(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168499
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】電力供給システム及び電力供給方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20221031BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221031BHJP
H02J 7/04 20060101ALI20221031BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20221031BHJP
B60L 53/63 20190101ALI20221031BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20221031BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/00 P
H02J7/02 G
H02J7/04 C
H02J3/32
B60L53/63
B60L53/67
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074011
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】野村 義明
(72)【発明者】
【氏名】國安 孝尚
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 宏一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宗純
(72)【発明者】
【氏名】山田 安秀
(72)【発明者】
【氏名】中村 和人
(72)【発明者】
【氏名】荒井 義人
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G066AA05
5G066HB09
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA08
5G503CA10
5G503CB06
5G503FA06
5G503GC04
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BC24
5H125BE01
5H125DD02
5H125EE27
5H125EE41
(57)【要約】
【課題】膨大な設置スペースが要求されず、また、大規模な変電設備が不要であり、多数の電気自動車への充電が可能な電力供給システムを提供する。
【解決手段】利用者からの操作入力に応じて、電気自動車のバッテリー残量を含む充電要求情報を端末装置から取得する第1取得部と、施設に供給する電力の規定値と、施設における負荷の使用電力の差に基づいて、得られた受電要求情報に応じて、充電要求された電気自動車の充電制御をする充電制御部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源系統から得られる電力を施設内の負荷と複数の電気自動車のうち少なくともいずれか1つに供給して当該電気自動車を充電する電力供給システムであって、
利用者からの操作入力に応じて、前記電気自動車のバッテリー残量を含む充電要求情報を端末装置から取得する第1取得部と、
前記施設に供給する電力の規定値と、前記施設における負荷の使用電力の差に基づいて、前記得られた受電要求情報に応じて、充電要求された電気自動車の充電制御をする充電制御部
を有する電力供給システム。
【請求項2】
前記充電制御部は、複数の電気自動車に輪番で電力を供給させるようにした請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記施設における負荷の使用電力は、デマンド値に基づく予測により算出するようにした請求項1又は請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記充電要求情報は、充電期間目標を含み、
前記充電制御部は、前記充電期間目標に応じて、充電を行う電気自動車の優先度を設定するようにした請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記電気自動車に供給される電流を測定した測定値を取得する第2取得部と、
前記取得された電流の測定値と、通電時間と、前記バッテリー残量とに基づいて充電を終了するか否かを判定する判定部とを有し、
前記充電制御部は、
前記充電を終了すると判定された場合に、充電を終了する対象の電気自動車への電力の供給を停止させる
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項6】
商用電源系統から得られる電力を施設内の負荷と複数の電気自動車のうち少なくともいずれか1つに供給して当該電気自動車を充電する電力供給方法であって、
利用者からの操作入力に応じて、前記電気自動車のバッテリー残量を含む充電要求情報を端末装置から取得する工程と、
前記施設に供給する電力の規定値と、前記施設における負荷の使用電力の差に基づいて、前記得られた受電要求情報に応じて、充電要求された電気自動車の充電制御をする工程と
を有する電力供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システム及び電力供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の普及とともに、タワーマンション等では、居住者の駐車場に、電気自動車の充電設備が不可欠になっている。電気自動車の充電設備としては、急速充電設備と普通充電設備とが知られている。また、特許文献1には、電動車両の充放電電力に応じて、電動車両に接続する電力変換部の数を切り換えるようにしたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
急速充電設備は、充放電の制御は容易であるが、非常に高額でありスペースも必要となる。このため、タワーマンションのような大規模駐車場では、急速充電器の設置スペースを確保するのが困難である。
【0005】
普通充電設備は、一般的な戸建住宅、マンション、商業ビルで設置可能である。しかしながら、タワーマンションのような大規模駐車場において、100台以上の電気自動車の一斉充電を想定すると、大規模な変電設備が必要となり、また、契約電力が増大し、膨大なコスト負担になると考えられる。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明は、設置スペースが要求されず、また、大規模な変電設備が不要であり、多数の電気自動車への充電が可能な電力供給システム及び電力供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る電力供給システムは、商用電源系統から得られる電力を施設内の負荷と複数の電気自動車のうち少なくともいずれか1つに供給して当該電気自動車を充電する電力供給システムであって、利用者からの操作入力に応じて、前記電気自動車のバッテリー残量と含む充電要求情報を端末装置から取得する第1取得部と、前記施設に供給する電力の規定値と、前記施設における負荷の使用電力の差に基づいて、前記得られた受電要求情報に応じて、充電要求された電気自動車の充電制御をする充電制御部を有する。
【0008】
本発明の一態様に係る電力供給方法は、商用電源系統から得られる電力を施設内の負荷と複数の電気自動車のうち少なくともいずれか1つに供給して当該電気自動車を充電する電力供給方法であって、利用者からの操作入力に応じて、前記電気自動車のバッテリー残量を含む充電要求情報を端末装置から取得する工程と、前記施設に供給する電力の規定値と、前記施設における負荷の使用電力の差に基づいて、前記得られた受電要求情報に応じて、充電要求された電気自動車の充電制御をする工程とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、大規模な駐車場であっても、膨大な設置スペースが要求されず、また、大規模な変電設備を用いることなく、多数の電気自動車への充電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る電力供給システムの概要の説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電力供給システムにおける受変電設備及び分電盤の具体構成の説明図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る電力供給システムにおける登録画面の説明図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る電力供給システムにおける充電制御の説明に用いるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電力供給システムの概要の説明図である。
【0012】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る電力供給システム1は、受変電設備11と、分電盤12、12、…と、制御システム13とを含んで構成される。
【0013】
受変電設備11は、商用電源系統19からの高圧電源(例えば6.6kV)を受電し、低圧電源(例えば100/200V)に変換する。受変電設備11は、マンション等の施設10の共用部内において、点検が容易な場所で、水害や火災等の被害を受にくい場所に設置される。受変電設備11で変換された低圧電源は、施設10における照明や空調、コンセント、エレベータ、給排水ポンプ等、施設10の負荷に送られるとともに、分電盤12、12、…に送られる。
【0014】
分電盤12、12、…からはコンセント14、14、…が導出される。コンセント14、14、…は、例えば200V20Aの電気自動車用のコンセントであり、電気自動車15の駐車スペース毎に設けられる。分電盤12、12、…は、例えば1つの受変電設備11に対して複数面設けられる。受変電設備11に対して分電盤12、12、…を10面設け、1面の分電盤12に例えば10個のコンセント14、14、…を配置したとすると、この設備では、(10×10=100)台分のコンセント14、14、…を設置することができる。電気自動車用の分電盤12、12、…は、他の分電盤、例えば照明用の分電盤を利用して構成しても良い。
【0015】
電気自動車15、15、…は、バッテリーの電源をエネルギーとして、モーターにより駆動される。電気自動車15、15、…のバッテリー充電を行う場合、電気自動車15、15、…のプラグ16、16…がコンセント14、14、…に装着される。なお、電気自動車15としては、EV(Electric Vehicle)ばかりでなく、PHV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)であっても良い。
【0016】
制御システム13は、エネルギー管理を総合的に行う。制御システム13は、例えばクラウドBEMS(Building and Energy Management System)である。クラウドBEMSは、エネルギー使用状況や、各種の設備機器による稼働状況を一元管理できるシステムである。また、クラウドBEMSでは、端末装置17、17、…を使用して、使用電力の情報をリアルタイムで取得し、空調や照明などのエネルギー機器を制御できる。
【0017】
端末装置17、17、…は、駐車場の利用者が保有する端末である。端末装置17、17、…は、ネットワーク18を介して制御システム13に接続できる。なお、端末装置17、17、…としては、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)等を用いることができる。
【0018】
図2は、本発明の実施形態に係る電力供給システム1における受変電設備11及び分電盤12の具体構成の説明図である。
【0019】
図2に示すように、受変電設備11は、ケーブルヘッド101と、断路器(DS)102と、高圧真空遮断器(VCB)103と、デマンドメータ(DM)104と、直列リアクトル105及び進相コンデンサ106と、高圧交流負荷開閉器(LBS)107と、変圧器108と、配線用遮断器(MCCB)109とを含んで構成される。
【0020】
ケーブルヘッド101は例えば6.6kVの高圧電源を受電する。断路器(DS)102は、機器の点検や修理を行うために、高圧の電路を開閉する。高圧真空遮断器(VCB)103は、回路の電流が過大になった際に電流を遮断する。デマンドメータ(DM)104は、時間毎の瞬時電力使用量からデマンド値を取得する。取得されたデマンド値は、制御システム13に送られる。直列リアクトル105及び進相コンデンサ106は、力率改善を行う。高圧交流負荷開閉器(LBS)107、107、…は、高圧電路の通電、開閉を行う。変圧器108、108、…は、6.6kVの高圧電源から例えば(100V/200V)の単相三線の交流電源や、例えば200Vの三相交流電源に変換する。配線用遮断器(MCCB)109、109、…は、低圧電路の過負荷、短絡等が生じたときに、電路を遮断する。
【0021】
分電盤12は、ブレーカー201と、変流器(CT)202と、マグネットスイッチ203とを含んで構成される。
【0022】
ブレーカー201は、建物内の短絡や漏電が生じたときに電路を遮断する。ブレーカー201と複数のコンセント14との間には、それぞれ、変流器(CT)202とマグネットスイッチ203とが接続される。変流器202は、コンセント14に接続された機器の使用電流を計測する。計測された電流値は、変流器202から制御システム13に送られる。マグネットスイッチ203は、制御システム13から供給されるONまたはOFFを表す制御信号に基づいて開閉することによって、コンセント14に電力を供給する経路をオンオフする。これにより、コンセント14に接続された負荷への電力供給が制御される。
【0023】
図3は、本発明の実施形態に係る電力供給システム1における登録画面の説明図である。電気自動車15の利用者は、駐車場を利用する時に、例えば端末装置17を用いて、
図3に示すような登録画面で、充電要求の登録を行う。
図3に示すように、登録画面300には、プロファイル入力欄301と、バッテリー残量の入力欄302と、充電期間目標の設定欄303とが含まれている。
【0024】
プロファイル入力欄301には、利用者の氏名、電気自動車の車種、搭載蓄電池容量、利用する駐車場の番号等のプロファイル情報が入力される。入力されたプロファイル情報は制御システム13に送られる。なお、利用者が使う駐車場の位置や車種が決まっている場合には、プロファイル情報の入力は、初回のみでも良い。
【0025】
バッテリー残量の入力欄302は、10%以下、20%~50%、50%~80%、80%以上、のいずれかを選択可能な選択画面となっている。電気自動車15の利用者は、駐車時に、選択画面から、いずれかの項目を選択する入力をすることにより、各自の電気自動車15のバッテリー残量を入力する。入力されたバッテリー残量の情報は制御システム13に送られる。
【0026】
充電期間目標の設定欄303は、「できるだけ早く満充電」、「3日以内に満充電」、「1週間以内に満充電」、「充電不要」のいずれかを選択可能な選択画面となっている。電気自動車15の利用者は、駐車時に、選択画面から、いずれかの項目を選択する入力をすることにより、各自の電気自動車15のバッテリー充電期間目標を入力する。入力された充電期間目標は制御システム13に送られる。なお、充電期間目標は、使用料金に反映させるようにしても良い。例えば、「できるだけ早く満充電」を選択した場合には、「3日以内に満充電」を選択した場合よりも、使用料金を高く設定することが考えられる。すなわち、満充電にするまでの期間が短いほど、使用料金が高くなるように設定してもよい。
【0027】
登録が完了すると、制御システム13は、対象とする電気自動車15のバッテリーの充電制御を行う。
【0028】
図4は、本発明の実施形態に係る電力供給システム1における充電制御の説明に用いるフローチャートである。
【0029】
(ステップS101)制御システム13は、端末装置17、17、…を用いて利用者により入力された充電要求の情報を取得する。
【0030】
(ステップS102)制御システム13は、利用者により入力された登録情報からバッテリー残量の情報を取得し、各利用者の電気自動車15のバッテリーが満充電となるまでの充電量を算出する。つまり、
図3に示したように、電気自動車15の利用者は、駐車場を利用する時に、利用者の電気自動車15の車種と、バッテリー残量の情報を入力している。電気自動車15に積載しているバッテリーの容量は、車種や仕様により決まっている。よって、電気自動車15の車種と、バッテリー残量の情報が取得できれば、制御システム13は、満充電までの充電量(Ah)及び充電時間を求めることができる。
【0031】
(ステップS103)制御システム13は、施設10全体に供給する電力の規定値(契約電力)と、現在の施設10における照明や空調等の負荷の使用電力量算出値の差から、電気自動車の充電に割当可能な電力量を算出し及び予測する。なお、本実施形態では、
図2に示したように、デマンドメータ104からのデマンド値が制御システム13に送られている。現在の施設10における負荷の使用電力量の算出値の精度は、各時間帯でのデマンド予測を日々の学習から行うことで向上させていくことができる。
【0032】
(ステップS104)制御システム13は、充電対象の電気自動車15、15、…の中で、優先順位を決定する。優先順位の決定では、制御システム13は、充電期間目標の設定欄303の入力値を参照し、「できるだけ早く満充電」が最も優先度が高く、「3日以内に満充電」が次に優先度が高く、「1週間以内に満充電」、「充電不要」の順に優先度が低くなるように、優先度を設定する。
【0033】
(ステップS105)制御システム13は、優先度に応じて、マグネットスイッチ203、203、…を輪番でオン/オフする。すなわち、制御システム13は、ステップS103で求められた電気自動車の充電に割当可能な電力量を基に、充電できる電気自動車15、15、…の数を判定し、この数に基づいた組み合わせで、マグネットスイッチ203、203、…をオンする。そして、制御システム13は、充電対象の全ての電気自動車15、15、…が充電できるように、オンとなるマグネットスイッチ203、203、…の組み合わせを変更する。このとき、制御システム13は、ステップS104で求められた優先度に応じて、オンとなるマグネットスイッチ203、203、…の組み合わせを決定する。すなわち、「できるだけ早く満充電」なら、可能な限りその電気自動車15が選択されるように、オンとなるマグネットスイッチ203、203、…の組み合わせを設定する。「3日以内に満充電」なら、指定期間後には満充電となるように、オンとなるマグネットスイッチ203、203、…の組み合わせを設定する。なお、マグネットスイッチ203、203、…の頻繁なオン/オフは、電気自動車15に負担をかけるので、マグネットスイッチ203、203、…のオン/オフの回数は、1日に2回程度にすることが望ましい。
【0034】
(ステップS106)制御システム13は、マグネットスイッチ203がオンとなっている間に、変流器(CT)202から電気自動車15のバッテリーへの充電電流の計測値を取得するとともに、マグネットスイッチ203の通電時間を取得する。電気自動車15、15、…のバッテリーへの充電電流と、通電時間とが取得できれば、対象となる電気自動車15、15、…のバッテリーへの充電量が算出できる。
(ステップS107)制御システム13は、建物側(施設10)での使用電力量と、余裕電力量(契約電力と現在の施設10における使用電力量との差)を、想定された値または実測された結果に基づいて修正する。
【0035】
(ステップS108)制御システム13は、ステップS102で取得した満充電までの充電量と、ステップS106で取得した電流の計測値及び通電時間とを比較して、満充電までの充電量に達した電気自動車15、15、…があるか否かを判定する。制御システム13は、満充電に達した電気自動車15、15、…がなければ(ステップS108:No)、ステップS105に処理を戻して充電を継続する。制御システム13は、満充電に達した電気自動車15、15、…があると判定したら(ステップS108:Yes)、処理をステップS109に進める。
【0036】
(ステップS109)制御システム13は、満充電となった電気自動車15、15、…の充電処理を終了し、充電を終了する対象の電気自動車15、15、…への電力の供給を停止させる。
【0037】
(ステップS110)制御システム13は、満充電となった電気自動車15、15、…に関して、通電時間の履歴から料金計算を行い、各利用者毎の請求額を決定する。なお、前述したように、利用料金は、充電期間目標の設定を反映させて決定しても良い。例えば、「できるだけ早く満充電」を選択した場合には、「3日以内に満充電」を選択した場合よりも、基本料金や通電時間当たりの使用料金を高く設定することが考えられる。
【0038】
(ステップS111)制御システム13は、全ての電気自動車15、15、…のバッテリーが満充電となったか否かを判定し、全ての電気自動車15、15、…のバッテリーが満充電となっていなければ(ステップS111:No)、処理をステップS111に進め、全ての電気自動車15、15、…のバッテリーが満充電となっていれば(ステップS111:Yes)、処理を終了する。
【0039】
(ステップS112)制御システム13は、満充電となった電気自動車15、15、…を充電の処理対象から外して、処理をステップS104に戻す。ステップS104では、制御システム13は、満充電となった電気自動車15、15、…を充電の処理対象から外して、優先順位を決定し、充電対象の電気自動車15、15、…の充電処理を継続する。
【0040】
以上説明したように、本発明の実施形態では、制御システム13は、複数のコンセント14、14、…に接続された電気自動車15、15、…に対して、優先度に応じて、輪番で充電を行っている。輪番で充電を行うことから、一斉充電を行った場合のような大電力が要求されない。このため、受変電設備11を大規模な設備に交換する必要がなく、また、契約電力を大電力なものに変更する必要はなく、運用コストの低減が図れる。
また、夜間において共用部の電力の使用量が少ない時間帯がある。このような時間帯においては、共用部において使用量が低下した電力に応じて、マグネットスイッチ203をONとする台数を増やすことができる。
【0041】
また、本発明の実施形態では、利用者がバッテリー残量の情報を登録しておくことで、満充電までの充電量を求めることができる。また、変流器(CT)202により電気自動車15のバッテリーへの充電電流を計測することができる。これにより、制御システム13は、求められた満充電までの充電量と、充電電流の計測値と通電時間とにより求められる充電量とを比較することで、満充電に達したか否かを判定することができる。また、満充電に達すると充電電流がほぼ0になるため、制御システム13は、変流器202の計測結果に基づいて、満充電となったか否かを判定することができる。
【0042】
また、本発明の実施形態では、制御システム13として、例えばクラウドBEMSが用いられる。これにより、使用者は、各自の端末装置17、17、…を利用して、充電設定を行うことができる。また、クラウドBEMSは容易に導入できることから、本発明の実施形態では、既存の駐車場に電気自動車の充電設備を容易に導入できる。
また、端末装置17が制御システム13に対して送信するための各種データの入力については、アプリ(アプリケーションソフトウェア)を実行することで実現してもよい。また、端末装置17は、アプリを用いるのではなく、制御システム13にアクセス可能なクラウドBEMSのWeb画面にアクセスし、そのWeb画面において各種データの入力をするようにしてもよい。この場合、長い期間使用する上で、アプリの更新やスマートフォンの機種に依存する不具合を避けることができる。
【0043】
また、本発明に係る電力供給システムは、タワーマンション等の大規模な駐車場に限らず、どのような駐車場にも利用可能である。また、大規模な設備を導入する必要がないため、機械式駐車場以外の平面駐車場でも、容易に実現できる。
【0044】
上述した実施形態における電力供給システム1の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0045】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0046】
11… 受変電設備、12…分電盤、13…制御システム、14…コンセント、15…電気自動車、17…端末装置、501…第1取得部、502…充電制御部、503…端末装置