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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168626
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/0239 20210101AFI20221031BHJP
   H01S 5/022 20210101ALI20221031BHJP
   H01S 5/02345 20210101ALI20221031BHJP
【FI】
H01S5/0239
H01S5/022
H01S5/02345
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074221
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】内村 仁
(72)【発明者】
【氏名】秋山 貴
(72)【発明者】
【氏名】原 博昭
(72)【発明者】
【氏名】相原 健志
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MB02
5F173MC01
5F173MC12
5F173MD43
5F173MD44
5F173MD59
5F173MD65
5F173MD84
5F173ME04
5F173ME22
(57)【要約】
【課題】駆動装置と発光素子とが一体化され且つ小型化が可能な発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置1は、離隔して配置される金属製の第1電極11及び第2電極12と、表面に配置されるアノード、及び裏面に配置されるカソードを有し、アノードとカソードとの間に電流が供給されることに応じて発光する発光素子16と、第1電極11及びアノードに接続される第1端子31、カソードに接続される第2端子32、第2電極12に接続された第3端子33及び第4端子34、第2端子32と第3端子33及び第4端子34との間に流れる駆動電流をオンオフするスイッチング素子52、並びに駆動電流を制御する複数の電流制御素子51を有し、第2電極12に実装された半導体装置15とを有し、第2端子32は、半導体装置15の表面に配置され、電流制御素子51の少なくとも一部は、半導体装置15を平面視したときに、第2端子32に重畳するように配置される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
離隔して配置される金属製の第1電極及び第2電極と、
表面に配置されるアノード、及び裏面に配置されるカソードを有し、前記アノードと前記カソードとの間に電流が供給されることに応じて発光する発光素子と、
前記第1電極及び前記アノードに接続される第1端子、前記カソードに接続される第2端子、前記第2電極に接続された第3端子及び第4端子、前記第2端子と前記第3端子及び前記第4端子との間に流れる駆動電流をオンオフするスイッチング素子、並びに前記駆動電流を制御する複数の電流制御素子を有する半導体装置と、を有し、
前記第2端子は、前記半導体装置の表面に配置され、
前記複数の電流制御素子のそれぞれの少なくとも一部は、前記半導体装置を平面視したときに、前記第2端子に重畳するように配置される、ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記複数の電流制御素子のそれぞれは、前記半導体装置を平面視したときに、全体に亘って前記第2端子に重畳するように配置される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記複数の電流制御素子のそれぞれが前記第2端子に重畳する面積は、同一である、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記半導体装置は、前記第2電極に実装され、
前記第2電極、前記半導体装置及び前記発光素子は、重畳して配置される、請求項1~3の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第2端子は、矩形の平面形状を有し、
前記複数の電流制御素子は、前記第2端子の一対の辺に平行に延伸し且つ前記第2端子の中心を通る直線を軸として線対称になるように配置される、請求項1~4の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記複数の電流制御素子の一端は前記第2端子に接続され、前記複数の電流制御素子の他端は前記スイッチング素子の一端に接続され、前記スイッチング素子の他端は前記第3端子及び前記第4端子に接続される、請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記スイッチング素子は、前記複数の電流制御素子の外側に配置される、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記半導体装置は、前記軸に直交する方向に延伸する第1辺及び第4辺、並びに前記軸に平行に延伸する第2辺及び第3辺を有する矩形の平面形状を有し、
前記第3端子及び前記第4端子は、前記第2辺及び前記第3辺に平行に延伸する矩形状の平面形状を有し、前記第2辺及び前記第3辺の近傍に配置される、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記複数の電流制御素子は、前記軸と前記第2辺との間に配置される第1電流素子群と、前記軸と前記第3辺との間に配置される第2電流素子群とに分割して配置される、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1端子は、前記第1辺に平行に延伸する辺を有する矩形の平面形状を有し、前記第1辺に近接して配置される、請求項8又は9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1辺に沿って配列され、前記第1電極と前記第1端子とを電気的に接続する複数の第1ボンディングワイヤと、
前記第1辺に沿って配列され、前記第1端子と前記アノードとを電気的に接続する複数の第2ボンディングワイヤと、
前記第2辺に沿って配列され、前記第2電極と前記第3端子とを電気的に接続する複数の第3ボンディングワイヤと、
前記第3辺に沿って配列され、前記第2電極と前記第4端子とを電気的に接続する複数の第4ボンディングワイヤと、を更に有する、請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記第2電極は、矩形の平面形状を有し、前記半導体装置が実装される基部、前記第2辺に近接する前記基部に一辺から突出する第1突出部、及び前記第3辺に近接する前記基部に一辺から突出する第2突出部を有し、
前記第3ボンディングワイヤは、前記第1突出部に接続され、
前記第4ボンディングワイヤは、前記第1突出部に接続される、請求項11に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直共振器面発光レーザ(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser、VCSEL)において、動作特性及び温度特性を改善させる種々の技術が知られている。例えば、特許文献1には、VCSELと、抵抗が正の温度特性を有し且つVCSELに直列接続される抵抗素子とを有する発光装置が記載される。特許文献1に記載される発光装置は、VCSELに直列接続される抵抗素子がVCSELのインピーダンス特性の温度変化を補償することで、インピーダンス不整合による高周波ノイズの発生及び駆動信号の劣化を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-105240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される発光装置は、発光装置と別体の駆動装置によって駆動されるため、発光素子に加えて駆動装置を内蔵したときに発光装置のサイズが大きくなる。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するものであり、駆動装置と発光素子とが一体化され且つ小型化が可能な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光装置は、離隔して配置される金属製の第1電極及び第2電極と、表面に配置されるアノード、及び裏面に配置されるカソードを有し、アノードとカソードとの間に電流が供給されることに応じて発光する発光素子と、第1電極及びアノードに接続される第1端子、カソードに接続される第2端子、第2電極に接続された第3端子及び第4端子、第2端子と第3端子及び第4端子との間に流れる駆動電流をオンオフするスイッチング素子、並びに駆動電流を制御する複数の電流制御素子を有する半導体装置と、を有し、第2端子は、半導体装置の表面に配置され、複数の電流制御素子のそれぞれの少なくとも一部は、半導体装置を平面視したときに、第2端子に重畳するように配置される。
【0007】
さらに、本発明に係る発光装置では、複数の電流制御素子のそれぞれは、半導体装置を平面視したときに、全体に亘って第2端子に重畳するように配置されることが好ましい。
【0008】
さらに、本発明に係る発光装置では、複数の電流制御素子のそれぞれが前記第2端子に重畳する面積は、同一であることが好ましい。
【0009】
さらに、本発明に係る発光装置では、半導体装置は、第2電極に実装され、第2電極、半導体装置及び発光素子は、重畳して配置されることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係る発光装置では、第2端子は、矩形の平面形状を有し、複数の電流制御素子は、第2端子の一対の辺に平行に延伸し且つ第2端子の中心を通る直線を軸として線対称になるように配置されることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係る発光装置では、複数の電流制御素子の一端は第2端子に接続され、複数の電流制御素子の他端はスイッチング素子の一端に接続され、スイッチング素子の他端は第3端子及び第4端子に接続されることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係る発光装置では、スイッチング素子は、複数の電流制御素子の外側に配置されることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明に係る発光装置では、半導体装置は、軸に直交する方向に延伸する第1辺及び第4辺、並びに軸に平行に延伸する第2辺及び第3辺を有する矩形の平面形状を有し、第3端子及び第4端子は、第2辺及び第3辺に平行に延伸する矩形状の平面形状を有し、第2辺及び第3辺の近傍に配置されることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明に係る発光装置では、複数の電流制御素子は、軸と第2辺との間に配置される第1電流素子群と、軸と第3辺との間に配置される第2電流素子群とに分割して配置されることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明に係る発光装置では、第1端子は、第1辺に平行に延伸する辺を有する矩形の平面形状を有し、第1辺に近接して配置されることが好ましい。
【0016】
さらに、本発明に係る発光装置は、第1辺に沿って配列され、第1電極と第1端子とを電気的に接続する複数の第1ボンディングワイヤと、第1辺に沿って配列され、第1端子とアノードとを電気的に接続する複数の第2ボンディングワイヤと、第2辺に沿って配列され、第2電極と第3端子とを電気的に接続する複数の第3ボンディングワイヤと、第3辺に沿って配列され、第2電極と第4端子とを電気的に接続する複数の第4ボンディングワイヤと、を更に有することが好ましい。
【0017】
さらに、本発明に係る発光装置では、第2電極は、矩形の平面形状を有し、半導体装置が実装される基部、第2辺に近接する基部に一辺から突出する第1突出部、及び第3辺に近接する基部に一辺から突出する第2突出部を有し、第3ボンディングワイヤは、第1突出部に接続され、第4ボンディングワイヤは、第1突出部に接続されることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る発光装置は、駆動装置と発光素子とが一体化されると共に、小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る発光装置の斜視図である。
図2】光学素子を除く図1に示す発光装置の斜視図である。
図3】光学素子及びフレームを除く図1に示す発光装置の斜視図である。
図4図1に示すA-A線に沿う発光装置の断面図である。
図5図1に示すフレームの斜視図である。
図6図1に示す発光装置の回路図である。
図7図2に示す半導体装置の基板上に配置される素子の配置を示す図である。
図8図1に示す発光装置の製造方法を示すフローチャートである。
図9図8に示す電極準備工程に対応する平面図である。
図10図8に示す半導体装置実装工程に対応する平面図である。
図11図8に示す第1ワイヤボンディング工程に対応する平面図である。
図12図8に示すフレーム形成工程に対応する平面図である。
図13図8に示す発光素子実装工程に対応する平面図である。
図14図8に示す第2ワイヤボンディング工程に対応する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係る発光装置について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0021】
図1は実施形態に係る発光装置の斜視図であり、図2は光学素子を除く図1に示す発光装置の斜視図であり、図3は光学素子及びフレームを除く図1に示す発光装置の斜視図であり、図4図1に示すA-A線に沿う発光装置の断面図である。
【0022】
発光装置1は、第1電極11と、第2電極12と、9個の監視制御電極13と、一対のダミー電極14と、半導体装置15と、発光素子16と、光学素子17と、フレーム18と、複数のボンディングワイヤ19とを有するリードフレームパッケージである。発光装置1では、第2電極12、半導体装置15及び発光素子16は、重畳して配置される。半導体装置15は、矩形の平面形状を有し、第1辺21、第2辺22、第3辺23及び第4辺24を有する。ボンディングワイヤ19は、第1ボンディングワイヤ19a、第2ボンディングワイヤ19b、第3ボンディングワイヤ19c、第4ボンディングワイヤ19d、第5ボンディングワイヤ19e及び第6ボンディングワイヤ19fの総称である。ボンディングワイヤ19は、金等の金属により形成される線状の接続部材である。
【0023】
第1電極11、第2電極12、9個の監視制御電極13及び一対のダミー電極14のそれぞれは、アルミニウム及び銅等の放熱性が高い導電性部材で形成され、互いに離隔して配置される。第1電極11は、長手方向が延伸する略矩形状の平面形状を有し、矩形の平面形状を有する半導体装置15の第1辺21の延伸方向に平行に長手方向が延伸するように配置される。第1電極11は、第1辺21の延伸方向に沿って配置される複数の第1ボンディングワイヤ19aを介して半導体装置15の表面に配置される第1端子31を介して発光素子16のアノードに電気的に接続される。
【0024】
第2電極12は、半導体装置15が実装され、半導体装置15の第2辺22、第3辺23及び第4辺のそれぞれに近接して配置される第1突出部12a、第2突出部12b及び第3突出部12cを有する。第2電極12は、一端が第1突出部12a、第2突出部12b及び第3突出部12cに接続される複数の第3ボンディングワイヤ19c、第4ボンディングワイヤ19d及び第5ボンディングワイヤ19eのそれぞれを介して半導体装置15に電気的に接続される。第2電極12は、金属を含有する樹脂材等の熱伝導率が高い接着部材を介して半導体装置15に熱的に接続される。
【0025】
9個の監視制御電極13のうち、5個の監視制御電極13は、第1突出部12aと第3突出部12cとの間に半導体装置15の第2辺22及び第4辺24に沿うように配置される。9個の監視制御電極13の他の4個の監視制御電極13は、第2突出部12bと第3突出部12cとの間に半導体装置15の第3辺23及び第4辺24に沿うように配置される。9個の監視制御電極13のそれぞれは、第6ボンディングワイヤ19fを介して半導体装置15に電気的に接続される。
【0026】
一対のダミー電極14は、第1電極11の長手方向の両端のそれぞれに第1電極11から離隔して配置される。なお、第1電極11、第2電極12、9個の監視制御電極13及び一対のダミー電極14は、絶縁性の材料で支持されている基板であってもよい。
【0027】
半導体装置15は、第1端子31と、第2端子32と、第3端子33と、第4端子34と、第5端子35と、9個の監視制御端子36とを有し、発光素子16のアノードとカソードとの間に駆動電流を監視制御する。
【0028】
第1端子31は、矩形の平面形状を有し、第1電極11に対向する第1辺21に沿って半導体装置15の表面に配置される。第1端子31の第1電極11に対向する第1辺21に沿う辺の長さは、発光素子16の第1電極11に対向する第1辺21に沿う辺よりも長い方が好ましい。発光素子16の少なくとも1つの辺のほぼ全てに配置されるアノード端子からのワイヤの数を最大とすることができ、配線抵抗による電圧降下が抑制される。また、第1端子31の第1電極11に対向する第1辺21に直交する辺の長さは、発光素子16の第1電極11に対向する第1辺21に沿う辺よりも短い方が好ましい。経路が短くなるので、配線抵抗による電圧降下が抑制される。なお、第1端子31の第1電極11に対向する第1辺21に直交する辺の長さは、半導体装置15及び発光素子16のサイズに応じて決定され、第1電極11に対向する第1辺21に沿う辺よりも長くてもよく、同一であってもよい。第1端子31の第1辺21に近接する領域には、第1電極11と第1端子31との間を電気的に接続する複数の第1ボンディングワイヤ19aが第1辺21の延伸方向に沿って配置される。第1端子31の第1辺21から離隔する領域には、第1電極11と発光素子16のアノードとの間を電気的に接続する複数の第2ボンディングワイヤ19bが第1辺21の延伸方向に沿って配置される。
【0029】
第2端子32は、矩形の平面形状を有し、半導体装置15の表面の中央に配置される。第2端子32には、発光素子16が実装され、第2端子32と発光素子16のカソードとの間が電気的に接続される。
【0030】
第3端子33及び第4端子34のそれぞれは、第1辺21に直交する第2辺22及び第3辺23に長手方向が延伸する矩形状の平面形状を有し、第2辺22及び第3辺23のそれぞれに沿って半導体装置15の表面に配置される。第3端子33には、第1突出部12aと第3端子33との間を電気的に接続する複数の第3ボンディングワイヤ19cが第2辺22の延伸方向に沿って配置される。第4端子34には、第2突出部12bと第4端子34との間を電気的に接続する複数の第4ボンディングワイヤ19dが第3辺23の延伸方向に沿って配置される。
【0031】
第5端子35は、円形の平面形状を有し、第4辺24の中央部の近傍に配置される。第5端子35には、第3突出部12cと第5端子35との間を電気的に接続する第5ボンディングワイヤ19eが配置される。
【0032】
9個の監視制御端子36のそれぞれは、円形の平面形状を有し、第2辺22、第3辺23及び第4辺の近傍に配置される。9個の監視制御端子36のそれぞれには、9個の監視制御電極13との間を電気的に接続する第6ボンディングワイヤ19fが配置される。
【0033】
半導体装置15は、複雑な回路構成が可能な片面の配線板とも言え、配線設計の自由度が高い。なお、配線設計の自由度が高いとは、配線の幅が1μm以上、5μm以上、又は10μm以上であり、50μm以下、100μm以下、又は200μmよりも狭くてよく、配線のピッチが1μm以上、5μm以上、又は10μm以上であり、50μm以下、100μm以下、又は200μmよりも狭く構成された配線があることである。また、例えば、半導体装置15の各辺の好適な位置に、第1端子31、第2端子32、第3端子33、第4端子34、第5端子35、9個の監視制御端子36を容易に配置できる。このとき、ワイヤ長が最短となるように、それぞれの端子の近傍に、第1電極11、第2電極12、監視制御電極13、ダミー電極14を配置することも容易であり、各端子と各電極のワイヤ長を最短にできるから、ボンディングワイヤ19が断線するリスクが低くなる。また、各電極の配置が容易であるから、配線設計の自由度が低いリードフレームを使用できる。なお、配線設計の自由度が低いとは、例えば、配線の幅が200μm以上、又は300μm以上であり、配線のピッチが200μm以上である。リードフレームは、例えば、銅などの金属材料で構成されてもよく、単一や単層の金属材料で構成されてもよく、また、表層には、全周に渡って、金及び銀などのメッキが形成されてもよい。
【0034】
発光素子16は、VCSELとも称され、レーザ光を出射する複数のエミッタが表面に等間隔にアレイ状に配置される。発光素子16は、例えば364(26×14)個のエミッタを有し、364個のエミッタは、0.0385mmのピッチで配列される。発光素子16は、表面に配置されるアノードと、裏面に配置されるカソードとを有し、アノードとカソードとの間に電流が供給されることに応じて発光する。発光素子16は、高い光出力を有する一方、発光に伴い放射される発熱量が大きい。
【0035】
光学素子17は、例えばポリアリレート樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、及びエポキシ樹脂等の紫外線硬化樹脂で形成された光透過性部材により構成されている。光学素子17の表面及び裏面の少なくとも一方には、発光素子16から出射された光ビームを、所定の形状(例えば、矩形)の照射領域内を均等に照らすように成形するためのシボ加工等がなされている。光学素子17は、発光装置1の発光効率が低下しないように、発光素子16から出射された光ビームの少なくとも90%以上、好ましくは95%以上が、照射領域の照明に寄与するように構成されている。なお、光学素子17は、他のビーム成形するための光学素子であっても、単なる平板であっても良い。
【0036】
図5は、フレーム18の斜視図である。
【0037】
フレーム18は、黒色の樹脂製の部材であり、第1壁部41と、第2壁部42と、第3壁部43と、第4壁部44と、支持面45と、第1凸部46と、第2凸部47とを有する。フレーム18は、第1電極11及び第2電極12の表面、及び第1端子31の一部、及び第3端子33及び第4端子34を覆うように配置される。なお、第1電極11、第2電極12、監視制御電極13及びダミー電極14の底面は、フレーム18に覆われない。フレーム18の底面は、第1電極11、第2電極12、監視制御電極13及びダミー電極14の底面と同一面を形成する。第1電極11、第2電極12、監視制御電極13及びダミー電極14の底面は、例えば、不図示のヒートシンクに面接触可能であるから、大きな放熱経路を有すると言える。
【0038】
第1壁部41、第2壁部42、第3壁部43及び第4壁部44のそれぞれは、半導体装置15の第1辺21、第2辺22、第3辺23及び第4辺24のそれぞれに平行に延伸する。支持面45は、第1壁部41、第2壁部42、第3壁部43及び第4壁部44に囲まれ、且つ発光素子16が視認可能な矩形の開口部48が中央に形成される。
【0039】
第1凸部46は、第2壁部42に対向する第3壁部43の方向に突出するように、第2壁部42の内壁の中央部に配置される。第2凸部47は、第3壁部43に対向する第2壁部42の方向に突出するように、第3壁部43の内壁の中央部に配置される。第1凸部46及び第2凸部47のそれぞれは、光学素子17の端部に対向するように配置される。
【0040】
図6は、発光装置1の回路図である。
【0041】
半導体装置15は、電流制御素子51と、スイッチング素子52と、静電保護素子53と、キャパシタ54と、監視制御回路55とを更に有する。半導体装置15は、発光素子16に直列接続される電流制御素子51及びスイッチング素子52を制御すると共に、監視制御回路55が発光素子16に流れる電流等を監視することで、発光素子16の発光を監視制御する。
【0042】
電流制御素子51及びスイッチング素子52は、n型の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor、MOSFET)である。電流制御素子51及びスイッチング素子52は、発光素子16を介して第2端子32と第3端子33及び第4端子34に流れる駆動電流を制御する駆動素子である。
【0043】
電流制御素子51のゲートは、監視制御端子36の1つを介して監視制御電極13の1つに接続される。電流制御素子51のソースはスイッチング素子52のドレインに接続され、電流制御素子51のドレインは第2端子32を介して発光素子16のカソードに接続される。スイッチング素子52のゲートは監視制御回路55に接続され、スイッチング素子52のソースは第3端子33及び第4端子34を介して第2電極に接続される。
【0044】
電流制御素子51は、監視制御電極13に印加される電流設定信号に基づいて、発光素子16のアノードとカソードとの間及び電流制御素子51のソースとドレインとの間に流れる駆動電流の電流量を制御する。
【0045】
スイッチング素子52は、監視制御回路55によって生成される周期信号に基づいてオンオフすることで、発光素子16のアノードとカソードとの間及びスイッチング素子52のソースとドレインとの間に流れる駆動電流を所定の周期でオンオフする。
【0046】
静電保護素子53は、監視制御電極13と電流制御素子51との間に配置される。静電保護素子53は、例えば抵抗素子であり、電流制御素子51のゲート酸化膜を静電気から保護する。
【0047】
キャパシタ54は、半導体装置15の基板上に絶縁層を介して配置される一対の金属配線層により形成され、一端が電流制御素子51に接続され、他端が第3端子33を介して第2電極12に接続される。
【0048】
監視制御回路55は、電流駆動回路56と、温度監視回路57と、電流監視回路58と、光量監視回路59とを有する。電流駆動回路56は、監視制御端子36を介して監視制御電極13から入力される信号に基づいて周期信号を生成し、生成した周期信号をスイッチング素子52のゲートに印加する。監視制御回路55は、監視制御端子36から電源電圧が供給されると共に、第5端子35を介して第2電極12に接続されることで、接地される。
【0049】
温度監視回路57は、サーミスタを有し、半導体装置15の表面に配置される発光素子16の温度を測定し、サーミスタによって測定される温度が所定のしきい値温度を越えたとき、警報信号を監視制御端子36を介して監視制御電極13から出力する。電流監視回路58は、駆動電流を検出し、検出される駆動電流がしきい値電流を越えたとき、警報信号を監視制御端子36を介して監視制御電極13から出力する。光量監視回路59は、発光素子16から出射される光の光量を示す光量信号が不図示の光電変換素子から入力され、入力される光量信号に対応する光量が所定の光量範囲を外れたとき、警報信号を監視制御端子36を介して監視制御電極13から出力する。なお、監視制御回路55は、電流駆動回路56、温度監視回路57、電流監視回路58及び光量監視回路59を有するが、実施形態に係る発光装置では、監視制御回路55は、電流駆動回路56と、温度監視回路57、電流監視回路58及び光量監視回路59を有していなくてもよい。また、実施形態に係る発光装置では、監視制御回路55は、電流駆動回路56と、温度監視回路57、電流監視回路58及び光量監視回路59の少なくとも1つを有してもよい。
【0050】
図7は、半導体装置15の基板上に配置される素子の配置を示す図である。図7において、実線は基板50上に配置される素子を示し、破線は半導体装置15の表面に配置される端子を示す。
【0051】
半導体装置15は、28個の電流制御素子51、28個のスイッチング素子52、2個の静電保護素子53、2個のキャパシタ54、回路ブロック55a、温度監視回路57及び電流監視回路58を有する。
【0052】
28個の電流制御素子51は、14個の電流制御素子51をそれぞれが含む第1電流制御素子群51aと第2電流制御素子群51bとに分割され、第2端子32の一対の辺に平行に延伸し且つ第2端子32の中心を通る直線を軸51cとして線対称になるように配置される。第1電流制御素子群51aに含まれる電流制御素子51は、軸51cと半導体装置15の第2辺22の間に、一端が第2端子32の一対の辺の一方の直下に位置するように配置される。第2電流制御素子群51bに含まれる電流制御素子51は軸51cと半導体装置15の第3辺23の間に、一端が第2端子32の一対の辺の他方の直下に位置するように配置される。
【0053】
電流制御素子51は、半導体装置15を平面視したときに、全体に亘って第2端子32に重畳するように配置される。なお、電流制御素子51のそれぞれは、半導体装置15を平面視したときに、少なくとも一部が第2端子32に重畳するように配置されてもよい。半導体装置15を平面視したときに、電流制御素子51のそれぞれの一部が第2端子32に重畳するように配置されるとき、電流制御素子51が第2端子32に重畳する面積は互いに等しい。
【0054】
第1電流制御素子群51a及び第2電流制御素子群51bのそれぞれに含まれる電流制御素子51は、半導体装置15の第2辺22及び第3辺23の延伸方向と平行に配列される。第1電流制御素子群51aに含まれる電流制御素子51と軸51cとの間の距離は、第2電流制御素子群51bに含まれる電流制御素子51と軸51cとの間の距離と同一である。
【0055】
電流制御素子51は、並列接続される。第1電流制御素子群51aに含まれる電流制御素子51のゲートは、静電保護素子53及びキャパシタ54を介して監視制御電極13の1つに接続される。第1電流制御素子群51aに含まれる電流制御素子51のソースは、隣接して配置されるスイッチング素子52のドレインに接続される。第1電流制御素子群51aに含まれる電流制御素子51のドレインは、第2端子32に接続される。
【0056】
第2電流制御素子群51bに含まれる電流制御素子51のゲートは、静電保護素子53及びキャパシタ54を介して監視制御電極13の1つに接続される。第2電流制御素子群51bに含まれる電流制御素子51のソースは、隣接して配置されるスイッチング素子52のドレインに接続される。第2電流制御素子群51bに含まれる電流制御素子51のドレインは、第2端子32に接続される。
【0057】
28個のスイッチング素子52は、14個のスイッチング素子52をそれぞれが含む第1スイッチング素子群52aと第2スイッチング素子群52bとに分割され、軸51cとして線対称になるように配置される。第1スイッチング素子群52aに含まれるスイッチング素子52は、第1電流制御素子群51aと半導体装置15の第2辺22の間に配置される。第2スイッチング素子群52bに含まれるスイッチング素子52は、第2電流制御素子群51bと半導体装置15の第3辺23の間に配置される。
【0058】
第1スイッチング素子群52a及び第2スイッチング素子群52bのそれぞれに含まれるスイッチング素子52は、第1電流制御素子群51a及び第2電流制御素子群51bの外側に隣接して、第2辺22及び第3辺23の延伸方向と平行に配列される。第1スイッチング素子群52aに含まれるスイッチング素子52と軸51cとの間の距離は、第2スイッチング素子群52bに含まれるスイッチング素子52と軸51cとの間の距離と等しい。
【0059】
28個のスイッチング素子52のそれぞれは、28個の電流制御素子51のそれぞれに直列接続される。第1スイッチング素子群52aに含まれるスイッチング素子52は第3端子33に並列接続され、第2スイッチング素子群52bに含まれるスイッチング素子52は第4端子34に並列接続される。
【0060】
第1スイッチング素子群52aに含まれるスイッチング素子52のゲートは、監視制御回路55の電流駆動回路56に接続される。第1スイッチング素子群52aに含まれるスイッチング素子52のソースは、第3端子33を介して第2電極12に接続される。第1スイッチング素子群52aに含まれるスイッチング素子52のドレインは、第1電流制御素子群51aに含まれる電流制御素子51のソースに接続される。
【0061】
第2スイッチング素子群52bに含まれるスイッチング素子52のゲートは、監視制御回路55の電流駆動回路56に接続される。第2スイッチング素子群52bに含まれるスイッチング素子52のソースは、第4端子34を介して第2電極12に接続される。第2スイッチング素子群52bに含まれるスイッチング素子52のドレインは、第2電流制御素子群51bに含まれる電流制御素子51のソースに接続される。
【0062】
2個の静電保護素子53は、第1電流制御素子群51a及び第2電流制御素子群51bのそれぞれに近接して配置され、第1電流制御素子群51a及び第2電流制御素子群51bに含まれる電流制御素子51のゲートに接続される。
【0063】
2個のキャパシタ54は、半導体装置15の基板50上に絶縁層を介して配置される一対の金属配線層により形成される。キャパシタ54の一方は第2辺22と第1電流制御素子群51aとの間に配置され、キャパシタ54の他方は第3辺23と第2電流制御素子群51bとの間に配置される。
【0064】
回路ブロック55aは、電流駆動回路56、温度監視回路57、電流監視回路58及び光量監視回路59の一部又は全部を形成する論理回路を含む。回路ブロック55aは、コンパレータ、ローパスフィルタ及び抵抗素子等のアナログ素子と共に、バッファ素子、AND素子、OR素子、フリップフロップ素子及びカウンタ等のデジタル素子を含む。回路ブロック55aは、第4辺24と第1電流制御素子群51a及び第2電流制御素子群51bとの間に配置される。
【0065】
図8は、発光装置1の製造方法を示すフローチャートである。図9図8に示す電極準備工程に対応する平面図であり、図10図8に示す半導体装置実装工程に対応する平面図であり、図11図8に示す第1ワイヤボンディング工程に対応する平面図である。図12図8に示すフレーム形成工程に対応する平面図であり、図13図8に示す発光素子実装工程に対応する平面図であり、図14図8に示す第2ワイヤボンディング工程に対応する平面図である。図8~14を参照して、単一の発光装置1が製造される製造方法が説明されるが、図8~14を参照して説明される製造方法と同様な製造方法によって複数の発光装置1が製造されてもよい。
【0066】
まず、電極準備工程において、第1電極11、第2電極12、複数の監視制御電極13及び一対のダミー電極14のそれぞれは、互いに離隔する所定の位置に配置される(S101)。
【0067】
次いで、半導体装置実装工程において、半導体装置15は、第2電極12に実装される(S102)。半導体装置15は、金属を含有する樹脂材等の熱伝導率が高い接着シート15aを介して第2電極12の表面に接着することで、第2電極12に実装される。
【0068】
次いで、第1ワイヤボンディング工程において、第1電極11等の電極と第1端子31等の端子の間がボンディングワイヤ19によって電気的に接続される(S103)。第1電極11は、複数の第1ボンディングワイヤ19aによって第1端子31に接続される。第2電極12は、複数の第3ボンディングワイヤ19c、複数の第4ボンディングワイヤ19d及び複数の第5ボンディングワイヤ19eによって第3端子33、第4端子34及び第5端子35に接続される。監視制御電極13のそれぞれは、第6ボンディングワイヤ19fによって監視制御端子36のそれぞれに接続される。第1電極11等の電極と第1端子31等の端子の間がボンディングワイヤ19によって電気的に接続されることで、外部装置に電気的に接続可能な電極と、半導体装置15との間が電気的に接続される。
【0069】
次いで、フレーム形成工程において、フレーム18は、第1電極11及び第2電極12の表面、及び第1端子31の一部、及び第3端子33及び第4端子34を覆うように形成される(S104)。フレーム18は、フレーム18の形状に対応する形状を有する金型にフレーム18の原材料を注入した後に、フレーム18の原材料を加熱して固化することで、形成される。
【0070】
次いで、発光素子実装工程において、発光素子16は、半導体装置15の表面に配置される第2端子32に実装される(S105)。発光素子16は、金錫はんだ等の導電性の接着部材を介して第2端子32の表面に接着することで、第2端子32に実装される。発光素子16は、第2電極12及び半導体装置15に重畳して配置される。
【0071】
次いで、第2ワイヤボンディング工程において、第1端子31と発光素子16のアノードの間が第2ボンディングワイヤ19bによって電気的に接続される(S106)。フレーム18によって、第1電極11等の電極と第1端子31等の端子の間のボンディングワイヤ19は覆われているから、発光素子実装工程における外力から保護され、ボンディングワイヤ19の断線リスクを低減できる。
【0072】
そして、光学素子実装工程において、光学素子17は、フレーム18の支持面45に実装される(S107)ことで、発光装置1は製造される。光学素子17は、シリコーン樹脂等の樹脂材料により形成される接着剤を介して支持面45に接着することで、支持面45に実装される。発光素子16及び第1端子31と発光素子16のアノードの間を接続する第2ボンディングワイヤ19bは、フレーム18の凹部である開口部48で囲まれているから、光学素子17を実装するときの外力による破損のリスクは低い。
【0073】
発光装置1は、発光素子16が発光素子を駆動する駆動装置である半導体装置15に重畳するように配置されるので、半導体装置15と発光素子16とが一体化され且つ小型化が可能である。また、発光装置1は、発光素子16が重畳して配置される半導体装置15を接地する第2電極12が半導体装置15及び発光素子16に重畳して配置されるので、更なる小型化が可能である。
【0074】
また、発光装置1では、発光中に発光素子16から放射される熱は、半導体装置15を介して、熱伝導率が高い材料で形成される第2電極12に放熱されるので、発光装置1は、良好な放熱特性を有する。発光素子16から放射される熱は、第2端子32、金属配線層、電流制御素子51及びシリコン基板を介して第2電極12に放熱される。
【0075】
また、発光装置1では、第1電極11と第1端子31との間は、複数の第1ボンディングワイヤ19aによって接続される。例えば、第1端子31に発光素子16を実装するとき、半導体装置15の第1辺21からはみ出さないように、第1辺21の上端から離隔した位置に配置されるので、離隔した距離だけボンディングワイヤ19の長さが長くなる。また、発光素子16と第1電極11との間を接続するボンディングワイヤ19は、半導体装置15の第1辺の上端に触れないように第1辺の上端の発光素子16から離れる方向へ離隔させるから、離隔した距離だけワイヤが長くなる。一方、発光装置1は、第1端子の第1辺21の近傍に第1ボンディングワイヤ19aが配置できるから、発光装置1は、第1端子31に発光素子16を実装したときよりも、第1電極11と第1端子31との間の配線の抵抗による電圧降下が抑制される。例えば、発光素子16から第1電極11へのワイヤは半導体装置15の第1辺の上端に触れないように第1辺の上端の発光素子16から離れる方向へ離隔させるから、離隔した距離だけボンディングワイヤ19の長さが長くなる。一方、発光装置1は、発光素子16から発光素子の高さだけ低い位置にある第1端子31に第2ボンディングワイヤ19bを直接接続でき、面積の大きく配線抵抗が小さい第1端子31を経由して、前述のワイヤ経路で第1電極11に接続できるから、発光装置1は、発光素子16と第1電極11との間をボンディングワイヤ19により接続したときよりも、第1電極11とアノードとの間の配線抵抗による電圧降下が抑制される。また、発光装置1では、第2電極12と第3端子33及び第4端子34のそれぞれとの間は、複数のボンディングワイヤ19によって接続されるので、接地される第2電極12と半導体装置15との間の配線抵抗による電圧上昇が抑制される。
【0076】
また、発光装置1では、第1端子31は第1電極11に対向する第1辺21に沿って配置され、第2端子32は半導体装置15の表面の中央に配置され、第3端子33及び第4端子34は第2辺22及び第3辺23に沿って配置される。発光装置1では、第1端子31と、第2端子32と、第3端子33及び第4端子34とを離隔して配置することで、第1端子31、第2端子32、第3端子33及び第4端子34の間に流れる駆動電流が干渉して、駆動電流にノイズが発生するおそれを低くすることができる。
【0077】
さらに、発光装置1は、監視制御回路55に接続される複数の監視制御端子36は、第4辺24に沿って配置されるので、監視制御回路55から入出力される信号に駆動電流が干渉してノイズが発生するおそれを低くすることができる。また、複数の監視制御端子36のそれぞれに接続される監視制御電極13は、第4辺に沿って配置されるので、監視制御回路55から入出力される信号に駆動電流が干渉して、駆動電流にノイズが発生するおそれを更に低くすることができる。
【0078】
また、発光装置1では、第1電極11及び第2電極12の表面、第1端子31の一部、並びに第3端子及び第4端子は、ワイヤボンディング工程の後に配置される樹脂製のフレーム18によって覆われる。発光装置1は、枠材として機能するフレーム18を配置する前にワイヤボンディング工程が実行されるので、ワイヤボンディング工程における離隔距離を確保することなく小型化が可能である。
【0079】
また、発光装置1は、第2電極12及び半導体装置15がフレーム18によって固定されるので、第2電極12と半導体装置15との間の接着強度がフレーム18によって補強され、半導体装置15が第2電極12から剥離することを防止できる。
【0080】
また、発光装置1では、光学素子17は、第1壁部41、第2壁部42、第3壁部43及び第4壁部44に囲まれ且つ発光素子16が視認可能な開口部48が中央に形成される支持面45によって支持される。発光装置1では、光学素子17が支持面45によって支持されるので、製造コストが高い光学素子17の大きさを最小化できるので、発光装置1の製造コストを低減することができる。
【0081】
また、発光装置1では、フレーム18は、光学素子17を挟むように配置される一対の第1凸部46及び第2凸部47を有するので、発光装置1を製造するときに、光学素子17の実位置を容易に決定することができる。
【0082】
また、発光装置1では、電流制御素子51は、半導体装置15を平面視したときに、全体に亘って第2端子32に重畳するように配置されるので、発光素子16から放射される熱が均等に印加される。発光装置1では、電流制御素子51は、発光素子16から放射される熱が均等に印加されるので、加熱されることにより電気特性が互いにばらつくおそれは低い。MOSFETにより形成される電流制御素子51では、ゲート電圧が印加されることに応じてソース―ドレイン間に流れる駆動電流の電流量は、温度依存性が高く、電流制御素子51の温度が互いに相違すると、駆動電流の電流量が互いに相違する。発光装置1では、電流制御素子51は、半導体装置15を平面視したときに、全体に亘って第2端子32に重畳するように配置されるので、電流制御素子51の温度が等しくなり、駆動電流の制御が容易になる。
【0083】
また、発光装置1では、電流制御素子51は、軸51cを中心に線対称になるように配置されるので、互いの温度の差は更に小さくなりドレイン電流の制御が更に容易になる。
【0084】
また、発光装置1では、電流制御素子51は、対向する第2辺22及び第3辺23に近接し且つ平行に延伸する第3端子33及び第4端子34を介して第2電極12に接続されるので、駆動電流が2つに分割され、駆動電流が流れることにより生じる寄生インピーダンスを低減できる。発光装置1は、駆動電流が流れることにより生じる寄生インピーダンスを低減できるので、寄生インピーダンスに起因して電気特性が低下するおそれを低くすることができる。
【0085】
また、発光装置1では、電流制御素子51は、軸51cと第2辺22との間に配置される第1電流制御素子群51aと軸51cと第3辺23との間に配置される第2電流制御素子群51bとに分割して配置されるので、第3端子33及び第4端子34との接続が容易である。
【0086】
また、発光装置1では、電流制御素子51を第1電流制御素子群51aと第2電流制御素子群51bとに分割して配置することで、駆動電流は第2辺22及び第3辺23に向かって流れる2つの方向に分割される。駆動電流が分割される2つの方向は、第1端子31から発光素子16に流れる駆動電流、及び発光素子16から第2端子32に流れる駆動電流の双方と直交する方向であり、駆動電流が流れることにより生じる寄生インピーダンスは更に低減される。
【0087】
また、発光装置1では、電流制御素子51は、一端が第2辺22及び第3辺の直下に位置するように配置されることで、第2端子32の面積を大きくすることなく第2端子32の直下に均等な配置ピッチで配置可能になる。発光装置1では、電流制御素子51を直下に配置することに応じて第2端子32の面積を大きくしなくてよいので、第2端子32の面積は、発光素子16の面積と略同一にすることができる。第2端子32の面積が発光素子16の面積と略同一になるので、発光素子16の配置位置がばらつくおそれがなく、発光素子16は、平面視したときに第2端子32と中心が一致するように配置できる。発光装置1では、発光素子16の配置位置がばらつかないので、発光素子16と電流制御端子51との間の位置関係がばらつくおそれはない。発光素子16は、第2端子32と中心が一致するように配置され、発光素子16と電流制御端子51との間の位置関係がばらつくおそれはないので、複数の電流制御端子51のそれぞれが発光素子16と重畳する面積は、互いに略同一になる。発光装置1では、発光に応じる発熱量が大きい発光素子16と重畳する面積が複数の電流制御端子51の間で略同一になるので、発光素子16から印加される熱量の差は小さく、電流制御端子51の動作特性のばらつきは、抑制できる。
【0088】
また、発光装置1では、発光素子16のアノードに駆動電力を供給する第1端子31が第1辺21に離隔して配置されるので、第1端子31に流れる駆動電力と第3端子33及び第4端子34に流れる駆動電流が干渉するおそれを低くすることができる。発光装置1は、第1端子31に流れる駆動電力と第3端子33及び第4端子34に流れる駆動電流が干渉することで、発光素子16に供給される駆動電流の特性が劣化して発光素子16から出射される光の光学特性が劣化するおそれは低い。
【符号の説明】
【0089】
11 第1電極
12 第2電極
13 監視制御電極
14 ダミー電極
15 半導体装置
16 発光素子
17 光学素子
18 フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14