(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168659
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】表示装置用取付構造、表示装置および表示装置用取付構造の取付方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20221031BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074277
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】林 卓己
(72)【発明者】
【氏名】西館 徹夫
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435AA17
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE02
5G435EE04
5G435EE07
5G435EE08
(57)【要約】
【課題】構成部品を取り付けるための作業性を向上させることが可能な表示装置用取付構造、表示装置および表示装置用取付構造の取付方法を提供する。
【解決手段】表示装置100の構成部品5が取り付けられる板状部材4と、板状部材4を表示装置100の表示面1aとは反対の後部筐体2の背面2aに締結用孔および締結部材を用いずに固定するための永久磁石6と、板状部材4を後部筐体2の背面2aに締結用孔を介して固定するためのボルト7とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の後部筐体に取り付けられるとともに、前記表示装置の構成部品が取り付けられる板状部材と、
前記板状部材を前記表示装置の表示面とは反対の前記後部筐体の背面に締結用孔および締結部材を用いずに固定するための非締結型固定部材と、
前記板状部材を前記後部筐体の背面に締結用孔を介して固定するための締結部材とを備える、表示装置用取付構造。
【請求項2】
前記板状部材の前記後部筐体の背面と対向する面は、前記非締結型固定部材および前記締結部材により前記後部筐体の背面から離間した状態で、前記後部筐体の背面に取り付けられている、請求項1に記載の表示装置用取付構造。
【請求項3】
前記非締結型固定部材は、板状の永久磁石または粘着シートを含む、請求項1または2に記載の表示装置用取付構造。
【請求項4】
前記後部筐体の背面には、前記後部筐体を補強するための背面側に突出した梁部が取り付けられており、
前記板状部材は、前記締結部材により前記梁部に固定されるように構成されている、請求項3に記載の表示装置用取付構造。
【請求項5】
前記梁部は、前記後部筐体の長手方向に沿って延びるように設けられている、請求項4に記載の表示装置用取付構造。
【請求項6】
前記板状部材は、前記後部筐体の背面に略平行な平坦部と、前記梁部に沿って背面側に屈曲して突出する突出部とを有し、前記平坦部において、前記板状の永久磁石または前記粘着シートにより前記後部筐体の背面に固定され、前記突出部において、前記締結部材としてのボルトにより前記梁部に固定されている、請求項4または5に記載の表示装置用取付構造。
【請求項7】
前記板状部材の前記後部筐体の背面と対向する面は、前記板状の永久磁石または前記粘着シートの厚みの分だけ前記後部筐体の背面から離間するように構成されている、請求項3~6のいずれか1項に記載の表示装置用取付構造。
【請求項8】
前記締結部材と前記非締結型固定部材とが、それぞれ、前記板状部材の上部および下部の一方と他方とに取り付けられている、請求項1~7のいずれか1項に記載の表示装置用取付構造。
【請求項9】
前記構成部品は、スピーカを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の表示装置用取付構造。
【請求項10】
前記板状部材は、前記表示装置の背面を覆うためのカバー部材が固定されるカバー部材取付部をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の表示装置用取付構造。
【請求項11】
前記板状部材は、前記表示装置を壁面に取り付けるための壁掛け具が取り付けられる壁掛け具取付部をさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の表示装置用取付構造。
【請求項12】
画像が表示される表示面を有する表示部と、
前記表示部の前記表示面とは反対側に取り付けられる後部筐体と、
前記後部筐体の少なくとも一部を覆うカバー部材と、
前記後部筐体の背面に取り付けられるとともに、構成部品が取り付けられる板状部材とを備え、
前記板状部材は、
前記板状部材を前記後部筐体の背面に締結用孔および締結部材を用いずに固定するための非締結型固定部材と、
前記板状部材を前記後部筐体の背面に締結用孔を介して固定するための締結部材とを含む、表示装置。
【請求項13】
前記非締結型固定部材は、板状の永久磁石または粘着シートを含む、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
構成部品が取り付けられた板状部材を表示装置の表示面とは反対の後部筐体の背面に締結用孔および締結部材を用いずに非締結型固定部材により固定する工程と、
前記構成部品が取り付けられた前記板状部材を前記後部筐体の背面に締結用孔を介して締結部材により固定する工程と、を含む、表示装置用取付構造の取付方法。
【請求項15】
前記非締結型固定部材は、板状の永久磁石または粘着シートを含む、請求項14に記載の表示装置用取付構造の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置用取付構造、表示装置および表示装置用取付構造の取付方法に関し、特に、構成部品を後部筐体に取り付けるための表示装置用取付構造、表示装置および表示装置用取付構造の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スピーカなどの構成部品が後部筐体に取り付けられるための表示装置用取付構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、表示部と、表示部を囲むフロントカバーと、フロントカバーに取り付けられるリアカバーと、リアカバーにねじ止めされるスピーカとを備える表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には開示されていないが、既製品の表示部とリアカバーとからなる表示パネルの後部筐体に構成部品(スピーカ)をねじ止めして、表示装置を構成する場合がある。しかしながら、表示パネルによっては構成部品を取り付けるための締結用孔が設けられてない場合があるため、構成部品を取り付けるために締結用孔を新たに設ける作業が必要となる。また、表示パネルによっては予め設けられた締結用孔の位置と構成部品に設けられた締結用孔の位置とが合わない場合があるため、構成部品を取り付けるために締結用孔を新たに設ける作業が必要となる。このため、後部筐体に構成部品を取り付ける際の作業性を向上させることが難しく、構成部品を取り付けるための作業性を向上させることが求められている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、構成部品を取り付けるための作業性を向上させることが可能な表示装置用取付構造、表示装置および表示装置用取付構造の取付方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による表示装置用取付構造は、表示装置の後部筐体に取り付けられるとともに、表示装置の構成部品が取り付けられる板状部材と、板状部材を表示装置の表示面とは反対の後部筐体の背面に締結用孔および締結部材を用いずに固定するための非締結型固定部材と、板状部材を後部筐体の背面に締結用孔を介して固定するための締結部材とを備える。
【0008】
この発明の第1の局面による表示装置用取付構造では、上記のように、板状部材を表示装置の表示面とは反対の後部筐体の背面に締結用孔および締結部材を用いずに固定するための非締結型固定部材を備える。これにより、非締結型固定部材によって締結用孔および締結部材を用いずに板状部材を後部筐体に取り付けることができるため、後部筐体に新たに設ける締結用孔の数を減らすことができる。この結果、構成部品を取り付けるための作業性を向上させることができる。
【0009】
上記第1の局面による表示装置用取付構造において、好ましくは、板状部材の後部筐体の背面と対向する面は、非締結型固定部材および締結部材により後部筐体の背面から離間した状態で、後部筐体の背面に取り付けられている。このように構成すれば、たとえば、スピーカのように振動する構成部品を板状部材に取り付ける場合に、板状部材に取り付けられたスピーカの振動によって、板状部材と後部筐体とが接触して音が発生するのを抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面による表示装置用取付構造において、好ましくは、非締結型固定部材は、板状の永久磁石または粘着シートを含む。このように構成すれば、板状の永久磁石または粘着シートにより板状部材を後部筐体に取り付けることができるため、後部筐体に締結用孔を新たに設ける数を減らすことができる。
【0011】
この場合、好ましくは、後部筐体の背面には、後部筐体を補強するための背面側に突出した梁部が取り付けられており、板状部材は、締結部材により梁部に固定されるように構成されている。このように構成すれば、背面側に突出した梁部に板状部材を取り付けることにより、梁部が背面側に突出している分だけ板状部材を後部筐体の背面から離間させることができる。
【0012】
また、上記後部筐体の背面に後部筐体を補強するための背面側に突出した梁部が取り付けられている場合において、好ましくは、梁部は、後部筐体の長手方向に沿って延びるように設けられている。このように構成すれば、梁部が十分な大きさを有するため、表示装置を十分に補強することができる。
【0013】
上記第1の局面による表示装置用取付構造において、好ましくは、板状部材は、後部筐体の背面に略平行な平坦部と、梁部に沿って背面側に屈曲して突出する突出部とを有し、平坦部において、板状の永久磁石または粘着シートにより後部筐体の背面に固定され、突出部において、締結部材としてのボルトにより梁部に固定されている。このように構成すれば、板状部材が梁部に沿った突出部を備えることにより、板状部材を梁部に沿ってしっかりと固定することができる。また、板状部材が平坦部を有していることにより、板状の永久磁石または粘着テープを介して板状部材を後部筐体に取り付けやすくなる。
【0014】
この場合、好ましくは、板状部材の後部筐体の背面と対向する面は、板状の永久磁石または粘着シートの厚みの分だけ後部筐体の背面から離間するように構成されている。このように構成すれば、板状の永久磁石または粘着シートの厚みを調整することにより、後部筐体と板状部材との間隔を調整することができる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、締結部材と非締結型固定部材とが、それぞれ、板状部材の上部および下部の一方と他方とに取り付けられている。このように構成すれば、板状部材の上部と下部との2カ所において板状部材を後部筐体に固定することができるため、板状部材を安定して固定することができる。
【0016】
上記第1の局面による表示装置用取付構造において、好ましくは、構成部品は、スピーカを含む。このように構成すれば、板状部材にスピーカが取り付けられるため、後部筐体に対してスピーカを取り付けるための締結用孔を設ける必要がない。この結果、スピーカを取り付けるための作業性を向上させることができる。
【0017】
上記第1の局面による表示装置用取付構造において、好ましくは、板状部材は、表示装置の背面を覆うためのカバー部材が固定されるカバー部材取付部をさらに含む。このように構成すれば、後部筐体の背面にカバー部材を取り付けるための取付部を設けなくとも、カバー部材を後部筐体に取り付けることができる。
【0018】
上記第1の局面による表示装置用取付構造において、好ましくは、板状部材は、表示装置を壁面に取り付けるための壁掛け具が取り付けられる壁掛け具取付部をさらに含む。このように構成すれば、後部筐体の背面に壁掛け具を取り付けるための締結用孔を設けなくとも、壁掛け具を取り付けることができる。
【0019】
この発明の第2の局面による表示装置は、画像が表示される表示面を有する表示部と、表示部の表示面とは反対側に取り付けられる後部筐体と、後部筐体の少なくとも一部を覆うカバー部材と、後部筐体の背面に取り付けられるとともに、構成部品が取り付けられる板状部材とを備え、板状部材は、板状部材を後部筐体の背面に締結用孔および締結部材を用いずに固定するための非締結型固定部材と、板状部材を後部筐体の背面に締結用孔を介して固定するための締結部材とを含む。
【0020】
この発明の第2の局面による表示装置では、上記のように、板状部材を後部筐体の背面に締結用孔および締結部材を用いずに固定するための非締結型固定部材を備える。これにより、非締結型固定部材によって締結用孔および締結部材を用いずに板状部材を後部筐体に取り付けることができるため、後部筐体に新たに設ける締結用孔の数を減らすことができる。この結果、構成部品を取り付けるための作業性を向上させることができる。
【0021】
上記第2の局面による表示装置において、好ましくは、非締結型固定部材は、板状の永久磁石または粘着シートを含む。このように構成すれば、板状の永久磁石または粘着シートにより板状部材を後部筐体に取り付けることができるため、後部筐体に締結用孔を新たに設ける数を減らすことができる。
【0022】
この発明の第3の局面による表示装置用取付構造の取付方法は、構成部品が取り付けられた板状部材を表示装置の表示面とは反対の後部筐体の背面に締結用孔および締結部材を用いずに非締結型固定部材により固定する工程と、構成部品が取り付けられた板状部材を後部筐体の背面に締結用孔を介して締結部材により固定する工程と、を含む。
【0023】
この発明の第3の局面による表示装置用取付構造の取付方法では、上記のように、構成部品が取り付けられた板状部材を表示装置の表示面とは反対の後部筐体の背面に締結用孔および締結部材を用いずに非締結型固定部材により固定する工程を含む。これにより、非締結型固定部材によって締結用孔および締結部材を用いずに固定することによって、後部筐体に新たに設ける締結用孔の数を減らすことができるため、構成部品を取り付けるための作業性を向上させることができる。
【0024】
上記第3の局面による表示装置用取付構造の取付方法において、好ましくは、非締結型固定部材は、板状の永久磁石または粘着シートを含む。このように構成すれば、板状の永久磁石または粘着シートにより板状部材を後部筐体に取り付けることができるため、後部筐体に締結用孔を新たに設ける数を減らすことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、構成部品を取り付けるための作業性を向上させることが可能な表示装置用取付構造、表示装置および表示装置用取付構造の取付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】表示装置の図である。
図1(a)は正面側から見た図であり、
図1(b)は背面側から見た図である。
【
図3】第1実施形態における板状部材の斜視図である。
【
図4】板状部材に構成部品が取り付けられた状態を示す図である。
【
図6】後部筐体に板状部材が取り付けられた状態を示す部分拡大図である。
【
図7】第2実施形態における板状部材の斜視図である。
【
図8】板状部材に壁掛け具が取り付けられた状態を示す図である。
【
図9】第3実施形態における非締結型固定部材を説明するための図である。
【
図10】変形例における板状部材に構成部品が取り付けられた状態を示す図である。
【
図11】変形例における後部筐体に板状部材が取り付けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
[第1実施形態]
(表示装置の構成)
図1~
図6を参照して、本発明の第1実施形態による表示装置100の構成について説明する。表示装置100は、たとえば、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display、有機ELディスプレイ)、液晶表示装置などを含む。以下、表示装置100が、有機ELディスプレイである場合を例に説明する。
【0029】
図1および
図2に示すように、本発明の第1実施形態による表示装置100は、表示部1と、後部筐体2と、カバー部材3と、板状部材4とを備える。表示部1と、後部筐体2と、カバー部材3とをまとめて表示パネル110とする。第1実施形態では、既製品の表示パネル110に板状部材4が取り付けられる。なお、
図2では、カバー部材3を省略している。
【0030】
表示部1は、複数のLED(light emitting diode)を含み、複数のLEDが発光することにより映像が表示される。また、表示部1は、映像信号に基づいて駆動される。表示部1は、矩形状である。ここで、表示面1a側を正面側(Z1側)とし、Z1側の反対側を背面側(Z2側)とする。そして、正面側と背面側とを結ぶ表示部1の厚み方向をZ方向とする。また、Z方向に直交する表示部1の長手方向(左右方向)をX方向とし、Z方向に直交する表示部1の短手方向(上下方向)をY方向とする。X方向のうち、正面側から背面側を見た場合の左側をX1側とし、右側をX2側とする。また、Y方向のうち、表示部1の上端側をY1側とし、下端側をY2側とする。
【0031】
図1(b)に示すように、後部筐体2は矩形状である。後部筐体2は、板金により形成されている。後部筐体2は、表示部1の表示面1a(
図1a参照)とは反対の背面側(Z2側)から表示部1に取り付けられる。後部筐体2の上下方向(Y方向)の長さは、表示部1の上下方向(Y方向)の長さよりも大きい。また、後部筐体2の左右方向(X方向)の長さは、表示部1の左右方向(X方向)の長さよりも大きい。そのため、後部筐体2の内周面が、表示部1の外周面に接触した状態で固定される。
【0032】
図2に示すように、後部筐体2の背面2a側(Z2側)には梁部21が設けられている。梁部21は、後部筐体2から突出するように設けられている。梁部21は、後部筐体2と別体で設けられる。梁部21は、板金により形成される。梁部21は、上下方向(Y方向)において後部筐体2の中央付近に設けられる。梁部21は、後部筐体2の左右方向(X方向)に延びるように形成されている。梁部21は、後部筐体2を補強するために設けられる。梁部21には、表示パネル110を製造した時点において他の部材を取り付けるための取付穴が設けられる。
【0033】
図2に示すように、板状部材4は、板状の板金で形成されている。板状部材4は、後部筐体2の背面2a(Z2側の面)に取り付けられる。板状部材4は、背面側(Z2側)に構成部品5が取り付けられる。板状部材4は、後部筐体2の上部に取り付けられる。板状部材4は、後部筐体2より小さい部材である。板状部材4の長手方向(X方向)の長さは、梁部21の長手方向(X方向)の長さより小さい。板状部材4の詳細な構成は、後述する。
【0034】
図1(b)に示すように、カバー部材3は、樹脂により形成されている。カバー部材3は、たとえば、ポリスチレンにより形成されている。カバー部材3は、板状部材4(
図2参照)を覆うように板状部材4に取り付けられる。カバー部材3は、ねじ31により板状部材4に取り付けられる。カバー部材3は、後部筐体2の一部を覆うように取り付けられる。
【0035】
(板状部材の詳細な構成)
図4に示すように、板状部材4は、板状部材4の背面側(Z2側)に構成部品5が取り付けられるように構成されている。構成部品5は、表示装置100(
図1参照)の機能を発揮するための部品であり、たとえば、音響部品、記憶部品などを含む。構成部品5は、たとえば、スピーカである。
【0036】
図3に示すように、板状部材4には、構成部品5(
図2参照)を取り付けるための構成部品取付部40が設けられている。構成部品取付部40は、正面側(Z1側)から背面側(Z2側)まで板状部材4を貫通している締結用孔である。構成部品取付部40は、取り付ける構成部品5の締結用孔の位置に応じて設けられている。
【0037】
板状部材4は、カバー部材3(
図1b参照)が固定されるカバー部材取付部41を含む。カバー部材取付部41は、正面側(Z1側)から背面側(Z2側)まで板状部材4を貫通している締結用孔である。カバー部材取付部41は、板状部材4の上端に設けられている。カバー部材取付部41を設ける位置は、構成部品取付部40よりも板状部材4の上端側(Z1側)である。カバー部材取付部41は、複数設けられている。
【0038】
図5に示すように、板状部材4は、後部筐体2の背面2aに略平行な平坦部4aと、梁部21に沿って板状部材4の背面側(Z2側)に屈曲して突出する突出部4bとを有している。平坦部4aは、後部筐体2の梁部21よりも上方の位置に取り付けられる。突出部4bは、梁部21に沿って、平坦部4aとの境界から板状部材4の背面側(Z2側)に延びる第1部分4cと、梁部21に沿って、第1部分4cとの境界から下方側(Z2側)に延びる第2部分4dとを含む。第2部分4dは、後部筐体2の背面2aと平行に設けられている。
【0039】
図2および
図6に示すように板状部材4は、板状の永久磁石6と、ボルト7とが取り付けられる。永久磁石6は、後部筐体2の背面2aに締結用孔および締結部材を用いずに固定するために用いられる。永久磁石6は、板状部材4の長手方向(X方向)に沿って延びるように形成されている。永久磁石6は、1つでもよく複数であってもよいが、第1実施形態では2つ設けられる。永久磁石6は、粘着シートを用いて板状部材4の上方、好ましくは、上端に取り付けられる。また、永久磁石6は、磁力により後部筐体2に取り付けられる。永久磁石6は、後部筐体2の背面2a(Z2側の面)と板状部材4の平坦部4aの正面4e(Z1側の面)との間に設けられ、後部筐体2の背面2a(Z2側の面)と板状部材4の平坦部4aの正面4e(Z1側の面)とに取り付けられる。なお、永久磁石は特許請求の範囲の「非締結型固定部材」の一例であり、ボルトは特許請求の範囲の「締結部材」の一例である。
【0040】
ボルト7は、板状部材4を梁部21の締結用孔22に固定するために用いられる。具体的には、板状部材4の取付孔42と、梁部21の締結用孔22との位置を合わせた後、板状部材4の取付孔42と、梁部21の締結用孔22にボルト7は挿入される。ボルト7は、複数設けられる。
【0041】
図3に示すように、板状部材4には、ボルト7を取り付けるための取付孔42が設けられている。板状部材4に設けられる取付孔42は、板状部材4の両端を固定するように長手方向(X方向)の両端に設けられる。取付孔42は、板状部材4の下端に設けられる。また、取付孔42は、長孔であってもよい。
【0042】
図5および
図6に示すように、板状部材4は、平坦部4aに取り付けられた永久磁石6により後部筐体2の背面2aに固定される。また、板状部材4は、突出部4bにおいて、ボルト7により梁部21に固定される。
【0043】
図5および
図6に示すように、板状部材4の正面4e(Z1側の面)は、永久磁石6とボルト7とにより後部筐体2の背面2aから離間した状態で、後部筐体2の背面2aに取り付けられている。具体的には、板状部材4が永久磁石6を介して後部筐体2に接触する部分と、梁部21に板状部材4が接触する部分以外は、後部筐体2と板状部材4とは接触せずに離間する。板状部材4の後部筐体2の背面2aと対向する面は、永久磁石6の厚みRの分だけ後部筐体2の背面2aから離間する。永久磁石6の厚みR(Z方向の長さ)は、たとえば、3mm以上である。
【0044】
(表示装置用取付構造の取付方法)
次に、既製品の表示パネル110に板状部材4と構成部品5とを取り付ける場合を例に取付方法について説明する。板状部材4の背面(Z2側の面)に、構成部品5が取り付けられる。構成部品5は、板状部材4の正面側(Z1側)から構成部品取付部40を介してねじ止めされる。
【0045】
次に、構成部品5を取り付けた板状部材4は、後部筐体2に永久磁石6を介して取り付ける。その後、ボルト7により板状部材4を梁部21に固定する。そして、板状部材4にカバー部材3を取り付ける。カバー部材3は、背面側からねじ止めされる。
【0046】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0047】
第1実施形態では、上記のように、表示装置100の構成部品5が取り付けられる板状部材4と、板状部材4を表示装置100の表示面1aとは反対の後部筐体2の背面2aに締結用孔および締結部材を用いずに固定するための永久磁石6と、板状部材4を後部筐体2の背面2aに締結用孔を介して固定するためのボルト7とを備える。これにより、永久磁石6によって締結用孔および締結部材を用いずに板状部材4を後部筐体2に取り付けることができるため、後部筐体2に新たに設ける締結用孔の数を減らすことができる。この結果、構成部品5を取り付けるための作業性を向上させることができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、板状部材4の後部筐体2の背面2aと対向する面は、永久磁石6およびボルト7により後部筐体2の背面2aから離間した状態で、後部筐体2の背面2aに取り付けられている。これにより、たとえば、スピーカのように振動する構成部品5を板状部材4に取り付ける場合に、板状部材4に取り付けられたスピーカの振動によって、板状部材4と後部筐体2とが接触して音が発生するのを抑制することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、非締結型固定部材は、板状の永久磁石6または粘着シートを含む。これにより、板状の永久磁石6または粘着シートにより板状部材4を後部筐体2に取り付けることができるため、後部筐体2に締結用孔を新たに設ける数を減らすことができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、後部筐体2の背面2aには、後部筐体2を補強するための背面側に突出した梁部21が取り付けられており、板状部材4は、ボルト7により梁部21に固定されるように構成されている。これにより、背面側に突出した梁部21に板状部材4を取り付けることにより、梁部21が背面側に突出している分だけ板状部材4を後部筐体2の背面2aから離間させることができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、梁部21は、後部筐体2の長手方向に沿って延びるように設けられている。これにより、梁部21が十分な大きさを有するため、表示装置100を十分に補強することができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、板状部材4は、後部筐体2の背面2aに略平行な平坦部4aと、梁部21に沿って背面側に屈曲して突出する突出部4bとを有し、平坦部4aにおいて、板状の永久磁石6または粘着シートにより後部筐体2の背面2aに固定され、突出部4bにおいて、締結部材としてのボルト7により梁部21に固定されている。これにより、板状部材4が梁部21に沿った突出部4bを備えることにより、板状部材4を梁部21に沿ってしっかりと固定することができる。また、板状部材4が平坦部4aを有していることにより、板状の永久磁石6または粘着テープを介して板状部材4を後部筐体2に取り付けやすくなる。
【0053】
また、第1実施形態では、上記のように、板状部材4の後部筐体2の背面2aと対向する面は、板状の永久磁石または粘着シートの厚みRの分だけ後部筐体2の背面2aから離間するように構成されている。これにより、板状の永久磁石または粘着シートの厚みRを調整することにより、後部筐体2と板状部材4との間隔を調整することができる。
【0054】
また、第1実施形態では、上記のように、永久磁石6とボルト7とが、それぞれ、板状部材4の上部および下部の一方と他方とに取り付けられている。これにより、板状部材4の上部と下部との2カ所において板状部材4を後部筐体2に固定することができるため、板状部材4を安定させて固定することができる。
【0055】
また、第1実施形態では、上記のように、構成部品5は、スピーカを含む。これにより、板状部材4にスピーカが取り付けられるため、後部筐体2に対してスピーカを取り付けるための締結用孔を設ける必要がない。この結果、スピーカを取り付けるための作業性を向上させることができる。
【0056】
また、第1実施形態では、上記のように、板状部材4は、表示装置100の背面を覆うためのカバー部材3が固定されるカバー部材取付部41をさらに含む。これにより、後部筐体2の背面2aにカバー部材3を取り付けるための取付部を設けなくとも、カバー部材3を後部筐体2に取り付けることができる。
【0057】
また、第1実施形態では、上記のように、表示装置100は、表示装置100の構成部品5が取り付けられる板状部材4と、板状部材4を表示装置100の表示面1aとは反対の後部筐体2の背面2aに締結用孔および締結部材を用いずに固定するための永久磁石6と、板状部材4を後部筐体2の背面2aに締結用孔を介して固定するためのボルト7とを備える。これにより、永久磁石6によって締結用孔および締結部材を用いずに板状部材4を後部筐体2に取り付けることができるため、後部筐体2に新たに設ける締結用孔の数を減らすことができる。この結果、構成部品5を取り付けるための作業性を向上させることができる。
【0058】
また、第1実施形態では、上記のように、構成部品5が取り付けられた板状部材4を表示装置100の表示面1aとは反対の後部筐体2の背面2aに締結用孔および締結部材を用いずに永久磁石6により固定する工程と、構成部品5が取り付けられた板状部材4を後部筐体2の背面2aに締結用孔を介してボルト7により固定する工程とを含む。これにより、永久磁石6により締結用孔および締結部材を用いずに固定することによって、後部筐体2に新たに設ける締結用孔の数を減らすことができるため、構成部品5を取り付けるための作業性を向上させることができる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、
図1、
図7および
図8を参照して、第2実施形態による表示装置100の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、板状部材4は、壁掛け具8(
図8参照)が取り付けられる。なお、第2実施形態の第1実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0060】
図7に示すように、板状部材4は、表示装置100を壁面に取り付けるための壁掛け具8(
図8参照)が取り付けられる壁掛け具取付部43を含む。壁掛け具取付部43は、ねじ穴である。壁掛け具取付部43は、板状部材4の下部に設けられる。
【0061】
図8に示すように、壁掛け具8は、板状部材4が表示装置100の後部筐体2に取り付けられた後に取り付けられる。壁掛け具8は、たとえば、VESA(ビデオ エレクトロニクス スタンダーズ アソシエーション)規格に基づいて製造されたマウンティングプレートが用いられる。壁掛け具8は、壁に取り付けられた固定部材に連結されて使用される。
【0062】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0063】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、表示装置100の構成部品5が取り付けられる板状部材4と、板状部材4を表示装置100の表示面1aとは反対の後部筐体2の背面2aに締結用孔および締結部材を用いずに固定するための永久磁石6と、板状部材4を後部筐体2の背面2aに締結用孔を介して固定するためのボルト7とを備える。これにより、永久磁石6によって締結用孔および締結部材を用いずに板状部材4を後部筐体2に取り付けることができるため、後部筐体2に新たに設ける締結用孔の数を減らすことができる。この結果、構成部品5を取り付けるための作業性を向上させることができる。
【0064】
また、第2実施形態では、板状部材4は、表示装置100を壁面に取り付けるための壁掛け具8が取り付けられる壁掛け具取付部43をさらに含む。これにより、後部筐体2の背面2aに壁掛け具8を取り付けるための締結用孔を設けなくとも、壁掛け具8を取り付けることができる。
【0065】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0066】
[第3実施形態]
次に、
図1および
図9を参照して、第3実施形態による表示装置100の構成について説明する。第3実施形態では、第1実施形態とは異なり、非締結型固定部材は、第1両面テープ61(
図8参照)が用いられる。なお、第3実施形態の第1実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。なお、第1両面テープは、特許請求の範囲に記載した「粘着シート」の一例である。
【0067】
図9に示すように、板状部材4は、第1両面テープ61によって後部筐体2の背面2aに取り付けられる。具体的には、第1両面テープ61は、板状部材4の正面(Z1側の面)の上端と後部筐体2の背面2aとの間に設けられ、板状部材4の正面(Z1側の面)の上端と後部筐体2の背面2aとに取り付けられる。第1両面テープ61は、構成部品取付部40よりもZ1側の上端に設けられる。
【0068】
カバー部材3は、板状部材4と後部筐体2との両方に取り付けられる。カバー部材3は、第2両面テープ62により後部筐体2の背面2aに取り付けられる。第2両面テープ62は、カバー部材3の上端にも取り付けられる。第2両面テープ62は、1つでもよく、複数でもよいが、第3実施形態では2つである。カバー部材3は、後部筐体2の背面2aの全体を覆う。
【0069】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、表示装置100の構成部品5が取り付けられる板状部材4と、板状部材4を表示装置100の表示面1aとは反対の後部筐体2の背面2aに締結用孔および締結部材を用いずに固定するための永久磁石6と、板状部材4を後部筐体2の背面2aに締結用孔を介して固定するためのボルト7とを備える。これにより、永久磁石6によって締結用孔および締結部材を用いずに板状部材4を後部筐体2に取り付けることができるため、後部筐体2に新たに設ける締結用孔の数を減らすことができる。この結果、構成部品5を取り付けるための作業性を向上させることができる。
【0071】
また、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0072】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0073】
たとえば、上記第1~第3実施形態では、構成部品がスピーカである例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、
図10に示すように、構成部品は、ハードディスクドライブ(HDD)51であってもよい。
【0074】
また、上記第1~第3実施形態では、板状部材の長手方向の長さは、梁部の長手方向の長さより小さい例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図11に示すように、板状部材の長手方向の長さは、梁部の長手方向の長さ以上であってもよい。
【0075】
また、上記第1~第3実施形態では、締結部材がボルトである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、締結部材は、ピンであってもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 表示部
1a 表示面
2 後部筐体
3 カバー部材
4 板状部材
4a 平坦部
4b 突出部
5 構成部品
6 永久磁石(非締結型固定部材)
7 ボルト(締結部材)
8 壁掛け具
21 梁部
41 カバー部材取付部
43 壁掛け具取付部
100 表示装置