(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168692
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】サンドペーパーディスペンサー
(51)【国際特許分類】
B25H 3/00 20060101AFI20221031BHJP
B65H 16/06 20060101ALI20221031BHJP
B24D 11/00 20060101ALN20221031BHJP
【FI】
B25H3/00 Z
B65H16/06 B
B24D11/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074335
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】521181367
【氏名又は名称】株式会社フツガノ
(74)【代理人】
【識別番号】240000039
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人 衞藤法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓬野 弘樹
【テーマコード(参考)】
3C012
3C063
3F052
【Fターム(参考)】
3C012BG00
3C063AB07
3C063BH07
3C063DD10
3F052AA01
3F052AA02
3F052AA07
3F052BA15
3F052BA18
3F052DA06
3F052DA11
(57)【要約】
【課題】必要な番手及び長さのサンドペーパーを適宜無駄なく迅速に取り出すことができ使い勝手が良く、作業効率を向上することができるばかりでなく、作業場の整理整頓を図ることができるサンドペーパーディスペンサーを提供する。
【解決手段】長方形板状の基台1に立設された一対の支柱2,2と、この支柱2,2に上下移動可能に架設されると共に、ロール状に巻回してなるサンドペーパーロール4を転動可能に保持する支軸となる巻芯ホルダー3から構成する。サンドペーパーロール4の空芯4aに巻芯ホルダー3を挿通させた後、その両端の透孔3a,3aを上方から支柱2,2に挿通させて固定する。これにより、支柱2,2にサンドペーパーロール4を上下移動可能及び転動可能に架設する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台に立設された一対の支柱と、当該支柱に上下移動可能に架設されると共に、ロール状に巻回してなるサンドペーパーを転動可能に保持する支軸となる巻芯ホルダーからなることを特徴とするサンドペーパーディスペンサー。
【請求項2】
巻芯ホルダーが筒状管で、その両端に支柱が上下に貫通する透孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載のサンドペーパーディスペンサー。
【請求項3】
一対の支柱と、当該支柱に対応する巻芯ホルダーを複数組並列して設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のサンドペーパーディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻回したサンドーパーを取り出し易く保持し、かつ必要な種類及び必要な量に応じて取り出すことができるディスペンサーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、研磨用のサンドペーパーとして、動力で回転するディスクの表面に円形シート状に形成されたサンドペーパーを貼り付けて、被研磨物の表面仕上等に用いる手持ち形の研磨機(サンダーと称される)等に使用されるものがある。このサンドペーパーは、裏面に粘着剤を塗布し、帯状の台紙上に剥離可能に巻紙状に巻回してなるサンドペーパーロールとして提供される。
【0003】
そして、使用時には、サンドペーパーを適宜引延して所望の長さにカットしてサンダーのディスクに張付けて作業を行う。しかしながら、研磨作業でサンドペーパーが消耗し、サンドペーパーを交換する度に、作業場周辺に使用後のサンドペーパーが散乱することになり、作業効率を低下させる。また、サンドペーパーロールをそのままテーブルや床上に置いて使用すると、ペーパーを引き出す際にロールが不意に転がってしまうことがあり、使い勝手が悪いものであった。
【0004】
そこで例えば、サンドペーパーロールを転動可能に収容する蓋付きの箱状の本体と、この本体側面に開口形成されて、サンドペーパーロールの台紙をサンドペーパーとともに外部へ引出す引出口と、この引出口に平行する位置に開口形成され、サンドペーパーを剥離した後の台紙を本体内に引込む引込み口と、本体内に回転可能に架設されて、本体側面に設けられたハンドルの回転操作によって回転して引込み口から引込まれた台紙を巻き取る台紙巻取軸とを具備してなるサンドペーパーロールの収納器が開示されている。サンドペーパーロールを箱に収容することにより、台紙を引延してもロールが転がることがなく、定位置に置いておくことができ、台紙を外部に散乱することを防止するものが開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、紙ヤスリを軸に2~3回巻き込み、巻き込んだなら蓋をしめて、蓋と本体の間にある紙ヤスリが蓋の部分によって固定されて、ラチェットと歯車の噛み合わせにより紙ヤスリが逆転することなく張設して平面仕上げ等に使用するサンドペーパー取付具(特許文献2参照。)。
【0006】
他にも、トイレットペーパーやクッキングシート等用のものであるが、ブラケットと、このブラケットに回転可能に軸支される、ロールペーパーを保持するための保持シャフトと、この保持シャフトに保持されるロールペーパーとその外周面が接するようにブラケットに回転可能に軸支される位置決めシャフトと、この位置決めシャフトの外周面にその後端部が接触しうるようにブラケットに回転可能に軸支されるフラップとから成り、安定した引き出し状態を保持し、片手でも簡単かつ綺麗にペーパーをカットできるペーパーホルダー(特許文献3参照。)。
【0007】
ロールペーパー差込軸及び概ね反対側に軸受けを設けた回転体を二個設置し、片方のロールペーパーの差込軸に現用のロールペーパーを差し込み、他方の回転体の軸受けに取り付け、その空いているロールペーパーを差込軸に予備のロールペーパーを差し込んでおき、現用のロールペーパーを使い切ったら軸受けからロールペーパー差込軸を外し、両方の回転体を回転させて予備を差し込んであるロールペーパー差込軸を他方の軸受けに取り付けることで、空芯の処理を後回しにしてすばやく現用と予備のロールペーパーを切り替えて使用を開始することができる予備付きロールペーパーホルダーが開示されている(特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平1-129087号公報
【特許文献2】実開昭48-64098号公報
【特許文献3】実用新案登録第3117591号公報
【特許文献4】特開2010-213833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明もまた上記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、必要な番手及び長さのサンドペーパーを適宜無駄なく迅速に取り出すことができ使い勝手が良く、作業効率を向上することができるばかりでなく、作業場の整理整頓を図ることができるサンドペーパーディスペンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このため本発明のサンドペーパーディスペンサーは、基台に立設された一対の支柱と、当該支柱に上下移動可能に架設されると共に、ロール状に巻回してなるサンドペーパーを転動可能に保持する支軸となる巻芯ホルダーからなることを第1の特徴とする。また、巻芯ホルダーが筒状管で、その両端に支柱が上下に貫通する透孔が形成されていることを第2の特徴とする。さらに、一対の支柱と、当該支柱に対応する巻芯ホルダーを複数組並列して設けたことを第3の特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下の優れた効果がある。
(1)必要な番手及び長さのサンドペーパーを必要な量に応じて、適宜無駄なく迅速に取り出すことができる。
(2)ロールの交換や取り外しが容易にでき、構造も簡単で経済的に製造できる。
(3)サンドペーパーが散乱することがなく、作業場の整理整頓を図ることができる。(4)巻芯ホルダーが、ロールを自ずと下方へ押圧することで、ストッパー機能が生じ、ロールが安置され、ロールが勝手に転動してほどけたり、無用に引き出されることを防止できる。
(5)器具全体が露呈してるので、搭載されたサンドペーパーの種別や残量を一瞥して看取できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るサンドペーパーディスペンサーを示す分解斜視図である。
【
図2】本発明に係るサンドペーパーディスペンサーを示す(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【
図3】本発明に係るサンドペーパーディスペンサーの使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0013】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
先ず、本発明と比較するために、
図4に従来のディスペンサーの一例を示す。このディスペンサーは上面が解放された函体1に、番手の異なる複数個のサンドペーパーロール4を各々仕切板8で区画したスペース内に収容し、函体1の側面から軸棒7をロール4の空芯に貫通させ転動可能に保持し、函体1の前面の設けられたガイド板9に穿孔されたスリット10から必要量のサンドペーパー4を適宜引き出す構成とされている。
【0014】
この従来技術においても、確かに、番手異なる種類のサンドペーパーを搭載でき、使い勝手が良好になり、整理整頓に資するものの、実際、函体1の材質によっては耐水性及び耐久性に乏しく、収納できるサンドペーパーの径や帯幅等のサイズに対する自由度が低い、ロールの装填に手間がかかるといった欠点があった。
【0015】
本発明のディスペンサーは、
図1乃至
図2に示すように、長方形板状の基台1に立設された一対の支柱2,2と、この支柱2,2に上下移動可能に架設されると共に、ロール状に巻回してなるサンドペーパーロール4を転動可能に保持する支軸となる巻芯ホルダー3からなることを基本的な構成としている。
【0016】
基台1は鋼板等の金属製で、支柱2,2もそれぞれ棒状の鋼材が好ましい、巻芯ホルダー3は鋼製の筒状管、すなわち鋼管で、その両端に支柱2,2が上下に貫通可能な透孔3a,3aが穿孔されている。巻芯ホルダー3は、サンドペーパーロール3の帯幅よりも長いサズ、あるは種々の帯幅に応じた長さとする。そして、サンドペーパーロール4の空芯4aに巻芯ホルダー3を挿通させた後、その両端の透孔3a,3aを上方から支柱2,2に挿通させて固定する。これにより、支柱2,2にサンドペーパーロール4が上下移動可能及び転動可能に架設される。
【0017】
さらに、一対の支柱2,2と、支柱2,2に対応する巻芯ホルダー3を一組として、これを同じ基台1上に複数組並列して設けることで、番手や帯幅、ロール径等の異なるサンドペーパー4を複数種設置することができる。そして、必要な番手及び長さのサンドペーパー4を適宜無駄なく迅速に取り出すことができる。これにより、使い勝手が良く、作業効率を向上することができるばかりでなく、作業場の整理整頓を図ることができる。
【0018】
とくに、巻芯ホルダー3が、その自重により、サンドペーパーロール4を自ずと下方へ押圧することで、ストッパー機能が生じ、サンドペーパーロール4を安置し、ロールが不意に動いてほどけたり、無用に引き出されることを防止する。また、例えば、
図3に示すように、作業台車5に固定しておけば、作業場内を自由に移動して使用することができ、さらに利便性が増す。
【0019】
なお、本発明は上記実施例の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で種々の変形例、例えば、支柱2を角柱やパイプ状にすること、金属以外への材質の変更、また、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせも権利範囲に含むものである。
本発明のサンドペーパーディスペンサーの構成は、サンドペーパーの他にも、ロール状に巻回された、粘着テープ、トイレットペーパー、キッチンペーパー、装飾用リボン、紐や帯を使用する各種産業分野においても有益である。