(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168494
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】レシピ提案システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221031BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074000
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】森脇 実
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】利便性の向上を図るレシピ提案システムを提供する。
【解決手段】レシピ提案システムにおいて、サーバ200は、通常価格よりも安い価格で購入可能な食材を示す広告情報を取得する情報取得部220、ユーザが保有する食材を示す在庫情報を管理する食材管理部230、参照可能な複数のレシピのなかから購入日が古いまたは摂取期限が近い食材を含むレシピを優先して選択するレシピ選択部240及びレシピ選択部により選択されたレシピにユーザが保有していない不足食材が含まれる場合であって、不足食材のなかに広告情報に含まれる食材がある場合、レシピ選択部により選択されたレシピと、不足食材のなかに広告情報に含まれる食材があることとを関連付けて報知する報知部250を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常価格よりも安い価格で購入可能な食材を示す広告情報を取得する情報取得部と、
ユーザが保有する食材を示す在庫情報を管理する食材管理部と、
参照可能な複数のレシピのなかから、前記在庫情報に含まれる食材の購入日または摂取期限に基づき、購入日が古いまたは摂取期限が近い食材を含むレシピを優先して選択するレシピ選択部と、
前記レシピ選択部により選択されたレシピに前記ユーザが保有していない不足食材が含まれる場合であって、前記不足食材のなかに前記広告情報に含まれる食材がある場合、前記レシピ選択部により選択されたレシピと、前記不足食材のなかに前記広告情報に含まれる食材があることとを関連付けて報知する報知部と、
を備えたレシピ提案システム。
【請求項2】
前記レシピ選択部は、前記不足食材のなかに前記広告情報に含まれる食材があるか否かに関わらず、購入日が古いまたは摂取期限が近い食材を含むレシピを優先して選択する、
請求項1に記載のレシピ提案システム。
【請求項3】
前記報知部は、前記レシピ選択部により選択された2つ以上のレシピを表示装置に表示させる場合、前記不足食材のなかに前記広告情報に含まれる食材があるか否かに関わらず、所定の手順に基づいて前記2つ以上のレシピを不規則に並び替えて表示させる、
請求項1または請求項2に記載のレシピ提案システム。
【請求項4】
前記レシピ選択部は、使用候補の食材を選択するユーザの指示を伴わずに、購入日が古いまたは摂取期限が近い食材をより多く含むレシピを前記複数のレシピのなかから優先して選択する、
請求項1から請求項3のうちいずれか1に記載のレシピ提案システム。
【請求項5】
前記報知部は、前記レシピ選択部により選択された2つ以上のレシピを表示装置に表示させる場合、前記レシピ選択部により選択された各レシピと、各レシピに含まれる購入日が古いまたは摂取期限が近い食材と、各レシピに含まれる前記不足食材のなかで前記広告情報に含まれる食材とを対応付けて表示させる、
請求項1から請求項4のうちいずれか1に記載のレシピ提案システム。
【請求項6】
前記報知部は、各レシピに含まれる購入日が古いまたは摂取期限が近い食材と、各レシピに含まれる前記不足食材のなかで前記広告情報に含まれる食材とを、異なる表示態様で表示させる、
請求項5に記載のレシピ提案システム。
【請求項7】
前記報知部は、前記レシピ選択部により選択された2つ以上のレシピを表示装置に表示させる場合、前記レシピ選択部により選択された各レシピと、各レシピに含まれる前記不足食材のなかで前記広告情報に含まれる食材と、各レシピに含まれる前記不足食材の数とを対応付けて表示させる、
請求項1から請求項6のうちいずれか1に記載のレシピ提案システム。
【請求項8】
前記報知部は、前記広告情報に含まれる食材であっても前記在庫情報に含まれる食材については、前記不足食材である場合と比べて、前記レシピ選択部により選択されたレシピと関連付けて報知することを抑制する、
請求項1から請求項7のうちいずれか1に記載のレシピ提案システム。
【請求項9】
前記報知部は、前記広告情報に含まれる食材が過去の一定期間において所定の頻度以上で前記広告情報に含まれる特別頻度食材である場合、前記特別頻度食材に関しては、前記特別頻度食材ではない食材と比べて、前記レシピ選択部により選択されたレシピと関連付けて報知することを抑制する、
請求項1から請求項8のうちいずれか1に記載のレシピ提案システム。
【請求項10】
前記報知部は、
前記レシピ選択部により選択された2つ以上のレシピを表示装置に表示させる場合、ユーザの操作に基づいて、前記不足食材のなかで前記広告情報に含まれる食材の数が多い順に前記2つ以上のレシピを並び替えて表示可能であり、
前記広告情報に含まれる食材が過去の一定期間において所定の頻度以上で前記広告情報に含まれる特別頻度食材である場合、前記不足食材のなかで前記広告情報に含まれる食材の数から前記特別頻度食材の数を減算した数に基づき前記2つ以上のレシピを並び替える、
請求項1から請求項9のうちいずれか1に記載のレシピ提案システム。
【請求項11】
前記報知部は、前記広告情報に含まれる食材が前記在庫情報に含まれる食材であっても、前記食材管理部により常備品として管理されている常備食材であって、前記レシピ選択部により選択されたレシピの調理を行うことで前記常備食材の在庫量が所定値未満に減少する場合、前記レシピ選択部により選択されたレシピと、前記不足食材のなかに前記広告情報に含まれる前記常備食材があることとを関連付けて報知する、
請求項1から請求項10のうちいずれか1に記載のレシピ提案システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レシピ提案システムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫に収容されている食品の情報、当該食品の賞味期限、および店舗で特売されている食品の情報に基づいてレシピを決定するシステムが提案されている。このようなシステムでは、特売されている食品の購入が必要以上に促進される場合があり、ユーザが過去の経験などに基づいて判断する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができるレシピ提案システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のレシピ提案システムは、情報取得部と、食材管理部と、レシピ選択部と、報知部とを持つ。前記情報取得部は、通常価格よりも安い価格で購入可能な食材を示す広告情報を取得する。前記食材管理部は、ユーザが保有する食材を示す在庫情報を管理する。前記レシピ選択部は、参照可能な複数のレシピのなかから、前記在庫情報に含まれる食材の購入日または摂取期限に基づき、購入日が古いまたは摂取期限が近い食材を含むレシピを優先して選択する。前記報知部は、前記レシピ選択部により選択されたレシピに前記ユーザが保有していない不足食材が含まれる場合であって、前記不足食材のなかに前記広告情報に含まれる食材がある場合、前記レシピ選択部により選択されたレシピと、前記不足食材のなかに前記広告情報に含まれる食材があることとを関連付けて報知する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態のレシピ提案システムの全体構成を示す図。
【
図2】第1実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図。
【
図3】第1実施形態の広告情報の内容の一例を示す図。
【
図4】第1実施形態の在庫情報の内容の一例を示す図。
【
図5】第1実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
【
図6】第1実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
【
図7】第1実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
【
図8】第1実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
【
図9】第1実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
【
図10】第1実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
【
図11】第1実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図12】第2実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図。
【
図13】第3実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図。
【
図14】第3実施形態の常備品情報の内容の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のレシピ提案システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
(第1実施形態)
<1.レシピ提案システムの全体構成>
まず、レシピ提案システム1の全体構成について説明する。
図1は、レシピ提案システム1の全体構成を示す図である。レシピ提案システム1は、例えば、冷蔵庫100と、サーバ200と、端末装置300とを含む。なお、レシピ提案システム1は、上記構成に限らず、サーバ200のみ(さらに言えば、後述する冷蔵庫管理サーバ201のみ)によって構成されてもよい。後述するネットワークNWは、インターネット、セルラー網、Wi-Fi(登録商標)網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などのうち1つ以上を含み得る。
【0009】
冷蔵庫100は、ユーザUの住居に配置される。冷蔵庫100は、例えばユーザUの住居に配置された無線ルータRを介してネットワークNWと接続され、ネットワークNWを介してサーバ200(例えば冷蔵庫管理サーバ201)と通信可能である。冷蔵庫100は、食材を収容可能な複数の貯蔵室(冷蔵室、チルド室、野菜室、冷凍室など)を含む。本実施形態では、冷蔵庫100は、種々の情報を表示可能な表示画面を含む表示装置101と、ユーザUの操作を受け付け可能な操作部102とを含む。表示装置101は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。操作部102は、例えば、表示装置101の表示画面に重ねて設けられたタッチセンサである。ただし、冷蔵庫100は、表示装置101および操作部102を有しなくてもよい。
【0010】
サーバ200は、冷蔵庫100の食材管理およびレシピの提案に関するサービスを提供する。サーバ200は、例えば、ネットワークNWに接続された1台以上のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)で構成される。サーバ200は、ネットワークNW中のルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。サーバ200は、ネットワークNWを介して、冷蔵庫100および端末装置300と通信可能である。なお、サーバ200は、クラウドサーバに限定されず、ユーザUの住居にあるコンピュータでもよく、家庭内ルータ(例えば無線ルータR)でもよい。また、サーバ200は、端末装置300の一部として実現されてもよい。
【0011】
本実施形態では、サーバ200は、冷蔵庫管理サーバ201と、レシピサーバ202とを含む。冷蔵庫管理サーバ201は、冷蔵庫100の食材管理および遠隔操作などを担うサーバである。一方で、レシピサーバ202は、複数のレシピが登録されたレシピ情報263(
図2参照)を蓄積するサーバである。冷蔵庫管理サーバ201とレシピサーバ202とは、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。なお、冷蔵庫管理サーバ201とレシピサーバ202とは、1つのサーバ装置により実現されてもよい。以下では、冷蔵庫管理サーバ201とレシピサーバ202とを纏めて「サーバ200」として説明する。
【0012】
サーバ200は、ネットワークNWを介して、1つ以上の外部サーバSSと通信可能である。外部サーバSSは、通常価格よりも安い価格で購入可能な食材(例えば特売品や安値の食材)を示す広告情報を配信するサーバである。外部サーバSSは、例えば、スーパーマーケットのような小売店のサーバ、または複数の小売店の広告情報を収集して配信する情報配信業者のサーバである。以下では説明の便宜上、通常価格よりも安い価格で購入可能な食材を「特売品」と称する。すなわち本出願でいう「特売品」とは、特別に安い価格の食材に限定されず、通常価格よりも安い価格で購入可能な食材を広く意味する。
【0013】
端末装置300は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末装置のような携帯端末装置である。端末装置300は、種々の情報を表示可能な表示画面を含む表示装置301と、ユーザUの操作を受け付け可能な操作部302とを含む。表示装置301は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである。操作部302は、例えば、表示装置301の表示画面に重ねて設けられたタッチセンサである。端末装置300には、冷蔵庫100およびサーバ200を利用するためのアプリケーションプログラムPがインストールされ、以下に説明する機能がサポートされる。なお、端末装置300は、携帯端末装置に限定されず、パーソナルコンピュータやスマートスピーカなどでもよい。
【0014】
以下では、レシピに関する検索および表示が行われる例として、端末装置300の操作部302に対するユーザUの操作に基づき、端末装置300の表示装置301にレシピが表示される例を説明する。これに代えて/加えて、冷蔵庫100の操作部102に対するユーザUの操作に基づき、冷蔵庫100の表示装置101にレシピが表示されてもよい。すなわち以下の説明における「端末装置300の操作部302」および「端末装置300の表示装置301」は、「冷蔵庫100の操作部102」および「冷蔵庫100の表示装置101」とそれぞれ読み替えられてもよい。
【0015】
<2.サーバの機能構成>
次に、サーバ200の機能構成について説明する。
図2は、サーバ200の機能構成を示すブロック図である。サーバ200は、例えば、指示受付部210、情報取得部220、食材管理部230、レシピ選択部240、および報知部(情報出力部)250を有する。これら機能部は、サーバ200に搭載されたCPU(Central Processing Unit)のような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、これら機能部の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0016】
さらに、サーバ200は、記憶部260を有する。記憶部260は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数の組み合わせにより実現される。記憶部260には、広告情報261、在庫情報262、およびレシピ情報263が記憶されている。
【0017】
指示受付部210は、端末装置300の操作部302に対するユーザUの操作に基づき、ユーザUの指示を受け付ける。ユーザUの指示は、例えば、レシピを検索させる指示や、レシピの検索結果に含まれる複数のレシピのなかから特定のレシピの詳細を端末装置300の表示装置301に表示させる指示などである。また、指示受付部210は、後述する広告情報を取得する店舗(情報収集対象店舗)を指定するユーザUの指示や、レシピとともに特定の販売日における特売品を表示させる場合、その販売日の指定するユーザUの指示を受け付け可能である。
【0018】
情報取得部220は、不図示の通信部およびネットワークNWを介して、1つ以上の外部サーバSSから広告情報261aを取得する。広告情報261aは、通常価格よりも安い価格で購入可能な食材(特売品)を示す情報である。本出願で「情報を取得する」とは、受動的に情報を受信する場合に限らず、外部サーバSSに対して広告情報を送信させる送信要求を通知し、その応答として外部サーバSSから広告情報を取得する場合も含み得る。
【0019】
情報取得部220は、例えば、指示受付部210により受け付けられるユーザUの指示に基づき、広告情報261aを取得する店舗(以下「情報収集対象店舗」と称する)を特定する。情報収集対象店舗は、例えば、ユーザUの行動圏内にある店舗(ユーザUの自宅近くの店舗や通勤途中にある店舗など)である。ただし、情報収集対象店舗は、ネットスーパーのような配達を前提とした店舗でもよい。情報取得部220は、情報収集対象店舗に関する情報を配信する外部サーバSSから情報収集対象店舗で購入可能な特売品を示す広告情報261aを取得し、取得した広告情報261aを、記憶部260に記憶される広告情報261の一部として蓄積する。
【0020】
図3は、広告情報261の内容の一例を示す図である。広告情報261は、例えば、情報取得部220により取得された複数の情報収集対象店舗に関する広告情報261aを含む。広告情報261では、特売品毎に、「管理ID」、「食材名」、「値段」、「販売店」、および「販売日」が対応付けられて登録されている。「販売店」は、その特売品を通常価格よりも安い価格で購入可能な店舗である。「販売日」とは、その特売品を通常価格よりも安い価格で購入可能な販売日(特売日)である。
【0021】
食材管理部230は、ユーザUが保有する食材を示す在庫情報262を管理する。在庫情報262には、ユーザUの住居に在庫として存在する食材が登録される。在庫情報262は、冷蔵庫100内の貯蔵室に収容される食材に限らず、冷蔵庫100の外部で保存(例えば常温で保存)される食材も含み得る。食材管理部230は、例えば、指示受付部210により受け付けられるユーザUの指示に基づき、在庫情報262を更新する。在庫情報262の更新は、ユーザUが保有する食材の追加、削除、または数量変更などである。なお、食材管理部230は、ユーザの指示に代えて/加えて、冷蔵庫100に設けられたセンサ(例えばカメラ)から得らえる情報、またはレシートのような食材の購入情報に基づき、在庫情報262を更新してもよい。
【0022】
図4は、在庫情報262の内容の一例を示す図である。在庫情報262では、食材毎に、「管理ID」、「食材名」、「食材分類」、「保存場所」、「購入日」、「摂取期限」、「数量」、「単位」、および「履歴」が対応付けられて登録されている。
【0023】
「食材毎」とは、例えば同時に購入された同じ食材を意味する。言い換えると、同じ種類であっても、ある日時に購入された食材と、別の日時に購入された食材は、別の食材として登録される。なお、ここでいう「購入日」とは、特定の食材が新たに登録された登録日、すなわち在庫量が増えた日を指し、その食材の入手経路が購入ではなかった場合も含む意味で用いる。
【0024】
「食材分類」は、食材の区分を意味する。本実施形態では、「食材分類」として、「野菜」、「果物」、「肉類」、「魚介・海藻類」、「卵・乳製品」、「豆・豆製品」、「加工食品」、「ごはん・パン類」、「麺類」、「飲料」、「冷凍食品」、「甘味類」、「調味料」、「香辛料」、「お惣菜」、および「その他」である16種類の食材分類が設定されている。ただし、上記区分は例であり、食材分類の区分は適宜設定可能である。
【0025】
「保存場所」は、食材が収容された場所を意味する。本実施形態では、「保存場所」として、「冷蔵室」、「野菜室」、「冷凍室」、および「その他」である4種類の保存場所が設定されている。「その他」は、冷蔵庫100の外部の保存場所に対応する。「摂取期限」は、賞味期限または消費期限である。「摂取期限」は、ユーザUの指示に基づいて登録されてもよく、購入日に対して所定の日数が加算された日付が自動入力されてもよい。「数量」には、食材の最新の数量が登録される。「履歴」には、食材が減少した場合に、減少後の数量および減少した日時などを示す情報が登録される。
【0026】
レシピ選択部240は、レシピ情報263に含まれる複数のレシピを参照可能である。レシピとは、食材の調理方法を含む情報である。レシピ情報263に含まれる各レシピには、料理の完成品の画像、料理に必要な食材の種類、料理に必要な各食材の量、調理の手順などを示す情報が含まれる。なお、レシピ選択部240は、記憶部260に記憶されたレシピ情報263に代えて/加えて、外部サーバ(例えば外部サーバSSまたは別のサーバ)と通信を行うことで、当該外部サーバに記憶されている1つ以上(例えば複数)のレシピを参照可能であってもよい。
【0027】
レシピ選択部240は、参照可能な複数のレシピのなかから、在庫情報262に含まれる食材の購入日または摂取期限に基づき、購入日が古いまたは摂取期限が近い食材を含むレシピを優先して選択する。
【0028】
本実施形態では、レシピ選択部240は、参照可能な複数のレシピのなかから、ユーザUが保有していない食材(すなわち在庫情報262に在庫登録がない食材)が1つ以上含まれるレシピも選択可能である。以下では、ユーザUが保有していない食材(すなわち在庫情報262に在庫登録がない食材)を「不足食材」と称する場合がある。本実施形態では、レシピ選択部240は、各レシピにおいて不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材があるか否か(すなわち特売品があるか否か)に関わらず、購入日が古いまたは摂取期限が近い食材を含むレシピを優先して選択する。なお、レシピ選択部240については詳しく後述する。
【0029】
報知部250は、レシピ選択部240により選択された1つ以上(例えば複数)のレシピを、ユーザUに報知する。例えば、報知部250は、レシピ選択部240により選択された1つ以上(例えば複数の)のレシピを端末装置300の表示装置301に表示させることでユーザUに報知する。本実施形態では、報知部250は、レシピ選択部240により選択されたレシピに不足食材が含まれる場合であって、不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材がある場合(すなわち特売品がある場合)、レシピ選択部240により選択されたレシピと、不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材があること(すなわち特売品があること)とを関連付けて報知する。なお、報知部250については詳しく後述する。
【0030】
<3.レシピの選択と表示>
次に、レシピ選択部240によるレシピの選択と、報知部250によるレシピの表示について詳しく説明する。以下では、ユーザUが保有する食材(すなわち在庫情報262に在庫登録がある食材)を「あるもの」または「在庫食材」と称する場合がある。
【0031】
本実施形態では、レシピ選択部240は、使用する食材に関して検索基準が異なる複数のレシピ検索方法のなかから選択されたレシピ検索方法を用いて1つ以上のレシピを選択可能である。「レシピを選択する」とは、参照可能な複数のレシピのなかから条件に該当する1つ以上のレシピを抽出することを意味する。レシピ検索方法の例としては、以下では「あるもの優先検索」および「あるもの必須検索」について説明する。なお、レシピ検索方法は以下に説明する例に限定されない。以下の説明で「食材」とは、料理を構成する主役または準主役となる食材を意味し、調味料や香料、薬味などは含まない意味で用いる。
【0032】
<3.1 あるもの優先検索>
次に、あるもの優先検索について説明する。あるもの優先検索は、在庫情報262に含まれる食材を使用することの優先度が後述する「あるもの必須検索」より低い検索方法である。レシピ選択部240は、あるもの優先検索において、使用候補の食材を選択するユーザUの指示を伴わずに、在庫情報262に基づきユーザUが保有する食材を含むレシピを優先して選択する。本実施形態では、レシピ選択部240は、あるもの優先検索において、在庫食材の購入日または摂取期限に基づき、参照可能な複数のレシピのなかから購入日が古いまたは摂取期限が近い食材を含むレシピを優先して選択する。また、レシピ選択部240は、あるもの優先検索において、参照可能な複数のレシピのなかから購入日が古いまたは摂取期限が近い食材をより多く含むレシピを優先して選択する。「購入日が古いまたは摂取期限が近い食材を含むレシピ」とは、購入日基準で抽出された食材を含むレシピ、または摂取期限基準で抽出された食材を含むレシピを意味する。
【0033】
例えば、レシピ選択部240は、あるもの優先検索において、在庫情報262に基づき第1食材、第2食材、および第3食材を抽出し、参照可能な複数のレシピのなかから第1食材、第2食材、および第3食材の全てを含むレシピ(以下「レシピ1」と称する場合がある)を優先して選択する。また、レシピ選択部240は、レシピ1よりも低い優先度で、第1食材、第2食材、第3食材のうちいずれか2つを含むレシピ(以下「レシピ2」と称する場合がある)を選択する。また、レシピ選択部240は、レシピ2よりも低い優先度で、第1食材、第2食材、および第3食材のうちいずれか1つを含むレシピ(以下「レシピ3」と称する場合がある)を選択する。
【0034】
「第1食材」とは、第1食材分類に属する食材のなかで相対的に購入日が古いまたは摂取期限が近い食材である。「第2食材」とは、第1食材分類とは異なる第2食材分類に属する食材のなかで相対的に購入日が古いまたは摂取期限が近い食材である。「第3食材」とは、第1食材分類および第2食材分類とは異なる第3食材分類に属する食材のなかで相対的に購入日が古いまたは摂取期限が近い食材である。「第1食材分類」は、肉類または魚介類を含む食材分類、加工食品を含む食材分類、または野菜を含む食材分類のいずれか1つである。「第2食材分類」は、肉類または魚介類を含む食材分類、加工食品を含む食材分類、または野菜を含む食材分類のいずれか他の1つである。「第3食材分類」は、肉類または魚介類を含む食材分類、加工食品を含む食材分類、または野菜を含む食材分類のいずれかさらに別の1つである。
【0035】
また、レシピ選択部240は、あるもの優先検索において、レシピ選択部240により選択された(すなわち検索されて条件に該当することで抽出された)レシピ1の数である第1数が所定数よりも少ない場合、第1数に応じてレシピ2を追加で選択する(すなわち、追加で検索して抽出する)。上記「所定数」は、予め設定される数である。例えば、「所定数」は、レシピの提案を要求するユーザUの指示に対する応答として、表示装置301に一度に出力される(すなわち表示装置301の表示画面に一度に表示される)レシピの数である。「一度に表示される」とは、表示画面において一部が隠れた状態からスクロールにより順に表示される場合なども含む。
【0036】
レシピ選択部240は、レシピ選択部240により選択された(すなわち検索されて条件に該当することで抽出された)レシピ2の数が第2数よりも多い場合、所定のルール(所定の手順)に基づきレシピ2のなかから第2数のレシピを不規則に選択する。「第2数」は、所定数と第1数との差分に相当する数または上記差分よりも少ない数である。「不規則に選択する」ことは、特定の手法に限定されないが、例えば、レシピ選択部240により乱数を生成し、生成された乱数に基づきレシピを選択することにより実現される。
【0037】
レシピ選択部240は、あるもの優先検索において、第1数と第2数との合計が「所定数」よりも少ない場合、第1数および第2数の合計に応じてレシピ3を追加で選択する(すなわち、追加で検索して抽出する)。レシピ選択部240は、レシピ選択部240により選択された(すなわち検索されて条件に該当することで抽出された)レシピ3の数が第3数よりも多い場合、所定のルール(所定の手順)に基づきレシピ3のなかから第3数のレシピを不規則に選択する。「第3数」は、第1数と第2数との合計と「所定数」との差分に相当する数または上記差分よりも少ない数である。
【0038】
<3.2 あるもの必須検索>
次に、あるもの必須検索について説明する。あるもの必須検索は、在庫情報262に含まれる少なくとも1つの食材の使用を必須とするレシピを検索する方法である。あるもの必須検索は、例えば、使用候補の食材を選択するユーザUの指示を伴うものである。本実施形態では、報知部250は、あるもの必須検索が行われる場合、在庫情報262に基づき、在庫食材の少なくとも一部を表示装置301に表示させる。指示受付部210は、報知部250により在庫食材の少なくとも一部が表示装置301に表示された状態で、在庫食材のなかから使用候補の食材を選択するユーザの指示を受け付ける。
【0039】
本実施形態では、指示受付部210は、在庫食材のなかから使用候補の食材として複数の食材を選択するユーザの指示を受け付け可能である。本実施形態では、レシピ選択部240は、使用候補の食材として複数の食材を選択するユーザの指示が指示受付部210により受け付けられた場合、それら複数の食材のうち少なくともいずれか1つを含むレシピを選択する。ただし、レシピ選択部240は、使用候補の食材として複数の食材を選択するユーザの指示が指示受付部210により受け付けられた場合、それら複数の食材の全部を含むレシピのみを選択するようにしてもよい。
【0040】
レシピ選択部240は、あるもの必須検索において、指示受付部210により受け付けられた使用候補の食材を含むレシピを選択する。例えば、食材A、食材B、食材C、食材D、食材Eが在庫食材であるとする。ユーザUは食材A、食材B、食材Cを「使用候補の食材」として選択する。レシピ選択部240は、食材A、食材B、および食材Cのうち1つ以上(好ましくは2つ以上、さらに好ましくは3つ以上)を含むレシピを選択する。
【0041】
<3.3 表示順序の並べ替え>
報知部250は、レシピ選択部240により選択された1つ以上のレシピを示す情報を端末装置300に出力し、表示装置301の表示画面に表示させる。本実施形態では、報知部250は、レシピ選択部240により選択された2つ以上のレシピを表示装置301の表示画面に表示させる場合、所定のルール(所定の手順)に基づき複数のレシピを不規則に並び替えて表示装置301の表示画面に表示させる。すなわち、報知部250は、レシピ選択部240により選択された2つ以上のレシピがレシピ選択部240により選択された順番(抽出された順番)とは異なる順番で表示装置301の表示画面に表示されるように、複数のレシピを不規則に並び替える。
【0042】
本実施形態では、報知部250は、レシピ選択部240により選択された2つ以上のレシピを表示装置301に表示させる場合、各レシピの不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材があるか否かに関わらず(すなわち特売品があるか否かに関わらず)、所定の手順に基づいて2つ以上のレシピを不規則に並び替えて表示させる。レシピが不規則に並び替えられて表示されることで、同じ食材に基づいて選択された複数のレシピ(同じ食材を含む複数のレシピ)が連続して表示されることが抑制される。「不規則に並び替える」ことは、特定の手法に限定されないが、例えば、報知部250により乱数が生成され、生成された乱数に基づき複数のレシピが並び替えられることにより実現される。
【0043】
本実施形態では、報知部250は、レシピ選択部240により第1数のレシピ1と、不規則に選択された第2数のレシピ2とを含む所定数のレシピを表示装置301に表示させる場合、これら所定数のレシピを上記所定のルール(所定の手順)に基づき不規則に並び替えて表示装置301の表示画面に表示させる。その結果、表示装置301の表示画面における並び順として、レシピ1とレシピ2とが入り混じった順序で、レシピ1およびレシピ2が表示される。これは、レシピ3が含まれる場合も同様である。
【0044】
本実施形態では、報知部250は、レシピ選択部240により選択された2つ以上のレシピを表示装置301の表示画面に表示させる場合、レシピ選択部240により選択された各レシピと、各レシピに含まれる購入日が古いまたは摂取期限が近い食材と、各レシピに含まれる不足食材のなかで広告情報261に含まれる食材(特売品)と、各レシピに含まれる不足食材の数とを対応付けて表示させる。これについては、以下に示す具体例のなかで詳しく説明する。
【0045】
<4.具体例>
<4.1 あるもの優先検索の具体例>
次に、あるもの優先検索の具体例について説明する。
図5は、表示装置301の表示画面D1の一例を示す図である。表示画面D1には、あるもの優先検索を選択するための操作部(例えばボタンB1)、および、あるもの必須検索を選択するための操作部(例えばボタンB2)などが表示される。ボタンB1が操作されることで、レシピ選択部240によってあるもの優先検索が行われる。その結果、表示画面D1は、
図6に示される表示画面D2に遷移する。
【0046】
図6は、あるもの優先検索により抽出された(選択された)複数のレシピの一覧が表示される表示画面D2の一例を示す図である。
図6の表示画面D2に表示される複数のレシピは、報知部250によって端末装置300に出力されたレシピである。また、
図6の表示画面D2に表示される複数のレシピは、上述したように、レシピ選択部240により選択されて報知部250によって不規則に並び替えられた複数のレシピである。
【0047】
報知部250は、レシピ選択部240により選択された複数のレシピを表示装置301に表示させる場合、レシピ選択部240により選択された各レシピと、各レシピに含まれる購入日が古いまたは摂取期限が近い食材(すなわち、レシピ選択部240による検索に用いられた食材)を示す第1表示M1とを対応付けて表示させる。すなわち、第1表示M1には、上述した第1食材、第2食材、または第3食材である食材の名称が示される。
【0048】
本実施形態では、報知部250は、第1表示M1に加え、レシピ選択部240により選択された各レシピと、各レシピに含まれる不足食材のなかで広告情報261に含まれる食材(特売品)を示す第2表示M2とを対応付けて表示させる。すなわち、第2表示M2には、各レシピで用いられる不足食材である特売品の名称が示される。第2表示M2は、各レシピで用いられる不足食材である特売品が存在するレシピにだけ表示される。
【0049】
報知部250は、例えば、第1表示M1と第2表示M2とを並べて表示させる。報知部250は、第1表示M1と、第2表示M2とを異なる表示態様で表示させる。「異なる表示態様」は、文字の色が異なる、背景の色が異なる、文字を囲む枠線の色または線種が異なる、文字の太さが異なる、異なるタイトルまたは注記が付くなどである。本実施形態では、第1表示M1は、白色の背景のボックスに黒色の文字で食材名が表示される。一方で、第2表示M2は、黄色の背景のボックスに黒色の文字で食材名が表示される。
【0050】
上記に加えて、報知部250は、広告情報261に基づき、各レシピと対応付けられて表示される第2表示M2を、特売品を販売する販売店毎に異なる表示態様で表示してもよい。例えば、A店に関する第2表示M2は、黄色の背景のボックスに黒色の文字で食材名が表示され、B店に関する第2表示M2は、水色の背景のボックスに黒色の文字で食材名が表示されてもよい。
【0051】
また、報知部250は、広告情報261に基づき、各レシピと対応付けられて表示される第2表示M2を、特売品を安く購入可能な販売日毎に異なる表示態様で表示してもよい。例えば、レシピが検索される当日に販売される特売品に関する第2表示M2は、黄色の背景のボックスに黒色の文字で食材名が表示され、レシピが検索される日の翌日に販売される特売品に関する第2表示M2は、緑色の背景のボックスに黒色の文字で食材名が表示されてもよい。これら店舗毎や販売日毎に異なる表示態様は、上記例に限定されず、文字の色が異なる、背景の色が異なる、文字を囲む枠線の色または線種が異なる、文字の太さが異なる、異なるタイトルまたは注記が付くなどでもよい。
【0052】
本実施形態では、報知部250は、第1表示M1および第2表示M2に加え、レシピ選択部240により選択された各レシピと、各レシピに含まれる不足食材の数を示す第3表示M3とを対応付けて表示させる。本実施形態では、第3表示M3には、各レシピで用いられる不足食材の名称ではなく、不足食材の数のみが表示される。
図6に示す「ピーナッツバナナケーキ」のレシピの例では、在庫食材として購入日が古い(または摂取期限が近い)卵が存在し、料理を完成させるためには2つの食材が不足しており、そのうち1つである「ピーナッツ」については特売品として購入可能であることが示されている。例えば、第3表示M3は、第1表示M1および第2表示M2と比べて小さいスペースで表示される。
【0053】
本実施形態では、報知部250は、広告情報261に含まれる食材であっても在庫がある食材(在庫情報262に在庫登録がある食材)については、レシピ選択部240により選択されたレシピと関連付けて報知することを抑制する。「抑制する」とは、広告情報261に含まれる食材であっても在庫がある食材については、表示しない(例えば第2表示M2が存在しない)場合や、不足食材と比べて控えめに表示する(例えば小さく表示する)場合を含み得る。
【0054】
図7は、表示装置301の表示画面D3の一例を示す図である。
図7に示される表示画面D3は、
図6に示される表示画面D2に表示された複数のレシピのなかでユーザUが特定のレシピを選択する操作を行う(例えば特定レシピの画像をタップする)ことで遷移した画面であり、当該特定のレシピの詳細が表示された表示画面である。
【0055】
報知部250は、表示画面D3において、特定のレシピで必要である全ての食材を表示する。報知部250は、全ての食材のなかで、当該レシピに含まれる購入日が古いまたは摂取期限が近い食材(すなわち、レシピ選択部240による検索に用いられた食材)が第1強調表示N1によって表示され、当該レシピに含まれる不足食材のなかで広告情報261に含まれる食材(特売品)が第2強調表示N2によって表示される。
【0056】
例えば、第1強調表示N1と、第2強調表示N2とは、異なる態様である。「異なる態様」は、文字の色が異なる、背景の色が異なる、文字を囲む枠線の色または線種が異なる、文字の太さが異なる、異なるタイトルまたは注記が付くなどである。本実施形態では、第1強調表示N1は、食材名を黒色の枠線を囲む強調表示である。一方で、第2強調表示N2は、食材名を黒色の枠線で囲むとともに、背景を黄色に変更する強調表示である。なお、報知部250は、表示画面D3において、レシピに含まれる購入日が古いまたは摂取期限が近い食材は強調表示せず、レシピに含まれる不足食材のなかで広告情報261に含まれる食材(特売品)のみを強調表示してもよい。すなわち、第1強調表示N1が存在せず、第2強調表示N2のみが存在してもよい。
【0057】
<4.2 あるもの必須検索の具体例>
次に、あるもの必須検索の具体例について説明する。
図5に示す表示画面D1においてボタンB2が操作されることで、レシピ選択部240によってあるもの必須検索が行われる。その結果、表示画面D1は、
図8に示される表示画面D4に遷移する。
図8に示される表示画面D4では、複数の在庫食材が所定の優先順序で並べて表示される。所定の優先順序は、食材名順、購入日順、または摂取期限順などである。
【0058】
図9は、
図8に示される表示画面D4において、ユーザUによって、複数の在庫食材のなかからレシピの検索に用いられる3つの食材(使用候補の食材)が入力された表示画面D5を示す。
図9に示す例では、「チーズ」、「キャベツ」、および「鶏もも肉」が使用候補の食材として入力されている。
【0059】
図10は、あるもの必須検索により抽出された(選択された)複数のレシピの一覧が表示される表示画面D6の一例を示す図である。
図10の表示画面D6に表示される複数のレシピは、報知部250によって端末装置300に出力されたレシピである。また、
図10の表示画面D6に表示される複数のレシピは、上述したように、レシピ選択部240により選択されて報知部250によって不規則に並び替えられた複数のレシピである。
【0060】
報知部250は、レシピ選択部240により選択された複数のレシピを表示装置301に表示させる場合、レシピ選択部240により選択された各レシピと、各レシピに含まれる不足食材のなかで広告情報261に含まれる食材(特売品)を示す表示M2と、各レシピに含まれる不足食材の数を示す表示M3とを対応付けて表示させる。表示M2および表示M3の内容は、上述した第2表示M2および第3表示M3と同様である。
【0061】
<5.処理の流れ>
次に、処理の流れについて説明する。
図11は、処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは、情報取得部220によって先に広告情報261が蓄積されているものとする。また
図11は、レシピを検索するユーザUの指示(例えば、あるもの優先検索によりレシピを検索するユーザUの指示)が指示受付部210により受け付けられた後の処理の流れを示す。
【0062】
まず、レシピ選択部240は、あるもの優先検索によりレシピを検索する(S101)。本実施形態では、レシピ選択部240は、参照可能な複数のレシピのなかから、在庫情報262に含まれる食材の購入日または摂取期限に基づき、購入日が相対的に古いまたは摂取期限が相対的に近い食材を含む所定数のレシピを選択する。次に、報知部250は、レシピ選択部240により選択された所定数のレシピの表示順を不規則に並び替える(S102)。
【0063】
次に、報知部250は、レシピ選択部240により選択された各レシピに不足食材が含まれるか否かを判定する(S103)。報知部250は、全てのレシピにおいて不足食材が含まれない場合(S103:NO)、表示装置301の表示画面に所定数のレシピを表示させる(S104)。
【0064】
一方で、報知部250は、レシピ選択部240により選択された少なくとも1つのレシピに不足食材が含まれる場合(S103:YES)、当該不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材(特売品)があるか否かを判定する(S105)。報知部250は、S105の判定を行う全てのレシピにおいて、不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材(特売品)が無い場合(S105:NO)、表示装置301の表示画面に所定数のレシピを表示させる(S104)。
【0065】
報知部250は、レシピ選択部240により少なくとも1つのレシピにおいて、不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材(特売品)がある場合(S105:YES)、表示装置301の表示画面に所定数のレシピを表示させるとともに、不足食材のなかに特売品があるレシピについては、レシピと特売品とを関連付けて表示させる(S106)。
【0066】
<6.利点>
家庭において、特売品などを使って食費を安く抑える一方で、過剰な購入や物忘れのため冷蔵庫の中で使われることなく賞味期限になり廃棄される食材が多くある。購入と消費のバランスをうまく保たないと食品ロス問題は解消されにくい。
【0067】
ここで比較例として、ユーザUが保有する在庫食材の情報と、特売品の広告情報とに基づきレシピを選択して提案するレシピ提案システムについて考える。このようなレシピ提案システムでは、特売品の購入が必要以上に促進される場合があり、在庫食材と追加購入食材(特売品)とのバランスをとるようにユーザが過去の経験などに基づいて判断する必要がある。このため、利便性の観点で改善の余地がある。
【0068】
一方で、本実施形態では、レシピ選択部240は、参照可能な複数のレシピのなかから、在庫情報262に含まれる食材の購入日または摂取期限に基づき、購入日が古いまたは摂取期限が近い食材を含むレシピを優先して選択する。報知部250は、レシピ選択部240により選択されたレシピにユーザが保有していない不足食材が含まれる場合であって、不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材がある場合、レシピ選択部240により選択されたレシピと、不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材があることとを関連付けて報知する。このような構成によれば、特売品の購入が必要以上に促進されることを抑制し、在庫食材の消費を積極的に促進させることができるとともに、不足食材がある場合にその購入費用を安く抑えることができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0069】
本実施形態では、レシピ選択部240は、不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材があるか否かに関わらず、購入日が古いまたは摂取期限が近い食材を含むレシピを優先して選択する。このような構成によれば、特売品の購入が必要以上に促進されることをより抑制し、在庫食材の消費をより積極的に促進させることができる。
【0070】
本実施形態では、報知部250は、レシピ選択部240により選択された2つ以上のレシピを表示装置301に表示させる場合、不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材があるか否かに関わらず、所定の手順に基づいて2つ以上のレシピを不規則に並び替えて表示させる。このような構成によれば、特売品を含むレシピが優先して表示される(例えば表示順序の上位に纏まって表示される)ことを抑制することができる。これにより、特売品の購入が必要以上に促進されることをより抑制することができるとともに、特定の食材に偏ったレシピが纏まって表示されることを抑制し、ユーザUは豊富な種類のレシピから好みのレシピを選択しやすくなる。これにより、ユーザUの利便性の向上をさらに図ることができる。
【0071】
本実施形態では、レシピ選択部240は、使用候補の食材を選択するユーザUの指示を伴わずに、購入日が古いまたは摂取期限が近い食材をより多く含むレシピを複数のレシピのなかから優先して選択する。このような構成によれば、在庫食材の消費をより積極的に促進させることができる。
【0072】
本実施形態では、報知部250は、レシピ選択部240により選択された各レシピと、各レシピに含まれる購入日が古いまたは摂取期限が近い食材と、各レシピに含まれる不足食材のなかで広告情報261に含まれる食材(特売品)とを対応付けて表示させる。このような構成によれば、ユーザUは、各レシピにおいて、購入日が古いまたは摂取期限が近い食材に加え、不足食材である特売品の有無を容易に知ることができる。これにより、ユーザUの利便性の向上をさらに図ることができる。
【0073】
本実施形態では、報知部250は、各レシピに含まれる購入日が古いまたは摂取期限が近い食材と、各レシピに含まれる不足食材のなかで広告情報261に含まれる食材とを、異なる表示態様で表示させる。このような構成によれば、ユーザUは、各レシピにおいて、購入日が古いまたは摂取期限が近い食材と、不足食材である特売品とを容易に区別して識別することができる。これにより、ユーザUの利便性の向上をさらに図ることができる。
【0074】
本実施形態では、報知部250は、レシピ選択部により選択された各レシピと、各レシピに含まれる不足食材のなかで広告情報261に含まれる食材(特売品)と、各レシピに含まれる不足食材の数とを対応付けて表示させる。このような構成によれば、特売品の情報と、追加購入が必要な残りの不足食材の数とを対応付けて容易に把握することができ、そのレシピを採用する場合に必要となる食材の購入費用を計算しやすくなる。これにより、ユーザUの利便性の向上をさらに図ることができる。
【0075】
(変形例)
次に、第1実施形態の変形例について説明する。本変形例では、指示受付部210は、表示画面D2,D6(
図6または
図10参照)に表示される所定の操作部(例えばボタンB3)に対するユーザUの操作に基づき、表示画面D2,D6に表示される複数のレシピの並び順を変更させる指示を受け付ける。例えば、指示受付部210は、表示画面D2,D6に表示させる複数のレシピの並び順として、不足食材のなかにより多くの特売品が含まれるレシピを優先して表示(例えば上位に表示)させるように並び順を変更させる指示を受け付ける。
【0076】
報知部250は、指示受付部210が上記指示を受け付けることに応じて、不足食材に特売品が含まれるレシピを優先して表示させるように、複数のレシピの並び順を変更する。例えば、報知部250は、不足食材に含まれる特売品の数が多い順に複数のレシピを並び替えて表示させる。このような構成によれば、ユーザUは、不足食材に特売品が含まれるレシピを知りたい場合に、それらレシピを容易に知ることができる。
【0077】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、一定期間において所定の頻度以上で同じ食材が広告情報261aに含まれる場合、当該食材について特別な取り扱いが行われる点で第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0078】
図12は、第2実施形態のサーバ200Aの機能構成を示すブロック図である。本実施形態では、情報取得部220は、各食材(在庫食材に限らず、一般的に入手可能な各食材)について、当該食材が広告情報261aに登場する回数をカウントする。そして、情報取得部220は、一定期間において所定の頻度以上で同じ食材が広告情報261aに含まれる場合、当該食材が「特別頻度食材」に該当すると判定し、記憶部260に記憶される特別頻度食材情報264に当該食材を登録する。「一定期間において所定の頻度以上で同じ食材が広告情報261aに含まれる場合」とは、毎週同じ曜日に同じ食材が特売品になる場合や、特定の季節に同じ商品が連続して特売品になる場合である。「一定期間」は、例えば1ヶ月である。各食材が広告情報261aに登場する回数のカウントは、同一店舗の広告情報261aに含まれる回数に限らず、複数の店舗における広告情報261aに含まれる回数であってもよい。
【0079】
本実施形態では、報知部250は、レシピ選択部240により選択されたレシピにおいて、当該レシピの不足食材であって広告情報261に含まれる食材(特売品)が特別頻度食材である場合、特別頻度食材に関しては、特別頻度食材ではない食材と比べて、レシピと関連付けて不足食材のなかに広告情報261に含まれる食材(特売品)があることを報知することを抑制する。「抑制する」とは、不足食材のなかに特売品があることを報知しない場合や、特別頻度食材ではない食材と比べて、不足食材のなかに特売品があること控えめに表示する(例えば小さく表示する)場合を含み得る。本実施形態では、報知部250は、特別頻度食材に関しては、不足食材のなかに特売品がある場合であっても、
図6または
図10における表示M2は表示しない。
【0080】
別の例では、報知部250は、第1実施形態の変形例と同様に、ユーザUの操作に基づいて、不足食材に含まれる特売品の数が多い順に複数のレシピを並び替えて表示可能である。そして、報知部250は、広告情報261に含まれる食材が特別頻度食材である場合、各レシピにおいて不足食材に含まれる特売品の数から特別頻度食材の数を減算した数に基づき複数のレシピを特売品の数が多い順に並び替えて表示させる。
【0081】
これらのような構成によれば、卵や牛乳のような特売品として販売される機会が多い食材が何度も繰り返しユーザUに報知されることを抑制することができる。これにより、ユーザUの利便性の向上をさらに図ることができる。
【0082】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、不足食材に含まれる特売品がユーザUの常備品として管理されている食材である場合、当該食材について特別な取り扱いが行われる点で第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0083】
図13は、第3実施形態のサーバ200Bの機能構成を示すブロック図である。本実施形態では、記憶部260は、常備品情報265を記憶している。
【0084】
図14は、常備品情報265の内容の一例を示す図である。常備品情報265では、ユーザUが常備品として管理したい食材毎に、「管理ID」、「食材名」、および「常備量」が対応付けられて登録されている。「常備量」とは、常備品情報265に含まれる食材の在庫量の基準(閾値)である。報知部250は、常備品情報265に含まれる食材の在庫量が常備量を下回ると、常備品である当該食材が所定の基準以下になったことをユーザUに知らせる報知(例えば表示装置301による表示)を行う。常備品情報265は、例えば、指示受付部210により受け付けられるユーザUの指示に基づき、食材管理部230によって登録されて管理される。
【0085】
本実施形態では、報知部250は、所定の条件が満たされない場合、広告情報261に含まれる食材(特売品)であっても在庫がある食材(在庫情報262に含まれる食材)については、レシピ選択部240により選択されたレシピと関連付けて報知することを抑制する。一方で、報知部250は、所定の条件が満たされる場合には、広告情報261に含まれる食材(特売品)であって在庫がある食材(在庫情報262に含まれる食材)についても、レシピ選択部240により選択されたレシピと、不足食材のなかに広告情報261に含まれる常備品(常備食材)があることとを関連付けて報知する。「所定の条件」は、例えば、広告情報261に含まれる食材が食材管理部230により常備品として管理されている常備品(常備食材)であって、レシピ選択部240により選択されたレシピの調理を行うことで常備品の在庫量が所定値未満に減少する場合(例えば、常備品情報265に含まれる常備量を下回る場合)である。
【0086】
このような構成によれば、特定のレシピの料理を行うことで常備品の在庫量が基準量以下に低下する場合、特売品の購入を促進することができる。これにより、ユーザUの利便性の向上をさらに図ることができる。
【0087】
以上、いくつかの実施形態および変形例について説明した。ただし、実施形態および変形例は、上述した例に限定されない。例えば、上述した複数の実施形態および変形例は、互いに組み合わせて実現可能である。例えば、
図6または
図10に示す表示画面D2,D6における各レシピの画像上には、表示M1,M2,M3に加えて、各レシピの栄養素成分(例えば、摂取したい栄養成分(鉄分など)、および/または、摂取したくない栄養成分(プリン体など))、摂取カロリー、塩分表示、または調理時間などのうち1つ以上が表示されてもよい。また、これら要素に基づいて、表示装置301の表示画面に表示される複数のレシピの並び順が変更可能であってもよい。
【0088】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、レシピ提案システムは、レシピ選択部と、報知部とを備える。レシピ選択部は、参照可能な複数のレシピのなかから購入日が古いまたは摂取期限が近い食材を含むレシピを優先して選択する。報知部は、レシピ選択部により選択されたレシピにユーザが保有していない不足食材が含まれる場合であって、不足食材のなかに広告情報に含まれる食材がある場合、レシピ選択部により選択されたレシピと、不足食材のなかに広告情報に含まれる食材があることとを関連付けて報知する。このような構成によれば、利便性の向上を図ることができる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0090】
1…レシピ提案システム、100…冷蔵庫、200,200A,200B…サーバ、210…指示受付部、220…情報取得部、230…食材管理部、240…レシピ選択部、250…報知部、300…端末装置。