(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168619
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】インクカートリッジ、カートリッジ保持機構および印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20221031BHJP
【FI】
B41J2/175 119
B41J2/175 153
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074208
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】岡 純平
(72)【発明者】
【氏名】堀 晃輔
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA24
2C056KB19
2C056KC05
(57)【要約】
【課題】部品点数を少なくして部品コストおよび製造コストを低減するインクカートリッジを提供する。
【解決手段】インクカートリッジ100は、インクを貯める本体101と、本体101に設けられ、インク吐出用の複数のノズルを有するヘッド部130と、本体101の外側から内側にかけて狭くなるテーパ形状を有し、本体101にインクを供給するためのニードル311が挿入される第1の孔111と、本体101に貼付されたフィルム状のラベル120と、ラベル120に設けられ、ラベル120の平面視において第1の孔111と重なる第2の孔121と、を備え、第2の孔121は、ニードル311が挿入される際にニードル311を第1の孔111に導くガイドをする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを貯める本体と、
前記本体に設けられ、インク吐出用の複数のノズルを有するヘッド部と、
前記本体にインクを供給するためのニードルが挿入される、前記本体の外側から内側にかけて狭くなるテーパ形状を有する第1の孔と、
前記本体に貼付されたフィルム状のラベルと、
前記ラベルに設けられ、前記ラベルの平面視において前記第1の孔と重なる第2の孔と、を備え、
前記第2の孔は、前記ニードルが挿入される際に前記ニードルを前記第1の孔に導くガイドをする
インクカートリッジ。
【請求項2】
前記第2の孔の内径は、前記第1の孔の内径より小さい
請求項1に記載のインクカートリッジ。
【請求項3】
前記本体は、弾性を有するニードル受け部材を備え、
前記第1の孔は、前記ニードル受け部材に備えられる
請求項1または2に記載のインクカートリッジ。
【請求項4】
前記第1の孔の側面は、テーパ形状を有し、
前記第1の孔の側面の内径は、前記本体の外側から内側にかけて小さくなる
請求項1から3のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項5】
前記第2の孔は、前記ニードルが挿入される際に前記ニードルと接触することによって、前記ニードルを前記第1の孔に導くガイドをする
請求項1から4のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項6】
前記第2の孔の内径は、前記ニードルの先端部の外径より大きい
請求項5に記載のインクカートリッジ。
【請求項7】
前記ラベルは、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、および、塩化ビニルの少なくとも1つを含む
請求項1から6のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項8】
n(nは2以上の整数)個の前記第1の孔と、
n個の前記第1の孔に対応するn個の前記第2の孔と、を備え、
前記本体は、n個のインク部屋を有する
請求項1から7のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のインクカートリッジと、
前記インクカートリッジを保持する保持部材と、
前記保持部材に保持された前記インクカートリッジを覆う蓋部材と、
前記蓋部材と前記保持部材とを接続するヒンジと、を備え、
前記蓋部材は前記ニードルを有する
カートリッジ保持機構。
【請求項10】
前記ニードルの先端部の外径は、前記第2の孔の内径より小さい
請求項9に記載のカートリッジ保持機構。
【請求項11】
前記ニードルの長手方向の一部分は、前記ニードルの先端部から前記蓋部材の方向に向かって外径が徐々に太くなるテーパ部を有し、
前記テーパ部の外径は、前記第2の孔の内径より大きく、
前記テーパ部は、前記蓋部材が閉じた状態で前記ラベルの第2の孔の周辺部分を押圧する
請求項9または10に記載のカートリッジ保持機構。
【請求項12】
前記第2の孔は、前記蓋部材が開いた状態から閉じた状態に移行するときに、前記ニードルと接触することによって、前記ニードルを前記第1の孔に導くガイドをする
請求項9から11のいずれか1項に記載のカートリッジ保持機構。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか1項に記載のカートリッジ保持機構と、
インクタンクと、
前記インクタンクと前記ニードルとを接続するチューブと、を備える
印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクカートリッジ、カートリッジ保持機構および印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリントヘッドを有するインクカートリッジを備えたインクジェット方式の印刷装置が知られている(特許文献1~5参照)。プリントヘッドへのインク供給方式としては、インクカートリッジの上部に設けられた供給孔にニードルの先端を刺し込んで、インクタンクからチューブとニードルを介してインクカートリッジにインクを注ぎ込む方式が主流になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-006808号公報
【特許文献2】特開2002-370384号公報
【特許文献3】特開2019-171734号公報
【特許文献4】特開2012-196776号公報
【特許文献5】国際公開第2007/142263号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術によればニードルをインクカートリッジの孔に正しく刺し込むためのガイド部材、ガイド溝などの機構を設ける必要があり、部品点数の増加により部品コストおよび製造コストが増加するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、部品点数を少なくして部品コストおよび製造コストを低減するインクカートリッジ、カートリッジ保持機構および印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るインクカートリッジは、インクを貯める本体と、前記本体に設けられ、インク吐出用の複数のノズルを有するヘッド部と、前記本体にインクを供給するためのニードルが挿入される、前記本体の外側から内側にかけて狭くなるテーパ形状を有する第1の孔と、前記本体に貼付されたフィルム状のラベルと、前記ラベルに設けられ、前記ラベルの平面視において前記第1の孔と重なる第2の孔と、を備え、前記第2の孔は、前記ニードルが挿入される際に前記ニードルを前記第1の孔に導くガイドをする。
【0007】
これによれば、ラベルの第2の孔が前記ニードルを前記第1の孔に導くガイドをするので、ガイド用の部品を省略し、または、ガイド用の溝を省略することができる。その結果、部品点数を少なくして部品コストおよび製造コストを低減することができる。
【0008】
ここで、前記第2の孔の内径は、前記第1の孔の内径より小さくてもよい。
【0009】
これによれば、ラベルの第2の孔がニードルをガイドする性能をより良く発揮することができる。
【0010】
ここで、前記本体は、弾性を有するニードル受け部材を備え、前記第1の孔は、前記ニードル受け部材に備えられてもよい。
【0011】
これによれば、ラベルの第2の孔によるガイドと、ニードル受け部材の弾性とが相俟って、前記ニードルを前記第1の孔に導くことをより確実に、かつ、より円滑にすることができる。
【0012】
ここで、前記第1の孔の側面は、テーパ形状を有し、前記第1の孔の側面の内径は、前記本体の外側から内側にかけて小さくなっていてもよい。
【0013】
これによれば、前記ニードルを前記第1の孔に導くことを、さらに確実に、かつ、さらに円滑にすることができる。
【0014】
ここで、前記第2の孔は、前記ニードルが挿入される際に前記ニードルと接触することによって、前記ニードルを前記第1の孔に導くガイドをしてもよい。
【0015】
これによれば、ラベルの第2の孔がニードルをガイドする性能を確保することができる。
【0016】
ここで、前記第2の孔の内径は、前記ニードルの先端部の外径より大きくてもよい。
【0017】
これによれば、前記第2の孔の内径が前記ニードルの先端部の外径より大きくても、前記ニードルが挿入される際に前記第2の孔と前記ニードルとが接触する限り、前記第2の孔がニードルをガイドすることができる。
【0018】
ここで、前記ラベルは、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、および、塩化ビニルの少なくとも1つを含んでもよい。
【0019】
これによれば、ラベルの製造に、安価で加工が容易な材料を用いることができる。
【0020】
ここで、前記インクカートリッジは、n(nは2以上の整数)個の前記第1の孔と、n個の前記第1の孔に対応するn個の前記第2の孔と、を備え、前記本体は、n個のインク部屋を有していてもよい。
【0021】
これによれば、n色に対応可能なカラーインクカートリッジにおいて、部品点数を少なくして部品コストおよび製造コストを低減することができる。
【0022】
また、上記課題を解決するために本発明の一態様に係るカートリッジ保持機構は、上記のインクカートリッジと、前記インクカートリッジを保持する保持部材と、前記保持部材に保持された前記インクカートリッジを覆う蓋部材と、前記蓋部材と前記保持部材とを接続するヒンジと、を備え、前記蓋部材は前記ニードルを有する。
【0023】
これによれば、ヒンジを軸として動くニードルを第1の孔に挿入する際に、ラベルの第2の孔が前記ニードルを前記第1の孔に導くガイドをすることができる。よって、ガイド用の部品を省略し、または、ガイド用の溝を省略することができる。その結果、部品点数を少なくして部品コストおよび製造コストを低減することができる。
【0024】
ここで、前記ニードルの先端部の外径は、前記第2の孔の内径より小さくてもよい。
【0025】
これによれば、ラベルの第2の孔がニードルをガイドする性能をより良く発揮することができる。
【0026】
ここで、前記ニードルの長手方向の一部分は、前記ニードルの先端部から前記蓋部材の方向に向かって外径が徐々に太くなるテーパ部を有し、前記テーパ部の外径は、前記第2の孔の内径より大きく、前記テーパ部は、前記蓋部材が閉じた状態で前記ラベルの第2の孔の周辺部分を押圧してもよい。
【0027】
これによれば、インクカートリッジの第1の孔における密閉性を高めることができる。
【0028】
ここで、前記第2の孔は、前記蓋部材が開いた状態から閉じた状態に移行するときに、前記ニードルと接触することによって、前記ニードルを前記第1の孔に導くガイドをしてもよい。
【0029】
これによれば、ラベルの第2の孔がニードルをガイドする性能を確保することができる。
【0030】
さらに、上記課題を解決するために本発明の一態様に係る印刷増値は、上記のカートリッジ保持機構と、インクタンクと、前記インクタンクと前記ニードルとを接続するチューブと、を備える。
【0031】
これによれば、ラベルの第2の孔が前記ニードルを前記第1の孔に導くガイドをするので、ガイド用の部品を省略し、または、ガイド用の溝を省略することができる。その結果、部品点数を少なくして部品コストおよび製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明のインクカートリッジ、カートリッジ保持機構および印刷装置によれば、部品点数を少なくして部品コストおよび製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るカートリッジ保持機構の主要部の外観例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る蓋部材の内部構成例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る蓋部材およびニードルの断面構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係るインクカートリッジ上面と、ニードル受け部材およびラベルを含む分解斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る黒インクに対応するインクカートリッジ用のラベルの上面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るカラーインクに対応するインクカートリッジ用のラベルの上面図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係るカートリッジ保持機構の全体の構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る印刷装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0035】
(実施の形態)
[1.カートリッジ保持機構の主要部の構成例]
まず、
図1~
図3を参照しながら、実施の形態1に係るインクカートリッジ保持機構の主要部の構成について説明する。
【0036】
図1は、実施の形態に係るカートリッジ保持機構300の主要部の外観例を示す斜視図である。
図2は、
図1中の蓋部材301の内部構成例を示す斜視図である。
図2では蓋部材の内部を示すために、内部を覆う上面の板状の部材の図示を省略してある。
図3は、
図2の蓋部材301の断面構成例を示す図である。
【0037】
図1のカートリッジ保持機構300は、インクカートリッジ100、200を保持する機構であり、インクジェット方式の印刷装置の内部に備えられ、印刷対象物の印刷面に沿う方向に移動可能に構成されている。
【0038】
図1のカートリッジ保持機構300は、インクカートリッジ100、インクカートリッジ200および蓋部材301を含む。
【0039】
インクカートリッジ100は、黒インクを貯める本体101、第1の孔111、および、黒インクを吐出する複数のノズルを含む。第1の孔111は、黒インクの供給を受けるための孔である。そのため、第1の孔111は、蓋部材301のニードル311が挿入される。第1の孔111は、本体101の外側から内側にかけて狭くなるテーパ形状を有する。複数のノズルは、
図1では隠れているが本体101の下面のヘッド部に規則的に配列されている。
【0040】
インクカートリッジ200は、カラーインクを貯める本体201、3つの第1の孔211、212および213、および、カラーインクを吐出する複数のノズルを含む。
【0041】
本体201は、CMY(シアン、マゼンタ、イエロー)の三色のカラーインクを貯める3部屋を有する。第1の孔211、212および213は3部屋にそれぞれつながっている。
【0042】
第1の孔211は、イエローインクの供給を受けるための孔である。そのため、第1の孔211には、蓋部材301のニードル321が挿入される。
【0043】
第1の孔212は、シアンインクの供給を受けるための孔である。そのため、第1の孔212には、蓋部材301のニードル322が挿入される。
【0044】
第1の孔213は、マゼンタインクの供給を受けるための孔である。そのため、第1の孔213には、蓋部材301のニードル323が挿入される。
【0045】
第1の孔211、212および213のそれぞれは、本体201の外側から内側にかけて狭くなるテーパ形状を有する。
【0046】
また、インクカートリッジ200は、本体201の下面にヘッド部を有する。
図1では隠れているがヘッド部は、色ごとに、規則的に配置された複数のノズルを有する。
【0047】
前記蓋部材301は、インクカートリッジ100にインクを供給するためのニードル311と、インクカートリッジ200にインクを供給するためのニードル321~323を有する。
【0048】
インクカートリッジ100およびインクカートリッジ200は、蓋部材301が開いた状態でカートリッジ保持機構300に装着される。装着後に蓋部材301はヒンジ303を軸に回転するように閉じられる。蓋部材301が閉じることにより、ニードル311は、インクカートリッジ100の上面の第1の孔111に刺し込まれる。またニードル321、322、323はインクカートリッジ200の上面の第1の孔211、212、213にそれぞれ刺し込まれる。
【0049】
なお、
図1~3のカートリッジ保持機構300は、インクカートリッジ100およびインクカートリッジ200の両方を保持するが、いずれか一方を保持する構成であってもよい。
【0050】
[1.1 蓋部材の構成]
次に、蓋部材301の具体的な構成について説明する。
【0051】
図2に示すように、蓋部材301は、ニードル311、321~323、チューブ411、421~423を有する。
【0052】
ニードル311は、長手方向に伸びる中空の流路を有し、チューブ411に接続される。チューブ411は、外部のインクタンクとニードル311とを接続し、インクタンクからの黒インクをニードル311に供給する流路である。
【0053】
ニードル321は、長手方向に伸びる中空の流路を有し、チューブ421に接続される。チューブ421は、外部のインクタンクとニードル321とを接続し、インクタンクからからイエローインクをニードル321に供給する流路である。
【0054】
ニードル322は、長手方向に伸びる中空の流路を有し、チューブ422に接続される。チューブ422は、外部のインクタンクとニードル322とを接続し、インクタンクからシアンインクをニードル322に供給する流路である。
【0055】
ニードル323は、長手方向に伸びる中空の流路を有し、チューブ423に接続される。チューブ423は、外部のインクタンクとニードル323とを接続し、インクタンクからマゼンタインクをニードル323に供給する流路である。
【0056】
例えば、
図3の断面図に示すように、ニードル322の長手方向の一部分は、ニードル322の先端から蓋部材301の方向に向かって外径が次第に太くなるテーパ部322aを有する。ニードル322の端部のうち、インクカートリッジ200側の端部を先端部と呼び、蓋部材301側の端部を頭部と呼ぶことにする。ニードル322の頭部は、蓋部材301に、きつくに固定されているのではなく、ゆるく固定されていて、遊びを有する。
【0057】
蓋部材301が開いた状態から閉じた状態に移行する閉じる動作において、各ニードルは、直線的に動くのではなく、蓋部材301のヒンジ303を軸に回転するので、円弧状に動く。そのため、各ニードルは、閉じた状態では、対応する第1の孔の中心に位置するけれども、閉じた状態に至る途中の状態では、各ニードルの先端部は、対応する第1の孔の中心位置から少しずれた位置を動く。上記の遊びは、ニードルの先端部のずれた位置を第1の孔にガイドすることを容易にして、蓋部材301を閉じる動作を円滑にするために設けられている。
【0058】
上記の遊びの大きさは、ニードルの先端部のずれた位置を第1の孔にガイド可能な範囲内であればよく、例えば、各ニードルの先端部において約1mmでよい。
【0059】
図3では、テーパ部322aを有するニードル322の断面例を示したが、ニードル311、321、323も同様にテーパ部311a、321a、323aをそれぞれ有する。また、ニードル311、321、323も同様に遊びを有する。
【0060】
なお、各ニードル長手方向と直交する平面で切った断面は円形でよいし円形以外でもよい。例えば、各ニードル長手方向と直交する平面で切った断面は、楕円形、多角形でもよい。
【0061】
また、各ニードルの寸法は、他のいずれかのニードルと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0062】
[1.2 黒インク用のインクカートリッジおよびラベル]
次に、インクカートリッジ100の構成についてより詳しく説明する。
【0063】
インクカートリッジ100は、
図5に示すラベル120を備える。ラベル120は、
図1では省略されているが、本体101の上面に接着剤または接着テーブによって貼り付けられ、インクカートリッジ100の製品名、型番、注意書き等の文字列が印刷されている。
【0064】
インクカートリッジ100の第1の孔111は、
図4に示すように、インクカートリッジ100の上面のニードル受け部材111aに設けてもよい。
図4は、実施の形態に係るインクカートリッジ100の本体101の上面と、ニードル受け部材111aおよびラベル120を含む分解斜視図である。
【0065】
ニードル受け部材111aは、弾性を有する材料、例えばゴムで作られ、第1の孔111を有する。ニードル受け部材111aは、インクカートリッジ100上面の孔111bに嵌め込まれる。ニードル受け部材111aの外径形状は、インクカートリッジ100上面の孔111bの内径形状とほぼ同じでよい。
【0066】
ニードル受け部材111aに設けられ第1の孔111の側面は、テーパ形状を有する。つまり、第1の孔111の側面の内径は、本体101の外側から内側にかけて小さくなる。このテーパ形状は、ニードルの先端部を第1の孔111にガイドすることを容易にする。例えば、第1の孔111の上下方向の長さは、0.5~3mm程度でよく、テーパ形状の角度は、45度程度でよい。ここでいう、角度は、インクカートリッジ100の上面の法線に対する角度である。なお、上記の長さと角度は、これに限らない。長さ、角度および第1の孔111は、適切にニードルをガイドできるように設定すればよい。
【0067】
ラベル120は、ラベル120の平面視において本体101の第1の孔111と重なる第2の孔121を備える。ここでいう平面視は、
図1の本体101の上面およびラベル120を、蓋部材301の方向から見ることをいう。第2の孔121の中心軸は、第1の孔111の中心軸と一致していてもよいし、わずかにずれていてもよいし、ヒンジ303から離れる方向にわずかにずれていてもよい。ここで「わずかに」というのは、ガイド機能を果たせる範囲内でという意味である。
【0068】
また、ラベル120は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、および、塩化ビニルの少なくとも1つを含むフィルムである。例えば、ラベル120は、0.066mmのポリプロピレンに、0.025mmのポリエステルでコーティング処理を施したフィルムで構成される。
【0069】
第2の孔121は、蓋部材301のニードル311が挿入される際にニードル311を第1の孔111に導くガイドをするよう構成されている。例えば、第2の孔121の内径は、第1の孔111の内径より小さくてもよい。ここでいう、第1の孔111の内径とは、第1の孔111の側面がテーパ形状を有する場合には、内径の最大値でよい。
【0070】
また、第2の孔121の内径は、ニードル311の先端部の外形より大きくてもよい。例えば、ニードル311の先端部の外径が、2.6mmである場合、第1の孔111の内径は2.6mm、第2の孔121の内径は3.1mm、テーパ部311aの外径は4.6mmでよい。
【0071】
この第2の孔121の内径は、ニードル311が挿入される際にニードル311の先端部と接触するようなサイズである。これにより、第2の孔121は、ニードル311、321~323が挿入される際にニードル311と接触することによって、ニードル311を第1の孔111に導くガイドをする。また、ニードル311に設けられた上記の遊びは、ガイドを容易にする。
【0072】
また、第2の孔121の内径は、ニードル311のテーパ部311aの外径より小さい。これにより、テーパ部311aは、蓋部材301が閉じた状態でラベル120の第2の孔121の周辺部分を押圧する。この押圧により、インクカートリッジ100の第2の孔121の部分に無駄な隙間を作らせないことができる。
【0073】
なお、インクカートリッジ100は、ニードル受け部材111aを備えないで、本体101上面に第1の孔111を備えてもよい。
【0074】
また、カラー用のインクカートリッジ200の第1の孔211、212および213のそれぞれは、
図4と同様に、ニードル受け部材に設けられる構成であってもよい。
【0075】
[1.3 カラー用のインクカートリッジおよびラベル]
次に、インクカートリッジ200についてより詳しく説明する。
【0076】
インクカートリッジ200は、
図6に示すラベル220を備える。ラベル220は、
図1では省略されているが、本体201の上面に接着剤または接着テーブによって貼り付けられ、インクカートリッジ200の製品名、型番、注意書き等の文字列が印刷されている。
【0077】
ラベル220は、ラベル220の平面視において本体201の第1の孔211と重なる第2の孔221、第1の孔212と重なる第2の孔222、第1の孔213と重なる第2の孔223を備える。ここでいう平面視は、
図1の本体201の上面およびラベル220を、蓋部材301の方向から見ることをいう。各第2の孔の中心軸は、対応する第1の孔の中心軸と一致していてもよいし、わずかにずれていてもよいし、ヒンジ303から離れる方向にわずかにずれていてもよい。
【0078】
ラベル220は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、および、塩化ビニルの少なくとも1つを含むフィルムである。例えば、ラベル120は、0.066mmのポリプロピレンに、0.025mmのポリエステルでコーティング処理を施したフィルムで構成される。
【0079】
第2の孔221は、蓋部材301のニードル321が挿入される際にニードル321を第1の孔211に導くガイドをするよう構成されている。例えば、第2の孔221の内径は、第1の孔211の内径より小さくてもよい。ここでいう、第1の孔211の内径とは、第1の孔211の側面がテーパ形状を有する場合には、内径の最大値でよい。
【0080】
また、第2の孔221の内径は、ニードル321の先端部の外形より大きくてもよい。ニードル311の先端部の外径が、2.6mmである場合、第1の孔111の内径は2.6mm、第2の孔121の内径は3.1mm程度でよい。
【0081】
この第2の孔221の内径は、ニードル321が挿入される際にニードル321の先端部と接触するようなサイズである。これにより、第2の孔221は、ニードル321挿入される際にニードル321と接触することによって、ニードル321を第1の孔211に導くガイドをする。また、ニードル321に設けられた上記の遊びは、ガイドを容易にする。
【0082】
また、第2の孔221の内径は、ニードル321のテーパ部321aの外径より小さい。これにより、テーパ部321aは、蓋部材301が閉じた状態でラベル220の第2の孔121の周辺部分を押圧する。この押圧により、インクカートリッジ100の第2の孔121の部分に無駄な隙間を作らせないことができる。
【0083】
なお、ニードル321のテーパ部321aの角度は、第2の孔121を少しでも押圧できる角度であればよく、例えば45度でもよいし、他の角度でもよい。ここで、テーパ部321aの角度は、ニードル321の長手方向に対する角度である。
【0084】
第2の孔222、223についても、第2の孔221と同様の構成である。
【0085】
なお、インクカートリッジ200は3色でなくてもよい。つまり、n個(nは2以上の整数)のインク室と、n個の第1の孔と、n個の第2の孔を有していてもよい。この場合、蓋部材301は、n本のニードルを有していればよい。
【0086】
[1.4 カートリッジ保持機構の全体の構成例]
次に、カートリッジ保持機構300の全体の構成について説明する。
【0087】
図7は、実施の形態に係るカートリッジ保持機構300の全体の構成例を模式的に示す図である。
【0088】
同図のように、カートリッジ保持機構300は、蓋部材301、保持部材302、ヒンジ、インクカートリッジ100、インクカートリッジ200を備える。同図では保持部材302のみ断面を示している。
【0089】
蓋部材301は、ニードル311、321~323を含み、
図1~
図3を用いて説明した通りである。
【0090】
保持部材302は、インクカートリッジ100および200を保持し、ヒンジにより蓋部材301と接続されている。保持部材302から蓋部材301が開いた状態で、保持部材302にインクカートリッジ100および200を装着可能になっている。保持部材302から蓋部材301が閉じた状態では、蓋部材301のニードル311がインクカートリッジ100に刺し込まれ、蓋部材301のニードル321~323がインクカートリッジ200に刺し込まれている。
【0091】
ヒンジ303は、
図1のように、蓋部材301と保持部材302とを接続する。
【0092】
インクカートリッジ100は、下面にヘッド部130を備える。ヘッド部130は、黒色インクと吐出する複数のノズルを有する。
【0093】
インクカートリッジ200は、下面にヘッド部230を備える。ヘッド部230は、カラーインクの色毎に、複数のノズルを有する。
【0094】
[1.5 印刷装置2の構成]
次に、上記カートリッジ保持機構300を備える印刷装置2の構成例について説明する。
【0095】
図8は、実施の形態に係る印刷装置2の構成例を示すブロック図である。同図のように、印刷装置2は、MPU(Micro Processing Unit)3、通信部4、記憶部5、移動駆動部10、カートリッジ保持機構300、および、インクタンク400を備える。
【0096】
MPU3は、制御部7、ヘッド制御部8および移動制御部9を備える。MPU3は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力回路等を備えるマイクロコンピュータである。CPUは、メモリ中のプログラムを実行することにより、制御部7、ヘッド制御部8および移動制御部9の機能を実現する。
【0097】
通信部4は、例えばスマートフォン、タブレット端末、PC(パソコン)等の外部の装置と無線通信を行う。具体的には、通信部4は、例えば印刷装置2に対して印刷を指示するための印刷指示信号等を外部の装置から受信する。通信部4は、受信した印刷指示信号等を画像処理部6に出力する。
【0098】
記憶部5は、印刷すべき画像データ、印刷装置2の動作モードを示すモード情報等を記憶するためのメモリである。記憶部5の一部の記憶領域は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子で構成される。
【0099】
画像処理部6は、通信部4からの印刷指示信号に基づいて、記憶部5に記憶された画像データを読み出し、読み出した画像データに画像処理を施す。画像処理部6は、画像処理を施した画像データを制御部7に出力する。
【0100】
制御部7は、画像処理部6で画像処理された画像データを印刷するようにヘッド制御部8および移動制御部9を制御する。
【0101】
ヘッド制御部8は、制御部7の制御の下で、ヘッド部130およびヘッド部230のノズルによるインクの吐出を制御する。
【0102】
移動制御部9は、制御部7の制御の下で、印刷対象物の印刷面に沿う方向におけるカートリッジ保持機構300の移動を制御する。印刷対象物の印刷面と平行で、互いに直交するX軸、Y軸の方向を、主走査方向、副走査方向とする。例えば、副走査方向に印刷対象物が移動可能である場合には、移動制御部9は、主走査方向におけるカートリッジ保持機構300の移動を制御する。あるいは、印刷対象物が移動可能でない場合には、移動制御部9は、主走査方向および副走査方向のカートリッジ保持機構300の移動を制御する。
【0103】
移動駆動部10は、カートリッジ保持機構300を主走査方向に移動させるX軸モータを有し、移動制御部9の制御に従ってX軸モータを駆動する。なお、移動駆動部10は、カートリッジ保持機構300を副走査方向に移動させるY軸モータを有し、移動制御部9の制御に従ってY軸モータを駆動してもよい。
【0104】
カートリッジ保持機構300は、
図1~
図3、
図7で説明した通りである。
【0105】
インクタンク400は、黒インク、シアンインク、イエローインク、マゼンタインクを独立して貯蔵する。インクタンク400は、チューブ群410を介してカートリッジ保持機構300と接続されている。チューブ群410は、
図2に示したチューブ411、421~423を含む。黒インクは、インクタンク400からチューブ411およびニードル311を介してインクカートリッジ100に供給される。イエローインクは、インクタンク400からチューブ421およびニードル321を介してインクカートリッジ200に供給される。マゼンタインクは、インクタンク400からチューブ422およびニードル322を介してインクカートリッジ200に供給される。シアンインクは、インクタンク400からチューブ423およびニードル323とを介してインクカートリッジ200に供給される。なお、インクタンク400は、色毎に個別のタンクで構成されてもよい。
【0106】
[2.まとめ]
以上説明してきたように、本発明の一態様に係るインクカートリッジ100は、インクを貯める本体101と、本体101設けられ、インク吐出用の複数のノズルを有するヘッド部130と、本体101にインクを供給するためのニードル311が挿入される、本体101の外側から内側にかけて狭くなるテーパ形状を有する第1の孔111と、本体101、102に貼付されたフィルム状のラベル120と、ラベル120に設けられ、ラベル120の平面視において第1の孔111と重なる第2の孔121と、を備え、第2の孔121は、ニードル311が挿入される際にニードル311を第1の孔111に導くガイドをする。
【0107】
これによれば、ラベルの第2の孔がニードルを第1の孔に導くガイドをするので、ガイド用の部品を省略し、または、ガイド用の溝を省略することができる。その結果、部品点数を少なくして部品コストおよび製造コストを低減することができる。
【0108】
また、インクカートリッジ200は、インクを貯める本体201と、本体201に設けられ、インク吐出用の複数のノズルを有するヘッド部230と、本体201の外側から内側にかけて狭くなるテーパ形状を有し、本体201にインクを供給するためのニードル321~323がそれぞれ挿入される第1の孔211~213と、本体201に貼付されたフィルム状のラベル220と、ラベル220に設けられ、ラベル220の平面視において第1の孔211~213とそれぞれ重なる第2の孔221~223と、を備え、第2の孔221~223は、ニードル311、321~323がそれぞれ挿入される際にニードル311、321~323を第1の孔111、211~213にそれぞれ導くガイドをする。
【0109】
これによれば、ラベルの第2の孔がニードルを第1の孔に導くガイドをするので、ガイド用の部品を省略し、または、ガイド用の溝を省略することができる。その結果、部品点数を少なくして部品コストおよび製造コストを低減することができる。
【0110】
ここで、第2の孔121、221~223の内径は、対応する第1の孔111、211~213の内径より小さくてもよい。
【0111】
これによれば、ラベルの第2の孔がニードルをガイドする性能をより良く発揮することができる。
【0112】
ここで、本体101は、弾性を有するニードル受け部材111aを備え、第1の孔111は、ニードル受け部材111aに備えられてもよい。また、本体201は、弾性を有するニードル受け部材を複数備え、第1の孔211~213は、ニードル受け部材に備えられてもよい。
【0113】
これによれば、ラベルの第2の孔によるガイドと、ニードル受け部材の弾性とが相俟って、ニードルを第1の孔に導くことをより確実に、かつ、より円滑にすることができる。
【0114】
ここで、第1の孔111、211~213のそれぞれの側面は、テーパ形状を有し、第1の孔111、211~213のそれぞれの側面の内径は、本体101または201の外側から内側にかけて小さくなってもよい。
【0115】
これによれば、ニードルを第1の孔に導くことを、さらに確実に、かつ、さらに円滑にすることができる。
【0116】
ここで、第2の孔121、221~223は、ニードル311、321~323がそれぞれ挿入される際にニードル311、321~323と接触することによって、ニードル311、321~323を第1の孔111、211~213に導くガイドをしてもよい。
【0117】
これによれば、ラベル120、220の第2の孔がニードルをガイドする性能を確保することができる。
【0118】
ここで、第2の孔121、221~223の内径は、ニードル311、321~323の先端部の外径より大きくてよい。
【0119】
これによれば、第2の孔の内径がニードルの先端部の外径より大きくても、前記ニードルが挿入される際に前記第2の孔と前記ニードルとが接触する限り、前記第2の孔がニードルをガイドすることができる。
【0120】
ここで、ラベル120、220は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、および、塩化ビニルの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0121】
これによれば、ラベルの製造に、安価で加工が容易な材料を用いることができる。
【0122】
ここで、インクカートリッジは、n(nは2以上の整数)個の第1の孔211~213と、n個の第1の孔211~213に対応するn個の第2の孔221~223と、を備え、本体201は、異なるn色に対応するn個のインク部屋を有していてもよい。
【0123】
これによれば、ラベルの製造に、安価で加工が容易な材料を用いることができる。
【0124】
また、上記課題を解決するために本発明の一態様に係るカートリッジ保持機構300は、上記のインクカートリッジ100と、インクカートリッジ100を保持する保持部材302と、保持部材302に保持されたインクカートリッジ100を覆う蓋部材301と、蓋部材301と保持部材302とを接続するヒンジ303と、を備え、蓋部材301はニードル311を有する。または、カートリッジ保持機構300は、上記のインクカートリッジ200と、インクカートリッジ200を保持する保持部材302と、保持部材302に保持されたインクカートリッジ200を覆う蓋部材301と、蓋部材301と保持部材302とを接続するヒンジ303と、を備え、蓋部材301はニードル321~323を有する。
【0125】
これによれば、ヒンジを軸として動くニードルを第1の孔に挿入する際に、ラベルの第2の孔がニードルを第1の孔に導くガイドをすることができる。よって、ガイド用の部品を省略し、または、ガイド用の溝を省略することができる。その結果、部品点数を少なくして部品コストおよび製造コストを低減することができる。
【0126】
ここで、ニードル311、321~323の先端部の外径は、対応する第2の孔121、221~223の内径より小さくてもよい。
【0127】
これによれば、ラベルの第2の孔がニードルをガイドする性能をより良く発揮することができる。
【0128】
ここで、ニードル311の長手方向の一部分は、ニードル311の先端部から蓋部材301の方向に向かって外径が徐々に太くなるテーパ部311aを有し、テーパ部311aの外径は、第2の孔121の内径より大きく、テーパ部311aは、蓋部材301が閉じた状態でラベル120の第2の孔121の周辺部分を押圧してもよい。また、ニードル321~323の長手方向の一部分は、ニードル321~323の先端部から蓋部材301の方向に向かって外径が徐々に太くなるテーパ部321a~323aを有し、テーパ部321a~323aの外径は、第2の孔221~223の内径より大きく、テーパ部321a~323aは、蓋部材301が閉じた状態でラベル220の第2の孔221~223の周辺部分を押圧してもよい。
【0129】
これによれば、インクカートリッジの第1の孔における密閉性を高めることができる。
【0130】
ここで、第2の孔121、221~223は、蓋部材301が開いた状態から閉じた状態に移行するときに、ニードル311、321~323と接触することによって、ニードル311、321~323を第1の孔111、211~213に導くガイドをしてもよい。
【0131】
これによれば、ラベルの第2の孔がニードルをガイドする性能を確保することができる。
【0132】
さらに、上記課題を解決するために本発明の一態様に係る印刷増値は、上記のカートリッジ保持機構300と、インクタンク400と、インクタンク400とニードル311、321~323とを接続するチューブ421~423と、を備える。
【0133】
これによれば、ラベルの第2の孔がニードルを第1の孔に導くガイドをするので、ガイド用の部品を省略し、または、ガイド用の溝を省略することができる。その結果、部品点数を少なくして部品コストおよび製造コストを低減することができる。
【符号の説明】
【0134】
2 印刷装置
4 通信部
5 記憶部
6 画像処理部
7 制御部
8 ヘッド制御部
9 移動制御部
10 移動駆動部
100、200 インクカートリッジ
101、201 本体
111、211、212、213 第1の孔
111a、211a、212a、213a ニードル受け部材
111b 孔
120、220 ラベル
121、221、222、223 第2の孔
130、230 ヘッド部
300 カートリッジ保持機構
301 蓋部材
302 保持部材
303 ヒンジ
311、321、322、323 ニードル
311a、321a、322a、323a テーパ部
400 インクタンク
410 チューブ群
411、421、422、423 チューブ