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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168479
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】呼吸補助装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20221031BHJP
   A62B 9/00 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
A61M16/00 380
A61M16/00 305Z
A62B9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073971
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】517127584
【氏名又は名称】株式会社MAGOS
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】新田 一福
(72)【発明者】
【氏名】古川 靖夫
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185BA13
2E185CA03
2E185CB18
(57)【要約】
【課題】高い空気清浄効果を発揮するとともに小型化が可能である呼吸補助装置を提供する。
【解決手段】
ハウジング3内に設けられてインペラ1を収容するインペラ収容空間S1を形成する仕切り壁34と、ハウジング3内に設けられたフィルタ装置4と、の間に形成された空気通過空間S3における軸線Oの方向の距離が、インペラ1の径方向内側に比べて径方向外側で大きくなっており、取込口3aから取り込まれた空気は、空気通過空間S3を経てからフィルタ装置4を通過して吸込口34aまで案内されるか、または、フィルタ装置4を通過してから空気通過空間S3を経て吸込口34aまで案内される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線回りに回転し、前記軸線の方向の一方側かつ径方向内側から吸い込んだ空気を、前記軸線の方向の他方側かつ径方向外側に向かって圧送するインペラと、
外部から内部空間に空気を取り込む取込口が形成されるとともに、前記内部空間に前記インペラを収容するハウジングと、
前記内部空間において前記インペラに前記軸線の方向の一方側から対向するように配置され、該内部空間を、前記インペラが配置されるインペラ収容空間と、前記取込口から前記インペラまで空気を案内する空気流通経路を形成する経路用空間とに仕切る仕切り壁と、
前記仕切り壁における前記軸線の近傍に設けられ、前記空気流通経路を通過した空気を前記インペラ収容空間に導く吸込口と、
前記経路用空間において前記仕切り壁と前記軸線の方向の一方側から対向するように配置されて、前記仕切り壁との間に空気通過空間を形成するシート状のフィルタ装置と、
を備え、
前記空気通過空間における前記軸線の方向の距離が、前記径方向内側に比べて前記径方向外側で大きくなっており、
前記取込口から取り込まれた空気は、前記空気通過空間を経てから前記フィルタ装置を通過して前記吸込口まで案内されるか、または、前記フィルタ装置を通過してから前記空気通過空間を経て前記吸込口まで案内される呼吸補助装置。
【請求項2】
前記インペラの外形は、前記軸線の方向の他方側に向かうにしたがって拡径する傾斜形状となっており、
前記仕切り壁は、前記インペラにおける前記傾斜形状に倣う錘台形状をなしている請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記空気通過空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を有し、
前記取込口は前記周壁に形成され、
前記吸込口は、前記フィルタ装置よりも前記軸線の方向の一方側に配置されている請求項1または2に記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記空気通過空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を有し、
前記取込口は前記周壁に形成され、
前記吸込口は、前記フィルタ装置に密着している請求項1または2に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
前記取込口は、前記フィルタ装置よりも前記軸線の方向の一方側において前記ハウジングに形成され、
前記吸込口は、前記フィルタ装置よりも前記軸線の方向の他方側に配置されている請求項1または2に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、
前記経路用空間の少なくとも一部および前記インペラ収容空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を構成するとともに、前記経路用空間を前記軸線の方向の一方側に露出させるハウジング開口が形成された本体部と、
前記ハウジング開口を前記軸線の方向の一方側から覆うとともに前記本体部に対して着脱可能なカバーと、
を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、
前記経路用空間の少なくとも一部および前記インペラ収容空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を構成するとともに、前記経路用空間を前記軸線の方向の一方側に露出させるハウジング開口が形成された本体部と、
前記ハウジング開口を前記軸線の方向の一方側から覆うとともに前記本体部に対して着脱可能なカバーと、
を有し、
前記取込口は、前記吸込口よりも前記径方向外側で前記カバーに形成されている請求項5に記載の呼吸補助装置。
【請求項8】
前記フィルタ装置は、
紫外線または可視光線の照射によって表面が活性化されることで空気を浄化する光触媒フィルタ層と、
前記光触媒フィルタ層よりも前記空気流通経路における上流側に配置されたエアフィルタ層と、
を有し、
前記ハウジングおよび前記仕切り壁のうちの少なくとも一方には、前記光触媒フィルタ層の表面に紫外線または可視光線を照射する光源が設けられている請求項1から7のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項9】
前記フィルタ装置は、
紫外線または可視光線の照射によって表面が活性化されることで空気を浄化する光触媒フィルタ層と、
前記光触媒フィルタ層に対して前記軸線の方向の一方側に配置されたエアフィルタ層と、
を有し、
前記光触媒フィルタ層よりも前記軸線の方向の他方側において前記ハウジングおよび前記仕切り壁のうちの少なくとも一方には、前記光触媒フィルタ層の表面に紫外線または可視光線を照射する光源が設けられている請求項1から7のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記経路用空間の少なくとも一部および前記インペラ収容空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を有し、
前記光触媒フィルタ層よりも前記軸線の方向の他方側において前記周壁には、前記光触媒フィルタ層の表面に紫外線または可視光線を照射する光源が設けられ、
前記光源は、前記仕切り壁に向けて前記紫外線または可視光線を照射可能に設けられ、前記仕切り壁による反射光を前記光触媒フィルタ層の表面に照射する請求項9に記載の呼吸補助装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記経路用空間の少なくとも一部および前記インペラ収容空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を有し、
前記光触媒フィルタ層よりも前記軸線の方向の他方側において前記周壁には、前記光触媒フィルタ層の表面に紫外線または可視光線を照射する光源が設けられ、
前記光源は、前記径方向内側に向けて前記紫外線または可視光線を照射可能に設けられている請求項9に記載の呼吸補助装置。
【請求項12】
前記仕切り壁の表面には、紫外線または可視光線の照射によって表面が活性化されることで空気を浄化する光触媒が設けられている請求項10または11に記載の呼吸補助装置。
【請求項13】
前記フィルタ装置は、
紫外線または可視光線の照射によって表面が活性化されることで空気を浄化する光触媒フィルタ層と、
前記光触媒フィルタ層に対して前記軸線の方向の他方側に配置されたエアフィルタ層と、
を有し、
前記光触媒フィルタ層よりも前記軸線の方向の一方側において前記周壁および前記仕切り壁のうちの少なくとも一方には、前記光触媒フィルタ層の表面に紫外線または可視光線を照射する光源が設けられ、
前記光源は、前記カバーに向けて前記紫外線または可視光線を照射可能に設けられ、前記カバーによる反射光を前記光触媒フィルタ層の表面に照射する請求項6または7に記載の呼吸補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清浄化した空気を供給可能な呼吸補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PPE(Personal Protective Equipment)と呼ばれる個人用防護具の一種として、PAPR(Powered Air Purifying Respirator)と呼ばれるファン付呼吸用保護具が知られている。PAPRは空気を吸い込んで清浄化し、清浄化した空気をマスクを通じてマスクの装着者に送り込む装置である。
【0003】
PAPRのファン(ブロア)は例えば特許文献1に記載されているように、電源、モータ、インペラ等によって構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2020-534966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、PAPRは医療現場で使用されるだけでなく、ウィルスや大気汚染物質から身を守ること等を目的として様々な場面、人々によって使用されるケースが増えつつある。このため使用時の活動の妨げとならないよう、PAPRにおけるファン(ブロア)の部分である呼吸補助装置には、高性能であることに加えてポータビリティ向上の要望があった。
【0006】
そこで本発明は、高い空気清浄効果を発揮するとともに小型化が可能な呼吸補助装置を提供する。
【0007】
本発明の一態様に係る呼吸補助装置は、軸線回りに回転し、前記軸線の方向の一方側かつ径方向内側から吸い込んだ空気を、前記軸線の方向の他方側かつ径方向外側に向かって圧送するインペラと、外部から内部空間に空気を取り込む取込口が形成されるとともに、前記内部空間に前記インペラを収容するハウジングと、前記内部空間において前記インペラに前記軸線の方向の一方側から対向するように配置され、該内部空間を、前記インペラが配置されるインペラ収容空間と、前記取込口から前記インペラまで空気を案内する空気流通経路を形成する経路用空間とに仕切る仕切り壁と、前記仕切り壁における前記軸線の近傍に設けられ、前記空気流通経路を通過した空気を前記インペラ収容空間に導く吸込口と、前記経路用空間において前記仕切り壁と前記軸線の方向の一方側から対向するように配置されて、前記仕切り壁との間に空気通過空間を形成するシート状のフィルタ装置と、を備え、前記空気通過空間における前記軸線の方向の距離が、前記径方向内側に比べて前記径方向外側で大きくなっており、前記取込口から取り込まれた空気は、前記空気通過空間を経てから前記フィルタ装置を通過して前記吸込口まで案内されるか、または、前記フィルタ装置を通過してから前記空気通過空間を経て前記吸込口まで案内される。
【0008】
上記の呼吸補助装置では、前記インペラの外形は、前記軸線の方向の他方側に向かうにしたがって拡径する傾斜形状となっており、前記仕切り壁は、前記インペラにおける前記傾斜形状に倣う錘台形状をなしていてもよい。
【0009】
上記の呼吸補助装置では、前記ハウジングは、前記空気通過空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を有し、前記取込口は前記周壁に形成され、前記吸込口は、前記フィルタ装置よりも前記軸線の方向の一方側に配置されていてもよい。
【0010】
上記の呼吸補助装置では、前記ハウジングは、前記空気通過空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を有し、前記取込口は前記周壁に形成され、前記吸込口は、前記フィルタ装置に密着していてもよい。
【0011】
上記の呼吸補助装置では、前記取込口は、前記フィルタ装置よりも前記軸線の方向の一方側において前記ハウジングに形成され、前記吸込口は、前記フィルタ装置よりも前記軸線の方向の他方側に配置されていてもよい。
【0012】
上記の呼吸補助装置では、前記ハウジングは、前記経路用空間の少なくとも一部および前記インペラ収容空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を構成するとともに、前記経路用空間を前記軸線の方向の一方側に露出させるハウジング開口が形成された本体部と、前記ハウジング開口を前記軸線の方向の一方側から覆うとともに前記本体部に対して着脱可能なカバーと、を有してもよい。
【0013】
上記の呼吸補助装置では、前記ハウジングは、前記経路用空間の少なくとも一部および前記インペラ収容空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を構成するとともに、前記経路用空間を前記軸線の方向の一方側に露出させるハウジング開口が形成された本体部と、前記ハウジング開口を前記軸線の方向の一方側から覆うとともに前記本体部に対して着脱可能なカバーと、を有し、前記取込口は、前記吸込口よりも前記径方向外側で前記カバーに形成されていてもよい。
【0014】
上記の呼吸補助装置では、前記フィルタ装置は、紫外線または可視光線の照射によって表面が活性化されることで空気を浄化する光触媒フィルタ層と、前記光触媒フィルタ層よりも前記空気流通経路における上流側に配置されたエアフィルタ層と、を有し、前記ハウジングおよび前記仕切り壁のうちの少なくとも一方には、前記光触媒フィルタ層の表面に紫外線または可視光線を照射する光源が設けられていてもよい。
【0015】
上記の呼吸補助装置では、前記フィルタ装置は、紫外線または可視光線の照射によって表面が活性化されることで空気を浄化する光触媒フィルタ層と、前記光触媒フィルタ層に対して前記軸線の方向の一方側に配置されたエアフィルタ層と、を有し、前記光触媒フィルタ層よりも前記軸線の方向の他方側において前記ハウジングおよび前記仕切り壁のうちの少なくとも一方には、前記光触媒フィルタ層の表面に紫外線または可視光線を照射する光源が設けられていてもよい。
【0016】
上記の呼吸補助装置では、前記ハウジングは、前記経路用空間の少なくとも一部および前記インペラ収容空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を有し、前記光触媒フィルタ層よりも前記軸線の方向の他方側において前記周壁には、前記光触媒フィルタ層の表面に紫外線または可視光線を照射する光源が設けられ、前記光源は、前記仕切り壁に向けて前記紫外線または可視光線を照射可能に設けられ、前記仕切り壁による反射光を前記光触媒フィルタ層の表面に照射してもよい。
【0017】
上記の呼吸補助装置では、前記ハウジングは、前記経路用空間の少なくとも一部および前記インペラ収容空間を前記径方向外側から取り囲む周壁を有し、前記光触媒フィルタ層よりも前記軸線の方向の他方側において前記周壁には、前記光触媒フィルタ層の表面に紫外線または可視光線を照射する光源が設けられ、前記光源は、前記径方向内側に向けて前記紫外線または可視光線を照射可能に設けられていてもよい。
【0018】
上記の呼吸補助装置では、前記仕切り壁の表面には、紫外線または可視光線の照射によって表面が活性化されることで空気を浄化する光触媒が設けられていてもよい。
【0019】
上記の呼吸補助装置では、前記フィルタ装置は、紫外線または可視光線の照射によって表面が活性化されることで空気を浄化する光触媒フィルタ層と、前記光触媒フィルタ層に対して前記軸線の方向の他方側に配置されたエアフィルタ層と、を有し、前記光触媒フィルタ層よりも前記軸線の方向の一方側において前記周壁および前記仕切り壁のうちの少なくとも一方には、前記光触媒フィルタ層の表面に紫外線または可視光線を照射する光源が設けられ、前記光源は、前記カバーに向けて前記紫外線または可視光線を照射可能に設けられ、前記カバーによる反射光を前記光触媒フィルタ層の表面に照射してもよい。
【発明の効果】
【0020】
上記の呼吸補助装置によれば、高い空気清浄効果を発揮するとともに小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第一実施形態に係る呼吸補助装置の全体斜視図である。
図2】上記呼吸補助装置の断面図であって、図1のA-A断面を示す図である。
図3】上記呼吸補助装置の断面図であって、図1のB-B断面を示す図である。
図4】本発明の第一実施形態の第一変形例に係る呼吸補助装置の断面図であって、図1のB-B断面に相当する断面の図である。
図5】本発明の第一実施形態の第二変形例に係る呼吸補助装置の断面図であって、図1のB-B断面に相当する断面の図である。
図6】本発明の第二実施形態に係る呼吸補助装置の断面図であって、図1のB-B断面に相当する断面の図である。
図7】本発明の第二実施形態の変形例に係る呼吸補助装置の断面図であって、図1のB-B断面に相当する断面の図である。
図8】本発明の第三実施形態に係る呼吸補助装置の断面図であって、図1のB-B断面に相当する断面の図である。
図9】本発明の第四実施形態に係る呼吸補助装置の断面図であって、図1のB-B断面に相当する断面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第一実施形態〕
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(全体構成)
図1に示すように、本実施形態の呼吸補助装置100の外形は第一幅方向D1に対して第二幅方向D2の寸法が大きな略直方体形状をなし、例えば鞄等に収容して持ち運びが可能な小型の遠心式のファン(ブロア)となっている。呼吸補助装置100には、後述するハウジング3の吐出口34bに連通して第二幅方向に突出し、チューブ等を介して不図示のマスクに接続される接続口101が設けられている。
【0023】
そして図2および図3に示すように呼吸補助装置100は、インペラ1と、インペラ1を回転させる駆動装置2と、インペラ1および駆動装置2を収容するハウジング3と、ハウジング3の内側に設けられたフィルタ装置4と、を備えている。
【0024】
(インペラ)
インペラ1は第一幅方向D1および第二幅方向D2に直交する軸線O回りに回転し、軸線Oの方向の一方側かつ径方向内側から吸い込んだ空気を、軸線Oの方向の他方側でかつ径方向外側に向かって案内する。より具体的には、インペラ1は周方向に間隔をあけて複数のブレード12を有しており、回転するインペラ1において周方向に隣接するブレード12同士の間のインペラ流路Fを空気が案内されることで空気が圧送される。インペラ1の外形は、軸線Oの方向の一方側から他方側に向かうにしたがって拡径する傾斜形状(山型状)となっている。
以下、インペラ1における軸線Oの方向を単に軸線Oの方向とし、インペラ1の径方向を単に径方向とし、インペラ1の周方向を単に周方向とする。
【0025】
(駆動装置)
図2に示すように駆動装置2は、モータ20と、モータ20を駆動するバッテリー21とを有している。モータ20はインペラ1を軸線O回りに回転させる。モータ20はインペラ1の内側に配置され、詳しく後述するハウジング3内に設けられている。インペラ1の下方(軸線Oの方向の他方側)においてハウジング3内には基板22が設けられ、基板22にモータ20が電気的に接続されている。またバッテリー21としては一次電池や二次電池を使用可能である。バッテリー21は、インペラ1の径方向外側において上記の第二幅方向D2の一端でハウジング3に設けられている。
【0026】
(ハウジング)
ハウジング3は箱状をなしてインペラ1を内側に収容している。ハウジング3は軸線Oの方向の一方側への開口(ハウジング開口)30aが形成された本体部30と、開口30aを軸線Oの方向の一方側から覆うカバー31とを有している。
【0027】
(ハウジングの本体部)
本体部30には、上記のインペラ1、駆動装置2、および基板22が設けられている。そして本体部30はインペラ1の径方向外側に配置されて軸線Oを取り囲む周壁35と、周壁35を軸線Oの方向の他方側で接続する底壁36とを有している。
【0028】
図3に示すように周壁35には、ハウジング3の内部空間に空気(外気)を取り込む取込口3aが形成されている。取込口3aは例えば周壁35を第一幅方向D1に貫通して第二幅方向D2に延びるスリット状の開口である。なお取込口3aはハウジング3における第一幅方向D1の一端側のみに設けられてもよいし第一幅方向D1の両端側に設けられてもよい。また取込口3aは第二幅方向D2に並んで複数設けられてもよい。
【0029】
また周壁35には、第二幅方向の一端においてバッテリー21を収容するバッテリー収容部37が設けられている。
【0030】
(仕切り壁)
ここで本体部30の内側には、本体部30の内部空間においてインペラ1に軸線Oの方向の一方側から対向するように配置された仕切り壁34が設けられている。仕切り壁34は本体部30の内部空間をインペラ1が配置されるインペラ収容空間S1と、取込口3aからインペラ1まで空気を案内する空気流通経路Wを形成する経路用空間S2とに仕切っている。インペラ収容空間S1に対して経路用空間S2は軸線Oの方向の一方側に配置されている。そして経路用空間S2の一部およびインペラ収容空間S1は、周壁35によって径方向外側から取り囲まれた空間となっている。経路用空間S2は開口30aによって軸線Oの方向の一方側に露出させられている。
【0031】
本実施形態では、仕切り壁34は周壁35に接続され、周壁35から径方向内側に向かった後、軸線Oの方向の一方側に向かうにつれて徐々に径方向内側に向かって傾斜して延びている。すなわち仕切り壁34はインペラ1の傾斜形状に倣う錘台形状をなしている。上記の取込口3aは、周壁35と仕切り壁34との接続部分Xよりも軸線Oの方向の一方側に設けられている。
【0032】
(吸込口および吐出口)
仕切り壁34にはインペラ収容空間S1におけるインペラ流路Fに向かって空気を吸い込む吸込口34aが形成されている。吸込口34aは軸線Oの近傍に設けられて軸線Oの方向に開口している。本実施形態では吸込口34aは軸線Oを中心とした円形孔となっている。吸込口34aは取込口3aよりも軸線Oの方向の一方側に配置されている。さらに仕切り壁34はインペラ1の径方向外側において周方向に延びるハウジング流路HFをインペラ収容空間S1内に形成している。そして仕切り壁34には、ハウジング流路HFに連通するとともにインペラ流路Fからの空気を吐出させる吐出口34bが形成されている。吐出口34bは吸込口34aよりも軸線Oの方向の他方側でかつ径方向外側において、インペラ1の径方向外側で周方向に開口している。
【0033】
ここで仕切り壁34には、経路用空間S2に配置されて軸線Oの方向の一方側に立ち上がるようにしてフィルタ支持リブ34yが形成されている。フィルタ支持リブ34yは例えば周方向に間隔を空けて複数設けられている。フィルタ支持リブ34yにおける軸線Oの方向の一方側の端面は、取込口3aよりも軸線Oの方向の一方側で、かつ吸込口34aよりも軸線Oの方向の他方側に配置されている。なおフィルタ支持リブ34yの形状は特に限定されるものではない。
【0034】
底壁36は周壁35に軸線Oの方向の他方側で接続され、上記の基板22、およびモータ20を支持している。
【0035】
(ハウジングのカバー)
カバー31は、本体部30に対して不図示の係合構造によって着脱可能に係合するようになっている。係合構造は、例えば本体部30の周壁35に設けられた爪やボルト等の締結具である。
【0036】
(フィルタ装置)
フィルタ装置4はフィルタ支持リブ34yの上記端面に載置されてハウジング3の本体部30に設けられている。したがってフィルタ装置4は、周壁35と仕切り壁34との接続部分Xおよび取込口3aよりも軸線Oの方向の一方側で、かつ吸込口34aよりも軸線Oの方向の他方側に配置されている。フィルタ装置4は周壁35の径方向内側で、かつ吸込口34aの径方向外側に配置され、周壁35の内面と仕切り壁34の外面との間にわたって径方向に広がって設けられている。フィルタ装置4と周壁35の内面との間の隙間、およびフィルタ装置4と仕切り壁34の外面との間の隙間はできるだけ小さいことが好ましく、パッキン等によってこれらの隙間を埋めてもよい。
【0037】
よってフィルタ装置4は、経路用空間S2に配置されて仕切り壁34に軸線Oの方向の一方側から対向し、仕切り壁34および周壁35との間に空気通過空間S3を形成している。上記の通り仕切り壁34は錐台形状をなしているので、空気通過空間S3における軸線Oの方向の距離は、径方向内側に比べて径方向外側で大きくなっている。
【0038】
フィルタ装置4は、光触媒フィルタ層40と、光触媒フィルタ層40に対して軸線Oの方向の一方側に配置されたエアフィルタ層41とを有している。光触媒フィルタ層40およびエアフィルタ層41はシート状をなしている。光触媒フィルタ層40とエアフィルタ層41とは隙間を空けて配置されているとよい。光触媒フィルタ層40は、紫外線または可視光線Lの照射によって表面が活性化されることで空気を浄化する。エアフィルタ層41としては例えばHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)を採用可能である。エアフィルタ層41は空気中からゴミ、塵埃などを除去する。
【0039】
ここで本実施形態において取込口3aから吸込口34aに向かう空気流通経路Wは、「取込口3a→空気通過空間S3→フィルタ装置4→吸込口34a」となる。空気通過空間S3からフィルタ装置4に流入する空気は、まず光触媒フィルタ層40を通過した後にエアフィルタ層41を通過する。よって本実施形態では、光触媒フィルタ層40はエアフィルタ層41に対して、取込口3aから吸込口34aに向かう空気流通経路Wの上流側に配置されている。
【0040】
(光源)
ここで光触媒フィルタ層40よりも軸線Oの方向の他方側において仕切り壁34には、光触媒フィルタ層40の表面(軸線Oの方向の他方側を向く面)に向けて紫外線または可視光線Lを照射する光源5が設けられている。光源5は例えば周方向に等間隔に仕切り壁34に設けられている。光源5は不図示の配線によって基板22に電気的に接続されている。なお光触媒フィルタ層40の表面に紫外線または可視光線Lを照射可能であれば、光源5の設置位置や数量は特に限定されず、例えば仕切り壁34のみに設けられてもよいし、周壁35のみに設けられてもよいし、仕切り壁34および周壁35の両方に設けられてもよい。光源5としては、例えば紫外線LED等を採用可能であるが、紫外線または可視光線Lを放射可能な光源であれば特に限定されない。
【0041】
(作用効果)
以上説明した本実施形態の呼吸補助装置100によれば、ハウジング3内に取込口3aから取り込まれた空気は、空気通過空間S3に流入した後にフィルタ装置4を通過して吸込口34aへ向かい、インペラ1におけるインペラ流路Fに吸い込まれる。すなわち取込口3aから吸込口34aに向かう空気流通経路Wの途中に空気通過空間S3が配置されている。
【0042】
このように吸込口34aの上流側において空気通過空間S3に空気を流入させることで、空気を経路用空間S2内で周方向に拡散させた状態で、周方向に均一に吸込口34aからインペラ1へ空気を流入させることができる。よって、フィルタ装置4によって清浄化された空気を効率よくインペラ1によって圧送し、呼吸補助装置100の使用者へ、清浄化された空気を確実に供給することができる
【0043】
また空気通過空間S3に空気を流入させることで、フィルタ装置4の広範囲に空気を通過させることができ、高い空気清浄効果を得ることができる。さらには、インペラ1の径方向外側のデッドスペースを空気通過空間S3として活用できるため、ハウジング3内に空気通過空間S3を別途設ける必要がなくなり、呼吸補助装置100の小型化が可能となる。
【0044】
さらにフィルタ装置4は、光触媒フィルタ層40とエアフィルタ層41とを有している。そして光触媒フィルタ層40は、エアフィルタ層41よりも軸線Oの方向の他方側に配置されているため、光触媒フィルタ層40に紫外線または可視光線Lを照射する光源5をフィルタ装置4よりも軸線Oの方向の他方側、すなわち空気通過空間S3に配置することができる。したがってハウジング3におけるインペラ1の径方向外側のデッドスペースに光源5を設けることができ、ハウジング3内のスペースを有効活用でき、呼吸補助装置100の小型化が可能となる。
【0045】
なお光源5を周壁35に設けてもよい。この場合、光触媒フィルタ層40の表面のより広範囲に紫外線または可視光線Lを照射することも可能となるため、空気清浄効果をさらに高めることができる。
【0046】
ここで本実施形態では、図4に示すようにエアフィルタ層41を光触媒フィルタ層40よりも空気流通経路Wの上流側に配置してもよい。すなわち上記の場合とは逆に、エアフィルタ層41を光触媒フィルタ層40よりも軸線Oの方向の他方側に配置してもよい。この場合、光源5はフィルタ装置4よりも軸線Oの方向の一方側で、周壁35(周壁35および仕切り壁34のうちの少なくとも一方でもよい)に設けられている。例えば光源5はカバー31の内面に向けて配置されることでカバー31の内面に紫外線または可視光線Lを照射可能に設けられ、カバー31による紫外線または可視光線Lの反射光を光触媒フィルタ層40の表面に照射するようにしてもよい。また光源5は光触媒フィルタ層40の表面に向けて配置されることで光触媒フィルタ層40の表面に直接的に紫外線または可視光線Lを照射可能に設けられてもよい。
【0047】
この場合、空気はエアフィルタ層41を通過してから光触媒フィルタ層40を通過することになるため、空気がエアフィルタ層41よりも先に光触媒フィルタ層40を通過する場合に比べ、光触媒フィルタ層への汚れの付着量を抑えることができる。このため光触媒フィルタ層40を清掃して再利用する場合には、清掃が必要となるまでの期間を長くすることができ、メンテナンスの頻度を下げることができる。
【0048】
また本実施形態では、図5に示すように吸込口34aがフィルタ装置4に密着していてもよい。すなわち、フィルタ装置4を吸込口34aに対して軸線Oの方向の一方側から対向するように、かつ、経路用空間S2を軸線Oの方向に仕切るようにフィルタ装置4が本体部30に設けられている。この場合、取込口3aから吸込口34aに至るまでに空気はフィルタ装置4を二度通過することになるため、空気の清浄効果をさらに高めることができる。
【0049】
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の呼吸補助装置100Aでは、主に取込口3aの位置が第一実施形態の場合と異なっている。
図6に示すように、取込口3aは、吸込口34aよりも径方向外側の位置でカバー31に形成されている。本実施形態では取込口3aは軸線Oの方向にカバー31を貫通している。取込口3aは、例えばカバー31を軸線Oの方向に貫通して第二幅方向D2に延びるスリット状の開口である。また取込口3aはハウジング3における第一幅方向D1の両端側に設けられているが、一端側のみに設けられてもよい。また取込口3aは第二幅方向D2に並んで複数形成されてもよい。
【0050】
フィルタ装置4は、軸線Oの方向の一方側から吸込口34aおよび空気通過空間S3を覆うように、互いに対向する周壁35同士の間にわたって径方向に広がって本体部30に設けられている。フィルタ装置4は例えば仕切り壁34に形成された第一実施形態と同様のフィルタ支持リブ34yによって軸線Oの方向の他方側から支持されている。よって取込口3aは、フィルタ装置4よりも軸線Oの方向の一方側に設けられている。なお、フィルタ支持リブ34yの形状や配置は特に限定されるものではない。またフィルタ装置4では、エアフィルタ層41よりも光触媒フィルタ層40が軸線Oの方向の他方側に配置され、光源5は仕切り壁34に設けられている。
【0051】
吸込口34aは、軸線Oの方向に周壁35と仕切り壁34との接続部分Xと、フィルタ装置4との間に配置されている。吸込口34aの形状は第一実施形態と同様に円形孔となっている。
【0052】
よって本実施形態において取込口3aから吸込口34aに向かう空気流通経路Wは、「取込口3a→フィルタ装置4→空気通過空間S3→吸込口34a」となる。
【0053】
以上説明した本実施形態の呼吸補助装置100Aによれば、第一実施形態と同様に吸込口34aの上流側において空気通過空間S3に空気を流入させることで、空気を周壁35内で周方向に拡散させ、吸込口34aを通じてインペラ1に周方向に均一に空気を流入させることができる。よって、フィルタ装置4によって清浄化された空気を効率よくインペラ1によって圧送し、呼吸補助装置100Aの使用者へ清浄化した空気を確実に供給することができる。また、空気通過空間S3としてインペラ1の径方向外側のデッドスペースを活用できるため、ハウジング3内に空気通過空間S3を別途設ける必要がなくなり、呼吸補助装置100Aの小型化が可能となる。
【0054】
また本実施形態では取込口3aはカバー31に設けられているので、取込口3aを本体部30に設ける場合に比べて容易に取込口3aを形成することができるとともに、取込口3aの目詰まり等が発生した際のメンテナンスも容易である。
【0055】
またフィルタ支持リブ34yにフィルタ装置4が載置されて設けられているため、カバー31を取り外すことで容易にフィルタ装置4の交換が可能となる。
【0056】
本実施形態においては、図7に示すように光源5を軸線Oの方向にフィルタ装置4と接続部分Xとの間において周壁35の内面に設けてもよい。この場合、光源5からの紫外線または可視光線Lの少なくとも一部を仕切り壁34に向けて径方向内側に向けて照射し、仕切り壁34によって反射させ、その反射光を光触媒フィルタ層40に向かわせることができる。この結果、光触媒フィルタ層40に広い範囲で紫外線または可視光線Lを照射することができ、空気の清浄効果をさらに高めることができる。さらには、仕切り壁34の表面に光触媒45を塗布等することで設けてもよい。この場合、紫外線または可視光線Lが仕切り壁34へ照射されることによって、仕切り壁34の表面を流れる空気の除菌効果を得ることができる。
【0057】
さらに本実施形態において、エアフィルタ層41を光触媒フィルタ層40よりも空気流通経路Wの下流側、すなわち軸線Oの方向の他方側に配置し、図4と同様に光源5をフィルタ装置4よりも軸線Oの方向の一方側に配置してもよい。
【0058】
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の呼吸補助装置100Bでは、主にカバー31にフィルタ装置4が設けられている点で第一実施形態および第二実施形態の場合と異なっている。
【0059】
図8に示すように取込口3aは、吸込口34aよりも径方向外側の位置においてカバー31を軸線Oの方向に貫通して設けられている。取込口3aは、例えば第一幅方向D1の両側に形成されているが、一端側のみに形成されてもよい。また取込口3aは第二幅方向D2に並んで複数形成されてもよい。
【0060】
またカバー31の内面からは軸線Oの方向の他方側に向かって突出するように、仕切り部材32が設けられている。仕切り部材32は径方向に吸込口34aと取込口3aとの間に設けられ、例えば吸込口34aを径方向外側から囲むように筒状に形成されている。また仕切り部材32は吸込口34aよりも軸線Oの方向の他方側まで延びていることが好ましい。仕切り部材32は径方向外側を向く面(仕切り面)32aを有している。
【0061】
フィルタ装置4は、仕切り面32aとカバー31の内面との間にわたって径方向に広がって設けられている。フィルタ装置4では、エアフィルタ層41よりも光触媒フィルタ層40が軸線Oの方向の他方側に配置され、光源5は仕切り壁34に設けられている。
【0062】
本実施形態において取込口3aから吸込口34aに向かう空気流通経路Wは、「取込口3a→フィルタ装置4→空気通過空間S3→吸込口34a」となる。
【0063】
以上説明した本実施形態の呼吸補助装置100Bによれば、第一実施形態および第二実施形態と同様に、取込口3aから吸込口34aに向かう空気流通経路Wの途中に空気通過空間S3が配置されている。よってフィルタ装置4を通過して清浄化された空気は、空気通過空間S3に流入した後に吸込口34aを介してインペラ1に流入するため、インペラ1へ周方向に均一に空気を流入させることができる。この結果、清浄化された空気を効率よくインペラ1で圧送し、呼吸補助装置100の使用者へ清浄化した空気を確実に供給することができる。また空気通過空間S3としてインペラ1の径方向外側のデッドスペースを活用できるため、呼吸補助装置100Bの小型化が可能となる。
【0064】
さらに本実施形態では、カバー31にフィルタ装置4を設けるため、フィルタ装置4の交換が容易となり、メンテナンス性を向上させることができる。
【0065】
本実施形態においても、図7に示した通り周壁35に光源5を設けてもよい。
【0066】
〔第四実施形態〕
次に、本発明の第四実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の呼吸補助装置100Cでは、主にハウジング3の本体部30とカバー31とによってフィルタ装置4が挟まれて設けられている点で第一実施形態から第三実施形態の場合と異なっている。
【0067】
図9に示すように取込口3aは、第三実施形態の場合と同様に吸込口34aよりも径方向外側の位置においてカバー31を軸線Oの方向に貫通して設けられている。
またカバー31の内面には、吸込口34aに軸線Oの方向の一方側から対向する対向面31aが設けられている。対向面31aの外径は、軸線Oの方向から見て吸込口34aを完全に覆うように吸込口34aの開口の内径よりも大きくなっている。対向面31aは、例えばカバー31の内面から軸線Oの方向の他方側に突出する筒状部材31xにおける端面である。
【0068】
仕切り壁34には、吸込口34aの周囲から軸線Oの方向の他方側に立ち上がるようにフィルタ支持リブ34zが設けられている。フィルタ支持リブ34zは、例えば周方向に間隔を空けて複数設けられている。インペラ1へは、これら周方向に並ぶフィルタ支持リブ34z同士の間から空気が流入可能となっている。
【0069】
フィルタ装置4は、フィルタ支持リブ34zにおける軸線Oの方向の一方側の端面に載置され、フィルタ支持リブ34zの端面とカバー31における対向面31aとによって軸線Oの方向に挟み込まれて設けられている。フィルタ装置4では、エアフィルタ層41よりも光触媒フィルタ層40が軸線Oの方向の他方側に配置され、光源5は仕切り壁34に設けられている。
【0070】
本実施形態において取込口3aから吸込口34aに向かう空気流通経路Wは、「取込口3a→フィルタ装置4→空気通過空間S3→吸込口34a」となる。
【0071】
以上説明した本実施形態の呼吸補助装置100Cによれば、第一実施形態から第三実施形態と同様に、取込口3aから吸込口34aに向かう空気流通経路Wの途中に空気通過空間S3が配置されている。そしてフィルタ装置4を通過して清浄化された空気は、空気通過空間S3に流入した後に吸込口34aを介してインペラ1に流入するため、インペラ1へ周方向に均一に空気を流入させることができる。この結果、清浄化された空気を効率よくインペラ1によって圧送し、呼吸補助装置100Cの使用者へ清浄化した空気を確実に供給することができる。また空気通過空間S3としてインペラ1の径方向外側のデッドスペースを活用できるため、呼吸補助装置100Cの小型化が可能となる。
【0072】
さらに本実施形態では、カバー31にフィルタ装置4を設けるため、フィルタ装置4の交換が容易となり、メンテナンス性を向上させることができる。
【0073】
本実施形態においても、図7に示した通り周壁35に光源5を設けてもよい。
【0074】
ここで本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、フィルタ装置4は、必ずしも光触媒フィルタ層40とエアフィルタ層41とを重ねたものを採用しなくともよく、いずれか一方のフィルタ層のみを有するものであってもよい。
【0075】
また仕切り壁34に形成された吸込口34aは、必ずしも円形状の開口でなくともよく、周方向に間欠的に形成されたスリット等であってもよい。
【0076】
またインペラ1の形状、種類も特に上記の場合に限定されない。
【0077】
上記の各実施形態の構成は、適宜組み合わせることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の呼吸補助装置によれば、高い空気清浄効果を発揮するとともに小型化が可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 インペラ
2 駆動装置
3 ハウジング
3a 取込口
4 フィルタ装置
5 光源
30 本体部
30a ハウジング開口
31 カバー
34 仕切り壁
34a 吸込口
34b 吐出口
35 周壁
40 光触媒フィルタ層
41 エアフィルタ層
45 光触媒
100、100A、100B、100C 呼吸補助装置
F インペラ流路
HF ハウジング流路
O 軸線
S1 インペラ収容空間
S2 経路用空間
S3 空気通過空間
W 空気流通経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9