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特開2022-168679分取クロマトグラフ装置および分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法
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  • 特開-分取クロマトグラフ装置および分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法 図1
  • 特開-分取クロマトグラフ装置および分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法 図2
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  • 特開-分取クロマトグラフ装置および分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168679
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】分取クロマトグラフ装置および分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/02 20060101AFI20221031BHJP
   G01N 30/26 20060101ALI20221031BHJP
   G01N 30/80 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
G01N30/02 N
G01N30/26 A
G01N30/26 E
G01N30/80 F
G01N30/26 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074305
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 康介
(57)【要約】
【課題】遅れ時間を調整することが可能な分取クロマトグラフ装置を提供する。
【解決手段】この分取クロマトグラフ装置100は、試料の成分を分離する分離カラム11と、分離カラム11の下流側に設けられ、分離カラム11によって分離された試料の成分を検出する検出器2とを備える。また、分取クロマトグラフ装置100は、試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する気液分離部32を含むとともに、検出器2の下流側に設けられ、検出器2の検出結果に基づいて、分離カラム11によって分離された試料の成分を分画する分画部3を備える。そして、分取クロマトグラフ装置100は、分離カラム11と分画部3との間の流路に二酸化炭素を供給可能に構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の成分を分離する分離カラムと、
前記分離カラムの下流側に設けられ、前記分離カラムによって分離された前記試料の成分を検出する検出器と、
前記試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する気液分離部を含むとともに、前記検出器の下流側に設けられ、前記検出器の検出結果に基づいて、前記分離カラムによって分離された前記試料の成分を分画する分画部とを備え、
前記分離カラムと前記分画部との間の流路に二酸化炭素を供給可能に構成されている、分取クロマトグラフ装置。
【請求項2】
前記試料が液体とともに前記分離カラムに送られる液体クロマトグラフモードと、前記試料が超臨界状態の二酸化炭素とともに前記分離カラムに送られる超臨界流体クロマトグラフモードとに切り替え可能に構成されており、
前記液体クロマトグラフモードにおいて、前記分離カラムと前記分画部との間の流路に二酸化炭素を供給するように構成されている、請求項1に記載の分取クロマトグラフ装置。
【請求項3】
流路に二酸化炭素を供給する第1ポンプと、
前記分離カラムの下流側に設けられた前記検出器と、前記気液分離部との間に設けられ、前記検出器側の流路内の圧力を調整する背圧調整器と、
前記第1ポンプからの二酸化炭素の供給先を、前記背圧調整器と前記分画部との間の流路と、前記分離カラムの上流の流路との間で切り替える流路切替バルブとをさらに備える、請求項2に記載の分取クロマトグラフ装置。
【請求項4】
流路に液体を供給する第2ポンプをさらに備え、
前記流路切替バルブは、前記第2ポンプからの液体の供給先を、前記分離カラムの上流の流路と、前記背圧調整器と前記分画部との間の流路との間で切り替えるように構成されている、請求項3に記載の分取クロマトグラフ装置。
【請求項5】
前記第1ポンプの駆動の制御を行う制御部を備え、
前記制御部は、ユーザの切り替え操作に基づいて、前記流路切替バルブによる前記第1ポンプからの二酸化炭素の供給先の切り替えを制御するように構成されている、請求項4に記載の分取クロマトグラフ装置。
【請求項6】
前記制御部は、ユーザの切り替え操作に基づいて、前記流路切替バルブによる前記第1ポンプからの二酸化炭素の供給先の切り替えを制御することによって、前記液体クロマトグラフモードにおいて、前記背圧調整器と前記分画部との間の流路に前記第1ポンプからの二酸化炭素の供給を行うとともに、前記超臨界流体クロマトグラフモードにおいて、前記分離カラムの上流の流路に前記第1ポンプからの超臨界状態の二酸化炭素の供給を行うように構成されている、請求項5に記載の分取クロマトグラフ装置。
【請求項7】
前記分離カラムの上流の流路に液体を供給する第3ポンプをさらに備え、
前記制御部は、ユーザの切り替え操作に基づいて、前記流路切替バルブによる前記第2ポンプからの液体の供給先の切り替えを制御することによって、前記液体クロマトグラフモードにおいて、前記第2ポンプから供給される液体と前記第3ポンプから供給される液体とを前記分離カラムの上流の流路において混合させるとともに、前記超臨界流体クロマトグラフモードにおいて、前記背圧調整器と前記分画部との間の流路に前記第2ポンプから供給される液体の供給を行うように構成されている、請求項6に記載の分取クロマトグラフ装置。
【請求項8】
試料の成分を分離カラムによって分離する分離ステップと、
前記分離カラムによって分離された前記試料の成分を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出結果に基づいて、前記分離カラムによって分離された前記試料の成分を分画する分画ステップと、
前記分画ステップおいて分画された前記試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する気液分離ステップと、
前記分画ステップにおいて前記分離カラムによって分離された前記試料の成分を分画する前に、前記試料の成分を含む流体に二酸化炭素を供給する供給ステップとを備える、分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法。
【請求項9】
二酸化炭素の供給先を前記分離カラムの上流の流路と、前記分離カラムの下流の流路との間で切り替えることによって、前記試料が液体とともに前記分離カラムに送られる液体クロマトグラフモードと、前記試料が超臨界状態の二酸化炭素とともに前記分離カラムに送られる超臨界流体クロマトグラフモードとに切り替える切替ステップをさらに備える、請求項8に記載の分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分取クロマトグラフ装置および分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分取クロマトグラフ装置が知られている。(たとえば、特許文献1参照)
【0003】
上記特許文献1には、試料の成分を分離するカラム(分離カラム)を含む液体クロマトグラフ部と、検出器と、分画を行うための流路切替部とを備える分取クロマトグラフ装置が開示されている。液体クロマトグラフ部は、移動相に液体を用いて、試料中の成分を分離する。この分取クロマトグラフ装置は、分離カラムによって時間的に分離された試料中の目的成分が、検出器から流路切替部に到達するまで要する時間(遅れ時間)に基づいて、流路を切り替えることによって、試料中の目的とする成分を分取(採取)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2016/194108号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の分取クロマトグラフ装置では、遅れ時間に基づいて流路を切り替えることによって、試料中の目的とする成分を分取(採取)するので、試料の移動相を、遅れ時間が異なる移動相に切り替える場合には、移動相に応じて流路の切り替えのタイミングを設定しなくてはならない。そのため、遅れ時間を調整可能にすることが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、遅れ時間を調整することが可能な分取クロマトグラフ装置および分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面における分取クロマトグラフ装置は、試料の成分を分離する分離カラムと、分離カラムの下流側に設けられ、分離カラムによって分離された試料の成分を検出する検出器と、試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する気液分離部を含むとともに、検出器の下流側に設けられ、検出器の検出結果に基づいて、分離カラムによって分離された試料の成分を分画する分画部とを備え、分離カラムと分画部との間の流路に二酸化炭素を供給可能に構成されている。
【0008】
この発明の第2の局面における分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法は、試料の成分を分離カラムによって分離する分離ステップと、分離カラムによって分離された試料の成分を検出する検出ステップと、検出ステップの検出結果に基づいて、分離カラムによって分離された試料の成分を分画する分画ステップと、分画ステップおいて分画された試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する気液分離ステップと、分画ステップにおいて分離カラムによって分離された試料の成分を分画する前に、試料の成分を含む流体に二酸化炭素を供給する供給ステップとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の局面における分取クロマトグラフ装置によれば、分離カラムと分画部との間の流路に二酸化炭素を供給することができる。これにより、分離カラムと分画部との間の流路に二酸化炭素が供給されることによって、分離カラムと分画部との間の流路内において、分離カラムによって分離された試料中の成分の流速が速くなる。その結果、試料の移動相に遅れ時間が比較的長い移動相を用いる場合でも、分離カラムによって分離された試料中の成分が、検出器から分画部に到達するまでの時間(遅れ時間)を短くすることができる。これにより、試料の移動相に遅れ時間が比較的長い移動相を用いる場合においても、分離カラムと分画部との間の流路に供給する二酸化炭素によって、遅れ時間が比較的短い移動相に、遅れ時間を合わせることができる。その結果、遅れ時間を調整することが可能な分取クロマトグラフ装置を提供することができる。
【0010】
また、本発明の第2の局面における分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法では、分離カラムによって分離された試料の成分を分画する前に、試料の成分を含む流体に二酸化炭素を供給する。これにより、分画前に、試料の成分を含む流体に二酸化炭素が供給されることによって、分離カラムによって分離された試料中の成分の流路内における流速が速くなる。その結果、試料の移動相に遅れ時間が比較的長い移動相を用いる場合でも、遅れ時間を短くすることができる。これにより、試料の移動相に遅れ時間が比較的長い移動相を用いる場合においても、供給する二酸化炭素によって、遅れ時間が比較的短い移動相に、遅れ時間を合わせることができる。その結果、遅れ時間を調整することが可能な分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態の分取クロマトグラフ装置による液体クロマトグラフモードを示した模式図である。
図2】本発明の一実施形態の分取クロマトグラフ装置による超臨界流体クロマトグラフモードを示した模式図である。
図3】第1変形例による分取クロマトグラフ装置の液体クロマトグラフモードを示した模式図である。
図4】第1変形例による分取クロマトグラフ装置の超臨界流体クロマトグラフモードを示した模式図である。
図5】第2変形例による分取クロマトグラフ装置の全体構成を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
本実施形態における分取クロマトグラフ装置100は、試料中の目的成分を分取(採取)する分取装置である。そして、本実施形態における分取クロマトグラフ装置100は、試料が液体とともに分離カラム11(図1参照)に送られる液体クロマトグラフモードと、試料が超臨界状態の二酸化炭素とともに分離カラム11に送られる超臨界流体クロマトグラフモードとに分取のためのモード(分取モード)を切り替え可能に構成された装置である。すなわち、分取クロマトグラフ装置100は、液体クロマトグラフィー(LC:Liquid Chromatography)による分取と、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC:Supercritical Fluid Chromatography)による分取とを切り替えて行うことができる分取装置(分取システム)である。なお、便宜上、超臨界流体クロマトグラフと呼称しているが、超臨界流体クロマトグラフモードは、分離カラム11において、二酸化炭素を含む移動相が超臨界状態に達していない亜臨界状態や液体状態で試料中の成分の分離を行う場合も含むモードである。また、液体クロマトグラフモードは、液体クロマトグラフィー(LC)のうち、移動相をポンプによって加圧して分離カラム11に流し込む高速液体クロマトグラフィー(HPLC:High Performance Liquid Chromatography)を用いた分取モードである。
【0014】
分取クロマトグラフ装置100は、図1に示すように、試料の成分を分離する分離部1と、検出器2と、分画部3とを備える。
【0015】
また、分取クロマトグラフ装置100には、図1に示すように、分離部1の上流において、複数の流体を混合するミキサ4(混合部)が設けられている。また、ミキサ4と分離部1との間には、試料注入部5が設けられている。試料注入部5によって注入される試料は、ミキサ4によって混合された流体を移動相として、分離部1に流される。試料注入部5は、たとえば、オートサンプラなどのような試料注入装置である。
【0016】
分離部1は、図1に示すように、試料の成分を分離する分離カラム11を複数含む。そして、分離部1は、試料および後述する分取モードの切り替えに応じて、試料の成分の分離に用いる分離カラム11を切り替え可能に構成されている。分離部1は、分離カラム11において、試料注入部5によって注入された試料に含まれる成分を時間的に分離する。
【0017】
検出器2は、図1に示すように、分離カラム11の下流側に設けられ、分離カラム11によって分離された試料の成分を検出するように構成されている。検出器2は、分離カラム11(分離部1)において、時間的に分離された試料中の成分を検出する。検出器2は、たとえば、可視紫外分光計または吸光光度計などである。
【0018】
分画部3は、図1に示すように、検出器2の下流側に設けられ、検出器2の検出結果に基づいて、分離カラム11によって分離された試料の成分を分画するように構成されている。
【0019】
具体的には、分画部3は、流路切替部30(図1参照)によって、上流から流れてくる流体の流出先を分取容器31側の流路と、廃液側の流路(廃液流路)との間で切り替え可能に構成されている。流路切替部30は、たとえば、電磁弁などによって構成されている。分画部3は、遅れ時間(試料中の目的とする成分が、検出器2から分画部3内の流路切替部30に到達するまでの時間)に基づいて、流体の流出先を切り替えることによって、分離カラム11によって分離された試料中の目的成分を分取容器31に送り、試料中の目的成分を分取(採取)する。分画部3は、たとえば、フラクションコレクタなどの自動分画装置である。
【0020】
また、分画部3は、試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する気液分離部32(図1参照)を含む。気液分離部32は、分取容器31側の流路に設けられ、流れ込んだ流体を気体と液体とに分離する治具である。たとえば、気液分離部32は、LotusStream(登録商標)セパレータのように、内部に設けられた多流路に分岐する流路によって、気体と液体とを分離する金属製の治具である。
【0021】
また、分取クロマトグラフ装置100は、図1に示すように、ポンプ61と、ポンプ62と、ポンプ63と、背圧調整器7と、流路切替バルブ8とを備える。なお、ポンプ61、ポンプ62、および、ポンプ63は、それぞれ特許請求の範囲の「第1ポンプ」、「第2ポンプ」、および、「第3ポンプ」の一例である。
【0022】
ポンプ61は、流路(流路40または流路80)に二酸化炭素を供給する加圧ポンプである。ポンプ61は、ボンベ64に充填された二酸化炭素を流路切替バルブ8の内部の流路に加圧して送り込むように構成されている。ポンプ61は、第1の移動相(主溶媒)またはメイクアップ溶媒として用いる二酸化炭素を、流路切替バルブ8を介して、流路(流路40または流路80)に供給するように構成されている。
【0023】
ポンプ62は、流路(流路40または流路80)に液体を供給するためのポンプである。ポンプ62は、第2の移動相、または、メイクアップ溶媒として用いる液体(溶媒)を複数収容する液体収容部65から、流路切替バルブ8の内部の流路に液体(溶媒)を加圧して供給(送液)するように構成されている。分取クロマトグラフ装置100では、試料および後述する分取モードの切り替えに応じて、ポンプ62から流路(流路40または流路80)に供給される液体(溶媒)が切り替え可能に構成されている。また、ポンプ62が送液するメイクアップ溶媒は、流路内の試料の析出による閉塞を防止するために送液される溶媒である。メイクアップ溶媒は、たとえば、メタノールなどの有機溶媒または水と、ギ酸やアンモニアなどのイオン化促進剤とを含む溶媒(溶液)が使用される。また、ポンプ62が送液する第2の移動相としての液体(溶媒)は、たとえば、水、または、アセトニトリルなどを含む。
【0024】
ポンプ63は、分離カラム11の上流の流路(流路40)に液体を供給するためのポンプである。ポンプ63は、第3の移動相、または、モディファイア溶媒として用いる液体(溶媒)を複数収容する液体収容部66から、流路切替バルブ8の内部の流路に液体(溶媒)を加圧して供給(送液)するように構成されている。分取クロマトグラフ装置100では、試料および後述する分取モードの切り替えに応じて、ポンプ63から分離カラム11の上流の流路(流路40)に供給される液体(溶媒)が切り替え可能に構成されている。ポンプ63が送液するモディファイア溶媒には、極性有機溶媒が用いられる。モディファイア溶媒は、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、および、アセトニトリルなどである。また、ポンプ63が送液する第3の移動相としての液体(溶媒)は、たとえば、水、または、アセトニトリルなどを含む。
【0025】
背圧調整器7は、図1に示すように、分離カラム11の下流側に設けられた検出器2と、気液分離部32との間に設けられている。背圧調整器7は、検出器2側の流路内の圧力を調整するように構成されている。背圧調整器7は、背圧調整器7の上流において流れる二酸化炭素が、流路内において超臨界流体状態を維持できるように背圧調整器7の上流側の流路内の圧力を調整している。
【0026】
また、背圧調整器7より下流の流路内の圧力は、背圧調整器7の上流の流路よりも低くなっている。たとえば、背圧調整器7の下流の流路内の圧力は、大気圧になっている。そのため、二酸化炭素は、背圧調整器7の下流の流路内において、超臨界流体状態を維持できなくなり、膨張する。
【0027】
また、流路切替バルブ8の内部の流路は、ポンプ61~63の各々の内部の流路に接続されている。そして、流路切替バルブ8の内部の流路は、分離カラム11の上流の流路(流路40)である流路40aおよび流路40bを介して、ミキサ4に接続される。
【0028】
そして、分取クロマトグラフ装置100では、流路切替バルブ8の下流側に、ミキサ4、試料注入部5、分離部1(分離カラム11)、検出器2、背圧調整器7、分画部3(気液分離部32)が、この順で設けられている。
【0029】
また、流路切替バルブ8の内部の流路は、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)に設けられた三方ティー(三方継手)71に接続される流路80に接続されている。また、流路80には、三方ティー71(流路70)側からの流体の逆流を防止するための逆流防止弁81が設けられている。
【0030】
そして、流路切替バルブ8は、ポンプ61からの二酸化炭素の供給先を、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)と、分離カラム11の上流の流路(流路40)との間で切り替えるように構成されている。
【0031】
具体的には、流路切替バルブ8は、内部の流路を切り替えることによって、ポンプ61によって供給される超臨界状態の二酸化炭素(ポンプ61によって超臨界状態に加圧された二酸化炭素)を、流路40aを介して、ミキサ4に供給する状態(図1参照)と、ポンプ61によって供給される二酸化炭素を、流路80を介して、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)に供給する状態(図2参照)とに切り替えることができる。
【0032】
すなわち、分取クロマトグラフ装置100は、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)に二酸化炭素を供給可能に構成されている。なお、本実施形態では、後述するように、分取クロマトグラフ装置100は、液体クロマトグラフモードにおいて、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)に二酸化炭素を供給するように構成されている。
【0033】
また、流路切替バルブ8は、ポンプ62からの液体の供給先を、分離カラム11の上流の流路(流路40)と、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)との間で切り替えるように構成されている。
【0034】
具体的には、流路切替バルブ8は、内部の流路を切り替えることによって、ポンプ62によって供給される液体(溶媒)を、流路80を介して、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)に供給する状態(図1参照)と、ポンプ62から供給される液体(溶媒)を、流路40bを介して、ミキサ4に供給する状態(図2参照)とに切り替えることができる。
【0035】
また、流路切替バルブ8は、前述したような、内部の流路の切り替えに伴って、ポンプ63からの液体の供給先を、流路40bを介して、ミキサ4に供給する状態(図1参照)と、ポンプ62からの液体の供給先を、流路40aを介して、ミキサ4に供給する状態(図2参照)とに切り替えるように構成されている。
【0036】
また、分取クロマトグラフ装置100は、ポンプ61の駆動の制御を行う制御部9を備える。制御部9は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、メモリなどを含んでいる。制御部9は、内部または外部のメモリ(記憶装置)に記録(格納)された制御用のソフトウェア(プログラム)によって、分取クロマトグラフ装置100全体の制御を行うように構成されている。
【0037】
制御部9は、予め設定された条件(レシピ)に基づいて、分離カラム11の切り替えの制御、流路切替バルブ8による流路の切り替えの制御、ポンプ61~63から供給される流体の供給量の制御、および、ポンプ62と63とによって供給される液体の切り替えの制御などを行うように構成されている。また、制御部9は、検出器2の検出結果に基づいて、分画部3における分画(流路の切り替え)の制御を行うように構成されている。
【0038】
すなわち、分取クロマトグラフ装置100では、分取モードの切り替えの制御、流路切替バルブ8による流路の切り替えの制御、ポンプ61~63から供給される流体の流量(供給量)の制御、ミキサ4における溶媒および移動相の混合比の制御、および、分画部3における分画の制御などが、ソフトウェアにより、一括管理されている。なお、分画部3における分画(流路の切り替え)は、制御部9とは別個に設けられた装置によって、制御が行われてもよい。また、制御部9は、マウス、キーボード、または、タッチパネルなどの図示しない入力機器によって、ユーザからの操作を受け付けるように構成されている。
【0039】
そして、制御部9は、ユーザの切り替え操作に基づいて、流路切替バルブ8によるポンプ61からの二酸化炭素の供給先の切り替えを制御するように構成されている。これにより、制御部9は、超臨界流体クロマトグラフモードにおいて、分離カラム11の上流の流路(流路40)にポンプ61からの超臨界状態の二酸化炭素の供給を行う(図1参照)とともに、液体クロマトグラフモードにおいて、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)にポンプ61からの二酸化炭素の供給を行う(図2参照)。
【0040】
すなわち、分取クロマトグラフ装置100は、前述したように、二酸化炭素の供給先を分離カラム11の上流の流路(流路40)と、分離カラム11の下流の流路(流路70)との間で切り替えることによって、液体クロマトグラフモードと、超臨界流体クロマトグラフモードとに切り替える。
【0041】
また、制御部9は、ユーザの切り替え操作に基づいて、流路切替バルブ8によるポンプ62からの液体の供給先の切り替えを制御するように構成されている。これにより、制御部9は、超臨界流体クロマトグラフモードにおいて、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)にポンプ62から供給される液体の供給を行う(図1参照)とともに、液体クロマトグラフモードにおいて、ポンプ62から供給される液体とポンプ63から供給される液体とを分離カラム11の上流の流路(流路40)において混合させる(図2参照)。
【0042】
(超臨界流体クロマトグラフモード)
分取クロマトグラフ装置100の超臨界流体クロマトグラフモードにおける分取方法について、図1を参照して説明する。
【0043】
超臨界流体クロマトグラフモードでは、流路切替バルブ8による流路の切り替えによって、分離カラム11(分離部1)上流のミキサ4に、第1の移動相としての超臨界状態の二酸化炭素が、流路切替バルブ8を介して、ポンプ61(ボンベ64)から供給される。また、流路切替バルブ8による流路の切り替えによって、分離カラム11(分離部1)上流のミキサ4に、モディファイア溶媒が、流路切替バルブ8を介して、ポンプ63(液体収容部66)から供給される。そして、ミキサ4によって、超臨界状態の二酸化炭素とモディファイア溶媒とが混合される。第1の移動相としての用いられる二酸化炭素は、非極性の成分(物質)の分離に適しているが、モディファイア溶媒の供給量(添加量)を増やすことによって、極性が高い成分(物質)を分離することも可能である。
【0044】
前述したように、超臨界流体クロマトグラフモードでは、ポンプ61は、流路内に移動相を供給するための移動相ポンプとして用いられる。そして、超臨界流体クロマトグラフモードでは、ポンプ63は、流路内にモディファイア溶媒を供給するためのモディファイアポンプとして用いられる。なお、ポンプ61による超臨界状態の二酸化炭素の供給の開始は、ポンプ63によるモディファイア溶媒の供給の開始と同時、または、ほぼ同時に行われる。
【0045】
次に、超臨界状態の二酸化炭素(第1の移動相)とモディファイア溶媒とが混合された流体に、試料注入部5によって、試料が注入される。試料が注入された超臨界状態の二酸化炭素を含む流体は、分離部1の分離カラム11に流入する。
【0046】
そして、超臨界状態の二酸化炭素を含む流体とともに、分離カラム11に流入した試料の成分が分離カラム11によって分離される。そして、分離カラム11によって分離された試料の成分は、検出器2に流入し、分離カラム11によって分離された試料の成分が検出器2によって検出される。
【0047】
検出器2による検出後、分離カラム11によって分離された試料の成分は、二酸化炭素を含む流体とともに、背圧調整器7を介して、分画部3に流入する。なお、超臨界流体クロマトグラフモードでは、前述したように、移動相として用いる二酸化炭素の状態が超臨界流体状態を維持できるように、背圧調整器7が、背圧調整器7上流側の流路内の圧力を調整している。そのため、背圧調整器7の下流においては、二酸化炭素が気体となって膨張する。これにより、分離カラム11によって分離された試料の成分の流速が、二酸化炭素の膨張によって上昇し、遅れ時間(試料中の目的とする成分が、検出器2から、分画部3内の流路切替部30に到達するまでの時間)が短くなる。そして、分離カラム11によって分離された試料の成分が、分画部3において、検出器2の検出結果に基づいて分画される。
【0048】
分画部3では、検出器2において試料中の目的とする成分が検出されたことに基づいて、分画部3内の流路を切り替えることによって、試料中の目的とする成分を気液分離部32側の流路に流す。具体的には、試料中の目的とする成分が検出された時間から、遅れ時間(試料中の目的とする成分が、検出器2から分画部3内の流路切替部30に到達するまでの時間)経過する直前または経過後に、流路切替部30によって、分画部3内の流路を切り替えることによって、試料中の目的とする成分を気液分離部32側の流路に流す。そして、試料中の目的とする成分が検出されなくなった時間から、遅れ時間経過する直前または経過後、流路切替部30によって、分画部3内の流路を切り替えることによって、試料中の目的とする成分以外を廃液流路側に流す。これにより、分画された試料の成分を含む流体は、気液分離部32に流れ込む。そして、分画された試料の成分を含む流体は、気液分離部32によって、気体と液体とに分離され、試料中の目的成分が分取容器31に回収される。
【0049】
また、超臨界流体クロマトグラフモードでは、流路切替バルブ8による流路の切り替えによって、流路切替バルブ8および流路80を介して、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)にポンプ62からメイクアップ溶媒が供給される。すなわち、分離カラム11によって分離された試料の成分を分画部3によって分画する前(気液分離部32において試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する前)に、試料の成分を含む流体にポンプ62からメイクアップ溶媒が供給される。このように、超臨界流体クロマトグラフモードでは、ポンプ62は、流路(流路70)内にメイクアップ溶媒を供給するためのメイクアップポンプとして用いられる。
【0050】
なお、ポンプ62によるメイクアップ溶媒の供給の開始(送液開始)のタイミングは、ポンプ61による超臨界状態の二酸化炭素の供給の開始およびポンプ63によるモディファイア溶媒の供給の開始と同時、または、開始よりも後である。
【0051】
(液体クロマトグラフモード)
分取クロマトグラフ装置100の液体クロマトグラフモードにおける分取方法について、図2を参照して説明する。なお、超臨界流体クロマトグラフモードから液体クロマトグラフモードへの切り替え、および、液体クロマトグラフモードから超臨界流体クロマトグラフモードへの切り替えの際には、制御部9の制御に基づいて、流路内の洗浄処理および置換処理が行われる。
【0052】
液体クロマトグラフモードでは、流路切替バルブ8による流路の切り替えによって、分離カラム11(分離部1)上流のミキサ4に、第2の移動相としての液体(溶媒)が、流路切替バルブ8を介して、ポンプ62(液体収容部65)から供給される。また、流路切替バルブ8による流路の切り替えによって、分離カラム11(分離部1)上流のミキサ4に、第3の移動相としての液体(溶媒)が、流路切替バルブ8を介して、ポンプ63(液体収容部66)から供給される。そして、ミキサ4によって、第2の移動相としての液体(溶媒)と第3の移動相としての液体(溶媒)とが混合される。
【0053】
すなわち、液体クロマトグラフモードでは、ポンプ62および63は、流路内に移動相として液体(溶媒)を供給するための移動相ポンプとして用いられる。なお、ポンプ62による第2の移動相としての液体(溶媒)の供給の開始は、ポンプ63による第3の移動相としての液体(溶媒)の供給の開始と同時、または、ほぼ同時に行われる。
【0054】
次に、第2の移動相としての液体(溶媒)と第3の移動相としての液体(溶媒)とが混合された液体に、試料注入部5によって、試料が注入される。試料が注入された液体(溶媒)は、分離部1の分離カラム11に流入する。
【0055】
そして、第2の移動相としての液体(溶媒)と第3の移動相としての液体(溶媒)とが混合された液体とともに、分離カラム11に流入した試料の成分が、分離カラム11によって分離される。そして、分離カラム11によって分離された試料の成分は、検出器2に流入し、分離カラム11によって分離された試料の成分が検出器2によって検出される。
【0056】
検出器2による検出後、分離カラム11によって分離された試料の成分は、第2の移動相としての液体(溶媒)と第3の移動相としての液体(溶媒)とが混合された液体とともに、背圧調整器7を介して、分画部3に流入する。この時、液体クロマトグラフモードでは、流路切替バルブ8による流路の切り替えによって、流路切替バルブ8および流路80を介して、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)にポンプ61から二酸化炭素が供給される。したがって、本実施形態の分取クロマトグラフ装置100による液体クロマトグラフモードにおいては、分離カラム11によって分離された試料の成分は、第2の移動相としての液体(溶媒)と第3の移動相としての液体(溶媒)とが混合された液体に、二酸化炭素が加えられた状態で、分画部3に流入する。そして、超臨界流体クロマトグラフモードと同様に、分離カラム11によって分離された試料の成分が、分画部3において、検出器2の検出結果に基づいて分画される。
【0057】
すなわち、本実施形態による分取クロマトグラフ装置100の液体クロマトグラフモードでは、従来の液体クロマトグラフィーを用いた分取と異なり、分離カラム11によって分離された試料の成分を分画部3によって分画する前(気液分離部32において試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する前)に、試料の成分を含む流体(液体)に二酸化炭素が供給される。
【0058】
これにより、分画された試料の成分を含む流体(第2の移動相としての液体と第3の移動相としての液体とが混合された液体に、二酸化炭素が加えられた流体)は、気液分離部32によって、気体と液体とに分離され、試料中の目的成分が分取容器31に回収される。
【0059】
液体クロマトグラフモードでは、気液分離部32において試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する前(分離カラム11によって分離された試料の成分を分画部3によって分画する前)に、気液分離部32における気液分離を正常に行うためのメイクアップ溶媒として、流路(流路70)内に二酸化炭素が供給される。このように、液体クロマトグラフモードでは、ポンプ61は、流路(流路70)内に二酸化炭素をメイクアップ溶媒として、供給するメイクアップポンプとして用いられる。
【0060】
また、液体クロマトグラフモードでは、背圧調整されていない(バックプレッシャーのかかっていない)背圧調整器7の下流(大気圧下の流路)において、ポンプ61によって加圧された二酸化炭素が供給されるので、供給された二酸化炭素は、ポンプ61下流の流路(流路切替バルブ8の内部の流路、流路70および80)内において膨張する。これにより、流路(流路70)内を流れる分離カラム11によって分離された試料の成分の流速が上昇し、遅れ時間(試料中の目的とする成分が、検出器2から、分画部3内の流路切替部30に到達するまでの時間)が短くなる。分取クロマトグラフ装置100は、液体クロマトグラフモードにおいて、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)へ供給する二酸化炭素の供給量または流速を制御することによって、分画(分取)の際の遅れ時間を調整(短縮)可能である。
【0061】
なお、ポンプ61によるメイクアップ溶媒としての二酸化炭素の供給の開始(送液開始)のタイミングは、ポンプ62による第2の移動相として液体(溶媒)の供給の開始およびポンプ63による第3の移動相として液体(溶媒)の供給の開始と同時、または、開始よりも後である。
【0062】
(本実施形態による分取クロマトグラフ装置の効果)
本実施形態による分取クロマトグラフ装置100では、以下のような効果を得ることができる。
【0063】
本実施形態による分取クロマトグラフ装置100では、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)に二酸化炭素を供給することができる。これにより、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)に二酸化炭素が供給されることによって、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)内において、分離カラム11によって分離された試料中の成分の流速が速くなる。その結果、試料の移動相に遅れ時間が比較的長い移動相(液体)を用いる場合でも、分離カラム11によって分離された試料中の成分が、検出器2から分画部3に到達するまでの時間(遅れ時間)を短くすることができる。これにより、試料の移動相に遅れ時間が比較的長い移動相(液体)を用いる場合においても、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)に供給する二酸化炭素によって、遅れ時間が比較的短い移動相(超臨界流体)に、遅れ時間を合わせることができる。その結果、遅れ時間を調整することができる。
【0064】
また、上記実施形態による分取クロマトグラフ装置100では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0065】
本実施形態の分取クロマトグラフ装置100は、液体クロマトグラフモードと、超臨界流体クロマトグラフモードとに切り替え可能に構成されており、液体クロマトグラフモードにおいて、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)に二酸化炭素を供給するように構成されている。これにより、液体クロマトグラフモードと超臨界流体クロマトグラフモードとに分取のモードを切り替えることによって、試料に応じた分取を行うことができるので、効率よく試料の分取を行うことができる。また、液体クロマトグラフモードにおいて、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)に二酸化炭素を供給することによって、分離カラム11によって分離された試料中の成分の流速が、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)内において、速くなる。これにより、液体クロマトグラフモードにおいて、分離カラム11によって分離された試料中の成分が、検出器2から分画部3に到達するまでの時間(遅れ時間)を短くすることができる。その結果、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)に供給する二酸化炭素によって、液体クロマトグラフモードにおける遅れ時間を、超臨界流体クロマトグラフモードにおける遅れ時間(遅れ時間の短いモード)に合わせることができる。また、分離カラム11と分画部3との間の流路(流路70)に二酸化炭素を供給することによって、分離カラム11までの試料の移動相に液体のみを用いる場合においても、気液分離部32による分離の前に、二酸化炭素を移動相に加えることができる。これにより、液体クロマトグラフモードにおいて、分離カラム11までの試料の移動相に液体のみを用いる場合においても、分画部3に気液分離部32を設けた状態でも、気体になった二酸化炭素によって、気液分離部32における気液分離を正常に行うことができる。その結果、液体のみの移動相によって試料中の目的成分が分画部3内の気液分離部32に送られる場合と異なり、超臨界流体クロマトグラフモードと液体クロマトグラフモードとの切り替えの際に、気液分離部32の取り付けまたは取り外しを行う必要がない。これにより、分画部3の構成を共通化することができるので、装置構成の複雑化を抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態の分取クロマトグラフ装置100は、ポンプ61と、背圧調整器7と、流路切替バルブ8とを備える。そして、流路切替バルブ8は、ポンプ61からの二酸化炭素の供給先を、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)と、分離カラム11の上流の流路(流路40)との間で切り替える。これにより、流路切替バルブ8によって、ポンプ61からの二酸化炭素の供給先を切り替えることができるので、共通(1つ)のポンプにより、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)、および、分離カラム11の上流の流路(流路40)の各々に二酸化炭素を供給することができる。その結果、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)、および、分離カラム11の上流の流路(流路40)への二酸化炭素の供給に用いるポンプの数が増加することを抑制することができるので、装置の大型化を抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態の分取クロマトグラフ装置100では、流路切替バルブ8は、ポンプ62からの液体の供給先を、分離カラム11の上流の流路(流路40)と、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)との間で切り替えるように構成されている。これにより、流路切替バルブ8によって、ポンプ62からの液体の供給先を切り替えることができるので、共通(1つ)のポンプにより、分離カラム11の上流の流路(流路40)、および、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)の各々に液体を供給することができる。その結果、分離カラム11の上流の流路(流路40)、および、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)への液体(溶液)の供給に用いるポンプの数が増加することを抑制することができるので、装置の大型化を抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態の分取クロマトグラフ装置100では、制御部9は、ユーザの切り替え操作に基づいて、流路切替バルブ8によるポンプ61からの二酸化炭素の供給先の切り替えを制御するように構成されている。これにより、ユーザが、流路切替バルブ8によるポンプ61からの二酸化炭素の供給先の切り替えを直接行う(手動によって行う)場合に比べて、ポンプ61からの二酸化炭素の供給先の切り替えを容易に行うことができる。
【0069】
また、本実施形態の分取クロマトグラフ装置100では、制御部9は、ユーザの切り替え操作に基づいて、流路切替バルブ8によるポンプ61からの二酸化炭素の供給先の切り替えを制御することによって、液体クロマトグラフモードにおいて、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)にポンプ61からの二酸化炭素の供給を行う。そして、制御部9は、ユーザの切り替え操作に基づいて、流路切替バルブ8によるポンプ61からの二酸化炭素の供給先の切り替えを制御することによって、超臨界流体クロマトグラフモードにおいて、分離カラム11の上流の流路(流路40)にポンプ61からの超臨界状態の二酸化炭素の供給を行う。これにより、液体クロマトグラフモードと超臨界流体クロマトグラフモードとの間におけるポンプ61からの二酸化炭素の供給先の切り替えの制御を制御部9が行う。その結果、ユーザが、液体クロマトグラフモードと超臨界流体クロマトグラフモードとの切り替え(分取モードの切り替え)の際に、二酸化炭素の供給先の切り替えを直接行う(手動によって行う)場合に比べて、ポンプ61からの二酸化炭素の供給先の切り替えを容易に行うことができる。
【0070】
また、本実施形態の分取クロマトグラフ装置100では、制御部9は、ユーザの切り替え操作に基づいて、流路切替バルブ8によるポンプ62からの液体の供給先の切り替えを制御することによって、液体クロマトグラフモードにおいて、ポンプ62から供給される液体とポンプ63から供給される液体とを分離カラム11の上流の流路(流路40)において混合させる。そして、制御部9は、ユーザの切り替え操作に基づいて、流路切替バルブ8によるポンプ62からの液体の供給先の切り替えを制御することによって、超臨界流体クロマトグラフモードにおいて、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)にポンプ62から供給される液体の供給を行う。これにより、液体クロマトグラフモードと超臨界流体クロマトグラフモードとの間におけるポンプ62からの液体の供給先の切り替えの制御を制御部9が行う。その結果、ユーザが、液体クロマトグラフモードと超臨界流体クロマトグラフモードとの切り替え(分取モードの切り替え)の際に、ポンプ62からの液体(溶媒)の供給先の切り替えを直接行う(手動によって行う)場合に比べて、ポンプ62からの液体(溶媒)の供給先の切り替えを容易に行うことができる。
【0071】
(本実施形態による分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法の効果)
本実施形態による分取クロマトグラフ装置100を用いた分取方法では、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
本実施形態による分取クロマトグラフ装置100を用いた分取方法では、分離カラム11によって分離された試料の成分を分画する前に、試料の成分を含む流体に二酸化炭素を供給する。これにより、分画前に、試料の成分を含む流体に二酸化炭素が供給されることによって、分離カラム11によって分離された試料中の成分の流路内における流速が速くなる。その結果、試料の移動相に遅れ時間が比較的長い移動相(液体)を用いる場合でも、遅れ時間を短くすることができる。これにより、試料の移動相に遅れ時間が比較的長い移動相(液体)を用いる場合においても、供給する二酸化炭素によって、遅れ時間が比較的短い移動相(超臨界流体)に、遅れ時間を合わせることができる。その結果、遅れ時間を調整することができる。
【0073】
また、上記実施形態による分取クロマトグラフ装置100を用いた分取方法は、以下のように行うことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0074】
本実施形態における分取クロマトグラフ装置100を用いた分取方法では、二酸化炭素の供給先を分離カラム11の上流の流路(流路40)と、分離カラム11の下流の流路(流路70)との間で切り替えることによって、液体クロマトグラフモードと、超臨界流体クロマトグラフモードとに切り替える。これにより、液体クロマトグラフモードと超臨界流体クロマトグラフモードとに分取のモードを切り替えることによって、試料に応じた分取を行うことができるので、効率よく試料の分取を行うことができる。また、液体クロマトグラフモードにおいて、分離カラム11の下流の流路(流路70)に二酸化炭素を供給することによって、分離カラム11によって分離された試料中の成分の流速が、分離カラム11の下流の流路(流路70)内において、速くなる。これにより、液体クロマトグラフモードにおける遅れ時間を短くすることができる。その結果、分離カラム11の下流の流路(流路70)に供給する二酸化炭素によって、液体クロマトグラフモードにおける遅れ時間を、超臨界流体クロマトグラフモードにおける遅れ時間(遅れ時間の短いモード)に合わせることができる。また、分離カラム11の下流の流路(流路70)に二酸化炭素を供給することによって、分離カラム11までの試料の移動相に液体のみを用いる場合においても、試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する(気液分離する)前に、二酸化炭素を移動相に加えることができる。これにより、液体クロマトグラフモードにおいて、分離カラム11までの試料の移動相に液体のみを用いる場合においても、分離カラム11の下流の流路(流路70)において移動相に加えられた二酸化炭素が、気体になることによって、気液分離を正常に行うことができる。その結果、液体のみの移動相によって試料中の目的成分が気液分離を行う治具(気液分離部32)に送られる場合と異なり、超臨界流体クロマトグラフモードと液体クロマトグラフモードとの切り替えの際に、気液分離を行う治具(気液分離部32)の取り付けまたは取り外しを行う必要がない。これにより、分取クロマトグラフ装置100における気液分離を行う部分(気液分離部32および分画部3)の構成を共通化することができるので、装置構成の複雑化を抑制することができる。
【0075】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0076】
たとえば、上記実施形態では、流路切替バルブ8が、ポンプ61(第1ポンプ)からの二酸化炭素の供給先を、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)と、分離カラム11の上流の流路(流路40)との間で切り替える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図3および図4に示す第1変形例における分取クロマトグラフ装置200のように、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)に二酸化炭素の供給を供給するためのポンプおよびボンベと、分離カラム11の上流の流路(流路40)に超臨界状態の二酸化炭素の供給を供給するためのポンプおよびボンベとを別個に設けてもよい。すなわち、メイクアップ溶媒用の二酸化炭素を供給するためのポンプ61およびボンベ64と、移動相用の超臨界状態の二酸化炭素を供給するためのポンプ261およびボンベ264とを別個に設けてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、流路切替バルブ8が、ポンプ62(第2ポンプ)からの液体の供給先を、分離カラム11の上流の流路(流路40)と、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)との間で切り替える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図3および図4に示す第1変形例における分取クロマトグラフ装置200のように、分離カラム11の上流の流路(流路40)に移動相としての液体(溶媒)を供給するポンプおよび移動相としての液体(溶媒)を収容する液体収容部と、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)にメイクアップ溶媒としての液体(溶媒)を供給するポンプおよびメイクアップ溶媒として用いる液体を収容する液体収容部とを別個に設けてもよい。すなわち、移動相用の液体(溶媒)を供給するためのポンプ62および液体収容部65と、メイクアップ溶媒用の液体(溶媒)を供給するためのポンプ262および液体収容部265とを別個に設けてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、流路切替バルブ8が1つ設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、流路切替バルブは2つ以上設けられてもよい。たとえば、図3および図4に示す第1変形例による分取クロマトグラフ装置200のように、流路40側(ミキサ4の上流)に設けられる流路切替バルブ281と、流路80側(逆流防止弁81の上流)に設けられる流路切替バルブ282とを備えてもよい。分取クロマトグラフ装置200では、図3に示す超臨界流体クロマトグラフモードにおいて、流路切替バルブ281の内部の流路を切り替えることによって、ポンプ261から超臨界状態の二酸化炭素がミキサ4に供給される。そして、流路切替バルブ282の内部の流路を切り替えることによって、ポンプ262からメイクアップ溶媒が流路80を介して、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)に供給される。また、分取クロマトグラフ装置200では、図4に示す液体クロマトグラフモードにおいて、流路切替バルブ281の内部の流路を切り替えることによって、ポンプ62から移動相として液体(溶媒)がミキサ4に供給される。そして、流路切替バルブ282の内部の流路を切り替えることによって、ポンプ61からメイクアップ溶媒としての二酸化炭素が流路80を介して、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)に供給される。
【0079】
また、上記実施形態では、流路切替バルブ8が、ポンプ61(第1ポンプ)からの二酸化炭素の供給先およびポンプ62(第2ポンプ)からの液体(溶媒)の供給先を切り替える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、流路に設けられた電磁弁の開閉によって、第1ポンプからの二酸化炭素の供給先および第2ポンプからの液体(溶媒)の供給先を切り替える構成にしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、制御部9が、ユーザの切り替え操作に基づいて、流路切替バルブ8によるポンプ61(第1ポンプ)からの二酸化炭素の供給先の切り替えを制御する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ユーザ自身が、流路切替バルブによる第1ポンプからの二酸化炭素の供給先の切り替えを行うように構成してもよい。すなわち、手動で第1ポンプからの二酸化炭素の供給先の切り替えを行ってもよい。また、制御部は、試料注入装置(試料注入部)において注入する試料が選択された際に、自動的に液体クロマトグラフモードまたは超臨界流体クロマトグラフモードへの切り替えを行い、第1ポンプからの二酸化炭素の供給先の切り替えられるように構成してもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、制御部9が、ユーザの切り替え操作に基づいて、流路切替バルブ8によるポンプ62(第2ポンプ)からの液体(溶媒)の供給先の切り替えを制御する構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ユーザ自身が、流路切替バルブによる第2ポンプからの二酸化炭素の供給先の切り替えを行うように構成してもよい。すなわち、手動で第2ポンプからの液体(溶媒)の供給先の切り替えを行ってもよい。また、制御部は、試料注入装置(試料注入部)において注入する試料が選択された際に、自動的に液体クロマトグラフモードまたは超臨界流体クロマトグラフモードへの切り替えを行い、第2ポンプからの液体(溶媒)の供給先の切り替えられるように構成してもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、液体クロマトグラフモードと、超臨界流体クロマトグラフモードとに切り替え可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図5に示す第2変形例による分取クロマトグラフ装置300のように、液体クロマトグラフィーを用いた成分の分離のみを行う構成であってもよい。なお、分取クロマトグラフ装置300では、上記実施形態の分取クロマトグラフ装置100の液体クロマトグラフモードと同様に、気液分離部32において試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する前(分離カラム11によって分離された試料の成分を分画部3によって分画する前)に、試料の成分を含む液体(移動相)にポンプ61からメイクアップ溶媒として二酸化炭素が供給される。
【0083】
また、上記実施形態では、液体クロマトグラフモードにおいて、背圧調整器7と分画部3との間の流路(流路70)に、ポンプ61(第1ポンプ)から二酸化炭素が供給される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、液体クロマトグラフモードにおいて、二酸化炭素が供給される流路は、分離カラムと気液分離部との間の流路であればよい。たとえば、液体クロマトグラフモードにおいて、二酸化炭素が供給される流路は、分離カラムと検出器との間の流路、検出器と背圧調整器との間の流路、および、背圧調整器と分画部との間の流路のうち、いずれの流路であってもよい。
【0084】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0085】
(項目1)
試料の成分を分離する分離カラムと、
前記分離カラムの下流側に設けられ、前記分離カラムによって分離された前記試料の成分を検出する検出器と、
前記試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する気液分離部を含むとともに、前記検出器の下流側に設けられ、前記検出器の検出結果に基づいて、前記分離カラムによって分離された前記試料の成分を分画する分画部とを備え、
前記分離カラムと前記分画部との間の流路に二酸化炭素を供給可能に構成されている、分取クロマトグラフ装置。
【0086】
(項目2)
前記試料が液体とともに前記分離カラムに送られる液体クロマトグラフモードと、前記試料が超臨界状態の二酸化炭素とともに前記分離カラムに送られる超臨界流体クロマトグラフモードとに切り替え可能に構成されており、
前記液体クロマトグラフモードにおいて、前記分離カラムと前記分画部との間の流路に二酸化炭素を供給するように構成されている、項目1に記載の分取クロマトグラフ装置。
【0087】
(項目3)
流路に二酸化炭素を供給する第1ポンプと、
前記分離カラムの下流側に設けられた前記検出器と、前記気液分離部との間に設けられ、前記検出器側の流路内の圧力を調整する背圧調整器と、
前記第1ポンプからの二酸化炭素の供給先を、前記背圧調整器と前記分画部との間の流路と、前記分離カラムの上流の流路との間で切り替える流路切替バルブとをさらに備える、項目2に記載の分取クロマトグラフ装置。
【0088】
(項目4)
流路に液体を供給する第2ポンプをさらに備え、
前記流路切替バルブは、前記第2ポンプからの液体の供給先を、前記分離カラムの上流の流路と、前記背圧調整器と前記分画部との間の流路との間で切り替えるように構成されている、項目3に記載の分取クロマトグラフ装置。
【0089】
(項目5)
前記第1ポンプの駆動の制御を行う制御部を備え、
前記制御部は、ユーザの切り替え操作に基づいて、前記流路切替バルブによる前記第1ポンプからの二酸化炭素の供給先の切り替えを制御するように構成されている、項目4に記載の分取クロマトグラフ装置。
【0090】
(項目6)
前記制御部は、ユーザの切り替え操作に基づいて、前記流路切替バルブによる前記第1ポンプからの二酸化炭素の供給先の切り替えを制御することによって、前記液体クロマトグラフモードにおいて、前記背圧調整器と前記分画部との間の流路に前記第1ポンプからの二酸化炭素の供給を行うとともに、前記超臨界流体クロマトグラフモードにおいて、前記分離カラムの上流の流路に前記第1ポンプからの超臨界状態の二酸化炭素の供給を行うように構成されている、項目5に記載の分取クロマトグラフ装置。
【0091】
(項目7)
前記分離カラムの上流の流路に液体を供給する第3ポンプをさらに備え、
前記制御部は、ユーザの切り替え操作に基づいて、前記流路切替バルブによる前記第2ポンプからの液体の供給先の切り替えを制御することによって、前記液体クロマトグラフモードにおいて、前記第2ポンプから供給される液体と前記第3ポンプから供給される液体とを前記分離カラムの上流の流路において混合させるとともに、前記超臨界流体クロマトグラフモードにおいて、前記背圧調整器と前記分画部との間の流路に前記第2ポンプから供給される液体の供給を行うように構成されている、項目6に記載の分取クロマトグラフ装置。
【0092】
(項目8)
試料の成分を分離カラムによって分離する分離ステップと、
前記分離カラムによって分離された前記試料の成分を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出結果に基づいて、前記分離カラムによって分離された前記試料の成分を分画する分画ステップと、
前記分画ステップおいて分画された前記試料の成分を含む流体を気体と液体とに分離する気液分離ステップと、
前記分画ステップにおいて前記分離カラムによって分離された前記試料の成分を分画する前に、前記試料の成分を含む流体に二酸化炭素を供給する供給ステップとを備える、分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法。
【0093】
(項目9)
二酸化炭素の供給先を前記分離カラムの上流の流路と、前記分離カラムの下流の流路との間で切り替えることによって、前記試料が液体とともに前記分離カラムに送られる液体クロマトグラフモードと、前記試料が超臨界状態の二酸化炭素とともに前記分離カラムに送られる超臨界流体クロマトグラフモードとに切り替える切替ステップをさらに備える、項目8に記載の分取クロマトグラフ装置を用いた分取方法。
【符号の説明】
【0094】
2 検出器
3 分画部
7 背圧調整器
8 流路切替バルブ
9 制御部
11 分離カラム
32 気液分離部
40、40a、40b 流路(分離カラムの上流の流路)
61 ポンプ(第1ポンプ)
62 ポンプ(第2ポンプ)
63 ポンプ(第3ポンプ)
70 流路(分離カラムと分画部との間の流路、背圧調整器と分画部との間の流路)
100、200、300 分取クロマトグラフ装置
図1
図2
図3
図4
図5