(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168662
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】梱包体、梱包材、制御モジュール梱包体及び収納箱梱包体
(51)【国際特許分類】
H01M 50/256 20210101AFI20221031BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20221031BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20221031BHJP
H01M 50/258 20210101ALI20221031BHJP
【FI】
H01M50/256 101
H01M50/242
H01M50/298
H01M50/258
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074282
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 康宏
(72)【発明者】
【氏名】竹井 英俊
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA37
5H040AT04
5H040CC30
5H040DD06
5H040GG14
5H040NN01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】蓄電素子ユニットを構成する部品の搬送を容易とする、梱包体を提供する。
【解決手段】梱包体は、屋内設置用の蓄電素子ユニットに搭載される複数の蓄電素子モジュール20のうち、1つの蓄電素子モジュールを梱包してなる梱包体であって、1つの蓄電素子モジュールと、蓄電素子モジュールを梱包した箱材51と、を備え、箱材は、第1辺51aと、第1辺とともに底面を構成し且つ第1辺よりも短い第2辺51bと、底面に垂直な第3辺51cと、を有する直方体形状を有し、第1辺は、750mm以下の長さを有し、第1辺と第2辺と第3辺との長さの合計は、1200mm以下である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内設置用の蓄電素子ユニットに搭載される複数の蓄電素子モジュールのうち、1つの蓄電素子モジュールを梱包してなる梱包体であって、
前記1つの蓄電素子モジュールと、
前記蓄電素子モジュールを梱包した箱材と、を備え、
前記箱材は、第1辺と、前記第1辺とともに底面を構成し且つ前記第1辺よりも短い第2辺と、前記底面に垂直な第3辺と、を有する直方体形状を有し、
前記第1辺は、750mm以下の長さを有し、
前記第1辺と前記第2辺と前記第3辺との長さの合計は、1200mm以下である、梱包体。
【請求項2】
前記第1辺の長さは、前記第1辺が延伸する方向における前記蓄電素子モジュールの寸法の、1.05倍以上1.3倍以下である、請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
前記蓄電素子モジュールは、前記箱材の前記第1辺及び前記第3辺により構成される一対の第1側面に対向する一対の第1モジュール側面と、前記箱材の前記第2辺及び前記第3辺により構成される一対の第2側面に対向する一対の第2モジュール側面とを有し、
前記一対の第1側面と前記一対の第1モジュール側面との間に介在される第1壁部と、前記一対の第2側面と前記一対の第2モジュール側面との間に介在される第2壁部と、を有する緩衝材をさらに備え、
前記第2壁部には開口部が形成されている、請求項1又は2に記載の梱包体。
【請求項4】
前記第2壁部の厚みは、前記第1壁部の厚みよりも大きい、請求項3に記載の梱包体。
【請求項5】
前記蓄電素子モジュールは、前記第2モジュール側面のうち前記開口部に対向する部分に設けられた、配線が接続可能な接続部を有する、請求項3又は4に記載の梱包体。
【請求項6】
一端において前記接続部に接続するとともに、前記蓄電素子モジュールとともに前記箱材に梱包される配線である、装置配線と、
前記蓄電素子モジュールの上方において前記装置配線の他端を保持する保持部材と、を備える、請求項5に記載の梱包体。
【請求項7】
屋内設置用の蓄電素子ユニットに搭載される複数の蓄電素子モジュールのうち、1つの蓄電素子モジュールを梱包する梱包材であって、
前記梱包材は、第1辺と、前記第1辺とともに底面を構成し且つ前記第1辺よりも短い第2辺と、前記底面に垂直な第3辺と、を有する直方体形状を有する箱材を備え、
前記第1辺は、750mm以下の長さを有し、
前記第1辺と前記第2辺と前記第3辺との長さの合計は、1200mm以下である、梱包材。
【請求項8】
屋内設置用の蓄電素子ユニットに搭載される制御モジュールを梱包してなる制御モジュール梱包体であって、
前記制御モジュールと、
前記制御モジュールを梱包した制御モジュール箱材と、を備え、
前記制御モジュール箱材は、第1辺と、前記第1辺とともに底面を構成し且つ前記第1辺よりも短い第2辺と、前記底面に垂直な第3辺と、を有する直方体形状を有し、
前記第1辺は、750mm以下の長さを有し、
前記第1辺と前記第2辺と前記第3辺との長さの合計は、1200mm以下である、制御モジュール梱包体。
【請求項9】
屋内設置用の蓄電素子ユニットに用いられる収納箱を梱包してなる収納箱梱包体であって、
前記収納箱と、
前記収納箱を梱包した収納箱箱材と、を備え、
前記収納箱箱材は、第1辺と、前記第1辺とともに底面を構成し且つ前記第1辺よりも短い第2辺と、前記底面に垂直な第3辺と、を有する直方体形状を有し、
前記第2辺は、750mm以下の長さを有する、収納箱梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、梱包体、梱包材、制御モジュール梱包体及び収納箱梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、複数の蓄電素子モジュールを有した蓄電素子ユニットが知られている。蓄電素子ユニットは、複数の蓄電素子モジュールとともに、該蓄電素子モジュールを収納する収納箱を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
他方、蓄電素子ユニットに搭載される蓄電素子モジュールや、蓄電素子ユニットに備えられる収納箱など、蓄電素子ユニットを構成する部品の搬送を容易とすることが求められていた。
【0005】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、蓄電素子ユニットを構成する部品の搬送を容易とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による梱包体は、
屋内設置用の蓄電素子ユニットに搭載される複数の蓄電素子モジュールのうち、1つの蓄電素子モジュールを梱包してなる梱包体であって、
前記1つの蓄電素子モジュールと、
前記蓄電素子モジュールを梱包した箱材と、を備え、
前記箱材は、第1辺と、前記第1辺とともに底面を構成し且つ前記第1辺よりも短い第2辺と、前記底面に垂直な第3辺と、を有する直方体形状を有し、
前記第1辺は、750mm以下の長さを有し、
前記第1辺と前記第2辺と前記第3辺との長さの合計は、1200mm以下である。
【0007】
本開示による梱包体において、
前記第1辺の長さは、前記第1辺が延伸する方向における前記蓄電素子モジュールの寸法の、1.05倍以上1.3倍以下であってもよい。
【0008】
本開示による梱包体において、
前記蓄電素子モジュールは、前記箱材の前記第1辺及び前記第3辺により構成される一対の第1側面に対向する一対の第1モジュール側面と、前記箱材の前記第2辺及び前記第3辺により構成される一対の第2側面に対向する一対の第2モジュール側面とを有し、
前記一対の第1側面と前記一対の第1モジュール側面との間に介在される第1壁部と、前記一対の第2側面と前記一対の第2モジュール側面との間に介在される第2壁部と、を有する緩衝材をさらに備え、
前記第2壁部には開口部が形成されていてもよい。
【0009】
本開示による梱包体において、
前記第2壁部の厚みは、前記第1壁部の厚みよりも大きくてもよい。
【0010】
本開示による梱包体において、
前記蓄電素子モジュールは、前記第2モジュール側面のうち前記開口部に対向する部分に設けられた、配線が接続可能な接続部を有してもよい。
【0011】
本開示による梱包体において、
一端において前記接続部に接続するとともに、前記蓄電素子モジュールとともに前記箱材に梱包される配線である、装置配線と、
前記蓄電素子モジュールの上方において前記装置配線の他端を保持する保持部材と、を備えてもよい。
【0012】
本開示による梱包材は、
屋内設置用の蓄電素子ユニットに搭載される複数の蓄電素子モジュールのうち、1つの蓄電素子モジュールを梱包する梱包材であって、
前記梱包材は、第1辺と、前記第1辺とともに底面を構成し且つ前記第1辺よりも短い第2辺と、前記底面に垂直な第3辺と、を有する直方体形状を有する箱材を備え、
前記第1辺は、750mm以下の長さを有し、
前記第1辺と前記第2辺と前記第3辺との長さの合計は、1200mm以下である。
【0013】
本開示による制御モジュール梱包体は、
屋内設置用の蓄電素子ユニットに搭載される制御モジュールを梱包してなる制御モジュール梱包体であって、
前記制御モジュールと、
前記制御モジュールを梱包した制御モジュール箱材と、を備え、
前記制御モジュール箱材は、第1辺と、前記第1辺とともに底面を構成し且つ前記第1辺よりも短い第2辺と、前記底面に垂直な第3辺と、を有する直方体形状を有し、
前記第1辺は、750mm以下の長さを有し、
前記第1辺と前記第2辺と前記第3辺との長さの合計は、1200mm以下である。
【0014】
本開示による収納箱梱包体は、
屋内設置用の蓄電素子ユニットに用いられる収納箱を梱包してなる収納箱梱包体であって、
前記収納箱と、
前記収納箱を梱包した収納箱箱材と、を備え、
前記収納箱箱材は、第1辺と、前記第1辺とともに底面を構成し且つ前記第1辺よりも短い第2辺と、前記底面に垂直な第3辺と、を有する直方体形状を有し、
前記第2辺は、750mm以下の長さを有する。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、蓄電素子ユニットを構成する部品の搬送を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態を説明するための図であって、梱包体を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、蓄電素子モジュールが搭載されている蓄電素子ユニットを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、蓄電素子モジュールを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3の蓄電素子モジュールに含まれる複数のセルを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図3の蓄電素子モジュールを示す斜視図であって、カバーをケース本体から取り外した状態を示している。
【
図6】
図6は、
図1の梱包体を、梱包材を構成する構成要素の各々と、蓄電素子モジュール及び装置配線と、に分けて示す分解図である。
【
図7】
図7は、
図1のA-A線に沿った梱包体の断面図である。
【
図8】
図8は、
図6の展開図に含まれる蓄電素子モジュール、装置配線、押さえ部材及び保持部材を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図6の展開図に含まれる受け部材を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第2の実施の形態を説明するための図であって、制御モジュール梱包体を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、
図11の制御モジュール梱包体を、制御モジュール梱包材を構成する構成要素の各々と、制御モジュールと、に分けて示す分解図である。
【
図13】
図13は、第3の実施の形態を説明するための図であって、収納箱梱包体を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、蓄電素子モジュールが搭載されている蓄電素子ユニットを示す斜視図である。
【
図15】
図15は、
図14の収納箱梱包体を、収納箱梱包材を構成する構成要素の各々と、収納箱と、化粧パネル本体部と、化粧パネル第1側部と、化粧パネル第2側部と、化粧パネル上部と、に分けて示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に示された具体例を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0018】
(第1の実施の形態)
以下、
図1乃至10を参照し、本開示の第1の実施の形態に係る梱包体の実施形態の一例について詳細に説明する。
【0019】
図1は、梱包体100を示す斜視図である。第1の実施の形態に係る梱包体100は、後述する1つの蓄電素子モジュール20を梱包してなる。梱包体100は、1つの蓄電素子モジュール20と、1つの蓄電素子モジュール20を梱包する梱包材50を備える。
図1に示すように、梱包材50は、箱材51を備える。後述するように、箱材51は、1つの蓄電素子モジュール20を梱包している。
【0020】
なお、図面間での方向関係を明確化するため、いくつかの図面には、第1方向DA、第2方向DB及び第3方向DCを図面間で共通する方向として矢印で示している。さらに、梱包体100に備えられる蓄電素子モジュール20を示す図では、蓄電素子モジュール20が梱包材50に梱包されて梱包体100が形成されている場合の方向及び向きを示している。また、蓄電素子モジュールが搭載されている蓄電素子ユニット10を示す図では、蓄電素子ユニット10に搭載されている蓄電素子モジュール20が梱包材50に梱包されて梱包体100が形成されている場合の方向及び向きを示している。また、後述する制御モジュール梱包体200を示す図では、制御モジュール梱包体200に梱包されている制御モジュール14について、後述する
図2のように蓄電素子ユニット10に搭載されている場合の方向及び向きを示している。また、後述する収納箱梱包体300を示す図では、収納箱梱包体300に梱包されている収納箱11について、後述する
図2のように蓄電素子ユニット10に用いられている場合の方向及び向きを示している。また、本明細書において、「上方」、「下方」、「側方」などの方向に関する表現は、特にことわりがない限り、
図1に示すように箱材51の後述する底面513が下方に位置するように梱包体100が設置されている場合を基準として記載されている。
【0021】
梱包材50に梱包される蓄電素子モジュール20について説明する。
図2は、梱包材50に梱包される蓄電素子モジュール20が複数搭載されている蓄電素子ユニット10を示す斜視図である。なお、
図2では、後述する収納箱11のうち、蓄電素子ユニット10が設置された際に蓄電素子ユニット10の上面を構成する壁部、及び蓄電素子ユニット10の側面を構成する壁部のうち二つ(
図2において手前側に位置するもの)については図示を省略している。
【0022】
蓄電素子ユニット10は、充放電が可能な二次電池ユニットとして用いられる。図示された蓄電素子ユニット10は、屋内設置用の蓄電素子ユニット10であり、例えば、住宅や公共施設等の建物に適用され、建物の配線と電気的に接続されて建物内に設置された電気装置の電源として機能する。
【0023】
図2に示すように、蓄電素子ユニット10は、略直方体形状を有する収納箱11と、制御モジュール14及び複数の蓄電素子モジュール20と、を有している。制御モジュール14は、例えば、複数の蓄電素子モジュール20の充電及び放電を制御する機能、蓄電素子モジュール20の充電状態(例えば充電量)を監視する機能、蓄電素子モジュール20の異常の有無を監視する機能の一以上を有する。複数の蓄電素子モジュール20は、収納箱11内に収納されることによって、蓄電素子ユニット10に搭載されている。
【0024】
図2に示す例において、収納箱11内には、複数の蓄電素子モジュール20が高さ方向に積み重ねられて形成された、2つの蓄電素子モジュール組合体15を有している。第1の蓄電素子モジュール組合体15Aは、3つの蓄電素子モジュール20が積み重ねられて形成されている。また、第2の蓄電素子モジュール組合体15Bは、4つの蓄電素子モジュール20が積み重ねられて形成されている。そして、第1の蓄電素子モジュール組合体15Aと第2の蓄電素子モジュール組合体15Bとが、平行に並べられて、収納箱11内に収容されている。このため、蓄電素子ユニット10には、合計で7つの蓄電素子モジュール20が搭載されている。
【0025】
図3は、蓄電素子ユニット10に搭載される蓄電素子モジュール20のうち1つを示す斜視図である。蓄電素子モジュール20は、全体として略直方体形状を有している。
図3に示す例において、蓄電素子モジュール20は、第1方向DA及び第3方向DCに平行な一対の第1モジュール側面20aと、第1方向DA及び第2方向DBに平行な一対の第2モジュール側面20bとを有する。また、蓄電素子モジュール20は、第1方向DA及び第2方向DBに平行なモジュール底面20c及びモジュール上面20dを更に有する。
【0026】
また、蓄電素子モジュール20は、第2方向DBよりも第3方向DCにおいて大きな寸法を有する。
図3に示す例において、第1モジュール側面20aの第3方向DCにおける寸法は、第2モジュール側面20bの第2方向DBにおける寸法よりも大きくなっている。
【0027】
図4は、
図3の蓄電素子モジュール20に含まれる複数のセル30を示す斜視図である。蓄電素子モジュール20は、複数のセル30と、複数のセル30を収納するケース18と、を有する。セル30は、蓄電素子として取り扱われる最小単位である。セル30は、種々の型式を採用することができ、例えばリチウムイオン二次電池とすることができる。1つの蓄電素子モジュール20に含まれる複数のセル30は、互いに同一の構成を有していても良いし、或いは、互いに異なる構成を有していてもよい。
【0028】
図4に示すように、セル30は、偏平形状を有している。セル30は、平面視において(第1方向DAからの観察において)、略矩形形状を有している。セル30は、第2方向DBに短手方向を有し、第3方向DCに長手方向を有している。複数のセル30は、積層方向に積層されている。セル30の積層方向は、第1方向DAと平行になっている。セル30は、中央に位置する中央部31Cと、中央部31Cを取り囲む周縁部31Eと、を有している。中央部31Cの厚みは、周縁部31Eの厚みよりも厚くなっている。図示された例において、セル30は、中央部31Cにおいて、第1方向DAにおけるいずれか一方の側に向けて膨出している。複数のセル30は、中央部31Cが少なくとも部分的に互いに第1方向DAに対面するよう、積層されている。
図4に示されたセル30は、正極板及び負極板を含む複数の電極板32と、複数の電極板32を収容する外装体33と、電極板32と電気的に接続して外装体33の外部まで延び出したタブ35と、を有している。セル30は、一対のタブ35を有している。一対のタブ35は、それぞれ正極端子または負極端子として機能する。
【0029】
1つの蓄電素子モジュール20に含まれる多数のセル30は、互いのタブ35同士が電気的に接続されることによって、直列接続または並列接続により、互いに電気的に接続している。多数のセル30のタブ35は、一例として、図示しない電極部材を用いて互いに電気的に接続される。図示された例では、1つの蓄電素子モジュール20が16個のセル30を含んでいる。とりわけ
図4に示された例において、並列接続された二つのセル30が、8組直列接続されている。
【0030】
蓄電素子モジュール20のケース18について説明する。
図5は、後述するカバー60を後述するケース本体40から取り外した状態の蓄電素子モジュール20を示す斜視図である。
【0031】
図5に示すように、蓄電素子モジュール20は、複数のセルを収納するためのケース18を有している。ケース18は、内面において複数のセルを収納する収納空間を画成する。ケース18は、ケース本体40及びカバー60を有している。カバー60は、ケース本体40に取り外し可能となっている。
【0032】
複数のセル30を収納するケース本体40は、全体的な構成として、第1方向DAにおける一側から複数のセル30を支持する底部42と、底部42から第1方向DAに立ち上がったケース側壁部44と、を有している。ケース本体40は、第1方向DAにおける他側に開口している。すなわち、ケース本体40は、底部42に対面する位置にケース開口部40aを有している。ケース側壁部44は、第2方向DB及び第3方向DCからセル30を取り囲んでいる。また、ケース本体40は、第1方向DAにケース開口部40aを有している。
【0033】
カバー60は、第1方向DAに移動可能にケース本体40に保持されて、ケース本体40のケース開口部40aを覆う。カバー60は、ケース本体40に収納されたセル30を第1方向DAにおける他側から覆い、セル30を保護する。
【0034】
図5に示すように、カバー60は、カバー本体61及びカバー本体61から延び出した固定部62を有している。固定部62は、ケース本体40のケース側壁部44に設けられた受け部49と係合可能となっている。固定部62が受け部49と係合することで、カバー60がケース本体40によって保持される。図示された例において、固定部62は、第1方向DAに移動可能に受け部49と係合する。
【0035】
図3及び
図5に示す例において、ケース側壁部44の一部が、一対の第1モジュール側面20aを構成している。また、ケース本体40の底部42が、モジュール底面20cを構成している。また、カバー本体61が、モジュール上面20dを構成している。
【0036】
また、蓄電素子モジュール20は、ケース本体40に固定された端部カバー21を有している。
図3及び
図5に示す例においては、一対の端部カバー21が、それぞれ蓄電素子モジュール20の第3方向DCにおける一側及び他側に設けられている。一対の端部カバー21の一方は、一対の第2モジュール側面20bの一方を構成している。また、一対の端部カバー21の他方は、一対の第2モジュール側面20bの他方を構成している。
【0037】
一対の端部カバー21は、ケース本体40の第3方向DCにおける一側及び他側の面を覆っている。一例として、ケース本体40の第3方向DCにおける一側及び他側の面には、多数のセル30のタブ35を互いに電気的に接続する電極部材が保持されている。この場合、一対の端部カバー21の一方は、ケース本体40の第3方向DCにおける一側に位置する電極部材を覆う。また、一対の端部カバー21の他方は、ケース本体40の第3方向DCにおける他側に位置する電極部材を覆う。これによって、電極部材が一対の端部カバー21によって保護される。
【0038】
また、蓄電素子モジュール20は、配線が接続可能な接続部22を有する。
図3及び
図5に示す例において、接続部22は、一対の第2モジュール側面20bの一方に設けられている。
図3及び
図5に示す例において、接続部22は、一対の端部カバー21に開口22aが設けられており、且つケース本体40の内部に配置されている内部配線が開口22aの近傍まで引き出されている部分である。内部配線は、例えば電極部材を介して、セル30のタブ35に電気的に接続されている。この場合、蓄電素子モジュール20の外部の配線を、接続部22において内部配線に電気的に接続することができる。
【0039】
ここで、上述のように、蓄電素子モジュール20は、第2方向DBよりも第3方向DCにおいて大きな寸法を有する。そして、蓄電素子モジュール20は、第3方向DCに平行に並べられている。この場合、
図2に示すように複数の蓄電素子モジュール20が収納箱11に収納された状態において、1つの蓄電素子モジュール20は、第1方向DA及び第2方向DBにおいて他の蓄電素子モジュール20と隣接するように配置され得る。これに対して、第3方向DCにおいては、1つの蓄電素子モジュール20は他の蓄電素子モジュール20と隣接しない。このため、接続部22のような蓄電素子モジュール20の面に設けられる構成要素は、複数の蓄電素子モジュール20が収納箱11に収納された状態において、隣接する他の蓄電素子モジュール20が邪魔になることなく利用できるようにする観点からは、第2モジュール側面20bに設けられていることが好ましい。
【0040】
蓄電素子ユニット10に含まれるケース18の各々が有するケース本体40及びカバー60、並びに一対の端部カバー21は、例えば絶縁性の樹脂材料から形成される。
【0041】
図3に示す例において、蓄電素子モジュール20の接続部22には、蓄電素子モジュール20の外部の配線である、装置配線70が接続されている。装置配線70は、一端71において接続部22に接続している。
図3においては図示を省略しているが、後述するように、装置配線70は、一端71とは反対側の端部である他端72に、コネクタ72aを有する。コネクタ72aを蓄電素子モジュール20の外部の装置に取り付けることによって、装置配線70を介して蓄電素子モジュール20と蓄電素子モジュール20の外部の装置とを電気的に接続することができる。
【0042】
次に、上述の蓄電素子モジュール20を梱包した梱包体100について詳述する。
図6は、
図1に示す梱包体100を、梱包材50を構成する構成要素の各々と、蓄電素子モジュール20及び装置配線70と、に分けて示す分解図である。また、
図7は、
図1のA-A線に沿った梱包体100の断面図である。なお、
図6及び
図7においては、蓄電素子モジュール20及び装置配線70の構造の詳細については図示を省略して、その概形のみを示している。また、
図6及び
図7においては、後述する保持部材56の詳細については図示を省略して、その概形のみを破線で示している。また、
図6及び
図7においては、後述するテープ58については図示を省略している。
【0043】
梱包体100は、梱包材50として、箱材51とともに、緩衝材52と、受け部材53と、樹脂製袋54と、押さえ部材55と、保持部材56と、天パッド57と、を備える。また、梱包体100は、上述のように蓄電素子モジュール20を備えるとともに、装置配線70を備える。装置配線70は、蓄電素子モジュール20とともに箱材51に梱包される。
【0044】
箱材51について説明する。箱材51は、蓄電素子モジュール20を梱包する箱である。また、
図7に示す例において、箱材51は、蓄電素子モジュール20とともに、装置配線70と、緩衝材52と、受け部材53と、樹脂製袋54と、押さえ部材55と、保持部材56と、天パッド57と、を収容している。
図1及び
図7に示すように梱包体100が形成されている状態において、箱材51は閉じられている。箱材51が閉じられている状態において、箱材51は、第1辺51aと、第1辺51aとともに底面513を構成し且つ第1辺51aよりも短い第2辺51bと、底面513に垂直な第3辺51cと、を有する直方体形状を有する。
図1に示す例において、第1辺51aは、第3方向DCに延伸している。第2辺51bは、第2方向DBに延伸している。第3辺51cは、第1方向DAに延伸している。
【0045】
梱包体100において、箱材51は、第1辺51a及び第3辺51cにより構成される一対の第1側面511と、第2辺51b及び第3辺51cにより構成される一対の第2側面512と、を有する。また、底面513、及び箱材51の底面513に平行な面である上面514は、それぞれ第1辺51a及び第2辺51bにより構成される。
【0046】
箱材51の材料は、箱材51に蓄電素子モジュール20及び装置配線70を梱包可能であれば、特に限られない。
図6及び
図7に示す例において、箱材51は、段ボール箱である。
【0047】
段ボール箱である箱材51は、第1方向DAにおける一側及び他側に、それぞれ一対の外フラップ515と、一対の内フラップ516とを有する。この場合、外フラップ515と内フラップ516とが重ねられることによって底面513及び上面514が形成されて、箱材51が閉じられる。箱材51が閉じられるとき、外フラップ515と内フラップ516とは、内フラップ516が外フラップ515よりも箱材51の内側に位置するように重ねられる。
【0048】
ここで、梱包体100において、蓄電素子モジュール20の一対の第1モジュール側面20aは、箱材51の一対の第1側面511に対向する。また、蓄電素子モジュール20の一対の第2モジュール側面20bは、箱材51の一対の第2側面512に対向する。
【0049】
次に、押さえ部材55について説明する。
図8は、
図6の分解図に含まれる蓄電素子モジュール20、装置配線70、押さえ部材55及び保持部材56を示す斜視図である。押さえ部材55は、梱包体100において、蓄電素子モジュール20を、後述する受け部材53との間で挟んで、蓄電素子モジュール20が箱材51の内部で動いてしまうことを抑制する部材である。
【0050】
図8に示す例において、押さえ部材55は、押さえ本体部55aと、一対の押さえ側面部55bと、押さえ緩衝部55cと、を有する。押さえ本体部55aは、梱包体100において蓄電素子モジュール20のモジュール上面20dに対向する板状の部分である。一対の押さえ側面部55bは、押さえ本体部55aの第2方向DBにおける端部に設けられて、押さえ本体部55aよりも下方に広がる板状の部分である。一対の押さえ側面部55bは、梱包体100において一対の第1モジュール側面20aの一部に対向する。押さえ本体部55aと一対の押さえ側面部55bとは、例えば一体成形された樹脂材料から構成される。
【0051】
押さえ緩衝部55cは、押さえ本体部55aの上側に設けられて、蓄電素子モジュール20が箱材51の内部を上方に移動しようとする際に、蓄電素子モジュール20が上方の部材に衝突する衝撃を緩和する部分である。
図8に示す例において、押さえ部材55は、第3方向DCに延伸する一対の押さえ緩衝部55cを有する。一対の押さえ緩衝部55cは、それぞれ四角柱状の形状を有する。押さえ緩衝部55cの材料は、例えば後述する緩衝材52の材料と同様である。
【0052】
次に、保持部材56について説明する。保持部材56は、蓄電素子モジュール20の上方において装置配線70の他端72を保持する部材である。
図8に示す例において、保持部材56は、押さえ本体部55aの上側に設けられている。また、
図8に示す例において、装置配線70は、他端72にコネクタ72aを有し、保持部材56はコネクタ72aを保持している。
【0053】
保持部材56の形態は、他端72を保持することができれば、特に限られない。一例として、保持部材56は、他端72の形状に対応した形状の凹部を有する。この場合、保持部材56は、他端72を凹部に噛み合わせることによって、他端72を保持することができる。なお、保持部材56は、他端72を挟んで外部から他端72に伝わる衝撃を和らげる材料であってもよい。この場合、保持部材56である他端72を挟む材料として、気泡緩衝材を用いることができる。また、保持部材56である他端72を挟む材料は、他端72を保持した状態で、例えば粘着テープによって、押さえ本体部55aの上側の面に固定されていてもよい。
【0054】
保持部材56が他端72を保持することによって、装置配線70、特に装置配線70の他端72が箱材51の内部を移動して、好ましくない位置に入り込んでダメージを受けることを抑制できる。例えば、他端72が、蓄電素子モジュール20と梱包材50との間に移動して、蓄電素子モジュール20と梱包材50とに挟まれることでダメージを受けることを抑制できる。特に装置配線70が他端72にコネクタ72aを有する場合には、コネクタ72aがダメージを受けることを抑制できる。また、保持部材56が蓄電素子モジュール20の上方において他端72を保持することによって、装置配線70、特に装置配線70の他端72の上に蓄電素子モジュール20が乗るように装置配線70と蓄電素子モジュール20とが接触することが抑制される。このため、蓄電素子モジュール20の重みによって装置配線70がダメージを受けることを抑制できる。また、保持部材56が蓄電素子モジュール20の上方において他端72を保持することによって、蓄電素子モジュール20の側方において他端72を保持する場合よりも、蓄電素子モジュール20、保持部材56及び装置配線70を収容する箱材51の側方における寸法、例えば箱材51の第1辺51a及び第2辺51bの長さを小さく抑えることができる。
【0055】
また、
図6~8に示す例において、保持部材56は、第2方向DBにおける一対の押さえ緩衝部55cの間に設けられている。これによって、一対の押さえ緩衝部55cの間の空間を、保持部材56及び装置配線70の一部を収容する空間として利用することができる。このため、保持部材56及び装置配線70を収容する箱材51の寸法をより小さくすることができる。
【0056】
次に、受け部材53について説明する。
図9は、
図6の分解図に含まれる受け部材53を示す斜視図である。受け部材53は、梱包体100において、蓄電素子モジュール20を押さえ部材55との間で挟んで、蓄電素子モジュール20が箱材51の内部で動いてしまうことを抑制する部材である。
【0057】
図9に示す例において、受け部材53は、受け本体部53aと、一対の受け側面部53bと、受け緩衝部53cと、を有する。受け本体部53aは、梱包体100において蓄電素子モジュール20のモジュール底面20cに対向する板状の部分である。一対の受け側面部53bは、受け本体部53aの第2方向DBにおける端部に設けられて、受け本体部53aよりも上方に広がる板状の部分である。一対の受け側面部53bは、梱包体100において一対の第1モジュール側面20aの一部に対向する。受け本体部53aと一対の受け側面部53bとは、例えば一体成形された樹脂材料から構成される。
【0058】
受け緩衝部53cは、受け本体部53aの下側に設けられて、蓄電素子モジュール20が箱材51の内部を下方に移動しようとする際に、蓄電素子モジュール20が下方の部材に衝突する衝撃を緩和する部分である。
図9に示す例において、受け部材53は、第3方向DCに延伸する一対の受け緩衝部53cを有する。一対の受け緩衝部53cは、それぞれ略四角柱状の形状を有する。受け緩衝部53cの材料は、例えば後述する緩衝材52の材料と同様である。
【0059】
図9に示すように、一対の受け緩衝部53cは、それぞれ、第3方向DCにおける両端に位置する第1底面53dと、第3方向DCにおいて第1底面53d同士の間に位置するとともに、第1底面53dよりも下方に位置する第2底面53eと、を有する。
【0060】
受け緩衝部53cが第1底面53dと第2底面53eとを有することによって、以下の効果が得られる。段ボール箱である箱材51の底面513は、
図7に示すように、外フラップ515と内フラップ516とが重なっている部分と、外フラップ515に内フラップ516が重なっていない部分とを有する。そして、外フラップ515と内フラップ516とが重なっている部分と、外フラップ515に内フラップ516が重なっていない部分との間には、段差517が形成されている。受け緩衝部53cが第1底面53dと第2底面53eとを有することによって、外フラップ515と内フラップ516とが重なっている部分に第1底面53dを接触させ、且つ外フラップ515に内フラップ516が重なっていない部分には第2底面53eを接触させることができる。このため、段差517の存在に関わらず、受け緩衝部53cを、底面513の広範囲に接触させることができる。これによって、受け部材53上に蓄電素子モジュール20を配置した際に、受け緩衝部53cが蓄電素子モジュール20をより安定的に支持することができる。
【0061】
次に、緩衝材52について説明する。
図10は、
図6の分解図に含まれる緩衝材52を示す斜視図である。なお、緩衝材52は、後述するように開口部523によって第1部分524と第2部分525との2つの部分に分断されているところ、
図10は、第1部分524と第2部分525とを、梱包体100が形成されているときの配置と同様の配置にて並べた状態を示している。緩衝材52は、梱包体100において、蓄電素子モジュール20を側方から挟み込んで、蓄電素子モジュール20が箱材51の内部で動いてしまうことを抑制する部材である。緩衝材52によって、蓄電素子モジュール20が箱材51の内部を側方に移動しようとする際に、蓄電素子モジュール20が側方の部材に衝突する衝撃を緩和することができる。
【0062】
図7に示す例において、緩衝材52は、蓄電素子モジュール20とともに、受け部材53及び押さえ部材55を側方から挟み込んでいる。
【0063】
図10に示すように、緩衝材52は、第1方向DA及び第3方向DCに平行な第1壁部521と、第1方向DA及び第2方向DBに平行な第2壁部522とを有する。梱包体100において、第1壁部521は、一対の第1側面511と一対の第1モジュール側面20aとの間に介在される。また、第2壁部522は、一対の第2側面512と一対の第2モジュール側面20bとの間に介在される。第1の実施の形態に係る緩衝材52は、第2方向DBから蓄電素子モジュール20を挟み込む一対の第1壁部521を有する。また、第1の実施の形態に係る緩衝材52は、
図7に示すように、第3方向DCから蓄電素子モジュール20を挟み込む一対の第2壁部522を有する。
【0064】
図10に示す例において、第1壁部521と第2壁部522とは接続されている。一例として、第1壁部521と第2壁部522とは一体成形されている。緩衝材52の材料は、例えば発泡プラスチックである。緩衝材52の材料としては、より具体的には、ポリエチレンを主原料とした押出発泡体を用いることができる。ポリエチレンを主原料とした押出発泡体の一例としては、サンテックフォーム(登録商標)を用いることができる。
【0065】
ここで、
図10に示す例において、第2壁部522の厚みw2は、第1壁部521の厚みw1よりも大きい。第2壁部522の厚みw2が第1壁部521の厚みw1よりも大きい場合、一例として、第2壁部522の厚みw2は、第1壁部521の厚みw1の1倍より大きく4倍以下である。より限定的な一例として、第2壁部522の厚みw2は、第1壁部521の厚みw1の1.5倍以上4倍以下である。また、図示はしないが、第1壁部521の厚みw1と第2壁部522の厚みw2とは等しくてもよいし、第2壁部522の厚みw2が第1壁部521の厚みw1よりも小さくてもよい。第2壁部522の厚みw2が第1壁部521の厚みw1よりも小さい場合、一例として、第1壁部521の厚みw1は、第2壁部522の厚みw2の1倍より大きく4倍以下である。
【0066】
第2壁部522の厚みw2が第1壁部521の厚みw1よりも大きい場合の効果について説明する。上述のように、接続部22のような蓄電素子モジュール20の面に設けられる構成要素は、複数の蓄電素子モジュール20が収納箱11に収納された状態において、隣接する他の蓄電素子モジュール20が邪魔になることなく利用できるようにする観点からは、第2モジュール側面20bに設けられていることが好ましい。このため、接続部22のような蓄電素子モジュール20の面に設けられる構成要素が、第2モジュール側面20bに集中して設けられる場合がある。この場合に、第2壁部522の厚みw2を第1壁部521の厚みw1よりも大きくすることによって、緩衝材52の、第2モジュール側面20bに設けられる構成要素への衝撃を緩和する効果を大きくすることができる。特に、第2モジュール側面20bに接続部22が設けられる場合には、接続部22への衝撃を、より大きく緩和することができる。また、第1壁部521の厚みw1を小さくして、緩衝材52を収容する箱材51の、第2辺51bの長さを小さく抑えることができる。
【0067】
また、第2壁部522には、開口部523が形成されている。
図10に示す例においては、一対の第2壁部522のそれぞれに、開口部523が形成されている。また、
図10に示す例においては、開口部523が、第2壁部522の第1方向DAにおける一端から他端にわたって形成されている。このために、緩衝材52は開口部523によって、第1部分524と第2部分525とに分断されている。換言すれば、
図10に示す第1部分524と第2部分525とに分断されている緩衝材52において、開口部523とは、第1部分524と第2部分525との間の隙間をさす。
【0068】
第2壁部522に開口部523を設けることによって、箱材51を開封して蓄電素子モジュール20を手で取りだす際に、開口部523に手を入れて蓄電素子モジュール20を把持することができる。これによって、箱材51から蓄電素子モジュール20を取り出すことを容易にすることができる。
【0069】
また、第2壁部522に開口部523を設けることによって、第2壁部522を形成するのに必要な材料を減らすことができる。特に、第2壁部522の厚みw2を第1壁部521の厚みw1よりも大きくする場合に、第2壁部522に開口部523を設けることによって、第2壁部522の厚みw2を大きくしつつ、より効果的に、第2壁部522を形成するのに必要な材料を減らすことができる。
【0070】
また、第2壁部522に開口部523を設けることによって、第2モジュール側面20bのうち開口部523に対向する部分には、緩衝材52から伝わる衝撃がより小さくなると考えられる。このため、第2モジュール側面20bの当該部分に設けられる構成要素に伝わる衝撃を、より小さくすることができる。また、第2モジュール側面20bに、外方へと突出する形状の構成要素が設けられている場合に、当該構成要素を開口部523に収容することもできる。
【0071】
第1の実施の形態においては、接続部22が、第2モジュール側面20bのうち開口部523に対向する部分に設けられている。この場合、開口部523によって、緩衝材52から接続部22へ伝わる衝撃をより小さくすることができる。また、仮に接続部22が第2モジュール側面20bから外方へと突出する形状を有する場合であっても、接続部22を開口部523に収容することができる。
【0072】
また、第1の実施の形態に係る梱包体100は、蓄電素子モジュール20とともに、一端71において接続部22に接続されている装置配線70を梱包してなる。この場合、接続部22が、第2モジュール側面20bのうち開口部523に対向する部分に設けられていることによって、接続部22に接続されている装置配線70の少なくとも一部を、開口部523に収容することができる。
図7に示す例において、装置配線70は、一端71において接続部22に接続されているとともに、第2壁部522の上端まで広がっている開口部523を通って蓄電素子モジュール20の上方まで延び出している。そして、上述のように、装置配線70の他端72は、蓄電素子モジュール20の上方において保持部材56に保持されている。
【0073】
一例として、一対の第2壁部522の一方の厚みと他方の厚みとは、同一である。なお、一対の第2壁部522の一方が、一対の第2壁部522の他方よりも、大きな厚みを有していてもよい。この場合、一対の第2モジュール側面20bのうち、より大きな厚みを有する第2壁部522と対向する一方を、他方と比べて、より効果的に衝撃から保護することができる。また、一対の第2壁部522の他方の厚みを小さくして、緩衝材52を収容する箱材51の、第1辺51aの長さを小さく抑えることができる。一例として、一対の第2モジュール側面20bの一方に接続部22が設けられ、他方には接続部22が設けられていない場合について考える。この場合、接続部22が設けられている一方の第2モジュール側面20bに対向する第2壁部522の厚みを、接続部22が設けられていない他方の第2モジュール側面20bに対向する第2壁部522の厚みよりも、大きくしてもよい。これによって、接続部22を、より効果的に衝撃から保護しつつ、箱材51の第1辺51aの長さを小さく抑えることができる。
【0074】
天パッド57は、上方からの衝撃から蓄電素子モジュール20や装置配線70などを保護する板状の部材である。天パッド57は、押さえ部材55に上方から重ねられる。天パッド57の材料及び厚みは、天パッド57が蓄電素子モジュール20や装置配線70などの保護に寄与する程度の剛性を有する限り、特に限られない。天パッド57は、例えば箱材51よりも大きな剛性を有する。
【0075】
樹脂製袋54は、蓄電素子モジュール20、装置配線70、押さえ部材55及び保持部材56を収容する袋である。
図6に示す例において、樹脂製袋54は、長方形の袋底部541と、一端において袋底部541の外周に接続する筒状の袋側部542と、を有する、角底の袋である。
【0076】
第1の実施の形態において、
図7に示す例において、樹脂製袋54は、袋底部541側に蓄電素子モジュール20が位置するように、蓄電素子モジュール20、装置配線70、押さえ部材55及び保持部材56を収容している。また、樹脂製袋54は、蓄電素子モジュール20、装置配線70、押さえ部材55及び保持部材56が収容された状態で、受け部材53の受け本体部53a上に配置される。
図7に示す例において、樹脂製袋54は、受け部材53の受け本体部53aと天パッド57との間に挟まれている。
【0077】
図7に示す例においては、樹脂製袋54の袋側部542の一部が、装置配線70の形状に合わせて変形している。これによって、樹脂製袋54の袋側部542の一部が、装置配線70の一部と同様に、開口部523に収容されている。
【0078】
樹脂製袋54は、例えばポリエチレン製の薄膜又はポリプロピレン製の薄膜からなる。
【0079】
また、
図1に示す例において、梱包材50は、テープ58を備える。テープ58は、段ボール箱である箱材51の外フラップ515と内フラップ516とを重ねて底面513及び上面514を形成する際に、外フラップ515及び内フラップ516に貼られて外フラップ515と内フラップ516との位置関係を固定する。テープ58は、例えばガムテープである。
【0080】
第1の実施の形態に係る梱包体100は、例えば以下の手順で形成される。まず、蓄電素子モジュール20の接続部22に、装置配線70の一端71を接続する。次に、保持部材56が設けられている押さえ部材55を、蓄電素子モジュール20に上方から重ねる。次に、装置配線70の他端72を、押さえ部材55に設けられている保持部材56に保持させる。次に、蓄電素子モジュール20、装置配線70、押さえ部材55及び保持部材56を、樹脂製袋54に収容する。次に、天パッド57を、押さえ部材55に上方から重ねる。次に、受け部材53を、蓄電素子モジュール20に下方から重ねる。第1の実施の形態においては、上述のように蓄電素子モジュール20を樹脂製袋54に収容した上で、受け部材53の受け本体部53aを樹脂製袋54の袋底部541に下方から重ねることによって、受け部材53を蓄電素子モジュール20に下方から重ねる。次に、第1モジュール側面20aに第1壁部521が対向し、第2モジュール側面20bに第2壁部522が対向するように、蓄電素子モジュール20の側方に緩衝材52を配置する。最後に、上記の手順にて形成した一体物を箱材51に収容し、外フラップ515と内フラップ516とを重ねて底面513及び上面514を形成して、箱材51を閉じる。これによって、
図1に示す梱包体100が形成される。
【0081】
第1の実施の形態に係る梱包体100の開発の経緯について説明する。
図2に示すような屋内設置用の蓄電素子ユニット10は、建物内に設置するために搬送する際に、寸法や重量が大き過ぎるために、一体として搬送することが困難な場合があった。このため、本件発明者らは、蓄電素子ユニット10をパーツ毎に建物内に搬送してから、建物内で蓄電素子ユニット10を組み立てる方法を検討した。そして、特に蓄電素子ユニット10のパーツのうち蓄電素子モジュール20を搬送する際に、搬送が容易な梱包体100について検討した。
【0082】
検討の結果、本件発明者らは、建物、特に一般的な住宅の玄関のドアの幅や階段の幅が750mmより大きくなっていることを考慮して、梱包体100の搬送が特に容易となる箱材51の寸法を見出した。以上によって、本件発明者らは本発明を完成させた。
【0083】
続いて、梱包体100の搬送が容易となる箱材51の寸法について説明する。第1の実施の形態に係る梱包体100において、箱材51の第2辺51bの長さw4は、750mm以下である。これによって、以下の効果が得られる。
【0084】
梱包体100を搬送する搬送者は、通常、箱材51の底面513が下方に位置した状態で、梱包体100を持ち上げると考えられる。ここで、第2辺51bの長さw4が750mm以下であることによって、搬送者は、箱材51の底面513が下方に位置した状態のままで、通常750mmより大きな幅を有する、一般的な住宅の玄関のドアや階段を通ることができる。
【0085】
また、第1の実施の形態に係る梱包体100において、箱材51の第1辺51aの長さw3は、750mm以下である。また、箱材51の第1辺51aの長さw3と第2辺51bの長さw4と第3辺51cの長さw5との合計は、1200mm以下である。これによって、以下の効果が得られる。
【0086】
梱包体100を搬送する搬送者は、通常、箱材51の底面513が下方に位置し、第1辺51aが延伸する方向を搬送者の身体の左右方向と平行とした状態で、梱包体100を持ち上げると考えられる。ここで、第1辺51aの長さw3が750mm以下であることによって、搬送者は、自身の身体の向きを変えたり、梱包体100の向きを変えたりすることなく、通常750mmより大きな幅を有する、一般的な住宅の玄関のドアや階段を通ることができる。また、第1辺51aの長さw3と第2辺51bの長さw4と第3辺51cの長さw5との合計が1200mm以下であることによって、搬送者が腕で梱包体100を抱えて搬送することが容易となる。このため、搬送者が梱包体100を搬送することを、容易にすることができる。
【0087】
また、梱包体100の形態を上述したものとすることで、上記の寸法を満たす箱材51を用いつつ、蓄電素子モジュール20が衝撃から十分に保護された態様にて、箱材51に蓄電素子モジュール20を収容することができる。特に、第1辺51aが延伸する方向(
図3における第3方向DC)における蓄電素子モジュール20の寸法w6が大きい場合であっても、蓄電素子モジュール20が衝撃から十分に保護された態様にて、箱材51に蓄電素子モジュール20を収容することができる。一例として、第1辺51aの長さw3は、第1辺51aが延伸する方向(
図3における第3方向DC)における蓄電素子モジュール20の寸法w6の、1.05倍以上1.3倍以下である。また、第2辺51bが延伸する方向(
図3における第2方向DB)における蓄電素子モジュール20の寸法w7が大きい場合であっても、蓄電素子モジュール20が衝撃から十分に保護された態様にて、箱材51に蓄電素子モジュール20を収容することができる。一例として、第2辺51bの長さw4は、第2辺51bが延伸する方向(
図3における第2方向DB)における蓄電素子モジュール20の寸法w7の、1.05倍以上1.5倍以下である。
【0088】
なお、特に蓄電素子ユニット10を大容量とする場合には、蓄電素子ユニット10の寸法や重量がとりわけ大きくなるために、蓄電素子ユニット10を搬送する際にパーツ毎に搬送する必要性が高くなる。また、蓄電素子ユニット10に搭載される蓄電素子モジュール20の1つあたりの寸法や重量も大きくなるため、搬送が容易な梱包体100を形成する必要性も高くなる。このため、本発明は、大容量の蓄電素子ユニット10に搭載される蓄電素子モジュール20に対して適用される場合に、特に効果を発揮すると考えられる。大容量の蓄電素子ユニット10とは、例えば容量が6kWh(キロワット時)以上24kWh以下の蓄電素子ユニット10を指す。
【0089】
(第2の実施の形態)
次に、本開示の第2の実施の形態について説明する。
図11は、第2の実施の形態に係る制御モジュール梱包体200を示す斜視図である。第2の実施の形態に係る制御モジュール梱包体200は、第1の実施の形態において上述した
図2に示すような蓄電素子ユニット10に搭載される制御モジュール14を梱包してなる。制御モジュール梱包体200は、制御モジュール14と、制御モジュール14を梱包する制御モジュール梱包材250とを備える。
図11に示すように、制御モジュール梱包材250は、制御モジュール箱材251を備える。後述するように、制御モジュール箱材251は、1つの制御モジュール14を梱包している。
【0090】
図12は、
図11に示す制御モジュール梱包体200を、制御モジュール梱包材250を構成する構成要素の各々と、制御モジュール14と、に分けて示す分解図である。
図12に示すように、制御モジュール梱包体200は、制御モジュール梱包材250として、制御モジュール箱材251とともに、制御モジュール押さえ部材255と、制御モジュール受け部材253と、制御モジュール樹脂製袋254と、を備える。
【0091】
制御モジュール箱材251について説明する。
図11に示すように制御モジュール箱材251が閉じられている状態において、制御モジュール箱材251は、第1辺251aと、第1辺251aとともに制御モジュール箱材251の底面213を構成し且つ第1辺251aよりも短い第2辺251bと、制御モジュール箱材251の底面213に垂直な第3辺251cと、を有する直方体形状を有する。第1の実施の形態において箱材51についてした説明は、矛盾しない限り、制御モジュール箱材251についても適用することができる。
【0092】
次に、制御モジュール押さえ部材255について説明する。制御モジュール押さえ部材255は、板状の制御モジュール押さえ本体部255aと、制御モジュール押さえ本体部255aの一方の面上の一部及び制御モジュール押さえ本体部255aの他方の面上の一部に設けられた制御モジュール押さえ緩衝部255bと、を有する。制御モジュール押さえ本体部255aは、例えば樹脂材料から構成される。制御モジュール押さえ緩衝部255bの材料は、例えば第1の実施の形態において上述した緩衝材52の材料と同様である。
【0093】
次に、制御モジュール受け部材253について説明する。制御モジュール受け部材253は、板状の制御モジュール受け本体部253aと、制御モジュール受け本体部253aの一方の面上の一部及び制御モジュール受け本体部253aの他方の面上の一部に設けられた制御モジュール受け緩衝部253bと、を有する。制御モジュール受け本体部253aは、例えば樹脂材料から構成される。制御モジュール受け緩衝部253bの材料は、例えば第1の実施の形態において上述した緩衝材52の材料と同様である。
【0094】
制御モジュール梱包体200において、制御モジュール押さえ部材255は制御モジュール14の上側に位置する。また、制御モジュール受け部材253は制御モジュール14の下側に位置する。そして、制御モジュール梱包体200において、制御モジュール押さえ部材255と制御モジュール受け部材253とは、制御モジュール14を挟んで、制御モジュール14が制御モジュール箱材251の内部で動いてしまうことを抑制する。
【0095】
制御モジュール梱包体200において、制御モジュール押さえ部材255のうち制御モジュール押さえ緩衝部255bが、制御モジュール14の上側に位置する。このため、制御モジュール14が制御モジュール箱材251の内部を上方に移動しようとする際には、制御モジュール押さえ緩衝部255bによって、制御モジュール14が上方の部材に衝突する衝撃が緩和される。また、制御モジュール受け部材253の制御モジュール受け緩衝部253bが制御モジュール14の下側に位置する。このため、制御モジュール14が制御モジュール箱材251の内部を下方に移動しようとする際には、制御モジュール受け緩衝部253bによって、制御モジュール14が下方の部材に衝突する衝撃が緩和される。
【0096】
次に、制御モジュール樹脂製袋254について説明する。制御モジュール樹脂製袋254は、制御モジュール14を収容する袋である。制御モジュール樹脂製袋254は、制御モジュール14とともに制御モジュール押さえ部材255を収容してもよい。第1の実施の形態において樹脂製袋54についてした説明は、矛盾しない限り、制御モジュール樹脂製袋254についても適用することができる。
【0097】
また、
図11に示す例において、梱包材50は、テープ258を備える。第1の実施の形態においてテープ58についてした説明は、矛盾しない限り、テープ258についても適用することができる。
【0098】
第2の実施の形態に係る制御モジュール梱包体200は、例えば以下の手順で形成される。まず、制御モジュール14を、制御モジュール樹脂製袋254に収容する。次に、制御モジュール押さえ部材255を、制御モジュール14に上方から重ねる。次に、制御モジュール受け部材253を、制御モジュール14に下方から重ねる。最後に、上記の手順にて形成した一体物を制御モジュール箱材251に収容し、制御モジュール箱材251のフラップを重ねて底面213及び上面214を形成して、制御モジュール箱材251を閉じる。これによって、
図11に示す制御モジュール梱包体200が形成される。
【0099】
ここで、上述のように、第1の実施の形態において箱材51についてした説明は、矛盾しない限り、制御モジュール箱材251についても適用することができる。例えば、制御モジュール箱材251の第1辺251aの長さw8は、750mm以下である。また、制御モジュール箱材251の第1辺251aの長さw8と第2辺251bの長さw9と第3辺251cの長さw10との合計は、1200mm以下である。これによって、第1の実施の形態において箱材51の第1辺51aの長さw3を750mm以下とし、箱材51の第1辺51aの長さw3と第2辺51bの長さw4と第3辺51cの長さw5との合計を1200mm以下とした場合と同様の効果が得られる。
【0100】
(第3の実施の形態)
次に、本開示の第3の実施の形態について説明する。
図13は、第3の実施の形態に係る収納箱梱包体300を示す斜視図である。第3の実施の形態に係る収納箱梱包体300は、第1の実施の形態において上述した
図2に示すような蓄電素子ユニット10に用いられる収納箱11を梱包してなる。収納箱梱包体300は、収納箱11と、収納箱11を梱包する収納箱梱包材350とを備える。
図13に示すように、収納箱梱包材350は、収納箱箱材351を備える。後述するように、収納箱箱材351は、収納箱11を梱包している。
【0101】
まず、収納箱11について説明する。
図14は、収納箱箱材351に梱包される収納箱11が用いられた蓄電素子ユニット10について、
図2においては図示を省略していた部分も含めて図示した斜視図である。
図2に示すように、収納箱11は、複数の壁部13を有し、壁部13が制御モジュール14及び蓄電素子モジュール20の配置空間を形成している。第1の実施の形態において上述したように、収納箱11は、略直方体形状を有する。また、
図2に示すように、収納箱11は、底壁部13a、上壁部13b及び4つの側壁部13cを有する。底壁部13aは、第1方向DAにおける一側(
図14における下側)に位置する、略長方形の略板状の壁部13である。上壁部13bは、第1方向DAにおいて底壁部13aと対向する、略長方形の略板状の壁部13である。底壁部13a及び上壁部13bは、それぞれ、第3方向DCに延伸する一対の長辺131と、第3方向DCに直交する第2方向DBに延伸する一対の短辺132と、を有する。側壁部13cは、縁部において底壁部13aの縁部に接続する壁部13である。
図14に示す例において、4つの側壁部13cは、それぞれ、その縁部において、底壁部13aの一辺に位置する縁部及び上壁部13bの一辺に位置する縁部と接続する、略長方形の略板状の壁部13である。側壁部13cは、底壁部13aに垂直となっている。
図14に示す例において、4つの側壁部13cは、底壁部13a及び上壁部13bに垂直となっている。
【0102】
また、
図14に示す蓄電素子ユニット10は、収納箱11を有するとともに、収納箱11に設けられて1つの側壁部13cを覆う化粧パネル19を有する。化粧パネル19は、当該1つの側壁部13c及び当該1つの側壁部13c上に設けられた構成要素を保護する。
図14に示す化粧パネル19は、化粧パネル本体部19aと、化粧パネル第1側部19bと、化粧パネル第2側部19cと、化粧パネル上部19dとを有している。化粧パネル本体部19aは、化粧パネル19に覆われる側壁部13cに平行な略板状の部分である。化粧パネル第1側部19bは、化粧パネル19に覆われる側壁部13cに接続する2つの側壁部13cの一方と化粧パネル本体部19aとを連結する部分である。化粧パネル第2側部19cは、化粧パネル19に覆われる側壁部13cに接続する2つの側壁部13cの他方と化粧パネル本体部19aとを連結する部分である。化粧パネル上部19dは、上壁部13bと化粧パネル本体部19aとを連結する部分である。化粧パネル19は、収納箱11から取り外し可能に取り付けられている。また、化粧パネル19は、化粧パネル本体部19aと、化粧パネル第1側部19bと、化粧パネル第2側部19cと、化粧パネル上部19dとに分離可能に構成されている。
【0103】
次に、上述の収納箱11を梱包した収納箱梱包体300について詳述する。一例として、収納箱梱包体300は、上述の収納箱11を梱包するとともに、上述の化粧パネル本体部19aと、化粧パネル第1側部19bと、化粧パネル第2側部19cと、化粧パネル上部19dとを梱包してなる。
【0104】
図15は、
図13に示す収納箱梱包体300を、収納箱梱包材350を構成する構成要素の各々と、収納箱11と、化粧パネル本体部19aと、化粧パネル第1側部19bと、化粧パネル第2側部19cと、化粧パネル上部19dと、に分けて示す分解図である。
図15に示すように、収納箱梱包体300は、収納箱梱包材350として、収納箱箱材351とともに、収納箱用袋354と、化粧パネルトレイ355と、化粧パネル箱材356と、緩衝ブロック357と、を備える。
【0105】
収納箱箱材351について説明する。
図13に示すように収納箱箱材351が閉じられている状態において、収納箱箱材351は、第1辺351aと、第1辺351aとともに収納箱箱材351の底面313を構成し且つ第1辺351aよりも短い第2辺351bと、収納箱箱材351の底面313に垂直な第3辺351cと、を有する直方体形状を有する。
【0106】
収納箱箱材351は、収納箱箱材本体352と、収納箱トレイ353と、を有する。収納箱箱材本体352は、閉じられている状態の収納箱箱材351の上面及び側面を構成する部材である。
図15に示す例において、収納箱箱材本体352は、閉じられている状態の収納箱箱材351の側面を構成する側面部352aと、側面部352aの上方に設けられて閉じられている状態の収納箱箱材351の上面を構成するフラップ352bと、を有する。なお、側面部352aの下方にはフラップは設けられていない。このために、収納箱箱材本体352は下方に開口している。具体的には、収納箱箱材本体352は、上側にはフラップを有するが下側にはフラップを有しない段ボール箱である。また、収納箱トレイ353は、閉じられている状態の収納箱箱材351の底面313を構成する部材である。
図15に示す例において、収納箱トレイ353は、閉じられている状態の収納箱箱材351の底面313を構成する底面部353aと、底面部353aから上方に立ち上がった側面部353bとを有している。
【0107】
次に、緩衝ブロック357について説明する。緩衝ブロック357は、収納箱梱包体300において収納箱箱材351と収納箱11との間に配置されて、収納箱梱包体300の外部から収納箱箱材351を介して収納箱11に伝わる衝撃を緩和する。
【0108】
図15に示す例において、収納箱梱包材350は、複数の緩衝ブロック357を有する。複数の緩衝ブロック357のそれぞれは、板状の第1板状部357aと、第1板状部357aに垂直に接続する板状の第2板状部357bと、第1板状部357a及び第2板状部357bに垂直に接続する板状の第3板状部357cと、を有する。そして、緩衝ブロック357のそれぞれは、収納箱11の角部11aのそれぞれを覆うように配置される。
図15に示す例において、収納箱梱包材350は、8つの緩衝ブロック357を有する。8つのそして、収納箱梱包体300において、8つの緩衝ブロック357は、略直方体形状を有する収納箱11の8つの角部11aのそれぞれと収納箱箱材351との間に配置される。緩衝ブロック357の材料は、例えば第1の実施の形態において上述した緩衝材52の材料と同様である。
【0109】
次に、収納箱用袋354について説明する。収納箱用袋354は、収納箱11を収容する袋である。なお、
図15においては、収納箱用袋354の具体的形状については図示を省略して、収納箱用袋354の概形のみを破線で示している。収納箱用袋354は、例えば樹脂製のガゼット袋である。
【0110】
次に、化粧パネル箱材356について説明する。化粧パネル箱材356は、化粧パネル本体部19aと、化粧パネル第1側部19bと、化粧パネル第2側部19cと、化粧パネル上部19dとを収容するとともに、収納箱箱材351に収容される箱である。具体的には、化粧パネル箱材356は段ボール箱である。なお、
図15に示すように、化粧パネル第1側部19bと化粧パネル第2側部19cとは、厚み方向に重ねられてまとめられた上で化粧パネル箱材356に収容されてもよい。収納箱梱包体300において、化粧パネル箱材356は、収納箱11の上側に収容される。
【0111】
次に、化粧パネルトレイ355について説明する。化粧パネルトレイ355は、収納箱箱材351の内部を、収納箱11が収容される空間と化粧パネル箱材356が収容される空間とに分割する部材である。収納箱梱包体300が形成されているときに、化粧パネルトレイ355は、上側において化粧パネル箱材356の底面に接する底面部355aと、底面部355aから上方に立ち上がった側面部355bとを有している。また、収納箱梱包体300が形成されているときに、化粧パネルトレイ355の底面部355aは、収納箱11の上側の角部11aを覆う緩衝ブロック357に、下側において接する。
【0112】
また、
図14に示す例において、収納箱梱包体300は、バンド358を備える。収納箱梱包体300において、バンド358は、収納箱箱材本体352と収納箱トレイ353とを互いに対して固定する。また、バンド358は、収納箱箱材本体352のフラップ352bを重ねられた状態で固定する。バンド358のために、収納箱梱包体300において、収納箱箱材351は閉じられた状態を維持する。一例として、バンド358は、いわゆるPPバンド、すなわちポリプロピレンから構成されるバンドである。
【0113】
図示はしないが、収納箱梱包体300は、蓄電素子ユニット10の形成に用いられるネジなどをさらに梱包してなっていてもよい。例えば、化粧パネル本体部19aと、化粧パネル第1側部19bと、化粧パネル第2側部19cと、化粧パネル上部19dと、を互いに対して固定するのに用いられるネジが、収納箱箱材351に収容されていてもよい。収納箱梱包体300において、ネジは、収納箱11の内部に位置していてもよく、化粧パネル箱材356の内部に位置していてもよい。
【0114】
第3の実施の形態に係る収納箱梱包体300は、例えば以下の手順で形成される。まず、収納箱11の角部11aのそれぞれを覆うように、収納箱11に対して複数の緩衝ブロック357を配置する。また、収納箱箱材本体352と収納箱トレイ353とを組み合わせて収納箱箱材351を形成し、収納箱箱材351に収納箱11と複数の緩衝ブロック357とを収容する。また、化粧パネル箱材356に、化粧パネル本体部19aと、化粧パネル第1側部19bと、化粧パネル第2側部19cと、化粧パネル上部19dとを収容し、化粧パネル箱材356のフラップを重ねて化粧パネル箱材356を閉じる。次に、収納箱11と複数の緩衝ブロック357とが収容された収納箱箱材351の上方から、化粧パネルトレイ355及び閉じられた化粧パネル箱材356をこの順に挿入して、化粧パネルトレイ355及び化粧パネル箱材356を収納箱箱材351に収容する。次に、収納箱箱材本体352のフラップ352bを重ねて収納箱箱材351を閉じる。最後に、バンド358を用いて、収納箱箱材本体352と収納箱トレイ353とを互いに対して固定し、且つ収納箱箱材本体352のフラップ352bを重ねられた状態で固定する。これによって、
図13に示す収納箱梱包体300が形成される。
【0115】
ここで、上述のように、第1の実施の形態において箱材51についてした説明は、矛盾しない限り、収納箱箱材351についても適用することができる。例えば、収納箱箱材351の第2辺351bの長さw11は、750mm以下である。これによって、第1の実施の形態において箱材51の第2辺51bの長さw4を750mm以下とした場合と同様の効果が得られる。すなわち、第2辺351bの長さw11が750mm以下であることによって、搬送者は、収納箱箱材351の底面313が下方に位置した状態のままで、通常750mmより大きな幅を有する、一般的な住宅の玄関のドアや階段を通ることができる。
【0116】
本発明の態様は、上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0117】
10 蓄電素子ユニット
11 収納箱
14 制御モジュール
15 蓄電素子モジュール組合体
18 ケース
20 蓄電素子モジュール
20a 第1モジュール側面
20b 第2モジュール側面
20c モジュール底面
20d モジュール上面
21 端部カバー
22 接続部
22a 開口
30 セル
40 ケース本体
50 梱包材
51 箱材
51a 第1辺
51b 第2辺
51c 第3辺
511 第1側面
512 第2側面
513 底面
514 上面
52 緩衝材
521 第1壁部
522 第2壁部
523 開口部
56 保持部材
60 カバー
70 装置配線
71 一端
72 他端
100 梱包体
200 制御モジュール梱包体
300 収納箱梱包体