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  • 特開-駆動モータモジュール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168575
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】駆動モータモジュール
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/24 20060101AFI20221031BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20221031BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20221031BHJP
【FI】
H02K5/24 A
H02K7/116
H02K11/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074127
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 彰文
(72)【発明者】
【氏名】横澤 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】山本 和志
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 大介
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭吾
【テーマコード(参考)】
5H605
5H607
5H611
【Fターム(参考)】
5H605AA04
5H605AA05
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC01
5H605CC02
5H605CC03
5H605DD01
5H605EA02
5H605EC20
5H607AA04
5H607BB01
5H607BB05
5H607CC01
5H607CC03
5H607CC09
5H607DD08
5H607EE31
5H607EE36
5H611BB04
5H611TT01
5H611TT02
5H611UA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ハウジングが共振するのを抑制する駆動モータモジュールを提供する。
【解決手段】駆動モータモジュール1は、モータと、モータと電気的に接続されるインバータと、モータのモータ軸と平行に延びるドライブシャフトに接続され、ドライブシャフトにモータからの動力を伝達するギヤと、モータを収納するモータ収納部61と、インバータを収納するインバータ収納部62と、ギヤを収納するギヤ収納部65とを有するハウジング6と、を備え、インバータ収納部は、ドライブシャフトから、その径方向に離間して配置され、ギヤ収納部は、ドライブシャフトの長手方向の一方側に配置されており、ハウジングは、インバータ収納部とギヤ収納部との間を繋ぐ少なくとも1つのリブ67を有することを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータと電気的に接続されるインバータと、
前記モータのモータ軸と平行に延びるドライブシャフトに接続され、該ドライブシャフトに前記モータからの動力を伝達するギヤと、
前記モータを収納するモータ収納部と、前記インバータを収納するインバータ収納部と、前記ギヤを収納するギヤ収納部とを有するハウジングと、を備え、
前記インバータ収納部は、前記ドライブシャフトから、その径方向に離間して配置され、
前記ギヤ収納部は、前記ドライブシャフトの長手方向の一方側に配置されており、
前記ハウジングは、前記インバータ収納部と前記ギヤ収納部との間を繋ぐ少なくとも1つのリブを有することを特徴とする駆動モータモジュール。
【請求項2】
前記モータ収納部は、筒状の壁部を有し、前記ドライブシャフトから、その径方向に離間して、前記インバータ収納部と異なる位置に配置され、
前記リブは、前記壁部の外周部から突出して設けられる請求項1に記載の駆動モータモジュール。
【請求項3】
前記リブは、前記ドライブシャフトの長手方向に対して傾斜して設けられる請求項1または請求項2に記載の駆動モータモジュール。
【請求項4】
前記インバータ収納部は、前記ギヤ収納部から離間する方向に向かって窪んだ第1凹部を有し、
前記リブは、前記第1凹部に繋がる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の駆動モータモジュール。
【請求項5】
前記ギヤ収納部は、前記インバータ収納部から離間する方向に向かって窪んだ第2凹部を有し、
前記リブは、前記第2凹部に繋がる請求項4に記載の駆動モータモジュール。
【請求項6】
前記リブは、第1凹部と第2凹部との間で、前記ドライブシャフトの長手方向に対して傾斜して設けられる請求項5に記載の駆動モータモジュール。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記インバータ収納部及び前記ギヤ収納部よりも剛性が高い高剛性部を有し、
前記リブは、前記高剛性部の近傍に設けられる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の駆動モータモジュール。
【請求項8】
前記リブは、板状をなす請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の駆動モータモジュール。
【請求項9】
前記リブは、間隔を置いて、複数設けられる請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の駆動モータモジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動モータモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
モータ自体の振動、または、モータから伝達される振動を抑制する振動抑制方法が従来から知られている。振動抑制方法には、例えば、以下の3つの方法がある。
1つ目の方法は、加振力を低減することにより、振動を抑制する方法である(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
2つ目の方法は、モータまたはモータの周辺部の剛性を高めることにより、振動を抑制する方法である(例えば特許文献3参照)。
3つ目の方法は、モータ(振動源)を支持する支持部の弾性により、振動を抑制する方法である(例えば特許文献4参照)。
【0003】
特許文献1に記載の発明では、ステータにおける2種類のティース(同相間ティースと異相間ティース)の電磁加振力が相殺し合って、ステータ全体に印加される加振力が低減する。これにより、モータの振動を抑制することができる。
特許文献2に記載の発明では、モータの電流を制御することにより、所定方向の振動成分を相殺して、モータ全体としての振動を抑制する。
特許文献3に記載の発明では、モータを収納するモータフレームのフランジ部に、補強リブを複数設ける。そして、複数の補強リブでモータフレームの剛性を高めることができる。これにより、モータからの振動がモータフレームに伝達されたとしても、モータフレームが共振するのを抑制することができる。
特許文献4に記載の発明では、振動源(エンジン)を支持する支持部が弾性を有する。そして、支持部でのばね剛性を高めることにより、振動源からの振動を減衰させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-166710号公報
【特許文献2】特開2005-57935号公報
【特許文献3】特開2004-96845号公報
【特許文献4】特開2013-23136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、モータは、モータに駆動電力を供給するインバータと共にハウジング内に収納されて、モジュール化(ユニット化)されることがある。
また、特許文献1~特許文献4の記載の発明は、いずれも、振動抑制が可能なものであるが、その振動を完全にゼロにすることはできない。そして、これらの発明をモジュール化した場合、振動がどうしてもハウジングに伝達されてしまうため、ハウジングが共振し、騒音を生じさせるおそれがある。
本発明の目的は、例えばモータ等からの振動によってハウジングが共振するのを抑制することができる駆動モータモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駆動モータモジュールの一つの態様は、モータと、モータと電気的に接続されるインバータと、モータのモータ軸と平行に延びるドライブシャフトに接続され、ドライブシャフトにモータからの動力を伝達するギヤと、モータを収納するモータ収納部と、インバータを収納するインバータ収納部と、ギヤを収納するギヤ収納部とを有するハウジングと、を備え、インバータ収納部は、ドライブシャフトから、その径方向に離間して配置され、ギヤ収納部は、ドライブシャフトの長手方向の一方側に配置されており、ハウジングは、インバータ収納部とギヤ収納部との間を繋ぐ少なくとも1つのリブを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えばモータ等からの振動によってハウジングが共振するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の駆動モータモジュールの実施形態を示す概略斜視図である。
図2図2は、図1中の矢印A方向から見た図(側面図)である。
図3図3は、図2に示すハウジングの概略側面図である。
図4図4は、図1中の矢印B方向から見た図(斜視図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の駆動モータモジュールを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
以下の説明では、駆動モータモジュールが水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、重力方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向(すなわち上下方向)を示し、+Z方向が上側(重力方向の反対側)であり、-Z方向が下側(重力方向)である。また、X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動モータモジュールが搭載される車両の前後方向を示す。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の幅方向(左右方向)を示す。
以下の説明において特に断りのない限り、モータのモータ軸に平行な方向(Y軸方向)を単に「軸方向」と呼び、モータ軸を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸を中心とする周方向、すなわち、モータ軸の軸周りを単に「周方向」と呼ぶことがある。本実施形態では、「軸方向一方側」は、Y軸方向の正の側であり、「軸方向他方側」は、Y軸方向の負の側である。
また、本明細書において、所定の方向(または平面)に「沿って延びる(設けられる)」とは、厳密に所定の方向に延びる場合に加えて、厳密な方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0010】
図1に示す駆動モータモジュール1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。すなわち、駆動モータモジュール1は駆動装置である。
駆動モータモジュール1は、モータ(メインモータ)20と、インバータ80と、差動装置60と、オイルポンプ30と、ハウジング6と、インバータカバー70と、ギヤカバー90と、を備える。また、駆動モータモジュール1は、その他に、減速装置(図示せず)等を備える。
【0011】
モータ20は、ハウジング6に収容(収納)される。モータ20は、水平方向に延びるモータ軸(軸)J2を中心として回転するロータと、ロータの径方向外側に位置するステータとを備える。本実施形態のモータ20は、インナーロータ型モータであり、図示略のバッテリからインバータ80を介してステータに交流電流が供給されることより、ロータが回転する。なお、本実施形態では、モータ軸J2は、Y軸方向に平行である。
また、モータ20の内部は、冷媒としてのオイルが循環する。これにより、モータ20を冷却することができる。なお、オイルの循環は、オイルポンプ30の作動によって行われる。オイルポンプ30としては、特に限定されず、例えば、内接ギヤタイプ、外接ギヤタイプのいずれもでもよい。
【0012】
モータ20のロータには、減速装置が接続される。減速装置は、モータ20の回転速度を減じて、モータ20から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる機能を有する。減速装置は、モータ20から出力されるトルクを差動装置60へ伝達する。
差動装置60は、減速装置を介してモータ20に接続される。差動装置60は、モータ20のモータ軸J2と平行に延びるドライブシャフト50に連結されるデファレンシャルギヤ(図示せず)を有する。そして、モータ20から出力されるトルク(動力)を、ドライブシャフト50を介して、車両の車輪に伝達することができる。また、差動装置60は、車両の旋回時に、左右の車輪の速度差を吸収しつつ、左右両輪に同トルクを伝える機能を有する。
インバータ80も、モータ20と同様に、ハウジング6に収容される。インバータ80は、モータ20と電気的に接続される。インバータ80は、モータ20に供給される電力を制御する制御素子を有する。制御素子は、例えばIGBTである。
【0013】
ハウジング6は、モータ20を収納するモータ収納部(モータハウジング)61と、インバータ80を収納するインバータ収納部(インバータハウジング)62と、差動装置60のギヤを収納するギヤ収納部(ギヤハウジング)65と、オイルポンプ30が取り付けられるオイルポンプ取付部64とを有する。
ハウジング6は、モータ収納部61、インバータ収納部62、ギヤ収納部65及びオイルポンプ取付部64が一体化された一体成型品である。なお、モータ収納部61、インバータ収納部62、ギヤ収納部65及びオイルポンプ取付部64は、それぞれ別体で構成され、当該別体同士が連結されて(固定されて)いてもよい。
【0014】
図1に示すように、モータ収納部61は、ドライブシャフト50から、その径方向に離間して配置されており、本実施形態では、ドライブシャフト50に対して、+X方向に離間して配置される。
インバータ収納部62も、ドライブシャフト50から、その径方向に離間して配置されており、本実施形態では、ドライブシャフト50に対して、+Z方向に離間して配置される。
【0015】
ギヤ収納部65は、ドライブシャフト50の中心軸J3上に位置し、モータ収納部61及びインバータ収納部62よりも+Y方向(中心軸J3の一方側)に配置される。
オイルポンプ取付部64は、モータ収納部61及びインバータ収納部62と同様に、ドライブシャフト50から、その径方向に離間して配置される。本実施形態では、オイルポンプ取付部64は、モータ収納部61の-Z方向に隣り合って配置される。
【0016】
モータ収納部61は、モータ20をモータ軸J2回りに囲む筒状の壁部611を有する。また、モータ収納部61は、壁部611を-Y方向から塞ぐ壁部612と、壁部611を+Y方向から塞ぐ壁部613と有する。そして、壁部611と、壁部612と、壁部613とで囲まれた空間にモータ20を収納することができる。
インバータ収納部62は、XY平面と平行な底部621と、底部621の縁部に沿って設けられた側壁部(壁部)622とを有する。そして、底部621と側壁部622とで囲まれた空間にインバータ80を収納することができる。
【0017】
また、インバータ収納部62には、インバータ80を覆うように、インバータカバー70が+Z方向から取付けられる。これにより、インバータ80を保護することができる。
ギヤ収納部65は、中心軸J3を中心とする漏斗状の壁部651を有する。そして、壁部651の内側に差動装置60のギヤを収納することができる。
また、ギヤ収納部65には、差動装置60のデファレンシャルギヤ(ギヤ)を覆うように、ギヤカバー90が+Y方向から取付けられる。これにより、デファレンシャルギヤを保護することができる。
【0018】
オイルポンプ取付部64は、中心軸J4がY軸方向(モータ軸J2)と平行な筒状の壁部641を有する。そして、壁部641の-Y方向にオイルポンプ30が取り付けられる。
【0019】
前述したように、駆動モータモジュール1には、モータ20が搭載されている。モータ20が作動すると、それに伴い振動も生じる。この振動は、ハウジング6に伝達される。そして、このときの振動数によっては、ハウジング6が共振する場合がある。なお、ハウジング6の中では、特にインバータ収納部62で共振が生じ易い。その理由の1つとしては、モータ収納部61側でインバータ収納部62が片持ち支持されたような状態であることが挙げられる。
【0020】
インバータ収納部62は、共振した際、例えば、上下方向に撓むように振動したり、ギヤ収納部65に対して接近、離間するように振動したりして、騒音を生じさせるおそれがある。また、騒音は、自動車の快適性を損ねると考えられる。
そこで、駆動モータモジュール1では、このような不具合(特にインバータ収納部62での共振)を解消するために、インバータ収納部62での共振を抑えるように構成している。以下、この構成及び作用について説明する。
なお、ハウジング6が共振する際の振動源は、モータ20に限定されない。
【0021】
図2図3に示すように、ハウジング6は、リブ67を有する。本実施形態では、リブ67は、3つ設けられているが、リブ67の数は、3つに限定されず、例えば、1つ、2つまたは4つ以上であってよい。また、以下では、3つのリブ67を+Y方向から-Y方向に向かって順に「リブ67A」、「リブ67B」、「リブ67C」と言うことがある。
【0022】
リブ67A~リブ67Cは、Y軸方向に間隔を置いて設けられており、リブ67Aがインバータ収納部62の側壁部622とギヤ収納部65の漏斗状の壁部651との間を繋ぎ、リブ67B及びリブ67Cがインバータ収納部62の底部621とギヤ収納部65の漏斗状の壁部651との間を繋ぐ。
【0023】
なお、各リブ67は、インバータ収納部62とギヤ収納部65とをできる限り最短距離で繋ぐ、すなわち、側面視で直線状に延びるのが好ましい。
また、図2図3に示すように、側面視で、リブ67A~リブ67Cは、ドライブシャフト50の中心軸J3、すなわち、ドライブシャフト50の長手方向に対して傾斜して設けられる。なお、各リブ67の中心軸J3に対する傾斜角度θ67は、同じであってもよいし、異なっていてもよい(図3参照)。
【0024】
前述したように、インバータ収納部62は、片持ち支持されたような状態にあるため、共振し易い。駆動モータモジュール1では、インバータ収納部62とギヤ収納部65との間を各リブ67で繋いで、インバータ収納部62を下方から補強することができる。これにより、ハウジング6の共振時に、インバータ収納部62が上下方向に撓むように振動したり、ギヤ収納部65に対して接近、離間するように振動したりする各種の振動を十分に抑制することができる。
【0025】
図4に示すように、各リブ67は、壁部611の外周部から板状に突出して設けられる。これにより、各リブ67でインバータ収納部62とギヤ収納部65との間をより強固に補強することができるとともに、モータ収納部61も補強することができる。これにより、ハウジング6の共振をさらに抑制することができる。
【0026】
なお、各リブ67の壁部611からの突出量は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、リブ67Cは、側面視でドライブシャフト50の中心軸J3と交差する位置関係にあるため、リブ67Cの突出量は、ドライブシャフト50と干渉しない程度とされる。
また、各リブ67が板状をなすことにより、リブ67自体の剛性を高めることができ、ハウジング6の共振抑制に寄与する。
【0027】
図2図3に示すように、インバータ収納部62の底部621は、ギヤ収納部65から離間する方向(矢印α)に向かって窪んだ第1凹部68を有する。本実施形態では、第1凹部68は、1つ設けられているが、第1凹部68の数は、1つに限定されず、例えば、2つ以上であってよい。
【0028】
ギヤ収納部65の壁部651は、インバータ収納部62から離間する方向(矢印β)に向かって窪んだ第2凹部69を有する。本実施形態では、第2凹部69は、2つ設けられているが、第2凹部69の数は、2つに限定されず、例えば、1つまたは3つ以上であってよい。また、以下では、2つの第2凹部69を+Y方向から-Y方向に向かって順に「第2凹部69A」、「第2凹部69B」と言うことがある。
第2凹部69Aと第2凹部69Bとは、Z軸方向にもズレて配置されており、第2凹部69Aが第2凹部69Bよりも+Z方向に位置する。
【0029】
第1凹部68には、リブ67Bが繋がる。これにより、リブ67Bとインバータ収納部62との繋がりが強固となる。
第2凹部69Aには、リブ67Aが繋がり、第2凹部69Bには、リブ67Bが繋がる。これにより、リブ67A及びリブ67Bとギヤ収納部65との繋がりが強固となる。
特に、リブ67Bは、第1凹部68と第2凹部69Bとに繋がっており、第1凹部68と第2凹部69Bとの間で中心軸J3に対して傾斜して設けられる。これにより、3つのリブ67の中で、中央に位置するリブ67Bが、最も振動抑制に寄与することができる。
【0030】
ハウジング6は、インバータ収納部62及びギヤ収納部65よりも剛性が高い高剛性部66を有する。本実施形態での高剛性部66としては、例えば、オイルポンプ取付部64の壁部641、モータ収納部61の壁部611に設けられた冷却液用配管部661等が挙げられる。冷却液用配管部661は、壁部611の外周部から-X方向に向かって管状に突出した部分であり、モータ20を冷却する冷媒が通過することができる。また、冷却液用配管部661は、インバータ収納部62の直下に配置される。
【0031】
リブ67Cは、各高剛性部66の近傍に設けられる。本実施形態では、リブ67Cは、下端部がオイルポンプ取付部64の壁部641とギヤ収納部65の壁部651との境界部に位置し、上端部がインバータ収納部62の底部621と冷却液用配管部661との境界部に位置する。これにより、リブ67C自体の剛性がさらに高まり、インバータ収納部62での振動抑制に寄与する。
【0032】
以上、本発明の駆動モータモジュールを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、駆動モータモジュールを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 駆動モータモジュール
6 ハウジング
61 モータ収納部(モータハウジング)
611 壁部
612 壁部
613 壁部
62 インバータ収納部(インバータハウジング)
621 底部
622 側壁部(壁部)
64 オイルポンプ取付部
641 壁部
65 ギヤ収納部(ギヤハウジング)
651 壁部
66 高剛性部
661 冷却液用配管部
67 リブ
67A リブ
67B リブ
67C リブ
68 第1凹部
69 第2凹部
69A 第2凹部
69B 第2凹部
20 モータ(メインモータ)
30 オイルポンプ
50 ドライブシャフト
60 差動装置
70 インバータカバー
80 インバータ
90 ギヤカバー
J2 モータ軸(軸)
J3 中心軸
J4 中心軸
α 矢印
β 矢印
θ67 傾斜角度

図1
図2
図3
図4