(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168648
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】車両の走行モード切換装置及びその表示装置
(51)【国際特許分類】
F16H 61/16 20060101AFI20221031BHJP
B60K 23/00 20060101ALI20221031BHJP
F16H 59/02 20060101ALI20221031BHJP
F16H 63/40 20060101ALI20221031BHJP
B60K 20/02 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
F16H61/16
B60K23/00 K
F16H59/02
F16H63/40
B60K20/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074260
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100197561
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 三喜男
(72)【発明者】
【氏名】延谷 尚輝
(72)【発明者】
【氏名】今村 泰理
(72)【発明者】
【氏名】梅津 大輔
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 直紀
(72)【発明者】
【氏名】松尾 純太郎
【テーマコード(参考)】
3D040
3J552
【Fターム(参考)】
3D040AA10
3D040AA14
3D040AA40
3D040AB01
3D040AC36
3D040AD04
3D040AE13
3D040AF07
3D040AF29
3J552NA02
3J552NB01
3J552PA54
3J552PB10
3J552QC03
3J552QC07
3J552QC08
3J552QC10
3J552RA28
3J552RB30
3J552TB13
3J552VA70W
3J552VD17W
(57)【要約】
【課題】スポーツ走行モードとトーイング走行モードとを含む複数の走行モードが切換可能に構成された車両において、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを適切に設定できるようにする。
【解決手段】スポーツ走行モードとトーイング走行モードとを含む複数の走行モードが切換可能に構成された車両の走行モード切換装置50は、走行モード選択操作手段22によって選択操作された走行モードに車両の走行モードを切り換える走行モード切換手段30と、トーイング状態検出手段3cによって車両の牽引状態が検出された場合、スポーツ走行モードへの選択操作を規制し、車両の牽引状態が検出されない場合、トーイング走行モードへの選択操作を規制する走行モード規制手段30とを備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツ走行モードとトーイング走行モードとを含む複数の走行モードが切換可能に構成された車両の走行モード切換装置であって、
ドライバによって走行モードが選択操作される走行モード選択操作手段と、
前記走行モード選択操作手段によって選択操作された走行モードに車両の走行モードを切り換える走行モード切換手段と、
車両の牽引状態を検出するトーイング状態検出手段と、
前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出された場合、前記走行モード選択操作手段によるスポーツ走行モードへの選択操作を規制し、前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出されない場合、前記走行モード選択操作手段によるトーイング走行モードへの選択操作を規制する走行モード規制手段とを備えている
ことを特徴とする車両の走行モード切換装置。
【請求項2】
表示画面に選択可能である走行モードの操作画面を表示する表示装置を備え、
前記走行モード選択操作手段は、前記操作画面に表示された走行モードからドライバによって走行モードが選択操作可能に構成され、
前記走行モード規制手段は、前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出された場合、前記操作画面にスポーツ走行モードを表示しないように規制し、前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出されない場合、前記操作画面にトーイング走行モードを表示しないように規制する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の走行モード切換装置。
【請求項3】
前記走行モードとして、スポーツ走行モード及びトーイング走行モードを除く他の走行モードを含む
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両の走行モード切換装置。
【請求項4】
前記他の走行モードは、ノーマル走行モードである
ことを特徴とする請求項3に記載の車両の走行モード切換装置。
【請求項5】
前記他の走行モードは、ノーマル走行モード及びオフロード走行モードである
ことを特徴とする請求項3に記載の車両の走行モード切換装置。
【請求項6】
スポーツ走行モードとトーイング走行モードとを含む複数の走行モードが切換可能に構成された車両の走行モード切換装置の表示装置であって、
ドライバによって走行モードが選択操作される走行モード選択操作手段と、
表示画面に前記走行モード選択操作手段によって選択可能である走行モードの操作画面を表示する表示装置と、
車両の牽引状態を検出するトーイング状態検出手段と、
前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出された場合、前記操作画面にスポーツ走行モードを表示しないように規制し、前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出されない場合、前記操作画面にトーイング走行モードを表示しないように規制する走行モード規制手段とを備えている
ことを特徴とする車両の走行モード切換装置の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行モード切換装置及びその表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
四輪駆動車等の車両において、ドライバの選択によってノーマル走行モードとスポーツ走行モードとが切換可能に構成されたものが知られている。スポーツモードでは、例えば、アクセルペダルの踏込時にノーマル走行モードに比して目標加速度を大きくして車両をより加速するように設定される。四輪駆動車等の車両ではまた、車両の後方にトレーラなどの被牽引車両を牽引可能に構成されることがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
走行モードとしてノーマル走行モードとスポーツ走行モードとを備える四輪駆動車等の車両において、車両(牽引車両)の後方に被牽引車両を牽引可能に構成される場合、走行モードとして車両の牽引状態に適したトーイング走行モードを備えることがある。トーイング走行モードでは、例えば、被牽引車両の横揺れを検出するとブレーキ装置を作動させて横揺れを抑制するように設定される。
【0005】
ドライバの選択によってスポーツ走行モード及びトーイング走行モードを含む複数の走行モードが切換可能に構成される場合、車両が被牽引車両を牽引しているときに、ドライバが誤って牽引状態に適していないスポーツ走行モードを選択するおそれがある。また、車両が被牽引車両を牽引していないときに、ドライバが誤って非牽引状態に適していないトーイング走行モードを選択するおそれがある。
【0006】
スポーツ走行モード及びトーイング走行モードを含む複数の走行モードが切換可能に構成される車両において、表示装置に選択可能な走行モードを表示し、走行モード操作スイッチをドライバが操作して表示装置に表示されたスポーツ走行モード及びトーイング走行モードを含む複数の走行モードから走行モードを選択して切り換える場合においても、ドライバが車両の牽引状態に適していない走行モードを選択するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、スポーツ走行モードとトーイング走行モードとを含む複数の走行モードが切換可能に構成された車両において、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを適切に設定できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、スポーツ走行モードとトーイング走行モードとを含む複数の走行モードが切換可能に構成された車両の走行モード切換装置であって、ドライバによって走行モードが選択操作される走行モード選択操作手段と、前記走行モード選択操作手段によって選択操作された走行モードに車両の走行モードを切り換える走行モード切換手段と、車両の牽引状態を検出するトーイング状態検出手段と、前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出された場合、前記走行モード選択操作手段によるスポーツ走行モードへの選択操作を規制し、前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出されない場合、前記走行モード選択操作手段によるトーイング走行モードへの選択操作を規制する走行モード規制手段とを備えている、車両の走行モード切換装置を提供する。
【0009】
本発明によれば、車両の牽引状態が検出された場合、走行モード選択操作手段によるスポーツ走行モードへの選択操作が規制され、車両の牽引状態が検出されない場合、走行モード選択操作手段によるトーイング走行モードへの選択操作が規制されるので、車両の牽引状態が検出された場合にドライバによってスポーツ走行モードが選択されることと、車両の牽引状態が検出されない場合にドライバによってトーイング走行モードが選択されることを防止し、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを選択することができる。
【0010】
車両が牽引状態にあるときに、ドライバが誤ってスポーツ走行モードを選択操作したり、車両が牽引状態にないときに、ドライバが誤ってトーイング走行モードを選択操作したりして走行モードの選択操作が誤操作されることを防止し、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを適切に設定することができる。
【0011】
前記車両の走行モード切換装置は、表示画面に選択可能である走行モードの操作画面を表示する表示装置を備え、前記走行モード選択操作手段は、前記操作画面に表示された走行モードからドライバによって走行モードが選択操作可能に構成され、前記走行モード規制手段は、前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出された場合、前記操作画面にスポーツ走行モードを表示しないように規制し、前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出されない場合、前記操作画面にトーイング走行モードを表示しないように規制することが好ましい。
【0012】
本構成により、操作画面に、選択可能である走行モードが表示され、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面にスポーツ走行モードを表示しないように規制され、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面にトーイング走行モードを表示しないように規制されるので、車両が牽引状態にあるときにドライバが誤ってスポーツ走行モードを選択操作したり、車両が牽引状態にないときにドライバが誤ってトーイング走行モードを選択操作したりして走行モードの選択操作が誤操作されることを確実に防止することができる。
【0013】
また、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面にスポーツ走行モードを表示しないように規制され、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面にトーイング走行モードを表示しないように規制されるので、操作画面にスポーツ走行モードとトーイング走行モードとを切り換えて表示することができ、操作画面にスポーツ走行モードとトーイング走行モードとが表示される場合に比して、操作画面に選択可能である走行モードを分かり易く表示することができる。
【0014】
前記走行モードとして、スポーツ走行モード及びトーイング走行モードを除く他の走行モードを含む。
【0015】
本構成により、走行モードとして、スポーツ走行モード及びトーイング走行モードを除く他の走行モードが設定される場合に、車両が牽引状態にあるときにドライバがスポーツ走行モードを選択操作したり、車両が牽引状態にないときにドライバがトーイング走行モードを選択操作したりすることを防止し、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを設定することができる。
【0016】
前記他の走行モードは、ノーマル走行モードであってもよい。
【0017】
本構成により、走行モードとして、ノーマル走行モード、スポーツ走行モード及びトーイング走行モードが設定される場合に、車両が牽引状態にあるときにドライバがスポーツ走行モードを選択操作したり、車両が牽引状態にないときにドライバがトーイング走行モードを選択操作したりすることを防止することができる。
【0018】
前記他の走行モードは、ノーマル走行モード及びオフロード走行モードであってもよい。
【0019】
本構成により、走行モードとして、ノーマル走行モード、オフロード走行モード、スポーツ走行モード及びトーイング走行モードが設定される場合に、車両が牽引状態にあるときにドライバがスポーツ走行モードを選択操作したり、車両が牽引状態にないときにドライバがトーイング走行モードを選択操作したりすることを防止することができる。
【0020】
本発明はまた、スポーツ走行モードとトーイング走行モードとを含む複数の走行モードが切換可能に構成された車両の走行モード切換装置の表示装置であって、ドライバによって走行モードが選択操作される走行モード選択操作手段と、表示画面に前記走行モード選択操作手段によって選択可能である走行モードの操作画面を表示する表示装置と、車両の牽引状態を検出するトーイング状態検出手段と、前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出された場合、前記操作画面にスポーツ走行モードを表示しないように規制し、前記トーイング状態検出手段によって車両の牽引状態が検出されない場合、前記操作画面にトーイング走行モードを表示しないように規制する走行モード規制手段とを備えている、車両の走行モード切換装置の表示装置を提供する。
【0021】
本発明によれば、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面にスポーツ走行モードを表示しないように規制され、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面にトーイング走行モードを表示しないように規制されるので、車両の牽引状態が検出された場合にドライバによってスポーツ走行モードが選択されることと、車両の牽引状態が検出されない場合にドライバによってトーイング走行モードが選択されることを防止し、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを選択することができる。
【0022】
車両が牽引状態にあるときに、ドライバが誤ってスポーツ走行モードを選択操作したり、車両が牽引状態にないときに、ドライバが誤ってトーイング走行モードを選択操作したりして走行モードの選択操作が誤操作されることを防止し、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを適切に設定することができる。
【0023】
また、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面にスポーツ走行モードを表示しないように規制され、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面にトーイング走行モードを表示しないように規制されるので、操作画面にスポーツ走行モードとトーイング走行モードとを切り換えて表示することができ、操作画面にスポーツ走行モードとトーイング走行モードとが表示される場合に比して、操作画面に選択可能である走行モードを分かり易く表示することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、スポーツ走行モードとトーイング走行モードとを含む複数の走行モードが切換可能に構成された車両において、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを適切に設定することできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係る走行モード切換装置を備えた車両の牽引状態を示す概略図である。
【
図4】走行モード切換装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】車両が非牽引状態にあるときの表示画面を示す図である。
【
図6】スポーツ走行モード選択時の表示画面を示す図である。
【
図7】車両が牽引状態にあるときの表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係る走行モード切換装置を備えた車両の牽引状態を示す概略図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車両(牽引車両)1は、車両1の後方に被牽引車両としてのトレーラ2を牽引可能に構成されている。
【0028】
トレーラ2は、車両1の後部に連結器3を介して連結されている。トレーラ2は、重心位置がトレーラ2の車軸より車体前方になるように形成されている。車両1は、トレーラ2を牽引している牽引状態では連結器3を介して車両1の後部に下向きの垂直荷重が作用するようになっている。
【0029】
連結器3は、車両1の後部に設けられたヒッチメンバ3aと、トレーラ2の前部に設けられたカプラ3bとによって構成されている。カプラ3bは、ヒッチメンバ3aに連結可能に形成されている。ヒッチメンバ3aには、車両1の牽引状態を検出するトーイング状態検出手段としてのトーイング検出センサ3cが設けられている。
【0030】
トーイング検出センサ3cは、通電センサによって構成されている。トーイング検出センサ3cは、車両1が牽引状態にあるときにON信号を出力し、車両1がトレーラ2を牽引していない非牽引状態にあるときにOFF信号を出力し、車両1の牽引状態を検出するようになっている。
【0031】
図2は、車両の概略構成図である。
図2に示すように、車両1は、駆動源としてのエンジン4が車体前部に配置されてエンジン4の出力を前輪5に伝達するフロントエンジン・フロントドライブ車ベースのエンジン横置き式の四輪駆動車である。
【0032】
車両1は、エンジン4と、エンジン4の駆動トルクを前輪5と後輪6とに伝達するための自動変速機7と、自動変速機7からの駆動力を左右の前輪5に車軸8を介して伝達する前輪用差動装置9と、前輪5の車軸8上に配設されて後輪6に伝達する駆動力を取り出すトランスファ10と、トランスファ10に連結されて車体前後方向に延びるプロペラシャフト11と、車体後部においてプロペラシャフト11に連結されて前輪5と後輪6とに配分する駆動力を調整するカップリング装置12と、カップリング装置12に連結されてトランスファ10からの駆動力を左右の後輪6に車軸14を介して伝達する後輪用差動装置13を有している。
【0033】
自動変速機7は、車両1の運転状態に応じて、具体的には車速及びアクセル開度に応じて所定の変速段を達成するように構成されている。トランスファ10は、軸心が車幅方向に延びる前輪用差動装置9から車体前後方向に延びるプロペラシャフト11に動力を伝達するために互いに噛み合う一対の傘歯車を備えている。
【0034】
カップリング装置12は、電磁式等のカップリング装置が用いられる。カップリング装置12は、エンジン4の出力について前輪5と後輪6に配分する駆動力を調整するように構成されている。カップリング装置12は、前輪5と後輪6とのトルク配分が前輪:後輪=100:0~50:50まで可変できるように構成されている。
【0035】
車両1はまた、ブレーキペダルの踏込み操作に応じて車両1のブレーキ力を発生させるブレーキ装置15(
図4参照)を有している。ブレーキ装置15は、ブレーキペダルの踏込み操作に応じてマスタシリンダに発生したブレーキ圧がホイールシリンダに供給されて各車輪のブレーキ力を発生するようになっている。ブレーキ装置15はまた、ブレーキペダルの踏込み操作とは別に液圧ポンプ用の電動モータを駆動させて液圧ポンプによってブレーキ圧がホイールシリンダに供給されて各車輪のブレーキ力を発生するようになっている。
【0036】
車両1には、エンジン4、自動変速機7、カップリング装置12、ブレーキ装置15などの車両1に関係する構成を制御するコントロールユニット30が設けられている。コントロールユニット30は、入力される各種制御情報に基づいて各種制御を行うようになっている。なお、コントロールユニット30は、マイクロコンピュータを主要部として構成されている。
【0037】
コントロールユニット30には、シフトレバーのレンジを検出するレンジセンサ、エンジン4の回転数を検出するエンジン回転数センサ、車両の速度を検出する車速センサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、車両の操舵角度を検出する舵角センサ、燃料の残量を検出する燃料センサ、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ、アクセルペダルの踏込み量を検出するアクセル開度センサ、ブレーキペダルの踏込み量に応じてマスタシリンダに発生するブレーキ圧を検出するブレーキ圧センサなどから信号が入力されるようになっている。
【0038】
車両1では、コントロールユニット30は、ドライバによるハンドル操作に応じてエンジン4の駆動トルクを変化させ、車両の姿勢を制御するようになっている。車両1では、旋回初期にエンジン4の駆動トルクを低減させて車両1に減速度を生じさせることで、前輪5への荷重移動を迅速に行い、前輪5のグリップ力を増加させ、ハンドル操作に対する車両の安定性を向上させて車両の姿勢を制御するようになっている。
【0039】
図3は、車両の車室を示す図である。
図3に示すように、車両1は、車体右側にハンドル16及び運転席17が配置された右ハンドル車である。車両1は、車室18の前部に配設されたダッシュボード19の車体右側にメータ画像などを表示する表示装置40を備えている。表示装置40は、メータ画像などを表示する表示画面41を有している。表示画面41は、例えば液晶ディスプレイなどから構成されている。
【0040】
表示画面41には、3つのメータ表示部42、43、44が車幅方向に並んで設けられている。表示画面41の車幅方向中央側に配置されたメータ表示部42には、車速などが表示され、表示画面41の車体左側に配置されたメータ表示部43には、エンジン回転数が表示され、表示画面41の車体右側に配置されたメータ表示部44には、エンジン冷却水の温度と燃料の残量とが表示されるようになっている。本実施形態では、表示画面41に、走行モードの操作画面45が表示されるようになっている。
【0041】
車両1には、車体前後方向に延びるセンタコンソール部20が設けられている。センタコンソール部20は、ダッシュボード19の車幅方向中央側に連結され、運転席17の車幅方向中央側に配置されている。センタコンソール部20には、自動変速機7を変速操作するシフトレバー21と、ドライバが走行モードを選択操作する走行モード選択操作手段としての走行モード操作スイッチ22とが配設されている。
【0042】
シフトレバー21は、ドライバの操作によってP(駐車)レンジ、R(後退走行)レンジ、N(中立)レンジ又はD(前進走行)レンジのレンジが選択可能に構成されている。自動変速機7は、ドライバの操作により選択されたシフトレバー21のレンジに応じて制御されるようになっている。
【0043】
走行モード操作スイッチ22は、上方に延びる中立位置から車体前後方向へ傾動可能に構成され、車両1の走行モードを選択操作可能に構成されている。車両1では、ノーマル走行モード、スポーツ走行モード、トーイング走行モード及びオフロード走行モードが設定されている。走行モード操作スイッチ22は、ドライバの操作によってノーマル走行モード、スポーツ走行モード、トーイング走行モード又はオフロード走行モードを選択可能に構成されている。
【0044】
車両1では、走行モード操作スイッチ22によって選択操作された走行モードに車両1の走行モードが切り換えられ、走行モードに応じて車両1の走行制御が行われるようになっている。
【0045】
ノーマル走行モード、スポーツ走行モード、オフロード走行モード及びトーイング走行モードはそれぞれ、アクセル開度及び車速に基づいて目標加速度特性が予め設定されているとともに、アクセル開度及び車速に基づいて自動変速機7の変速比特性が予め設定されている。
【0046】
ノーマル走行モードでは、車速が低いほど目標加速度が高くなるように目標加速度特性が設定されている。ノーマル走行モードでは、目標加速度特性に従ってエンジン4の出力トルクが制御される場合、低車速において加速感を得るとともに高車速において高い燃費性能を実現する車両の走行制御を行い、走行性能と燃費性能との両立を図るようにエンジン4及び自動変速機7などが制御される。
【0047】
スポーツ走行モードでは、ノーマル走行モードに比して、アクセルペダルの踏込時に目標加速度を大きくするように設定されている。スポーツ走行モードでは、ドライバのより加速したいというアグレッシブな意図に追従して車両の走行制御を行い、走行性能を高めるようにエンジン4及び自動変速機7などが制御される。
【0048】
オフロード走行モードでは、ノーマル走行モードに比して、アクセルペダルの踏込時に目標加速度を小さくするように、ブレーキペダルの踏込み操作時にブレーキ力を大きくするように、旋回初期にエンジン4の駆動トルクを大きく低減させるように、アイドル回転数を高くするように、且つ後輪6へのトルク配分を増加させるように設定されている。オフロード走行モードでは、悪路走行時であるオフロード走行時に適した車両の走行制御を行い、悪路走破性などを高めるようにエンジン4、自動変速機7、ブレーキ装置15、カップリング装置12などが制御される。
【0049】
トーイング走行モードでは、ノーマル走行モードに比して、ブレーキペダルの踏込み時にブレーキ力を大きくするように、旋回初期にエンジン4の駆動トルクを大きく低減させるように、後輪6へのトルク配分を増加させるように、且つ被牽引車両2の横揺れを抑制するブレーキ力を前輪5に発生させるように設定されている。トーイング走行モードでは、車両1が牽引状態にある牽引走行時に適した車両の走行制御を行い、牽引走行時の走行安定性などを高めるようにエンジン4、自動変速機7、ブレーキ装置15、カップリング装置12などが制御される。
【0050】
図4は、走行モード切換装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る車両の走行モード切換装置50は、ドライバの選択によって走行モードが切換可能に構成され、
図4に示すように、走行モード操作スイッチ22、トーイング検出センサ3c、表示装置40、エンジン4、自動変速機7、ブレーキ装置15、カップリング装置12、コントロールユニット30などを備えている。走行モード切換装置50はまた、前述したように、レンジセンサ、エンジン回転数センサ、車速センサ、加速度センサ、舵角センサ、燃料センサ、水温センサ、アクセル開度センサ、ブレーキ圧センサなどを備えている。
【0051】
コントロールユニット30は、車両1に関係する構成を制御し、表示装置40の表示画面41に対する操作画面45などの表示制御、走行モード操作スイッチ22によって選択操作された走行モードに車両の走行モードを切り換えて車両の走行制御を行う走行モード切換制御、及び、トーイング検出センサ3cによって車両1の牽引状態が検出された場合にスポーツ走行モードへの選択操作を規制し、トーイング検出センサ3cによって車両1の牽引状態が検出されない場合にトーイング走行モードへの選択操作を規制する走行モード規制制御を行う。
【0052】
走行モード規制制御は、車両の牽引状態が検出された場合、走行モード操作スイッチ22によって選択操作される操作画面45にスポーツ走行モードを表示しないように規制し、車両の牽引状態が検出されない場合、走行モード操作スイッチ22によって選択操作される操作画面45にトーイング走行モードを表示しないように規制する。
【0053】
コントロールユニット30は具体的には、車両の牽引状態が検出された場合、トーイング走行モード、ノーマル走行モード及びオフロード走行モードを表示してスポーツ走行モードを表示しない操作画面45を表示し、車両の牽引状態が検出されない場合、スポーツ走行モード、ノーマル走行モード及びオフロード走行モードを表示してトーイング走行モードを表示しない操作画面45を表示する。
【0054】
また、本実施形態に係る車両の走行モード切換装置の表示装置は、走行モード操作スイッチ22と、表示装置40と、トーイング検出センサ3cと、走行モード規制手段30とを備えて構成され、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面45にスポーツ走行モードを表示しないように規制し、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面45にトーイング走行モードを表示しないように規制する。
【0055】
図5は、車両が非牽引状態にあるときの表示画面を示す図である。
図5に示すように、表示装置40の表示画面41には、車速を表示するメータ表示部42が表示される。メータ表示部42には、放射状に等間隔に車両の速度を示す目盛を有する円弧状の目盛画像42aが表示されると共に、目盛画像42aの径方向に延びて車両の速度を示す針状の指針画像42bが表示される。
【0056】
車両1では、表示画面41には、走行モード操作スイッチ22によって選択操作される走行モードの操作画面45が表示される。操作画面45は、ドライバによって視認し易いメータ表示部42の中央側に設けられている。
【0057】
車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面45として、
図5に示すように、非牽引状態にあるときの操作画面45aが表示される。操作画面45aには、走行モード操作スイッチ22によって選択可能である走行モード選択項目として、スポーツ走行モードを示す「SPORT」、ノーマル走行モードを示す「NORMAL」、オフロード走行モードを示す「OFF-ROAD」が表示される。操作画面45aには、トーイング走行モードを示す「TOWING」は表示されない。
【0058】
走行モード選択項目である「SPORT」、「NORMAL」及び「OFF-ROAD」は、上下方向に並んで表示される。操作画面45aが表示されるときには先ず、ノーマル走行モードが選択された状態で表示され、「NORMAL」の文字の上下にラインが表示される。車両1は、ノーマル走行モードの走行制御が行われる。
【0059】
操作画面45は、走行モード操作スイッチ22の傾動操作に応じて選択操作される走行モード選択項目が移動するように表示される。走行モード操作スイッチ22の前方への傾動操作によって選択操作される走行モード選択項目が上方へ移動し、走行モード操作スイッチ22の後方への傾動操作によって選択操作される走行モード選択項目が下方へ移動するように表示される。
【0060】
図6は、スポーツ走行モード選択時の表示画面を示す図である。
図5に示す操作画面45aにおいて、ドライバによって走行モード操作スイッチ22の前方への傾動操作が行われてスポーツ走行モードが選択された場合、
図6に示すように、「SPORT」の文字の上下にラインが表示され、スポーツ走行モードが選択されて車両の走行モードが切り換えられる。車両1は、スポーツ走行モードの走行制御が行われる。
【0061】
図5に示す操作画面45aにおいて、ドライバによって走行モード操作スイッチ22の後方への傾動操作が行われてオフロード走行モードが選択される場合、「OFF-ROAD」の文字の上下にラインが表示されてオフロード走行モードが選択されて車両の走行モードが切り換えられる。車両1は、オフロード走行モードの走行制御が行われる。
【0062】
操作画面45aにおいて、スポーツ走行モード又はオフロード走行モードが選択された状態からそれぞれ、ドライバによって走行モード操作スイッチ22の後方又は前方への傾動操作が行われてノーマル走行モードが選択された場合、ノーマル走行モードが選択されて車両の走行モードが切り換えられる。車両1は、ノーマル走行モードの走行制御が行われる。
【0063】
図7は、車両が牽引状態にあるときの表示画面を示す図である。車両1の牽引状態が検出される場合、操作画面45として、
図7に示すように、牽引状態にあるときの操作画面45bが表示される。操作画面45bには、走行モード操作スイッチ22によって選択可能である走行モード選択項目として、トーイング走行モードを示す「TOWING」、ノーマル走行モードを示す「NORMAL」、及びオフロード走行モードを示す「OFF-ROAD」が表示される。操作画面45bには、スポーツ走行モードを示す「SPORT」は表示されない。
【0064】
走行モード選択項目である「TOWING」、「NORMAL」及び「OFF-ROAD」は、上下方向に並んで表示される。操作画面45bが表示されるときには先ず、ノーマル走行モードが選択された状態で表示され、「NORMAL」の文字の上下にラインが表示される。車両1は、ノーマル走行モードの走行制御が行われる。
【0065】
操作画面45bにおいて、ノーマル走行モードが選択された状態から、ドライバによって走行モード操作スイッチ22の前方への傾動操作が行われてトーイング走行モードが選択された場合、
図7に示すように、「TOWING」の文字の上下にラインが表示され、トーイング走行モードが選択されて車両の走行モードが切り換えられる。車両1は、トーイング走行モードの走行制御が行われる。
【0066】
操作画面45bにおいて、ノーマル走行モードが選択された状態から、ドライバによって走行モード操作スイッチ22の後方への傾動操作が行われてオフロード走行モードが選択される場合、「OFF-ROAD」の文字の上下にラインが表示され、オフロード走行モードが選択されて車両の走行モードが切り換えられる。車両1は、オフロード走行モードの走行制御が行われる。
【0067】
操作画面45bについても、トーイング走行モード又はオフロード走行モードが選択された状態からそれぞれ、ドライバによって走行モード操作スイッチ22の後方又は前方への傾動操作が行われてノーマル走行モードが選択された場合、ノーマル走行モードが選択されて車両の走行モードが切り換えられる。車両1は、ノーマル走行モードの走行制御が行われる。
【0068】
車両1において、走行モード操作スイッチ22によって選択操作された走行モードに車両1の走行モードを切り換える走行モード切換制御は、コントロールユニット30によって実行される。コントロールユニット30には、走行モード操作スイッチ22、トーイング検出センサ3cなどからの各種信号が読み込まれる。
【0069】
そして、車両の牽引状態が検出されたか否か判定され、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面45bを表示して走行モード操作スイッチ22によるスポーツ走行モードへの選択操作を規制し、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面45aを表示して走行モード操作スイッチ22によるトーイング走行モードへの選択操作を規制する。
【0070】
コントロールユニット30では、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面45にスポーツ走行モードを表示しないように規制し、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面45にトーイング走行モードを表示しないように規制する。
【0071】
また、コントロールユニット30では、車両の牽引状態が検出された場合又は車両の牽引状態が検出されない場合について、ノーマル走行モードが選択された状態から走行モード操作スイッチ22によって選択操作された走行モードが検出され、選択操作された走行モードに車両の走行モードを切り換えて車両1の走行制御を行う。ノーマル走行モードが選択された状態から走行モード操作スイッチ22によって選択操作された走行モードが検出されない場合、ノーマル走行モードの走行制御を行う。
【0072】
コントロールユニット30によって、走行モード操作スイッチ22によって選択操作された走行モードに車両1の走行モードを切り換える走行モード切換手段が構成されている。また、コントロールユニット30によって、車両の牽引状態が検出された場合、スポーツ走行モードへの選択操作を規制し、車両の牽引状態が検出されない場合、トーイング走行モードへの選択操作を規制する走行モード規制手段が構成され、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面45にスポーツ走行モードを表示しないように規制され、車両1の牽引状態が検出されない場合、操作画面45にトーイング走行モードを表示しないように規制される。
【0073】
このようにして、車両1では、牽引状態が検出された場合、スポーツ走行モードへの選択操作が規制され、走行モードとしてスポーツ走行モードに切り換えられることが規制される。車両1ではまた、牽引状態が検出されない場合、トーイング走行モードへの選択操作が規制され、走行モードとしてトーイング走行モードに切り換えられることが規制される。
【0074】
図5から
図7に示すように、表示画面41には、操作画面45の下方にシフトレバー21のレンジを表示するレンジ表示部46が設けられている。シフトレバー21がDレンジに選択された場合、レンジ表示部46に、Dレンジを示す「D」が表示される。Pレンジ、Rレンジ又はNレンジが選択された場合にはそれぞれ、「P」、「R」又は「N」が表示される。
【0075】
表示画面41には、レンジ表示部46の車体左側に、車両の走行モードを表示する走行モード表示部47が設けられている。
図6に示すように、走行モード表示部47には、スポーツ走行モードが選択された場合は「SPORT」が表示され、
図7に示すように、トーイング走行モードが選択された場合、走行モード表示部47に「TOWING」が表示される。また、オフロード走行モードが選択された場合、走行モード表示部47に「OFF-ROAD」が表示される。
図5に示すように、ノーマル走行モードである場合には、走行モード表示部47に走行モードが表示されない。走行モード表示部47に走行モードを表示することで、ドライバに走行モードを認識させることができる。
【0076】
図7に示すように、表示画面41にはまた、操作画面45の上方に、トーイング走行モードが選択された場合、被牽引車両であるトレーラ2を模したイメージ画像48が表示される。走行モード表示部47に走行モードを表示することで、ドライバに走行モードを認識させるとともに、イメージ画像48を表示させることでドライバに牽引状態であることを直感的に認識させることができる。
【0077】
本実施形態では、走行モードとして、ノーマル走行モード、スポーツ走行モード、トーイングモード及びオフロードモードが設定されているが、オフロードモードを備えないようにすることも可能である。また、雪道走行に適したスノーモードなどの他の走行モードを備えるようにしてもよい。
【0078】
また、スポーツ走行モード、オフロード走行モード、トーイング走行モードにおける車両の走行制御はそれぞれ、前述した走行制御に限定されるものでなく、スポーツ走行、オフロード走行、トーイング走行にそれぞれ適した走行制御が適宜設定可能である。
【0079】
このように、本実施形態に係る車両の走行モード切換装置50は、走行モード選択操作手段22によって選択操作された走行モードに車両の走行モードを切り換える走行モード切換手段30と、トーイング状態検出手段3cによって車両1の牽引状態が検出された場合、スポーツ走行モードへの選択操作を規制し、トーイング状態検出手段3cによって車両の牽引状態が検出されない場合、トーイング走行モードへの選択操作を規制する走行モード規制手段30とを備えている。
【0080】
これにより、車両の牽引状態が検出された場合、スポーツ走行モードへの選択操作が規制され、車両の牽引状態が検出されない場合、トーイング走行モードへの選択操作が規制されるので、車両の牽引状態が検出された場合にドライバによってスポーツ走行モードが選択されることと、車両の牽引状態が検出されない場合にドライバによってトーイング走行モードが選択されることを防止し、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを選択することができる。
【0081】
車両が牽引状態にあるときに、ドライバが誤ってスポーツ走行モードを選択操作したり、車両が牽引状態にないときに、ドライバが誤ってトーイング走行モードを選択操作したりして走行モードの選択操作が誤操作されることを防止し、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを適切に設定することができる。
【0082】
また、表示画面41に選択可能である走行モードの操作画面45を表示する表示装置40が備えられ、走行モード選択操作手段22は、操作画面45に表示された走行モードからドライバによって走行モードが選択操作可能に構成され、走行モード規制手段30は、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面45にスポーツ走行モードを表示しないように規制し、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面45にトーイング走行モードを表示しないように規制する。
【0083】
これにより、操作画面45に、選択可能である走行モードが表示され、車両1の牽引状態が検出された場合、操作画面45にスポーツ走行モードを表示しないように規制され、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面45にトーイング走行モードを表示しないように規制されるので、車両1が牽引状態にあるときにドライバが誤ってスポーツ走行モードを選択操作したり、車両が牽引状態にないときにドライバが誤ってトーイング走行モードを選択操作したりして走行モードの選択操作が誤操作されることを確実に防止することができる。
【0084】
また、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面45にスポーツ走行モードを表示しないように規制され、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面45にトーイング走行モードを表示しないように規制されるので、操作画面45にスポーツ走行モードとトーイング走行モードとを切り換えて表示することができ、操作画面にスポーツ走行モードとトーイング走行モードとが表示される場合に比して、操作画面45に選択可能である走行モードを分かり易く表示することができる。
【0085】
また、本実施形態に係る車両の走行モード切換装置の表示装置は、走行モードが選択操作される走行モード選択操作手段22と、表示画面41に走行モード選択操作手段22によって選択可能である走行モードの操作画面45を表示する表示装置40と、車両の牽引状態を検出するトーイング状態検出手段3cと、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面45にスポーツ走行モードを表示しないように規制し、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面45にトーイング走行モードを表示しないように規制する走行モード規制手段30とを備えている。
【0086】
これにより、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面45にスポーツ走行モードを表示しないように規制され、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面45にトーイング走行モードを表示しないように規制されるので、車両の牽引状態が検出された場合にドライバによってスポーツ走行モードが選択されることと、車両の牽引状態が検出されない場合にドライバによってトーイング走行モードが選択されることを防止し、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを選択することができる。
【0087】
車両が牽引状態にあるときに、ドライバが誤ってスポーツ走行モードを選択操作したり、車両が牽引状態にないときに、ドライバが誤ってトーイング走行モードを選択操作したりして走行モードの選択操作が誤操作されることを防止し、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを適切に設定することができる。
【0088】
また、車両の牽引状態が検出された場合、操作画面45にスポーツ走行モードを表示しないように規制され、車両の牽引状態が検出されない場合、操作画面45にトーイング走行モードを表示しないように規制されるので、操作画面45にスポーツ走行モードとトーイング走行モードとを切り換えて表示することができ、操作画面45にスポーツ走行モードとトーイング走行モードとが表示される場合に比して、操作画面45に選択可能である走行モードを分かり易く表示することができる。
【0089】
本実施形態では、車両1は、フロントエンジン・フロントドライブ車ベースのエンジン横置き式の四輪駆動車であるが、フロントエンジン・リアドライブ車ベースのエンジン縦置き式の四輪駆動車などの他の車両であってもよい。車両1は、右ハンドル車であるが、左ハンドル車であってもよい。
【0090】
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上のように、本発明によれば、スポーツ走行モードとトーイング走行モードとを含む複数の走行モードが切換可能に構成された車両において、ドライバが車両の牽引状態に応じた走行モードを適切に設定することが可能であるから、この種の車両の製造産業分野において、好適に利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0092】
1 車両
2 トレーラ
3c トーイング検出センサ
21 シフトレバー
22 走行モード操作スイッチ
30 コントロールユニット
40 表示装置
41 表示画面
45、45a、45b 操作画面
50 車両の走行モード切換装置