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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168473
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】温風暖房装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/345 20220101AFI20221031BHJP
【FI】
F24H3/04 305B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073958
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 正章
(72)【発明者】
【氏名】山吹 陽介
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 篤
(72)【発明者】
【氏名】武田 真純
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 祐哉
【テーマコード(参考)】
3L028
【Fターム(参考)】
3L028AA03
3L028FB01
(57)【要約】
【課題】吹き出す温風が上昇するのを防止できる温風暖房装置を提供する。
【解決手段】温風吹き出し口4に可動ルーバー6を有し、可動ルーバー6は、第1の回転軸81を中心に可動する第1の可動ルーバー61と、この第1の可動ルーバー61の下方に配設され第2の回転軸82を中心に可動する第2の可動ルーバー62と、を有し、第1の可動ルーバー61及び第2の可動ルーバー62を開状態にしたときの第1の可動ルーバー61の先端から第1の回転軸81までの長さを、第2の可動ルーバー62の先端から第2の回転軸82までの長さより長く設けたので、第1の可動ルーバー61の先端が第2の可動ルーバー62の先端よりも前方に位置し、第1の可動ルーバー61により下向きに案内された温風が従来の第1の可動ルーバー61よりも前方に到達するので、第2の可動ルーバー62に案内された温風が浮き上がらずにより遠くまで届かせることができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温風を吹き出して暖房する温風暖房装置であって、器具本体と、この器具本体内に設置された燃焼部と、温風を送り出す対流ファンと、温風を吹き出す温風吹き出し口と、動作を制御する制御部と、前記温風吹き出し口に配設された可動ルーバーと、この可動ルーバーを所定の揺動角度範囲で揺動させる揺動装置と、を有し、前記可動ルーバーは、第1の回転軸を中心に可動する第1の可動ルーバーと、この第1の可動ルーバーの下方に配設され第2の回転軸を中心に可動する第2の可動ルーバーと、を有し、前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーを開状態にしたときの前記第1の可動ルーバーの先端から前記第1の回転軸までの長さを、前記第2の可動ルーバーの先端から前記第2の回転軸までの長さより長く設けたことを特徴とする温風暖房装置。
【請求項2】
前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との軸間距離を、前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーの回転軸よりも下部を前方に可動して閉状態から開状態にしたときの前記第1の可動ルーバーの先端から前記第1の回転軸までの長さと、前記第2の可動ルーバーの後端から前記第2の回転軸までの長さの和としたことを特徴とする請求項1記載の温風暖房装置。
【請求項3】
前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との軸間距離を、前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーの回転軸よりも上部を前方に可動して閉状態から開状態にしたときの前記第1の可動ルーバーの後端から前記第1の回転軸までの長さと、前記第2の可動ルーバーの先端から前記第2の回転軸までの長さの和としたことを特徴とする請求項1記載の温風暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、本発明は、温風暖房装置に関し、特に、可動ルーバーを備えた温風暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものにおいては、温風吹出口に上下に第1の可動ルーバー及び第2の可動ルーバーを設け、第1の可動ルーバー及び第2の可動ルーバーをそれぞれ異なる揺動角度範囲で姿勢を調整することで、温風吹出口から吹き出す温風を制御して、床面の過度な温度上昇を抑制しながら、かつ室内の温度ムラを解消して、使用者の足元から肩口までムラなく温めるものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-200152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、温風吹出口の下方に設けた第2の可動ルーバーを下方向に向けすぎると、温風が直接床面に当たって床面が過熱してしまうので、第2の可動ルーバーは水平方向より僅かに下向きにすることとなる。
それにより第2の可動ルーバーにより案内された温風は床に当たらないように水平方向より僅かに下向きに吹き出すため、この温風が上方向に浮き上がらないように温風吹出口の上方に設けた第1の可動ルーバーを下方向に向け、第1の可動ルーバーにより案内された温風が第2の可動ルーバーにより案内された温風を上から抑え込むように吹き出すことで、温風を遠くまで届くようにしていた。
【0005】
しかし、第1の可動ルーバーにより案内された温風で第2の可動ルーバーにより案内された温風をより抑え込むために第1の可動ルーバーの下向きの角度を大きくすると、図6に示すように第2の可動ルーバーの先端が長さtだけ第1の可動ルーバーの先端よりも前に位置することになり、第1の可動ルーバーにより案内された温風が第2の可動ルーバーの先端に案内されて下向きから水平方向に案内されてしまい、第1の可動ルーバーの下向きの角度を大きくしても温風の届く距離が長くならないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、温風を吹き出して暖房する温風暖房装置であって、器具本体と、この器具本体内に設置された燃焼部と、温風を送り出す対流ファンと、温風を吹き出す温風吹き出し口と、動作を制御する制御部と、前記温風吹き出し口に配設された可動ルーバーと、この可動ルーバーを所定の揺動角度範囲で揺動させる揺動装置と、を有し、前記可動ルーバーは、第1の回転軸を中心に可動する第1の可動ルーバーと、この第1の可動ルーバーの下方に配設され第2の回転軸を中心に可動する第2の可動ルーバーと、を有し、前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーを開状態にしたときの前記第1の可動ルーバーの先端から前記第1の回転軸までの長さを、前記第2の可動ルーバーの先端から前記第2の回転軸までの長さより長く設けたものである。
【0007】
又、請求項2では、前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との軸間距離を、前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーの回転軸よりも下部を前方に可動して閉状態から開状態にしたときの前記第1の可動ルーバーの先端から前記第1の回転軸までの長さと、前記第2の可動ルーバーの後端から前記第2の回転軸までの長さの和としたものである。
【0008】
又、請求項3では、前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との軸間距離を、前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーの回転軸よりも上部を前方に可動して閉状態から開状態にしたときの前記第1の可動ルーバーの後端から前記第1の回転軸までの長さと、前記第2の可動ルーバーの先端から前記第2の回転軸までの長さの和としたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の請求項1によれば、第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーを開状態にしたときの前記第1の可動ルーバーの先端から前記第1の回転軸までの長さを、前記第2の可動ルーバーの先端から前記第2の回転軸までの長さより長く設けたので、第1の可動ルーバーの先端を下向きにしても第1の可動ルーバーの先端が第1の可動ルーバー下の第2の可動ルーバーの先端よりも前に位置し、それにより第2の可動ルーバーにより案内された温風を第1の可動ルーバーにより案内された温風で抑え込むことができ、温風をより遠くまで届かせることができる。
【0010】
又、第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーを開状態にしたときの両ルーバーの後端間の寸法に対する両ルーバーの先端間の寸法の比を従来よりも小さくでき、それにより吹き出す温風の速度を速くして温風をより遠くまで届かせることができる。
【0011】
又、請求項2によれば、前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との軸間距離を、前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーの回転軸よりも下部を前方に可動して閉状態から開状態にしたときの前記第1の可動ルーバーの先端から前記第1の回転軸までの長さと、前記第2の可動ルーバーの後端から前記第2の回転軸までの長さの和としたので、前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーの回転軸よりも下部を前方に可動して開状態にする場合、開状態から閉状態に可動したとき前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーが接触することなく温風吹出口を全閉状態にすることができる。
【0012】
又、請求項3によれば、前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との軸間距離を、前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーの回転軸よりも上部を前方に可動して閉状態から開状態にしたときの前記第1の可動ルーバーの後端から前記第1の回転軸までの長さと、前記第2の可動ルーバーの先端から前記第2の回転軸までの長さの和としたので、前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーの回転軸よりも上部を前方に可動して開状態にする場合、開状態から閉状態に可動したとき前記第1の可動ルーバー及び前記第2の可動ルーバーが接触することなく温風吹出口を全閉状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態を示す温風暖房装置の外観斜視図。
図2】同側面視断面図。
図3】同閉じた状態の可動ルーバーを示す斜視図。
図4】同固定姿勢の状態の可動ルーバーを示す斜視図。
図5】同側面視概略図。
図6】従来の固定姿勢の状態の可動ルーバーを示す側面視概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、この発明を適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る温風暖房装置1は、図1図2に示すように、温風を吹き出して室内の温度を上昇させる暖房装置である。
【0015】
?図2に示すように、温風暖房装置1は、器具本体11と、燃油を燃焼させる燃焼部2と、温風を送り出す対流ファン3と、温風吹き出し口4と、温風吹き出し口枠5と、可動ルーバー6と、可動ルーバー6を所定の揺動角度範囲で揺動させる揺動装置8と、動作を制御する制御部9と、を備えている。
尚、温風暖房装置1において、説明の便宜上、使用者から見て、左右、前後、及び上下方向という。
【0016】
??器具本体11は、図1に示すように、前面パネル11aと、各種スイッチが配設された操作部12と、操作内容等を表示する液晶パネル13と、を備えている。操作部12には、運転スイッチ12a、ルーバー作動スイッチ14、その他の各種スイッチが配設されている。
?前記ルーバー作動スイッチ14は、可動ルーバー6を所定の揺動角度範囲で揺動させる指令を制御部9に与えるスイッチである。
【0017】
燃焼部2は、燃油を燃焼させる装置で、該燃焼部2は、燃油を気化する気化器21と、燃油を加熱して気化させる気化ヒータ(不図示)と、スパーク放電して点火する点火器(不図示)と、気化した石油等の燃油を燃焼させるバーナ22と、燃焼空間を形成する燃焼筒23と、燃焼用空気をバーナ22へ送風する燃焼ファン24と、送風管25と、を備えている。
【0018】
?対流ファン3は、背面の温風取り入れ口にファンガード31を介して取り付けられている。対流ファン3から温風吹き出し口4までは送風ボックス32が配設されている。送風ボックス32は、前面に送風ボックス開口部33が設けられ、対流ファン3によって送風された温風を送風ボックス開口部33から温風吹き出し口4へ導風する。
【0019】
温風吹き出し口4は、温風を室内へ向けて前方へ吹き出す開口部であり、前面パネル11aに設けられている。
温風吹き出し口枠5は、図4に示すように、温風吹き出し口4を囲むように配設されている。
前記温風吹き出し口枠5は、一対の側面板51、52と、下面板53と、上面板54と、を備えている。
【0020】
一対の側面板51、52は、温風吹き出し口4の左側に配設された左側面板51と、右側に配設された右側面板52と、を備えている。下面板53は、温風吹き出し口4の下方を覆うように閉塞する。上面板54は、温風吹き出し口4の上方を覆うように閉塞する。
【0021】
可動ルーバー6は、温風吹き出し口4に配設され、上段に配設された第1の可動ルーバー61と、第1の可動ルーバー61の下方に配設された第2の可動ルーバー62と、を備えている。
?尚、以下の説明において、可動ルーバー6(61,62)は、第1の可動ルーバー61と第2の可動ルーバー62とを区別する必要がない場合には、総称して可動ルーバー6と表記する。
【0022】
可動ルーバー6は、図3に示す閉じた状態と、図4に示す所定の静止した姿勢で温風を送る固定姿勢と、所定の揺動角度範囲で揺動させる可動姿勢と、を有する。
図3に示す閉じた状態は、運転を停止した状態である。図4に示す固定姿勢は、可動ルーバー6を所定の角度で固定して運転する状態である。可動姿勢は、揺動動作(スイング動作)を行う姿勢である。
【0023】
固定姿勢における可動ルーバー6の角度は、例えば、燃焼部2(図2参照)の燃焼火力が「強」の場合には、第1の可動ルーバー61が71度、第2の可動ルーバー62が83度である。又、燃焼部2(図2参照)の燃焼火力が「中~弱」の場合においても、同じく第1の可動ルーバー61が71度、第2の可動ルーバー62が83度である。
【0024】
温風暖房装置1の揺動動作における揺動角度範囲として、燃焼火力が「強」の場合、揺動角度範囲は、第1の可動ルーバー61が85~64度、第2の可動ルーバー62が83度である。尚、揺動角度は、鉛直下方向に対する可動ルーバー6の角度をいい、所定の揺動角度範囲には0度も含まれるものとする。又、燃焼火力が「中から弱」の場合における揺動角度範囲は、第1の可動ルーバー61が85~52度、第2の可動ルーバー62が83~69度である。
【0025】
図4に示すように、揺動装置8は、第1の可動ルーバー61を一対の側面板51,52に軸支する第1軸81と、第2の可動ルーバー62を一対の側面板51,52に軸支する第2軸82と、可動ルーバー6(61,62)の揺動角度範囲を規制する揺動角度規制機構83と、可動ルーバー6を揺動させる駆動部84と、可動ルーバー6が所定の基準姿勢に到達したことを検知する検知手段であるフォトセンサ90と、を備えている。
【0026】
可動ルーバー6が可動して温風吹き出し口4を開放した状態で第1の可動ルーバー61の下向きの傾斜角度を大きくした場合、図5に示すように第1の可動ルーバー61の先端から第1軸81までの長さをA、後端から第1軸81までの長さをB、又、第2の可動ルーバー62の先端から第2軸82までの長さをa、後端から第2軸82までの長さをbとしたとき、第1の可動ルーバー61の先端から第1軸81までの長さAを、第2の可動ルーバー62の先端から第2軸82までの長さaより長く形成している。
【0027】
それにより、図6に示す従来のものと同じ角度で傾斜しても第1の可動ルーバー61の先端が第2の可動ルーバー62の先端よりも前方に位置し、第1の可動ルーバー61により下向きに案内された温風が、図6に示す従来の第1の可動ルーバー61よりも前方に到達するので、第2の可動ルーバー62に案内された温風が浮き上がらずにより遠くまで届かせることができる。
【0028】
又、第1の可動ルーバー61の先端から第1軸81までの長さAは、第1の可動ルーバー61の揺動角度範囲において、常に第2の可動ルーバー62の先端よりも前方に位置する長さに設けてあるので、使用者によって可動姿勢が選択されている場合、第1の可動ルーバー61及び第2の可動ルーバー62はそれぞれ所定の揺動角度範囲で揺動するが、その揺動している間、図5に示すように、常に第1の可動ルーバー61の先端が長さTだけ第2の可動ルーバー62の先端よりも前方に位置し、第1の可動ルーバー61により下向きに案内された温風が常に第2の可動ルーバー62に案内された温風を上から抑え込んで温風の浮き上がりを防止し、温風をより遠くまで届かせることができる。
【0029】
又、送風ボックス32の前方の送風ボックス開口部33から前方に吹き出す温風は、送風ボックス開口部33から温風吹き出し口4を通過して器具本体11の前方に吹き出すが、図5に示すように、第1の可動ルーバー61の先端から第1軸81までの長さAを第2の可動ルーバー62の先端から第2軸82までの長さaより長くするために、第1軸81から第2軸82までの軸間距離Mは、図6に示す従来の第1軸181から第2軸182までの軸間距離mより長くなる。
【0030】
その結果、第1の可動ルーバー61の後端と第2の可動ルーバー62の後端との距離Dの範囲に、送風ボックス開口部33の上端付近を通過する温風も含まれ、その送風ボックス開口部33の上端付近の温風も第1の可動ルーバー61の下側を通過し、それにより第1の可動ルーバー61により下向きに案内される温風量が増加し、第2の可動ルーバー62に案内された温風の浮き上がりを抑えて温風をより遠くまで届かせることができる。
【0031】
又、第1の可動ルーバー61の先端から第1軸81までの長さAを第2の可動ルーバー62の先端から第2軸82までの長さaより長くしたこと及び、第1軸81から第2軸82までの軸間距離Mを図6に示す従来の軸間距離mより長くしたことにより、可動ルーバー6が可動して温風吹き出し口4を開放した状態で、第1の可動ルーバー61の後端と第2の可動ルーバー62の後端との距離Dに対する第1の可動ルーバー61の先端と第2の可動ルーバー62の先端との距離Eの比は、図6に示す従来の第1の可動ルーバー161の後端と第2の可動ルーバー162の後端との距離dに対する第1の可動ルーバー161の先端と第2の可動ルーバー162の先端との距eの比より小さい、つまり図6に示す従来のものに比べて温風を無理なく絞れているため、第1の可動ルーバー61の先端と第2の可動ルーバー62の先端の間から吹き出る温風の速度が高くなって、更に温風をより遠くまで届かせることができる。
【0032】
??第1軸81及び第2軸82は、それぞれ左右方向に沿って配設されている。これにより、第1の可動ルーバー61は、左右方向に沿って配設された第1軸81の周りに上下方向に揺動回転する。第2の可動ルーバー62は、左右方向に沿って配設された第2軸82の周りに上下方向に揺動回転する。
【0033】
又、本実施形態のように、可動ルーバー6が垂直状態で温風吹き出し口4を閉塞した状態から、可動ルーバー6の第1軸81及び第2軸82よりも下方が前方にせり出すようにして温風吹き出し口4を開放する場合、第1の可動ルーバー61の先端から第1軸81までの長さAと第2の可動ルーバー62の後端から第2軸82までの長さbの和と、第1軸81から第2軸82までの軸間距離Mと同じにすることで、第1の可動ルーバー61と第2の可動ルーバー62が重なることがなく、大きさの異なる第1の可動ルーバー61と第2の可動ルーバー62でも外観を損なうことなく温風吹き出し口4を閉塞できるものである。
【0034】
又、本実施形態とは異なり、可動ルーバー6が垂直状態で温風吹き出し口4を閉塞した状態から、可動ルーバー6の第1軸81及び第2軸82よりも上方が前方にせり出すようにして温風吹き出し口4を開放する場合、第1の可動ルーバー61の後端から第1軸81までの長さBと第2の可動ルーバー62の先端から第2軸82までの長さaの和と、第1軸81から第2軸82までの軸間距離Mと同じにすることで、第1の可動ルーバー61と第2の可動ルーバー62が重なることがなく、大きさの異なる第1の可動ルーバー61と第2の可動ルーバー62でも外観を損なうことなく温風吹き出し口4を閉塞できるものである。
【0035】
?以上のように構成された本発明の実施形態に係る温風暖房装置1の動作について説明する。
?制御部9は、使用者(不図示)によって運転スイッチ12aが操作されると暖房運転を開始する。このとき、使用者は、ルーバー作動スイッチ14によって、所定の固定姿勢と、所定の揺動角度範囲で揺動させる可動姿勢である揺動動作(スイング動作)と、を選択することができる。
【0036】
??係る構成により、温風暖房装置1の使用者の好みにより、可動ルーバー6の固定姿勢によって身体の胴体部を優先的に温めたり、揺動動作によって足元から肩口までムラなく温めたりすることができる。
【0037】
使用者によって固定姿勢が選択されている場合には、制御部9は、可動ルーバー6を閉じた状態(図3)から可動ルーバー6の第1軸81及び第2軸82よりも下方が前方にせり出すようにして所定の固定姿勢まで移動させる。具体的には、燃焼火力が「強」の場合における固定動作では、第1の可動ルーバー61を71度まで移動させ、第2の可動ルーバー62を83度まで移動させる。
【0038】
このとき、第1の可動ルーバー61の先端が第2の可動ルーバー62の先端よりも前方に位置し、それにより第1の可動ルーバー61により下向きに案内された温風が従来の第1の可動ルーバー61よりも前方に到達するので、第2の可動ルーバー62に案内された温風が浮き上がらずにより遠くまで届かせることができる。
【0039】
又、使用者によって可動姿勢が選択されている場合には、制御部9は、可動ルーバー6の揺動動作を開始し、第1の可動ルーバー61及び第2の可動ルーバー62をそれぞれ所定の揺動角度範囲で揺動させる。
【0040】
揺動動作は、バーナ22の燃焼火力が「強」の場合と、燃焼火力が「中~弱」の場合とで異なり、燃焼火力が「強」の場合における揺動動作では、可動ルーバー6は、所定の固定位置からスタートして上方に向かい、上限位置でフォトセンサ90によって上限位置に到達したことを検知する(図4参照)。
その後、上限位置から下限位置まで下方へ揺動してから、スタートの所定の固定位置まで戻る1サイクルを繰り返すように揺動する。
【0041】
この揺動動作の1サイクルの始めから終わりまで常に第1の可動ルーバー61の先端が第2の可動ルーバー62の先端よりも前方に位置しているので、第1の可動ルーバー61により下向きに案内された温風がこの揺動動作の1サイクルの始めから終わりまで常に第2の可動ルーバー62に案内された温風の浮き上がりを防止してより遠くまで届かせることができる。
【符号の説明】
【0042】
2 燃焼部
3 対流ファン
4 温風吹き出し口
6 可動ルーバー
8 揺動装置
9 制御部
11 器具本体
61 第1の可動ルーバー
62 第2の可動ルーバー
81 第1軸(第1の回転軸)
82 第2軸(第2の回転軸)
図1
図2
図3
図4
図5
図6