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特開2022-168472共振素子、検査装置及び検査システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168472
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】共振素子、検査装置及び検査システム
(51)【国際特許分類】
   H03H 5/02 20060101AFI20221031BHJP
【FI】
H03H5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073956
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(72)【発明者】
【氏名】喜々津 哲
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 聡志
(72)【発明者】
【氏名】山田 健一郎
【テーマコード(参考)】
5J024
【Fターム(参考)】
5J024AA10
5J024DA04
5J024DA29
5J024DA33
(57)【要約】
【課題】小型化が可能な共振素子、検査装置及び検査システムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、共振素子は、第1導電部材と、第2導電部材と、第1接続部材と、を含む。前記第1導電部材は、第1平面に沿う第1層領域と、第1らせん領域と、を含む。前記第1らせん領域は、第1部分と第1他部分とを含む。前記第1他部分は、前記第1層領域と電気的に接続される。前記第1部分は、前記第1他部分よりも外側にある。前記第2導電部材は、前記第1平面に沿う第2層領域と、前記第2層領域と電気的に接続された第2部分と、を含む。前記第2層領域から前記第1層領域への第1方向は、前記第1平面と交差する。前記第1接続部材は、前記第2部分を前記第1部分と電気的に接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1平面に沿う第1層領域と、第1らせん領域と、を含む第1導電部材であって、前記第1らせん領域は、第1部分と第1他部分とを含み、前記第1他部分は、前記第1層領域と電気的に接続され、前記第1部分は、前記第1他部分よりも外側にある、前記第1導電部材と、
前記第1平面に沿う第2層領域と、前記第2層領域と電気的に接続された第2部分と、を含む第2導電部材であって、前記第2層領域から前記第1層領域への第1方向は、前記第1平面と交差する、前記第2導電部材と、
前記第2部分を前記第1部分と電気的に接続する第1接続部材と、
備えた共振素子。
【請求項2】
前記第1らせん領域は、前記第1平面に沿って前記第1層領域の周りをらせん状に延びる、請求項1記載の共振素子。
【請求項3】
前記第2導電部材は、第2らせん領域を含み、前記第2らせん領域は、前記第2部分と、第2他部分と、を含み、
前記第2他部分は、前記第2層領域と電気的に接続され、
前記第2部分は、前記第2他部分よりも外側にある、請求項1または2に記載の共振素子。
【請求項4】
前記第1他部分から前記第1部分への向きは、時計回り及び反時計回りの一方であり、
前記第2他部分から前記第2部分への向きは、前記時計回り及び前記反時計回りの他方である、請求項3記載の共振素子。
【請求項5】
前記第1部分から前記第1他部分へ流れる電流は、時計回り及び反時計回りの一方であり、
前記第2他部分から前記第2部分へ流れる電流は、前記時計回り及び前記反時計回りの前記一方である、請求項3記載の共振素子。
【請求項6】
前記第1層領域は、複数の第1部分領域を含み、
前記複数の第1部分領域の1つの一部は、前記複数の第1部分領域の別の1つと離れた、請求項1~5のいずれか1つに記載の共振素子。
【請求項7】
第1磁性層と、
第2磁性層と、
絶縁部材と、
をさらに備え、
前記第2磁性層と前記第1磁性層との間に前記第1導電部材及び第2導電部材があり、
前記絶縁部材は、第2絶縁領域及び第3絶縁領域を含み、
前記第2絶縁領域の少なくとも一部は、前記第1導電部材と前記第1磁性層との間にあり、
前記第3絶縁領域の少なくとも一部は、前記第2導電部材と前記第2磁性層との間にある、請求項1~6のいずれか1つに記載の共振素子。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1つに記載の共振素子と、
磁性部材と、
前記共振素子と前記磁性部材との間に設けられた有機部材と、
を備え、
前記磁性部材は、孔を含み、
前記孔の底部において前記有機部材は露出する、検査装置。
【請求項9】
前記有機部材は、検査対象に含まれる媒体により溶けることが可能であり、
前記有機部材が溶けることで、前記磁性部材は、前記共振素子から離れることが可能である、請求項10記載の検査装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の検査装置と、
交流磁界を送信可能な送信部と、
前記検査装置を通過した前記交流磁界を受信可能な受信部と、
を備えた検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、共振素子、検査装置及び検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、共振回路を含む共振素子がある。共振素子を小型化することで、共振素子の応用分野が広がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-258687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、小型化が可能な共振素子、検査装置及び検査システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、共振素子は、第1導電部材と、第2導電部材と、第1接続部材と、を含む。前記第1導電部材は、第1平面に沿う第1層領域と、第1らせん領域と、を含む。前記第1らせん領域は、第1部分と第1他部分とを含む。前記第1他部分は、前記第1層領域と電気的に接続される。前記第1部分は、前記第1他部分よりも外側にある。前記第2導電部材は、前記第1平面に沿う第2層領域と、前記第2層領域と電気的に接続された第2部分と、を含む。前記第2層領域から前記第1層領域への第1方向は、前記第1平面と交差する。前記第1接続部材は、前記第2部分を前記第1部分と電気的に接続する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1(a)~図1(e)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式図である。
図2図2は、第1実施形態に係る共振素子を例示する等価回路図である。
図3図3は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的斜視図である。
図4図4(a)及び図4(b)は、第1実施形態に係る共振素子の一部を例示する模式的平面である。
図5図5(a)~図5(e)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式図である。
図6図6は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的斜視図である。
図7図7(a)~図7(e)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式図である。
図8図8は、第1実施形態に係る共振素子を例示する等価回路図である。
図9図9(a)~図9(c)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式図である。
図10図10は、第1実施形態に係る共振素子を例示する等価回路図である。
図11図11(a)及び図11(b)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的斜視図である。
図12図12は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的斜視図である。
図13図13(a)及び図13(b)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的断面図である。
図14図14(a)及び図14(b)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的断面図である。
図15図15(a)及び図15(b)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的断面図である。
図16図16(a)及び図16(b)は、第2実施形態に係る検査装置を例示する模式図である。
図17図17(a)及び図17(b)は、第2実施形態に係る検査装置を例示する模式図である。
図18図18は、第2実施形態に係る検査装置を例示する模式的断面図である。
図19図19は、第3実施形態に係る検査システムを例示する模式図である。
図20図20(a)及び図20(b)は、第3実施形態に係る検査システムを例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)~図1(e)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式図である。
図1(a)は、平斜視である。図1(b)は、共振素子の一部の平面図である。図1(c)は、共振素子の別の一部の平面図である。図1(d)は、図1(a)のA1-A2線断面図である。図1(e)は、図1(a)のB1-B2線断面図である。
【0009】
図1(a)に示すように、実施形態に係る共振素子110は、第1導電部材10と、第2導電部材20と、第1接続部材30と、を含む。
【0010】
第1導電部材10は、第1層領域15と、第1らせん領域11と、を含む。第1層領域15は、第1平面に沿う。第1層領域15は、層状である。第1平面をX-Y平面とする。
【0011】
X-Y平面は、X軸方向とY軸方向とを含む。Y軸方向は、X軸方向に対して垂直である。Z軸方向は、X-Y平面に対して垂直である。
【0012】
第1らせん領域11は、第1部分11aと第1他部分11bとを含む。図1(b)に示すように、第1他部分11bは、第1層領域15と電気的に接続される。第1部分11aは、第1他部分11bよりもらせんの外側にある。第1他部分11bと第1層領域15との間の境界は、明確でも不明確でも良い。第1らせん領域11の材料は、第1層領域15の材料と同じでも異なっても良い。第1部分11aは、例えば、第1らせん領域11の外側部(例えば端)である。第1他部分11bは、例えば、第1らせん領域11の内側部(例えば端)である。
【0013】
第2導電部材20は、第2層領域25と、第2部分21aと、を含む。第2層領域25は、第1平面(X-Y平面)に沿う。第2層領域25は、層状である。図1(c)に示すように、第2部分21aは、第2層領域25と電気的に接続される。この例では、第2導電部材20は、導電接続部20Cを含む。導電接続部20Cは、第2部分21aを第2層領域25と電気的に接続する。導電接続部20Cと第2層領域25との間の境界は、明確でも不明確でも良い。第2部分21a及び導電接続部20Cの材料は、第2層領域25の材料と同じでも異なっても良い。
【0014】
第2層領域25から第1層領域15への第1方向は、第1平面(X-Y平面)と交差する。第1方向は、例えばZ軸方向である。第2層領域25は、第1層領域15と離れる。 第1接続部材30は、第2部分21aを第1部分11aと電気的に接続する。第1接続部材30の少なくとも一部は、例えば、第1方向(例えばZ軸方向)に沿って延びる。
【0015】
図1(d)及び図1(e)に示すように、この例では、共振素子110は、絶縁部材40をさらに含む。絶縁部材40は、第1絶縁領域41を含む。第1絶縁領域41の少なくとも一部は、第1層領域15と第2層領域25との間に設けられる。後述するように、第1層領域15及び第2層領域25は、キャパシタを形成する。
【0016】
この例では、絶縁部材40は、第2絶縁領域42及び第3絶縁領域43を含む。第1絶縁領域41と第2絶縁領域42との間に、第1層領域15がある。第3絶縁領域43と第1絶縁領域41との間に第2層領域25がある。
【0017】
この例では、共振素子110は、素子基体40sを含む。例えば、素子基体40sと第1層領域15との間に第2層領域25がある。素子基体40sは、例えば、絶縁部材40、第1導電部材10及び第2導電部材20を支持する。絶縁部材40及び素子基体40sは、図1(a)~図1(c)では省略されている。絶縁部材40及び素子基体40sの少なくともいずれは、必要に応じて設けられて良い。絶縁部材40及び素子基体40sの少なくともいずれは、省略されても良い。
【0018】
図1(a)及び図1(c)に示すように、第1らせん領域11は、第1平面(X-Y平面)に沿って、第1層領域15の周りをらせん状に延びる。第1らせん領域11は、インダクタとして機能する。
【0019】
図2は、第1実施形態に係る共振素子を例示する等価回路図である。
図2に示すように、第1層領域15及び第2層領域25により、第1キャパシタC1が形成される。第1らせん領域11により、第1インダクタL1が形成される。第1キャパシタC1及び第1インダクタL1は、第1接続部材30により、直列に接続される。このような電気回路は、共振回路として機能する。共振周波数は、第1キャパシタC1のキャパシタンス、及び、第1インダクタL1のインダクタに基づく。第1キャパシタC1及び第1インダクタL1が第1接続部材30に直列に接続されことで、共振素子110のサイズは小型になる。実施形態によれば、小型化が可能な共振素子を提供可能である。
【0020】
第1導電部材10、第2導電部材20及び第1接続部材30の少なくともいずれかは、例えば、Cu、Al、Au、Pt、Pd、Ti及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0021】
絶縁部材40の少なくとも一部は、酸素及び窒素の少なくともいずれかと、シリコン、アルミニウム、ハフニウム、Ta、Ti及びBaよりなる群から選択された少なくとも1つを含んで良い。絶縁部材40の少なくとも一部は、樹脂を含んでも良い。
【0022】
図1(b)に示すように、例えば、第1層領域15の幅は、第1らせん領域11の幅よりも大きい。例えば、第1平面(X-Y平面)に沿う1つの方向(第2方向)に沿う第1層領域15の長さは、その第2方向に沿う第1らせん領域11の長さよりも大きい。例えば、第2方向がX軸方向である場合、X軸方向に沿う第1層領域15の長さ15xは、X軸方向に沿う第1らせん領域11の長さ11xよりも大きい。例えば、第2方向がY軸方向である場合、Y軸方向に沿う第1層領域15の長さ15yは、Y軸方向に沿う第1らせん領域11の長さ11yよりも大きい。
【0023】
第1らせん領域11の幅(長さ11xまたは長さ11y)は、第1らせん領域11の延びる方向と交差(例えば直交)する方向における第1らせん領域11の幅である。
【0024】
例えば、長さ15xは、長さ11xの2倍以上である。例えば、長さ15yは、長さ11yの2倍以上である。長さ15x及び長さ15yが長いことで、第1キャパシタC1のキャパシタンスを大きくできる。長さ11x及び長さ11yが短いことで、単位面積あたりのらせんの巻き数を大きくできる。例えば、第1インダクタL1のインダクタを大きくできる。
【0025】
実施形態において、長さ15x及び長さ15yの少なくともいずれかは、例えば、2μm以上50mm以下である。長さ11x及び長さ11yの少なくともいずれかは、例えば、10nm以上10mm以下である。
【0026】
実施形態において、第1層領域15と第2層領域25との間の距離は、例えば1nm以上10μm以下である。第1層領域15と第2層領域25との間の距離は、長さ11x及び長さ11yの少なくともいずれかの2×10-8倍以上0.5倍以下である。
【0027】
図1(a)に示すように、共振素子110において、第1導電部材10から第2導電部材20への向き(-Z方向)にみたときに、第1らせん領域11は、内側(第1他部分11b)から外側(第1部分11a)に向けて反時計回りである。
【0028】
図3は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的斜視図である。
図3に示すように、実施形態に係る共振素子110aにおいて、第1導電部材10から第2導電部材20への向き(-Z方向)にみたときに、第1らせん領域11は、内側(第1他部分11b)から外側(第1部分11a)に向けて時計回りである。このように、実施形態において、第1他部分11bから第1部分11aへの向きは、時計回り及び反時計回りの一方で良い。
【0029】
図4(a)及び図4(b)は、第1実施形態に係る共振素子の一部を例示する模式的平面である。
図4(a)は、実施形態に係る共振素子110bにおける第1導電部材10のパターンを例示している。図4(b)は、共振素子110bにおける第2導電部材20のパターンを例示している。図4(a)に示すように、第1らせん領域11のらせんの巻き数は3以上でも良い。らせんの巻き数は任意である。
【0030】
図5(a)~図5(e)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式図である。
図5(a)は、平斜視である。図5(b)は、共振素子の一部の平面図である。図5(c)は、共振素子の別の一部の平面図である。図5(d)は、図5(a)のA1-A2線断面図である。図5(e)は、図5(a)のB1-B2線断面図である。
【0031】
図5(a)に示すように、実施形態に係る共振素子111も、第1導電部材10と、第2導電部材20と、第1接続部材30と、を含む。第1導電部材10は、第1層領域15と、第1らせん領域11と、を含む。第2導電部材20は、第2層領域25と、第2部分21aと、を含む。
【0032】
図5(b)に示すように、この例では、第1層領域15のサイズは、第1らせん領域11のサイズよりも大きい。図5(d)に示すように、第1層領域15のZ軸方向(第1方向)における位置は、第1らせん領域11のZ軸方向における位置とは異なる。
【0033】
図5(b)及び図5(d)に示すように、第1導電部材10は、第1導電接続部16を含む。第1導電接続部16は、第1層領域15を第1らせん領域11の第1他部分11bと電気的に接続する。例えば、第1層領域15の一部は、第1方向(Z軸方向)において第2層領域25と第1らせん領域11との間にある。第1導電接続部16は、第1方向において、第1層領域15と第1他部分11bとの間にある。
【0034】
第1導電接続部16が設けられることで、第1層領域15のサイズを第1らせん領域11のサイズよりも大きくできる。第1キャパシタC1のキャパシタンスをより大きくしやすい。
【0035】
第1導電接続部16は、第1導電部材10の他の部分に含まれる材料と同じ材料を含んでも良い。第1導電接続部16は、第1導電部材10の他の部分に含まれる材料と異なる材料を含んでも良い。
【0036】
図5(a)に示すように、共振素子111において、第1導電部材10から第2導電部材20への向き(-Z方向)にみたときに、第1らせん領域11は、内側(第1他部分11b)から外側(第1部分11a)に向けて反時計回りである。
【0037】
図6は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的斜視図である。
図6に示すように、実施形態に係る共振素子111aにおいて、第1導電部材10から第2導電部材20への向き(-Z方向)にみたときに、第1らせん領域11は、内側(第1他部分11b)から外側(第1部分11a)に向けて時計回りである。このように、実施形態において、第1他部分11bから第1部分11aへの向きは、時計回り及び反時計回りの一方で良い。
【0038】
図7(a)~図7(e)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式図である。
図7(a)は、平斜視である。図7(b)は、共振素子の一部の平面図である。図7(c)は、共振素子の別の一部の平面図である。図7(d)は、図7(a)のA1-A2線断面図である。図7(e)は、図7(a)のB1-B2線断面図である。
【0039】
図7(a)に示すように、実施形態に係る共振素子112も、第1導電部材10と、第2導電部材20と、第1接続部材30と、を含む。第1導電部材10は、第1層領域15と、第1らせん領域11と、を含む。第2導電部材20は、第2層領域25と、第2らせん領域21と、を含む。第2らせん領域21は、上記の第2部分21aと、第2他部分21bと、を含む。共振素子112におけるこれ以外の構成は、共振素子110の構成と同様で良い。
【0040】
図7(a)に示すように、第2他部分21bは、第2層領域25と電気的に接続される。第2部分21aは、第2他部分21bよりも外側にある。第2他部分21bと第2層領域25との間の境界は、明確でも不明確でも良い。第2らせん領域21の材料は、第2層領域25の材料と同じでも異なっても良い。第2部分21aは、例えば、第2らせん領域21の外側部(例えば端)である。第2他部分21bは、例えば、第2らせん領域21の内側部(例えば端)である。
【0041】
この例では、第2らせん領域21は、第1平面(X-Y平面)に沿って第2層領域25の周りをらせん状に延びる。実施形態において、第2らせん領域21のZ軸方向における位置は、第2層領域25のZ軸方向における位置と異なっても良い。
【0042】
図8は、第1実施形態に係る共振素子を例示する等価回路図である。
図8に示すように、第1層領域15及び第2層領域25により、第1キャパシタC1が形成される。第1らせん領域11により、第1インダクタL1が形成される。第2らせん領域21により、第2インダクタL2が形成される。第1キャパシタC1は、第1インダクタL1及び第2インダクタL2と直列に電気的に接続される。第1インダクタL1及び第2インダクタL2は、第1接続部材30により、直列に接続される。このような電気回路の共振周波数は、第1キャパシタC1のキャパシタンス、第1インダクタL1のインダクタ、及び、第2インダクタL2のインダクタンスに基づく。実施形態によれば、小型化が可能な共振素子を提供可能である。
【0043】
図7(a)に示すように、第1他部分11bから第1部分11aへの向きは、反時計回り(時計回り及び反時計回りの一方)である。第2他部分21bから第2部分21aへの向きは、時計回り(時計回り及び反時計回りの他方)である。
【0044】
例えば、第1部分11aから第1他部分11bへ流れる電流i1は、時計回り(時計回り及び反時計回りの一方)である。第2他部分21bから第2部分21aへ流れる電流i2は、時計回り(時計回り及び反時計回りの上記の一方)である。例えば、第1他部分11bから第1導電接続部30を経由して第2他部分21bに至る導電経路において、第1らせん領域11におけるらせんの向きは、第2らせん領域21におけるらせんの向きと同じである。
【0045】
このような接続関係(らせんの向き)及び電流の向きの関係により、2つのらせん領域に流れる電流の向きが順方向となる。適正な共振動作が得られる。
【0046】
図7(c)に示すように、例えば、第2層領域25の幅は、第2らせん領域21の幅よりも大きい。例えば、第1平面(X-Y平面)に沿う1つの方向(第2方向)に沿う第2層領域25の長さは、その第2方向に沿う第2らせん領域21の長さよりも大きい。例えば、第2方向がX軸方向である場合、X軸方向に沿う第2層領域25の長さ25xは、X軸方向に沿う第2らせん領域21の長さ21xよりも大きい。例えば、第2方向がY軸方向である場合、Y軸方向に沿う第2層領域25の長さ25yは、Y軸方向に沿う第2らせん領域21の長さ21yよりも大きい。
【0047】
第2らせん領域21の幅(長さ21xまたは長さ21y)は、第2らせん領域21の延びる方向と交差(例えば直交)する方向における第2らせん領域21の幅である。
【0048】
例えば、長さ25xは、長さ21xの2倍以上である。例えば、長さ25yは、長さ21yの2倍以上である。長さ25x及び長さ25yが長いことで、第2キャパシタC2のキャパシタンスを大きくできる。長さ21x及び長さ21yが短いことで、単位面積あたりのらせんの巻き数を大きくできる。例えば、第2インダクタL2のインダクタを大きくできる。
【0049】
実施形態において、長さ25x及び長さ25yの少なくともいずれかは、例えば、2μm以上50mm以下である。長さ21x及び長さ21yの少なくともいずれかは、例えば、10nm以上10mm以下である。
【0050】
図9(a)~図9(c)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式図である。
図9(a)は、平斜視である。図9(b)は、図9(a)のA1-A2線断面図である。図9(c)は、図9(a)のB1-B2線断面図である。
【0051】
図9(a)に示すように、実施形態に係る共振素子113は、第1導電部材10と、第2導電部材20と、第1接続部材30と、第3層領域35と、を含む。共振素子113における、第1導電部材10、第2導電部材20及び第1接続部材30の構成は、共振素子112におけるそれらの構成と同様で良い。
【0052】
第3層領域35は、第1層領域15と第2層領域25との間に設けられる。図9(b)に示すように、絶縁部材40は、第4絶縁領域44を含んでも良い。第4絶縁領域44は、第3層領域35と第1層領域15との間に設けられる。第1絶縁領域41は、第2層領域25と第3層領域35との間に設けられる。
【0053】
図10は、第1実施形態に係る共振素子を例示する等価回路図である。
図10に示すように、第3層領域35及び第1層領域15により、第1キャパシタC1が形成される。第2層領域25及び第3層領域35により、第2キャパシタC2が形成される。第2インダクタL2、第2キャパシタC2、第1キャパシタC1及び第1インダクタL1が直列に接続される。実施形態によれば、小型化が可能な共振素子を提供可能である。
【0054】
キャパシタとなる層領域の数が3以上であることで、2つの層領域の間の絶縁性が良好でない場合も、適正な動作が得易い。より安定した動作が得られる。
【0055】
図11(a)及び図11(b)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的斜視図である。
図11(a)に示すように、実施形態に係る共振素子114は、第1導電部材10と、第2導電部材20と、第1接続部材30と、第3層領域35と、第4層領域36と、を含む。第4層領域36は、第3層領域35と第1層領域15との間にある。これらの層領域により複数のキャパシタが形成される。
【0056】
図11(b)に示すように、実施形態に係る共振素子114aは、第1導電部材10と、第2導電部材20と、第1接続部材30と、第3層領域35と、第4層領域36と、導電接続部35Cを含む。第4層領域36は、第3層領域35と第1層領域15との間にある。導電接続部35Cは、第3層領域35と第4層領域36とを互いに電気的に接続する。これらの層領域により複数のキャパシタが形成される。共振素子114及び共振素子114aにおいて、より安定した動作が得られる。
【0057】
図12は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的斜視図である。
図12に示すように、実施形態に係る共振素子115は、第1導電部材10と、第2導電部材20と、第1接続部材30と、を含む。共振素子115において、第1層領域15は、複数の第1部分領域15rを含む。第2層領域25は、複数の第2部分領域25rを含む。共振素子115におけるこれ以外の構成は、共振素子110などと同様で良い。
【0058】
複数の第1部分領域15rの1つの一部は、複数の第1部分領域15rの別の1つと離れる。複数の第1部分領域15rは、第1他部分11bと電気的に接続される。
【0059】
複数の第2部分領域25rの1つの一部は、複数の第2部分領域25rの別の1つと離れる。複数の第2部分領域25rは、第2他部分21bと電気的に接続される。
【0060】
製造プロセスの変動によって、第1層領域15と第2層領域25との間に短絡が発生しやすい場合がある。層領域が複数の部分領域を含むことで、例えば、短絡を抑制することができる。複数の部分領域の数は任意である。第1層領域15が複数の部分領域を含み、第2層領域25が複数の部分領域を含まなくても良い。第1層領域15が複数の部分領域を含まず、第2層領域25が複数の部分領域を含んでも良い。
【0061】
図13(a)、図13(b)、図14(a)、図14(b)、図15(a)及び図15(b)は、第1実施形態に係る共振素子を例示する模式的断面図である。
図13(a)及び図13(b)は、図1(d)及び図1(e)にそれぞれ対応する断面図である。図14(a)及び図14(b)は、図5(d)及び図5(e)にそれぞれ対応する断面図である。図15(a)及び図15(b)は、図7(d)及び図7(e)にそれぞれ対応する断面図である。
【0062】
図13(a)、図13(b)、図14(a)、図14(b)、図15(a)及び図15(b)に示すように、共振素子120、121及び122は、第1磁性層51と、第2磁性層52と、絶縁部材40と、を含む。これらの共振素子におけるこれ以外の構成は、例えば、共振素子110、111及び112における構成と同様で良い。
【0063】
共振素子120、121及び122において、第2磁性層52と第1磁性層51との間に、第1導電部材10及び第2導電部材20がある。この例では、第2磁性層52と第1磁性層51との間に、第1接続部材30がある。
【0064】
絶縁部材40は、第2絶縁領域42及び第3絶縁領域43を含む。第2絶縁領域42の少なくとも一部は、第1導電部材10と第1磁性層51との間にある。第3絶縁領域43の少なくとも一部は、第2導電部材20と第2磁性層52との間にある。
【0065】
第1磁性層51及び第2磁性層52の少なくともいずれかは、例えば、鉄及び酸素を含む。第1磁性層51及び第2磁性層52は、例えば、Fe、Co及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。これらの磁性層は、他の元素をさらに含んでも良い。これらの磁性層は、例えばフェライトを含んで良い。
【0066】
例えば、第1磁性層51により、外部の電磁波(交流磁界)が集められ、外部の電磁波は、第1導電部材10及び第2導電部材20を経て、第2磁性層52を通過する。外部の電磁波が効率的に第1導電部材10及び第2導電部材20を通過する。例えば、外部の電磁波が効率的に共振素子を通過できる。共振素子は効率的に共振する。
【0067】
(第2実施形態)
図16(a)及び図16(b)は、第2実施形態に係る検査装置を例示する模式図である。
図16(a)は断面図である。図16(b)は透過平面図である。
図16(a)に示すように、実施形態に係る検査装置130は、第1実施形態に係る共振素子(この例では、共振素子110)と、磁性部材61と、有機部材62と、を含む。有機部材62は、共振素子110と磁性部材61との間に設けられる。磁性部材61は、孔61Hを含む。図16(a)及び図16(b)に示すように、孔61Hの底部61Bにおいて、有機部材62は露出する。磁性部材61は、例えば、鉄及び酸素を含む。磁性部材61は、例えば、フェライトを含む。この例では、検査装置130は、装置基体65を含む。装置基体65と磁性部材61との間に共振素子110が設けられる。共振素子110と磁性部材61との間に有機部材62が設けられる。
【0068】
検査装置130は、例えば、生体(ヒトまたは動物)などの体内に導入可能である。検査装置130が体内(例えば消化器など)に導入されたときに、体内の液(消化液)が孔61Hを介して有機部材62に接触可能である。有機部材62は、その液で溶けることが可能である。有機部材62が溶けると、磁性部材61は、共振素子(この例では、共振素子110)から離れることが可能である。
【0069】
図17(a)及び図17(b)は、第2実施形態に係る検査装置を例示する模式図である。
図17(a)は、磁性部材61が共振素子(この例では、共振素子110)から離れる前の状態を例示している。図17(b)は、磁性部材61が共振素子110から離れた後の状態を例示している。
【0070】
図17(a)に示すように、外部から照射される電磁波(交流磁界85)は、磁性部材61で集められる。集められた交流磁界85は、第1導電部材10及び第2導電部材20に向かわずに、共振素子110の外部に出る。この状態において、交流磁界85は、共振素子110を実質的に通過しない。この状態において、交流磁界85の強度は変化しない、または、交流磁界85の強度の変化の程度は小さい。
【0071】
図17(b)に示すように、磁性部材61が共振素子110から離れると、電磁波(交流磁界85)は、第1導電部材10及び第2導電部材20に入射する。この状態においては、交流磁界85は、共振素子110を通過することで、共振が生じる。この状態において、交流磁界85の強度は低下する。
【0072】
実施形態においては、孔61Hを含む磁性部材61と、有機部材62と、が設けられることで、共振現象のオフ状態からオン状態が得られる。例えば、時間の経過とともに、生体の中を検査装置130が移動し、有機部材62が溶ける。磁性部材61が共振素子110から離れることで、オン状態が得られる。実施形態に係る検査装置130においては、電力を必要としないで、装置のオン/オフの動作が制御できる。
【0073】
このように、有機部材62は、検査対象(例えば生体)に含まれる媒体(液、例えば消化液など)により溶けることが可能である。有機部材62が溶けることで、磁性部材61は、共振素子(例えば共振素子110)から離れることが可能である。有機部材62は、例えば、タンパク質及び炭水化物の少なくともいずれかを含んで良い。
【0074】
検査対象は、生体の他に、任意の部材(例えば配管など)でも良い。配管を通過する媒体により、有機部材62は溶けることが可能である。
【0075】
図18は、第2実施形態に係る検査装置を例示する模式的断面図である。
図18に示すように、実施形態に係る検査装置131において、磁性部材61は、複数の孔61Hを含む。複数の孔61Hが設けられることで、安定したスイッチ動作が得やすい。
【0076】
図18に示すように、1つの例において、有機部材62は、共振素子110及び装置基体65の側面に設けられても良い。例えば、共振素子110から有機部材62の少なくとも一部への方向は、第1平面(X-Y平面)に沿っても良い。例えば、共振素子110から磁性部材61の少なくとも一部への方向は、第1平面(X-Y平面)に沿っても良い。例えば、装置基体65から有機部材62の少なくとも一部への方向は、第1平面(X-Y平面)に沿っても良い。例えば、装置基体65から磁性部材61の少なくとも一部への方向は、第1平面(X-Y平面)に沿っても良い。有機部材62の少なくとも一部は、第1平面(X-Y平面)において、共振素子110と磁性部材61との間に設けられても良い。
【0077】
(第3実施形態)
図19は、第3実施形態に係る検査システムを例示する模式図である。
図19に示すように、実施形態に係る検査システム210は、第2実施形態に係る検査装置(この例では、検査装置130)と、送信部81と、受信部82と、を含む。送信部81は、電磁波(交流磁界85)を送信可能である。受信部82は、検査装置130を通過した交流磁界85を受信可能である。受信部82で受信された交流磁界85の強度を測定することで、検査装置130のオン/オフ状態が把握できる。検査装置130の位置が把握できる。
【0078】
検査システム210は、制御部70をさらに含んでも良い。制御部70は、送信部81及び受信部82の動作を制御する。送信部81及び受信部82のそれぞれの位置が、検査対象(検査装置130)を中心にして、変化しても良い。
【0079】
検査システム210は、例えば、記憶部70M及び通信部70Tなどを含んでも良い。記憶部70Mは、例えば、受信部82で受信された信号(データ)などを記憶する。通信部70Tは、受信部82で受信された信号(データ)を含む情報を送受信可能である。検査システム210は、例えば、バッテリ70Bを含んでも良い。バッテリ70Bからの電力により、検査システム210に含まれる電気回路が動作しても良い。例えば、検査システム210は、例えば、位置解析ユニット70Aを含んでも良い。共振によるエネルギー吸収の状態から共振素子の位置を推定することは、一般に、逆問題解析となり、複雑な解析が行われる。複雑な解析は、例えば人工知能解析を含む。位置解析ユニット70Aは、そのような解析を行う。
【0080】
図20(a)及び図20(b)は、第3実施形態に係る検査システムを例示する模式図である。
この例では検査システム211の少なくとも一部は、人体に着脱可能な部材86に取り付けられる。この例では、部材86は、衣類状(ベスト状)である。図20(a)は、部材86の前部を例示している。図20(b)は、部材86の後部を例示している。
【0081】
この例では、複数の送信部81と、複数の受信部82と、が設けられる。制御部70は、複数の受信部82から得られた信号を処理して検査装置130の位置の時間的な変化に関する情報を出力可能である。
【0082】
この例では、複数の送信部81、及び、複数の受信部82のそれぞれは、例えばマトリクス状に設けられる。複数の送信部81を駆動する回路75a及び回路75bが設けられる。複数の受信部82を駆動する回路76a及び回路76bが設けられる。これらの回路により、複数の送信部81、及び、複数の受信部82の動作が制御される。制御部70は、これらの回路を制御可能である。制御部70は、これらの回路を通して得られた信号を基に、装置130の位置検出解析を行うことが可能である。
【0083】
検査システム211においては、検査装置130の動作状態の時間変化、及び、検査装置130の位置の時間変化が把握できる。
【0084】
実施形態は、以下の構成(技術案)を含んで良い。
(構成1)
第1平面に沿う第1層領域と、第1らせん領域と、を含む第1導電部材であって、前記第1らせん領域は、第1部分と第1他部分とを含み、前記第1他部分は、前記第1層領域と電気的に接続され、前記第1部分は、前記第1他部分よりも外側にある、前記第1導電部材と、
前記第1平面に沿う第2層領域と、前記第2層領域と電気的に接続された第2部分と、を含む第2導電部材であって、前記第2層領域から前記第1層領域への第1方向は、前記第1平面と交差する、前記第2導電部材と、
前記第2部分を前記第1部分と電気的に接続する第1接続部材と、
備えた共振素子。
【0085】
(構成2)
前記第1らせん領域は、前記第1平面に沿って前記第1層領域の周りをらせん状に延びる、構成1記載の共振素子。
【0086】
(構成3)
前記第1導電部材は、第1導電接続部をさらに含み、
前記第1導電接続部は、前記第1層領域を前記第1他部分と電気的に接続する、構成1記載の共振素子。
【0087】
(構成4)
前記第1層領域の一部は、前記第1方向において前記第2層領域と前記第1らせん領域との間にある、構成3記載の共振素子。
【0088】
(構成5)
前記第1導電接続部は、前記第1方向において、前記第1層領域と前記第1他部分との間にある、構成3または4に記載の共振素子。
【0089】
(構成6)
前記第1接続部材の少なくとも一部は、前記第1方向に沿う、構成1~5のいずれか1つに記載の共振素子。
【0090】
(構成7)
前記第2導電部材は、第2らせん領域を含み、前記第2らせん領域は、前記第2部分と、第2他部分と、を含み、
前記第2他部分は、前記第2層領域と電気的に接続され、
前記第2部分は、前記第2他部分よりも外側にある、構成1または2に記載の共振素子。
【0091】
(構成8)
前記第2らせん領域は、前記第1平面に沿って前記第2層領域の周りをらせん状に延びる、構成7記載の共振素子。
【0092】
(構成9)
前記第1他部分から前記第1部分への向きは、時計回り及び反時計回りの一方であり、
前記第2他部分から前記第2部分への向きは、前記時計回り及び前記反時計回りの他方である、構成7または8に記載の共振素子。
【0093】
(構成10)
前記第1部分から前記第1他部分へ流れる電流は、時計回り及び反時計回りの一方であり、
前記第2他部分から前記第2部分へ流れる電流は、前記時計回り及び前記反時計回りの前記一方である、構成7または8に記載の共振素子。
【0094】
(構成11)
前記第1層領域と前記第2層領域との間に設けられた第3層領域をさらに備えた、構成1~10のいずれか1つに記載の共振素子。
【0095】
(構成12)
前記第1層領域は、複数の第1部分領域を含み、
前記複数の第1部分領域の1つの一部は、前記複数の第1部分領域の別の1つと離れた、構成1~11のいずれか1つに記載の共振素子。
【0096】
(構成13)
前記第2層領域は、複数の第2部分領域を含み、
前記複数の第2部分領域の1つの一部は、前記複数の第2部分領域の別の1つと離れた、構成1~12のいずれか1つに記載の共振素子。
【0097】
(構成14)
第1絶縁領域を含む絶縁部材をさらに備え、
前記第1絶縁領域の少なくとも一部は、前記第1層領域と前記第2層領域との間に設けられた、構成1~13のいずれか1つに記載の共振素子。
【0098】
(構成15)
第1磁性層と、
第2磁性層と、
絶縁部材と、
をさらに備え、
前記第2磁性層と前記第1磁性層との間に前記第1導電部材及び第2導電部材があり、
前記絶縁部材は、第2絶縁領域及び第3絶縁領域を含み、
前記第2絶縁領域の少なくとも一部は、前記第1導電部材と前記第1磁性層との間にあり、
前記第3絶縁領域の少なくとも一部は、前記第2導電部材と前記第2磁性層との間にある、構成1~13のいずれか1つに記載の共振素子。
【0099】
(構成16)
構成1~15のいずれか1つに記載の共振素子と、
磁性部材と、
前記共振素子と前記磁性部材との間に設けられた有機部材と、
を備え、
前記磁性部材は、孔を含み、
前記孔の底部において前記有機部材は露出する、検査装置。
【0100】
(構成17)
前記有機部材は、検査対象に含まれる媒体により溶けることが可能であり、
前記有機部材が溶けることで、前記磁性部材は、前記共振素子から離れることが可能である、構成16記載の検査装置。
【0101】
(構成18)
前記磁性部材は、複数の前記孔を含む、構成16または17記載の検査装置。
【0102】
(構成19)
構成16~18のいずれか1つに記載の検査装置と、
交流磁界を送信可能な送信部と、
前記検査装置を通過した前記交流磁界を受信可能な受信部と、
を備えた検査システム。
【0103】
(構成20)
制御部をさらに備え、
複数の前記送信部が設けられ、
複数の前記受信部が設けられ、
前記制御部は、前記複数の受信部から得られた信号を処理して前記検査装置の位置の時間的な変化に関する情報を出力可能である、構成19記載の検査システム。
【0104】
実施形態によれば、小型化が可能な共振素子、検査装置及び検査システムを提供される。
【0105】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0106】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、共振素子に含まれる導電部材及び及び接続部材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0107】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0108】
その他、本発明の実施の形態として上述した共振素子、検査装置及び検査システムを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての共振素子、検査装置及び検査システムも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0109】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
10…第1導電部材、 11…第1らせん層領域、 11a…第1部分、 11b…第1他部分、 11x、11y…長さ、 15…第1層領域、 15r…第1部分領域、 15x、15y…長さ、 16…第1導電接続部、 20…第2導電部材、 20C…導電接続部、 21…第2らせん領域、 21a…第1部分、 21b…第2他部分、 21x、21y…長さ、 25…第2層領域、 25r…第2部分領域、 25x、25y…長さ、 30…第1接続部材、 35…第3層領域、 35C…導電接続部、 36…第4層領域、 40…絶縁部材、 40s…素子基体、 41~44…第1~第4絶縁領域、 51、52…第1、第2磁性層、 61…磁性部材、 61B…底部、 61H…孔、 62…有機部材、 65…装置基体、 70…制御部、 70A…位置解析ユニット、 70B…バッテリ、 70M…記憶部、 70T…通信部、 75a、75b、76a、76b…回路、 81…送信部、 82…受信部、 85…交流磁界、 86…部材、 110、110a、110b、111、111a、112~114、114a、115、120…共振素子、 130、131…検査装置、 210、211…検査システム、 C1、C2…第1、第2キャパシタ、 L1、L2…第1、第2インダクタ、 i1、i2…電流
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20