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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168603
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20221031BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221031BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20221031BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
B41J29/38 350
G03G21/00 512
G03G21/00 386
B41J29/38 401
B41J29/42 F
H04N1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074189
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】宮地 光
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ34
2C061CQ41
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK23
2C061HN15
2H270KA59
2H270KA62
2H270LA82
2H270LA83
2H270NC01
2H270NC02
2H270NC07
2H270NC10
2H270NC12
2H270NC14
2H270NC23
2H270NC25
2H270NC26
2H270ND13
2H270ND16
2H270ND18
2H270ND25
2H270NE10
2H270NE17
2H270RA04
2H270RB01
2H270RC05
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC34
5C062AC42
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF02
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】
メンテナンスに関する情報を通知するか否かの判断を行なうための構成を別途設けることなく、メンテナンスに関する情報を適切に通知する。
【解決手段】
制御部10は、ユーザーの指示にしたがって、画像形成についての調整処理を実行する。制御部10は、調整処理の実行回数が、調整処理に応じて予め定められた許容回数以上である場合、調整処理に応じて予め定められたメンテナンスに関する通知情報を通知するための第1及び第2通知処理を実行し、調整処理の実行回数が予め定められた許容回数未満である場合、第1及び第2通知処理を実行しない。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を記録媒体に形成する画像形成部と、
ユーザーの指示にしたがって、画像形成についての調整処理を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記調整処理の実行回数が、前記調整処理に応じて予め定められた許容回数以上である場合、前記調整処理に応じて予め定められたメンテナンスに関する通知情報を通知するための通知処理を実行し、前記調整処理の実行回数が前記予め定められた許容回数未満である場合、前記通知処理を実行しない、画像形成装置。
【請求項2】
表示部を更に備え、
前記制御部は、前記通知処理として、前記予め定められた通知情報を前記表示部に表示させる処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ネットワークを介して外部装置と通信を行なう通信部と、予め定められた送信先を記憶する記憶部と、をさらに備え
前記制御部は、前記通知処理として、前記通信部を介して、前記予め定められた通知情報を示す電子メールを、前記予め定められた送信先に送信する処理を実行する、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記調整処理として、前記画像形成部に対して、ドラムリフレッシュ処理、階調調整処理、及びキャリブレーション処理のうちの少なくともいずれか一つを実行させる、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、メンテナンスに関する情報を通知するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
メンテナンスに関する情報を通知する技術が知られている。例えば、特許文献1は、転写アラーム又はパッチ検異常アラーム等の異常関連アラートが発生した場合に、メンテナンス依頼をサーバーに通知する技術を開示している。特許文献2は、通常印刷時に形成された画像から画像不良を検知し、画像不良の発生回数が予め定められた許容回数を超えている場合に、メンテナンスの実施を促す情報を通知する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-145073号公報
【特許文献2】特開2019-177525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、メンテナンスに関する情報を通知するか否かの判断を行なうために、異常を検知するためのセンサー又はカメラ等の構成を別途設ける必要があり、コストがかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、メンテナンスに関する情報を通知するか否かの判断を行なうための構成を別途設けることなく、メンテナンスに関する情報を適切に通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、画像を記録媒体に形成する画像形成部と、ユーザーの指示にしたがって、画像形成についての調整処理を実行する制御部と、を備える。制御部は、調整処理の実行回数が、調整処理に応じて予め定められた許容回数以上である場合、調整処理に応じて予め定められたメンテナンスに関する情報を通知するための通知処理を実行し、調整処理の実行回数が予め定められた許容回数未満である場合、通知処理を実行しない。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザーの指示にしたがって実行される調整処理の実行回数に基づいてメンテナンスに関する情報を通知するか否かを判断するので、上記判断を行なうための構成を別途設けることなく、メンテナンスに関する情報を適切に通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
図2】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】調整処理毎に設定された許容回数及び通知情報の一例を示す図である。
図4】情報通知処理を示すフローチャートである。
図5】通知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。図2は、画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。図3は、調整処理毎に設定された許容回数及び通知情報の一例を示す図である。
【0010】
図1及び図2を参照して、画像形成装置1は、コピー機能、送信機能、プリンター機能、及びファクシミリ機能等の複数の機能を備えるカラー複合機である。画像形成装置1の筐体には、画像形成装置1の様々な機能を実現するための複数の機器が収容されている。例えば、筐体には、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、及び給紙部14等が収容されている。
【0011】
画像形成装置1は、制御ユニット100を含む。制御ユニット100は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。
【0012】
制御ユニット100は、ROM又はHDD(Hard Disk Drive)18に記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、制御部10として機能する。なお、制御部10は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、ロジック回路により構成されてもよい。
【0013】
制御部10は、画像形成装置1の全体制御を司る。より詳細には、制御部10は、画像形成装置1の各部の動作、及び、ネットワークを介して接続されているPC(Personal Computer)23等との通信を制御する。例えば、制御部10は、操作部16を介して入力されるユーザーの指示にしたがって、画像形成についての調整処理を実行する。
【0014】
調整処理としては当該分野において一般的に使用されている処理であれば特に限定されないが、ここでは、制御部10は、調整処理として、記録紙に形成された画像に発生する帯状の汚れ若しくは白点を改善するためのドラムリフレッシュ処理、原稿と形成された画像との色合いのずれを補正するための階調調整処理、又は、形成された画像の色濃度を補正するためのキャリブレーション処理を実行するものとする。
【0015】
制御部10はまた、後述する通知プログラムにしたがって動作することによって、調整処理の実行回数が、調整処理に応じて予め定められた許容回数以上である場合、調整処理に応じて予め定められたメンテナンスに関する通知情報を通知するための通知処理を実行し、調整処理の実行回数が予め定められた許容回数未満である場合、上記通知処理を実行しない情報通知処理を実行する。
【0016】
制御ユニット100は、原稿搬送部6、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、給紙部14、表示部15、操作部16、搬送部17、HDD18、画像処理部19、画像メモリー20、ファクシミリ通信部21、及び通信部22等と電気的に接続されている。
【0017】
画像読取部11は、原稿台に載置されている原稿を搬送する原稿搬送部6と、原稿搬送部6によって搬送されてくる原稿又はプラテンガラス7に載置されている原稿を光学的に読み取るスキャナーと、を含むADF(Auto Document Feeder)である。画像読取部11は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCD(Charge-Coupled Device)センサーで受光することによって、原稿を読取って、原稿画像を示す画像データを生成する。
【0018】
画像形成部12は、ブラック用の画像形成ユニット120B、イエロー用の画像形成ユニット120Y、シアン用の画像形成ユニット120C、及びマゼンタ用の画像形成ユニット120Mと、中間転写ベルト122と、二次転写ローラー124と、を含む。以下、画像形成ユニット120B,120Y,120C,120Mを総称する場合、単に、「画像形成ユニット120」と記す。画像形成ユニット120は、現像装置、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、一次転写ローラー、及びクリーニングブレード等を備える。
【0019】
画像形成ユニット120B,120Y,120C,120Mはそれぞれ、画像読取部11によって生成された画像データ又は通信部22を介して入力された画像データ等に基づいて、各色の現像装置から供給されるトナーを用いて各色のトナー像を形成し、形成された各色のトナー像を一次転写ローラーにより中間転写ベルト122の表面に重ね合わせるように転写する。二次転写ローラー124は、中間転写ベルト122の表面に形成されたカラーのトナー像を、搬送部17によって搬送路Tに沿って搬送されてくる記録紙Pに転写する。
【0020】
定着部13は、画像形成部12によってトナー像が形成された記録紙Pを加熱及び加圧することによってトナー像を記録紙Pに定着させる。定着部13によってトナー像が定着された記録紙Pは、排出トレイ8に排出される。
【0021】
給紙部14は、手差しトレイ、及び複数の給紙カセットを備える。給紙部14は、複数の給紙カセットのいずれかに収容されている記録紙P、又は手差しトレイに載置されている記録紙をピックアップローラーによって一枚ずつ引出して、搬送路Tに給紙する。
【0022】
表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイ等によって構成されている表示装置である。表示部15は、制御部10の制御にしたがって、画像形成装置1によって実行可能な各機能についての各種の画面を表示領域に表示する。
【0023】
操作部16は、各処理の実行開始を指示するためのスタートキー等の複数のハードキーを含む。操作部16はまた、表示部15の表示領域に重ねて配置されるタッチパネル16Aを含む。ユーザーは、操作部16を用いて、画像形成装置1によって実行可能な各機能についての指示等の各種の情報を入力する。
【0024】
搬送部17は、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と接続されている搬送モーターとを含む。制御部10は、搬送モーターを駆動させて搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等を回転させることによって、画像形成部12及び排出トレイ8に向けて、給紙部14によって給紙された記録紙Pを搬送路Tに沿って搬送させる。
【0025】
HDD18は、画像読取部11によって生成された画像データ等の各種データを記憶するための大容量の記憶装置である。HDD18は、画像形成装置1の一般的な動作を実現するための各種制御プログラムを記憶する。HDD18は、各種制御プログラムの1つとして、本発明の一実施形態に係る情報通知処理を実行するための通知プログラムを記憶している。
【0026】
HDD18は、制御部10によって実行された調整処理の実行回数を記憶する。ここでは、HDD18は、調整処理の実行回数として、ドラムリフレッシュ処理の実行回数、階調調整処理の実行回数、及び、キャリブレーション処理の実行回数を記憶しているものとする。
【0027】
HDD18は、調整処理に応じて予め定められた許容回数を記憶する。ここでは、HDD18は、図3に示すように、ドラムリフレッシュ処理について予め定められた許容回数(以下、「第1許容回数」と記す。)として「50」を記憶し、階調調整処理について予め定められた許容回数(以下、「第2許容回数」と記す。)として「40」を記憶し、キャリブレーション処理について予め定められた許容回数(以下、「第3許容回数」と記す。)として「30」を記憶しているものとする。制御部10は、タッチパネル16Aを介して入力されたユーザーの指示にしたがって、これらの許容回数を設定する。
【0028】
HDD18は、調整処理に応じて予め定められたメンテナンスに関する情報を、通知情報として記憶する。ここでは、HDD18は、図3に示すように、ドラムリフレッシュ処理について予め定められた通知情報(以下、「第1通知情報」と記す。)と、階調調整処理について予め定められた通知情報(以下、「第2通知情報」と記す。)と、キャリブレーション処理について予め定められた通知情報(以下、「第3通知情報」と記す。)と、を記憶しているものとする。
【0029】
制御部10は、タッチパネル16Aを介して入力されたユーザーの指示にしたがって、これらの通知情報を設定する。通知情報としては特に限定されないが、例えば、HDD18は、通知情報として、調整処理が予め定められた許容回数以上実施されたこと、調整処理の実行回数、及び、不具合の内容を示すメッセージを記憶している。
【0030】
HDD18は、メンテナンスに関する情報の送信先として予め定められた電子メールアドレスを記憶する。ここでは、HDD18は、サービスマンを送信先として示す電子メールアドレスを記憶しているものとする。また、サービスマンは所有するPC23にて、電子メールを受け取ることができるものとする。
【0031】
画像処理部19は、画像読取部11によって生成された画像データに対して、必要に応じて画像処理を実行する。画像メモリー20は、画像読取部11によって生成された画像データを一時的に記憶する。ファクシミリ通信部21は、公衆回線への接続を行ない、公衆回線を介して画像データの送受信を行なう。
【0032】
通信部22は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールを含む。制御部10は、通信部22を介して、ネットワークを介して接続されているPC23等の外部装置とデータ通信を行なう。
【0033】
画像形成装置1の各部には電源が接続されており、当該電源から電力が供給されることによって、画像形成装置1の各部が動作する。
【0034】
[画像形成装置1の動作]
図4は、情報通知処理を示すフローチャートである。図5は、通知画面の一例を示す図である。以下、図3乃至図5等を参照して、情報通知処理の実行時における画像形成装置1の動作について説明する。なお、以下の説明において、画像形成装置1は、電源が投入されている状態であるものとする。また、HDD18は、ドラムリフレッシュ処理の実行回数として「48」を記憶しているものとする。
【0035】
ここで、制御部10は、タッチパネル16Aを介して入力されたユーザーの指示にしたがって、メンテナンスに関する情報をユーザーに通知するための第1通知設定を予め有効に設定するとともに、メンテナンスに関する情報をサービスマンに通知するための第2通知設定を予め有効に設定しているものとする。
【0036】
(1)調整処理の実行回数が予め定められた許容回数未満である場合
ユーザーは、画像形成部12による画像形成によって生成された画像に帯状の汚れ及び白点を認めたため、タッチパネル16Aを用いて、ドラムリフレッシュ処理の実行指示を入力したものとする。制御部10は、タッチパネル16Aを介して上記実行指示を受付けると、調整処理としてのドラムリフレッシュ処理を実行する。
【0037】
ドラムリフレッシュ処理としては、当該分野において一般的に行なわれている処理であれば特に限定されないが、例えば、制御部10は、ドラムリフレッシュ処理として、画像形成部12に対し、現像装置内のトナーを感光体ドラム表面に吐出させるとともに、感光体ドラム及び当該感光体ドラムに近接するローラーを回転させることで、トナーを研磨剤として用いて感光体ドラム表面を研磨した後、トナー及び感光体ドラム表面から除かれた付着物をクリーニングブレードにより回収させる処理を実行する。
【0038】
制御部10は、上記のようにして調整処理としてのドラムリフレッシュ処理を実行すると、図4に示す情報通知処理の実行を開始する。情報通知処理の実行を開始すると、制御部10はまず、HDD18に記憶されている、実行された調整処理の実行回数に「1」を加算する(ステップS10)。この場合、制御部10は、ドラムリフレッシュ処理の実行回数をインクリメントして、「49」とする。
【0039】
ステップS10の処理後、制御部10は、加算後の実行回数が、実行された調整処理に応じて予め定められた許容回数以上であるか否かを判定する(ステップS11)。この場合、加算後の実行回数である「49」は、第1許容回数である「50」未満であるので、制御部10は、加算後の実行回数が許容回数以上ではないと判定し(ステップS11にてNO)、情報通知処理を終了する。
【0040】
(2)調整処理の実行回数が予め定められた許容回数以上である場合
上記したドラムリフレッシュ処理の実行後、画像形成部12による画像形成を複数回行なったところ、生成された画像に帯状の汚れ及び白点が認められるようになったため、ユーザーは、タッチパネル16Aを用いて、ドラムリフレッシュ処理の実行指示を入力したものとする。制御部10は、タッチパネル16Aを介して上記実行指示を受付けると、上記と同様にして、調整処理としてのドラムリフレッシュ処理を実行する。
【0041】
制御部10は、ドラムリフレッシュ処理を実行すると、図4に示す情報通知処理の実行を開始して、ステップS10の処理を実行する。この場合、制御部10は、ステップS10において、ドラムリフレッシュ処理の実行回数をインクリメントして「50」とする。これによって、ドラムリフレッシュ処理の実行回数は第1許容回数に達するので、制御部10は、加算後の実行回数が許容回数以上であると判定し(ステップS11にてYES)、第1通知設定を有効に設定しているか否かを判定する(ステップS12)。
【0042】
この場合、制御部10は、第1通知設定を有効に設定していると判定し(ステップS12にてYES)、実行された調整処理に応じて予め定められた通知情報を表示部15に表示させる第1通知処理を実行する(ステップS13)。この場合、制御部10は、図5に示すように、第1通知情報としての、ドラムリフレッシュ処理が第1許容回数以上実施されたこと、ドラムリフレッシュ処理の実行回数、及び、感光体ドラムに不具合が発生しているおそれがあることを示すメッセージ51を示す通知画面50を、表示部15に表示させる。
【0043】
ステップS13の処理後、制御部10は、第2通知設定を有効に設定しているか否かを判定する(ステップS14)。なお、制御部10は、第1通知設定を無効に設定している場合(ステップS12にてNO)、ステップS13の処理を実行することなく、ステップS14の処理に進む。
【0044】
この場合、制御部10は、第2通知設定を有効に設定していると判定し(ステップS14にてYES)、通信部22を介して、実行された調整処理に応じて予め定められた通知情報を示す電子メールを、HDD18に送信先として記憶されている電子メールアドレスに送信する第2通知処理を実行する(ステップS15)。この場合、制御部10は、通信部22を介して、第1通知情報としてのメッセージ51を示す電子メールを、HDD18に記憶されている電子メールアドレスに送信する。
【0045】
ステップS15の処理後、制御部10は、情報通知処理を終了する。なお、制御部10は、第2通知設定を無効に設定している場合(ステップS14にてNO)、ステップS15の処理を実行することなく、情報通知処理を終了する。
【0046】
なお、制御部10は、タッチパネル16Aを介して階調調整処理の実行指示を受付けた場合には、調整処理としての階調調整処理を実行する。階調調整処理としては、当該分野において一般的に行なわれている処理であれば特に限定されないが、例えば、制御部10は、階調調整処理として、画像形成部12に対し、予め定められた階調調整用のパターンを記録紙に形成させるとともに、画像読取部11に対し、当該パターンを読取らせて画像データを生成させ、生成された画像データに基づいて階調補正を行なう処理を実行する。
【0047】
制御部10は、上記した階調調整処理を実行すると、ドラムリフレッシュ処理を実行した場合と同様にして、図4に示す情報通知処理を実行する。具体的には、制御部10は、階調調整処理の実行回数が第2許容回数以上である場合には、第2通知情報を表示部15に表示させる第1通知処理を実行するとともに、通信部22を介して、第2通知情報を示す電子メールを、HDD18に記憶されている電子メールアドレスに送信する第2通知処理を実行する。
【0048】
また、制御部10は、タッチパネル16Aを介してキャリブレーション処理の実行指示を受付けた場合には、調整処理としてのキャリブレーション処理を実行する。キャリブレーション処理としては、当該分野において一般的に行なわれている処理であれば特に限定されないが、例えば、制御部10は、キャリブレーション処理として、画像形成部12に対し、中間転写ベルト122上に予め定められたトナーパターンを形成させ、当該トナーパターンにおけるトナーの濃度を濃度センサーに検出させ、検出結果に基づいてトナー濃度の補正を行なう処理を実行する。
【0049】
制御部10は、上記したキャリブレーション処理を実行すると、ドラムリフレッシュ処理を実行した場合と同様にして、図4に示す情報通知処理を実行する。具体的には、制御部10は、キャリブレーション処理の実行回数が第3許容回数以上である場合には、第3通知情報を表示部15に表示させる第1通知処理を実行するとともに、通信部22を介して、第3通知情報を示す電子メールを、HDD18に記憶されている電子メールアドレスに送信する第2通知処理を実行する。
【0050】
電子メールを確認したサービスマンによって、送信された通知情報に応じたメンテナンスが実行されると、制御部10は、HDD18に記憶されている、実行されたメンテナンスに対応する調整処理の実行回数を初期化して「0」とする。
【0051】
上記実施形態によれば、制御部10は、ユーザーの指示にしたがって、画像形成についての調整処理を実行する。制御部10は、調整処理の実行回数が、調整処理に応じて予め定められた許容回数以上である場合、調整処理に応じて予め定められた通知情報を通知するための第1及び第2通知処理を実行し、調整処理の実行回数が予め定められた許容回数未満である場合、第1及び第2通知処理を実行しない。
【0052】
このように、制御部10は、ユーザーの指示にしたがって実行される調整処理の実行回数に基づいて、メンテナンスに関する情報を通知するか否かを判断する。すなわち、調整処理の実行回数が通常想定される回数以上である場合には、画像形成部12内の機器の不良又は画像形成装置1の使用方法の不備等が発生しているおそれがあるとして、制御部10は、メンテナンスに関する情報を通知すると判断する。画像形成装置1について調整処理を行なうことは、本来画像形成装置1の故障又は異常を示すものではないが、本実施形態では、画像形成装置1の機能についての能力の調整が行なわれた回数を、上記メンテナンスに関する情報を通知するか否かを判断する指針として用いる。すなわち、本実施形態では、画像形成装置1の故障又は異常を直接検出することは行なわない。したがって、上記実施形態によれば、上記判断を行なうための構成を別途設けることなく、メンテナンスに関する情報を適切に通知できる。
【0053】
また上記実施形態では、制御部10は、調整処理として、画像形成部12に対して、ドラムリフレッシュ処理、階調調整処理、又はキャリブレーション処理を実行させる。これにより、制御部10は、調整処理として、ドラムリフレッシュ処理を実行した場合には、感光体ドラムのメンテナンスに関する情報を適切に通知でき、階調調整処理を実行した場合には、階調再現性を向上させるためのメンテナンスに関する情報を適切に通知でき、キャリブレーション処理を実行した場合には、トナー濃度の不具合を改善させるためのメンテナンスに関する情報を適切に通知できる。
【0054】
また上記実施形態によれば、制御部10は、第1通知処理において、実行された調整処理に応じて予め定められた通知情報を表示部15に表示させる。これによって、調整処理の実行指示を入力したユーザーに対し、実行された調整処理に応じたメンテナンスに関する情報を迅速に知らせることができる。
【0055】
また上記実施形態によれば、制御部10は、第2通知処理において、通信部22を介して、実行された調整処理に応じて予め定められた通知情報を示す電子メールを、HDD18に記憶されている電子メールアドレスに送信する。これによって、予め定められた送信先(この場合、サービスマン)に対して、メンテナンスに関する情報を迅速かつ確実に知らせることができる。
【0056】
(その他の変形例)
上記実施形態では、HDD18は、サービスマンを送信先とする電子メールアドレスを記憶していたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。HDD18はさらに、予め定められたユーザーを送信先とする電子メールアドレスを記憶していてもよい。これによって、サービスマンだけでなく、予め定められたユーザーに対してもメンテナンスに関する情報を迅速かつ確実に知らせることができる。
【0057】
また上記実施形態では、画像形成部12等は、記録紙Pに画像を形成したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。画像形成部12等は、記録紙に限らず、他の記録媒体に画像を形成してもよい。他の記録媒体としては、例えば、OHP(Overhead Projector)シートを例示できる。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、画像形成装置1としてカラー複合機を用いているが、これは一例に過ぎず、コピー機、又はファクシミリ装置等の他の画像形成装置が用いられてもよい。
【0059】
また、図1乃至図5を用いて示した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0060】
1 画像形成装置
10 制御部
12 画像形成部
15 表示部
18 HDD
22 通信部
図1
図2
図3
図4
図5