(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168685
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】電池装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/505 20210101AFI20221031BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20221031BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20221031BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20221031BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20221031BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20221031BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20221031BHJP
H01M 10/6553 20140101ALI20221031BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20221031BHJP
H01M 10/6235 20140101ALI20221031BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20221031BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20221031BHJP
H01M 50/526 20210101ALI20221031BHJP
H01M 50/507 20210101ALN20221031BHJP
H01M 50/247 20210101ALN20221031BHJP
【FI】
H01M50/505
H01M50/284
H01M50/569
H01M50/213
H01M10/613
H01M10/651
H01M10/643
H01M10/6553
H01M10/617
H01M10/6235
H01M50/548 201
H01M50/503
H01M50/526
H01M50/507
H01M50/247
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074326
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 和也
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031CC09
5H031HH01
5H031HH08
5H031KK00
5H040AA27
5H040AS15
5H040AS19
5H040AS22
5H040AS27
5H040AT01
5H040AY05
5H040DD03
5H040DD04
5H040DD08
5H040DD13
5H040JJ03
5H040NN01
5H040NN05
5H043AA08
5H043AA12
5H043AA17
5H043BA11
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA21
5H043DA27
5H043FA04
5H043FA32
5H043HA04F
5H043HA13F
5H043JA02F
5H043JA10F
5H043JA13F
5H043KA01F
5H043LA02F
5H043LA21D
5H043LA31F
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することが可能な電池装置を提供する。
【解決手段】それぞれが、正極および負極を有する、複数の電池セル18と、それぞれが、複数の電池セルの何れかの正極または負極に電気的に接続された少なくとも1つのセル接続部(例えば44d)と、前記少なくとも1つのセル接続部と一体的に形成されたプレート部(例えば44a)を有する、複数の電池タブ19を備えており、複数の電池タブのそれぞれは、第1種類の電池タブ(例えば44)および第2種類の電池タブ(例えば56)の何れかに属しており、第1種類の電池タブの少なくとも一部(例えばリード部44b)の板厚が、第2種類の電池タブの少なくとも一部(例えばリード部56b)の板厚よりも大きい、蓄電装置である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、正極および負極を有する、複数の電池セルと、
それぞれが、前記複数の電池セルの何れかの前記正極または前記負極に電気的に接続された少なくとも1つのセル接続部と、前記少なくとも1つのセル接続部と一体的に形成されたプレート部を有する、複数の電池タブを備えており、
前記複数の電池タブのそれぞれは、第1種類の電池タブおよび第2種類の電池タブの何れかに属しており、
前記第1種類の電池タブの少なくとも一部の板厚が、前記第2種類の電池タブの少なくとも一部の板厚よりも大きい、電池装置。
【請求項2】
前記第1種類の電池タブの前記少なくとも一部を流れる電流が、前記第2種類の電池タブの前記少なくとも一部を流れる電流よりも大きい、請求項1の電池装置。
【請求項3】
回路基板をさらに備えており、
前記複数の電池タブのそれぞれが、前記回路基板に電気的に接続された回路接続部と、前記回路接続部および前記プレート部と一体的に形成されたリード部をさらに有しており、
前記第1種類の電池タブの前記少なくとも一部が、前記第1種類の電池タブの前記リード部を含んでおり、
前記第2種類の電池タブの前記少なくとも一部が、前記第2種類の電池タブの前記リード部を含んでいる、請求項1または2の電池装置。
【請求項4】
前記第1種類の電池タブの前記少なくとも一部が、前記第1種類の電池タブの前記回路接続部を含んでおり、
前記第2種類の電池タブの前記少なくとも一部が、前記第2種類の電池タブの前記回路接続部を含んでいる、請求項3の電池装置。
【請求項5】
前記第1種類の電池タブの前記回路接続部の幅が、前記第1種類の電池タブの前記リード部の幅よりも小さい、請求項4の電池装置。
【請求項6】
前記第1種類の電池タブの前記回路接続部の幅が、前記第1種類の電池タブの前記プレート部の幅よりも小さい、請求項4または5の電池装置。
【請求項7】
前記回路基板が、前記複数の電池セルへの充電や前記複数の電池セルからの放電のための正極電源端子および負極電源端子と、前記複数の電池セルのそれぞれのセル電圧を検出するためのセル電圧検出用端子を備えており、
前記第1種類の電池タブの前記回路接続部が、前記正極電源端子または前記負極電源端子に電気的に接続されており、
前記第2種類の電池タブの前記回路接続部が、前記セル電圧検出用端子に電気的に接続されている、請求項3から6の何れか一項の電池装置。
【請求項8】
前記複数の電池セルが第1の電池セルを含んでおり、
前記第1の電池セルの前記正極および前記負極の一方に電気的に接続された前記電池タブが、前記第1種類の電池タブに属しており、
前記第1の電池セルの前記正極および前記負極の他方に電気的に接続された前記電池タブが、前記第2種類の電池タブに属している、請求項1から7の何れか一項の電池装置。
【請求項9】
前記複数の電池セルが、それぞれ、略円柱形状を有しており、長手方向の一方の端部に前記正極が配置されており、前記長手方向の他方の端部に前記負極が配置されており、前記長手方向が第1方向に沿うように並んで配置されており、
前記第1方向の一方側で前記複数の電池セルの前記正極または前記負極に電気的に接続された電池タブのそれぞれが、前記第1種類の電池タブに属しており、
前記第1方向の他方側で前記複数の電池セルの前記正極または前記負極に電気的に接続された電池タブのそれぞれが、前記第2種類の電池タブに属している、請求項1から8の何れか一項の電池装置。
【請求項10】
前記複数の電池セルが、前記複数の電池セルの中央近傍に配置された第1の電池セルと、前記第1の電池セルよりも外側に配置された第2の電池セルを備えており、
前記第1の電池セルの前記正極または前記負極に電気的に接続された前記電池タブが、前記第1種類の電池タブに属しており、
前記第2の電池セルの前記正極または前記負極に電気的に接続された前記電池タブが、前記第2種類の電池タブに属している、請求項1から7の何れか一項の電池装置。
【請求項11】
前記第1種類の電池タブと、前記第2種類の電池タブが、それぞれ、単一の板材から構成されており、
前記第1種類の電池タブの全体の板厚が、前記第2種類の電池タブの全体の板厚よりも大きい、請求項1から10の何れか一項の電池装置。
【請求項12】
前記第1種類の電池タブが、第1の板材および前記第1の板材に重ね合わされた第2の板材から構成されている、請求項1から10の何れか一項の電池装置。
【請求項13】
前記第1の板材が、前記少なくとも1つのセル接続部に対応する少なくとも1つの第1のセル接続部を有しており、
前記第2の板材が、前記少なくとも1つのセル接続部に対応する部分を有していない、請求項12の電池装置。
【請求項14】
回路基板をさらに備えており、
前記複数の電池タブのそれぞれが、前記回路基板に電気的に接続された回路接続部をさらに有しており、
前記第1種類の電池タブが、第1の板材および前記第1の板材に重ね合わされた第2の板材から構成されており、
前記第1の板材が、前記回路接続部に対応する第1の回路接続部を有しており、
前記第2の板材が、前記回路接続部に対応する第2の回路接続部を有しており、
前記第1の回路接続部と前記第2の回路接続部が、共通のはんだで前記回路基板に接合されている、請求項1または2の電池装置。
【請求項15】
前記第1の回路接続部と前記第2の回路接続部が、前記回路基板に形成された共通の貫通孔に差し込まれている、請求項14の電池装置。
【請求項16】
回路基板をさらに備えており、
前記複数の電池タブのそれぞれが、前記回路基板に電気的に接続された回路接続部をさらに有しており、
前記第1種類の電池タブが、第1の板材および前記第1の板材に重ね合わされた第2の板材から構成されており、
前記第1の板材が、前記回路接続部に対応する第1の回路接続部を有しており、
前記第2の板材が、前記回路接続部に対応する部分を有していない、請求項1または2の電池装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、電池装置が開示されている。この電池装置は、それぞれが、正極および負極を有する、複数の電池セルと、それぞれが、前記複数の電池セルの何れかの前記正極または前記負極に電気的に接続された少なくとも1つのセル接続部と、前記少なくとも1つのセル接続部と一体的に形成されたプレート部を有する、複数の電池タブを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電池装置では、複数の電池タブのうちの一部が、過度に高温となるおそれがある。本明細書では、複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する電池装置は、それぞれが、正極および負極を有する、複数の電池セルと、それぞれが、前記複数の電池セルの何れかの前記正極または前記負極に電気的に接続された少なくとも1つのセル接続部と、前記少なくとも1つのセル接続部と一体的に形成されたプレート部を有する、複数の電池タブを備えていてもよい。前記複数の電池タブのそれぞれは、第1種類の電池タブおよび第2種類の電池タブの何れかに属していてもよい。前記第1種類の電池タブの少なくとも一部の板厚が、前記第2種類の電池タブの少なくとも一部の板厚よりも大きくてもよい。
【0006】
複数の電池タブのそれぞれの箇所は、電流が流れる際の発熱によって温度上昇する。電流が流れる箇所の板厚が小さい場合、電気抵抗が大きいので、発熱量が大きく、温度上昇しやすい。逆に、電流が流れる箇所の板厚が大きい場合、電気抵抗が小さいので、発熱量が小さく、温度上昇しにくい。上記の構成によれば、高温となりやすい箇所を有する電池タブを第1種類の電池タブとし、高温となりやすい箇所の板厚を大きくすることで、高温となりやすい箇所の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例1の電池パック2を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図2】実施例1の電池パック2の電池セルユニット12を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図3】実施例1の電池パック2の複数の電池セル18と複数の電池タブ19の対応関係を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図4】実施例1の電池パック2の複数の電池セル18と複数の電池タブ19の対応関係を前方左方上方から見た斜視図である。
【
図5】実施例1の電池パック2の電池セルユニット12を前方右方上方から見た分解斜視図である。
【
図6】実施例1の電池パック2の電池タブ44,46,48,50,52,54の元となる板材100を示す平面図である。
【
図7】実施例1の電池パック2の電池タブ56,58,60,62,64の元となる板材102を示す平面図である。
【
図8】実施例1の変形例に係る電池パック2の電池タブ44,46,48,50,52,54を前方上方右方から見た斜視図である。
【
図9】実施例1の別の変形例に係る電池パック2の電池タブ44,46,48,50,52,54を前方上方右方から見た斜視図である。
【
図10】実施例2の電池パック202を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図11】実施例2の電池パック202の電池セルユニット12を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図12】実施例2の電池パック202の複数の電池セル18と複数の電池タブ19の対応関係を前方右方上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された電池装置、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1またはそれ以上の実施形態において、電池装置は、それぞれが、正極および負極を有する、複数の電池セルと、それぞれが、前記複数の電池セルの何れかの前記正極または前記負極に電気的に接続された少なくとも1つのセル接続部と、前記少なくとも1つのセル接続部と一体的に形成されたプレート部を有する、複数の電池タブを備えていてもよい。前記複数の電池タブのそれぞれは、第1種類の電池タブおよび第2種類の電池タブの何れかに属していてもよい。前記第1種類の電池タブの少なくとも一部の板厚が、前記第2種類の電池タブの少なくとも一部の板厚よりも大きくてもよい。
【0012】
複数の電池タブのそれぞれの箇所は、電流が流れる際の発熱によって温度上昇する。電流が流れる箇所の板厚が小さい場合、電気抵抗が大きいので、発熱量が大きく、温度上昇しやすい。逆に、電流が流れる箇所の板厚が大きい場合、電気抵抗が小さいので、発熱量が小さく、温度上昇しにくい。上記の構成によれば、高温となりやすい箇所を有する電池タブを第1種類の電池タブとし、高温となりやすい箇所の板厚を大きくすることで、高温となりやすい箇所の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0013】
1またはそれ以上の実施形態において、前記第1種類の電池タブの前記少なくとも一部を流れる電流が、前記第2種類の電池タブの前記少なくとも一部を流れる電流よりも大きくてもよい。
【0014】
複数の電池タブのうち、大きな電流が流れる箇所は、発熱量が大きいので、温度上昇しやすく、それほど大きな電流が流れない箇所は、発熱量が小さいので、温度上昇しにくい。上記の構成によれば、複数の電池タブのうち、大きな電流が流れる箇所の板厚を大きくすることで、発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0015】
1またはそれ以上の実施形態において、前記電池装置は、回路基板をさらに備えていてもよい。前記複数の電池タブのそれぞれは、前記回路基板に電気的に接続された回路接続部と、前記回路接続部および前記プレート部と一体的に形成されたリード部をさらに有していてもよい。前記第1種類の電池タブの前記少なくとも一部は、前記第1種類の電池タブの前記リード部を含んでいてもよい。前記第2種類の電池タブの前記少なくとも一部は、前記第2種類の電池タブの前記リード部を含んでいてもよい。
【0016】
複数の電池タブの回路接続部のそれぞれが回路基板に電気的に接続される場合、複数の電池タブの中には、リード部に大きな電流が流れるものと、リード部にそれほど大きな電流が流れないものがある。上記の構成によれば、リード部に大きな電流が流れる電池タブを第1種類の電池タブとし、そのリード部の板厚を大きくすることで、そのリード部の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0017】
1またはそれ以上の実施形態において、前記第1種類の電池タブの前記少なくとも一部は、前記第1種類の電池タブの前記回路接続部を含んでいてもよい。前記第2種類の電池タブの前記少なくとも一部は、前記第2種類の電池タブの前記回路接続部を含んでいてもよい。
【0018】
複数の電池タブの回路接続部のそれぞれが回路基板に電気的に接続される場合、複数の電池タブの中には、回路接続部に大きな電流が流れるものと、回路接続部にそれほど大きな電流が流れないものがある。上記の構成によれば、回路接続部に大きな電流が流れる電池タブを第1種類の電池タブとし、その回路接続部の板厚を大きくすることで、その回路接続部の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0019】
1またはそれ以上の実施形態において、前記第1種類の電池タブの前記回路接続部の幅は、前記第1種類の電池タブの前記リード部の幅よりも小さくてもよい。
【0020】
電池タブにおいて、回路接続部の幅がリード部の幅よりも小さい場合、回路接続部の電気抵抗が大きいので、発熱量が大きく、温度上昇しやすい。上記の構成によれば、回路接続部の電気抵抗が大きい電池タブを第1種類の電池タブとし、その回路接続部の板厚を大きくすることで、その回路接続部の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0021】
1またはそれ以上の実施形態において、前記第1種類の電池タブの前記回路接続部の幅は、前記第1種類の電池タブの前記プレート部の幅よりも小さくてもよい。
【0022】
電池タブにおいて、回路接続部の幅がプレート部の幅よりも小さい場合、回路接続部の電気抵抗が大きいので、発熱量が大きく、温度上昇しやすい。上記の構成によれば、回路接続部の電気抵抗が大きい電池タブを第1種類の電池タブとし、その回路接続部の板厚を大きくすることで、その回路接続部の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0023】
1またはそれ以上の実施形態において、前記回路基板は、前記複数の電池セルへの充電や前記複数の電池セルからの放電のための正極電源端子および負極電源端子と、前記複数の電池セルのそれぞれのセル電圧を検出するためのセル電圧検出用端子を備えていてもよい。前記第1種類の電池タブの前記回路接続部は、前記正極電源端子または前記負極電源端子に電気的に接続されていてもよい。前記第2種類の電池タブの前記回路接続部は、前記セル電圧検出用端子に電気的に接続されていてもよい。
【0024】
上記の構成では、第1種類の電池タブのリード部や回路接続部には、複数の電池セルへの充電や複数の電池セルからの放電のための電流が流れるので、大きな電流が流れる。これに対して、第2種類の電池タブのリード部や回路接続部には、複数の電池セルのそれぞれのセル電圧を検出するための電流が流れるので、それほど大きな電流は流れない。上記の構成によれば、複数の電池タブのうち、リード部や回路接続部に大きな電流が流れる電池タブを第1種類の電池タブとし、そのリード部や回路接続部の板厚を大きくすることで、そのリード部や回路接続部の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0025】
1またはそれ以上の実施形態において、前記複数の電池セルが第1の電池セルを含んでいてもよい。前記第1の電池セルの前記正極および前記負極の一方に電気的に接続された前記電池タブは、前記第1種類の電池タブに属していてもよい。前記第1の電池セルの前記正極および前記負極の他方に電気的に接続された前記電池タブは、前記第2種類の電池タブに属していてもよい。
【0026】
1つの電池セル(例えば第1電池セル)に電気的に接続される電池タブのうち、正極および負極の一方に電気的に接続される電池タブが高温となりやすく、正極および負極の他方に電気的に接続される電池タブが高温となりにくいことがある。上記の構成によれば、第1電池セルに電気的に接続される電池タブのうち、高温となりやすいものを第1種類の電池タブとして板厚を大きくすることで、発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0027】
1またはそれ以上の実施形態において、前記複数の電池セルは、それぞれ、略円柱形状を有していてもよく、長手方向の一方の端部に前記正極が配置されていてもよく、前記長手方向の他方の端部に前記負極が配置されていてもよく、前記長手方向が第1方向に沿うように並んで配置されていてもよい。前記第1方向の一方側で前記複数の電池セルの前記正極または前記負極に電気的に接続された電池タブのそれぞれは、前記第1種類の電池タブに属していてもよい。前記第1方向の他方側で前記複数の電池セルの前記正極または前記負極に電気的に接続された電池タブのそれぞれは、前記第2種類の電池タブに属していてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、第1方向の一方側の電池タブを共通の仕様で製造することができ、第1方向の他方側の電池タブを共通の仕様で製造することができるので、電池装置の製造をより容易なものとすることができる。
【0029】
1またはそれ以上の実施形態において、前記複数の電池セルが、前記複数の電池セルの中央近傍に配置された第1の電池セルと、前記第1の電池セルよりも外側に配置された第2の電池セルを備えていてもよい。前記第1の電池セルの前記正極または前記負極に電気的に接続された前記電池タブは、前記第1種類の電池タブに属していてもよい。前記第2の電池セルの前記正極または前記負極に電気的に接続された前記電池タブは、前記第2種類の電池タブに属していてもよい。
【0030】
一般に、複数の電池セルのうち、中央近傍に配置された電池セルは熱がこもりやすく、その電池セルに電気的に接続された電池タブは高温となりやすい。これに対して、外側に配置された電池セルは熱がこもりにくく、その電池セルに電気的に接続された電池タブは高温となりにくい。上記の構成によれば、高温となりやすい電池タブを第1種類の電池タブとして板厚を大きくすることで、発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブのうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0031】
1またはそれ以上の実施形態において、前記第1種類の電池タブと、前記第2種類の電池タブは、それぞれ、単一の板材から構成されていてもよい。前記第1種類の電池タブの全体の板厚は、前記第2種類の電池タブの全体の板厚よりも大きくてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、部品点数を増大させることなく、第1種類の電池タブの板厚を大きくすることができる。
【0033】
1またはそれ以上の実施形態において、前記第1種類の電池タブは、第1の板材および前記第1の板材に重ね合わされた第2の板材から構成されていてもよい。
【0034】
上記の構成によれば、簡素な構成により、第1種類の電池タブの板厚を大きくすることができる。
【0035】
1またはそれ以上の実施形態において、前記第1の板材は、前記少なくとも1つのセル接続部に対応する少なくとも1つの第1のセル接続部を有していてもよい。前記第2の板材は、前記少なくとも1つのセル接続部に対応する部分を有していなくてもよい。
【0036】
上記の構成によれば、第1の板材に第2の板材が重ね合わされた状態で、第1のセル接続部と電池セルの接合作業を行うことができる。
【0037】
1またはそれ以上の実施形態において、前記電池装置は、回路基板をさらに備えていてもよい。前記複数の電池タブのそれぞれは、前記回路基板に電気的に接続された回路接続部をさらに有していてもよい。前記第1種類の電池タブは、第1の板材および前記第1の板材に重ね合わされた第2の板材から構成されていてもよい。前記第1の板材は、前記回路接続部に対応する第1の回路接続部を有していてもよい。前記第2の板材が、前記回路接続部に対応する第2の回路接続部を有していてもよい。前記第1の回路接続部と前記第2の回路接続部は、共通のはんだで前記回路基板に接合されていてもよい。
【0038】
上記の構成によれば、回路基板への第1の回路接続部のはんだ付けと、回路基板への第2の回路接続部のはんだ付けを、共通の工程で行うことができる。電池装置の製造をより容易なものとすることができる。
【0039】
1またはそれ以上の実施形態において、前記第1の回路接続部と前記第2の回路接続部が、前記回路基板に形成された共通の貫通孔に差し込まれていてもよい。
【0040】
上記の構成によれば、第1の回路接続部が差し込まれる貫通孔と、第2の回路接続部が差し込まれる貫通孔を、回路基板に別個に設ける場合に比べて、回路基板の実装面積を広く確保することができる。
【0041】
1またはそれ以上の実施形態において、前記電池装置は、回路基板をさらに備えていてもよい。前記複数の電池タブのそれぞれは、前記回路基板に電気的に接続された回路接続部をさらに有していてもよい。前記第1種類の電池タブは、第1の板材および前記第1の板材に重ね合わされた第2の板材から構成されていてもよい。前記第1の板材は、前記回路接続部に対応する第1の回路接続部を有していてもよい。前記第2の板材は、前記回路接続部に対応する部分を有していなくてもよい。
【0042】
上記の構成によれば、第1の板材と第2の板材の両方ともが回路基板に接合される場合に比べて、回路基板の実装面積を広く確保することができる。
【0043】
(実施例1)
図1に示す本実施例の電池パック2は、電気機器(図示せず)の電池パック取付部(図示せず)に取り付けて使用される。電気機器は、電池パック2から供給される電力によって動作する電気機器であってもよい。電気機器は、例えば、ドライバやドリル等のモータを動力源とする電動工具であってもよいし、草刈機やブロワ等のモータを動力源とする電動作業機であってもよい。あるいは、電気機器は、ライトやラジオ、スピーカ等の、モータを備えていない電気機器であってもよい。あるいは、電気機器は、電池パック2に対して電力を供給する充電器であってもよい。電池パック2の定格電圧は、例えば36Vである。電池パック2の最大電圧は、例えば40Vである。電池パック2の定格容量は、例えば2.0Ahである。以下では、電池パック2を電池パック取付部に取り付ける際に電池パック2をスライドさせる方向を後方向といい、電池パック2を電池パック取付部から取り外す際に電池パック2をスライドさせる方向を前方向という。また、電池パック2を電池パック取付部に取り付けた状態で、電池パック2から見て電池パック取付部が位置する方向を上方向といい、上方向の逆方向を下方向という。さらに、前後方向および上下方向に直交する方向を左右方向という。
【0044】
電池パック2は、ケーシング10と、ケーシング10の内部に収容された電池セルユニット12(
図2参照)を備えている。ケーシング10は、下ケーシング14と、上ケーシング16を備えている。下ケーシング14と上ケーシング16は、締結具(図示せず)によって互いに固定されている。
【0045】
図2に示すように、電池セルユニット12は、複数の電池セル18(
図3参照)と、複数の電池セル18を保持する樹脂製のセルホルダ20と、セルホルダ20の上方でセルホルダ20に保持された制御回路基板22を備えている。制御回路基板22の上面には、電池側端子23が設けられている。電池側端子23は、電池パック2が電気機器の電池パック取付部に取り付けられた時に、電気機器の機器側端子(図示せず)と機械的に係合し、かつ電気的に接続する。
【0046】
図3、
図4に示すように、複数の電池セル18のそれぞれは、例えば略円柱形状を有する二次電池セルであり、例えばリチウムイオン電池セルである。複数の電池セル18のそれぞれは、例えば、18650型のセル形状を有し、定格容量が2.0Ahであり、定格電圧が3.6Vである。複数の電池セル18は、長手方向が左右方向に沿うように、前後方向および上下方向に並んで配置されている。本実施例では、複数の電池セル18は、上下方向に2個、前後方向に5個が並んだ、計10個の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42を備えている。複数の電池セル18の上側の段には、前方から後方に向かって、電池セル24,26,28,30,32が並んでおり、複数の電池セル18の下側の段には、前方から後方に向かって、電池セル34,36,38,40,42が並んでいる。電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42は、それぞれ、正極24a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,38a,40a,42aと、負極24b,26b,28b,30b,32b,34b,36b,38b,40b,42bを備えている。
図5に示すように、電池セル24,26,28,30,42は、正極24a,26a,28a,30a,42aがセルホルダ20の左面に露出し、負極24b,26b,28b,30b,42bがセルホルダ20の右面に露出するように、セルホルダ20に保持されている。電池セル32,34,36,38,40は、正極32a,34a,36a,38a,40aがセルホルダ20の右面に露出し、負極32b,34b,36b,38b,40bがセルホルダ20の左面に露出するように、セルホルダ20に保持されている。
【0047】
複数の電池セル18には、複数の電池タブ19が取り付けられている。複数の電池タブ19は、何れも、金属製の部材である。複数の電池タブ19は、セルホルダ20の右側に配置された電池タブ44,46,48,50,52,54と、セルホルダ20の左側に配置された電池タブ56,58,60,62,64を備えている。
図3に示すように、電池タブ44は、プレート部44aと、リード部44bと、回路接続部44cと、セル接続部44dを備えている。電池タブ46は、プレート部46aと、リード部46bと、回路接続部46cと、セル接続部46d,46eを備えている。電池タブ48は、プレート部48aと、リード部48bと、回路接続部48cと、セル接続部48d,48eを備えている。電池タブ50は、プレート部50aと、リード部50bと、回路接続部50cと、セル接続部50d,50eを備えている。電池タブ52は、プレート部52aと、リード部52bと、回路接続部52cと、セル接続部52d,52eを備えている。電池タブ54は、プレート部54aと、リード部54bと、回路接続部54cと、セル接続部54dを備えている。
図4に示すように、電池タブ56は、プレート部56aと、リード部56bと、回路接続部56cと、セル接続部56d,56eを備えている。電池タブ58は、プレート部58aと、リード部58bと、回路接続部58cと、セル接続部58d,58eを備えている。電池タブ60は、プレート部60aと、リード部60bと、回路接続部60cと、セル接続部60d,60eを備えている。電池タブ62は、プレート部62aと、リード部62bと、回路接続部62cと、セル接続部62d,62eを備えている。電池タブ64は、プレート部64aと、リード部64bと、回路接続部64cと、セル接続部64d,64eを備えている。
【0048】
図3に示すように、電池タブ44のセル接続部44d、電池タブ46のセル接続部46d,46e、電池タブ48のセル接続部48d,48e、電池タブ50のセル接続部50d,50e、電池タブ52のセル接続部52d、52e、電池タブ54のセル接続部54dは、それぞれ、電池セル24の負極24b、電池セル26の負極26b、電池セル34の正極34a、電池セル28の負極28b、電池セル36の正極36a、電池セル30の負極30b、電池セル38の正極38a、電池セル40の正極40a、電池セル42の負極42b、電池セル30の正極30aにスポット溶接されている。
【0049】
図4に示すように、電池タブ56のセル接続部56d,56e、電池タブ58のセル接続部58d,58e、電池タブ60のセル接続部60d,60e、電池タブ62のセル接続部62d,62e、電池タブ64のセル接続部64d,64eは、それぞれ、電池セル24の正極24a、電池セル34の負極34b、電池セル26の正極26a、電池セル36の負極36b、電池セル28の正極28a、電池セル38の負極38b、電池セル30の正極30a、電池セル40の負極40b、電池セル32の負極32b、電池セル42の正極42aにスポット溶接されている。
【0050】
本実施例の電池パック2では、複数の電池セル18と複数の電池タブ19は、電池タブ44、電池セル24、電池タブ56、電池セル34、電池タブ46、電池セル26、電池タブ58、電池セル36、電池タブ48、電池セル28、電池タブ60、電池セル38、電池タブ50、電池セル30、電池タブ62、電池セル40、電池タブ52、電池セル42、電池タブ64、電池セル32、電池タブ54の順に、電気的に直列に接続されている。
【0051】
図5に示すように、セルホルダ20の右側に配置される電池タブ44,46,48,50,52,54は、内面側をフィルム88によって覆われており、外面側をフィルム90によって覆われている。電池タブ44,46,48,50,52,54のうち、回路接続部44c,46c,48c,50c,52c,54cとセル接続部44d,46d,46e,48d,48e,50d,50e,52d,52e,54dについては、フィルム88,90で覆われていない。このため、電池タブ44,46,48,50,52,54は、フィルム88,90が取り付けられた状態で、セル接続部44d,46d,46e,48d,48e,50d,50e,52d,52e,54dの電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42へのスポット溶接や、回路接続部44c,46c,48c,50c,52c,54cの制御回路基板22へのはんだ付けを行うことができる。また、電池タブ44,46,48,50,52,54には、フィルム90の外側に防水シート92が貼着されている。防水シート92は、例えばシリコーンゴムで構成されており、水分や導電性の異物が付着して電池タブ44,46,48,50,52,54の間が電気的に短絡することを抑制する。
【0052】
セルホルダ20の左側に配置される電池タブ56,58,60,62,64は、内面側をフィルム94によって覆われており、外面側をフィルム96によって覆われている。電池タブ56,58,60,62,64のうち、回路接続部56c,58c,60c,62c,64cとセル接続部56d,56e,58d,58e,60d,60e,62d,62e,64d,64eについては、フィルム94,96で覆われていない。このため、電池タブ56,58,60,62,64は、フィルム94,96が取り付けられた状態で、セル接続部56d,56e,58d,58e,60d,60e,62d,62e,64d,64eの電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42へのスポット溶接や、回路接続部56c,58c,60c,62c,64cの制御回路基板22へのはんだ付けを行うことができる。また、電池タブ56,58,60,62,64には、フィルム96の外側に防水シート98が貼着されている。防水シート98は、例えばシリコーンゴムで構成されており、水分や導電性の異物が付着して電池タブ56,58,60,62,64の間が電気的に短絡することを抑制する。
【0053】
図2に示すように、電池タブ44の回路接続部44cは、制御回路基板22に形成された負極電源用開口66に差し込まれており、はんだ66aによって制御回路基板22の負極電源端子(図示せず)に電気的に接続されている。電池タブ54の回路接続部54cは、制御回路基板22に形成された正極電源用開口68に差し込まれており、はんだ68aによって制御回路基板22の正極電源端子(図示せず)に電気的に接続されている。電池タブ46,48,50,52,56,58,60,62,64の回路接続部46c,48c,50c,52c,56c,58c,60c,62c,64cは、制御回路基板22に形成されたセル電圧検出用開口70,72,74,76,78,80,82,84,86に差し込まれており、はんだ70a,72a,74a,76a,78a,80a,82a,84a,86aによって制御回路基板22のセル電圧検出端子(図示せず)に電気的に接続されている。
【0054】
電池タブ46,48,50,52,56,58,60,62,64のリード部46b,48b,50b,52b,56b,58b,60b,62b,64bと回路接続部46c,48c,50c,52c,56c,58c,60c,62c,64cは、複数の電池セル18のそれぞれのセル電圧を検出するために使用されるので、それほど大きな電流が流れない。このため、板厚が小さくてもそれほど発熱せず、それほど高温となることはない。これに対して、電池タブ44,54のリード部44b,54bと回路接続部44c、54cは、複数の電池セル18への充電や、複数の電池セル18からの放電のために使用されるので、大きな電流が流れる。このため、板厚が小さいと発熱量が大きくなり、過度に高温となるおそれがある。そこで、本実施例の電池パック2では、電池タブ44,54の板厚を大きくすることで、リード部44b,54bや回路接続部44c、54cでの発熱量が過大となることを抑制し、リード部44b,54bや回路接続部44c、54cが過度に高温となってしまうことを抑制する。
【0055】
図6に示すように、本実施例の電池パック2では、単一の板材100を金型で打ち抜き加工することによって、セルホルダ20の右側に配置される電池タブ44,46,48,50,52,54を形成している。本実施例では、板材100の板厚は例えば0.2mmである。また、
図7に示すように、本実施例の電池パック2では、単一の板材102を金型で打ち抜き加工することによって、セルホルダ20の左側に配置される電池タブ56,58,60,62,64を形成している。本実施例では、板材102の板厚は例えば0.15mmである。このような構成とすることによって、電池タブ44,54の板厚を電池タブ56,58,60,62,64の板厚よりも大きくすることができる。これによって、リード部44b,54bや回路接続部44c、54cでの発熱量が過大となることを抑制し、リード部44b,54bや回路接続部44c、54cが過度に高温となってしまうことを抑制することができる。
【0056】
あるいは、
図8に示すように、電池タブ44,46,48,50,52,54を、第1の板材104,106,108,110,112,114と、第2の板材124,126,128,130,132,134の2枚重ねとする構成としてもよい。第1の板材104,106,108,110,112,114は、単一の板材を金型で打ち抜き加工することによって形成されている。第1の板材104,106,108,110,112,114の板厚は、例えば0.15mmである。第2の板材124,126,128,130,132,134は、単一の板材を金型で打ち抜き加工することによって形成されている。第2の板材124,126,128,130,132,134の板厚は、例えば0.15mmである。
【0057】
図8に示す例では、第1の板材104は、プレート部104aと、リード部104bと、回路接続部104cと、セル接続部104dを備えており、第2の板材124は、プレート部124aと、リード部124bと、回路接続部124cのみを備えている。第1の板材106は、プレート部106aと、リード部106bと、回路接続部106cと、セル接続部106d,106eを備えており、第2の板材126は、プレート部126aのみを備えている。第1の板材108は、プレート部108aと、リード部108bと、回路接続部108cと、セル接続部108d,108eを備えており、第2の板材128はプレート部128aのみを備えている。第1の板材110は、プレート部110aと、リード部110bと、回路接続部110cと、セル接続部110d,110eを備えており、第2の板材130はプレート部130aのみを備えている。第1の板材112は、プレート部112aと、リード部112bと、回路接続部112cと、セル接続部112d,112eを備えており、第2の板材132はプレート部132aのみを備えている。第1の板材114は、プレート部114aと、リード部114bと、回路接続部114cと、セル接続部114dを備えており、第2の板材134は、プレート部134aと、リード部134bと、回路接続部134cのみを備えている。
【0058】
図8に示す構成では、電池タブ44,54のリード部44b,54bや回路接続部44c,54cの板厚は、第1の板材104,114のリード部104b,114bや回路接続部104c,114cの板厚(例えば0.15mm)と、第2の板材124,134のリード部124b,134bや回路接続部124c,134c(例えば0.15mm)を加算したものとなる。このような構成とすることによって、リード部44b,54bや回路接続部44c、54cの発熱量が過大となることを抑制し、リード部44b,54bや回路接続部44c、54cが過度に高温となってしまうことを抑制することができる。なお、電池タブ56,58,60,62,64(
図3参照)についても、
図8に示す電池タブ46,48,50,52と同様の構成としてもよい。
【0059】
あるいは、
図9に示すように、電池タブ44,54のみを、第1の板材104,114と、第2の板材124,134の2枚重ねとする構成としてもよい。
図9に示す構成でも、電池タブ44,54のリード部44b,54bや回路接続部44c,54cの板厚は、第1の板材104,114のリード部104b,114bや回路接続部104c,114cの板厚(例えば0.15mm)と、第2の板材124,134のリード部124b,134bや回路接続部124c,134c(例えば0.15mm)を加算したものとなる。このような構成とすることによって、リード部44b,54bや回路接続部44c、54cの発熱量が過大となることを抑制し、リード部44b,54bや回路接続部44c、54cが過度に高温となってしまうことを抑制することができる。
【0060】
以上のように、1またはそれ以上の実施形態において、電池パック2(電池装置の例)は、それぞれが、正極24a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,38a,40a,42aおよび負極24b,26b,28b,30b,32b,34b,36b,38b,40b,42bを有する、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42と、それぞれが、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42の何れかの正極24a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,38a,40a,42aまたは負極24b,26b,28b,30b,32b,34b,36b,38b,40b,42bに電気的に接続されたセル接続部44d,46d,46e,48d,48e,50d,50e,52d,52e,54d,56d,56e,58d,58e,60d,60e,62d,62e,64d,64e(少なくとも1つのセル接続部の例)と、セル接続部44d,46d,46e,48d,48e,50d,50e,52d,52e,54d,56d,56e,58d,58e,60d,60e,62d,62e,64d,64eと一体的に形成されたプレート部44a,46a,48a,50a,52a,54a,56a,58a,60a,62a,64aを有する、複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64を備えている。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のそれぞれは、第1種類の電池タブおよび第2種類の電池タブの何れかに属している。前記第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)の少なくとも一部(例えばリード部44b,54b)の板厚が、前記第2種類の電池タブ(例えば電池タブ56,64)の少なくとも一部(例えばリード部56b,64b)の板厚よりも大きい。
【0061】
複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のそれぞれの箇所は、電流が流れる際の発熱によって温度上昇する。電流が流れる箇所の板厚が小さい場合、電気抵抗が大きいので、発熱量が大きく温度上昇しやすい。逆に、電流が流れる箇所の板厚が大きい場合、電気抵抗が小さいので、発熱量が小さく温度上昇しにくい。上記の構成によれば、高温となりやすい箇所を有する電池タブ(例えば電池タブ44,54)を第1種類の電池タブとし、高温となりやすい箇所(例えばリード部44b,54b)の板厚を大きくすることで、高温となりやすい箇所の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0062】
1またはそれ以上の実施形態において、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)の少なくとも一部(例えばリード部44b,54b)を流れる電流は、第2種類の電池タブ(例えば電池タブ56,64)の少なくとも一部(例えばリード部56b,64b)を流れる電流よりも大きい。
【0063】
複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のうち、大きな電流が流れる箇所は、発熱量が大きいので、温度上昇しやすく、それほど大きな電流が流れない箇所は、発熱量が小さいので、温度上昇しにくい。上記の構成によれば、複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のうち、大きな電流が流れる箇所(例えばリード部44b,54b)の板厚を大きくすることで、発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0064】
1またはそれ以上の実施形態において、電池パック2は、制御回路基板22(回路基板の例)をさらに備えている。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のそれぞれは、制御回路基板22に電気的に接続された回路接続部44c,46c,48c,50c,52c,54c,56c,58c,60c,62c,64cと、回路接続部44c,46c,48c,50c,52c,54c,56c,58c,60c,62c,64cおよびプレート部44a,46a,48a,50a,52a,54a,56a,58a,60a,62a,64aと一体的に形成されたリード部44b,46b,48b,50b,52b,54b,56b,58b,60b,62b,64bをさらに有している。第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)の少なくとも一部は、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)のリード部(例えばリード部44b,54b)を含んでいる。第2種類の電池タブ(例えば電池タブ56,64)の少なくとも一部は、第2種類の電池タブ(例えば電池タブ56,64)のリード部(例えばリード部56b,64b)を含んでいる。
【0065】
複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64の回路接続部44c,46c,48c,50c,52c,54c,56c,58c,60c,62c,64cのそれぞれが制御回路基板22に電気的に接続される場合、複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64の中には、リード部44b,46b,48b,50b,52b,54b,56b,58b,60b,62b,64bに大きな電流が流れるものと、リード部44b,46b,48b,50b,52b,54b,56b,58b,60b,62b,64bにそれほど大きな電流が流れないものがある。上記の構成によれば、リード部(例えばリード部44b,54b)に大きな電流が流れる電池タブ(例えば電池タブ44,54)を第1種類の電池タブとし、そのリード部(例えばリード部44b,54b)の板厚を大きくすることで、そのリード部(例えばリード部44b,54b)の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0066】
1またはそれ以上の実施形態において、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)の少なくとも一部は、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)の回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)を含んでいる。第2種類の電池タブ(例えば電池タブ56,64)の少なくとも一部は、第2種類の電池タブ(例えば電池タブ56,64)の回路接続部(例えば回路接続部56c,64c)を含んでいる。
【0067】
複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64の回路接続部44c,46c,48c,50c,52c,54c,56c,58c,60c,62c,64cのそれぞれが制御回路基板22に電気的に接続される場合、複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64の中には、回路接続部44c,46c,48c,50c,52c,54c,56c,58c,60c,62c,64cに大きな電流が流れるものと、回路接続部44c,46c,48c,50c,52c,54c,56c,58c,60c,62c,64cにそれほど大きな電流が流れないものがある。上記の構成によれば、回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)に大きな電流が流れる電池タブ(例えば電池タブ44,54)を第1種類の電池タブとし、その回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の板厚を大きくすることで、その回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0068】
1またはそれ以上の実施形態において、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)の回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の幅は、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)のリード部(例えばリード部44b,54b)の幅よりも小さい。
【0069】
電池タブ(例えば電池タブ44,54)において、回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の幅がリード部(例えばリード部44b,54b)の幅よりも小さい場合、回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の電気抵抗が大きいので、発熱量が大きく、温度上昇しやすい。上記の構成によれば、回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の電気抵抗が大きい電池タブ(例えば電池タブ44,54)を第1種類の電池タブとし、その回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の板厚を大きくすることで、その回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0070】
1またはそれ以上の実施形態において、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)の回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の幅は、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)のプレート部(例えばプレート部44a,54a)の幅よりも小さい。
【0071】
電池タブ(例えば電池タブ44,54)において、回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の幅がプレート部(例えばプレート部44a,54a)の幅よりも小さい場合、回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の電気抵抗が大きいので、発熱量が大きく、温度上昇しやすい。上記の構成によれば、回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の電気抵抗が大きい電池タブ(例えば電池タブ44,54)を第1種類の電池タブとし、その回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の板厚を大きくすることで、その回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0072】
1またはそれ以上の実施形態において、制御回路基板22は、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42への充電や複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42からの放電のための正極電源端子および負極電源端子と、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42のそれぞれのセル電圧を検出するためのセル電圧検出用端子を備えている。第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)の回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)は、正極電源端子または負極電源端子に電気的に接続されている。第2種類の電池タブ(例えば電池タブ56,64)の回路接続部(例えば回路接続部56c,64c)は、セル電圧検出用端子に電気的に接続されている。
【0073】
上記の構成では、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)のリード部(例えばリード部44b,54b)や回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)には、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42への充電や複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42からの放電のための電流が流れるので、大きな電流が流れる。これに対して、第2種類の電池タブ(例えば電池タブ56,64)のリード部(例えばリード部56b,64b)や回路接続部(例えば回路接続部56c,64c)には、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42のそれぞれのセル電圧を検出するための電流が流れるので、それほど大きな電流は流れない。上記の構成によれば、複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のうち、のリード部(例えばリード部44b,54b)や回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)に大きな電流が流れる電池タブ(例えば電池タブ44,54)を第1種類の電池タブとし、そのリード部(例えばリード部44b,54b)や回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の板厚を大きくすることで、そのリード部(例えばリード部44b,54b)や回路接続部(例えば回路接続部44c,54c)の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0074】
1またはそれ以上の実施形態において、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42は、電池セル24(または電池セル32)(第1の電池セルの例)を含んでいる。電池セル24の負極24b(または電池セル32の正極32a)に電気的に接続された電池タブ44(または電池タブ54)は、第1種類の電池タブに属している。電池セル24の正極24a(または電池セル32の負極32b)に電気的に接続された電池タブ56(または電池タブ64)は、第2種類の電池タブに属している。
【0075】
電池セル24(または電池セル32)に電気的に接続される電池タブ44,56(または電池タブ54,64)のうち、負極24bに電気的に接続される電池タブ44(または正極32aに電気的に接続される電池タブ54)は高温となりやすく、正極24aに電気的に接続される電池タブ56(または負極32bに電気的に接続される電池タブ64)は高温となりにくい。上記の構成によれば、電池セル24(または電池セル32)に電気的に接続される電池タブ44,56(または電池タブ54,64)のうち、高温となりやすい電池タブ44(または電池タブ54)を第1種類の電池タブとして板厚を大きくすることで、発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0076】
1またはそれ以上の実施形態において、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42は、それぞれ、略円柱形状を有しており、長手方向の一方の端部に正極24a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,38a,40a,42aが配置されており、長手方向の他方の端部に負極24b,26b,28b,30b,32b,34b,36b,38b,40b,42bが配置されており、長手方向が左右方向(第1方向の例)に沿うように並んで配置されている。右側で複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42の正極32a,34a,36a,38a,40aまたは負極24b,26b,28b,30b,42bに電気的に接続された電池タブ44,46,48,50,52,54のそれぞれは、第1種類の電池タブに属している。左側で複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42の正極24a,26a,28a,30a,42aまたは負極32b,34b,36b,38b,40bに電気的に接続された電池タブ56,58,60,62,64のそれぞれは、第2種類の電池タブに属している。
【0077】
上記の構成によれば、右側の電池タブ44,46,48,50,52,54を共通の仕様で製造することができ、左側の電池タブ56,58,60,62,64を共通の仕様で製造することができるので、電池パック2の製造をより容易なものとすることができる。
【0078】
1またはそれ以上の実施形態において、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)と、第2種類の電池タブ(例えば電池タブ56,64)は、それぞれ、単一の板材(例えば板材100,102)から構成されている。第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)の全体の板厚は、第2種類の電池タブ(例えば電池タブ56,64)の全体の板厚よりも大きい。
【0079】
上記の構成によれば、部品点数を増大させることなく、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)の板厚を大きくすることができる。
【0080】
1またはそれ以上の実施形態において、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)は、第1の板材(例えば第1の板材104,114)および第1の板材に重ね合わされた第2の板材(例えば第2の板材124,134)から構成されている。
【0081】
上記の構成によれば、簡素な構成により、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)の板厚を大きくすることができる。
【0082】
1またはそれ以上の実施形態において、第1の板材(例えば第1の板材104,114)は、セル接続部に対応する第1のセル接続部(例えばセル接続部104d,114d)
を有している。第2の板材(例えば第2の板材124,134)は、セル接続部に対応する部分を有していない。
【0083】
上記の構成によれば、第1の板材(例えば第1の板材104,114)に第2の板材(例えば第2の板材124,134)が重ね合わされた状態で、第1のセル接続部(例えばセル接続部104d,114d)と電池セル(例えば電池セル24,32)の接合作業を行うことができる。
【0084】
1またはそれ以上の実施形態において、電池パック2は、制御回路基板22(回路基板の例)をさらに備えている。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のそれぞれは、制御回路基板22に電気的に接続された回路接続部44c,46c,48c,50c,52c,54c,56c,58c,60c,62c,64cをさらに有している。第1種類の電池タブ(例えば電池タブ44,54)は、第1の板材(例えば第1の板材104,114)および第1の板材に重ね合わされた第2の板材(例えば第2の板材124,134)から構成されている。第1の板材は、回路接続部に対応する第1の回路接続部(例えば回路接続部104c,114c)を有している。第2の板材は、回路接続部に対応する第2の回路接続部(例えば回路接続部124c,134c)を有している。第1の回路接続部と第2の回路接続部は、共通のはんだ(例えばはんだ66a,68a)で制御回路基板22に接合されている。
【0085】
上記の構成によれば、制御回路基板22への第1の回路接続部(例えば回路接続部104c,114c)のはんだ付けと、制御回路基板22への第2の回路接続部(例えば回路接続部124c,134c)のはんだ付けを、共通の工程で行うことができる。電池パック2の製造をより容易なものとすることができる。
【0086】
1またはそれ以上の実施形態において、第1の回路接続部(例えば回路接続部104c,114c)と第2の回路接続部(例えば回路接続部124c,134c)が、制御回路基板22に形成された共通の貫通孔(例えば負極電源用開口66,正極電源用開口68)に差し込まれている。
【0087】
上記の構成によれば、第1の回路接続部(例えば回路接続部104c,114c)が差し込まれる貫通孔と、第2の回路接続部(例えば回路接続部124c,134c)が差し込まれる貫通孔を、制御回路基板22に別個に設ける場合に比べて、制御回路基板22の実装面積を広く確保することができる。
【0088】
1またはそれ以上の実施形態において、電池パック2は、制御回路基板22をさらに備えている。複数の電池タブ44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64のそれぞれは、制御回路基板22に電気的に接続された回路接続部44c,46c,48c,50c,52c,54c,56c,58c,60c,62c,64cをさらに有している。第1種類の電池タブ(例えば電池タブ46,48,50,52)は、第1の板材(例えば第1の板材106,108,110,112)および第1の板材に重ね合わされた第2の板材(例えば第2の板材126,128,130,132)から構成されている。第1の板材(例えば第1の板材106,108,110,112)は、回路接続部に対応する第1の回路接続部(例えば回路接続部106c,108c,110c,112c)を有している。第2の板材(例えば第2の板材126,128,130,132)は、回路接続部に対応する部分を有していない。
【0089】
上記の構成によれば、第1の板材(例えば第1の板材106,108,110,112)と第2の板材(例えば第2の板材126,128,130,132)の両方ともが制御回路基板22に接合される場合に比べて、制御回路基板22の実装面積を広く確保することができる。
【0090】
(実施例2)
図10に示す本実施例の電池パック202は、実施例1の電池パック2と略同様の構成を備えている。以下では、実施例1の電池パック2と同様の構成については、同様の符号を付して詳細な説明を省略する。電池パック202の定格電圧は、例えば18Vである。電池パック202の最大電圧は、例えば20Vである。電池パック2の定格容量は、例えば4.0Ahである。
【0091】
電池パック202は、ケーシング10と、ケーシング10と、ケーシング10の内部に収容された電池セルユニット12(
図11参照)を備えている。ケーシング10は、下ケーシング14と、上ケーシング16を備えている。
【0092】
図11に示すように、電池セルユニット12は、複数の電池セル18(
図12参照)と、複数の電池セル18を保持する樹脂製のセルホルダ20と、セルホルダ20の上方でセルホルダ20に保持された制御回路基板22を備えている。制御回路基板22の上面には、電池側端子23が設けられている。
【0093】
図12に示すように、複数の電池セル18は、上下方向に2個、前後方向に5個が並んだ、計10個の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42を備えている。本実施例では、電池セル24,28,32,34,38,42は、正極24a,28a,32a,34a,38a,42aがセルホルダ20の左面に露出し、負極24b,28b,32b,34b,38b,42bがセルホルダ20の右面に露出するように、セルホルダ20に保持されている。電池セル26,30,36,40は、正極26a,30a,36a,40aがセルホルダ20の右面に露出し、負極26b,30b,36b,40bがセルホルダ20の左面に露出するように、セルホルダ20に保持されている。
【0094】
複数の電池セル18には、複数の電池タブ19が取り付けられている。複数の電池タブ19は、何れも、金属製の部材である。複数の電池タブ19は、セルホルダ20の右側に配置された電池タブ204,206,208と、セルホルダ20の左側に配置された電池タブ210,212,214を備えている。電池タブ204は、プレート部204aと、リード部204bと、回路接続部204cと、セル接続部204d,204e,204f,204gを備えている。電池タブ206は、プレート部206aと、リード部206bと、回路接続部206cと、セル接続部206d,206e,206f,206gを備えている。電池タブ208は、プレート部208aと、リード部208bと、回路接続部208cと、セル接続部208d,208eを備えている。電池タブ210は、プレート部210aと、リード部210bと、回路接続部210cと、セル接続部210d,210eを備えている。電池タブ212は、プレート部212aと、リード部212bと、回路接続部212cと、セル接続部212d,212e,212f,212gを備えている。電池タブ214は、プレート部214aと、リード部214bと、回路接続部214cと、セル接続部214d,214e,214f,214gを備えている。
【0095】
電池タブ204のセル接続部204d,204e,204f,204g、電池タブ206のセル接続部206d,206e,206f,206g、電池タブ206のセル接続部206d,206eは、それぞれ、電池セル24の負極24b、電池セル34の負極34b、電池セル26の正極26a、電池セル36の正極36a、電池セル28の負極28b、電池セル38の負極38b、電池セル30の正極30a、電池セル40の正極40a、電池セル32の負極32b、電池セル42の負極42bにスポット溶接されている。
【0096】
電池タブ210のセル接続部210d,210e、電池タブ212のセル接続部212d,212e,212f,212g、電池タブ214のセル接続部214d,214e,214f,214gは、それぞれ、電池セル24の正極24a、電池セル34の正極34a、電池セル26の負極26b、電池セル36の負極36b、電池セル28の正極28a、電池セル38の正極38a、電池セル30の負極30b、電池セル40の負極40b、電池セル32の正極32a、電池セル42の正極42aにスポット溶接されている。
【0097】
本実施例の電池パック202では、複数の電池セル18と複数の電池タブ19は、電池タブ208と電池タブ214により電気的に並列に接続された電池セル32および電池セル42と、電池タブ214と電池タブ206により電気的に並列に接続された電池セル30および電池セル40と、電池タブ206と電池タブ212により電気的に並列に接続された電池セル28および電池セル38と、電池タブ212と電池タブ204により電気的に並列に接続された電池セル26および電池セル36と、電池タブ204と電池タブ210により電気的に並列に接続された電池セル24および電池セル34が、電気的に直列に接続されている。
【0098】
図11に示すように、電池タブ208の回路接続部208cは、制御回路基板22に形成された負極電源用開口216に差し込まれており、はんだ(図示せず)によって制御回路基板22の負極電源端子(図示せず)に電気的に接続されている。電池タブ210の回路接続部210cは、制御回路基板22に形成された正極電源用開口218に差し込まれており、はんだ(図示せず)によって制御回路基板22の正極電源端子(図示せず)に電気的に接続されている。電池タブ204,206,212,214の回路接続部204c,206c,212c,214cは、制御回路基板22に形成されたセル電圧検出用開口220,222,224,226に差し込まれており、はんだ(図示せず)によって制御回路基板22のセル電圧検出端子(図示せず)に電気的に接続されている。なお、電池タブ206,212には、防水シート228,230が貼付されている。防水シート228は、例えばシリコーンゴムで構成されており、水分や導電性の異物が付着して電池タブ204,206,208の間が電気的に短絡することを抑制する。防水シート230は、例えばシリコーンゴムで構成されており、水分や導電性の異物が付着して電池タブ210,212,214の間が電気的に短絡することを抑制する。
【0099】
電池タブ204,206,212,214のリード部204b,206b,212b,214bと回路接続部204c,206c,212c,214cは、複数の電池セル18のそれぞれのセル電圧を検出するために使用されるので、それほど大きな電流が流れない。このため、板厚が小さくても発熱量がそれほど大きくならず、それほど高温となることはない。これに対して、電池タブ208,210のリード部208b,210bと回路接続部208c,210cは、複数の電池セル18への充電や、複数の電池セル18からの放電のために使用されるので、大きな電流が流れる。このため、板厚が小さいと発熱量が過大となり、過度に高温となるおそれがある。そこで、本実施例の電池パック202では、電池タブ208,210の板厚を大きくすることで、リード部208b,210bや回路接続部208c,210cの発熱量が過大となることを抑制し、リード部208b,210bや回路接続部208c,210cが過度に高温となってしまうことを抑制する。
【0100】
本実施例の電池パック202では、電池タブ204,206,208,210,212,214が、それぞれ、別個の板材を金型で打ち抜き加工することによって形成されている。本実施例では、電池タブ208,210は、例えば板厚が0.2mmの板材を金型で打ち抜き加工することで形成されており、電池タブ204,206,212,214は、例えば板厚が0.15mmの板材を金型で打ち抜き加工することで形成されている。このような構成とすることによって、電池タブ208,210の板厚を電池タブ204,206,212,214の板厚よりも大きくすることができる。これによって、リード部208b,210bや回路接続部208c,210cの発熱量が過大となることを抑制し、リード部208b,210bや回路接続部208c,210cが過度に高温となってしまうことを抑制することができる。
【0101】
また、本実施例の電池パック202では、内側に配置された電池セル28,38は、それよりも外側に配置された電池セル24,26,30,32,34,36,40,42よりも熱がこもりやすく、高温となりやすい。このため、例えば、電池タブ204,206,212,214のうち、電池セル28,38に取り付けられる電池タブ206,212については、例えば板厚が0.2mmの板材を金型で打ち抜き加工することで形成し、電池セル28,38に取り付けられていない電池タブ204,214については、例えば板厚が0.15mmの板材を金型で打ち抜き加工することで形成してもよい。このような構成とすることによって、電池セル28,38に取り付けられた電池タブ204,214の発熱量を低減し、電池タブ204,214が過度に高温となってしまうことを抑制することができる。
【0102】
以上のように、1またはそれ以上の実施形態において、電池パック202(電池装置の例)は、それぞれが、正極24a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,38a,40a,42aおよび負極24b,26b,28b,30b,32b,34b,36b,38b,40b,42bを有する、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42と、それぞれが、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42の何れかの正極24a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,38a,40a,42aまたは負極24b,26b,28b,30b,32b,34b,36b,38b,40b,42bに電気的に接続されたセル接続部204d,204e,204f,204g,206d,206e,206f,206g,208d,208e,210d,210e,212d,212e,212f,212g,214d,214e,214f,214g(少なくとも1つのセル接続部の例)と、セル接続部204d,204e,204f,204g,206d,206e,206f,206g,208d,208e,210d,210e,212d,212e,212f,212g,214d,214e,214f,214gと一体的に形成されたプレート部204a,206a,208a,210a,212a,214aを有する、複数の電池タブ204,206,208,210,212,214を備えている。複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のそれぞれは、第1種類の電池タブおよび第2種類の電池タブの何れかに属している。第1種類の電池タブ(例えば電池タブ206,208,210,212)の少なくとも一部(例えばプレート部206a,212a,リード部208b,210b)の板厚が、第2種類の電池タブ(例えば電池タブ204,214)の少なくとも一部(例えばプレート部204a,214a、リード部204b,214b)の板厚よりも大きい。
【0103】
複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のそれぞれの箇所は、電流が流れる際の発熱によって温度上昇する。電流が流れる箇所の板厚が小さい場合、電気抵抗が大きいので、発熱量が大きく温度上昇しやすい。逆に、電流が流れる箇所の板厚が大きい場合、電気抵抗が小さいので、発熱量が小さく温度上昇しにくい。上記の構成によれば、高温となりやすい箇所(例えばプレート部206a,212a,リード部208b,210b)を有する電池タブ(例えば電池タブ206,208,210,212)を第1種類の電池タブとし、高温となりやすい箇所(例えばプレート部206a,212a,リード部208b,210b)の板厚を大きくすることで、高温となりやすい箇所(例えばプレート部206a,212a,リード部208b,210b)の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0104】
1またはそれ以上の実施形態において、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ208,210)の少なくとも一部(例えばリード部208b,210b)を流れる電流が、第2種類の電池タブ(例えば電池タブ204,214)の少なくとも一部(例えばリード部204b,214b)を流れる電流よりも大きい。
【0105】
複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうち、大きな電流が流れる箇所(例えばリード部208b,210b)は、発熱量が大きいので、温度上昇しやすく、それほど大きな電流が流れない箇所(例えばリード部204b,214b)は、発熱量が小さいので、温度上昇しにくい。上記の構成によれば、複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうち、大きな電流が流れる箇所(例えばリード部208b,210b)の板厚を大きくすることで、発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0106】
1またはそれ以上の実施形態において、電池パック202は、制御回路基板22(回路基板の例)をさらに備えている。複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のそれぞれは、制御回路基板22に電気的に接続された回路接続部204c,206c,208c,210c,212c,214cと、回路接続部204c,206c,208c,210c,212c,214cおよびプレート部204a,206a,208a,210a,212a,214aと一体的に形成されたリード部204b,206b,208b,210b,212b,214bをさらに有している。第1種類の電池タブ(例えば電池タブ208,210)の少なくとも一部は、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ208,210)のリード部(例えばリード部208b,210b)を含んでいる。第2種類の電池タブ(例えば電池タブ204,214)の少なくとも一部は、第2種類の電池タブ(例えば電池タブ204,214)のリード部(例えばリード部204b,214b)を含んでいる。
【0107】
複数の電池タブ204,206,208,210,212,214の回路接続部204c,206c,208c,210c,212c,214cのそれぞれが制御回路基板22に電気的に接続される場合、複数の電池タブ204,206,208,210,212,214の中には、リード部204b,206b,208b,210b,212b,214bに大きな電流が流れるものと、リード部204b,206b,208b,210b,212b,214bにそれほど大きな電流が流れないものがある。上記の構成によれば、リード部(例えばリード部208b,210b)に大きな電流が流れる電池タブ(例えば電池タブ208,210)を第1種類の電池タブとし、そのリード部(例えばリード部208b,210b)の板厚を大きくすることで、そのリード部(例えばリード部208b,210b)の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0108】
1またはそれ以上の実施形態において、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ208,210)の少なくとも一部は、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ208,210)の回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)を含んでいる。第2種類の電池タブ(例えば電池タブ204,214)の少なくとも一部は、第2種類の電池タブ(例えば電池タブ204,214)の回路接続部(例えば回路接続部204c,214c)を含んでいる。
【0109】
複数の電池タブ204,206,208,210,212,214の回路接続部204c,206c,208c,210c,212c,214cのそれぞれが制御回路基板22に電気的に接続される場合、複数の電池タブ204,206,208,210,212,214の中には、回路接続部204c,206c,208c,210c,212c,214cに大きな電流が流れるものと、回路接続部204c,206c,208c,210c,212c,214cにそれほど大きな電流が流れないものがある。上記の構成によれば、回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)に大きな電流が流れる電池タブ(例えば電池タブ208,210)を第1種類の電池タブとし、その回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の板厚を大きくすることで、その回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0110】
1またはそれ以上の実施形態において、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ208,210)の回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の幅は、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ208,210)のリード部(例えばリード部208b,210b)の幅よりも小さい。
【0111】
電池タブ(例えば電池タブ208,210)において、回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の幅がリード部(例えばリード部208b,210b)の幅よりも小さい場合、回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の電気抵抗が大きいので、発熱量が大きく、温度上昇しやすい。上記の構成によれば、回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の電気抵抗が大きい電池タブ(例えば電池タブ208,210)を第1種類の電池タブとし、その回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の板厚を大きくすることで、その回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0112】
1またはそれ以上の実施形態において、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ208,210)の回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の幅は、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ208,210)のプレート部(例えばプレート部208a,210a)の幅よりも小さい。
【0113】
電池タブ(例えば電池タブ208,210)において、回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の幅がプレート部(例えばプレート部208a,210a)の幅よりも小さい場合、回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の電気抵抗が大きいので、発熱量が大きく、温度上昇しやすい。上記の構成によれば、回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の電気抵抗が大きい電池タブ(例えば電池タブ208,210)を第1種類の電池タブとし、その回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の板厚を大きくすることで、その回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0114】
1またはそれ以上の実施形態において、制御回路基板22は、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42への充電や複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42からの放電のための正極電源端子および負極電源端子と、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42のそれぞれのセル電圧を検出するためのセル電圧検出用端子を備えている。第1種類の電池タブ(例えば電池タブ208,210)の回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)は、正極電源端子または負極電源端子に電気的に接続されている。第2種類の電池タブ(例えば電池タブ204,214)の回路接続部(例えば回路接続部204c,214c)は、セル電圧検出用端子に電気的に接続されている。
【0115】
上記の構成では、第1種類の電池タブ(例えば電池タブ208,210)のリード部(例えばリード部208b,210b)や回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)には、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42への充電や複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42からの放電のための電流が流れるので、大きな電流が流れる。これに対して、第2種類の電池タブ(例えば電池タブ204,214)のリード部(例えばリード部204b,214b)や回路接続部(例えば回路接続部204c,214c)には、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42のそれぞれのセル電圧を検出するための電流が流れるので、それほど大きな電流は流れない。上記の構成によれば、複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうち、リード部(例えばリード部208b,210b)や回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)に大きな電流が流れる電池タブ(例えば電池タブ208,210)を第1種類の電池タブとし、そのリード部(例えばリード部208b,210b)や回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の板厚を大きくすることで、そのリード部(例えばリード部208b,210b)や回路接続部(例えば回路接続部208c,210c)の発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0116】
1またはそれ以上の実施形態において、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42は電池セル24,34(または電池セル32,42)(第1の電池セルの例)を含んでいる。電池セル24,34の正極24a,34a(または電池セル32,42の負極32b,42b)に電気的に接続された電池タブ210(または電池タブ208)は、第1種類の電池タブに属している。電池セル24,34の負極24b,34b(または電池セル32,42の正極32a,42a)に電気的に接続された電池タブ204(または電池タブ214)は、第2種類の電池タブに属している。
【0117】
電池セル24,34(または電池セル32,42)に電気的に接続される電池タブ204,210(または電池タブ208,214)のうち、正極24a,34a(または負極32b,42b)に電気的に接続される電池タブ210(または電池タブ208)は高温となりやすく、負極24b,34b(または正極32a,42a)に電気的に接続される電池タブ204(または電池タブ214)は高温となりにくい。上記の構成によれば、電池セル24,34(または電池セル32,42)に電気的に接続される電池タブ204,210(または電池タブ208,214)のうち、高温となりやすい電池タブ210(または電池タブ208)を第1種類の電池タブとして板厚を大きくすることで、発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0118】
1またはそれ以上の実施形態において、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42は、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42の中央近傍に配置された電池セル28,38(第1の電池セルの例)と、電池セル28,38よりも外側に配置された電池セル26,36(または電池セル30,40)(第2の電池セルの例)を備えている。電池セル28,38の負極28b,38b(または正極28a,38a)に電気的に接続された電池タブ206(または電池タブ212)は、第1種類の電池タブに属している。電池セル26,36の正極26a,36a(または電池セル30,40の負極30b,40b)に電気的に接続された電池タブ204(または電池タブ214)は、第2種類の電池タブに属している。
【0119】
一般に、複数の電池セル24,26,28,30,32,34,36,38,40,42のうち、中央近傍に配置された電池セル(例えば電池セル28,38)は熱がこもりやすく、その電池セルに電気的に接続された電池タブ(例えば電池タブ206,212)は高温となりやすい。これに対して、外側に配置された電池セル(例えば電池セル26,36,30,40)は熱がこもりにくく、その電池セルに電気的に接続された電池タブ(例えば電池タブ204,214)は高温となりにくい。上記の構成によれば、高温となりやすい電池タブ(例えば電池タブ206,212)を第1種類の電池タブとして板厚を大きくすることで、発熱量を低減させて、温度上昇を抑制することができる。複数の電池タブ204,206,208,210,212,214のうちの一部が過度に高温となることを抑制することができる。
【0120】
(変形例)
上記の各実施例では、電池装置が電池パック2,202である場合を例として説明したが、電池装置は他の種類の電池装置、例えば肩ベルトや腰ベルトが取り付けられており、ユーザが装着することが可能な装着型の電池装置であってもよい。この場合、電池装置と電気機器は、例えば接続コードによって電気的に接続されてもよい。
【0121】
上記の各実施例において、複数の電池セル18のそれぞれは、略円柱形状のものに限られず、いわゆる角型のものであってもよいし、ラミネート型のものであってもよい。
【符号の説明】
【0122】
2 :電池パック
10 :ケーシング
12 :電池セルユニット
14 :下ケーシング
16 :上ケーシング
18 :複数の電池セル
19 :複数の電池タブ
20 :セルホルダ
22 :制御回路基板
23 :電池側端子
24 :電池セル
24a :正極
24b :負極
26 :電池セル
26a :正極
26b :負極
28 :電池セル
28a :正極
28b :負極
30 :電池セル
30a :正極
30b :負極
32 :電池セル
32a :正極
32b :負極
34 :電池セル
34a :正極
34b :負極
36 :電池セル
36a :正極
36b :負極
38 :電池セル
38a :正極
38b :負極
40 :電池セル
40a :正極
40b :負極
42 :電池セル
42a :正極
42b :負極
44 :電池タブ
44a :プレート部
44b :リード部
44c :回路接続部
44d :セル接続部
46 :電池タブ
46a :プレート部
46b :リード部
46c :回路接続部
46d :セル接続部
46e :セル接続部
48 :電池タブ
48a :プレート部
48b :リード部
48c :回路接続部
48d :セル接続部
48e :セル接続部
50 :電池タブ
50a :プレート部
50b :リード部
50c :回路接続部
50d :セル接続部
50e :セル接続部
52 :電池タブ
52a :プレート部
52b :リード部
52c :回路接続部
52d :セル接続部
52e :セル接続部
54 :電池タブ
54a :プレート部
54b :リード部
54c :回路接続部
54d :セル接続部
56 :電池タブ
56a :プレート部
56b :リード部
56c :回路接続部
56d :セル接続部
56e :セル接続部
58 :電池タブ
58a :プレート部
58b :リード部
58c :回路接続部
58d :セル接続部
58e :セル接続部
60 :電池タブ
60a :プレート部
60b :リード部
60c :回路接続部
60d :セル接続部
60e :セル接続部
62 :電池タブ
62a :プレート部
62b :リード部
62c :回路接続部
62d :セル接続部
62e :セル接続部
64 :電池タブ
64a :プレート部
64b :リード部
64c :回路接続部
64d :セル接続部
64e :セル接続部
66 :負極電源用開口
66a :はんだ
68 :正極電源用開口
68a :はんだ
70 :セル電圧検出用開口
70a :はんだ
72 :セル電圧検出用開口
72a :はんだ
74 :セル電圧検出用開口
74a :はんだ
76 :セル電圧検出用開口
76a :はんだ
78 :セル電圧検出用開口
78a :はんだ
80 :セル電圧検出用開口
80a :はんだ
82 :セル電圧検出用開口
82a :はんだ
84 :セル電圧検出用開口
84a :はんだ
86 :セル電圧検出用開口
86a :はんだ
88 :フィルム
90 :フィルム
92 :防水シート
94 :フィルム
96 :フィルム
98 :防水シート
100 :板材
102 :板材
104 :第1の板材
104a :プレート部
104b :リード部
104c :回路接続部
104d :セル接続部
106 :第1の板材
106a :プレート部
106b :リード部
106c :回路接続部
106d :セル接続部
106e :セル接続部
108 :第1の板材
108a :プレート部
108b :リード部
108c :回路接続部
108d :セル接続部
108e :セル接続部
110 :第1の板材
110a :プレート部
110b :リード部
110c :回路接続部
110d :セル接続部
110e :セル接続部
112 :第1の板材
112a :プレート部
112b :リード部
112c :回路接続部
112d :セル接続部
112e :セル接続部
114 :第1の板材
114a :プレート部
114b :リード部
114c :回路接続部
114d :セル接続部
124 :第2の板材
124a :プレート部
124b :リード部
124c :回路接続部
126 :第2の板材
126a :プレート部
128 :第2の板材
128a :プレート部
130 :第2の板材
130a :プレート部
132 :第2の板材
132a :プレート部
134 :第2の板材
134a :プレート部
134b :リード部
134c :回路接続部
202 :電池パック
204 :電池タブ
204a :プレート部
204b :リード部
204c :回路接続部
204d :セル接続部
204e :セル接続部
204f :セル接続部
204g :セル接続部
206 :電池タブ
206a :プレート部
206b :リード部
206c :回路接続部
206d :セル接続部
206e :セル接続部
206f :セル接続部
206g :セル接続部
208 :電池タブ
208a :プレート部
208b :リード部
208c :回路接続部
208d :セル接続部
208e :セル接続部
210 :電池タブ
210a :プレート部
210b :リード部
210c :回路接続部
210d :セル接続部
210e :セル接続部
212 :電池タブ
212a :プレート部
212b :リード部
212c :回路接続部
212d :セル接続部
212e :セル接続部
212f :セル接続部
212g :セル接続部
214 :電池タブ
214a :プレート部
214b :リード部
214c :回路接続部
214d :セル接続部
214e :セル接続部
214f :セル接続部
214g :セル接続部
216 :負極電源用開口
218 :正極電源用開口
220 :セル電圧検出用開口
222 :セル電圧検出用開口
224 :セル電圧検出用開口
226 :セル電圧検出用開口
228 :防水シート
230 :防水シート