定情報ボタン192を表示させ、限定情報を提供してもよい。このような制御方法によれば、自社のウェブサイトを頻繁に訪問するユーザへの特典として、限定化粧品を提供できる。
【0107】
第4実施形態においては、購入ページに応じて商品の説明文あるいは宣伝文句を異ならせるとして説明した。文章に限らず、画像も含めた表示態様を購入ページごとに異ならせてもよい。購入ページごとに商品画像を異ならせてもよい。たとえば、商品の背景画像を異ならせてもよいし、商品説明のためのイラストやマンガ、動画の種類を異ならせるとしてもよい。
【0108】
第4実施形態においては、購入操作がなされたことを条件として、ページ選択部134は各ウェブページの選択確率を変更するとして説明した。購入操作に限らず、お問い合わせページへの入力操作、電話インタフェースによる通話、商品の拡大表示など、あらかじめ定義された特定の操作を契機として、ページ選択部134は各ウェブページの選択確率を変更するとしてもよい。
【符号の説明】
【0109】
100 サーバ、102 通信部、104 データ処理部、106 データ格納部、108 送信部、110 受信部、112 ページ送信部、114 部分ID取得部、120 コンテンツ格納部、122 部分特性格納部、124 ユーザ特性格納部、130 ユーザ特性管理部、132 ページ構成部、134 ページ選択部、140 トップページ、142 新製品ボタン、144 定番品ボタン、146 セール品ボタン、148 期間限定品ボタン、150 ポイント品ボタン、152 定期購入品ボタン、160 部分特性情報、170 ユーザ特性情報、180 ウェブページ、182 フローティング領域、190 ユーザ特性情報、192 限定情報ボタン、200 情報提供システム、202 ユーザ端末、204 インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14