(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168577
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】情報提供装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20221031BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074129
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】山村 拓
(72)【発明者】
【氏名】柳 拓也
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129CC16
2F129EE38
2F129EE88
5H181AA24
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】より簡素な構成で、乗客の降車をスムーズに行うことができる。
【解決手段】情報提供装置1は、車両Cに設けられ、車両C内の人物に対して情報を提供するための情報提供装置1であって、乗客Aの降車場所に関する情報を取得する取得部2と、降車場所に関する情報を取得された乗客Aの車両C内における位置を検知する検知部3と、降車場所に関する情報と乗客Aの車両C内における位置とに基づいて、降車場所が接近したことを示す降車情報を乗客Aに提供する情報提供部4と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられ、前記車両内の人物に対して情報を提供するための情報提供装置であって、
前記人物の降車場所に関する情報を取得する取得部と、
前記降車場所に関する情報を取得した前記人物の前記車両内における位置を検知する検知部と、
前記降車場所に関する情報と前記人物の前記車両内における位置とに基づいて、前記降車場所が接近したことを示す降車情報を前記人物に提供する情報提供部と、を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記情報提供部は、指向性スピーカである請求項1記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記降車情報を提供された前記人物の降車を支援する降車支援部をさらに備える請求項1又は2記載の情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、乗客がバスに乗る場合に携帯電話に入力される行き先名、乗り場所名、発着予定時刻を含む乗降予定情報をセンタ装置が携帯電話から受信すると、DBを検索してバス停名、バス名を含む乗降案内情報を乗客に携帯電話で通知し、乗客がバスに乗り込むと、乗込み時案内情報を乗客に携帯電話で通知し、バスが行き先バス停に接近すると、接近案内情報を乗客に携帯電話で通知し、乗り物から下乗すると、下乗時案内情報を乗客に携帯電話で通知する乗降案内システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばバス等の公共交通機関では、乗客の降車をスムーズに行うことが望まれる。これに対して、上記特許文献1に記載されているように、バスが行き先バス停に接近すると、接近案内情報を乗客に携帯電話で通知し、目的地が近づいたことを乗客に前もって知らせることが考えられる。しかしながら、この場合には、例えば携帯電話を所持しない者に対して適用することができず、乗客が携帯する何らかの受信装置が別途必要となる。
【0005】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、より簡素な構成で、乗客の降車をスムーズに行うことができる情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報提供装置は、車両に設けられ、車両内の人物に対して情報を提供するための情報提供装置であって、人物の降車場所に関する情報を取得する取得部と、降車場所に関する情報を取得した人物の車両内における位置を検知する検知部と、降車場所に関する情報と人物の車両内における位置とに基づいて、降車場所が接近したことを示す降車情報を人物に提供する情報提供部と、を備える。
【0007】
本発明に係る情報提供装置は、車両に設けられた情報提供部により、降車場所に関する情報と人物の車両内における位置とに基づいて、降車場所が接近したことを人物に示すことができる。これにより、車両側の構成を用いて人物に向けて情報を提供することができる。したがって、より簡素な構成とすることができる。また、降車場所に関する情報を取得した人物の車両内における位置を検知すると共に、該人物に降車場所が接近したことを前もって知らせることができる。したがって、乗客が自分の車両内における位置を知らせるための動作を必要とすることなく、乗客の降車をスムーズに行うことができる。
【0008】
情報提供部は、指向性スピーカであってよい。この場合、指向性スピーカによって、特定の人物に対して選択的に情報を提供することができる。
【0009】
情報提供装置は、降車情報を提供された人物の降車を支援する降車支援部をさらに備えてもよい。この場合、降車情報を提供された人物の降車を支援することができる。したがって、乗客の降車をよりスムーズに行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より簡素な構成で、乗客の降車をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報提供装置を示す概略的な図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る情報提供装置を示す概略的なブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る情報提供装置の動作を示す概略的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係る情報提供装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1、2を参照して、本実施形態に係る情報提供装置1について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る情報提供装置1を示す概略的な図である。
図2は、本発明の実施形態に係る情報提供装置1を示す概略的なブロック図である。
【0014】
図1に示すように、情報提供装置1は、車両Cに設けられ、車両C内の人物に対して情報を提供する。車両Cは、例えばバス、電車等の公共交通機関に用いられる車両である。また、本実施形態において、人物とは、例えば車両Cの乗客A、又は運転手Bを含む。車両Cにおける前後方向の略中央には、乗車口Dが設けられている。乗客Aは、乗車口Dから車両Cに乗る。乗車口Dは、降車口(不図示)を兼ねてもよく、降車口とは別に設けられていてもよい。また、車両Cの前方には、運転手Bによって視認可能な位置にモニタMが配置されている。モニタMは、車両C内の情報を運転手Bに提供するものであってもよい。例えば、モニタMは、車両C内の映像を運転手Bに提供する。
【0015】
乗客Aは、車両Cを利用するに際し、料金の支払い等をIC(integrated circuit)カードによって行うことが可能である。
図1に示すように、情報提供装置1は、取得部2と、検知部3と、情報提供部4と、を有している。
【0016】
取得部2は、例えばICカードの読み取り装置である。本実施形態において、取得部2は、車両C内における乗車口Dの付近に配置されている。乗客Aは、車両Cへ乗車するに際し、取得部2へ自身のICカードを読み取らせる。これにより、取得部2は、乗客AのICカードのID(identification)に関する識別情報を取得する。また、取得部2は、識別情報に基づいて、乗客Aの降車場所に関する情報を取得する。より具体的には、取得部2は、サーバ等への照会を行うと共に、識別情報に紐づけられた降車場所に関する情報を取得する。
【0017】
ここで、降車場所に関する情報とは、乗客Aが降車する場所を示す情報である。本実施形態において、降車場所に関する情報は、乗客Aが降車を希望しているバス停を示す情報である。乗客Aは、例えば携帯電話等のアプリケーションを用いることにより、降車場所に関する情報を予め設定してもよい。また、乗客Aは、乗車する場所のバス停に設けられた端末等を利用することにより、降車場所に関する情報を予め設定してもよい。或いは、毎日の降車場所が決まっている場合には、乗客Aは、毎日の降車場所を降車情報に関する情報として予め設定してもよい。また、乗客Aは、降車場所に関する情報に加え、年齢及び性別に関する情報も予め設定してもよい。
【0018】
検知部3は、例えば乗客Aを認識すると共に撮像するカメラである。検知部3は、例えば車両C内における乗客Aの位置及び距離をセンシングするミリ波レーダであってもよい。また、検知部3は、マッチング処理等により、対象者の位置及び距離を特定してもよい。検知部3は、降車場所に関する情報を取得した乗客Aの車両C内における位置を検知する。検知部3は、取得部2によって降車場所に関する情報を取得されたタイミングで乗車口Dの付近に存在する乗客Aを、降車場所に関する情報を取得した乗客Aとして特定してもよい。
【0019】
本実施形態において、乗客Aが乗車してから降車するまで、検知部3は、乗客Aの位置を捕捉し続ける。これにより、仮に乗客Aが乗車中に座席を移動した場合でも、車両C内における乗客Aの位置を正確に検知できる。検知部3は、後述する降車情報を提供するタイミングで、車両C内の乗客Aの中から降車場所に関する情報を取得した乗客Aを特定してもよい。また、検知部3は、乗客Aがいずれの座席に座っているかを検知するものに限られず、乗客Aがいずれの位置に立っているかを検知するものでもよい。
【0020】
情報提供部4は、例えば指向性スピーカである。本実施形態において、情報提供部4は、車両Cの座席の上方に配置されている。情報提供部4は、座席のそれぞれの上方に位置する車両Cの天井に配置されている。本実施形態において、情報提供部4は、直下の座席に座っている乗客Aに向けて、音声による情報の提供が可能である。情報提供部4は、降車場所に関する情報と乗客Aの車両C内における位置とに基づいて、降車場所が接近したことを示す降車情報を乗客Aに提供する。
【0021】
情報提供部4は、降車情報を乗客Aに提供するための構成であればよい。したがって、情報提供部4は、例えば座席に配置されたランプであってもよい。この場合、情報提供部4は、ランプの明滅等によって乗客Aに降車情報を提供してもよい。また、情報提供部4は、例えばエアーコンディショナ(エアコン)等の空調設備であってもよい。この場合、情報提供部4は、エアコンの風量の増減等によって乗客Aに降車情報を提供してもよい。また、情報提供部4は、座席に設けられた制御装置であってもよい。この場合、情報提供部4は、座席を傾斜、振動等させることにより、乗客Aに降車情報を提供してもよい。このような情報提供部4は、例えば座席で居眠り等をしている乗客Aには特に有効である。また、情報提供部4は、乗客Aが所有する携帯電話等への通知を行うことにより、乗客Aに降車情報を提供してもよい。
【0022】
降車情報を提供する乗客Aが、音声を聞き取りにくい例えば老人等である場合、情報提供部4は、聞き取りやすい周波数を有する音によって降車情報を提供することが好ましい。また、降車すべき場所でも降車しない乗客Aがいる場合に、情報提供部4は、降車すべき場所であることを示す情報を該乗客Aに提供してもよい。ここで、「降車すべき場所」とは、乗客Aが予め設定した降車場所に関係なく、例えば終点に当たる駅、又はバス停等を言う。
【0023】
図2に示すように、情報提供装置1は、降車支援部5と、通信部6と、距離判定部7と、降車判定部8と、を更に備えている。また、情報提供装置1は、サーバ10と通信を行う。
【0024】
降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの降車を支援する。換言すると、降車支援部5は、乗客Aの降車をスムーズに行うための所定の制御を行う。降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの存在を示す情報を、該乗客Aと異なる車両C内の人物に提供する。より具体的には、降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの存在を示す情報を、降車情報を提供された乗客Aの周囲の乗客Aに提供する。
【0025】
降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの存在を示す情報を、車両Cの運転手Bに提供する。また、降車する乗客Aが車両Cの後部にいる場合に、降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの存在を示す情報を、運転手Bに提供することとしてもよい。この場合、運転手Bは、降車情報を提供された乗客Aの存在をより確実に知ることが可能となる。また、降車情報を提供された乗客Aが車両C内にいない場合に、降車支援部5は、車両Cを発車可能とする。換言すると、降車情報を提供された乗客Aの全員が降車するまで、降車支援部5は、車両Cの運行を開始できないように制御する。より具体的には、降車支援部5は、車両Cの制御を行う電子制御ユニット(ECU)であってもよい。降車支援部5は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。降車支援部5は、一つの電子制御ユニットにより構成されていてもよく、複数の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。
【0026】
本実施形態において、降車支援部5は、情報提供部4を構成する指向性スピーカと、モニタMと、を制御する。すなわち、車両C内の乗客Aに降車情報が提供された場合、降車支援部5は、情報提供部4を制御する。これにより、降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの存在を示す情報を、降車情報を提供された乗客Aの周囲の乗客Aに提供する。より具体的には、降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの周囲の乗客Aに対し、例えば降車口までの道を譲るように協力を求める旨の音声を発信する。また、例えばいわゆる2人掛け席の窓際に座っている乗客Aに対して降車情報が提供された場合、降車支援部5は、通路側に座っている乗客Aに対し、同様の音声を発信してもよい。
【0027】
通信部6は、サーバ10と通信を行う。本実施形態において、通信部6は、情報の送信及び受信の両方が可能である。通信部6は、サーバ10に識別情報を送信する。また、通信部6は、サーバ10から降車場所に関する情報を受信する。また、通信部6は、車両Cの現在位置に関する情報を含むGPS(Global Positioning System)データを受信してもよい。
【0028】
距離判定部7は、乗客Aの降車場所に接近したか否かを判定する。距離判定部7は、例えば通信部6を介してGPSデータを受信することにより、車両Cの位置を特定してもよい。これにより、距離判定部7は、乗客Aの降車場所(例えばバス停)に接近したか否かを判定できる。例えば、車両Cと降車場所との距離が所定値以下となったとき、距離判定部7は、乗客Aの降車場所に接近したと判定してもよい。また、距離判定部7は、所定の時間毎に該判定を行ってもよい。例えば、距離判定部7は、30秒毎に該判定を行ってもよい。
【0029】
降車判定部8は、降車情報を提供された乗客Aが降車したか否かを判定する。例えば、車両C内における乗客Aのうち、降車情報を提供された乗客Aを検知部3によって検知できなくなった場合に、降車判定部8は、降車情報を提供された乗客Aが降車したと判定してもよい。
【0030】
サーバ10は、通信部11と、取得部12と、を有している。サーバ10は、車両C内に設けられていてもよく、車両Cの外部に設けられていてもよい。通信部11は、識別情報を情報提供装置1の通信部6から取得する。取得部12は、降車場所に関する情報を取得する。より具体的には、取得部12は、識別情報に紐づけられた降車場所に関する情報を取得する。取得部12は、降車場所に関する情報に加え、年齢及び性別に関する情報も取得してよい。
【0031】
続いて、
図3を用いて、本実施形態に係る情報提供装置1の動作を説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る情報提供装置1の動作を示す概略的なフローチャートである。
【0032】
図3に示されるように、この情報提供装置1では、取得部2は、乗客AのICカードの識別情報を取得する(ステップS01)。続いて、情報提供装置1は、通信部6によって識別情報をサーバに送信する(ステップS02)。
【0033】
続いて、情報提供装置1は、降車場所に関する情報を通信部6を介して受信する(ステップS03)。続いて、情報提供装置1は、乗客Aを検知部3によって検知する(ステップS04)。より具体的には、検知部3は、降車情報に関する情報を取得した乗客Aを追跡することにより、乗客Aの位置を検知する。
【0034】
続いて、情報提供装置1は、乗客Aの降車場所に接近したか否かを距離判定部7によって判定する(ステップS05)。車両Cが降車場所に接近していない場合(ステップS05:No)、情報提供装置1は、再びステップS04を実行する。すなわち、情報提供装置1は、引き続き検知部3によって乗客Aの追跡を行う。車両Cが降車場所に接近している場合(ステップS05:Yes)、情報提供装置1は、ステップS06を実行する。
【0035】
ステップS06において、情報提供装置1は、情報提供部4によって降車情報を乗客Aに提供する。続いて、情報提供装置1は、降車情報を提供された乗客Aの周囲の乗客Aに報知する(ステップS07)。より具体的には、降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの存在を示す情報を、降車情報を提供された乗客Aの周囲の乗客Aに提供する。また、降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの存在を示す情報を、車両Cの運転手Bに提供してもよい。
【0036】
続いて、情報提供装置1は、降車情報を提供された乗客Aが降車したか否かを降車判定部8によって判定する(ステップS08)。降車情報を提供された乗客Aが複数である場合、降車情報を提供された乗客Aの全員が降車したことをもって、降車判定部8は、降車情報を提供された乗客Aが降車したと判定する。
【0037】
降車情報を提供された乗客Aが降車していない場合(ステップS08:No)、情報提供装置1は、運転手Bに報知する(ステップS09)。より具体的には、ステップS09において、降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの存在を示す情報を、車両Cの運転手Bに提供する。乗客Aの降車が完了していないことを示す情報を、降車支援部5は、モニタMに表示してもよい。降車情報を提供された乗客Aが降車した場合(ステップS08:Yes)、情報提供装置1は、車両Cの運行を開始する(ステップS10)。より具体的には、情報提供装置1は、降車支援部5によって車両Cの運行を開始できるように制御する。以上の動作の後、情報提供装置1は、動作を終了する。
【0038】
続いて、本発明の実施形態に係る情報提供装置1の作用効果について説明する。
【0039】
本発明の実施形態に係る情報提供装置1は、車両Cに設けられた情報提供部4により、降車場所に関する情報と乗客Aの車両C内における位置とに基づいて、降車場所が接近したことを乗客Aに示すことができる。これにより、車両C側の構成を用いて乗客Aに向けて情報を提供することができる。したがって、より簡素な構成とすることができる。また、降車場所に関する情報を取得した乗客Aの車両C内における位置を検知すると共に、該乗客Aに降車場所が接近したことを前もって知らせることができる。したがって、乗客Aが自分の車両C内における位置を知らせるための動作を必要とすることなく、乗客Aの降車をスムーズに行うことができる。
【0040】
情報提供部4は、指向性スピーカである。この場合、指向性スピーカによって、特定の乗客Aに対して選択的に情報を提供することができる。
【0041】
情報提供装置1は、降車情報を提供された乗客Aの降車を支援する降車支援部5をさらに備える。この場合、降車情報を提供された乗客Aの降車を支援することができる。したがって、乗客の降車をよりスムーズに行うことができる。
【0042】
さらに、本発明の実施形態に係る情報提供装置1では、降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの存在を示す情報を、該乗客Aと異なる車両C内の人物に提供する。より具体的には、降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの存在を示す情報を、車両Cの運転手Bに提供する。この場合、降車情報を提供された乗客Aのうち、降車していない乗客Aの存在を、車両Cの運転手Bに知らせることができる。これにより、運転手Bは、乗客Aの降車をスムーズに補助することが可能となる。したがって、乗客の降車をよりスムーズに行うことができる。
【0043】
また、降車支援部5は、降車情報を提供された乗客Aの存在を示す情報を、降車情報を提供された乗客Aの周囲の乗客Aに提供する。この場合、降車情報を提供された乗客Aのうち、降車していない乗客Aの存在を、該乗客Aの周囲の乗客Aに知らせることができる。これにより、乗客Aの降車に際し、周囲の乗客Aの協力を求めることができる。したがって、乗客の降車をよりスムーズに行うことができる。
【0044】
降車情報を提供された乗客Aが車両C内にいない場合に、降車支援部5は、車両Cを発車可能としてもよい。この場合、乗客Aの降車が完了したことを確認したうえで、車両Cを発車させることが可能となる。これにより、乗客の降車をスムーズに行うことができる。
【0045】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0046】
例えば、上述の実施形態では、乗客Aは、予め降車場所に関する情報をサーバ10に設定することにより、降車する乗客Aを特定する態様を例示した。しかしながら、例えば、バス等の降車ボタンを押した乗客Aを検知部3によって検知することにより、降車する乗客Aと、該乗客Aの降車場所を特定してもよい。この場合、検知部3は、取得部2を兼ねる。すなわち、検知部3は、降車ボタンを押したことにより車両Cが次に停車する降車場所を、乗客Aの降車場所として取得する。ただし、上述したような情報提供装置1によれば、乗客Aは、降車に際して降車ボタンを押す必要がなくなる。
【0047】
また、上述の実施形態では、距離判定部7及び降車判定部8は、所定の判定を行う態様を例示したが、該判定に用いられる方法、パラメータ、条件等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0048】
1…情報提供装置、2…取得部、3…検知部、4…情報提供部、5…降車支援部、A…乗客(人物)、B…運転手(人物)、C…車両。