(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168582
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】電子包袋管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/14 20190101AFI20221031BHJP
【FI】
G06F16/14 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074136
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】521181873
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】坂井 志郎
(72)【発明者】
【氏名】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】野澤 充
(57)【要約】
【課題】クライアントの画面上で、時系列に沿って、庁提出ファイル及び庁からのファイル等を見通しよく表示可能な電子包袋管理方法を提供する。
【解決手段】明細書ファイル及び図面ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知を受けるまでのステージであることを意味するステージ番号として「0」を付与し、拒絶理由通知書ファイル、補正書ファイル、及び意見書ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、該初回の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号として「1」を付与し、2回目の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、ステージ番号として「2」を付与する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントが共有するファイルがサーバに格納されたクライアントサーバシステムで実施され、前記サーバに、電子包袋を意味する第1階層フォルダを形成し、該第1階層フォルダ下にフォルダツリーを形成して特許出願に係わるファイルを格納し管理する電子包袋管理方法であって、
前記フォルダツリーの第2階層に、西暦2000年代の下二桁を先頭に付与した西暦フォルダを形成するステップと、
前記西暦フォルダ下の第3階層に、前記西暦の暦年内で発生される、前記特許出願に係わる一意の整理番号を付与した整理番号フォルダを形成するステップと、
前記整理番号フォルダ下の第4階層に、国名を意味する略称に原出願であることを意味する番号00が付与された国別フォルダを形成するステップと、
前記国別フォルダ直下に、明細書ファイル、図面ファイル、拒絶理由通知書ファイル、補正書ファイル、意見書ファイルを格納するステップと、を有し、
前記明細書ファイル及び前記図面ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知を受けるまでのステージであることを意味するステージ番号として0を付与し、
前記拒絶理由通知書ファイル、前記補正書ファイル、及び前記意見書ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、該初回の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号として1を付与し、2回目の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、該2回目の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号として2を付与する
電子包袋管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電子包袋管理方法において、
前記国別フォルダ下に、旧ファイルフォルダ及び顧客フォルダを形成するステップを有し、
前記旧ファイルフォルダには、特許庁に手続き前の原稿段階のファイルを格納し、前記顧客フォルダには、顧客から取得した発明提案書ファイルを格納する
電子包袋管理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の電子包袋管理方法において、
前記西暦フォルダは、前記下二桁が**であるとき、**Pと表現し、
前記整理番号フォルダは、顧客識別コードをアルファベットの二文字で&&とし、前記暦年内の出願推定数が9999以下である場合には、0001から始まる4桁の数字を####として、**P####&&と表現する
電子包袋管理方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子包袋管理方法において、
前記国別フォルダ内で、最新の原稿ファイルを作成する
電子包袋管理方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子包袋管理方法において、
前記拒絶理由通知に引例が示されている場合には、該引例を特定する特許文献ファイルの先頭に、前記拒絶理由通知に係わる前記ステージ番号を付与する
電子包袋管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クライアントが共有するファイルがサーバに格納されたクライアントサーバシステムで実施される電子包袋管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ある会社の知的財産管理部門に設置されたサーバがクライアントからの閲覧要求を受け付けると、業務工程順に包袋格納データをリストアップし、前記クライアントの画面に表示する電子包袋管理方法が開示されている(特許文献1の[0013]、[0021]、
図6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、弁理士等の事務所担当者は、パーソナルコンピュータ等のクライアント上で、明細書ファイル及び図面ファイル(明細書等ファイルという。)の作成並びに意見書ファイル及び補正書ファイル(意見書等ファイルという。)を作成する。
特許庁サーバから事務所通信サーバが、第n回目(例えば、第2回目)の拒絶理由通知書ファイルを受領したとする。
【0005】
このとき、事務所担当者は、該第n回目の拒絶理由通知書ファイルの他、出願当初の明細書等ファイル及び第n-1回目(この場合、初回)の拒絶理由に対して応答した意見書等ファイルを参照して、第n回目の拒絶理由通知に対する応答書ファイルである意見書等ファイルを作成する。
【0006】
しかしながら、従来、クライアントの画面上で、出願当初の明細書等ファイルから第n回目の拒絶理由通知書までの特許庁への提出ファイル(庁提出ファイルという。)を一つのフォルダ内で、ステージ(初回の拒絶理由通知を受けるまでのステージ、2回目の拒絶理由通知を受けるまでのステージ)毎に分かり易く表示することができなかった。
【0007】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、クライアントの画面上で、時系列に沿って、庁提出ファイル及び拒絶理由通知書ファイルを見通しよく表示させることの可能な電子包袋管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一態様は、クライアントが共有するファイルがサーバに格納されたクライアントサーバシステムで実施され、前記サーバに、電子包袋を意味する第1階層フォルダを形成し、該第1階層フォルダ下にフォルダツリーを形成して特許出願に係わるファイルを格納し管理する電子包袋管理方法であって、前記フォルダツリーの第2階層に、西暦2000年代の下二桁を先頭に付与した西暦フォルダを形成するステップと、前記西暦フォルダ下の第3階層に、前記西暦の暦年内で発生される、前記特許出願に係わる一意の整理番号を付与した整理番号フォルダを形成するステップと、前記整理番号フォルダ下の第4階層に、国名を意味する略称に原出願であることを意味する番号00が付与された国別フォルダを形成するステップと、前記国別フォルダ直下に、明細書ファイル、図面ファイル、拒絶理由通知書ファイル、補正書ファイル、意見書ファイルを格納するステップと、を有し、前記明細書ファイル及び前記図面ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知を受けるまでのステージであることを意味するステージ番号として0を付与し、前記拒絶理由通知書ファイル、前記補正書ファイル、及び前記意見書ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、該初回の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号として1を付与し、2回目の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、該2回目の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号として2を付与する。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、明細書ファイル及び図面ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知を受けるまでのステージであることを意味するステージ番号として0を付与し、拒絶理由通知書ファイル、補正書ファイル、及び意見書ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、該初回の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号として1を付与し、2回目の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、該2回目の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号として2を付与するようにした。
【0010】
このようにファイルツリーを形成することで、ファイルの名前が、アスキーコード順にソートされて表示されることから、クライアントサーバシステムを構成するクライアントの画面上で、ステージの時系列、すなわちステージ番号0、ステージ番号1、ステージ番号2の順に沿って、庁提出ファイル及び拒絶理由通知書ファイルを見通しよく表示させて管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、この実施形態に係る電子包袋管理方法が実施されるこの実施形態に係る電子包袋管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、電子包袋フォルダをルートフォルダとするフォルダツリーの構成例を示すツリー図である。
【
図3】
図3は、この実施形態に係る電子包袋管理方法を実施する電子包袋管理システムの利用動作説明に供されるフローチャートである。
【
図4】
図4は、出願依頼後に、明細書第1稿等を送付した状態のフォルダツリーの内容を示すツリー図である。
【
図5】
図5は、出願依頼後に、明細書第1稿等が顧客によりOKとされた状態のフォルダツリーの内容を示すツリー図である。
【
図6】
図6は、出願依頼後に、特許庁への出願が終了した状態のフォルダツリーの内容を示すツリー図である。
【
図7】
図7は、出願依頼後に、明細書第2稿等が顧客によりOKとされた状態のフォルダツリーの内容を示すツリー図である。
【
図8】
図8は、出願依頼後に、
図7の状態に対応して、特許庁への出願が終了した状態のフォルダツリーの内容を示すツリー図である。
【
図9】
図9は、最初の拒絶理由が発行された状態のフォルダツリーの内容を示すツリー図である。
【
図10】
図10は、最初の拒絶理由に対し、顧客と連携して特許庁への対応処理中の状態のフォルダツリーの内容を示すツリー図である。
【
図11】
図11は、変形例1に係るフォルダツリーの内容を示すツリー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明に係る電子包袋管理方法及び該電子包袋管理方法を実施する電子包袋管理システムについて実施形態を挙げ、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0013】
[構成]
図1は、この実施形態に係る電子包袋管理方法が実施されるこの実施形態に係る電子包袋管理システム10の構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
電子包袋管理システム10は、基本的には、内部(所内、社内等)のサーバ12と、該サーバ12から内部のネットワーク14を介してサービスの提供を受ける複数のクライアント(クライアントPC)16と、から構成される。
【0015】
サーバ12は、外部のネットワーク18を介して、外部サーバ20に接続される。外部サーバ20には、特許庁サーバ22、顧客サーバ24(24a、24b)、及び現地代理人サーバ26等が含まれる。
【0016】
特許庁サーバ22は、この実施形態では、日本国の特許庁(JP特許庁という。)のサーバであるが、欧州特許庁(EP特許庁という。)、米国特許商標庁(US特許庁という。)、中国特許庁(CN特許庁という。)等の外国特許庁サーバを含めてもよい。
【0017】
サーバ12には、外部のネットワーク18を介して外部サーバ20とデータを交換する通信サーバ30と、内部のネットワーク14を介してクライアント16とデータを共有するファイルサーバである電子包袋管理サーバ28と、が含まれる。
【0018】
この実施形態において、通信サーバ30は、特許庁サーバ22に対する電子出願機能の他、顧客サーバ24等とのメール及びデータを送受信するための電子メール機能を備える。
【0019】
電子包袋管理サーバ28には、フォルダツリーの第1階層のフォルダ(ルートフォルダ)として電子包袋フォルダ32が形成される。
【0020】
図2は、電子包袋フォルダ32をルートフォルダとするフォルダツリー50の構成例を示している。
図2中、「凡例」の下に記載しているように、実線の四角形はフォルダを意味し、破線の四角形はファイルを意味する。
【0021】
フォルダツリー50の第2階層に、西暦2000年代の下二桁を先頭に付与した西暦フォルダ18P(2018年を意味する。)、19P(2019年を意味する。)等が形成される。「P」は、特許出願を意味する。西暦フォルダ中の旧番号フォルダは、2017年以前の特許出願が格納されるフォルダである。図示していないが、2020年以降、西暦フォルダ20P、21P、…が形成される。
【0022】
前記西暦フォルダ下の第3階層に、該西暦の暦年内で発生される、前記特許出願に係わる一意の整理番号に係る整理番号フォルダ19P0001TJ等が形成される。4桁の数字は、0001から始まり9999まで発生順(依頼順)に付与される自然数である。
【0023】
「TJ」、「HS」は、顧客を一意に識別するアルファベットの26文字中、2文字からなる識別符号である。顧客が太郎自動車(Taro Jidosya)の場合には「TJ」、花子製作所(Hanako Seisakusyo)の場合には「HS」等の意味有りアルファベットが付与される。
整理番号フォルダ下の第4階層に、国名を意味する識別略称に原出願であることを意味する番号00が付与された国別フォルダJP00等が形成される。
国別フォルダは、国を一意に識別するアルファベットで2文字の識別符号である。
【0024】
JP特許庁に特許出願する場合にはJP00、CN特許庁に特許出願する場合にはCN00、EP特許庁に特許出願する場合にはEP00、US特許庁に特許出願する場合にはUS00等とする国別フォルダが形成される。
【0025】
なお、ダイレクト形式PCT出願の場合にはWR00とする、みなし国別フォルダが形成され、優先権主張を伴う国際出願の場合にはWW00とする、みなし国別フォルダが形成される。
【0026】
また、JP00中の「00」は、当該発明の最初の出願を意味する。2回目の出願が、国内優先権主張出願、又は分割出願の場合には、JP01、JP02等の国別フォルダがJP00の同一階層に付与される。
【0027】
前記国別フォルダ中、例としてのJP00フォルダ(国別フォルダJP00ともいう。)内に、0_明細ファイル、0_図面ファイル、0_願書ファイル、1_拒絶理由ファイル、1_補ファイル、1_意ファイル、2_拒絶理由等が格納される。ここで、「明細」は明細書、「補」は補正書、「意」は意見書を意味する。
先頭の0_は、初回の拒絶理由通知を受けるまでのステージであることを意味するステージ番号である。
先頭の1_は、初回の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号である。
先頭の2_は、2回目の最初の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号である。
【0028】
なお、図示はしないが、例えば、2_最後拒理として、2回目の拒絶理由通知が最後の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するようにしてもよい。
また、図示はしないが、例えば、2_拒査は、2回目の拒絶通知が拒絶査定通知に係わるステージ番号であることを意味する。
【0029】
さらに、国別フォルダJP00内には、顧客フォルダ34と、旧ファイルフォルダ36が形成される。
顧客フォルダ34には、顧客からの0_依頼書ファイル、0_提案書ファイル等、先頭にステージ番号が付与されて格納される。
【0030】
旧ファイルフォルダ36には、0_明細_第1稿ファイル(明細書第1稿ファイル)等が格納される。
なお、国別フォルダUS00等の外国フォルダには、顧客フォルダ及び旧ファイルフォルダの他に、現地代理人フォルダが形成される。
【0031】
[動作]
次に、基本的には以上のように構成されるこの実施形態に係る電子包袋管理方法が実施される電子包袋管理システム10の利用動作について、
図3に示すフローチャートに基づいて詳しく説明する。なお、フローチャートの利用動作主体は、電子包袋管理サーバ28である。
【0032】
ステップS1にて、電子包袋管理サーバ28は、通信サーバ30に、顧客サーバ24からの新規出願の依頼があるか否かを確認する。
【0033】
顧客サーバ24(ここでは、例として、顧客TJのサーバ(顧客(TJ)サーバ24a)とする。)からの新規出願の依頼に係る依頼書の送付があった(ステップS1:YES)場合には、ステップS2にて、電子包袋管理サーバ28は、西暦フォルダ(
図2参照)の有無を確認し、無い場合には、ステップS3にて西暦フォルダ、例えば、19Pフォルダを作成する。
【0034】
西暦フォルダが有る場合には、ステップS2aにて、前記西暦フォルダ下の第3階層に、前記西暦の暦年内で発生される、顧客毎の前記特許出願に係わる一意の管理番号である整理番号フォルダを作成する。整理番号フォルダは、依頼(1件の出願)毎に作成する。
【0035】
また、ステップS2aにて、前記整理番号フォルダ下の第4階層に、特許出願をしようとする国名を意味する略称にその国での最初の出願であることを意味する番号00を付与した国別フォルダを作成する。
【0036】
この場合、JP特許庁に特許出願する場合にはJP00、CN特許庁に特許出願する場合にはCN00、EP特許庁に特許出願する場合には、EP00、US特許庁に特許出願する場合には、US00等とする国別フォルダを形成する。
【0037】
なお、ダイレクト形式PCT出願の場合には、WR00とし、優先権主張を伴う国際出願の場合には、WW00として、国別フォルダと同一階層のフォルダで形成し、国別フォルダとみなして管理する。
【0038】
さらにステップS2aにて、国別フォルダ、ここでは、JP00フォルダ直下に、顧客フォルダ34と、旧ファイルフォルダ36とを形成し、該顧客フォルダ34内に、前記ステップS1にて受信した依頼書を、0_依頼書ファイルとして格納する。ステップS1にて、発明の提案書を受信している場合には、0_提案書ファイルとして格納する。
【0039】
「0_」は、上記したように、初回の拒絶理由通知をうけるまでのステージであることを意味するステージ番号である。
【0040】
次いで、ステップS4にて、弁理士等の事務所担当者は、クライアント16、すなわち、パーソナルコンピュータ上でアプリケーションソフトウェアを操作し、国別フォルダ内に、この場合、JP00フォルダ内に、初稿(第1稿)の明細書ファイルである0_明細_第1稿ファイルを作成すると共に、初稿(第1稿)の図面ファイルである0_図面_第1稿ファイル、及び初稿(第1稿)の願書ファイルである0_願書_第1稿ファイルを作成する。
【0041】
図4は、この実施形態で説明している、ステップS4の処理終了後のフォルダツリー50Aの構成例を示す。旧ファイルフォルダ36には、未だ何も格納されていない。
【0042】
次いで、ステップS5にて、原稿第1稿(0_明細_第1稿ファイル、0_図面_第1稿ファイル、0_願書_第1稿ファイル)が、電子包袋管理サーバ28から通信サーバ30、外部のネットワーク18を介して顧客(TJ)サーバ24aに送信される。
【0043】
次いで、ステップS6にて、サーバ12は、顧客TJから確認結果を受信したか否かを判定する。
【0044】
確認結果を受信した(ステップS6:YES)とき、0_第1回確認書ファイルとして顧客フォルダ34に格納する。
【0045】
確認結果の内容が、原稿第1稿(0_明細_第1稿ファイル、0_図面_第1稿ファイル、0_願書_第1稿ファイル)の全てについて、OKである(ステップS7:YES)出願指示であったものとすると、ステップS8にて、ファイル名が、0_明細_第1稿ファイル_OK、0_図面_第1稿ファイル_OK、0_願書_第1稿ファイル_OKと、末尾にOKが付けられたファイル名に書き換えられる。
【0046】
図5は、この時点でのフォルダツリー50Bの構成を示している。
【0047】
この場合、ステップS9にて、通信サーバ30により、0_明細_第1稿ファイル_OK、0_図面_第1稿ファイル_OK、0_願書_第1稿ファイル_OKに係る電子出願書類が作成され、特許庁サーバ22を介して特許庁に出願され、特許庁サーバ22から出願番号を受領する。なお、この実施形態では、出願と同時に審査請求がなされているものとする。
【0048】
ステップS10にて、電子包袋管理サーバ28は、電子包袋フォルダ32を更新する。
【0049】
図6は、この時点(出願と同時に審査請求がなされた時点)でのフォルダツリー50Cの構成を示している。
【0050】
JP00フォルダには、出願した明細書が0_明細ファイルとして、明細書に添付した図面が0_図面ファイルとして、願書が0_願書ファイルとして格納される。
【0051】
旧フォルダ(旧ファイルフォルダともいう。)36には、JP00フォルダで作成されていた0_明細_第1稿_OKファイル、0_図面_第1稿_OKファイル、及び0_願書_第1稿_OKファイルが移転されて格納される。
【0052】
一方、上記したステップS7にて、例えば、0_図面_第1稿ファイル及び0_願書_第1稿ファイルはOKであるが、0_明細_第1稿ファイルに修正指示が有る場合、ステップS7の判断が否定的(ステップS7:NO)となる。
この場合、再び、ステップS4にて、修正指示に基づいて、0_明細_第2稿ファイルが作成され、ステップS5にて、顧客サーバ24aに送信される。
【0053】
ステップS6にて、第2回目の確認結果を受信し、ステップS7にて、0_明細_第2稿ファイルがOKであることが確認されると、ステップS8にて、ファイル名が書き換えられる。
【0054】
図7は、この時点でのフォルダツリー50Dの構成を示している。
【0055】
この場合、ステップS9にて、通信サーバ30により、0_明細_第2稿ファイル_OK、0_図面_第1稿ファイル_OK、0_願書_第1稿ファイル_OKに係る電子出願書類が作成され、特許庁サーバ22に出願され、特許庁サーバ22から出願番号を受領する。なお、この実施形態では、出願と同時に審査請求がなされているものとする。
【0056】
ステップS10にて、電子包袋フォルダ32を更新する。
【0057】
図8は、この時点でのフォルダツリー50Eの構成を示している。
【0058】
JP00フォルダには、出願した明細書が0_明細ファイルとして、明細書に添付した図面が0_図面ファイルとして、願書が0_願書ファイルとして格納される。
【0059】
出願書類ファイル(0_明細ファイル、0_図面ファイル、0_願書ファイル)は、請求書と共に、顧客TJに送信される。
【0060】
旧ファイルフォルダ36には、0_明細_第1稿ファイル、0_明細_第2稿_OKファイル、0_図面_第1稿_OKファイル、及び0_願書_第1稿_OKファイルが格納される。
【0061】
特許出願及び審査請求の後、ステップS11にて、特許庁からの通知(拒絶理由通知、拒絶査定通知、又は特許査定通知等)があるか否かを確認する。
【0062】
特許査定通知がある場合、ステップS13にて、JP00フォルダ内に、1_特許査定ファイルを格納して、電子包袋フォルダ32の更新を終了する。
【0063】
特許査定ファイルは、請求書と共に顧客TJに送信される。
【0064】
その一方、ステップS11にて、拒絶理由通知又は拒絶査定通知がある場合、ステップS12にて、電子包袋フォルダ32を更新する。
【0065】
図9は、この時点でのフォルダツリー50Fの構成を示している。
【0066】
JP00フォルダには、第1回目の拒絶理由通知書が、1_拒絶理由ファイルとして格納されると共に、進歩性の拒絶理由に係る公開公報(JPA)である2つの引用文献が、主引例の1_引例1ファイル、副引例の2_引例2ファイルとして格納される。
なお、「1_引例1ファイル」中の「引例1」中の「1」は、実際には、丸付き数字としている。以下も同様である。
【0067】
この場合、ステップS4にて、1_拒絶理由ファイルの理由に対するコメントが、弁理士等の担当者により作成され、ステップS5にて、顧客(TJ)サーバ24aに送信される。
【0068】
ステップS6にて、顧客からの依頼書である拒絶理由に対する応答指示書(1_依頼書(指示書)ファイル)を受信した場合、ステップS7:NOとみなして、ステップS4にて、弁理士等の担当者により補正書及び意見書の第1稿ファイル(1_補_第1稿ファイル、1_意_第1稿ファイル)が作成され、ステップS5にて、顧客(TJ)サーバ24aに送信される。
【0069】
図10は、この時点でのフォルダツリー50Gの構成を示している。
【0070】
以降、説明が重複し煩雑となるので、以降の経過について、
図2を参照して簡単に説明すると、顧客からの1_第1回確認書(意_第1稿_修正指示)ファイルにより1_補_第1稿ファイルは、OKとされたが、1_意_第1稿ファイルに対しては、修正指示があり、1_意_第2稿ファイルに対して、1_第2回確認書ファイルにてOKとされる。
【0071】
そして、1_補_第1稿OKファイルと、2_意_第2稿_OKファイルにより特許庁サーバ22を介して特許庁への応答手続きがなされる。
【0072】
その後、2_引例1ファイルを引用文献とする第2回目の拒絶理由通知が発行され、2_拒絶理由ファイルが作成される。
【0073】
以下、同様に、特許庁への継続がなくなるまで、電子包袋フォルダ32の該当フォルダ、ファイルが更新される。
【0074】
なお、例えば、整理番号フォルダ19P0001TJの0_明細ファイルまでのフォルダツリー50は、
図2を参照すれば明らかなように、「電子包袋>19P>19P0001TJ>JP00>JP00(0_明細)」となる。
【0075】
上記実施形態は、以下のような態様も可能である。
【0076】
[変形例1]
図11は、変形例1に係るフォルダツリー50Hを示す。
【0077】
この変形例1では、
図2の実施形態に対して、出願後、最初の拒絶理由(1_拒絶理由ファイル)を受ける前に顧客より自発補正指示書(0_自発補正指示書ファイル)が送信され、それに対して、自発補正書(0_補_第1稿ファイル)と上申書(0_上申_第1稿ファイル)が作成される。
【0078】
これに対し第1回確認書[{0_第1回確認書(0_補OK、0_上申OK)}]によりOKされた後、特許庁に自発補正書(0_補ファイル)及び上申書(0_上申ファイル)が提出される。
【0079】
また、この変形例1では、最初の拒絶理由通知(1_拒絶理由)が発行されたときに、顧客から面談指示書(1_面談指示書ファイル)が送信され、それに対して、面談用の補正書案{1_面談(補正案)}が作成される。
【0080】
これに対し第1回確認書[{1_面談(補正案)OK}]によりOKされた後、特許庁に1_拒絶理由に対する補正書(1_補ファイル)及び意見書(1_意ファイル)が提出される。
【0081】
[変形例2]
上記した実施形態及び変形例1では、
図11等に示したように、ステージ番号として、「0_」、「1_」等、一桁の数字を付与しているが、これに限らず、例えば、顧客フォルダでは、最初の依頼書を受領した後に、修正(改良)された依頼書を受領する場合があることを考慮して、同一のステージ内で、「01_依頼書」「02_修正依頼書」等、二桁の数字を昇順で付与するようにしてもよい。この場合、各ファイルの先頭の十の位の数字がステージ番号に相当し、一の位の数字がイベント発生順の番号になる。このように、同一のステージ内でステージ番号を含めて二桁の数字(三桁以上の数字になってもよい。)を昇順で付与することで、画面の上から下に向かってファイルを時系列に並べることができる。
【0082】
同様に、
図11に示す例では、JP00フォルダで「0_明細、0_図面、0_願書、0_補、0_上申」と「0_…」としているが、例えば、同一のステージ(例ではステージ0)内で、「01_明細、02_図面、03_願書、04_補、05_上申」等、二桁の数字を昇順で付与してもよい。
【0083】
また、同様に、
図11に示す例のJP00フォルダのステージ1に、「1_拒絶理由、1_引例1JPA..、1_引例2JPA..、1_コメント、1_面談(補正案)、1_補、1_意」とあるのを、「11_拒絶理由、12_引例1JPA..、13_引例2JPA..、14_コメント、15_面談(補正案)、16_補、17_意」等、二桁の数字(三桁以上の数字になってもよい。)を昇順で付与してもよい。
【0084】
[実施形態及び変形例から把握し得る発明]
ここで、上記実施形態及び変形例から把握し得る発明について、以下に記載する。なお、理解の便宜のために構成要素には上記で(実施形態及び変形例で)用いた符号を付けているが、該構成要素は、その符号を付けたものに限定されない。
【0085】
この発明に係る電子包袋管理方法は、クライアント16が共有するデータがサーバ28に格納されたクライアントサーバシステムで実施され、前記サーバ28に、電子包袋を意味する第1階層フォルダを形成し、該第1階層フォルダ下にフォルダツリーを形成して特許出願に係わるファイルを格納し管理する電子包袋管理方法であって、前記フォルダツリーの第2階層に、西暦2000年代の下二桁を先頭に付与した西暦フォルダを形成するステップと、前記西暦フォルダ下の第3階層に、前記西暦の暦年内で発生される、前記特許出願に係わる一意の整理番号を付与した整理番号フォルダを形成するステップと、前記整理番号フォルダ下の第4階層に、国名を意味する略称に原出願であることを意味する番号00が付与された国別フォルダを形成するステップと、前記国別フォルダ直下に、明細書ファイル、図面ファイル、拒絶理由通知書ファイル、補正書ファイル、意見書ファイルを格納するステップと、を有し、前記明細書ファイル及び前記図面ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知を受けるまでのステージであることを意味するステージ番号として0を付与し、前記拒絶理由通知書ファイル、前記補正書ファイル、及び前記意見書ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、該初回の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号として1を付与し、2回目の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、該2回目の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号として2を付与する。
【0086】
この発明によれば、明細書ファイル及び図面ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知を受けるまでのステージであることを意味するステージ番号として0を付与し、拒絶理由通知書ファイル、補正書ファイル、及び意見書ファイルの各先頭には、初回の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、該初回の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号として1を付与し、2回目の拒絶理由通知に係わるファイルである場合、該2回目の拒絶理由通知に係わるステージであることを意味するステージ番号として2を付与するようにした。
【0087】
このようにフォルダツリー50を形成することで、ファイルの名前が、アスキーコード順にソートされて表示されることから、クライアントサーバシステムを構成するクライアント16の画面上で、ステージの時系列、すなわちステージ番号0、ステージ番号1、ステージ番号2の順に沿って、庁提出ファイル及び拒絶理由通知書ファイルを見通しよく表示させて管理することができる。
【0088】
この場合、前記国別フォルダ下に、旧ファイルフォルダ及び顧客フォルダを形成するステップを有し、前記旧ファイルフォルダには、特許庁に手続き前の原稿段階のファイルを格納し、前記顧客フォルダには、顧客から取得した発明提案書ファイルを格納するようにしてもよい。
【0089】
これによれば、国別フォルダ下の顧客フォルダ内の発明提案書ファイルを必要に応じて参照することで、明細書等ファイルの作成に資することができる。また、国別フォルダ下の旧ファイルフォルダ内に原稿段階のファイルが格納されるので、国別フォルダ直下に格納される庁提出ファイルと旧ファイルフォルダ内に格納される原稿段階のファイルを物理的に区分けすることができる。
【0090】
より具体的に、前記西暦フォルダは、前記下二桁が**であるとき、**Pと表現し、前記整理番号フォルダは、顧客識別コードをアルファベットの二文字で&&とし、前記暦年内の出願推定数が9999以下である場合には、0001から始まる4桁の数字を####として、**P####&&と表現することが好ましい。
【0091】
これによれば、前記国別フォルダ内で、最新の原稿ファイルを作成することができる。
【0092】
また、前記拒絶理由通知に引例が示されている場合には、該引例を特定する特許文献ファイルの先頭に、前記拒絶理由通知に係わる前記ステージ番号を付与するようにしてもよい。
【0093】
これによれば、拒絶理由通知に引例が示されている場合には、該引例を特定する特許文献ファイルの先頭に、前記拒絶理由通知に係わるステージ番号を付与するようにした。このため、意見書等ファイルの作成に資することができる。
【0094】
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0095】
10…電子包袋管理システム 12…サーバ
14…内部のネットワーク 16…クライアント
18…外部のネットワーク 20…外部サーバ
22…特許庁サーバ 24…顧客サーバ
26…現地代理人サーバ 28…電子包袋管理サーバ
30…通信サーバ 32…電子包袋フォルダ
34…顧客フォルダ 36…旧フォルダ(旧ファイルフォルダ)
50、50A-50F、50H…フォルダツリー