(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168497
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器システム、及び状態確認方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20221031BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20221031BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
G06K19/077 112
G06K19/06 112
G06K19/07 090
G06K19/077 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074009
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】仁瓶 広誉
(57)【要約】
【課題】表示変更が正常に行われたか否かの確認を自動化する。
【解決手段】電子機器は、不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、無線給電による電力の供給を受けるとともに、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、前記表示部の表示を変更する表示変更要求であって、前記無線通信部が受信した受信情報に基づく表示変更要求に応じて、前記表示部の表示を変更するとともに、変更後の表示状態を示すコード画像を前記表示部に表示させる制御部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、
無線給電による電力の供給を受けるとともに、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、
前記表示部の表示を変更する表示変更要求であって、前記無線通信部が受信した受信情報に基づく表示変更要求に応じて、前記表示部の表示を変更するとともに、変更後の表示状態を示すコード画像を前記表示部に表示させる制御部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記表示状態と前記コード画像とを対応付けて記憶するのコード画像記憶部を備え、
前記制御部は、前記コード画像記憶部から前記表示状態に対応した前記コード画像を取得し、取得した前記コード画像を前記表示部の予め定められた位置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示状態には、前記表示部の表示を全て消去した表示状態が含まれ、
前記制御部は、前記変更後の表示状態が、前記表示部の表示を全て消去した表示状態である場合に、前記表示部の表示を全て消去した表示状態を示す前記コード画像を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記表示変更要求に対する前記表示部に関する状態を示す状態情報を記憶する状態情報記憶部を備え、
前記制御部は、前記表示変更要求に応じて、前記表示部の表示を変更するとともに、前記表示部の表示を変更する際の前記表示部に関する状態の変化に応じて、前記状態情報記憶部に前記状態情報を記憶させ、
前記無線通信部は、前記上位装置から前記無線通信により、前記状態情報の送信を要求する送信指令を受信した場合に、前記状態情報記憶部が記憶する前記状態情報を、前記無線通信により前記上位装置に送信する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記状態情報には、前記表示部の表示変更が正常に終了したことを示す正常終了情報と、前記表示部の表示変更が途中で中断されたことを示す異常終了情報と、前記表示部の表示変更が不可能な異常状態であることを示す異常状態情報とが含まれる
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記異常状態には、前記表示部の表示変更を行うための電力が不足している状態、又は、前記表示部の表示変更可能な温度範囲外の状態が含まれる
ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、
無線給電による電力の供給を受けるとともに、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、
前記表示部の表示を変更する表示変更要求に対する前記表示部に関する状態を示す状態情報を記憶する状態情報記憶部と、
前記無線通信部が受信した受信情報に基づく前記表示変更要求に応じて、前記表示部の表示を変更するとともに、前記表示部の表示を変更する際の前記表示部に関する状態の変化に応じて、前記状態情報記憶部に前記状態情報を記憶させる制御部と
を備え、
前記無線通信部は、前記上位装置から前記無線通信により、前記状態情報の送信を要求する送信指令を受信した場合に、前記状態情報記憶部が記憶する前記状態情報を、前記無線通信により前記上位装置に送信する
ることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電子機器と、
前記表示部に表示された前記コード画像を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記コード画像に基づいて、前記電子機器の表示変更に関する状態を判定する前記上位装置と
を備える電子機器システム。
【請求項9】
請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の電子機器と、
前記電子機器から取得した前記状態情報に基づいて、前記電子機器の表示変更に関する状態を判定する前記上位装置と
を備える電子機器システム。
【請求項10】
不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、無線給電による電力の供給を受けるとともに、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、を備える電子機器の状態確認方法であって、
制御部が、前記表示部の表示を変更する表示変更要求であって、前記無線通信部が受信した受信情報に基づく表示変更要求に応じて、前記表示部の表示を変更するとともに、変更後の表示状態を示すコード画像を前記表示部に表示させる処理ステップと、
前記上位装置が、前記表示部に表示された前記コード画像に基づいて、前記表示部の表示変更の状態を確認する確認ステップと
を含むことを特徴とする状態確認方法。
【請求項11】
不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、無線給電による電力の供給を受けるとともに、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、前記表示部の表示を変更する表示変更要求に対する前記表示部に関する状態を示す状態情報を記憶する状態情報記憶部と、を備える電子機器の状態確認方法であって、
制御部が、前記無線通信部が受信した受信情報に基づく前記表示変更要求に応じて、前記表示部の表示を変更するとともに、前記表示部の表示を変更する際の前記表示部に関する状態の変化に応じて、前記状態情報記憶部に前記状態情報を記憶させる処理ステップと、
前記上位装置が、前記状態情報記憶部が記憶する前記状態情報に基づいて、前記表示部の表示変更の状態を確認する確認ステップと
を含むことを特徴とする状態確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電子機器システム、及び状態確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)を用いた電子機器が広く使用されている(例えば、特許文献1を参照)。また、このような電子機器には、電子ペーパーなどの表示部に、各種情報を表示可能なものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような電子機器では、例えば、表示部が、電子ペーパーなどの不揮発性表示部である場合には、表示変更に時間を要するため、正常に表示変更が実行できないことがある。このような場合に、上述したような電子機器では、表示変更が正常に行われたことを確認する手段はなく、人手による目視確認を行っていた。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、表示変更が正常に行われたか否かの確認を自動化することができる電子機器、電子機器システム、及び状態確認方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、無線給電による電力の供給を受けるとともに、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、前記表示部の表示を変更する表示変更要求であって、前記無線通信部が受信した受信情報に基づく表示変更要求に応じて、前記表示部の表示を変更するとともに、変更後の表示状態を示すコード画像を前記表示部に表示させる制御部とを備えることを特徴とする電子機器である。
【0007】
また、本発明の一態様は、不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、無線給電による電力の供給を受けるとともに、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、前記表示部の表示を変更する表示変更要求に対する前記表示部に関する状態を示す状態情報を記憶する状態情報記憶部と、前記無線通信部が受信した受信情報に基づく前記表示変更要求に応じて、前記表示部の表示を変更するとともに、前記表示部の表示を変更する際の前記表示部に関する状態の変化に応じて、前記状態情報記憶部に前記状態情報を記憶させる制御部とを備え、前記無線通信部は、前記上位装置から前記無線通信により、前記状態情報の送信を要求する送信指令を受信した場合に、前記状態情報記憶部が記憶する前記状態情報を、前記無線通信により前記上位装置に送信することを特徴とする電子機器である。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記に記載の電子機器と、前記表示部に表示された前記コード画像を検出する検出部と、前記検出部が検出した前記コード画像に基づいて、前記電子機器の表示変更に関する状態を判定する前記上位装置とを備える電子機器システムである。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記に記載の電子機器と、前記電子機器から取得した前記状態情報に基づいて、前記電子機器の表示変更に関する状態を判定する前記上位装置とを備える電子機器システムである。
【0010】
また、本発明の一態様は、不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、無線給電による電力の供給を受けるとともに、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、を備える電子機器の状態確認方法であって、制御部が、前記表示部の表示を変更する表示変更要求であって、前記無線通信部が受信した受信情報に基づく表示変更要求に応じて、前記表示部の表示を変更するとともに、変更後の表示状態を示すコード画像を前記表示部に表示させる処理ステップと、前記上位装置が、前記表示部に表示された前記コード画像に基づいて、前記表示部の表示変更の状態を確認する確認ステップとを含むことを特徴とする状態確認方法である。
【0011】
また、本発明の一態様は、不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、無線給電による電力の供給を受けるとともに、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、前記表示部の表示を変更する表示変更要求に対する前記表示部に関する状態を示す状態情報を記憶する状態情報記憶部と、を備える電子機器の状態確認方法であって、制御部が、前記無線通信部が受信した受信情報に基づく前記表示変更要求に応じて、前記表示部の表示を変更するとともに、前記表示部の表示を変更する際の前記表示部に関する状態の変化に応じて、前記状態情報記憶部に前記状態情報を記憶させる処理ステップと、前記上位装置が、前記状態情報記憶部が記憶する前記状態情報に基づいて、前記表示部の表示変更の状態を確認する確認ステップとを含むことを特徴とする状態確認方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、表示変更が正常に行われたか否かの確認を自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態による電子機器システムの一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態における二次元コード記憶部のデータ例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態による電子機器の表示例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態による電子機器システムの動作の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態による電子機器の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第1の実施形態による上位装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第2の実施形態による電子機器システムの一例を示すブロック図である。
【
図8】第2の実施形態による電子機器の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第2の実施形態による上位装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第2の実施形態による電子機器システムの動作の一例を示す第1の図である。
【
図11】第2の実施形態による電子機器システムの動作の一例を示す第2の図である。
【
図12】第2の実施形態による電子機器システムの動作の一例を示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態による電子機器、及び電子機器システムについて、図面を参照して説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態による電子機器システム100の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、電子機器システム100は、電子機器1と、上位装置2とを備える。
【0016】
電子機器1は、例えば、表示機能を有するRFIDタグなどの電子デバイスであり、例えば、上位装置2が送信したコマンド(処理指令)を、無線通信部11を介して受信し、受信したコマンドに応じた処理(コマンド処理)を実行する。そして、電子機器1は、コマンド処理の実行結果であるレスポンス(処理応答)を、無線通信部11を介して上位装置2に送信(返信)する。
電子機器1は、RFIC10(RF Integrated Circuit)と、制御部30と、格納用不揮発性メモリ35と、表示部40とを備える。
【0017】
RFIC10は、無線給電による電力の供給を受けるとともに、例えば、NFC(Near Field Communication)などの無線通信によって上位装置2との間で通信を行うICである。RFIC10は、上位装置2から各種コマンドを無線通信によって受信し、受信したコマンドを処理し、コマンド処理のレスポンスを、無線通信によって上位装置2に送信する。
RFIC10は、無線通信部11と、ユーザ記憶部12と、管理記憶部13とを備える。
【0018】
無線通信部11は、無線給電による電力の供給を受けるとともに、例えば、NFC(Near Field Communication)などの無線通信によって上位装置2との間で通信を行う。無線通信部11は、上位装置2から受信した各種コマンドに応じたコマンド処理を実行し、コマンド処理のレスポンスを、無線通信によって上位装置2に送信する。なお、無線通信部11は、上位装置2から無線給電により供給された電力を、電子機器1を動作させる電力として各部に供給する。
【0019】
ユーザ記憶部12は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成され、ユーザが利用する各種情報を記憶する。
【0020】
管理記憶部13は、例えば、EEPROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ、又はRAM(Random access memory)で構成され、管理情報を記憶する。管理記憶部13は、ユーザがアクセスできないセキュリティの高い記憶領域である。
【0021】
表示部40は、例えば、電子ペーパーなどであり、不揮発なメモリ性を有する表示を行う。表示部40は、電子ペーパーに文字や画像などの表示データを書き込むドライバ部(不図示)及び表示パネル(不図示)を含むものとする。
【0022】
格納用不揮発性メモリ35は、例えば、EEPROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成され、画像データなどの各種データを格納する記憶部である。格納用不揮発性メモリ35は、二次元コード記憶部351を備える。
【0023】
二次元コード記憶部351(コード画像記憶部の一例)は、表示状態と二次元コードとを対応付けて記憶する。ここでの二次元コードは、例えば、QRコード(登録商標)である。また、表示状態は、例えば、表示部40の表示変更を行った際の変更後の表示状態である。ここで、
図2を参照して、二次元コード記憶部351のデータ例について説明する。なお、コード画像は、例えば、表示状態を示す情報をコード化した画像データであり、本実施形態では、コード画像が、二次元コードである場合の一例について説明する。
【0024】
図2は、本実施形態における二次元コード記憶部351のデータ例を示す図である。
図2に示すように、二次元コード記憶部351は、「表示状態」と、「二次元コード」とを対応付けて記憶する。なお、「表示状態」には、例えば、表示消去した状態(全画面クリア状態)や、工程A用の表示に変更した状態などが含まれる。「二次元コード」は、表示状態を示す情報をコード化した二次元コードや、表示状態において二次元コードとして表示する情報の種類などが含まれる。
【0025】
例えば、
図2に示す例では、「表示状態」が、“表示消去”である場合に、「二次元コード」として、“コードCLR”が対応することを示している。ここで、“表示消去”は、表示部40の表示を全て消去した表示状態(全画面クリア状態)を示している。また、「表示状態」が、“工程A”である場合に、「二次元コード」として、“コードA”が対応することを示している。ここで、“コードA”は、例えば、ロット番号などの製造情報を示す二次元コードである。
【0026】
図1の説明に戻り、制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、電子機器1を統括的に制御する。制御部30は、例えば、表示部40の表示を変更する表示変更要求であって、無線通信部11が受信した受信情報に基づく表示変更要求に応じて、表示部40の表示を変更する制御を行う。また、制御部30は、変更後の表示状態を示す二次元コードを表示部40に表示させる。
【0027】
制御部30は、例えば、無線通信部11からの表示変更要求に応じて、二次元コード記憶部351から表示状態に対応した二次元コードを取得する。制御部30は、表示変更要求が、例えば、表示消去(全画面クリア)の要求である場合、二次元コード記憶部351から“コードCLR”の二次元コードを取得し、当該二次元コードを含む表示データを表示部40に送信する。これにより、表示部40は、全画面クリアした上で、表示消去(全画面クリア)を示す“コードCLR”の二次元コードを表示する。なお、制御部30は、表示部40の予め定められた位置に、二次元コードを表示させる。
【0028】
ここで、
図3を参照して、本実施形態における表示部40の表示例について説明する。
図3(a)は、電子機器1を、例えば、生産管理システムなどに利用して、各種製品や部品などを運ぶ通函に備え付ける場合の表示例を示している。この場合、表示部40には、例えば、ロット番号や二次元コードを表示させる。なお、二次元コードには、工程ごとに異なる情報が含まれてしてもよいし、製品やロット番号を識別する識別情報がふくまれるようにしてもよい。
【0029】
また、
図3(b)は、
図3(a)の表示状態から、表示消去(全画面クリア)の表示変更を行った場合の表示例を示している。この場合、表示部40は、表示情報を表示部40の表示画面から消去した上で、表示消去した状態(全画面クリア状態)に対応する二次元コードを表示する。
【0030】
再び、
図1の説明に戻り、上位装置2は、電子機器1に対して、表示部40の表示変更を指示するとともに、表示変更の状態を含む電子機器1の状態を確認する。上位装置2は、例えば、表示部40に表示された二次元コードに基づいて、表示変更の状態を確認する。
上位装置2は、R/W部21(リーダライタ部)と、撮像部22と、装置制御部23とを備える。
【0031】
R/W部21は、不図示の無線通信部及ぶ無線給電部を備え、無線給電により、電子機器1に電力を供給するとともに、無線通信により、コマンドを送信し、コマンドに応じた処理を電子機器1に実行させる。R/W部21は、例えば、電子機器1の表示部40の表示変更を要求する表示変更要求を含むコマンド(指令)を、電子機器1に送信する。
【0032】
撮像部22(検出部の一例)は、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを有し、電子機器1の表示部40に表示されている二次元コードを含む画像を撮像する。すなわち、撮像部22は、表示部40に表示された二次元コードを検出する検出部の一例である。
【0033】
装置制御部23は、例えば、CPUを含むプロセッサであり、上位装置2を統括的に制御する。装置制御部23は、例えば、電子機器1の表示変更の制御を行うとともに、表示変更の状態を確認する確認処理を実行する。装置制御部23は、電子機器1の表示変更の際に、表示変更要求を含むコマンドを、R/W部21を介して、無線通信により電子機器1に送信する。
【0034】
また、装置制御部23は、表示部40に表示された二次元コードに基づいて、表示変更の状態を確認する。すなわち、装置制御部23は、表示変更要求を含むコマンドに対するレスポンスを、R/W部21を介して受信した後に、所定の期間(例えば、表示部40の表示変更に必要な2秒程度の期間)、経過後に、撮像部22が検出した画像に含まれる二次元コードを取得する。装置制御部23は、取得した二次元コードが示す情報が、表示変更後の表示状態を示す情報と一致するか否かを判定する。装置制御部23は、二次元コードが示す情報と、表示変更後の表示状態を示す情報とが一致する場合に、表示部40の表示変更が正常に終了した正常終了であると判定する。
【0035】
また、装置制御部23は、二次元コードが示す情報と、表示変更後の表示状態を示す情報とが一致しない場合(二次元コードが検出できない場合も含む)に、表示部40の表示変更が正常に実行できていない異常終了であると判定する。なお、装置制御部23は、二次元コードに基づいて、異常終了を確認した場合に、表示変更のリトライ処理などの異常対応処理を実行する。なお、異常対応処理には、異常終了した電子機器1を自動的にリジェクト(排除)する処理が含まれてもよい。
【0036】
次に、図面を参照して、本実施形態による電子機器1及び電子機器システム100の動作について説明する。
図4は、本実施形態による電子機器システム100の動作の一例を示す図である。ここでは、電子機器システム100の表示変更処理の一例について説明する。なお、表示変更前の表示状態は、
図3(a)に示す表示状態であり、この表示状態から表示消去(全画面クリア)の表示変更を行う場合について説明する。
【0037】
図4に示すように、表示変更を行う場合に、まず、上位装置2は、表示変更を含むコマンドを電子機器1のRFIC10に送信する(ステップS101)。上位装置2の装置制御部23は、R/W部21を介して、表示変更を含むコマンドをRFIC10に送信する。
【0038】
次に、RFIC10は、表示変更要求を制御部30に送信する(ステップS102)。RFIC10の無線通信部11は、ここでの表示変更要求は、表示部40の表示消去(全画面クリア)に対応する表示変更要求である。なお、RFIC10と制御部30とは、例えば、シリアルインタフェースで接続されており、RFIC10は、当該シリアルインタフェースを用いて、表示変更要求を制御部30に送信する。
【0039】
次に、RFIC10は、レスポンス(ACK)を上位装置2に送信する(ステップS103)。無線通信部11は、コマンドに対するアクノリッジ(ACK)を含むレスポンスを、上位装置2に送信する。
【0040】
次に、制御部30は、格納用不揮発性メモリ35から二次元コードを受信する(ステップS104)。ここで、制御部30は、表示変更要求に応じて、表示変更後の表示状態に応じた二次元コード(例えば、“コードCLR”の二次元コード)を、格納用不揮発性メモリ35の二次元コード記憶部351から取得する。
【0041】
次に、制御部30は、表示データを表示部40に送信する(ステップS105)。制御部30は、表示消去(全画面クリア)のためのデータとともに、二次元コードを、表示部に送信する。なお、制御部30と表示部40とは、例えば、シリアルインタフェースで接続されており、制御部30は、当該シリアルインタフェースを用いて、表示データを表示部40に送信する。
【0042】
次に、表示部40は、表示変更処理を実行する(ステップS106)。表示部40は、制御部30から受信した表示データに基づいて、表示変更を実行する。ここで、表示部40は、
図3(b)に示すような表示状態に表示変更する。
【0043】
次に、上位装置2は、表示変更の確認処理を実行する(ステップS107)。上位装置2は、例えば、レスポンスを受信してから所定の期間、経過後に、表示部40が表示する二次元コードに基づいて、電子機器1の状態(表示部40の表示状態)を確認する。なお、上位装置2により表示変更の確認処理の詳細については、後述する。
【0044】
次に、
図5を参照して、本実施形態による電子機器1の表示変更の処理の詳細について説明する。
図5は、本実施形態による電子機器1の制御部30の動作の一例を示すフローチャートである。
【0045】
図5に示すように、表示変更処理を行う場合に、制御部30は、まず、表示変更要求を受信したか否かを判定する(ステップS201)。制御部30は、RFIC10の無線通信部11から表示変更要求を受信したか否かを判定する。制御部30は、表示変更要求を受信した場合(ステップS201:YES)に、処理をステップS202に進める。また、制御部30は、表示変更要求を受信していない場合(ステップS201:NO)に、処理をステップS201に戻す。なお、制御部30は、例えば、割り込み処理によって、上位装置2から表示変更のコマンドを受信したことを検出し、表示変更要求を無線通信部11から取得するようにしてもよい。
【0046】
ステップS202において、制御部30は、表示変更後の表示状態に応じた二次元コードを取得する。制御部30は、表示変更要求に基づく表示変更後の表示状態に対応する二次元コードを、格納用不揮発性メモリ35の二次元コード記憶部351から取得する。
【0047】
次に、制御部30は、表示部40に表示データを送信して表示変更を実行する(ステップS203)。制御部30は、二次元コードを含む表示データを表示部40に送信して、表示部40の表示を変更させる。ステップS203の処理後に、制御部30は、表示変更の処理を終了する。
【0048】
次に、
図6を参照して、上位装置2による電子機器1の表示変更及び確認処理の詳細について説明する。
図6は、本実施形態による上位装置2の動作の一例を示すフローチャートである。
【0049】
図6に示すように、電子機器1の表示変更及び確認処理を行う場合に、上位装置2は、まず、表示変更のコマンドを電子機器1に送信する(ステップS301)。上位装置2の装置制御部23は、R/W部21を介して、表示変更要求を含むコマンド(指令)を、電子機器1に送信する。
【0050】
次に、装置制御部23は、レスポンス(ACK)を電子機器1から受信する(ステップS302)。装置制御部23は、R/W部21を介して、送信したコマンドに対するレスポンス(ACK)を受信する。
【0051】
次に、装置制御部23は、所定の期間経過したか否かを判定する(ステップS303)。装置制御部23は、レスポンス(ACK)の受信から、表示部40の表示変更に必要な所定の期間(例えば、2秒程度の期間)、経過したか否かを判定する。装置制御部23は、所定の期間経過した場合(ステップS303:YES)に、処理をステップS304に進める。また、装置制御部23は、所定の期間経過していない場合(ステップS303:NO)に、処理をステップS303に戻す。
【0052】
ステップS304において、装置制御部23は、撮像部22から表示画面の画像を取得する。すなわち、装置制御部23は、撮像部22が撮像した二次元コードを含む表示部40の表示画面の画像を取得する。
【0053】
次に、装置制御部23は、二次元コードが表示状態と一致するか否かを判定する(ステップS305)。装置制御部23は、取得した画像に含まれる二次元コードをデータに変換し、当該データが、表示変更後の表示状態を示すデータと一致するか否かを判定する。装置制御部23は、二次元コードが表示状態と一致する場合(ステップS305:YES)に、表示部40の表示変更が正常終了していると判定し、表示状態の確認処理を終了する。また、装置制御部23は、二次元コードが表示状態と一致しない場合(ステップS305:NO)に、処理をステップS306に進める。
【0054】
ステップS306において、装置制御部23は、表示変更の異常対応処理を実行する。装置制御部23は、例えば、表示変更のリトライ処理(例えば、上述したステップS301からステップS305の処理の再実行処理)を実行する。装置制御部23は、ステップS306の処理後に、表示状態の確認処理を終了する。
【0055】
以上説明したように、本実施形態による電子機器1は、表示部40と、無線通信部11と、制御部30とを備える。表示部40は、不揮発なメモリ性を有する表示を行う。無線通信部11は、無線給電による電力の供給を受けるとともに、無線通信によって上位装置2との間で通信を行う。制御部30は、表示部40の表示を変更する表示変更要求であって、無線通信部11が受信した受信情報に基づく表示変更要求に応じて、表示部40の表示を変更するとともに、変更後の表示状態を示す二次元コード(コード画像)を表示部40に表示させる。
【0056】
これにより、本実施形態による電子機器1は、変更後の表示状態を示す二次元コードを表示部40に表示するため、上位装置2が二次元コードを検出することで、表示変更を確認することができ、目視で表示部40の表示変更を確認する必要がない。すなわち、本実施形態による電子機器1は、表示変更が正常に行われたか否かの確認を自動化することができる。本実施形態による電子機器1は、例えば、無線給電による電力供給が表示変更の途中で中断又は電力不足が生じた場合であっても、表示変更が正常に行われたか否かを自動で確認することができる。
【0057】
また、本実施形態による電子機器1は、表示状態と二次元コードとを対応付けて記憶するの二次元コード記憶部351(コード画像記憶部)を備える。制御部30は、二次元コード記憶部351から表示状態に対応した二次元コードを取得し、取得した二次元コードを表示部40の予め定められた位置に表示させる。
これにより、本実施形態による電子機器1は、二次元コード記憶部351を利用することで、予め設定した表示状態に対応した二次元コードを適切に表示させることができる。また、本実施形態による電子機器1は、例えば、生産管理システムなどの二次元コードを使用しているシステムで利用可能な予め定められた位置に二次元コードを表示させることで、既存の生産管理システムを表示変更の確認に流用することができる。
【0058】
また、本実施形態では、表示状態には、表示部40の表示を全て消去した表示状態(全画面クリア状態)が含まれる。制御部30は、変更後の表示状態が、表示部40の表示を全て消去した表示状態(全画面クリア状態)である場合に、表示部40の表示を全て消去した表示状態(全画面クリア状態)を示す二次元コードを表示部40に表示させる。
これにより、本実施形態による電子機器1は、表示変更後の表示状態が、表示部40の表示を全て消去した表示状態(全画面クリア状態)である場合であっても、表示変更後の表示状態を適切に確認することができる。
【0059】
また、本実施形態による電子機器システム100は、上述した電子機器1と、撮像部22(検出部)と、上位装置2(装置制御部23)とを備える。撮像部22は、表示部40に表示された二次元コードを検出する。上位装置2(装置制御部23)は、撮像部22が検出した二次元コードに基づいて、電子機器1の表示変更に関する状態を判定する。
これにより、本実施形態による電子機器システム100は、上述した電子機器1と同様の効果を奏し、表示変更が正常に行われたか否かの確認を自動化することができる。
【0060】
また、本実施形態による状態確認方法は、上述した電子機器1の状態確認方法であって、処理ステップと、確認ステップとを含む。処理ステップにおいて、制御部30が、表示部40の表示を変更する表示変更要求であって、無線通信部11が受信した受信情報に基づく表示変更要求に応じて、表示部40の表示を変更するとともに、変更後の表示状態を示す二次元コードを表示部40に表示させる。確認ステップにおいて、上位装置2が、表示部40に表示された二次元コードに基づいて、表示部40の表示変更の状態を確認する。
これにより、本実施形態による状態確認方法は、上述した電子機器1と同様の効果を奏し、表示変更が正常に行われたか否かの確認を自動化することができる。
【0061】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態による電子機器1a及び電子機器システム100aについて説明する。
本実施形態では、状態コード(状態情報)を用いて、電子機器1aの状態を確認する一例について説明する。
【0062】
図7は、第2の実施形態による電子機器システム100aの一例を示すブロック図である。
図7に示すように、電子機器システム100aは、電子機器1aと、上位装置2aとを備える。
なお、
図7において、上述した
図1と同一の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0063】
電子機器1aは、RFIC10aと、制御部30aと、格納用不揮発性メモリ35と、表示部40とを備える。
RFIC10aの基本的な機能は、第1の実施形態のRFIC10と同様である。
RFIC10aは、無線通信部11と、ユーザ記憶部12と、管理記憶部13aとを備える。
【0064】
管理記憶部13aは、例えば、EEPROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ、又はRAMで構成され、管理情報を記憶する。管理記憶部13aは、ユーザがアクセスできないセキュリティの高い記憶領域である。
管理記憶部13aは、状態コード記憶部131を備えている。
【0065】
状態コード記憶部131(状態情報記憶部の一例)は、例えば、揮発性メモリであるRAMにより構成され、表示変更要求に対する表示部40に関する状態を示す状態コード(状態情報、ステータスコード)を記憶する。
【0066】
制御部30aは、CPUなどを含むプロセッサであり、電子機器1aを統括的に制御する。制御部30aは、例えば、表示部40の表示を変更する表示変更要求であって、無線通信部11が受信した受信情報に基づく表示変更要求に応じて、表示部40の表示を変更する制御を行う。また、制御部30aは、表示部40の表示を変更する際の表示部40に関する状態の変化に応じて、状態コード記憶部131に状態コードを記憶させる。
【0067】
ここで、状態コードには、表示部40の表示変更が正常に終了したことを示す正常終了コード(正常終了情報)と、表示部40の表示変更が途中で中断されたことを示す異常狩猟コード(異常終了情報)と、表示部40の表示変更が不可能な異常状態であることを示す異常状態コード(異常状態情報)とが含まれる。
制御部30aは、例えば、表示部40の表示変更が正常終了した場合に、状態コード記憶部131に、正常終了コード(例えば、0x01)を記憶させる。
【0068】
また、制御部30aは、例えば、表示部40の表示変更が不可能な異常状態である場合に、状態コード記憶部131に、異常状態コード(例えば、0x0F)を記憶させる。なお、異常状態コードには、例えば、表示部40の表示変更を行うための電力が不足している状態、又は、表示部40の表示変更可能な温度範囲外の状態が含まれる。
【0069】
また、制御部30aは、表示変更中に、例えば、上位装置2aからの無線給電が途切れて、表示部40の表示変更が途中で中断された場合には、状態コード記憶部131に状態コードを記憶させない。この場合、状態コード記憶部131は、初期状態であるNULL(ヌル、例えば、0x00)が記憶されている。ここで、NULL(例えば、0x00)は、異常終了コードである。
【0070】
なお、本実施形態における無線通信部11は、上位装置2aから無線通信により、状態コードの送信を要求する送信コマンド(送信指令)を受信した場合に、状態コード記憶部131が記憶する状態コードを、無線通信により上位装置2aに送信する。
【0071】
上位装置2aは、電子機器1aに対して、表示部40の表示変更を指示するとともに、表示変更の状態を含む電子機器1aの状態を確認する。上位装置2aは、上述した状態コード記憶部131が記憶する状態コードに基づいて、表示変更の状態を確認する。すなわち、上位装置2aは、電子機器1aから取得した状態コードに基づいて、電子機器1aの表示変更に関する状態を判定する。
上位装置2aは、R/W部21(リーダライタ部)と、撮像部22と、装置制御部23aとを備える。
【0072】
装置制御部23aは、例えば、CPUを含むプロセッサであり、上位装置2aを統括的に制御する。装置制御部23aは、例えば、電子機器1aの表示変更の制御を行うとともに、表示変更の状態を確認する確認処理を実行する。装置制御部23aの基本的な機能は、上述した第1の実施形態の装置制御部23と同様である。
【0073】
装置制御部23aは、電子機器1aの表示変更を行った後に、R/W部21を介して、状態コードを読み出す読み出しコマンド(上述した送信コマンド)を、電子機器1aに送信する。また、装置制御部23aは、送信コマンドに対するレスポンスを、R/W部21を介して、電子機器1aから受信し、表示変更の確認処理として、受信したレスポンスに含まれる状態コードに基づいて、電子機器1aの表示変更に関する状態を判定する。
【0074】
装置制御部23aは、状態コードが、“0x01”である場合に、表示変更が正常終了したと判定する。また、装置制御部23aは、状態コードが、“0x0F”である場合に、表示変更が異常状態により実行されなかったと判定する。また、装置制御部23aは、状態コードが、“0x00”(NULL)である場合に、表示変更が異常衆力したと判定する。
【0075】
次に、図面を参照して、本実施形態による電子機器1a及び電子機器システム100aの動作について説明する。
ここでは、まず、
図8を参照して、本実施形態による電子機器1aの表示変更の処理の詳細について説明する。
【0076】
図8は、本実施形態による電子機器1aの制御部30aの動作の一例を示すフローチャートである。
【0077】
図8に示すように、表示変更処理を行う場合に、制御部30aは、まず、表示変更要求を受信したか否かを判定する(ステップS401)。制御部30aは、表示変更要求を受信した場合(ステップS401:YES)に、処理をステップS402に進める。また、制御部30aは、表示変更要求を受信していない場合(ステップS401:NO)に、処理をステップS401に戻す。
【0078】
ステップS402において、制御部30aは、表示変更が可能な状態であるか否かを判定する。制御部30aは、例えば、不図示の電圧検出部により検出された表示部40の電圧が、表示変更可能な電圧である否か、又は、不図示の温度センサによって検出された表示部40の温度が、表示変更可能な温度であるか否かなどにより、表示変更が可能な状態であるか否かを判定する。制御部30aは、表示変更が可能な状態である場合(ステップS402:YES)に、処理をステップS403に進める。また、。制御部30aは、表示変更が可能な状態でない(変更不可能な状態である)場合(ステップS402:NO)に、処理をステップS405に進める。
【0079】
ステップS403において、制御部30aは、表示部40に表示データを送信して表示変更を実行する。
次に、制御部30aは、正常終了コードを状態コード記憶部131に記憶させる(ステップS404)。制御部30aは、RFIC10aの状態コード記憶部131に、正常終了コード(0x01)を記憶させる。ステップS404の処理後に、制御部30aは、表示変更の処理を終了する。
【0080】
また、ステップS405において、制御部30aは、異常状態コードを状態コード記憶部131に記憶させる。制御部30aは、RFIC10aの状態コード記憶部131に、異常終了コード(0x0F)を記憶させる。ステップS405の処理後に、制御部30aは、表示変更の処理を終了する。
【0081】
次に、
図9を参照して、上位装置2aによる電子機器1aの表示変更及び確認処理の詳細について説明する。
図9は、本実施形態による上位装置2aの動作の一例を示すフローチャートである。
【0082】
図9に示すように、電子機器1aの表示変更及び確認処理を行う場合に、上位装置2aは、まず、表示変更のコマンドを電子機器1aに送信する(ステップS501)。上位装置2aの装置制御部23aは、R/W部21を介して、表示変更要求を含むコマンド(指令)を、電子機器1aに送信する。
なお、
図9において、ステップS501からステップS503までの処理は、上述した
図6に示すステップS301からステップS303までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0083】
ステップS504において、装置制御部23aは、R/W部21を介して、状態コードを読み出すコマンド(上述した送信コマンド)を、電子機器1aに送信し、送信コマンドに対して受信したレスポンスに含まれる状態コードを取得する。
【0084】
次に、装置制御部23aは、状態コードが正常終了であるか否かを判定する(ステップS505)。装置制御部23aは、取得した状態コードが、例えば、“0x01”であるか否かを判定する。装置制御部23は、状態コードが正常終了である場合(ステップS505:YES)に、表示部40の表示変更が正常終了していると判定し、表示状態の確認処理を終了する。また、装置制御部23aは、状態コードが正常終了でない場合(ステップS505:NO)に、処理をステップS506に進める。
【0085】
ステップS506において、装置制御部23aは、表示変更の異常対応処理を実行する。装置制御部23aは、例えば、表示変更のリトライ処理(例えば、上述したステップS501からステップS505の処理の再実行処理)を実行する。装置制御部23aは、ステップS506の処理後に、表示状態の確認処理を終了する。
【0086】
次に、
図10~
図12を参照して、本実施形態による電子機器システム100aの動作の具体例について説明する。
図10~
図12は、本実施形態による電子機器システム100aの動作の一例を示す図である。
【0087】
まず、
図10を参照して、本実施形態による電子機器システム100aにおける表示変更が正常終了の場合の動作について説明する。
図10において、ステップS601からステップS603までの処理は、
図4に示すステップS101からステップS103までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0088】
ステップS604において、制御部30aは、表示データを表示部40に送信する。
次に、表示部40は、表示変更処理を実行する(ステップS605)。表示部40は、制御部30aから受信した表示データに基づいて、表示変更を実行する。
【0089】
次に、制御部30aは、RFIC10aに、正常終了コード(0x01)を送信する(ステップS606)。
次に、RFIC10aは、正常終了コード(0x01)の記憶処理を実行する(ステップS607)。RFIC10aは、正常終了コード(0x01)を状態コード記憶部131に記憶させる。
【0090】
次に、上位装置2aは、状態コードの読み出しコマンドをRFIC10aに送信する(ステップS608)。上位装置2aの装置制御部23aは、R/W部21を介して、状態コードの読み出しコマンドをRFIC10aに送信する。
【0091】
次に、RFIC10aは、レスポンス(0x01)を上位装置2aに送信する(ステップS609)。RFIC10aの無線通信部11は、状態コードの読み出しコマンドに対して、状態コード記憶部131から状態コードを読み出す。ここでは、状態コードは、正常終了コード(0x01)である。無線通信部11は、正常終了コード(0x01)を含むレスポンスを、上位装置2aに送信する。
【0092】
次に、上位装置2aは、状態の判定処理を実行する(ステップS610)。上位装置2aの装置制御部23aは、受信したレスポンスに含まれる状態コードに基づいて、電子機器1aの状態(表示部40の表示状態)を判定する。ここでは、状態コードが正常終了コード(0x01)であるため、装置制御部23aは、表示部40の表示変更が正常に終了したと判定する。
【0093】
次に、
図11を参照して、本実施形態による電子機器システム100aにおける表示変更が異常状態により実行できない場合の動作について説明する。
図11において、ステップS611からステップS613までの処理は、
図10に示すステップS601からステップS603までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0094】
次に、制御部30aは、例えば、表示部40の表示変更を行うための電力が不足している状態であるため、表示部40への表示データの送信を行わずに、RFIC10aに、異常状態コード(0x0F)を送信する(ステップS614)。
【0095】
次に、RFIC10aは、異常状態コード(0x0F)の記憶処理を実行する(ステップS615)。RFIC10aは、異常状態コード(0x0F)を状態コード記憶部131に記憶させる。
【0096】
次に、上位装置2aは、状態コードの読み出しコマンドをRFIC10aに送信する(ステップS616)。上位装置2aの装置制御部23aは、R/W部21を介して、状態コードの読み出しコマンドをRFIC10aに送信する。
【0097】
次に、RFIC10aは、レスポンス(0x0F)を上位装置2aに送信する(ステップS617)。RFIC10aの無線通信部11は、状態コードの読み出しコマンドに対して、状態コード記憶部131から状態コードを読み出す。ここでは、状態コードは、異常状態コード(0x0F)である。無線通信部11は、異常状態コード(0x0F)を含むレスポンスを、上位装置2aに送信する。
【0098】
次に、上位装置2aは、状態の判定処理を実行する(ステップS618)。上位装置2aの装置制御部23aは、受信したレスポンスに含まれる状態コードに基づいて、電子機器1aの状態(表示部40の表示状態)を判定する。ここでは、状態コードが異常状態コード(0x0F)であるため、装置制御部23aは、表示部40の表示変更が異常終了したと判定する。
【0099】
次に、
図12を参照して、本実施形態による電子機器システム100aにおける表示変更が異常終了により実行できない場合の動作について説明する。
図12において、ステップS621からステップS623までの処理は、
図10に示すステップS601からステップS603までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0100】
次に、制御部30aは、表示データを表示部40に送信するが、例えば、途中で無線給電が途切れた等の異常発生により、表示変更処理が中断されたものとする。
【0101】
次に、上位装置2aは、状態コードの読み出しコマンドをRFIC10aに送信する(ステップS624)。上位装置2aの装置制御部23aは、R/W部21を介して、状態コードの読み出しコマンドをRFIC10aに送信する。
【0102】
次に、RFIC10aは、レスポンス(0x00、“NULL”)を上位装置2aに送信する(ステップS625)。RFIC10aの無線通信部11は、状態コードの読み出しコマンドに対して、状態コード記憶部131から状態コードを読み出す。ここでは、状態コードは、異常終了コード(0x00、“NULL”)である。無線通信部11は、異常終了コード(0x00、“NULL”)を含むレスポンスを、上位装置2aに送信する。
【0103】
次に、上位装置2aは、状態の判定処理を実行する(ステップS626)。上位装置2aの装置制御部23aは、受信したレスポンスに含まれる状態コードに基づいて、電子機器1aの状態(表示部40の表示状態)を判定する。ここでは、状態コードが異常終了コード(0x00、“NULL”)であるため、装置制御部23aは、表示部40の表示変更が異常終了したと判定する。
【0104】
以上説明したように、本実施形態による電子機器1aは、表示部40と、無線通信部11と、状態コード記憶部131(状態情報記憶部)と、制御部30aとを備える。表示部40は、不揮発なメモリ性を有する表示を行う。無線通信部11は、無線給電による電力の供給を受けるとともに、無線通信によって上位装置2aとの間で通信を行う。状態コード記憶部131は、表示部40の表示を変更する表示変更要求に対する表示部40に関する状態を示す状態情報を記憶する。制御部30aは、無線通信部11が受信した受信情報に基づく表示変更要求に応じて、表示部40の表示を変更するとともに、表示部40の表示を変更する際の表示部40に関する状態の変化に応じて、状態コード記憶部131に状態情報を記憶させる。そして、無線通信部11は、上位装置2aから無線通信により、状態コード(状態情報)の送信を要求する送信指令(例えば、読み出しコマンド)を受信した場合に、状態コード記憶部131が記憶する状態コードを、無線通信により上位装置2aに送信する。
【0105】
これにより、本実施形態による電子機器1aは、上位装置2aが状態コード記憶部131が記憶する状態コードを取得することで、表示変更を確認することができ、目視で表示部40の表示変更を確認する必要がない。すなわち、本実施形態による電子機器1aは、表示変更が正常に行われたか否かの確認を自動化することができる。本実施形態による電子機器1aは、例えば、無線給電による電力供給が表示変更の途中で中断又は電力不足が生じた場合であっても、表示変更が正常に行われたか否かを自動で確認することができる。
【0106】
また、本実施形態では、状態データには、表示部40の表示変更が正常に終了したことを示す正常終了コード(正常終了情報)と、表示部40の表示変更が途中で中断されたことを示す異常終了コード(異常終了情報)と、表示部40の表示変更が不可能な異常状態であることを示す異常状態コード(異常状態情報)とが含まれる。
【0107】
これにより、本実施形態による電子機器1aは、表示変更が正常に行われたか否かだけでなく、表示変更が正常に行われなかった要因(異常終了、または、異常状態)を確認することができる。
【0108】
また、本実施形態では、異常状態には、表示部40の表示変更を行うための電力が不足している状態、又は、表示部40の表示変更可能な温度範囲外の状態が含まれる。
これにより、本実施形態による電子機器1aは、表示変更を行うための電力が不足している状態や表示部40の表示変更可能な温度範囲外の状態などの異常状態によって表示変更が正常に行われなかった場合に、適切に認知することができる。
【0109】
また、本実施形態による電子機器システム100aは、上述した電子機器1aと、上位装置2aとを備える。上位装置2aは、電子機器1aから取得した状態コードに基づいて、電子機器1aの表示変更に関する状態を判定する。
これにより、本実施形態による電子機器システム100aは、上述した電子機器1aと同様の効果を奏し、表示変更が正常に行われたか否かの確認を自動化することができる。
【0110】
また、本実施形態による状態確認方法は、上述した表示部40と、無線通信部11と、状態コード記憶部131と、を備える電子機器1aの状態確認方法であって、処理ステップと、確認ステップとを含む。処理ステップにおいて、制御部30aが、無線通信部11が受信した受信情報に基づく表示変更要求に応じて、表示部40の表示を変更するとともに、表示部40の表示を変更する際の表示部40に関する状態の変化に応じて、状態コード記憶部131に状態情報を記憶させる。確認ステップにおいて、上位装置2aが、状態コード記憶部131が記憶する状態コードに基づいて、表示部40の表示変更の状態を確認する。
これにより、本実施形態による状態確認方法は、上述した電子機器1aと同様の効果を奏し、表示変更が正常に行われたか否かの確認を自動化することができる。
【0111】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態は、それぞれ単独で実施する例を説明したが、これに限定されるものではなく、各実施形態の一部又は全部を組み合わせて実施されてもよい。
【0112】
例えば、第2の実施形態において、第1の実施形態を組み合わせて実施されてもよい。なお、第2の実施形態において、電子機器システム100(100a)は、二次元コードと状態コードとの2種類の確認処理を両方を実行してもよいし、上位装置2(2a)の構成に応じて、2つの放式を切り替えて用いてもよい。
【0113】
また、上記の各実施形態において、二次元コード記憶部351は、格納用不揮発性メモリ35が備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の構成(例えば、RFIC10(10a)や制御部30(30a)など)が備えるようにしてもよい。
【0114】
また、上記の第2の実施形態において、状態コード記憶部131は、RFIC10aが備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、制御部30(30a)が備えるようにしてもよい。また、状態コード記憶部131は、揮発性メモリであるRAMで構成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリにより構成してもよい。なお、状態コード記憶部131をEEPROMなどの不揮発性メモリにより構成する場合には、制御部30aは、表示変更を行う前に、毎回、異常終了コード(0x00)を、状態コード記憶部131に記憶させる必要がある。
【0115】
また、上記の実施形態において、状態コード記憶部131は、管理記憶部13aに含まれる例を説明したが、ユーザ記憶部12が、状態コード記憶部131を備えてもよい。また、RFIC10(10a)は、ユーザ記憶部12と、管理記憶部13(13a)とに記憶部を分割したい構成であってもよい。
【0116】
また、上記の各実施形態において、コード画像が二次元コードであり、二次元コードが、QRコード(登録商標)である例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、二次元バーコードなどの他の方式の二次元コードであってもよい。また、コード画像は、例えば、バーコードなどの一次元コードやOCR(光学的文字認証)可能な文字列などであってもよい。
【0117】
なお、上述した電子機器システム100(100a)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した電子機器システム100(100a)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した電子機器システム100(100a)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0118】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に電子機器システム100(100a)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0119】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1、1a 電子機器
2、2a 上位装置
10、10a RFIC
11 無線通信部
12 ユーザ記憶部
13、13a 管理記憶部
21 R/W部
22 撮像部
23 装置制御部
30、30a 制御部
35 格納用不揮発性メモリ
40 表示部
100、100a 電子機器システム
131 状態コード記憶部
351 二次元コード記憶部