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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168653
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】支柱固定具
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/42 20060101AFI20221031BHJP
   E02D 27/14 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
E02D27/42 Z
E02D27/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074270
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】390029698
【氏名又は名称】テック大洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】特許業務法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】鳥潟 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】二宮 美絵
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046CA06
2D046DA37
(57)【要約】
【課題】支柱を設置する設置場所の状態に応じて、支柱を支持する杭の本数を調節することが可能な固定具を提供する。
【解決手段】支柱固定具組立体10は、支柱Pとその周囲に配置された杭Sを固定する器具であり、支柱固定具1を上下反転させて組み合わせてなる。支柱固定具1は、支柱保持部2及び杭保持部3を備える。支柱保持部2の長さは、杭保持部3の側面視での支柱軸方向の長さに対して1/4以上3/4以下となっている。支柱固定具1は、1個の支柱保持部2に対して、2個又は3個の杭保持部3を備える。支柱保持部2を1個のみ使用することもでき、2個組み合わせて使用することもできる。2個組み合わせた場合、側面視で双方の杭保持部3の上下端部位置を一致させることもできる。支柱固定具1の単独使用又は組み合わせ使用が選択可能であり、支柱Pの設置場所の状況により、支柱Pを支持する杭Sの本数を調節することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱を保持する筒状の支柱保持部と、
前記支柱保持部の側部に設けられ、前記支柱保持部に対して側面視で傾斜して複数配置される筒状の杭保持部とを備え、
前記支柱保持部は、軸方向の長さが側面視で前記杭保持部の支柱軸方向の長さよりも短く形成されていることを特徴とする支柱固定具。
【請求項2】
請求項1に記載の支柱固定具であって、
前記支柱保持部の軸方向の長さが、側面視で前記杭保持部の前記支柱軸方向の長さの1/4以上3/4以下に形成されていることを特徴とする支柱固定具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の支柱固定具であって、
前記杭保持部は、その側面に、杭を固定するネジ部材を装着可能であり、側面から突出する杭用固定部を備え、
前記杭用固定部は、複数の前記支柱固定具を整列させた際に、隣接する支柱固定具の前記杭用固定部と干渉しないよう高さ方向の位置をずらして形成されていることを特徴とする支柱固定具。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の支柱固定具を一対組み合わせてなる支柱固定具組立体であって、
前記支柱固定具の一方を上下反転させ、前記支柱保持部の軸方向の一方の端部が対面するように向かい合わせ、前記支柱保持部の軸心を一致させて組み合わせてなることを特徴とする支柱固定具組立体。
【請求項5】
請求項4に記載の支柱固定具組立体であって、
一対の前記支柱固定具を組み合わせた際に、側面視で一方の前記支柱固定具の前記杭保持部の上下端部と、他方の前記支柱固定具の前記杭保持部の上下端部の位置が一致してなることを特徴とする支柱固定具組立体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置面の支柱配置予定位置に支柱を設置するための固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大量の太陽電池パネルを休耕農地等に設置して発電を行う、いわゆるメガソーラーの設置が行われるようになっている。
【0003】
一般に、太陽電池パネルを設置する設備としては、太陽電池パネルを支持するための2以上の脚部を備える組み立て式の架台が知られている。当該架台は、設置面に対向する底面は水平に形成され、太陽電池パネルが載置される上端は太陽光発電を効率よく行うことが可能な所定の傾斜角度に形成されている。
【0004】
一方で、山林等の傾斜地に太陽電池パネルを設置する場合は、傾斜のついた架台は不要となる場合がある。通常、傾斜地に何らかの設備を設置する場合は、傾斜地を整地した後に設備を設置する必要があるが、傾斜地の傾斜角度が所定値(例えば20°)を超えると、作業現場に重機を乗り入れることができなくなるため、重機を使った整地作業を行うことができない。また、コンクリートの基礎を打設する場合であっても、傾斜角度が大きいとコンクリートミキサー車の乗り入れができないこともあり、作業は容易ではない。
【0005】
このような傾斜地において、本願出願人は、支柱配置予定位置に支柱を打ち込み、その支柱を杭で保持するための固定具を装着し、その固定具に杭を打ち込むことにより支柱を固定する方法、及びそのための固定具を提供している(特許文献1)。
【0006】
当該特許文献1に開示された方法及び固定具により、太陽電池パネル等の設置物を載置する支柱を傾斜地に立設する場合であっても、容易に立設が可能であり、且つ迅速に作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015-166527号公報
【特許文献2】特開2017-206816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1における固定具は、支柱を保持する円筒状の支柱保持部と、支柱保持部に対して20~60°の角度で傾斜する円筒状の杭保持部が連結されている。特許文献1における固定具は、1本の支柱保持部の両側に杭保持部が1本ずつ固定されており、1本の支柱に対して2本の杭を設置するものとなっている。
【0009】
ところで、1本の支柱に対して、さらに多くの杭を設置することが可能な固定具が提案されている(特許文献2)。当該特許文献2における固定具は、1本の支柱に対して4本の杭を設置することが可能となっている。
【0010】
支柱を設置する場合、設置場所の状態によっては、杭が2本必要な場合、4本必要な場合、或いは3本や6本等、他の本数が必要となる場合がある。このような場合、複数種類の固定具を用意することが必要となる。しかしながら、設置場所の状態は現地で状況を確認しなければならないことが多く、予め必要な種類の固定具を過不足無く準備することは容易ではない。
【0011】
本発明は、支柱を設置する際に用いられる固定具の改良を目的とし、支柱を設置する設置場所の状態に応じて、支柱を支持する杭の本数を調節することが可能な固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の支柱固定具は、支柱を保持する筒状の支柱保持部と、前記支柱保持部の側部に設けられ、前記支柱保持部に対して側面視で傾斜して複数配置される筒状の杭保持部とを備え、前記支柱保持部は、軸方向の長さが側面視で前記杭保持部の支柱軸方向の長さよりも短く形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の支柱固定具によれば、支柱保持部の軸方向の長さは杭保持部の軸方向の長さより短い。このため、複数の支柱固定具を用意し、支柱保持部の短くなった方の端部を合わせるように組み立てることにより、支柱固定具組立体とすることができる。これにより、支柱固定具を単独で使用することもでき、複数の支柱固定具を組み合わせて支柱固定具組立体とすることができるので、支柱を設置する設置場所の状態に応じて、支柱を支持する杭の本数を調節することが可能となる。また、支柱保持部の軸方向の端部が側面視で前記杭保持部の端部よりも突出しないように形成することが好ましい。端部がそろっていると積み重ねがしやすく、運搬が効率的である。
【0014】
本発明の支柱固定具においては、前記支柱保持部の軸方向の長さを、側面視で前記杭保持部の支柱軸方向の長さの1/4以上3/4以下に形成してもよい。当該構成によれば、2個の支柱固定具を組み合わせても、特許文献1に記載の従来の支柱固定具を2個組み合わせたものと比べて支柱軸方向の長さを短く抑えることができる。また、支柱保持部の軸方向の長さを、側面視で前記杭保持部の支柱軸方向の長さの1/2以下とすることにより、2個組み合わせても1個の支柱固定具の支柱軸方向の長さと同一以下の長さとすることができる。なお、支柱保持部の軸方向の長さを、杭保持部の支柱軸方向の長さの1/2以下にした際には、例えばスペーサ等を用いることにより2個組み合わせても1個の支柱固定具の支柱軸方向の長さと同一の長さとすることもできる。
【0015】
また、本発明の支柱固定具において、前記杭保持部は、その側面に、杭を固定するネジ部材を装着可能であり、側面から突出する杭用固定部を備え、前記杭用固定部は、複数の前記支柱固定具を整列させた際に、隣接する支柱固定具の前記杭用固定部と干渉しないよう高さ方向の位置をずらして形成してもよい。
【0016】
また、本発明の支柱固定具組立体は、前記支柱固定具を一対組み合わせてなる支柱固定具組立体であって、前記支柱固定具の一方を上下反転させ、前記支柱保持部の軸方向の一方の端部が対面するように向かい合わせ、前記支柱保持部の軸心を一致させて組み合わせてなることを特徴とする。
【0017】
本発明の支柱固定具組立体によれば、1種類の支柱固定具を組み合わせて、1個の支柱固定具の2倍の数の杭を使用して支柱を固定することができる。また、必要に応じて支柱固定具を分離して使用することもできる。従って、支柱を設置する設置場所の状態に応じて、支柱を支持する杭の本数を調節することが可能となる。
【0018】
また、本発明の支柱固定具組立体において、一対の前記支柱固定具を組み合わせた際に、側面視で一方の前記支柱固定具の前記杭保持部の上下端部と、他方の前記支柱固定具の前記杭保持部の上下端部の位置が一致するようにしてもよい。当該構成によれば、支柱固定具組立体の支柱の軸方向の長さが、1個の支柱固定具を使用する場合と同じになるので、組立体としても嵩張ることがない。なお、一方と他方の支柱固定具の上下端部の位置を一致させる際に、スペーサ等を用いて長さを調節することも可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、支柱固定具を単独で使用するか、支柱固定具を組立体とすることが選択可能となるため、支柱を設置する設置場所の状態に応じて、支柱を支持する杭の本数を調節することが可能な支柱固定具及び支柱固定具組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の実施形態の支柱固定具及び支柱固定具組立体を示す説明図。
図2図1の支柱固定具組立体を分離した状態を示す説明図。
図3】(A)は図2の支柱固定具の側面視での説明図、(B)は支柱固定具を組み合わせた状態の支柱固定具組立体の側面視での説明図。
図4】支柱固定具を単独で用いた状態を示す説明図。
図5】(A)は第1の実施形態の支柱固定具を一対横に並べた状態を示す説明図、(B)は(A)の一対の支柱固定具を3組並べて上から見た状態を示す説明図、(C)は(A)の一対の支柱固定具を底面側から見た状態を示す説明図。
図6】(A)は第1の実施形態の支柱固定具を8個整列させて梱包する状態を示す説明図、(B)は第1の実施形態の支柱固定具を上下に組み合わせたものを4組梱包する状態を示す説明図。
図7】第2の実施形態の支柱固定具及び支柱固定具組立体を示す説明図。
図8図7の支柱固定具組立体を分離した状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態の一例である支柱固定具組立体及び支柱固定具について、図1図8を参照して説明する。本発明の第1の実施形態の支柱固定具組立体10は、図1に示すように、中央において上下方向に延びる支柱Pと、支柱Pの周囲に配置された杭Sを固定する器具である。図1における支柱固定具組立体10は、1本の支柱Pに対して最大で4本の杭Sを使用することが可能となっている。
【0022】
支柱固定具組立体10は、図2に示すように、一対の支柱固定具1を上下逆にして組み合わせたものとなっている。支柱固定具1は、支柱Pを保持する筒状の支柱保持部2と、支柱保持部2の側部に設けられ、支柱保持部2に対して杭保持部を一直線に見通す側面視で所定の角度(例えば、20~60°)で傾斜して複数配置される筒状の杭保持部3とを備えている(図3(A)参照)。支柱保持部2と杭保持部3は、連結部4により一体に連結されている。支柱固定具1は、金属や樹脂を原料とする一体成形品とすることが好ましい。
【0023】
図3(A)は、図2の支柱固定具1を側面から見た図である。図3(A)に示すように、支柱固定具1は、側面視において支柱保持部2の長さ(L)が杭保持部3の支柱軸方向の長さ(L)に比べて短く、約1/2となるように形成されている。これにより、支柱保持部2の軸方向の一方の端部2aは、側面視において杭保持部3の一方の端部3aに比べて軸方向の高さが低くなっており、杭保持部3の高さの約1/2の位置となる。支柱保持部2の軸方向の他方の端部2bは、側面視において杭保持部3の他方の端部3bと同一の位置となるように形成されている。
【0024】
また、各説明図では、支柱保持部2、及び杭保持部3は円筒状に形成されており、円筒状又は円柱状の支柱P及び杭Sを保持するものとなっている。なお、図2および図3では、支柱保持部2、及び杭保持部3の内径は同じ寸法となるように設計されているが、径が違っていても良いし、別の形態(例えば、角筒状)でも良い。
【0025】
支柱保持部2には、ボルト孔2cが形成されており、このボルト孔2cにネジ部材であるボルト(図示省略)を装着可能であり、ボルトをねじ込むことで、支柱Pを支柱保持部2に固定することができる。このボルト孔2cは、支柱保持部2の側面の2箇所に設けられている。このボルト孔2cは、支柱保持部2の側面から外方に突出する凸部を設け、その凸部に貫通孔を形成してネジ山を設けることにより形成されている。
【0026】
杭保持部3にも同様に杭用固定部としてボルト孔3cが設けられている。このボルト孔3cもボルト孔2cと同様に、杭保持部3の側面から外方に突出する凸部を設け、その凸部に貫通孔を形成してネジ山を設けることにより形成されている。杭保持部3では、ボルト孔3cは、支柱保持部2との連結部4とは反対側に、縦向きに2箇所設けられている。
【0027】
図3(A)及び(B)に示すように、このボルト孔3cは、図の右側に設けられているものと、図の左側に設けられているものでは、高さ方向の位置をずらして設けられている。なお、支柱保持部2のボルト孔2c、及び杭保持部3のボルト孔3cの形状、寸法、位置、及び個数は、適宜変更することが可能である。
【0028】
図3(A)において、上方に位置している支柱固定具1と下方に位置している支柱固定具1は同一の構成を有しており、向きを上下反転させ、軸方向の一方の端部2a同士が対面するように向かい合わせ、支柱保持部2の軸心(図3(A)における一点鎖線)を一致させた状態となっている。この図3(A)の状態から、上下の支柱固定具1を組み合わせると、図3(B)のように、支柱固定具組立体10が形成される。
【0029】
図3(B)に示す支柱固定具組立体10では、一対の支柱固定具1を組み合わせた際に、側面視で一方の支柱固定具1の杭保持部3の上下端部と、他方の支柱固定具1の杭保持部3の上下端部の位置が一致するように形成されている。
【0030】
図3(A)の支柱固定具1は、支柱固定具組立体10としてではなく、図4に示すように、1本の支柱Pに対して1個のみ使用することもできる。この場合は、1本の支柱Pに対して1本又は2本の杭Sを用いて支柱Pを固定することができる。また、図4においては、支柱固定具1は、支柱保持部2に対して杭保持部3が上方に突出した向きで用いているが、上下反転させて用いてもよい。
【0031】
次に、本実施形態の支柱固定具1を収納する際の状態について、図5を参照して説明する。本実施形態の支柱固定具1を収納する際には、例えば、図5(A)に示すように、一対の支柱固定具1を横方向に並べ、図5(B)に示すように一対の支柱固定具1の正面と裏面が重なるように並べることができる。なお、図5(B)では、支柱固定具1の整列状態がわかるように、一部の支柱固定具1を網掛けで表している。
【0032】
このとき、図5(A)に示すように、左右の杭保持部3の外側に向けて突出するボルト孔3cは、それぞれ高さ方向の位置をずらして形成しており、隣接する支柱固定具1のボルト孔3c同士が干渉することがない。このため、複数の支柱固定具1を搬送する際の梱包の大きさをコンパクトにすることができる。
【0033】
更に、支柱固定具組立体を一対の支柱固定具に分離して収納できるので、例えば、図6(A)に示すように、包装用箱Pに支柱固定具1を収納する場合、複数の支柱固定具1を整列させて密に配置できるので、輸送時の梱包が安定し、配置面積も小さくすることが出来る。図6(B)に示す同じ杭本数分の支柱固定具組立体10と比較した場合、25%程度コンパクトになる。
【0034】
次に、本発明の第2の実施形態である支柱固定具21及び支柱固定具組立体20について、図7及び図8を参照して説明する。第2の実施形態の支柱固定具組立体20は、図7に示すように、中央において上下方向に延びる支柱Pと、支柱Pの周囲に配置された杭Sを固定する器具であり、最大で6本の杭Sを固定することができる。
【0035】
支柱固定具組立体20は、図8に示すように、一対の支柱固定具21を上下逆にして組み合わせたものとなっている。支柱固定具21は、支柱Pを保持する筒状の支柱保持部22と、支柱保持部22に対して側面視で傾斜して配置される筒状の杭保持部23とを備えている。支柱保持部22と杭保持部23は、連結部24により一体に連結されている。
【0036】
第2の実施形態の支柱固定具21は、平面視で支柱保持部22の外周に3個の杭保持部23が均等に配置されている。また、杭保持部23は、側面視で支柱保持部22に対して所定の角度(例えば、20~60°)で傾斜している。また、図7図8では、支柱保持部22の内径は、杭保持部3の内径よりも大径となっており、杭Sよりも太い支柱Pを固定することができる。なお、図7においては、支柱Pに他の構造物を固定するための板状の固定部Lが設けられている。
【0037】
第2の実施形態の支柱固定具21は、連結部24が第1の実施形態の連結部4よりも支柱保持部22と杭保持部23との距離が離れるような寸法に形成されている。また、図7図8においても、支柱保持部22の長さが杭保持部23の側面視での支柱軸方向の長さに比べて約1/2となっている。また、第2の実施形態の支柱固定具21においても、支柱保持部22にはボルト孔22c、杭保持部23にはボルト孔23cが設けられている。
【0038】
当該構成により、図8に示すように、支柱固定具21を互いに上下反転させて用いることにより、図7に示す支柱固定具組立体20とすることができる。また、支柱固定具21を1個のみ使用することもできる。
【0039】
本発明の支柱固定具1,21及び支柱固定具組立体10,20は、上記構成を有しているため、1本の支柱Pに対して、最大で4本又は6本の杭Sを使用して支柱Pの固定をすることができる。また、支柱固定具1,21をそれぞれ単独で用いることにより、1本の支柱Pに対して、最大で2本又は3本の杭Sを使用して支柱Pの固定をすることができる。さらに、支柱固定具1,21をそれぞれ単独で用いることにより、最小で1本の杭Sで支柱Pを固定することもできる。
【0040】
なお、上記支柱固定具1,21は、樹脂又は金属の一体成形品を例にして説明しているが、これに限らず、支柱保持部と杭保持部とを別個に形成し、これを連結部で溶接等により連結するようにしてもよい。また、支柱固定具1,21は、いわゆる3Dプリンタ等を用いて形成してもよい。
【0041】
また、各説明図においては、円筒状の支柱P及び杭Sを用いているため、支柱保持部2,22及び杭保持部3,23も円筒状となっているが、角筒状の支柱及び杭を用いる場合は、支柱保持部2,22及び杭保持部3,23を角筒状に形成すればよい。
【0042】
また、各説明図では、側面視において支柱保持部2の長さ(L)を杭保持部3の側面視での支柱軸方向の長さ(L)の約1/2としているが、これに限らず、1/4以上3/4以下とすればよい。前記長さを1/4以上とすると、支柱固定具の強度は充分に確保できる。また、前記長さを3/4以下にすれば、支柱固定具2個を支柱軸方向に組み合わせた場合、支柱軸方向の寸法を一定の範囲内に抑えることができ取り扱い易い。
【0043】
ここで、側面視において支柱保持部2の長さ(L)を杭保持部3の側面視での支柱軸方向の長さ(L)の約1/2未満とする場合、そのまま2個の支柱固定具を組み合わせてもよいが、上下の支柱保持部の当接面に、リング状等形状のスペーサ(図示省略)を挟み込んでもよい。
【0044】
また、上記各実施形態では、ボルト孔3c,23cを杭保持部3,23の側方に突出するように形成しているが、これに限らず、支柱保持部2におけるボルト孔2c,22cのように、平面視で水平方向に対して角度をつけた位置としてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1,21…支柱固定具、2,22…支柱保持部、2c,22c,3c,23c…ボルト孔、3,23…杭保持部、4,24…連結部、10,20…支柱固定具組立体

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8