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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168602
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】格子フェンス
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20221031BHJP
【FI】
E04H17/16 102A
E04H17/16 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074178
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000180302
【氏名又は名称】四国化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂口 晃士
(72)【発明者】
【氏名】藤田 昌平
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142DD04
2E142DD09
2E142DD13
2E142DD23
2E142DD32
2E142HH03
2E142HH13
2E142HH22
2E142JJ06
2E142KK01
2E142LL01
2E142LL02
(57)【要約】
【課題】見栄えが良く、端部縦格子の取付け強度が高い格子フェンスを提供する。
【解決手段】横胴縁11,12と、横胴縁11,12に取付けられた縦格子13とを備える格子フェンス1であって、横胴縁11,12の一方または両方の端部に連結された端部横胴縁21,22と、端部横胴縁21,22に取付けられた端部縦格子23を備える。端部横胴縁21,22は、横胴縁11,12と同じ断面形状を有する。端部縦格子23は、横胴縁11,12に取付けられた縦格子13と同一寸法を有し、横胴縁11,12に連結された端部横胴縁21,22に、端部縦格子23を取付けることで、縦格子13と端部縦格子23の距離を十分に確保できるため、デザイン上連続性のある格子フェンスを構成でき、格子フェンスの見栄えが良くなる。また、端部縦格子23の取付け強度も高い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横胴縁と、該横胴縁に取付けられた縦格子とを備える格子フェンスであって、
前記横胴縁の一方または両方の端部に連結された端部横胴縁と、
該端部横胴縁に取付けられた端部縦格子を備える
ことを特徴とする格子フェンス。
【請求項2】
前記端部横胴縁は、前記横胴縁と同じ断面形状を有する
ことを特徴とする請求項1記載の格子フェンス。
【請求項3】
前記端部縦格子は、前記横胴縁に取付けられた前記縦格子と同一寸法を有する
ことを特徴とする請求項1または2記載の格子フェンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子フェンスに関する。さらに詳しくは、本発明は、敷地の境界等に設置される格子フェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
格子フェンスは上下に配置した複数本の横胴縁に複数本の縦格子を取付けて構成され、格子フェンス同士を連結可能とした建築材料であり、この格子フェンス同士を複数個連設したものがフェンス設備であって、敷地の境界などに設置される。
しかるに、従来の格子フェンスは、格子フェンス同士を連結できるようにするため、横胴縁の端部には縦格子が取付けられていない。そのため、フェンス設備両端の格子フェンスの端部は、横胴縁が飛び出して見えるため見栄えが悪かった。また、格子フェンスの端部に縦格子を取付けた場合、縦格子間の間隔が不揃いになり、見栄えが悪かった。
そこで、この問題を解決するため、特許文献1、2の従来技術が提案された。
【0003】
特許文献1のフェンス設備は、上下の横胴縁の間に複数本の縦格子を取付けた格子フェンスを用い、格子フェンス同士の上下の横胴縁を回動部を有する連結材により、角度自在に連結して設置されるものである。回動部は、垂直面での連結角度を変更できるものか、水平面での連結角度を変更できるものが用いられる。そして、連結部分において、縦格子の無い空間が広がると見栄えが悪いので、補助縦格子が上下の回動部の間に配置されている。そして、補助縦格子は、上端と下端をL字形金具により、上下の横胴縁に取付けられている。
【0004】
しかるに、この従来技術であると、補助縦格子の上下寸法が短くなるので、他の縦格子より低く見えるため、見栄えが良くない。しかも、補助縦格子の取付けに用いるL字形金具では、補助縦格子の取付け強度が充分ではなかった。
【0005】
特許文献2のフェンス設備は、上下の横胴縁の正面側に複数本の縦格子を取付けた格子フェンスを用い、格子フェンス同士の上下の横胴縁を回動部を有する連結材により、角度自在に連結して設置されるものである。回動部は、垂直面と水平面の連結角度を変更できるものが用いられる。そして、連結部分に位置する回動部を外から見えないようにするため、コーナー補助縦格子を連結部分に配置するように、横に延びる棒状の取付具を用いて隣接する縦格子に結合している。
【0006】
しかるに、この従来技術では、見栄えを良くするため回動部をコーナー補助縦格子の背面に配置しているが見る位置によっては、コーナー補助縦格子の背面に回動部が位置しないこともあり、見栄えが良いものとは云えない。また、コーナー補助縦格子は、棒状の取付具のみで隣接する縦格子に支持されているので、コーナー補助格子の取付け強度は充分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009-197516号公報
【特許文献2】特開2013-136870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、見栄えが良く、端部縦格子の取付け強度が高い格子フェンスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の格子フェンスは、横胴縁と、該横胴縁に取付けられた縦格子とを備える格子フェンスであって、前記横胴縁の一方または両方の端部に連結された端部横胴縁と、該端部横胴縁に取付けられた端部縦格子を備えることを特徴とする。
第2発明の格子フェンスは、第1発明において、前記端部横胴縁は、前記横胴縁と同じ断面形状を有することを特徴とする。
第3発明の格子フェンスは、第1または第2発明において、前記端部縦格子は、前記横胴縁に取付けられた前記縦格子と同一寸法を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1発明によれば、横胴縁に連結された端部横胴縁に端部縦格子を取付けることで、横胴縁の端部が飛び出さないため、格子フェンスの見栄えが良くなる。また、端部横胴縁を備えることで、縦格子と端部縦格子の距離を十分に確保できるため、デザイン上連続性のある格子フェンスを構成でき、格子フェンスの見栄えが良くなる。
第2発明によれば、端部横胴縁が、横胴縁と同じ断面形状を有するため、横胴縁と同じ押出形材から製造できる。また、端部横胴縁と横胴縁の連結に用いる連結部材を、格子フェンス同士を連結する際に用いる連結部材から製造できる。そのため、部品点数を少なくできるとともに、生産性も向上する。また、横胴縁と同じ断面形状の部材を端部横胴縁とするので、端部縦格子の取付け強度が高くなる。
第3発明によれば、端部縦格子が横胴縁に取付けられた縦格子と同一寸法であるため、デザインの統一性を表現でき見栄えが良くなる。また、部品点数を少なくできるとともに、生産性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る格子フェンスを用いたフェンス設備Aの説明図であって、(A)は正面図、(B)は平面図である。
図2図1のフェンス設備Aの説明図であって、(C)は背面図、(D)は図2(C)の右側面図である。
図3図1(B)図に示す格子フェンス1の上端部分におけるIII-III線矢視拡大断面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る格子フェンスを用いたフェンス設備Bの説明図であって、(A)は正面図、(B)は平面図である。
図5図4のフェンス設備Bの説明図であって、(C)は背面図、(D)は図5(C)の右側面図である。
図6図4(B)に示す格子フェンス1の上端部分におけるVI-VI線矢視拡大断面図である。
図7】本発明の第3実施形態に係る格子フェンスを用いたフェンス設備Cを傾斜地に設置した状態の説明図であって、(A)は背面図、(B)は平面図である。
図8図7のフェンス設備Cを出隅に設置した例を示す平面図である。
図9図7のフェンス設備Cを入隅に設置した例を示す平面図である。
図10】本発明の第4実施形態に係る格子フェンスを用いたフェンス設備Dを傾斜地に設置した状態の説明図であって、(A)は背面図、(B)は平面図である。
図11図10のフェンス設備Dを出隅に設置した例を示す平面図である。
図12図10のフェンス設備Dを入隅に設置した例を示す平面図である。
図13】本発明の第5実施形態に係るフェンス設備Eを出隅に設置した例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本明細書において、単に「フェンス」というときは、本発明に係る「格子フェンス」と本発明に含まれない一般的な格子フェンス(以下、「一般フェンス」という)を含む意味で使用する。「フェンス設備」とは、敷地の境界などに設置され、フェンスを複数個連設したものである。
また、単に「横胴縁」というときは、「上横胴縁11」と「下横胴縁12」を総称するものとする。さらに、単に「端部横胴縁」というときは、「上の端部横胴縁21」と「下の端部横胴縁22」を総称するものとする。
なお、本明細書において、正面図とはフェンス設備を敷地の外側から見た状態の図を意味し、背面図とは敷地の内側から見た状態の図を意味する。
【0013】
(第1実施形態)
図1図3に基づき、格子フェンス1およびフェンス設備Aを説明する。
第1実施形態のフェンス設備Aは、格子フェンス1と、一般フェンス3とを備える。
【0014】
図1および図2に示す一般フェンス3は、横胴縁である上横胴縁11と下横胴縁12を備えており、これらの正面側(敷地の外側から見える面)に複数本の縦格子13が等間隔で縦向きに取付けられている。また、上横胴縁11と下横胴縁12は支柱14の正面側に取付けられている。支柱14は地中に構成したコンクリート基礎15で固定されている。
なお、本発明(全実施形態)において、「横胴縁」とは、フェンスを構成する部材であり、複数本の縦格子を取付けた後に、設置面に対してほぼ水平になるように支柱に取付けられる。フェンスにおいて、横胴縁は、少なくとも上下に2つ使用され、フェンスの大きさに応じて3つ以上使用されることがある。
【0015】
第1実施形態の一般フェンス3においては、格子フェンス1または他の一般フェンス3と連結可能とするため、横胴縁の横方向の端部が最外端の縦格子13より外側(横方向の端)に位置している。具体的には、縦格子13間の横方向の長さの半分程度、横胴縁の横方向の端部が最外端の縦格子13より外側に位置している。
【0016】
本発明に係る格子フェンス1は、一般フェンス3の基本構成を有するとともに、つぎの構成が付加されている。
格子フェンス1の横胴縁である上横胴縁11と下横胴縁12の一端(図1(A)の右端)には、それぞれ端部横胴縁21,22が連結されており、端部横胴縁21,22には1本の端部縦格子23が縦向きに取付けられている。また、端部横胴縁21,22における横胴縁11、12が連結されていない側の端部には、樹脂キャップが取付けられている。なお、「端部横胴縁」は、横胴縁と同じ数だけ使用される。
【0017】
端部横胴縁21,22は、横胴縁11,12と同じ外観形状(横方向の長さを含まない外側から見た形状)であることが好ましく、同じ断面形状を有することがさらに好ましい。
また、端部横胴縁21,22および横胴縁11,12は、内部に空洞を有する構造であることがより好ましい。
端部横胴縁21,22および横胴縁11,12の材質としては、とくに限定されないが、アルミニウムやステンレスなどの金属や、樹脂などが挙げられる。加工性、耐候性、防食性など特性からは、アルミニウムの押出形材が好ましい。
【0018】
端部横胴縁21,22の横胴縁11,12への連結は、連結部材24を端部横胴縁21,22の内部と横胴縁11,12端部の内部に挿入し、ネジ25で螺合することにより行われる。連結部材24の形状は、端部横胴縁21,22と横胴縁11,12が連結できるものであればとくに限定されず、矩形状でかつ中空のものや、コ字状、L字状、板状のものが挙げられる。端部横胴縁21,22と横胴縁11,12の連結強度を高める観点からは、矩形状でかつ中空のものが好ましい。また、連結部材24は、アルミニウムやステンレスなどの金属の押出形材を使用することができ、アルミニウムの押出形材であることが好ましい。
端部縦格子23の端部横胴縁21,22への取付けは、縦格子13の横胴縁11,12への取付けと同様に、端部横胴縁21,22の背面側からネジで螺合することにより行われる。
【0019】
本実施形態においては、端部横胴縁21,22が、横胴縁11,12と同じ断面形状を有することで、横胴縁11,12と同じ押出形状から端部横胴縁21,22を製造できる。また、連結部材24を、一般フェンス3同士を連結する際に用いる連結部材から製造できる。そのため、部品点数を少なくできるとともに、生産性も向上する。
また、横胴縁11,12と同じ断面形状の部材を端部横胴縁21,22とするので、端部縦格子23の取付け強度が高くなる。さらに、横胴縁11,12と同じ外観形状または断面形状とすることで、端部横胴縁21,22が、横胴縁11,12と同じ外観となり、デザインの統一性を表現でき、格子フェンスの見栄えが良くなる。
【0020】
横胴縁11,12に取付けられる複数の縦格子13,13間の間隔は同じである。そして、端部横胴縁21,22には端部縦格子23が縦向きに1本取付けられる。端部縦格子23と隣接する縦格子13との間の間隔は、とくに制限はないが、複数の縦格子13,13間の間隔と同じか、近い間隔であることが好ましい。そうすることで、全ての格子(縦格子13と端部縦格子23を含む)間の間隔が揃った見栄えの良いフェンス設備Aを実現できる。
【0021】
端部横胴縁21,22の横方向の長さ(図1(A)の左右方向の長さ)は、とくに限定されず、端部縦格子23を取付けるに足る横方向の長さを有していればよく、概ね20~100mmであり、好ましくは50~80mmである。縦格子13,13間の間隔(横方向の長さ)の半分の長さに端部縦格子の横方向の長さを足した長さであることが、さらに好ましい。
【0022】
端部縦格子23は、横胴縁11,12に取付けられた縦格子13と同一寸法を有することが好ましい。ここでいう同一寸法とは、縦方向の長さ(図1(A)の上下方向の長さ)と、横方向の長さと、奥行方向の長さ(図1(B)の上下方向の長さ)が同じ寸法のものをいう。端部縦格子23が縦格子13と同一寸法であると、デザインの統一性を表現でき見栄えが良くなる。また、部品点数を少なくできるとともに、生産性も向上する。
【0023】
本実施形態の格子フェンス1によれば、横胴縁11,12に連結された端部横胴縁21,22に端部縦格子23が取付けられていることで、横胴縁11,12の端部が飛び出しているように見えないため、格子フェンス1の見栄えが良くなる。
【0024】
(第2実施形態)
図4図6に基づき、格子フェンス1およびフェンス設備Bを説明する。
第2実施形態のフェンス設備Bは、格子フェンス1と一般フェンス3とから構成されている。第2実施形態における、格子フェンス1と一般フェンス3は、縦格子13が上下の横胴縁11,12の間に取付けられた構成である点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その余の構成は、第1実施形態と同一であるため、同一または対応する部材には同一符号を付して説明する。
【0025】
本発明に係る格子フェンス1は、横胴縁である上横胴縁11と下横胴縁12の一端(図4(A)の右端)に、それぞれ端部横胴縁21,22が連結されており、上下の端部横胴縁21,22の間には1本の端部縦格子23が縦向きに取付けられている。
【0026】
第2実施形態のフェンス設備Bと格子フェンス1は、第1実施形態とは横胴縁11,12への縦格子13の取付け位置および端部横胴縁21,22への端部縦格子23の取付け位置が違うだけで、その他の構成は同じである。そのため、第1実施形態のフェンス設備Aおよび格子フェンス1が奏する効果は、第2実施形態のフェンス設備Bおよび格子フェンス1においても同様に奏するものである。
【0027】
(第3実施形態)
図7図9に基づきフェンス設備Cの構造を説明する。
第3実施形態のフェンス設備Cは、本発明の格子フェンス1と一般フェンス3、これに加えて連結材30とを備えている。
【0028】
図7は、フェンス設備Cにおいて、一般フェンス3を傾斜地に設置した状態における連結材30まわりを示している。図示の格子フェンス1は、第1実施形態の格子フェンス1において、端部横胴縁21,22に取付けた樹脂キャップの代わりに連結材30を取付けている。
なお、図7(A)はフェンス設備Cの上方部分のみ示しており、下方部分は示していないが、上方部分と同様の構造である。
【0029】
格子フェンス1の右横には一般フェンス3が隣接して設置されている。そして、格子フェンス1の端部横胴縁21,22と一般フェンス3の横胴縁11,12は、互いに連結材30によって連結されている。
連結材30は、一方の連結子31と他方の連結子32からなり、連結子31と連結子32の連結角度、連結子31と端部横胴縁21,22の連結角度、連結子32と横胴縁11,12の連結角度をそれぞれ変更可能に構成されている。つまり、連結材30は、垂直面内と水平面内の連結角度を変更可能とする部材である。
【0030】
図7に示すフェンス設備Cは、垂直面内で角度を変更したものであり、一般フェンス3を傾斜させて、格子フェンス1に連結したものである。つまり、図7は格子フェンス1を平坦地に設置し、一般フェンス3を傾斜地に設置した例である。
【0031】
つぎに、フェンス設備Cを平坦地に設置した例を説明する。
図8は、フェンス設備Cを一直線に設置した例(実線図示)、および出隅に設置した例(点線図示)を示している。
格子フェンス1と一般フェンス3を、連結材30を用いて一直線に連結すれば、敷地の直線部分に設置できる。
格子フェンス1と一般フェンス3を連結する連結材30は、図7と同じであり、水平面内においても連結角度を変更できる。
【0032】
一般フェンス3を実線位置から点線位置まで矢印Z方向に回動した位置で、格子フェンス1と連結させると、出隅形状の敷地にフェンス設備Cを設置できる。連結材30は水平面内の連結角度を変更できるので、格子フェンス1と一般フェンス3との連結角度はある程度自由に設定できる。また、連結材30の直近に端部縦格子23が配置されるため、連結材30が目立つことなく連続性のある見栄えの良いフェンス設備とすることができる。
【0033】
図9は、フェンス設備Cを入隅に設置した例(点線図示)を示している。
一般フェンス3を実線位置から点線位置まで矢印方向Yに回動した位置で、格子フェンス1と連結させると、入隅形状の敷地にフェンス設備Cを設置できる。連結材30は水平面内の連結角度を変更できるので、格子フェンス1と一般フェンス3との連結角度はある程度自由に設定できる。
【0034】
上記のように、フェンス設備Cでは、格子フェンス1と一般フェンス3を連結材30により任意の角度で連結することで、敷地の形に応じたフェンス設備を構築できる。
【0035】
(第4実施形態)
図10図12に基づきフェンス設備Dの構造を説明する。
第4実施形態のフェンス設備Dは、隣接する本発明の格子フェンス1,2の端部横胴縁21,22同士を連結材30で連結した構成である。格子フェンス2は、格子フェンス1と同様に、横胴縁11,12の一端(図中左端)に端部横胴縁21,22が連結され、端部横胴縁21,22の正面側には1本の端部縦格子23が縦向きに取付けられている。その他の構成は第3実施形態と同様である。
【0036】
図10は、フェンス設備Dにおいて、格子フェンス2を傾斜地に設置した状態におけるフェンス設備Dの連結材30まわりを示している。
なお、図10(A)はフェンス設備Dの上方部分のみ示しており、下方部分は示していないが、上方部分と同様の構造である。
【0037】
図10に示す連結材30は、第3実施形態のものと同じものである。
また、図10に示すフェンス設備Dは、垂直面内で角度を変更したものであり、格子フェンス2を傾斜させて、格子フェンス1に連結したものである。つまり、図10は格子フェンス1を平坦地に設置し、格子フェンス2を傾斜地に設置した例である。
【0038】
つぎに、フェンス設備Dを平坦地に設置した例を説明する。
図11は、フェンス設備Dを一直線に設置した例(実線図示)、および出隅に設置した例(点線図示)を示している。
格子フェンス1と格子フェンス2を、連結材30を用いて一直線に連結すれば、敷地の直線部分に設置できる。
格子フェンス1と格子フェンス2を連結する連結材30は、図10と同じであり、水平面内においても連結角度を変更できる。
【0039】
格子フェンス2を実線位置から点線位置まで矢印Z方向に回動した位置で、格子フェンス1と連結させると、格子フェンス1と格子フェンス2とで出隅形状の敷地にフェンス設備Dを設置できる。連結材30は水平面内の連結角度を変更できるので、格子フェンス1と格子フェンス2との連結角度はある程度自由に設定できる。また、連結材30の直近に端部縦格子23が配置されるため、連結材30が目立つことなく連続性のある見栄えの良いフェンス設備とすることができる。
【0040】
図12は、フェンス設備Dを入隅に設置した例(点線図示)を示している。
格子フェンス2を実線位置から点線位置まで矢印Y方向に回動した位置で、格子フェンス1と連結させると、入隅形状の敷地にフェンスDを設置できる。連結材30は水平面内の連結角度を変更できるので、格子フェンス1と格子フェンス2との連結角度をある程度自由に設定できる。
【0041】
(第5実施形態)
図13に基づきフェンス設備Eの構造を説明する。
フェンス設備Eは、格子フェンス1と一般フェンス3を連結材30で連結せずに、単に突き合せ状態で、出隅に設置したものである。
この場合でも出隅形状の敷地に合わせて、格子フェンス1と一般フェンス3を突き合せて設置すれば、出隅にフェンス設備Dを設置できる。
また、図示していないが、フェンス設備Eにおいて、一般フェンス3の代わりに本発明の格子フェンス2を使用してもよい。
さらに、突き合せて設置する角度を調整すれば、入隅形状の敷地にも対応することができる。
【0042】
上記フェンス設備A~Eにおいて用いた格子フェンス1,2は、横胴縁11,12に連結された端部横胴縁21,22に、端部縦格子23を取付けることで、縦格子13と端部縦格子23の距離を十分に確保し、かつ間隔を揃えることができる。このため、本発明のフェンス設備A~Eではデザイン上連続性のあるフェンスとなり見栄えが良くなる。
【0043】
(他の実施形態)
上記に第1~第5実施形態を説明したが、これら以外の実施態様であっても、本発明の必須要件を使うものは本発明に含まれる。
前記各実施形態のフェンスにおいて、横胴縁を上下に2本用いた例を示しているが、フェンスの大きさに応じてフェンス強度を高めるため、横胴縁を3本以上用いたものも本発明に含まれる。なお、フェンスの強度を高めるために横胴縁を3本以上用いる場合は、横胴縁と同じ数の端部横胴縁を用いる。
【0044】
前記各実施形態のフェンス設備において、フェンスを支柱の正面側(敷地の外側から見える面)に取付けた例を示しているが、フェンスを支柱の背面側(敷地の内側から見える面)に取付けたものも、本発明に含まれる。
前記各実施形態のフェンス設備では、フェンスを2個用いたものを例示しているが、フェンスを3個以上連設したものも本発明に含まれる。
本発明における端部横胴縁21,22と端部縦格子23は、横胴縁11,12の一端に取付けたものに限られず、横胴縁11,12の両端に端部横胴縁21,22と端部縦格子23を取付けたものも本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、フェンス同士が連結可能であり、かつ、支柱の正面側または背面側にフェンスが取付けられる自由柱式のフェンス設備であれば、上記各実施形態以外の様々なフェンス設備に適用される。ただし、フェンスが支柱で区切られて設置される間仕切柱式のフェンス設備には適用されない。
本発明のフェンス設備は、敷地の境界以外にも、間仕切り、室外機の目隠しなどに利用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 格子フェンス
2 格子フェンス
3 一般フェンス
11 上横胴縁
12 下横胴縁
13 縦格子
14 支柱
21 上の端部横胴縁
22 下の端部横胴縁
23 端部縦格子
24 連結部材
30 連結材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13