(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168505
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
E02F 3/40 20060101AFI20221031BHJP
E02F 9/24 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
E02F3/40 E
E02F9/24 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074018
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一郎
【テーマコード(参考)】
2D012
2D015
【Fターム(参考)】
2D012HA00
2D015GA02
2D015GB04
(57)【要約】
【課題】車体に設けられた二部材を着脱可能に連結する連結装置が意図せずにロック解除状態となるのを抑制することが可能な作業車両を提供する。
【解決手段】カプラシリンダ27の伸縮によりリフトアーム21とバケット23とを着脱可能に連結するクイックカプラ26と、クイックカプラ駆動回路26C1,26C2に作動油を供給する第1油圧ポンプ30と、第1油圧ポンプ30とカプラシリンダ27との間に設けられた方向制御弁32と、を備えたホイールローダ1において、クイックカプラ駆動回路26C1,26C2とは異なる走行駆動回路7Cに作動油を供給する第2油圧ポンプ50を備え、ボトム室27Bは、走行駆動回路7Cと並列に第2油圧ポンプ50に接続され、方向制御弁32が中立位置32Nである場合、第2油圧ポンプ50から吐出された作動油の一部がボトム室27Bに供給される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体に設けられた第1部材および第2部材と、
前記第1部材に取り付けられ、油圧シリンダのロッドの伸縮動作により前記第1部材と前記第2部材とを着脱可能に連結する連結装置と、
前記油圧シリンダを含む第1油圧回路に作動油を供給する第1油圧ポンプと、
前記第1油圧ポンプと前記油圧シリンダとの間に設けられた第1方向制御弁と、を備え、
前記第1方向制御弁は、
前記第1油圧ポンプと前記油圧シリンダのロッド室との接続を連通する第1切換位置と、
前記第1油圧ポンプと前記油圧シリンダのボトム室との接続を連通する第2切換位置と、
前記第1油圧ポンプと前記ロッド室との接続および前記第1油圧ポンプと前記ボトム室との接続を遮断する中立位置と、を有し、
前記連結装置は、
前記第1方向制御弁の弁位置が前記第2切換位置である場合、前記第1油圧ポンプから吐出された作動油が前記ボトム室に供給されて前記ロッドが伸長することにより前記第2部材に係合し、
前記第1方向制御弁の前記弁位置が前記第1切換位置である場合、前記第1油圧ポンプから吐出された作動油が前記ロッド室に供給されて前記ロッドが収縮することにより前記第2部材から離脱する作業車両において、
前記第1油圧回路とは異なる第2油圧回路に作動油を供給する第2油圧ポンプを備え、
前記ボトム室は、前記第2油圧回路と並列に前記第2油圧ポンプに接続され、
前記第1方向制御弁の前記弁位置が前記中立位置である場合、前記第2油圧ポンプから吐出された作動油の一部が前記ボトム室に供給される
ことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
請求項1に記載の作業車両において、
前記第2油圧ポンプと前記油圧シリンダの前記ボトム室との間に設けられ、前記第1方向制御弁の前記弁位置に応じて、前記第2油圧ポンプと前記ボトム室との接続の連通と遮断とを切り換える第2方向制御弁を備えている
ことを特徴とする作業車両。
【請求項3】
請求項2に記載の作業車両において、
前記第2方向制御弁は、
前記第2油圧ポンプから前記油圧シリンダの前記ボトム室への作動油の流入を許容すると共に、前記ボトム室から前記第2油圧ポンプへの作動油の流入を阻止するパイロットチェック弁であり、
前記パイロットチェック弁には、
前記第1方向制御弁が前記第1切換位置である場合、前記第2油圧ポンプから前記ボトム室への作動油の流入を阻止する制御圧油が供給される
ことを特徴とする作業車両。
【請求項4】
請求項3に記載の作業車両において、
前記パイロットチェック弁は、
前記油圧シリンダの前記ロッド室と並列に前記第1油圧ポンプに接続され、
前記パイロットチェック弁に供給される前記制御圧油は、
前記第1油圧ポンプから前記ロッド室に供給される作動油である
ことを特徴とする作業車両。
【請求項5】
請求項3に記載の作業車両において、
前記第2油圧ポンプは、
前記第1方向制御弁の前記弁位置を切り換えるパイロット圧油を前記第1方向制御弁に供給するパイロットポンプであり、
前記パイロットチェック弁に供給される前記制御圧油は、
前記第1方向制御弁の前記弁位置を前記第2切換位置に切り換える前記パイロット圧油である
ことを特徴とする作業車両。
【請求項6】
請求項1に記載の作業車両において、
前記第2油圧ポンプと前記油圧シリンダの前記ボトム室との間に設けられ、前記第2油圧ポンプから前記油圧シリンダの前記ボトム室に供給される作動油の圧力を減圧する減圧弁を備えている
ことを特徴とする作業車両。
【請求項7】
請求項6に記載の作業車両において、
前記減圧弁は、
前記油圧シリンダの前記ボトム室側から前記第2油圧ポンプに向かって逆流する作動油を作動油タンクに排出するリリーフ機能を有する
ことを特徴とする作業車両。
【請求項8】
請求項1に記載の作業車両において、
前記第2油圧ポンプと前記油圧シリンダの前記ボトム室との間に設けられ、前記第2油圧ポンプから前記油圧シリンダの前記ボトム室に供給される作動油の流量を減らす流量制御器を備えている
ことを特徴とする作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に設けられた二部材を着脱可能に連結する油圧駆動式の連結装置を備えた作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダや油圧ショベルなどの作業車両には、油圧シリンダにより駆動される連結ピンで二部材を容易に着脱可能に連結する連結装置を備えたものがある。例えば、特許文献1には、クローラフレームとカーボディとを連結および分離するピン連結装置を備えたクローラ式の油圧ショベルが開示されている。このピン連結装置は、クローラフレームに形成されたピン穴と、カーボディに設けられた連結ピンおよび脱着シリンダと、を有し、脱着シリンダの伸長動作により連結ピンをピン穴に挿入させてロック状態となることでクローラフレームとカーボディとを連結し、脱着シリンダの収縮動作により連結ピンをピン穴から離脱させてロック解除状態となることでクローラフレームとカーボディとを分離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のピン連結装置では、脱着シリンダを制御する制御弁が中立状態となり、油圧ポンプから吐出された作動油が脱着シリンダに供給されず脱着シリンダが作動しない状況となった場合、脱着シリンダ内に残った残圧によってロッドが保持されることになる。そのため、脱着シリンダのボトム室側からの作動油のリークが、ロッド室側からの作動油のリークよりも多い場合や、脱着シリンダに対してロッドが収縮する方向に外力が作用した場合には、脱着シリンダが収縮方向に作動してしまい、連結ピンがピン穴から離脱されて、意図せずクローラフレームとカーボディとが分離されてしまう。
【0005】
そこで、本発明の目的は、車体に設けられた二部材を着脱可能に連結する連結装置が意図せずにロック解除状態となるのを抑制することが可能な作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、車体と、前記車体に設けられた第1部材および第2部材と、前記第1部材に取り付けられ、油圧シリンダのロッドの伸縮動作により前記第1部材と前記第2部材とを着脱可能に連結する連結装置と、前記油圧シリンダを含む第1油圧回路に作動油を供給する第1油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプと前記油圧シリンダとの間に設けられた第1方向制御弁と、を備え、前記第1方向制御弁は、前記第1油圧ポンプと前記油圧シリンダのロッド室との接続を連通する第1切換位置と、前記第1油圧ポンプと前記油圧シリンダのボトム室との接続を連通する第2切換位置と、前記第1油圧ポンプと前記ロッド室との接続および前記第1油圧ポンプと前記ボトム室との接続を遮断する中立位置と、を有し、前記連結装置は、前記第1方向制御弁の弁位置が前記第2切換位置である場合、前記第1油圧ポンプから吐出された作動油が前記ボトム室に供給されて前記ロッドが伸長することにより前記第2部材に係合し、前記第1方向制御弁の前記弁位置が前記第1切換位置である場合、前記第1油圧ポンプから吐出された作動油が前記ロッド室に供給されて前記ロッドが収縮することにより前記第2部材から離脱する作業車両において、前記第1油圧回路とは異なる第2油圧回路に作動油を供給する第2油圧ポンプを備え、前記ボトム室は、前記第2油圧回路と並列に前記第2油圧ポンプに接続され、前記第1方向制御弁の前記弁位置が前記中立位置である場合、前記第2油圧ポンプから吐出された作動油の一部が前記ボトム室に供給されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車体に設けられた二部材を着脱可能に連結する連結装置が意図せずにロック解除状態となるのを抑制することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の各実施形態に係るホイールローダの一構成例を示す外観側面図である。
【
図2】クイックカプラがロック状態となっている場合におけるバケットの背面側を示す平面図である。
【
図3】クイックカプラがロック解除状態となっている場合におけるバケットの背面側を示す平面図である。
【
図4】第1実施形態に係るクイックカプラ駆動回路の一構成例を示す回路構成図である。
【
図5】第2実施形態に係るクイックカプラ駆動回路の一構成例を示す回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態に係る作業車両の一態様として、例えば土砂や鉱物といった作業対象物を掘削してダンプトラックなどの積込み先に積み込む荷役作業を行うホイールローダについて説明する。
【0010】
<ホイールローダ1の構成>
まず、ホイールローダ1の構成について、
図1~3を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の各実施形態に係るホイールローダ1の一構成例を示す外観側面図である。
【0012】
ホイールローダ1は、車体が中心付近で中折れすることにより操舵されるアーティキュレート式の作業車両である。具体的には、車体の前部となる前フレーム1Aと車体の後部となる後フレーム1Bとが、センタジョイント10によって左右方向に回動自在に連結されており、前フレーム1Aが後フレーム1Bに対して左右方向に屈曲する。
【0013】
車体には4つの車輪11が設けられており、2つの車輪11が前輪11Aとして前フレーム1Aの左右両側に、残り2つの車輪11が後輪11Bとして後フレーム1Bの左右両側に、それぞれ設けられている。なお、
図1では、4つの車輪11のうち、左側に設けられた前輪11Aおよび後輪11Bのみを示している。また、車体に設けられる複数の車輪11の具体的な数については、特に制限はない。
【0014】
前フレーム1Aの前部には、荷役作業を行うための油圧駆動式の作業装置2が取り付けられている。後フレーム1Bには、オペレータが搭乗する運転室12と、ホイールローダ1の駆動に必要な各機器を内部に収容する機械室13と、車体が傾倒しないように作業装置2とのバランスを保つためのカウンタウェイト14と、が設けられている。後フレーム1Bにおいて、運転室12は前部に、カウンタウェイト14は後部に、機械室13は運転室12とカウンタウェイト14との間に、それぞれ配置されている。
【0015】
作業装置2は、前フレーム1Aに上下方向に回動可能に取り付けられたリフトアーム21と、リフトアーム21を駆動する油圧シリンダとしての2つのリフトアームシリンダ22と、リフトアーム21の先端部に上下方向に回動可能に取り付けられたバケット23と、バケット23を駆動する油圧シリンダとしてのバケットシリンダ24と、リフトアーム21に回動可能に連結されてバケット23とバケットシリンダ24とのリンク機構を構成するベルクランク25と、を有している。なお、2つのリフトアームシリンダ22は車体の左右方向に並んで配置されているが、
図1では、左側に配置されたリフトアームシリンダ22のみを破線で示している。
【0016】
リフトアーム21は、2つのリフトアームシリンダ22のそれぞれのボトム室に作動油が供給されてロッド220が伸びると、前フレーム1Aに対して上方向に回動する。他方、リフトアーム21は、2つのリフトアームシリンダ22のロッド室に作動油が供給されてロッド220が縮むと、前フレーム1Aに対して下方向に回動する。
【0017】
バケット23は、バケットシリンダ24のボトム室に作動油が供給されてロッド240が伸びると、リフトアーム21に対して上方向に回動する(チルト動作)。他方、バケット23は、バケットシリンダ24のロッド室に作動油が供給されてロッド240が縮むと、リフトアーム21に対して下方向に回動する(ダンプ動作)。これにより、バケット23は、土砂や鉱物などの作業対象物を掬って排出(放土)することができる。
【0018】
なお、バケット23は、例えばブレードなどの各種アタッチメントに交換することが可能であり、ホイールローダ1は、バケット23を用いた荷役作業の他に、押土作業や除雪作業などの各種作業を行うことも可能である。ホイールローダ1では、バケット23や各種アタッチメントをリフトアーム21から容易に着脱できるようにするため、リフトアーム21の先端部にはクイックカプラ26が取り付けられている。
【0019】
ここで、クイックカプラ26の構成および動作について、
図2および
図3を参照して説明する。
【0020】
図2は、クイックカプラ26がロック状態となっている場合におけるバケット23の背面側を示す平面図である。
図3は、クイックカプラ26がロック解除状態となっている場合におけるバケット23の背面側を示す平面図である。
【0021】
クイックカプラ26は、リフトアーム21の先端部に取り付けられてバケット23の背面部に対向して配置されるクイックカプラ本体260Aと、クイックカプラ本体260に設けられてバケット23に係合する係合部材260Bと、係合部材260Bを駆動する油圧シリンダとしてのカプラシリンダ27と、を有する。
【0022】
係合部材260Bは、バケット23の背面部に形成された一対のピン穴231,232に挿抜される一対のピン部261,262と、一対のピン部261,262を接続する接続部263と、を含んで構成されている。本実施形態では、一対のピン穴231,232のうち、一方のピン穴231がバケット23の背面部における左端部に、他方のピン穴232がバケット23の背面部における右端部に、それぞれ形成されている。したがって、一対のピン部261,262は、バケット23の背面部、すなわちクイックカプラ本体260Aにおいて左右方向に所定の間隔を空けて並んで配置されている。
【0023】
なお、以下の説明では、一対のピン穴231,232のうち、バケット23の背面部における左端部に形成された一方のピン穴231を「第1ピン穴231」とし、バケット23の背面部における右端部に形成された他方のピン穴232を「第2ピン穴232」とする。また、一対のピン部261,262のうち、第1ピン穴231に対応する方を「第1ピン部261」とし、第2ピン穴230Rに対応する方を「第2ピン部262」とする。
【0024】
接続部263は、第1ピン部261の基端部となる左端部に固定された第1固定片263Lと、第2ピン部262の基端部となる左端部に固定された第2固定片263Rと、左右方向に延びて第1固定片263Lと第2固定片263Rとを接続する接続バー263Cと、を有する。なお、本実施形態では、接続バー263Cは、第1ピン部261の位置および第2ピン部262の位置よりも上側の位置において第1固定片263Lと第2固定片263Rとを接続しているが、これに限らず、第1ピン部261の位置および第2ピン部262の位置よりも下側の位置において第1固定片263Lと第2固定片263Rとを接続してもよい。
【0025】
カプラシリンダ27は、第1ピン部261と第2ピン部262との間、すなわちクイックカプラ本体260Aにおける中央領域において、軸方向がバケット23の左右方向に沿うように配置されている。カプラシリンダ27は、作動油が流出入する筒状のシリンダチューブ270Aと、シリンダチューブ270Aに対して軸方向に伸縮するロッド270と、を有する。ロッド270は、一端側がシリンダチューブ270Aに嵌入され、他端側(先端側)がシリンダチューブ270Aから突出して第2固定片263Rに取り付けられている。
【0026】
これにより、カプラシリンダ27のロッド270の伸縮動作は、第2固定片263Rを介して第2ピン部262に、第2固定片263R、接続バー263C、および第1固定片263Lを介して第1ピン部261に、それぞれ伝わって、第1ピン部261および第2ピン部262が作動する。
【0027】
まず、
図2に示すように、カプラシリンダ27のロッド270が伸長すると、第2固定片263Rが右方向に移動するため、第2固定片263Rに固定された第2ピン部262も右方向に移動する。これにより、第2ピン部262は、第2ピン穴232に挿入された状態となる。また、カプラシリンダ27のロッド270が伸長すると、第2固定片263Rと共に接続バー263Cおよび第1固定片263Lも右方向に移動する。これにより、第1固定片263Lに固定された第1ピン部261も右方向に移動し、第1ピン穴231に挿入された状態となる。
【0028】
このように、クイックカプラ26は、カプラシリンダ27の伸長動作により、バケット23の第1ピン穴231に第1ピン部261が、バケット23の第2ピン穴232に第2ピン部262が、それぞれ挿入されて係合することにより、ロック状態となる。クイックカプラ26がロック状態となることにより、バケット23はクイックカプラ26を介してリフトアーム21に連結される(連結状態)。
【0029】
一方、
図3に示すように、カプラシリンダ27のロッド270が収縮すると、第2固定片263Rが左方向に移動するため、第2固定片263Rに固定された第2ピン部262も左方向に移動する。これにより、第2ピン部262は、第2ピン穴232から抜去された状態となる。また、カプラシリンダ27のロッド270が収縮すると、第2固定片263Rと共に接続バー263Cおよび第1固定片263Lも左方向に移動する。これにより、第1固定片263Lに固定された第1ピン部261も左方向に移動し、第1ピン穴231から抜去された状態となる。
【0030】
このように、クイックカプラ26は、カプラシリンダ27の収縮動作により、バケット23の第1ピン穴231から第1ピン部261が、バケット23の第2ピン穴232から第2ピン部262が、それぞれ抜去されて離れることにより、ロック解除状態(非ロック状態)となる。クイックカプラ26がロック解除状態となることにより、バケット23はリフトアーム21から取り外される(非連結状態)。
【0031】
すなわち、クイックカプラ26は、カプラシリンダ27のロッド270の伸縮動作に伴って第1ピン部261および第2ピン部262がバケット23の第1ピン穴231および第2ピン穴232に挿抜されることにより、リフトアーム21に対してバケット23を着脱可能に連結する連結ピン装置である。
【0032】
図2および
図3では、クイックカプラ26は、カプラシリンダ27のロッド270の伸縮方向と同じ方向に第1ピン部261および第2ピン部262が移動するように構成されていたが、これに限らず、例えば、第1ピン部261がカプラシリンダ27のシリンダチューブ270Aの底部(カプラシリンダ27の左端部)に接続され、ロッド270の伸縮方向と反対方向に移動して第1ピン穴231に挿抜される構成としてもよい。
【0033】
なお、リフトアーム21は車体に設けられた第1部材の一態様であり、バケット23は、車体に設けられた第2部材の一態様である。そして、クイックカプラ26は、第1部材に取り付けられ、油圧シリンダ(カプラシリンダ27)のロッドの伸縮動作により第1部材と第2部材とを着脱可能に連結する連結装置の一態様である。
【0034】
次に、ホイールローダ1のクイックカプラ駆動回路について、実施形態ごとに説明する。
【0035】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るクイックカプラ駆動回路26C1について、
図4を参照して説明する。
【0036】
図4は、第1実施形態に係るクイックカプラ駆動回路26C1の一構成例を示す回路構成図である。
【0037】
クイックカプラ26を駆動するためのクイックカプラ駆動回路26C1は、カプラシリンダ27と、カプラシリンダ27に作動油を供給する第1油圧ポンプ30と、第1油圧ポンプ30とカプラシリンダ27との間に設けられた方向制御装置31と、を含んで構成される。このクイックカプラ駆動回路26C1は、カプラシリンダ27を含む第1油圧回路に相当する。
【0038】
方向制御装置31は、第1油圧ポンプ30とカプラシリンダ27との間に設けられた第1方向制御弁としてのカプラシリンダ用方向制御弁32(以下、単に「方向制御弁32」とする)と、予め設定されたリリーフ圧に達した場合に作動油を作動油タンク40に排出する3つのリリーフ弁33A,33B,33Cと、を有する。3つのリリーフ弁33A,33B,33Cはそれぞれ、吐出ライン300、第1ライン301、および第2ライン302に対応して設けられている。
【0039】
方向制御弁32の一側には、第1油圧ポンプ30の吐出側に接続された吐出ライン300および作動油タンク40に接続された排出ライン303が接続されている。また、方向制御弁32の他側には、カプラシリンダ27のロッド室27Aに接続された第1ライン301およびカプラシリンダ27のボトム室27Bに接続された第2ライン302が接続されている。
【0040】
方向制御弁32は、3つの弁位置として第1切換位置32A、第2切換位置32B、および中立位置32Nを有する。そして、方向制御弁32は、これら3つの弁位置32A,32B,32Nが切り換わることにより、第1油圧ポンプ30から吐出された作動油の流れ(方向および流量)を制御している。
【0041】
第1切換位置32Aは、吐出ライン300と第1ライン301とを連通する(すなわち、第1油圧ポンプ30とカプラシリンダ27のロッド室27Aとの接続を連通する)と共に、第2ライン302と排出ライン303とを連通する。第2切換位置32Bは、吐出ライン300と第2ライン302とを連通する(すなわち、第1油圧ポンプ30とカプラシリンダ27のボトム室27Bとの接続を連通する)と共に、第1ライン301と排出ライン303とを連通する。中立位置32Nは、吐出ライン300と排出ライン303とを連通して、第1油圧ポンプ30とロッド室27Aとの接続および第1油圧ポンプ30とボトム室27Bとの接続を遮断する。
【0042】
方向制御弁32が第1切換位置32Aに切り換わると、第1油圧ポンプ30から吐出された作動油が吐出ライン300および第1ライン301を介してカプラシリンダ27のロッド室27Aに流入すると共に、カプラシリンダ27のボトム室27Bから排出された作動油が第2ライン302および排出ライン303を介して作動油タンク40に流出する。これにより、カプラシリンダ27のロッド270が収縮して、クイックカプラ26がバケット23から離脱してロック解除状態となる。
【0043】
他方、方向制御弁32が第2切換位置32Bに切り換わると、第1油圧ポンプ30から吐出された作動油が吐出ライン300および第2ライン302を介してカプラシリンダ27のボトム室27Bに流入すると共に、カプラシリンダ27のロッド室27Aから排出された作動油が第1ライン301および排出ライン303を介して作動油タンク40に流出する。これにより、カプラシリンダ27のロッド270が伸長して、クイックカプラ26がバケット23に係合してロック状態となる。
【0044】
また、方向制御弁32が中立位置32Nに切り換わると、第1油圧ポンプ30から吐出された作動油が吐出ライン300および排出ライン303を介してそのまま作動油タンク40に戻る。この場合、カプラシリンダ27のロッド室27Aおよびボトム室27Bには作動油が供給されないため、カプラシリンダ27内に残った残圧によってロッド270が保持される状態となる。
【0045】
方向制御弁32における第1切換位置32Aと第2切換位置32Bと中立位置32Nとの間の相互の切り換え(弁位置の切り換え)は、方向制御弁32に設けられた一対の油室32L,32Rにパイロット圧油が供給されて(パイロット圧が作用して)内部スプールが可動することによって行われる。
【0046】
一対の油室32L,32Rを第1油室32Lおよび第2油室32Rとすると、方向制御弁32は、第1油室32Lに作用するパイロット圧が第2油室32Rに作用するパイロット圧よりも大きい場合に第1切換位置32Aに、第2油室32Rに作用するパイロット圧が第1油室32Lに作用するパイロット圧より大きい場合に第2切換位置32Bに、第1油室32Lおよび第2油室32Rに同じ大きさのパイロット圧が作用した場合に中立位置32Nに、それぞれ切り換わる。
【0047】
方向制御弁32を制御するパイロット回路は、方向制御弁32にパイロット圧油を供給するパイロットポンプとしての第2油圧ポンプ50と、第2油圧ポンプ50と第1油室32Lとの間に設けられて第2油圧ポンプ50から吐出されて第1油室32Lに供給されるパイロット圧油の流れを制御する第1電磁制御弁51と、第2油圧ポンプ50と第2油室32Rとの間に設けられて第2油圧ポンプ50から吐出されて第2油室32Rに供給されるパイロット圧油の流れを制御する第2電磁制御弁52と、第2油圧ポンプ50の吐出側に接続された吐出ライン500の回路圧が予め設定されたリリーフ圧以上になった場合にパイロット圧油を作動油タンク40に排出するパイロットリリーフ弁53と、を含んで構成される。
【0048】
第2油圧ポンプ50は、第1油圧回路であるクイックカプラ駆動回路26C1とは異なる第2油圧回路(本実施形態では、ホイールローダ1の走行駆動回路7C)に作動油を供給する油圧ポンプが用いられる。すなわち、第2油圧ポンプ50は、吐出した作動油の一部を走行駆動回路7Cに供給すると共に、吐出した作動油の他の一部をパイロット圧油として方向制御弁32に供給する。
【0049】
第1電磁制御弁51の一側には、吐出ライン500および作動油タンク40に接続された排出パイロットライン503が接続されている。また、第1電磁制御弁51の他側には、方向制御弁32の第1油室32Lに接続された第1パイロットライン501が接続されている。
【0050】
第1電磁制御弁51は、吐出ライン500と第1パイロットライン501とを連通して第2油圧ポンプ50から吐出されたパイロット圧油を第1油室32Lに導く第1制御位置51Aと、第1パイロットライン501と排出パイロットライン503とを連通して第1油室32Lから排出されたパイロット圧油を作動油タンク40に導く第2制御位置51Bと、を有する。
【0051】
同様に、第2電磁制御弁52の一側には、吐出ライン500および排出パイロットライン503が接続されている。また、第2電磁制御弁52の他側には、方向制御弁32の第2油室32Rに接続された第2パイロットライン502が接続されている。第2電磁制御弁52は、吐出ライン500と第2パイロットライン502とを連通して第2油圧ポンプ50から吐出されたパイロット圧油を第2油室32Rに導く第1制御位置52Aと、第2パイロットライン502と排出パイロットライン503とを連通して第2油室32Rから排出されたパイロット圧油を作動油タンク40に導く第2制御位置52Bと、を有する。
【0052】
第1電磁制御弁51における第1制御位置51Aと第2制御位置51Bとの切り換え、および第2電磁制御弁52における第1制御位置52Aと第2制御位置52Bとの切り換えはいずれも、コントローラ6によって行われる。コントローラ6には、クイックカプラ26の状態をロック状態とロック解除状態との間で切り替える切替装置としての切替スイッチ120が接続されている。なお、切替装置は必ずしもスイッチで構成されている必要はなく、例えば切替レバーなどであってもよい。
【0053】
切替スイッチ120は運転室12内に設けられており、オペレータが切替スイッチ120をロック状態に操作すると切替スイッチ120からコントローラ6に対してロック操作信号が出力され、オペレータが切替スイッチ120をロック解除状態に操作すると切替スイッチ120からコントローラ6に対してロック解除操作信号が出力される。
【0054】
コントローラ6は、ロック操作信号を取得すると第2電磁制御弁52に対してロック切替信号を出力する。これにより、第2電磁制御弁52は第1制御位置52Aに切り換わって方向制御弁32の第2油室32Rにパイロット圧が作用するため、方向制御弁32が第2切換位置32Bに切り換わりクイックカプラ26がロック状態となる。
【0055】
他方、ロック解除操作信号を取得すると第1電磁制御弁51に対してロック解除切替信号を出力する。これにより、第1電磁制御弁51は第1制御位置51Aに切り換わって方向制御弁32の第1油室32Lにパイロット圧が作用するため、方向制御弁32が第1切換位置32Aに切り換わりクイックカプラ26がロック解除状態となる。
【0056】
切替スイッチ120が操作されていない状態、すなわち中立の状態である場合には、切替スイッチ120からコントローラ6に操作信号が出力されないため、第1電磁制御弁51および第2電磁制御弁52はいずれも、第2制御位置51B,52Bに切り換わったままとなる。そのため、方向制御弁32の第1油室32Lおよび第2油室32Rにパイロット圧が作用せず、すなわち第1油室32Lおよび第2油室32Rに同じパイロット圧(第1パイロットライン501の残圧および第2パイロットライン502の残圧)が作用することになり、方向制御弁32は中立位置32Nに切り換わる。
【0057】
この場合、前述したように、カプラシリンダ27は、内部に残った残圧によってロッド270が保持された状態となる。ここで、カプラシリンダ27に対してロッド270が収縮する方向に外力が付与されたり、カプラシリンダ27のボトム室27B側からの作動油のリークがロッド室27A側からの作動油のリークよりも多かったりすると、ロッド270が収縮してクイックカプラ26がロック解除状態になってしまう場合がある。
【0058】
そこで、クイックカプラ駆動回路26C1は、吐出ライン500から分岐して第2ライン302に接続された分岐ライン504を備えている。すなわち、カプラシリンダ27のボトム室27Bは、走行駆動回路7Cと並列に第2油圧ポンプ50に接続されている。これにより、第2油圧ポンプ50から吐出された作動油の一部が、分岐ライン504および第2ライン302を介してカプラシリンダ27のボトム室27Bに供給される。
【0059】
したがって、吐出ライン500は、走行駆動回路7Cへ向かうライン、パイロット回路へ向かうライン、およびクイックカプラ駆動回路26C1へ向かうラインの3つの回路へ向かうラインに分岐され、第2油圧ポンプ50は、吐出した作動油を走行駆動回路7C、パイロット回路、およびクイックカプラ駆動回路26C1のそれぞれに配分して供給している。
【0060】
このように、第2油圧ポンプ50から吐出された作動油の一部がカプラシリンダ27のボトム室27Bへ常に供給されることで、方向制御弁32が中立位置32Nに切り換わった状態であっても、第2油圧ポンプ50から吐出された作動油の一部がカプラシリンダ27のボトム室27Bへ供給されることになってカプラシリンダ27のロッド270が伸長方向に作動することになるため、クイックカプラ26をロック状態で保持させ、意図せずにロック解除状態となるのを抑制することができる。
【0061】
本実施形態では、第2油圧ポンプ50とカプラシリンダ27のボトム室27Bとの間、すなわち分岐ライン504上には、方向制御弁32の弁位置に応じて、第2油圧ポンプ50とカプラシリンダ27のボトム室27Bとの接続の連通と遮断とを切り換える第2方向制御弁としてのパイロットチェック弁54が設けられている。具体的には、パイロットチェック弁54は、第2油圧ポンプ50からボトム室27Bへの作動油の流入を許容すると共に、ボトム室27Bから第2油圧ポンプ50への作動油の流入を阻止する。
【0062】
このパイロットチェック弁54には、第1ライン301から分岐された第1パイロット分岐ライン301Aが接続されている。すなわち、パイロットチェック弁54は、カプラシリンダ27のロッド室27Aと並列に第1油圧ポンプ30に接続されている。
【0063】
方向制御弁32が第1切換位置32Aである場合、パイロットチェック弁54には、カプラシリンダ27のロッド室27Aに作用する作動油圧、すなわちロッド270を収縮させる方向に制御する制御圧が、第1パイロット分岐ライン301Aを介してパイロットチェック弁54に作用する。
【0064】
オペレータが切替スイッチ120をロック解除状態に操作し、第1油圧ポンプ30から吐出された作動油がロッド室27Aに供給されてロッド270が収縮する場合、パイロットチェック弁54の下流側に上流側(第2油圧ポンプ50側)よりも高い圧力が作用するため、パイロットチェック弁54は、第2油圧ポンプ50からボトム室27Bへの作動油の流入を阻止する。すなわち、パイロットチェック弁54には、方向制御弁32が第1切換位置32Aである場合、第2油圧ポンプ50からカプラシリンダ27のボトム室27Bへの作動油の流入を阻止する制御圧油が供給される。
【0065】
このように、オペレータが意図してクイックカプラ26をロック解除状態にしたい場合には、パイロットチェック弁54によって第2油圧ポンプ50からボトム室27Bへの作動油の流入が阻止されるため、第2油圧ポンプ50から必要以上の作動油を吐出させないようにすることができる。
【0066】
なお、本実施形態では、第2方向制御弁としてパイロットチェック弁54を用いているが、これに限らず、方向制御弁32の弁位置に応じて、第2油圧ポンプ50とカプラシリンダ27のボトム室27Bとの接続の連通と遮断とを切り換えることが可能な切換弁であってもよい。
【0067】
また、本実施形態では、パイロットチェック弁54の上流側に、すなわち第2油圧ポンプ50とパイロットチェック弁54との間に、第2油圧ポンプ50からボトム室27Bに供給される作動油の圧力を所定の圧力に減圧する減圧弁55が設けられている。減圧弁55に設定された「所定の圧力」とは、ボトム室27Bに作用すべき適切な作動油圧に相当する。
【0068】
このように、第2油圧ポンプ50とボトム室27Bとの間に減圧弁55を設けることにより、第2油圧ポンプ50の吐出圧がそのままボトム室27Bに作用することがなくなって、必要な作動油圧分だけをボトム室27Bに作用させることができる。
【0069】
また、この減圧弁55は、ボトム室27B側から第2油圧ポンプ50に向かって逆流する作動油を作動油タンク40に排出するリリーフ機能を有している。これにより、減圧弁55の上流側に高圧が負荷されないようにすることができ、分岐ライン504として比較的低圧なライン(例えば、パイロットラインや戻りラインなど)を用いることが可能となる。
【0070】
さらに、本実施形態では、パイロットチェック弁54の下流側、すなわちパイロットチェック弁54とボトム室27Bとの間に、第2油圧ポンプ50からボトム室27Bに供給される作動油の流量を減らす流量制御器としての絞り56が設けられている。このように、第2油圧ポンプ50とボトム室27Bとの間に絞り56を設けることにより、ボトム室27Bに急激に作動油が流れ込むことを抑制することができ、カプラシリンダ27をゆっくり滑らかに作動させることが可能となる。なお、流量制御器は、必ずしも絞り56である必要はなく、例えば流量制御弁であってもよい。
【0071】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るクイックカプラ駆動回路26C2について、
図5を参照して説明する。なお、
図5において、第1実施形態に係るクイックカプラ駆動回路26C1について説明したものと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0072】
図5は、第2実施形態に係るクイックカプラ駆動回路26C2の一構成例を示す回路構成図である。
【0073】
本実施形態では、パイロットチェック弁54に供給される制御圧油の圧源が第1実施形態における圧源と異なっている。
図5に示すように、パイロットチェック弁54には、第1パイロットライン501から分岐された第2パイロット分岐ライン501Aが接続されており、方向制御弁32の第1油室32Lに作用するパイロット圧が第2パイロット分岐ライン501Aを介して作用する。
【0074】
方向制御弁32の第1油室32Lに作用するパイロット圧は、第1油圧ポンプ30から吐出された作動油がロッド室27Aに供給される方向に方向制御弁32を制御する圧力であり、ロッド270を収縮させる方向に制御する制御圧に相当する。換言すれば、パイロットチェック弁54に供給される制御圧油は、方向制御弁32の弁位置を第2切換位置32Bに切り換えるパイロット圧油である。
【0075】
したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、オペレータが意図してクイックカプラ26をロック解除状態にしたい場合には、パイロットチェック弁54によって第2油圧ポンプ50からボトム室27Bへの作動油の流入が阻止されて、第2油圧ポンプ50から必要以上の作動油を吐出させないようにすることができる。
【0076】
以上、本発明の各実施形態について説明した。なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記した各実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、上記した各実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。またさらに、上記した各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0077】
例えば、上記各実施形態では、作業車両の一態様としてホイールローダ1を例に挙げて説明したが、これに限らず、油圧ショベルなどの他の作業車両であってもよい。
【0078】
また、上記各実施形態では、車体に設けられた二部材(第1部材および第2部材)を油圧シリンダのロッドの伸縮動作により着脱可能に連結する連結装置の一態様として、カプラシリンダ27のロッド270の伸縮動作によりリフトアーム21とバケット23とを着脱可能に連結するクイックカプラ26を例に挙げて説明したが、二部材のうちの一方である第1部材に取り付けられ、油圧シリンダのロッドの伸縮動作により第1部材と二部材のうちの他方である第2部材とを着脱可能に連結するものであれば特に制限はなく、例えば、油圧ショベルにおけるクローラフレームとカーボディとを連結する装置などであってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1:ホイールローダ(作業車両)
7C:走行駆動回路(第2油圧回路)
21:リフトアーム(第1部材)
23:バケット(第2部材)
26:クイックカプラ(連結装置)
26C1,26C2:クイックカプラ駆動回路(第1油圧回路)
27:カプラシリンダ(油圧シリンダ)
27A:ロッド室
27B:ボトム室
30:第1油圧ポンプ
32:カプラシリンダ用方向制御弁(第1方向制御弁)
32A:第1切換位置
32B:第2切換位置
32N:中立位置
50:第2油圧ポンプ
54:パイロットチェック弁(第2方向制御弁)
55:減圧弁
56:絞り(流量制御器)